JPH1135680A - 生分解性ポリ乳酸エステルアミド及びその製造法 - Google Patents

生分解性ポリ乳酸エステルアミド及びその製造法

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JPH1135680A
JPH1135680A JP19996397A JP19996397A JPH1135680A JP H1135680 A JPH1135680 A JP H1135680A JP 19996397 A JP19996397 A JP 19996397A JP 19996397 A JP19996397 A JP 19996397A JP H1135680 A JPH1135680 A JP H1135680A
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JP
Japan
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alkylene group
carbon atoms
aliphatic
lactide
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JP19996397A
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Akio Takahashi
暁雄 高橋
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、生分解
性、透明性、保存安定性に優れ、且つ、用途に応じて、
力学的強度や耐熱性を付与できる生分解性ポリ乳酸エス
テルアミド及びその製造法を提供することにある。 【解決手段】 化1式で表されるポリアミドユニット、
化2式で表されるポリエステルユニット、化3式で表さ
れるポリ乳酸ユニット、また、更に化4式で表されるポ
リラクトンユニットを有し、かつ各々のユニットの重量
比をWa、Wb、Wc、Wc’とした時に、(Wa+W
b)/Wcの値が1/99〜90/10もしくは(Wa
+Wb)/(Wc+Wc’)の値が1/99〜90/1
0である生分解性ポリ乳酸エステルアミド及びその製造
法。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化3式) (−CO−CH(CH3)−O−) (化4式) (−O−R5−CO−) (式中、R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性と耐熱性
と力学的強度の制御されている新規な生分解性ポリマー
に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性ポリマーは、これまで脂肪族ポ
リエステル系や天然高分子系のものがこれまで開発され
てきたが、これらの共通する欠点として、耐熱性が低
いこと、生分解性の制御が難しいことが挙げられ、最
近、ポリ乳酸やポリエステルアミドに関しての研究が行
われつつある。一方、ポリエステルアミドの製造法に関
しては、以下のものが考案されてきた。
【0003】即ち、ジオール、ジカルボン酸、ジアミ
ンまたはその塩を加え合わせて減圧条件下、加熱する。
(特公平3−63572号公報、特公昭63ー4569
0号公報)、置換モルホリンジオンまたはその誘導体
を製造し重合を行う。(ディー・マクロモレキュラーレ
・ヘミー1990年191巻1813ページ等)、ジ
アミンに対しジカルボン酸またはその無水物を反応させ
てカルボン酸末端を有するオリゴマーを製造しジオール
と反応させる(特開平2−124933号公報、特公平
5−82411号公報)、ポリエステルオリゴマーと
ポリアミドオリゴマーを混合しエステルアミド交換を行
う(特開昭59−197429号公報、特開平4−23
4458号公報)などを例示することが出来る。
【0004】しかしながら、の方法は用いられるモノ
マーが制限されていて生分解性が期待される乳酸などと
の共重合が難しいこと。の方法は、高度希釈条件下で
行わなければならないなど特殊な反応であり工業化が難
しいこと。の方法はオリゴマーの生成と環化反応が競
争反応になり分子量が上がりにくいこと。の方法は煩
雑である上に乳酸などの導入が困難であること等の問題
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、生分解性、透明性、保存安定性に優れ、且
つ、用途に応じて、力学的強度や耐熱性を付与できる生
分解性ポリ乳酸エステルアミド及びその製造法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するために、鋭意検討を行った結果、ポリエステ
ルアミドにラクタイドやラクタイドとラクトン類とを共
重合させることにより、力学的特性や安定性に優れる生
分解性ポリ乳酸エステルアミドが製造出来ることを見出
し本発明に至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)化1式で表される
ポリアミドユニット、化2式で表されるポリエステルユ
ニット、化3式で表されるポリ乳酸ユニットを有し、か
つ各々のユニットの重量比をWa、Wb、Wcとした時
に、(Wa+Wb)/Wcの値が1/99〜90/10
である生分解性ポリ乳酸エステルアミド、
【0008】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0009】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0010】(化3式) (−CO−CH(CH3)−O−)
【0011】(2)化1式で表されるポリアミドユニッ
ト、化2式で表されるポリエステルユニット、化3式で
表されるポリ乳酸ユニット、化4式で表されるポリラク
トンユニットを有し、且つ各々のユニットの重量比をW
a、Wb、Wc、Wc’とした時に、(Wa+Wb)/
(Wc+Wc’)の値が1/99〜90/10である生
分解性ポリ乳酸エステルアミド、
【0012】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を示す)
