JP2006045513A - 生分解性ポリ(オキサレート・アミド) - Google Patents

生分解性ポリ(オキサレート・アミド) Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、従来技術の問題点であった耐久性と生分解特性を改善した生分解性のポリ(オキサレート・アミド)を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の課題は、以下の発明などにより解決される。
1.脂肪族アミド構造と脂肪族オキサレート構造を含有し、両者の質量比率(脂肪族オキサレート構造/脂肪族アミド構造)が5/95<脂肪族オキサレート構造/脂肪族アミド構造<30/70の範囲にある、生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
2.脂肪族アミド構造と前記脂肪族オキサレート構造がそれぞれブロックを形成している、前記生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性の脂肪族ポリ(エステル・アミド)、特に生分解性のポリ(オキサレート・アミド)に関する。
ナイロン6、66、12、或いはそれらのコポリマーなどの高分子量ポリアミドは、繊維、フィルム、成形品等として大量に使用されているが、一般に生分解性がなく、地球環境保全の観点から土壌中に埋設して廃棄することはできず、コンポストとして処理することもできないものである。
このような高分子量ポリアミドに生分解性を付与する方法としては、その分子内に脂肪族エステル構造を導入する方法があり、例えば、ジオール−ジカルボン酸タイプの脂肪族エステル構造を導入した脂肪族ポリ(エステル・アミド)が生分解性の脂肪族ポリ(エステル・アミド)として知られている(特許文献1)。この脂肪族ポリ(エステル・アミド)は、脂肪族エステル構造(E)と脂肪族アミド構造(A)の質量比率(E/Aと略記する)が30/70≦E/A≦70/30、融点が75℃以上であり、ジカルボン酸としてシュウ酸も包含するものであった。
しかし、特許文献1には、ジカルボン酸としてシュウ酸を使用した脂肪族ポリ(エステル・アミド)自体もその実施例も具体的に記載されておらず、本願の発明者が試験しても、特許文献1記載の発明によるポリ(オキサレート・アミド)は、耐加水分解性が低く耐久性に欠けると共に生分解速度が速いために生分解特性も実用に欠けるなど、問題のあるものであった。
特開平7−102061号公報
本発明は、従来技術の問題点であった耐久性と生分解特性が改善された生分解性ポリ(オキサレート・アミド)を提供することを課題とする。
本発明の課題は、以下の発明により解決される。
1.脂肪族アミド構造(A)と脂肪族オキサレート構造(OX)を含有し、脂肪族アミド構造に対する脂肪族オキサレート構造の質量比率(OX/A)が5/95≦OX/A<30/70の範囲にある、生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
2.脂肪族アミド構造と前記脂肪族オキサレート構造がそれぞれブロックを形成している、第1の発明に記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
3.脂肪族アミドブロックの数平均分子量が300〜2000である、第2の発明に記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
4.数平均分子量が3000〜100000である、第1〜第3の発明のいずれかに記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
5.第1〜第4の発明のいずれかに記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)から得られる成形物。
本発明により、耐久性と生分解特性が改善された実用可能な生分解性ポリ(オキサレート・アミド)を提供することができる。即ち、後述の実施例からも明らかなように、本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、従来技術によるポリ(オキサレート・アミド)に比べ、機械的強度が高く強靭であると共に生分解速度も抑制されていて、実用的に満足できる耐久性と生分解特性を有するものである。
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、脂肪族アミド構造(A)と脂肪族オキサレート構造(OX)を含有し、脂肪族アミド構造に対する脂肪族オキサレート構造の質量比率(OX/A)が、5/95≦OX/A<30/70、好ましくは10/90≦OX/A≦25/75、更に好ましくは15/85≦OX/A≦25/75の範囲にあるものである。ポリ(オキサレート・アミド)の分子量に特に制限はないが、数平均分子量が3000〜100000の範囲であることが好ましい。
