JP2007186545A - 脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、衝撃強度、剛性、耐熱性に優れ、射出成形品等各種用途に好適に用いることができ、また、植物由来の成分を多く含む環境に優しい組成物を提供する。
【解決手段】脂肪族ジカルボン酸単位、脂肪族ジオール単位及びポリエーテルポリオール単位より構成される脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)とを含む脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物を製造する。
【選択図】なし
Description
代表的な生分解性を有する材料例としては、ポリ乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂がある。ところが、これらの樹脂は農業資材、包装材や日用品のような消費材としての実用化例は多数あるが、自動車部品、家電部品のような耐久材としての実用化例は少ない。家電部品や自動車部品として使用する場合には、この用途で広く使われているポリプロピレン樹脂、フィラー充填ポリプロピレン複合樹脂と比較して、ポリ乳酸系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂は衝撃強度、剛性、耐熱性が低いからである。
しかしながら、依然として衝撃強度、剛性、耐熱性(荷重たわみ温度)等の実用可能な物性を満たすことができず、これらの物性を満たす生分解性樹脂又はその組成物が要望されている。
即ち本発明の要旨は、脂肪族ジカルボン酸単位、脂肪族ジオール単位及びポリエーテルポリオール単位を構成単位として含む脂脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)とを含む脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物、に存する。
物、に存する。
第3の要旨は、繊維(B)が植物繊維、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物、に存する。
第5の要旨は、脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位(ただし、ポリエーテルポリオール単位を除く)を必須単位とする脂肪族ポリエステル(D)を含有させることを特徴とする、上記記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物、に存する。
第7の要旨は、上記記載の成形体が射出成形して得られる成形体、に存する。
本発明の組成物は、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)に、繊維(B)、ポリ乳酸(C)、脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位(ただし、ポリエーテルポリオール単位を除く)より構成される脂肪族ポリエステル(D)(以下、脂肪族ポリエステル(D)ともいう)を適宜選択し(但し(B)は必ず含まれる)混練したものであ
る。好ましくは、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)、より好ましくは、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)とポリ乳酸(C)、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)と脂肪族ポリエステル(D)、特に好ましくは、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)とポリ乳酸(C)と脂肪族ポリエステル(D)からなる組成物である。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)>
本発明において用いられる脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とは、脂肪族ポリエステル部分とポリエーテル部分とを有するものである。
(1)脂肪族ポリエステル部分
脂肪族ポリエステル部分は、主として脂肪族ジオール単位及び脂肪族ジカルボン酸単位からなり、必要に応じて脂肪族オキシカルボン酸単位を有していても良い。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)に用いられる脂肪族ジカルボン酸単位としては、脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体から誘導されるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ダイマー酸ならびにシクロヘキサンジカルボン酸等の、通常、炭素数が2以上40以下の鎖状或いは脂環式ジカルボン酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸の誘導体として、上記脂肪族ジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等の低級アルキルエステルや例えば無水コハク酸等の上記脂肪族ジカルボン酸の環状酸無水物も使用できる。これらは、単独でも2種以上の混合物として使用してもよい。これらの内、脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、コハク酸、ダイマー酸またはこれらの混合物が好ましく、脂肪族ジカルボン酸の誘導体としては、アジピン酸及びコハク酸のメチルエステル、またはこれらの混合物が好ましい。これらの中でもコハク酸を主成分とするものがより好ましい。本発明でいう主成分とは、全ジカルボン酸単位に対して、通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上を示す。