【0013】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を示す)
【0014】(化3式) (−CO−CH(CH3)−O−)
【0015】(化4式) (−O−R5−CO−) (式中、R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
【0016】(3)化1式で表されるポリアミドユニッ
ト、化2式で表されるポリエステルユニットを有し、各
々のモル数をMa、MbとしたときのMa/Mbが50
/50以下であるポリエステルアミドに、ラクタイドを
開環重合させることを特徴とする生分解性ポリ乳酸エス
テルアミドの製造法、
【0017】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0018】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0019】(4)化1式で表されるポリアミドユニッ
ト、化2式で表されるポリエステルユニットを有し、各
々のモル数をMa、MbとしたときのMa/Mbが50
/50以下であるポリエステルアミドに、ラクタイド及
び化4式を形成するラクトンを開環重合させることを特
徴とする生分解性ポリエステルアミドの製造法、及び、
【0020】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0021】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0022】(化4式) (−O−R5−CO−) (R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
【0023】(5)化1式で表されるポリアミドユニッ
ト、化2式で表されるポリエステルユニット、及び化4
式で表されるポリラクトンユニットを有し、化1式化2
式の各ユニットのモル数をMa、MbとしたときのMa
/Mbが50/50以下であるポリエステルアミドに、
ラクタイド及び化4式になるラクトンを開環重合させる
ことを特徴とする生分解性ポリエステルアミドの製造法
を含むものである。
【0024】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、R2は炭
素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0025】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、R4は炭
素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化4式) (−O−R5−CO−) (R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は化1式で表されるポリア
ミドユニット、化2式で表されるポリエステルユニッ
ト、化3式で表されるポリ乳酸ユニット、さらに必要に
応じて化4式で表されるポリラクトンユニットを有し、
かつ化1式、化2式、化3式、化4式のユニットの重量
比をWa、Wb、Wc、Wc’とした時に、(Wa+W
b)/(Wc+Wc’)の値が1/99〜90/10で
ある生分解性ポリエステルアミドに関する。
【0027】(化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0028】(化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
【0029】(化3式) (−CO−CH(CH3)−O−)
【0030】ここで言うポリアミドユニット(A)を構
成するジアミンとしては、炭素数13以下の脂肪族ジア
ミンであればいかなるものを用いても構わないが、これ
は直鎖状、分岐、脂環式、ヘテロ原子の存在するものな
ど、いずれのものを用いても良く、これらを例示すれ
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチ
レンジアミン、
【0031】デカメチレンジアミン、トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノ
シクロヘキシル)メタン、水添キシリレンジアミン、水
添トルイレンジアミン、ジアミノジエチルエーテル等を
挙げることが出来る。特に好ましくは炭素数6〜13の
ジアミンである。このようなジアミンを用いることによ
り、他の系に比べ容易に分子量を向上させることが出来
る。また、部分的、又は全体を脂環式ジアミンや、エー
テル結合やチオエーテル結合、スルホン結合を有するジ
アミンを用いて、耐熱性や生分解性を向上させることが
できる。
【0032】ポリアミドユニット(A)を構成するジカ
ルボン酸としては、R2の炭素数が4〜12のものなら
いずれのものも用いることが出来るが、特にR2の炭素
数で6〜12のものが好ましい。それらを例示すると、
スベリン酸、ノナンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジカルボン酸などである。このようなものを選択する
ことにより比較的安価で高分子量のポリエステルアミド
を得ることが出来る。
【0033】ポリエステルユニット(B)を構成するジ
オールとしては、R3の炭素数が2〜10のものならい
ずれを用いることもできるが、R3の炭素数で2〜8の
ものが特に好ましい。これらを例示すれば、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレンジオー
ル、オクタメチレンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール等を挙げることが出来
る。
【0034】容易に高分子量体が得られるという点か
ら、エチレングリコール、プロピレングリコール、テト
ラメチレンジオール等の比較的低沸点のジオールを成分
に含むことが望ましく、これらのジールを含有させるこ
とにより、殆どこのようなジオールを含まないポリエス
テルを製造する際にも、エステル交換でジオールを追い
出して、より高分子量のポリエステルを製造することが
できる。
【0035】ポリエステルユニット(B)を構成するジ