前記脂肪族アミド構造は、脂肪族アミド構造を含有する繰り返し単位からなる構造であればよく、例えば、式(I)又は(II)で表される繰り返し単位からなるものが挙げられる。但し、式中、R、R、Rは炭素数1〜12(好ましくは3〜12)の二価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は脂環式炭化水素基も含む。
Figure 2006045513
Figure 2006045513
前記脂肪族オキサレート構造は、オキサレート構造を含有する繰り返し単位からなる構造であればよく、例えば、式(III)に示される繰り返し単位からなるものが挙げられる。但し、式中、Rは炭素数3〜12(好ましくは4〜8)の二価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基は脂環式炭化水素基も含む。
Figure 2006045513
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)において、一分子内における脂肪族アミド構造と脂肪族オキサレート構造の分布状態に特別の制限はなく、両構造がランダムに分布していてもよいが、両構造はそれぞれブロックを形成していることが更に好ましい。例えば、脂肪族アミド構造と脂肪族オキサレート構造は、脂肪族ポリアミドブロックと脂肪族ポリオキサレートブロックからなるマルチブロック共重合構造を有するように分布していることが好ましい。
この場合、脂肪族ポリアミドブロックの分子量が重要であり、その数平均分子量は300〜2000の範囲であることが好ましく、500〜1500の範囲であることが更に好ましい。なお、脂肪族ポリオキサレートブロックの分子量に特別の制限はなく、一般的には数平均分子量は120〜800程度であることが好ましく、150〜700程度であることが更に好ましい。
前記脂肪族アミド構造は、脂肪族環状アミド(カプロラクタム、ラウロラクタム等)の開環重合や、脂肪族アミノカルボン酸(アミノカプロン酸、アミノドデカン酸等)の縮合や、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸等)又は脂肪族ジカルボン酸エステル(アジピン酸メチル等)と脂肪族ジアミン(ヘキサメチレンジアミン等)との縮合などにより導入される。ここで、脂肪族環状アミド、脂肪族アミノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸はRを炭化水素鎖として含むものであり、脂肪族ジアミンはRを炭化水素鎖として含むものであり、それぞれ単独又は複数で使用できる。
また、脂肪族オキサレート構造は、シュウ酸又はシュウ酸ジエステル(シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジフェニル等)と脂肪族ジオール(1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等)との縮合により導入される。ここで、脂肪族ジオールはRを炭化水素鎖として含むものであり、単独又は複数で使用できる。なお、脂肪族アミド構造や脂肪族オキサレート構造は、本発明の効果を損なわない範囲で一部が芳香族構造(テレフタルアミド構造、テレフタレート構造等)で置換されていてもよい。
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、脂肪族アミド構造と脂肪族オキサレート構造を含有させることができればどのような方法で製造しても差し支えないが、一般には前記のような脂肪族アミド構造及び脂肪族オキサレート構造の構成原料の重縮合反応によって製造される。この重縮合反応には公知の種々のポリ(エステル・アミド)の製造方法を適用できる。以下に代表的なものを述べる。
(1)ポリアミドポリマー(例えば、環状アミドの開環重合により合成したもの)を、シュウ酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
(2)両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマー(例えば、環状アミドと脂肪族ジカルボン酸から合成したもの)を、両末端に水酸基を有するポリオキサレートオリゴマー(例えば、シュウ酸ジエステルと脂肪族ジオールから合成したもの)と重縮合反応させる方法。
(3)両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマーを、シュウ酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
(4)両末端に水酸基を有するポリアミドオリゴマー(例えば、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマーと脂肪族ジオールから合成したもの)を、シュウ酸ジエステルと重縮合反応させる方法。
