JP2004035733A - 脂肪族ポリエステル組成物 - Google Patents

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矢野 一憲
Yuko Mogi
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
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Abstract

【課題】衝撃強度と剛性に優れ、射出成形品等各種用途に好適に用いることができ、また、生分解性又は崩壊性を有し、環境に優しい組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族ジオール単位、脂肪族ジカルボン酸単位、および脂肪族オキシシカルボン酸単位からなる、数平均分子量が1万〜30万である脂肪族ポリエステル(A)99〜1重量部と、数平均分子量3万以上のポリ乳酸(B)1〜99重量部の合計100重量部に対し、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はポリエチレン系共重合体(D)1〜50重量部を溶融ブレンドした脂肪族ポリエステル組成物。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、十分な衝撃強度を有し、かつ剛性が高く、また、生分解性又は崩壊性を兼ね備えた脂肪族ポリエステル組成物に関するものである。ここでの崩壊性とは、加水分解反応等により成形後に成形体の形状を保持せず、崩れることを言う。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生分解性高分子としてはポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキブチレート等の種々の樹脂が提案されている。これら樹脂は、生分解性という点では同じであるが、機械物性等については、それぞれ異なる性質を有しており、目的の用途に応じてそれぞれの樹脂が使用されている。
【0003】
例えば、ポリブチレンサクシネートは、十分な伸びを有するものの、用途によっては弾性率などの強度がやや低く、柔らかすぎるものであったり、一方、ポリ乳酸は、剛性率は高いものの、伸びに欠け、硬くて脆い性質であるため、その用途に限界があった。
そのため、特開平9−272789号公報では、これらを溶融ブレンドした組成物が提案されている。
【0004】
しかしながら、特開平9−272789号公報で提案の組成物は、フィルム等の成形に好適な組成物であるが、より高い衝撃強度と剛性の要求される射出成形品、具体的には車内装部品、家電部品及び筐体等の用途分野には、物性面で不十分なものであり、より高い衝撃強度と剛性とを兼ね備えた組成物が要望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より高い衝撃強度と剛性を兼ね備えた脂肪族ポリエステル組成物を提供することであり、様々な成形体に好適に使用でき、特に、車内装部品、家電部品及び筐体等の射出成形用途に好適で、生分解性又は崩壊性を兼ね備えた脂肪族ポリエステル組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、(a)脂肪族ジオール単位、(b)脂肪族ジカルボン酸単位、および(c)脂肪族オキシカルボン酸単位からなる、数平均分子量が1万〜30万である脂肪族ポリエステル(A)99〜1重量部と、数平均分子量3万以上のポリ乳酸(B)1〜99重量部の合計100重量部に対して、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はポリエチレン系共重合体(D)1〜50重量部を溶融ブレンドした脂肪族ポリエステル組成物に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる脂肪族ポリエステル(A)は、(a)脂肪族ジオール単位、(b)脂肪族ジカルボン酸単位、および(c)脂肪族オキシカルボン酸単位からなる、数平均分子量が1万〜30万である脂肪族ポリエステルである。
【0008】
<(a)脂肪族ジオール単位>
本発明の脂肪族ポリエステル(A)を構成する(a)脂肪族ジオール単位を成す脂肪族ジオール成分としては、脂肪族及び脂環族の化合物であって、水酸基を2個持つ化合物であるが、その好ましい具体例は下記の式(II)で表されるものである。
【0009】
【化2】
HO−R−OH                (II)
(式中、Rは2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは2〜6、のものである。Rはシクロアルキレン基を包含することは上記したところであり、また分岐鎖を有するものであってもよい。好ましいRは−(CH−、であり、nは2〜11の整数、好ましくは2〜6、の整数を示す)
本発明に用いることができる脂肪族ジオールは特に限定されないが、その具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール及び1,6−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。これらは単独で用いても、またはこれらの混合物を用いてもよい。得られる脂肪族ポリエステル(A)の物性の点からは、1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0010】
<(b)脂肪族ジカルボン酸単位>
(b)脂肪族ジカルボン酸単位を成す脂肪族ジカルボン成分は、脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体であり、下記の式(III)で表されるジカルボン酸、及び、それらの炭素数1〜4の低級アルキルエステルまたはそれらの無水物などを言う。