カルボン酸としては、R4の炭素数が4〜12のものな
らいかなるものも用いることが出来るが、それを例示す
れば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジ
カルボン酸等である。特に高分子量で高強度の乳酸含有
生分解性ポリエステルアミドを得るときは、R4の炭素
数が6〜12の直鎖状脂肪族アルキレン基を有するジカ
ルボン酸であることが望ましい。
【0036】ここに挙げたジオール、ジカルボン酸、ジ
アミンは、それぞれ単独で用いることもできるが、諸物
性に更に満足なものを得るために二種以上を混合して用
いることも出来る。例えば、分岐するジオールやメチレ
ン鎖長の異なるジオールを部分的に加えることにより、
透明性や結晶性などを更に改善することもできるし、2
種以上のジアミンを混合することによって耐熱性を落と
さずに透明性をさらに向上させることも出来る。
【0037】またポリエステルアミドを製造するに当た
って、重合を阻害しない範囲内で、カプロラクトン等の
ラクトン類、カプロラクタム等のラクタム類、ポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポ
リエーテル類、トリメチロールエタン、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール等の多価アルコール類、ピロメリッ
ト酸又はその無水物、トリメリット酸無水物等の多価カ
ルボン酸やその無水物、ヘキサメチレンジイソシアネー
トやイソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタ
ンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物等の更
に分子量を向上できるユニットを加えても構わない。
【0038】特にポリエステルアミドの分子量を大きく
したい場合は、ジイソシアネート化合物を用いることが
好ましく、またポリアミドユニットとポリエステルユニ
ットの相溶性が悪いなどの理由で成型物からのブリード
アウトが起こるときは、ラクトン類やラクタム類を添加
することが好ましい。
【0039】ポリエステルアミドを製造する方法として
は、ジカルボン酸、ジオール、ジアミンを直接混合する
方法、及びジカルボン酸、ジオール、ジアミン/ジカル
ボン酸塩を加える方法が好適に用いられるが、分子量を
大きくすることが出来、オリゴマーの生成量が少なくな
り、かつ、そのために、ポリエステルアミドとラクタイ
ドやラクトンとの共重合がスムーズに進むという点でジ
カルボン酸、ジオール、ジカルボン酸/ジアミンの塩を
使うことが好ましいが、その一部分をポリエステルやポ
リアミドのオリゴマー等の他の誘導体に換えることも可
能である。
【0040】その際の実質的なジオールのジアミンに対
するモル比としては、仕込み比にして(ジオールの実質
総モル数)/(ジアミンの実質総モル数)で、望ましく
は50/50以上95/5以下、更に望ましくは60/
40以上90/10以下である。このような比にするこ
とで、生分解性、透明性、強度、溶融粘度などのバラン
スの取れた生分解性ポリエステルアミドを与える好適な
前駆体ポリエステルアミドを得ることが出来る。但しこ
こで実質総モル数とはジオール、ジアミン単独の他にポ
リエステルオリゴマーやポリアミドオリゴマー、カルボ
ン酸塩になっているものの総和を示すものとする
【0041】一方、ポリエステルアミドを製造するに当
たっては、実質的にジオールとジアミンのモル数の和
を、ジカルボン酸のモル数に比べて、望ましくは105
%以上150%以下、更に望ましくは110%以上13
0%以下にすることが望ましい。このような量に設定し
て脱水を起こさせた後、触媒を加えてエステル交換反応
により重合を進行させることにより高分子量の前駆体ポ
リエステルアミドを得ることが出来る。
【0042】その際に用いられる触媒は、ゲルマニウム
系、チタン系、アンチモン系、スズ系、亜鉛系、鉛系
等、通常のものを用いることが出来るが、特に好適に
は、チタン系触媒であるチタンテトライソプロポキシ
ド、チタンテトラブトキシド等のアルコキシド類が用い
ることが出来る。反応温度は、通常のポリエステル製造
の条件を用いることが出来る。具体的には、好ましくは
120〜300℃、更に好ましくは150〜260℃、
さらに、温度を上昇させるに従って、減圧にしていくこ
とが望ましい。
【0043】ポリ乳酸エステルアミドの製造に当たって
は、前駆体ポリエステルアミドとラクタイドや、ラクト
ンとラクタイドの混合物との反応によって製造すること
も、ポリエステルアミドの構成成分と乳酸やラクトンや
それらのオリゴマーとを同時に加えて製造することもで
きるが、透明でオリゴマーなどによるベタツキのないポ
リマーが得られるという点で前駆体ポリエステルアミド
とラクタイドとの反応、または前駆体ポリエステルアミ
ドとラクタイド/ラクトン混合物との反応によって得る
ことが望ましい。
【0044】ここでポリエステルアミドとラクタイドと
の重量比は、生成した生分解性ポリエステルアミド中の
ポリアミド構成成分(A)、ポリエステル構成成分
(B)、ポリ乳酸ユニット(C)の重量をWa、Wb、
Wcとしたときに(Wa+Wb)/Wcの値が1/99
以上90/10以下となっていることが好ましいが、特
に好ましくは1/99以上80/20以下であることで
ある。
【0045】またラクタイド(F)のL体とD体の比、
L/D比はいかなるものも用いることが出来るが、ラク
タイド単独の場合はL/D比が70/30〜99/1で
あることが好ましい。このようにすることによって常温
における強度の優れた生分解性ポリエステルアミドを与
えることが出来る。また、ラクタイドの一部を他のラク
トンで置き換えることもでき、このようにすることで6
0℃付近で起こるポリ乳酸に由来する急激な強度低下を
緩和することも出来る。このような生分解性ポリエステ
ルアミドを製造する時はL/D比は30/70〜99/
1が望ましい。このような比のものを用いることによっ
て、更に高温におけるポリ乳酸由来の急激な強度低下を
緩和させることが出来る。
【0046】このようなラクトンとしては、開環重合に
より化4式をあたえるラクトンならばどのようなものを
用いても構わないが、その例としてカプロラクトン、プ
ロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、グ
リコリド、1,5−ジオキセパン−2−オン等を挙げる
ことが出来るが、中でも4員環以下又は7員環以上のラ
クトンが好ましく、特にε−カプロラクトン、1,5−
ジオキセパン−2−オン等が望ましい。
【0047】前駆体ポリエステルアミドに加えるラクタ
イドとラクトンの重量比は、前駆体ポリエステルアミド
の性質によっても異なるが、特に常温の弾性率が必要
で、加熱時の形状安定性を必要としないときは、それぞ
れの重量をWf、Wgとした時にWf/Wgが80/2
0以上、特に常温で柔軟で加熱時も強度低下をしない用
途の時にはWf/Wgが10/90〜80/20という
ように、使い分けをすることが出来る。
【0048】また、ラクタイド単独、及びラクタイド/
ラクトンの混合物をポリエステルアミドと共重合すると
きの触媒は、チタン系、亜鉛系、ゲルマニウム系、アル
ミニウム系、鉛系、スズ系、アンチモン系、ランタノイ
ド系、希土類金属系など通常のポリエステル合成に使わ
れるものなら好適に用いることが出来るが、特に好まし
くはスズ系の触媒であり、オクタン酸スズ、塩化第一ス
ズ、酸化第一スズ等が好適に用いられる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いてより具体的に
説明する。なお、数平均分子量(以下Mnと略する)、
重量平均分子量(以下Mwと略する)はクロロホルムを
溶媒に用いて、単分散のポリスチレンを標準物質に用い
てGPCで測定した。
【0050】保存安定性試験は、特に断りがない限り、
170℃、2分間かけてプレス成形した厚さ250ミク
ロンのシートを35℃、湿度80%の条件に保存して観
察を行った。また、アイゾット衝撃強度はカスタム・サ
イエンティフィック・インストラメンツ社製のアイゾッ
ト衝撃試験機を用いて測定し、動的粘弾性測定は、保存
安定性試験の測定の為に成形したシートの一部を縦36
mm(但しクランプ間距離は22.6mm)、横5mm
に切り、レオメトリックス社製のRSAIIを用いて測定
した。
【0051】生分解性試験は、屋外に設置した容量10
0リットルの新輝合成社性コンポスト化容器トンボミラ
クルコンポ100型を使用し、これに生ゴミ50kgを
入れ、作成したフィルムを置き、更に生ゴミを約5cm
程度の厚さに入れた。その上にアロン化成社性発酵促進
剤ニュークサミノン500gを振りかけ評価を行った。
装置は屋外に設置した。試験片は7日ごとに観察した。
【0052】(参考例1)セバシン酸113.1g
(0.560モル)、エチレングリコール44.6g
(0.719モル)、セバシン酸−ヘキサメチレンジア
ミン塩76.32g(0.240モル)を攪拌羽根のつ
いたセパラブルフラスコ中に仕込み、窒素置換した後に
攪拌しながら190℃に昇温し、5時間保持しながら、
窒素の気流により脱水反応を起こさせた。これを冷却
後、チタンテトライソプロポキシドを100mg加え、
200℃、200Torrから、6時間かけて250℃
まで昇温し、0.1Torrまで減圧にした。それをそ
のまま4時間反応させた後、常圧に戻し、樹脂を取り出
した。得られた樹脂のMnは8800、Mwは1980
0であった。
【0053】(実施例1)撹拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例1で得たポリエステルアミド16.
0g、DL−ラクタイド8.0g、ε−カプロラクトン
8.0g、トルエン30mlを入れ、撹拌を行って均一
にした後、オクタン酸スズ52mgを加え、170℃で
5時間、重合を行った。得られたポリマーのMnは38
500、Mwは72700、残留モノマーはε−カプロ
ラクトンが1.6%、ラクタイドが1.5%であった。
【0054】このポリマーをクロロホルムを溶媒にし
て、フィルム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空
オーブン中、90℃で乾燥して、未反応モノマーを除い
た後、IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの
測定、アイゾット試験、動的粘弾性測定、保存安定性試
験に供した。IRスペクトルの測定の結果、アミドI:
に由来する1630cm-1付近の吸収、アミドIIに由来
する1540cm-1付近の吸収、1730cm-1付近の
ポリエステルのカルボニル伸縮振動に由来する吸収から
ポリエステルアミドの生成を確認し、またプロトンNM
Rの測定の結果から所定比の組成を持つポリ乳酸エステ
ルアミドが製造できたことを確認した。
【0055】得られたプロトンNMRのチャートを図1
に、アイゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示
す。保存安定性試験の結果、96日で白い粉状のブリー
ドアウトした異物が見られるようになった。また生分解
性試験の結果、49日で脆くなり、77日で原型をとど
めなくなった。
【0056】(実施例2)参考例1で得たポリエステル
アミド16.0g、L−ラクタイド8.0g、ε−カプ
ロラクトン8.0g、トルエン30ml、オクタン酸ス
ズ52mgを用い、実施例1と同様にして重合した。得
られたポリマーのMnは37400、Mwは7060
0、残留モノマーはε−カプロラクトンが1.4%、ラ
クタイドが1.9%であった。このポリマーを実施例1
と同様に精製して、IRスペクトル及びプロトンNMR
スペクトルの測定、アイゾット試験、動的粘弾性測定、
保存安定性試験に供した。IRスペクトル及びプロトン
NMRの測定の結果から、実施例1と同様にして所定比
の組成を持つポリ乳酸エステルアミドが製造できたこと
を確認した。保存安定性試験の結果、94日で白い粉状
のブリードアウトした異物が見られるようになった。ア
イゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示す。ま
た生分解性試験の結果、49日で脆くなり、70日で原
型をとどめなくなった。
【0057】(実施例3)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例1で得たポリエステルアミド15.