これらのジカルボン酸は単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、上記の脂肪族ジカルボン酸及び/又はその誘導体の他に、芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸及びジフェニルジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、前記した芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル、具体的には、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びブチルエステル等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として上記脂肪族カルボン酸に加えて使用してもよい。この内、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましく、芳香族ジカルボン酸の誘導体としては、ジメチルテレフタレートが好ましい。
本発明において、これらのジカルボン酸は、バイオマス資源から誘導されるものでもよい。
バイオマス資源としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣であり、最も好ましくはとうもろこし、さとうきび、キャッサバ、サゴヤシである。これらのバイオマス資源は、一般に、窒素元素やNa、K、Mg、Ca等の多くのアルカリ金属、アルカリ土類金属を含有する。
イクロ波処理、電子線照射等の物理的方法、微生物や酵素処理による加水分解等生物学的処理が挙げられる。
号明細書)等の嫌気性細菌、Actinobacillus属(米国特許第5504004号明細書)、Escherichia属(米国特許第5770435号明細書)等の通性嫌気性細菌、Corynebacterium属(特開平11−113588号公報)などの好気性細菌、Bacillus属、Rizobium属、Brevibacterium属、Arthrobacter属に属する好気性細菌(特開2003−235593号公報)、Bacteroidesruminicola、Bacteroides amylophilus等の嫌気性ルーメン細菌、E.coli(J.Bacteriol.,57:147−158)又はE.coliの株の変異体(特表2000−500333号公報、米国特許第6159738号明細書)を用いることができる。
ネ型細菌がより好ましい。これらの菌は、微生物変換により琥珀酸の生産能を有する。
コリネ型細菌としては、コリネバクテリウム属に属する微生物、ブレビバクテリウム属に属する微生物又はアースロバクター属に属する微生物が挙げられ、このうち好ましくは、コリネバクテリウム属又はブレビバクテリウム属に属するものが挙げられ、更に好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniagenes)又はブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)に属する微生物が挙げられる。
, W., Ehrmann, M., Ludwig, W. and Schleifer
, K. H., International Journal of Systematic Bacteriology, 1991, vol. 41, p255−260)、本
発明においては、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株、及びその変異株MJ−233 AB−41株はそれぞれ、コリネバクテリウム・グルタミカムMJ−233株及びMJ−233 AB−41株と同一の株であるものとする。
センター)(〒305−8566日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM P−3068として寄託され、1981年5月1日にブダペスト条約に
基づく国際寄託に移管され、受託番号FERM BP−1497が付与されている。
微生物変換においては、pHが低くなると微生物の代謝活性が低くなったり、或いは微生物が活動を停止するようになり、製造歩留まりが悪化したり、微生物が死滅するため、通常には中和剤を使用する。通常はpHセンサーによって反応系内のpHを計測し、所定のpH範囲となるように中和剤の添加によりpHを調節する。中和剤の添加方法については特に制限はなく、連続添加であっても間欠添加であってもよい。
発酵法を含む製造方法により得られるジカルボン酸の精製方法は電気透析を用いる方法、イオン交換樹脂を用いる方法、塩交換法等が知られている。例えばジカルボン酸塩を分離し純粋な酸を生成する電気透析および水分解工程を組み合わせて用いることによって製造し、更なる精製を、一連のイオン交換カラムに生成物ストリームを通すことによって達成しても良いし、ジカルボン酸の過飽和溶液に変換するための水分解電気透析を用いても良い(米国特許第5,034,105号明細書)。また、塩交換法は例えばジカルボン酸のアンモニア塩を硫酸水素アンモニウム及び/または硫酸と十分に低いpHで混合して反応させジカルボン酸及び硫酸アンモニウムを生成させても良い(特表2001−514900号公報)。イオン交換樹脂を用いる具体的方法としては、ジカルボン酸の溶液から遠心分離、濾過等により菌体等の固形分を除去した後、イオン交換樹脂で脱塩し、その溶液から結晶化或いはカラムクロマトグラフィーによりジカルボン酸を分離精製する方法が挙げられる。精製方法はどのような方法を用いても良い。特に、コスト、効率の点でイオン交換法又は塩交換法が好ましく、工業的生産性の点で塩交換法が特に好ましい。
上述の方法にてバイオマス資源から誘導されたジカルボン酸には、バイオマス資源由来
、発酵処理ならびに酸による中和工程を含む精製処理に起因して不純物として窒素元素が含まれてくる。具体的には、アミノ酸、たんぱく質、アンモニウム塩、尿素、発酵菌由来等の窒素元素が含まれてくる。
窒素原子含有量が上記の範囲にあるジカルボン酸を用いることで、得られるポリエステルの着色の減少に有利になる。また、ポリエステルの重合反応の遅延化を抑制する効果も併せ持つ。
また、発酵法により製造したジカルボン酸を用いる場合には、酸による中和工程を含む精製処理により硫黄原子が含まれてくる場合がある。具体的に、硫黄原子が含有される不純物としては、硫酸、硫酸塩、亜硫酸、有機スルホン酸、有機スルホン酸塩等が挙げられる。