(5)両末端にアミノ基を有するポリアミドオリゴマー(例えば、環状アミドと脂肪族ジアミンから合成したもの)を、両末端にシュウ酸エステル基(−O−CO−CO−R;Rはシュウ酸ジエステルを構成するアルキル基又はアリール基であり、例えば、メチル基、ブチル基、フェニル基等を表す。)を有するポリオキサレートオリゴマー(例えば、シュウ酸ジエステルと脂肪族ジオールから合成したもの)と重縮合反応させる方法。
(6)両末端にアミノ基を有するポリアミドオリゴマーを、シュウ酸ジエステル及び脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
(7)両末端にシュウ酸エステル基を有するポリアミドオリゴマー(例えば、両末端にアミノ基を有するポリアミドオリゴマーとシュウ酸ジエステルから合成したもの)を、脂肪族ジオールと重縮合反応させる方法。
前記(2)〜(7)の方法におけるポリアミドオリゴマーは、特開平7−188476号公報等に記載されているような従来公知の方法(例えば、水分存在下での加圧溶融重合法)により合成できる。このとき、ポリアミドオリゴマーの数平均分子量は500〜3000程度であることが好ましい。また、前記(2)及び(5)の方法におけるポリオキサレートオリゴマーも特開2000−335837号公報等に記載されているような公知の方法(例えば、エステル化触媒存在下での常圧・減圧溶融重合法)により合成できる。このとき、ポリオキサレートオリゴマーの数平均分子量は300〜2000程度であることが好ましい。
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、前記(1)〜(7)の方法により、重縮合反応(好ましくは溶融重合)をバッチ式又は連続式で行うことにより製造することができる。具体的には、重縮合反応を、以下の操作で示される、(i)前重縮合工程、(ii)後重縮合工程の順で行うことが好ましい。
(i)前重縮合工程:原料成分を反応器に仕込んで、反応器内を窒素置換した後、攪拌及び/又は窒素バブリングしながら突沸させないように徐々に昇温する。反応圧力は常圧でよいが、反応温度は、最終到達温度が120〜250℃、更には130〜230℃の範囲になるように制御するのが好ましい。反応液中には、反応の進行に伴って生成したアルコール(メタノール、フェノール等)又は水が含まれてくる。
なお、重縮合反応では、反応促進のために必要に応じて触媒を用いることが好ましく、その場合はこの工程で触媒を添加することが好ましい。このような触媒としては、P、Ti、Ge、Zn、Fe、Sn、Mn、Co、Zr、V、Ir、La、Ce、Li、Ca、Hfなどの化合物が好ましい。特に、有機チタン化合物、有機スズ化合物が好ましく、例えば、チタンアルコキシド(チタンテトラブトキシド、チタンテトライソプロポキシド等)、ジスタノキサン化合物(1−ヒドロキシ−3−イソチオシアネート−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン等)、酢酸スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ブチルチンヒドロキシドオキシドヒドレートなどが高活性で好適である。触媒添加量や触媒添加時期は、反応促進を図ることができる条件であれば特に制限されない。
(ii)後重縮合工程:次いで、前重縮合工程の最終到達温度で、反応器内を攪拌及び/又は窒素バブリングしながら突沸させないように徐々に減圧して、圧力を500〜100mmHg(66.5〜13.3Pa)にして数時間保持し、生成したアルコール又は水を留出させる。その後、更に昇温及び減圧して、アルコール又は水を完全に留出させる。最終到達圧力は、1.0mmHg(133Pa)より低い圧力、更には0.1mmHg(13.3Pa)以上で1.0mmHg(133Pa)より低い、特に0.1mmHg(13.3Pa)〜0.8mmHg(106Pa)の範囲の圧力であることが好ましい。また、反応温度は、最終到達温度が160〜300℃、更には180〜250℃の範囲になるように制御することが好ましい。
このようにして得られる本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)では、脂肪族オキサレート構造(OX)と脂肪族アミド構造(A)の質量比率(OX/A)が特定の範囲内になければならない。即ち、前記両構造の質量比率は、5/95≦OX/A<30/70、好ましくは10/90≦OX/A≦25/75、更に好ましくは15/85≦OX/A≦25/75の範囲である。この比率が5/95より低くなれば、ポリ(オキサレート・アミド)は生分解性が低下し、一方、この比率が30/70以上であると、耐加水分解性が大きく低下して耐久性が悪化すると共に分解速度が速すぎるために生分解特性も実用性に欠ける。