0g、L−ラクタイド34.3g、D−ラクタイド0.
7g、トルエン20mlを用い、実施例1と同じように
して重合を行った。得られたポリマーのMnは5170
0、Mwは99900、残留ラクタイドは3.2%であ
った。このポリマーを、実施例1と同様にして精製し、
IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの測定、
アイゾット試験、動的粘弾性測定、保存安定性試験に供
した。IRスペクトルの測定の結果とプロトンNMRス
ペクトルの結果から所定の比率を有するポリ乳酸エステ
ルアミドの生成を確認した。また保存安定性試験の結
果、85日で白い粉状のブリードアウトした異物が見ら
れるようになった。アイゾット試験と動的粘弾性測定の
結果を表1に示す。また生分解性試験の結果は、49日
で脆くなり、77日で原型をとどめなくなった。
【0058】(参考例2)セバシン酸113.1g
(0.560モル)、エチレングリコール44.6g
(0.719モル)、セバシン酸−ヘキサメチレンジア
ミン塩76.32g(0.24モル)をセパラブルフラ
スコ中に仕込み、窒素置換した後に攪拌しながら190
℃に昇温し、5時間保持しながら、窒素の気流により脱
水反応を起こさせた。これを冷却後、チタンテトライソ
プロポキシドを100mg、ε-カプロラクトンを1
2.76g(0.111モル)加え、200℃、200
Torrから、6時間かけて250℃まで昇温し、0.
1Torrまで減圧にした。それをそのまま4時間反応
させた後、常圧に戻し、樹脂を取り出した。得られた樹
脂のMnは11300。Mwは24500であった。
【0059】(実施例4)参考例2で得たポリエステル
アミド15.0g、L−ラクタイド34.3g、D−ラ
クタイド0.7g、トルエン50ml、オクタン酸スズ
50mgを用い、実施例1と同様にして合成を行った。
得られたポリマーのMnは47800、Mwは9430
0、残留ラクタイドは2.7%であった。このポリマー
を実施例1と同様な操作で精製しIRスペクトル及びプ
ロトンNMRスペクトルの測定、及びアイゾット試験と
動的粘弾性測定と保存安定性試験に供した。IRスペク
トル及びプロトンNMRの測定の結果から、実施例1と
同様にして所定比の組成を持つポリ乳酸エステルアミド
が製造できたことを確認した。また、保存安定性試験の
結果、90日で白い粉状のブリードアウトした異物が見
られるようになった。アイゾット試験と動的粘弾性測定
の結果を表1に示す。また生分解性試験の結果は、42
日で脆くなり、70日で原型をとどめなくなった。
【0060】(実施例5)参考例2で得たポリエステル
アミド16.0g、L−ラクタイド8.0g、ε−カプ
ロラクトン8.0g、トルエン30ml、オクタン酸ス
ズ50mgを用いて実施例1と同様にして合成を行っ
た。得られたポリマーのMnは、44400、Mwは9
3700、残留ラクタイドは2.8%、残留ε-カプロ
ラクトンは1.0%であった。このポリマーを実施例1
と同様な操作で精製しIRスペクトル及びプロトンNM
Rスペクトルの測定、及びアイゾット試験と動的粘弾性
測定と保存安定性試験に供した。IRスペクトル及びプ
ロトンNMRの測定の結果から、実施例1と同様にして
所定比の組成を持つポリ乳酸エステルアミドが製造でき
たことを確認した。また、保存安定性試験の結果、94
日で白い粉状のブリードアウトした異物が見られるよう
になった。アイゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表
1に示す。また生分解性試験の結果は、42日で脆くな
り、77日で原型をとどめなくなった。
【0061】(実施例6)参考例2で得たポリエステル
アミド16.0g、L−ラクタイド4.0g、D−ラク
タイド4.0g、ε−カプロラクトン8.0g、トルエ
ン30ml、オクタン酸スズ50mgを用いて実施例1
と同様にして合成を行った。得られたポリマーのMnは
52000、Mwは95300、残留ラクタイドは2.