酸素濃度を制御し原料を貯蔵するためには、通常タンクが用いられる。しかし、タンク以外でも酸素濃度を制御できる装置であれば特に限定されない。貯蔵タンクの種類は具体的には限定は無く、公知の金属製もしくはこれらの内面にガラス、樹脂などのライニングを施したもの、さらにはガラス製、樹脂製の容器などが用いられる。強度の面などから金属製もしくはそれらにライニングを施したものが好んで用いられる。金属製タンクの材としては、公知のものが使用され、具体的には、炭素鋼、フェライト系ステンレス鋼、SUS410等のマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS310、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼、クラッド鋼、鋳鉄、銅、銅合金、アルミニウム、インコネル、ハステロイ、チタン等が挙げられる。
限が16%以下、好ましくは14%以下、より好ましくは、12%以下である。酸素濃度が低すぎる場合には、設備や管理工程が煩雑になり経済的に不利であり、一方、高すぎる場合には、製造されるポリマーの着色が増加する傾向がある。
(ジオール単位)
本発明においてジオール単位とは、芳香族ジオール及び/又は脂肪族ジオールから誘導されるものであり、公知の化合物を用いることができるが、脂肪族ジオールを使用するのが好ましい。脂肪族ジオールとは、2個のOH基を有する脂肪族及び脂環式化合物であれば特に制限はされないが、炭素数の下限値が2以上であり、上限値が通常10以下、好ましくは6以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
この内、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオール、及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルが好ましく、その中でも、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオ−ル、及びこれらの混合物が好ましく、更には、1,4−ブタンジオ−ルが主成分とするもの、または、1,4−ブタンジオ−ルが特に好ましい。本発明でいう主成分とは、全ジオール単位に対して、通常50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは90%以上を示す。
芳香族ジオールとしては、2個のOH基を有する芳香族化合物であれば、特に制限はされないが、炭素数の下限値が6以上であり、上限値が通常15以下の芳香族ジオールが挙げられる。芳香族ジオールの具体例としては、例えば、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4‘−ジヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン及びビス(p−ヒドロキシフェニル)―2,2―プロパン等が挙げられる。本発明において、ジオール全量中、芳香族ジオールの含有量は、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。
化学反応によりジオール化合物に変換しても良い。
バイオマス資源由来から誘導されたジオールには、バイオマス資源由来、発酵処理ならびに酸による中和工程を含む精製処理に起因して不純物として窒素原子が含まれてくる場合がある。この場合、具体的には、アミノ酸、蛋白質、アンモニア、尿素、発酵菌由来の窒素原子が含まれてくる。
ジオール中に含まれる硫黄原子含有量は、ジオール中に、原子換算にして、上限は通常100ppm以下、好ましくは、10ppm以下、より好ましくは、上限が5ppm以下、最も好ましくは、上限は0.5ppm以下である。一方、下限は特に制限されないが、通常、0.001ppm以上、好ましくは、0.01ppm以上、より好ましくは、0.1ppm以上である。多すぎると、重合反応が遅延化したり、製造するポリマーの安定性が低下する傾向がある。一方、硫黄原子含有量が少ない程、好ましい形態であるが、精製工程が煩雑となり経済的に不利になる。硫黄原子含有量は、公知の元素分析法により測定される値である。
(2)ポリエーテル部分
脂肪族ポリエステル(A)の必須構成要件であるポリエーテル部分を構成するポリエーテルポリオール単位を下記式(1)で示す。
式(1)のポリエーテルポリオールを構成するポリエーテルポリオール成分としては、下記式(2)ポリエーテルポリオール成分が挙げられる。
ポリエーテルポリオールのOH価は、通常10以上、400以下、好ましくは20以上200以下、より好ましくは30以上150以下である。この値が少なすぎると、反応する末端OHが少なくなるのでポリエステルエーテルの高分子量化が困難になる傾向があり、多すぎると、ポリエーテルの分子量が小さいため伸びや弾性率等の機械物性の改良効果が小さく傾向がある。
ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、0
.1〜90重量%であり、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、最も好ましくは20%以上、また好ましい上限値は、80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。最も好ましくは50重量%以下である。ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合が0.1重量%未満であると機械物性改良効果が小さく、90重量%を超えると、耐熱性が低下し、成形性の点で好ましくない。
ポリエステルポリエーテル共重合体(A)の製造方法は、公知の技術で製造することができ、特に限定されないが、例えば、特開2004−83882号公報に記載されているような製法を用いればよい。
(3)その他の共重合成分
本発明においては、上記のポリエステルポリエーテル共重合体(A)又は下記に示す脂肪族ポリエステル(D)に下記の示すような多官能化合物及び/又は化合物を含有させても良い。
(多官能化合物)
ポリエステルポリエーテル共重合体(A)又は下記に示す脂肪族ポリエステル(D)に多官能化合物を含有させる場合、具体的には、2官能のオキシカルボン酸や、架橋構造を形成するために3官能以上の多価アルコール、3官能以上の多価カルボン酸及び/又はその無水物並びに3官能以上のオキシカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の多官能化合物が挙げられる。これらの共重合成分の中では、高重合度のポリエステルが容易に製造できる傾向があるため、特に2官能及び/又は3官能以上のオキシカルボン酸が好適に使用される。その中でも、3官能以上のオキシカルボン酸の使用は、後述する鎖延長剤を使用することなく、極少量で容易に高重合度のポリエステルを製造できるのでもっとも好ましい方法である。