【0011】
【化3】
HOOC−R−COOH            (III)
(式中、Rは直接結合、または2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数2〜11、特に好ましくは2〜6、のものである。Rはシクロアルキレン基を包含することは上記したところであり、また分岐鎖を有するものであってもよい。好ましいRは、−(CH−、である。ただし、mは0または1〜11の整数、好ましくは0または1〜6の整数を示す。)
脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体の好ましい具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸及びドデカン二酸等、が挙げられ、これらの誘導体としては、酸無水物が挙げられる。得られる脂肪族ポリエステル(A)の物性からは、(b)成分はコハク酸または無水コハク酸、又はこれらとアジピン酸の混合物であることが好ましい。これらのジカルボン酸及びこれらの誘導体は、これらは単独で用いても、またはこれらの混合物を用いてもよい。
【0012】
<(c)脂肪族オキシカルボン酸単位>
脂肪族オキシカルボン酸単位を成す脂肪族オキシカルボン酸成分としては、分子中に1個の水酸基と1個のカルボン酸基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、下記の式(IV)の脂肪族オキシカルボン酸、又はそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル、またはそれらの分子内エステルが好適である。
【0013】
【化4】
HO−R−COOH              (IV)
(式中、Rは2価の脂肪族炭化水素基、好ましくは炭素数1〜11、特に好ましくは1〜6、の2価の脂肪族炭化水素基、である。Rはシクロアルキレン基を包含してもよいことは前記したところから明かであるが、好ましいのは鎖状炭化水素である。「鎖状」は分岐鎖を包含するものとする。)
さらに好ましくは、1つの炭素原子に水酸基とカルボキシル基を持つ化合物、特には式(V)
【0014】
【化5】
Figure 2004035733
(式中、aは0または1以上の整数、好ましくは0または1〜10、さらに好ましくは0または1〜5、である)で表されるものである。
【0015】
脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸及びカプロラクトン等のラクトン類を開環させたもの、更にはこれらの混合物などが挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形状としては固体、液体、あるいは水溶液であってもよい。特に使用時の重合速度の増大が顕著で、かつ入手容易な乳酸およびこれらの水溶液が好ましい。乳酸は、50%、70%、90%の水溶液が一般的に市販されており、入手が容易である。
【0016】
<脂肪族ポリエステル(A)の製造方法>
本発明による脂肪族ポリエステル(A)は、成分(a)〜(c)をポリエステル生成条件下に、触媒を存在、特に、ゲルマニウム化合物からなる触媒の存在下、重縮合反応によって製造できる。
脂肪族ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体に対して実質的に等モルであるが、実際の製造過程においてはエステル化反応中に留出することがあることから、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対して、1〜50モル、好ましくは5〜30モル過剰に用いられる。
【0017】
本発明に使用される脂肪族オキシキシカルボン酸の量は、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対し、一般に0.04〜60モル、好ましくは1〜20モル、より好ましくは3〜10モル、である。脂肪族オキシカルボン酸が少なすぎると重合反応性向上効果が現れにくく高分子量ポリエステルが得難くなり、多すぎると耐熱性、強度が不十分である。
【0018】
脂肪族オキシカルボン酸の添加時期は、ポリエステル生成反応以前であれば特に限定されないが、例えば(1)あらかじめ触媒を脂肪族ヒドロキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で原料仕込時またはエステル化反応中に添加する方法、または(2)原料仕込時に触媒を添加すると同時に添加する方法、などが好ましい。
【0019】
本発明による脂肪族ポリエステル(A)の製造に使用されるゲルマニウム化合物からなる触媒は、ゲルマニウム化合物の一種でも二種でもよく、またゲルマニウム化合物と公知のポリエステルの製造に用いることのできる任意の触媒、例えばチタン、アンチモン、スズ、マグネシウム、亜鉛、カルシウム等の反応系に可溶の金属触媒と組み合わせて使用することもできる。
【0020】
ゲルマニウム化合物としては、例えばテトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、または酸化ゲルマニウムおよび塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が特に好ましい。価格や入手のし易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウムまたはテトラブトキシゲルマニウムなどが特に好ましい。
【0021】