8%、残留ε-カプロラクトンは1.0%であった。こ
のポリマーを実施例1と同様な操作で精製しIRスペク
トル及びプロトンNMRスペクトルの測定、及びアイゾ
ット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験に供した。
【0062】IRスペクトル及びプロトンNMRの測定
の結果から、実施例1と同様にして所定比の組成を持つ
ポリ乳酸エステルアミドが製造できたことを確認した。
アイゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示す。
保存安定性試験の結果、104日で白い粉状のブリード
アウトした異物が見られるようになった。生分解性試験
の結果は、42日で脆くなり、70日で原型をとどめな
くなった。
【0063】(参考例3)セバシン酸169.6g
(0.840モル)、エチレングリコール54.56g
(0.88モル)、イソホロンジアミン13.6g
(0.080モル)をセパラブルフラスコ中に仕込み、
窒素置換した後に攪拌しながら190℃に昇温し、5時
間保持しながら、窒素の気流により脱水反応を起こさせ
た。これを冷却後、チタンテトライソプロポキシドを1
00mg加え、200℃、200Torrから、6時間
かけて250℃まで昇温し、0.1Torrまで減圧に
した。それをそのまま4時間反応させた後、常圧に戻し
樹脂を取り出した。得られた樹脂のMnは15400、
Mwは37800であった。
【0064】(実施例7)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例3で得たポリエステルアミド15.
0g、L−ラクタイド34.3g、D−ラクタイド0.
7g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.163g、
トルエン15mlを加え、攪拌を行って均一にした後、
オクタン酸スズを50mg加えて170℃で5時間、重
合を行った。得られたポリマーのMnは40500、M
wは71800、残留ラクタイドは2.2%であった。
【0065】このポリマーをクロロホルムを溶媒にして
フィルム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オー
ブン中で90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、
IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの測定、
及びアイゾット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験
に供した。保存安定性試験の結果、85日で白い粉状の
ブリードアウトした異物が見られるようになった。IR
スペクトル及びプロトンNMRの測定の結果から、実施
例1と同様にして所定比の組成を持つポリ乳酸エステル
アミドが製造できたことを確認した。アイゾット試験と
動的粘弾性測定の結果を表1に示す。また生分解性試験
の結果は、63日で脆くなった。
【0066】(実施例8)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例3で得たポリエステルアミド16.
0g、L−ラクタイド8.0g、ε−カプロラクトン
8.0g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.173
g、トルエン30mlを加え、170℃で、攪拌を行っ
て均一にした後、オクタン酸スズを50mg加えて17
0℃で5時間、重合を行った。得られたポリマーのMn
は41300、Mwは72400、残留ラクタイドは
1.5%、残留ε−カプロラクトンは、1.7%であっ
た。
【0067】このポリマーをクロロホルムを溶媒にして
フィルム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オー
ブン中で90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、
IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの測定、
及びアイゾット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験
に供した。IRスペクトル及びプロトンNMRの測定の
結果から、実施例1と同様にして所定比の組成を持つ乳
酸含有ポリエステルアミドが製造できたことを確認し
た。また、保存安定性試験の結果、94日で白い粉状の
ブリードアウトした異物が見られるようになった。アイ
ゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示す。また
生分解性試験の結果は、56日で脆くなり、77日で原
型をとどめなくなった。
【0068】(参考例4)セバシン酸127.2g
(0.630モル)、エチレングリコール40.92g
(0.66モル)、ビス(4ーアミノシクロヘキシル)
メタン12.6g(0.06モル)をセパラブルフラス
コ中に仕込み、窒素置換した後に攪拌しながら190℃
に昇温し、5時間保持しながら、窒素の気流により脱水
反応を起こさせた。これを冷却後、チタンテトライソプ
ロポキシドを100mg加え、200℃、200Tor
rから、6時間かけて250℃まで昇温し、0.1To
rrまで減圧にした。それをそのまま4時間反応させた
後、常圧に戻し、樹脂を取り出した。得られた樹脂のM
nは9800、Mwは37600であった。
【0069】(実施例9)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例4で得たポリエステルアミド15.
0g、L−ラクタイド34.3g、D−ラクタイド0.