3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、具体的には、プロパントリカルボン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタテトラカルボン酸無水物等が挙げられ、単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
本発明のポリエステルポリエーテル共重合体(A)又は下記に示す脂肪族ポリエステル(D)は、カーボネート化合物やジイソシアネート化合物等の鎖延長剤を使用することもできる。
その量は、通常、ポリエステルポリエーテル共重合体(A)又は下記に示す脂肪族ポリエステル(D)を構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合ならびにウレタン結合が10モル%以下である。しかしながら、本発明のポリエステルを生分解性樹脂として使用する場合には、ジイソシアネートやカーボネート結合が存在すると、生分解性を阻害する可能性があるため、その使用量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対し、カーボネート結合が1モル%未満、好ましくは、0.5モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下であり、ウレタン結合が、0.06モル%未満、好ましくは0.01モル%以下、より好ましくは0.001モル%以下である。
2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合体、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知のジイソシアネートなどが例示される。
珪酸エステルは、環境保全ならびに安全性の面の理由からは、特にその使用量に制限はされないが、操作が煩雑になったり、重合速度に影響を与える可能性があるため、その使用量は少ない方が良い場合がある。従って、この含有量は、ポリエステルを構成する全単量体単位に対して、0.1 モル%以下とするのが好ましく、10 -5 モル%以下とする
のが更に好ましい。
また本発明においては、ポリエステル末端基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止しても良い。
本発明のポリエステルポリエーテル共重合体(A)の製造方法は、公知の方法が採用できる。また、この際の重縮合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。脂肪族ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化中の留出があることから、1〜20モル%過剰に用いられる。脂肪族オキシカルボン酸を添加する場合は、脂肪族ジカルボン酸100重量部に対し0.1〜100重量部の割合で添加して重縮合反応を行う。0.1重量部未満であると添加効果が表れず、100重量部を超えると結晶性が失われ成形上好ましくなく、耐熱性、機械的特性などが不十分である。好ましい割合は、1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上が、また、好ましい上限値は、50重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
オキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で添加する方法、(2) 原料仕込み時触媒を添
加すると同時に添加する方法、などが挙げられる。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を製造する際の温度、時間及び圧力などの条件は、温度が150〜260℃、好ましくは180〜230℃の範囲で選ぶのがよく、重合時間は2時間以上、好ましくは4〜15時間の範囲で選ぶのがよい。減圧度は1.33×103Pa以下、より好ましくは0.27×103Pa以下で選ぶのがよい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、重合触媒の存在下で製造される。触媒としては、ゲルマニウム化合物が好適である。ゲルマニウム化合物としては、特に制限されるものではなく、酸化ゲルマニウム及びテトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特には、酸化ゲルマニウムが好適である。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。
ないが、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時に乳酸及び/又はグリコール酸等の脂肪族オキシカルボン酸と同時に添加するか、または脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加しても良い。
<繊維(B)>
本発明に使用される補強用繊維の種類としては、木材繊維、茎幹繊維、葉脈繊維、靱皮繊維、種子繊維等から得られる任意の植物繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、ポリ乳酸繊維、ポリアリレート、ビニロン等の有機合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、セルロース系繊維等の再生繊維が使用でき、これら単独あるいは複合して用いることができる。この中でも、植物繊維、有機合成繊維、再生繊維等が好ましく、植物繊維、有機合成繊維等がより好ましく、有機合成繊維等が、加工性、繊維の均質性、物性補強効果のバランス等の理由から特に好ましい。
<ポリ乳酸(C)>
ポリ乳酸(C)の合成方法は、特に限定されるものではなく、通常、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法や、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が用いられる。