これら触媒の使用量は、使用するモノマー量、すなわち成分(a)〜(c)の合計量、に対して一般に0.001〜3重量%、より好ましくは0.005〜1.5重量%、である。触媒の添加時期はポリエステル生成以前であれば特に制限されないが、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時に脂肪族オキシカルボン酸と同時に添加するか、または脂肪族オキシカルボン酸およびその水溶液に触媒を溶解して添加するのが特に好ましい。
【0022】
脂肪族ポリエステル(A)を製造する際の温度、時間、圧力などの条件は、従来公知の条件を採用することができる。具体的な条件としては、温度は150〜260℃、好ましくは180〜230℃、重合時間は1時間以上、好ましくは2〜15時間、重縮合反応時の減圧度は1.33kPa以下、より好ましくは0.233kPa以下、の範囲から選択することが好ましい。
【0023】
本発明の脂肪族ポリエステル(A)は、(a)成分および(b)成分を主成分としたポリエステルであり、一般的に、(a)脂肪族ジオール単位と(b)脂肪族ジカルボン酸単位のモル比が実質的に等しくなっており、脂肪族ポリエステル(A)の全構成成分のモル数を100としたとき、(c)脂肪族オキシカルボン酸単位は、0.02〜30モルである。特に(c)脂肪族オキシカルボン酸成分が乳酸である場合、ポリ乳酸(B)との相溶性が高められ、非常に好ましい。
【0024】
本発明の脂肪族ポリエステル(A)の数平均分子量Mnは、1万〜30万、好ましくは3万〜30万である。
また本発明に使用される脂肪族ポリエステル(A)には、効果を損なわない限りにおいて他の共重合成分を導入することができる。他の共重合成分としては3官能以上の多価ヒドロキシカルボン酸、多価カルボン酸、多価アルコールなどを添加した場合溶融粘度を高めることが出来、好ましい。具体的にはリンゴ酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスルトール及びトリメリット酸などである。得られるポリエステルの物性からはリンゴ酸、トリメチロールプロパン及びグリセリンなどが特に好ましい。
【0025】
<ポリ乳酸(B)及びその製造方法>
本発明に使用されるポリ乳酸(B)は、特に限定されないが、十分な強度を有するために必要な数平均分子量は3万以上、好ましくは10万以上である。得られるポリ乳酸の物性から、ポリ乳酸を構成するL体とD体のモル比はL/Dは100/0〜0/100の全ての組成で使用できるが、弾性率の高いものが好ましくは、L体が95%以上であることが好ましい。ポリ乳酸の製造法は特に限定されるものではなく、ラクチドを経由する開環重合法あるいは、乳酸の直接重縮合法が挙げられる。
【0026】
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)及びその製造方法>
本発明に使用される脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)は、脂肪族ジオール単位35〜50モル%、脂肪族ジカルボン酸単位35〜50モル%及び脂肪族オキシカルボン酸単位0〜30モル%からなる脂肪族ポリエステル部分と下記(式1)で表されるポリエーテル部分とを有する脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体である。
【0027】
【化6】
Figure 2004035733
【0028】
(式1中、Rは水素またはアルキル基、mは1〜10の整数、nは1〜1000の整数を示す。)
ポリエーテル部分の上記(式1)中、Rの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基等が挙げられる。この内、水素及びメチル基が好まく、最も好ましくは水素である。式中mは1〜10の整数、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、更に好ましくは、2又は3、最も好ましくは2である。また、式中のnは4〜1000の整数、好ましくは10〜500の整数、より好ましくは20〜200の整数、最も好ましくは20〜50の整数である。
【0029】
ポリエーテル部分を構成するポリエーテル成分としては、前記した式1の両末端がヒドロキシ基、又は、片末端がヒドロキシ基でもう一方の末端が有機基のものが挙げられる。有機基の例としては、アルキル基、グリシジル基、エポキシキ基及びアシル基が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
好ましいポリエーテル部分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリテトラメチレングリコールから選択される少なくとも一つの単位である。
ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、0.1〜90重量%であり、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、また好ましい上限値は、70重量%以下、より好ましくは50重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。
【0031】
また、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の還元粘度ηsp/Cは好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上、最も好ましくは1.8以上である。ηsp/Cが1.4未満であると十分な強度が得られにあ傾向がある。