7g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.163g、
トルエン15mlを加え、攪拌を行って均一にした後、
オクタン酸スズを50mg加えて170℃で5時間、重
合した。得られたポリマーのMnは37200、Mwは
74300、残留ラクタイドは2.9%であった。
【0070】このポリマーをクロロホルムを溶媒にして
フィルム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オー
ブン中で90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、
IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの測定、
及びアイゾット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験
に供した。IRスペクトル及びプロトンNMRの測定の
結果から、実施例1と同様にして所定比の組成を持つ乳
酸含有ポリエステルアミドが製造できたことを確認し
た。また、保存安定性試験の結果、96日で白い粉状の
ブリードアウトした異物が見られるようになった。アイ
ゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示す。また
生分解性試験の結果は、56日で脆くなった。
【0071】(実施例10)攪拌羽根のついたセパラブ
ルフラスコ中に参考例4で得たポリエステルアミド1
6.0g、L−ラクタイド8.0g、ε−カプロラクト
ン8.0g、トルエン30mlを加え、170℃で、攪
拌を行って均一にした後、オクタン酸スズを50mg加
えて170℃で5時間、重合を行った。得られたポリマ
ーのMnは38400、Mwは75000、残留ラクタ
イドは1.9%、残留ε−カプロラクトンは1.4%で
あった。
【0072】このポリマーをクロロホルムを溶媒にして
フィルム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オー
ブン中で90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、
IRスペクトル及びプロトンNMRスペクトルの測定、
及びアイゾット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験
に供した。IRスペクトル及びプロトンNMRの測定の
結果から、実施例1と同様にして所定比の組成を持つ乳
酸含有ポリエステルアミドが製造できたことを確認し
た。また、保存安定性試験の結果、102日で白い粉状
のブリードアウトした異物が見られるようになった。ア
イゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表1に示す。ま
た生分解性試験の結果は、56日で脆くなった。
【0073】(参考例5)アジピン酸84.8g(0.
420モル)、エチレングリコール31.02g(0.
50モル)、エチレンジアミン10.44g(0.71
4モル)をセパラブルフラスコ中に仕込み、窒素置換し
た後に攪拌しながら190℃に昇温し、5時間保持しな
がら、窒素の気流により脱水反応を起こさせた。これを
冷却後、チタンテトライソプロポキシドを100mg加
え、200℃、200Torrから、6時間かけて25
0℃まで昇温し、0.1Torrまで減圧にした。それ
をそのまま4時間反応させた後、常圧に戻し、樹脂を取
り出した。得られた樹脂のMnは1630、Mwは12
400であった。
【0074】(比較例1)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例5で得たポリエステルアミド15.
0g、L−ラクタイド34.3g、D−ラクタイド0.
7g、トルエン約30mlを加え、攪拌を行って均一に
した後、オクタン酸スズを50mg加えて170℃で5
時間、重合を行った。得られたポリマーのMnは450
0、Mwは23500、残留ラクタイドは3.2%であ
った。このポリマーをクロロホルムを溶媒にしてフィル
ム状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オーブン中
で90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、アイゾ
ット試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験に供した。
保存安定性試験の結果、34日で白い粉状のブリードア
ウトした異物が見られるようになった。アイゾット試験
と動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
【0075】(比較例2)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例5で得たポリエステルアミド16.
0g、L−ラクタイド8.0g、ε−カプロラクトン
8.0g、トルエン約30mlを加え、170℃で、攪
拌を行って均一にした後、オクタン酸スズを50mg加
えて170℃で5時間、重合を行った。得られたポリマ
ーのMnは4700、Mwは24200、残留ラクタイ
ドは2.9%であった。このポリマーをクロロホルムを
溶媒にしてフィルム状にキャストし、アセトンで洗浄
後、真空オーブン中で90℃で乾燥して未反応モノマー
を除いた後、アイゾット試験と動的粘弾性測定と保存安
定性試験に供した。保存安定性試験の結果、25日で白
い粉状のブリードアウトした異物が見られるようになっ
た。アイゾット試験と動的粘弾性測定の結果を表2に示
す。
【0076】(参考例6)セバシン酸113.1g
(0.560モル)、エチレングリコール44.6g
(0.719モル)をセパラブルフラスコ中に仕込み、
窒素置換した後に攪拌しながら190℃に昇温し、5時
間保持しながら、窒素の気流により脱水反応を起こさせ
た。これを冷却後、チタンテトライソプロポキシドを1
00mg加え、200℃、200Torrから、6時間
かけて250℃まで昇温し、0.1Torrまで減圧に
した。それをそのまま4時間反応させた後、常圧に戻
し、樹脂を取り出した。得られた樹脂のMnは3800
0、Mwは63000であった。
【0077】(比較例3)攪拌羽根のついたセパラブル
フラスコ中に参考例6で得たポリエステル15.0g、
L−ラクタイド34.3g、D−ラクタイド0.7g、
トルエン30mlを加え、攪拌を行って均一にした後、
オクタン酸スズを50mg加えて170℃で5時間、重
合を行った。得られたポリマーのMnは45900、M
wは103000、残留ラクタイドは3.3%であっ
た。このポリマーをクロロホルムを溶媒にしてフィルム
状にキャストし、アセトンで洗浄後、真空オーブン中で
90℃で乾燥して未反応モノマーを除いた後、アイゾッ
ト試験と動的粘弾性測定と保存安定性試験に供した。保
存安定性試験の結果、95日で白い粉状のブリードアウ
トした異物が見られるようになった。アイゾット試験と
動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