また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸の他にエステル形成能を有するその他の成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
ポリ乳酸(C)を脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)に混練する場合には、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)の重量に対して、通常、5重量%〜2000重量%、好ましくは、10重量%〜1000重量%、より好ましくは、20重量%〜500重量%、特に好ましくは、40重量%〜300重量%の組成割合で配合する。
<脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位(ただし、ポリエーテルポリオール単位を除く)よりを必須単位とする脂肪族ポリエステル(D)>
脂肪族ポリエステル(D)は、脂肪族及び/又は脂環式ジオール単位並びに脂肪族及び/又は脂環式ジカルボン酸単位を必須単位とするものである、より好ましくは、オキシカルボン酸単位を含むものである。
その他の分解性樹脂としては、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐光剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、顔料、滑剤、分散助剤や各種界面活性剤などの樹脂用添加剤が挙げられる。これらの添加量は、全組成物中、通常0.01〜5重量%である。これ等は一
種又は二種以上の混合物として用いる事もできる。
脂肪族ポリエステル(D)の融点の下限は、通常、50℃以上あり、好ましくは、80℃以上より好ましくは90℃以上である。また上限は140℃以下であり、好ましくは130℃以下である。低すぎると耐熱性が低下する傾向にある。
重合触媒としては、一般には、周期表で、水素、炭素を除く1族〜15族金属元素を含む化合物である。具体的には、チタン、ジルコニウム、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれた、少なくとも1種以上の金属を含むカルボン酸塩、アルコキシ塩、有機スルホン酸塩またはβ―ジケトナート塩等の有機基を含む化合物、更には前記した金属の酸化物や複合酸化物、ハロゲン化物等の無機化合物及びそれらの混合物が挙げられる。
層状珪酸塩としては、具体的には、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク及び緑泥石群等が挙げられる。
が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特に、酸化ゲルマニウムが好ましい。
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応の反応温度は、下限が通常150℃以上、好ましくは180℃以上、上限が通常260℃以下、好ましくは250℃以下である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、常圧〜10kPaであるが、常圧が好ましい。
その後の重縮合反応は、圧力を、下限が通常0.01×103Pa以上、好ましくは0.05×103Pa以上であり、上限が通常1.4×103Pa以下、好ましくは0.6×103Pa以下、更に好ましくは0.3×103Pa以下の真空度下として行う。重合製造時の圧力が高すぎると、ポリエステルの重合製造時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルを製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重合設備を用いて製造する手法は重合速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要なばかりでなく、それでも未だポリエステルの重合製造時間が長くなる傾向があるため、それに伴うポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が懸念される。
間以下、より好ましくは6時間以下である。反応時間が短すぎると反応が不充分で低重合度のポリエステルが得られ、機械物性が充分でなく、また、そのカルボキシル基末端量が多いこともあり、引張り破断伸び率等の物性劣化も著しくなる場合が多い。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、機械物性が低下するばかりでなく、耐加水分解性に影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
更に本発明において、ジカルボン酸成分として脂肪族カルボン酸に加えて芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルを混合して使用する場合は、特に添加順序には限定はなく、例えば、第1として、原料のモノマーを一括に反応釜に入れて反応することもできるし、第2として、ジオール成分と脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体とをエステル化反応又はエステル交換反応させた後、ジオール成分と芳香族ジカルボン酸又はその誘導体をエステル化反応又はエステル交換反応させ、更に重縮合反応させる方法等種々の方法を採用することができる。
るが、酸成分1モルに対するジオール成分の量が、下限が通常0.8モル以上、好ましくは、0.9モル以上であり、上限が通常1.5モル以下、好ましくは1.3モル以下、特に好ましくは1.2モル以下である。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物>
本発明の(A)に(B)〜(D)を適宜選択して混練して得られた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物は、下記に示すような物性を示す。
アイゾット(衝撃強度)は、通常、5kJ/m2以上、好ましくは、10kJ/m2以上、より好ましくは、15kJ/m2以上、特に好ましくは、20kJ/m2以上である。
これらの数値が低すぎると、自動車部材や家電部品、その他成形品へ適用するに好適な物性を満たすことが出来ない。
<他成分>