本発明に使用される脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)の製造方法は、脂肪族ポリエステル(A)に挙げられているそれぞれの原料と前述したポリエーテルの成分とを重縮合することにより製造することができる。重合方法としては、公知の方法が採用でき、具体的には、溶融重縮合、溶液縮重合等の方法が用いられる。また、溶融重縮合の際の反応条件は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されないが、反応温度、時間及び圧力などの条件は、温度が150〜260℃、好ましくは180〜230℃の範囲で選ぶのがよく、重合時間は2時間以上、好ましくは4〜15時間の範囲で選ぶのがよい。減圧度は1.33×10Pa以下、より好ましくは0.27×10Pa以下で選ぶのがよい。
【0032】
<ポリエチレン系共重合体(D)及びその製造方法>
本発明に使用されるポリエチレン系共重合体(D)は、脂肪族ポリエステル(A)及び/又はポリ乳酸(B)と反応する官能基を含有する化合物を2〜30重量%含有した共重合体である。好ましい含有量は、5〜20重量%である。
官能基の具体的な例としては、エポキシ基、酸無水物基、水酸基及びカルボキシル基等が挙げられ、これら官能基を含有する化合物としては、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸エチルグリシジル、マレイン酸メチルグリシジル、フマル酸ジグリシジル、フマル酸メチルグリシジル、フマル酸イソプロピルグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、イタコン酸メチルグリシジル及びイタコン酸エチルグリシジル等のエポキシ含有化合物が、無水マレイン酸等の酸無水物基含有化合物、ビニルアルコール等の水酸基含有化合物、アクリル酸、メタクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸及びテトラヒドロフタル酸等のカルボキシ基含有化合物が挙げられる。これらの官能基を含有する化合物は、2種以上含有して用いても良い。この内、好ましいくは、メタクリル酸グリシジルである。
【0033】
また、本発明のポリエチレン系共重合体は、剛性が20〜100MPa、結晶化度が10〜50%、密度が0.900〜0.950g/cm、メルトフローレイシオ(190℃, 2kg荷重)が0.5〜100、好ましくは1〜50であるポリエチレン系共重合体である。
本発明のポリエチレン系共重合体の製造法は、特に限定されるものではなく、前記した官能基含有化合物とエチレンとをラジカル重合により製造することができる。
【0034】
〈脂肪族ポリエステル組成物〉
本発明の脂肪族ポリエステル組成物を成すそれぞれの成分の混合割合は、脂肪族ポリエステル(A)が1〜99重量部、ポリ乳酸(B)が99〜1重量部の100重量部に対し、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はポリエチレン系共重合体(D)が1〜50重量部である。
【0035】
脂肪族ポリエステル組成物の強度を向上させる場合、脂肪族ポリエステル(A)と、ポリ乳酸(B)との混合割合は、脂肪族ポリエステル(A)が60〜99重量部、ポリ乳酸(B)が40〜1重量部が好ましく、より好ましくは、脂肪族ポリエステル(A)が70〜99重量部、ポリ乳酸が30〜1重量部で配合する。
【0036】
これらの混合割合で得られる組成物は、脂肪族ポリエステル(A)より、強度が付与されるばかりか、意外にも伸びをも付与される。またポリ乳酸(B)の高剛性を保持したまま、伸びを付与する場合、脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)の混合割合は、脂肪族ポリエステル(A)が40〜1重量部、ポリ乳酸(B)が60〜99重量部が好ましく、より好ましくは、脂肪族ポリエステル(A)が30〜1重量部、ポリ乳酸(B)が70〜99重量部で配合する。
【0037】
脂肪族ポリエステル組成物の衝撃強度を向上させる場合、脂肪族ポリエステル(A)とポリ乳酸(B)の100重量部に対し、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はポリエチレン系共重合体(D)10〜50重量部、好ましくは20〜40重量部配合する。50重量部を越えると衝撃強度は向上するが剛性が低下し好ましくない。溶融ブレンドの方法は、公知の混練技術が採用でき、上記各成分の溶融状態で行うことができる。
【0038】
また、本発明の脂肪族ポリエステル組成物には、本発明の効果を損なわない限り、実用に供するに際して、必要に応じて滑材、ワックス類、着色剤、フィラー、安定剤などを併用することができる。
また、本発明の脂肪族ポリエステル組成物は、十分な衝撃強度及び剛性を有し、様々な用途に使用でき、特に射出成形法、中空成形法などに好適であり、特に、自動車内装部材、家電部品、各種筐体、などの成形品に好適に利用できる。
【0039】
【実施例】
下記の実施例には、本発明をより具体的に説明するためのものである。本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。また、実施例における特性値は以下の方法により測定したものである。
(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。サンプルをクロロホルムに溶解し、東ソー製HLC−8020型GPC装置を用いてポリスチレン換算により測定した。カラムはPLgel−10μ−MIXを使用した。
【0040】
(2)還元粘度(ηsp/c):調整例で得られた共重合体をフェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)中、30℃で溶液濃度0.5g/dl測定した溶液粘度からもとめた。
(3)ポリマー組成:H−NMRにより得られたスペクトルの面積比から組成を計算した。