【0078】表1に実施例1〜10、表2に比較例1〜
3で得たポリマーのアイゾット試験(ノッチ付、単位:
kJ/m2)と動的粘弾性試験、保存安定性試験の結果
を示す。耐衝撃性としてのアイゾット強度は、通常10
以上あることが好ましい。アイゾット試験値が60以上
と記載したものは、測定不能のものであり、上限値を記
載した。Ttとは、貯蔵弾性率の低下開始温度(単位:
℃)であり、機械的に検出できないものはN.Dと示し
た。E’20とは20℃における貯蔵弾性率(単位:k
g/cm2)、E’80とは80℃における貯蔵弾性率
(単位:kg/cm2)を示し、E’20が10000
以上のものは、比較的硬い樹脂であり、E’20/E’
80の値が低い方が熱安定性が良好であることを示す。
保存安定性は、保存安定性試験でブリ−ドアウトが80
日以上見られなかったものを○、30日以上80日未満
のものを△とした。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】表1及び表2から、本発明の生分解性ポリ
乳酸エステルアミドは、生分解性、耐衝撃性、保存安定
性に優れ、中でも、ポリエステルアミドとラクタイドの
共重合体では、ポリエステルアミドそのものやポリエス
テルに比較して力学的強度が向上されるのに対して、ポ
リエステルアミドとラクタイドとラクトン類の共重合体
では、特に耐熱性が改善されることが判る。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルアミド
と、ラクタイド、又はラクタイド/ラクトン類混合物を
共重合させることにより、高分子量で生分解性、透明
性、力学的強度(特に耐衝撃性)、耐熱性、保存安定性
に優れた生分解性ポリ乳酸エステルアミドを得ることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で得られた生分解性ポリ乳
酸エステルアミドのプロトンNMR測定結果を示す図で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1式で表されるポリアミドユニット、
    化2式で表されるポリエステルユニット、化3式で表さ
    れるポリ乳酸ユニットを有し、かつ各々のユニットの重
    量比をWa、Wb、Wcとした時に、(Wa+Wb)/
    Wcの値が1/99〜90/10である生分解性ポリ乳
    酸エステルアミド。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
    2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
    4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化3式) (−CO−CH(CH3)−O−)
  2. 【請求項2】 化1式で表されるポリアミドユニット、
    化2式で表されるポリエステルユニット、化3式で表さ
    れるポリ乳酸ユニット、化4式で表されるポリラクトン
    ユニットを有し、且つ各々のユニットの重量比をWa、
    Wb、Wc、Wc’とした時に、(Wa+Wb)/(W
    c+Wc’)の値が1/99〜90/10である生分解
    性ポリ乳酸エステルアミド。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
    2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を示す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
    4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を示す) (化3式) (−CO−CH(CH3)−O−) (化4式) (−O−R5−CO−) (式中、R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
  3. 【請求項3】 化1式で表されるポリアミドユニット、
    化2式で表されるポリエステルユニットを有し、各々の
    モル数をMa、MbとしたときのMa/Mbが50/5
    0以下であるポリエステルアミドに、ラクタイドを開環
    重合させることを特徴とする生分解性ポリ乳酸エステル
    アミドの製造法。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
    2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
    4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す)
  4. 【請求項4】 化1式で表されるポリアミドユニット、
    化2式で表されるポリエステルユニットを有し、各々の
    モル数をMa、MbとしたときのMa/Mbが50/5
    0以下であるポリエステルアミドに、ラクタイド及び化
    4式を形成するラクトンを開環重合させることを特徴と
    する生分解性ポリエステルアミドの製造法。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (式中、R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、
    2は炭素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (式中、R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、
    4は炭素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化4式) (−O−R5−CO−) (R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
  5. 【請求項5】 化1式で表されるポリアミドユニット、
    化2式で表されるポリエステルユニット、及び化4式で
    表されるポリラクトンユニットを有し、化1式化2式の
    各ユニットのモル数をMa、MbとしたときのMa/M
    bが50/50以下であるポリエステルアミドに、ラク
    タイド及び化4式になるラクトンを開環重合させること
    を特徴とする生分解性ポリエステルアミドの製造法。 (化1式) (−NH−R1−NHCO−R2−CO−) (R1は炭素数1〜13の脂肪族アルキレン基、R2は炭
    素数4〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化2式) (−O−R3−OCO−R4−CO−) (R3は炭素数2〜10の脂肪族アルキレン基、R4は炭
    素数8〜12の脂肪族アルキレン基を表す) (化4式) (−O−R5−CO−) (R5は炭素数1〜13のアルキレン基を表す)
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