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物には、本発明の効果を損なわない限り、実用に供するに際して、必要に応じて滑材、ワックス類、着色剤、フィラー、安定剤、カルボジイミド等の加水分解抑制剤、その他添加剤などを併用することができる。
同様に、ポリ乳酸を使用した際の耐熱性をさらに向上させるための結晶化促進方法として、事前に温度の上げられた金型で成形し、金型内で結晶化させる方法や、成形後に金型の温度を上げ金型内で結晶化させる方法、あるいは、成形体を非晶状態で金型から取り出した後、熱風、蒸気、温水、遠赤外線ヒーター、IHヒーターなどで結晶化させる方法があげられる。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物の製造方法>
繊維強化脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物を製造する方法としては、特に限定はされず一般的に知られている方法を用いることができる。具体的には、あらかじめ所定の長さを有するカット繊維やステープルを樹脂と共に押出成形機の中で混合して成形材料(ペレット)とする方法等があるが、樹脂を押出成形機により可塑化溶融し、溶融物の吐出側に長繊維を連続的に導入し、繊維に溶融樹脂を浸透させ押出し、これを切断して成形材料(ペレット)とする電線被覆類似の溶融含侵引き抜き法等を用いることが好ましい.その理由として、これらの成形法は製造工程中に繊維の粉砕を伴わず、成形材料中の繊維の長さを任意に選択できるため補強効果を高くすることが容易であるということがある。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物中の繊維長さ>
上述した溶融含侵引き抜き法にて作られた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物は、通常1〜50mmの長さに切断した成形用材料ペレットとして好適に用いられるが、好ましくは2〜20mm程度である。ペレット中の補強繊維はペレット長と同等の長さで長さ方向に揃えられた状態で存在している。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物の成形方法>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物は、通常のプラスチックの成形に用いられる成形法、及び成形装置を用いることが可能であるが、目的に合わせ、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、SMC法等が用いられる。射出成形においては、目的に応じて、一般的な射出成形法から、ガスアシスト成形法、射出圧縮成形法、インモールド成形法、二色成形法、サンドイッチ成形法、ガスプレス成形法、PUSH−PULL、SCORIM等の成形法を用いることが可能である。この場合、成形温度は170〜230℃が好ましい。
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物成形体中の繊維径、繊維長さ>
上述した脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物のペレットを用いて射出成形することにより得られた成形体中の補強繊維の状態は、繊維束径が200μm以下、繊維長
さが1mm以上に分散した状態が好ましい。ペレット中でペレット長と同等の長さの補強繊維が成形体中において、開繊せず集束体のままで残ると、成形品中の補強繊維の分散が悪いため外観不良となったり、機械物性等が安定化しない等の問題がある。また、射出成形時の繊維破断が少なく成形品中の繊維長さを保つことにより、機械物性特に耐衝撃性を大きく高めることができる。
<ポリエステル及び脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物の物性の測定方法>(1)ポリエステルポリエーテル共重合体(A)及び脂肪族ポリエステル(D)の含有される各単位の割合測定
本発明において、ポリエステルポリエーテル共重合体(A)及び脂肪族ポリエステル(D)の各単位のモル%は、脂肪族ポリエステルを、1H−NMRにより測定して求めることができる。また、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の場合、ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、ポリエーテル部分のモル分率よりポリエーテルの重量を求め、共重合体中の重量割合を算出することにより求めることができる。
(2)衝撃強度試験及び剛性試験: 得られた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物のペレットを、東芝機械製IS55EPN成形機を用いて、成形温度190℃、金型温度40℃、スクリュー回転数30rpm、背圧10kg/cm2の条件で試験片を射出成形し、得られた成形体よりJIS K 7110及び6911に準拠して、衝撃強度(アイゾッド;ノッチ付き)及び剛性率を測定した。
(3)荷重たわみ温度(HDT)
ASTM D648 に準拠して、上記条件と同様に射出成形により試験片を作成し、荷重たわみ温度を測定した。測定は、エッジワイズ法、曲げ応力は0.45MPaの条件で行った。
<用途>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物は、十分な衝撃強度、剛性及び耐熱性を有するため、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、SMC法等に好適であり、自動車部材、家電部品、各種筐体、家庭用雑貨、各種包装材、建築材料など、様々な成形品に好適に利用できるが,特に、自動車内装部材、自動車外板材、輸送機器、家電部品、OA機器部品、光学機器部品、精密機器部品、各種筐体、農業材料、漁業用具、林業用具、建材、家具、包装材料、緩衝材、食品容器、食品包装材料、医療機器部品、雑貨、玩具、文房具、スポーツ用品、日用品、衣料品、履物等の射出成形分野に好適に利用できる。
(脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法)