【0041】
(4)衝撃強度試験及び剛性試験: 実施例及び比較例の組成物から、卓上射出成形 ミニマックス成形機(CSI社製)により成形温度200℃、金型温度80℃にて射出成形体を成形した。該成形体よりJIS K 7110及び6911に準拠して、衝撃強度及び剛性率を測定した。
調整例1:脂肪族ポリエステル(A)
撹拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計、助剤添加口を備えた容量300mlの反応容器にコハク酸(b)を118.1g、1,4−ブタンジオール(a)を99.1g、酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸(d)水溶液6.3g(コハク酸100モルに対し、6.3モル)、リンゴ酸(c)0.2g(コハク酸100モルに対し、0.15モル)を仕込み、窒素雰囲気中180℃にて0.5時間反応させた後、220℃に昇温し、0.5時間反応させた。引き続いて0.0665kPaの減圧下において2.5時間、重合反応させた。得られたポリエステルは乳白色であり、Mnは75,300であった。また融点は110℃であった。また、H−NMRによる乳酸導入率はコハク酸100モルに対し、6.3モルであった。
【0042】
調整例2:脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸94.5g、1,4−ブタンジオールを76.1g、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)35.2g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液4.85gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×10Paになるように減圧し、0.07×10Paで4.5時間反応を行い重合を終了し、白色半透明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(以下、「共重合体」という。)を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.91であった。共重合体中のポリエステル部分における各成分のモル%は、コハク酸単位49.4モル%、1,4−ブタンジオール単位48.8モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の共重合体に対する重量割合は、20.0重量%であった。
【0043】
実施例1〜5及び比較例1〜5
調整例1で得られた脂肪族ポリエステル(A)、ポリL−乳酸((株)島津製作所製、商品名:ラクティ#5400、Mn=88,000)(B)と調整例2で得られた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はエチレンとメタクリル酸グリシジル共重合体(D)(住友化学(株)製、商品名:Bondfast E、融点:103℃、メタクリル酸グリシジル含有量:12wt%、剛性:90MPa(JIS K 6911)、結晶化度:35%(JISK6760)、密度:0.940g/cm(JIS K 6760)、MFR:3g/10min(JIS K 6760))を表1に示した量で配合にて、ブラベンダーで混練して、組成物を得、前記した評価方法により、衝撃強度及び剛性率を測定し、その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
Figure 2004035733
【0045】
【発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステル組成物は、衝撃強度と剛性に優れ、射出成形品等各種用途に好適に用いることができ、また、生分解性又は崩壊性を有し、環境に優しい組成物である。

Claims (3)

  1. (a)脂肪族ジオール単位、(b)脂肪族ジカルボン酸単位、および(c)脂肪族オキシシカルボン酸単位からなる、数平均分子量が1万〜30万である脂肪族ポリエステル(A)99〜1重量部と、数平均分子量3万以上のポリ乳酸(B)1〜99重量部の合計100重量部に対し、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)又はポリエチレン系共重合体(D)1〜50重量部を溶融ブレンドしたことを特徴とする脂肪族ポリエステル組成物。
  2. 脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(C)が、脂肪族ジオール単位35〜50モル%、脂肪族ジカルボン酸単位35〜50モル%及び脂肪族オキシカルボン酸単位0〜30モル%からなる脂肪族ポリエステル部分と下記(式1)で表されるポリエーテル部分とを有する脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体である請求項1記載の脂肪族ポリエステル組成物。
    Figure 2004035733
    (式1中、Rは水素またはアルキル基、mは1〜10の整数、nは1〜1000の整数を示す。)
  3. ポリエチレン系共重合体(D)が、脂肪族ポリエステル(A)及び/又はポリ乳酸(B)と反応する官能基を含有する化合物を2〜30重量%含有し、剛性が20〜100MPa、結晶化度が10〜50%、密度が0.900〜0.950g/cm、メルトフローレイシオ(190℃, 2kg荷重)が0.5〜100であるポリエチレン系共重合体である請求項1又は2記載の脂肪族ポリエステル組成物。
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