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度センサー及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸59.1部、1,4−ブタンジオールを45.5部、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)88.0部、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液3.63部を仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、0.07×103Paで4.5時間反応を行い重合を終了し、白色の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(以下、「共重合体」という。)を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/c)は2.85であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.2%モル、1,4−ブタンジオール単位49.0モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、49.9重量%であった。
(実施例1)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)に、補強用繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維(融点:255℃、1670dtex−250filament 帝人製)を使用し、表1の配合で溶融含浸引き抜き法により、ペレット長さが7mmとなるように成形した。得られたペレットを東芝機械製IS55EPN成形機を用いて試験片を作成した。次に、試験片を熱風乾燥機(TABAI製、LC−112)内に静置して、70℃で4時間熱処理を行い、結晶化を促進させた。得られた試験片にて、各物性について評価した。
(実施例2)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)に、補強用繊維としてポリ乳酸繊維(カネボウ合繊製、商品名「ラクトロン」)を使用し、表1の配合で、実施例1と同様に試験片を作成し各物性について評価した。
(実施例3〜5)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリエチレンテレフタレート繊維とポリ乳酸(C)(三井化学製、商品名「レイシアH−400」(MFR=3g/10min、融点:166℃))を、表1の配合で,実施例1と同様に試験片を作成し、各物性について評価した。
(実施例6)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリ乳酸(C)に、補強用繊維としてポリエチレンナフタレート繊維(融点:270℃、1670dtex−250filament 帝人製)を使用し、表1の配合で、実施例1と同様に試験片を作成し、各物性について評価した。
(実施例7)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリ乳酸(C)に、補強用繊維としてケナフ繊維を使用し、表1の配合で、実施例1と同様に試験片を作成し、各物性について評価した。
(実施例8)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリ乳酸(C)に、補強用繊維としてセルロース繊維(レンチング社製、商品名「テンセル」)を使用し、表1の配合で、実施例1と同様に試験片を作成し、各物性について評価した。
(実施例9)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリエチレンテレフタレート繊維とポリ乳酸(C)と脂肪族ポリエステル(D)(三菱化学製、商品名「GSPla AZ91T」(MFR=4.5g/10min、融点:110℃))を、表1の配合で,実施例1と同様に試験片を作成し、各物性について評価した。
(比較例1)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)のペレットを射出成形し、試験片を作成して、各物性について評価した。
(比較例2)
ポリ乳酸(C)のペレットを射出成形し、試験片を作成して、各物性について評価した。(比較例3)
脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)とポリ乳酸(B)のペレットを、表1の配合で、日本製鋼所製30mmφ小型同方向回転二軸押出機を用いて190℃でコンパウンドし、得られたペレットを射出成形し、試験片を作成して、各物性について評価した。
Claims (7)
- 脂肪族ジカルボン酸単位、脂肪族ジオール単位及びポリエーテルポリオール単位を構成単位として含む脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(A)と繊維(B)とを含む脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物。
- 脂肪族ポリエステル(A)が更に脂肪族オキシカルボン酸単位を構成単位として含むことを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物。
- 繊維(B)が植物繊維、有機合成繊維、無機繊維、再生繊維よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物。
- ポリ乳酸(C)を含有させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物。
- 脂肪族ジカルボン酸単位及び脂肪族ジオール単位(ただし、ポリエーテルポリオール単位を除く)を必須単位とする脂肪族ポリエステル(D)を含有させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物。
- 請求項1〜5にいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体組成物からなる成形体。
- 請求項6に記載の成形体が射出成形して得られる成形体。
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