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)はそれ単独で使用することができるが、必要に応じて他の成分(添加剤、他の重合体等)を単独又は複数で配合して組成物(該ポリ(オキサレート・アミド)を含んでなる材料;粉末、チップ、ビーズ等)として使用することもできる。配合できる添加剤としては、例えば、結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、耐加水分解性改良剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤(タルク、クレイ、モンモリロナイト、マイカ、ゼオライト、ゾノトライト、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ粉末、アルミナ粉末、酸化チタン粉末等)、強化材(ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、セルロース繊維等)、難燃剤、可塑剤、防水剤(ワックス、シリコンオイル、高級アルコール、ラノリン等)などが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
また、配合できる他の重合体としては、天然又は合成高分子が挙げられる。天然高分子としては、例えば、デンプン、セルロース、キトサン、アルギン酸、天然ゴムなどが挙げることができ、合成高分子としては、例えば、ポリカプロラクトン又はその共重合体、ポリ乳酸又はその共重合体、ポリグリコール酸、ポリコハク酸エステル、コハク酸/アジピン酸コポリエステル、コハク酸/テレフタル酸コポリエステル、ポリ(3−ヒドロキシブタン酸)、(3−ヒドロキシブタン酸/4−ヒドロキシブタン酸)コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリグルタミン酸エステル、ポリエステルゴム、ポリアミドゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水添SBS等のゴム又はエラストマーなどを挙げることができる。
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、押出成形、射出成形、プレス成形、中空成形、真空成形などの一般的な溶融加工法を適用して、成形品、フィルム、シート、繊維、不織布、容器などの成形物に加工することができる。更に、この成形物を一軸又は二軸延伸加工することもできる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。評価方法はそれぞれ次の通りである。
1.ポリアミドオリゴマー及びポリオキサレートオリゴマー
1)ポリアミドオリゴマーの末端基の濃度と数平均分子量
(1)末端アミノ基濃度
フェノール/メタノール(4/1;体積比)混合溶媒40mlに試料を溶解し、チモールブルーを指示薬として数滴加えた後、0.05N塩酸を用いて室温で滴定した。末端アミノ基濃度[NH2](単位:eq/g)は下式により求めた。ここで、L1は試料溶液の滴定量(ml)、L2は溶媒のみの滴定量(ml)、f1は0.05N塩酸のファクター、S1は試料量(g)をそれぞれ表す。
[NH2]=(L1−L2)×f1×10-4/(2×S1
(2)末端カルボキシル基濃度
ベンジルアルコール40mlに試料を180℃で溶解し、フェノールフタレインを指示薬として数滴加えた後、エタノール性0.05N水酸化カリウムを用いて滴定した。末端カルボキシル基濃度[COOH](単位:eq/g)は下式により求めた。ここで、L3は試料溶液の滴定量(ml)、L4は溶媒のみの滴定量(ml)、f2は0.05N水酸化カリウムのファクター、S2は試料量(g)をそれぞれ表す。
[COOH]=(L3−L4)×f2×10-4/(2×S2
(3)数平均分子量(Ma
末端アミノ基濃度[NH2]及び末端カルボキシル基濃度[COOH]から、下式により求めた。
a=[([NH2]+[COOH])/2]-1
2)ポリオキサレートオリゴマーの末端基の濃度と数平均分子量
(1)数平均分子量(Mb
1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに下記の各項を算出し、例えば、1,6−ヘキサンジオール(HDL)とシュウ酸ジフェニルから得られたポリキサレートオリゴマーであれば、下式により数平均分子量を求めた。
b=np×Mp+nOH×(MOL−17)+nOCHO×129.18+nOPh×165.12
1H−NMRの測定条件は以下の通りである。
・使用機種:日本電子製JNM−EX400WB
・溶媒:CDCl3
・積算回数:32回
・試料濃度:5質量%
但し、式中の各項は以下のように定義される。
・np=Np/[(NOH+NOCHO+NOPh)/2]
・nOH=NOH/[(NOH+NOCHO+NOPh)/2]
・nOCHO=NOCHO/[(NOH+NOCHO+NOPh)/2]
・nOPh=NOPh/[(NOH+NOCHO+NOPh)/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp
・NOH=SOH/sOH
・NOCHO=SOCHO/sOCHO
・NOPh=SOPh/sOPh
また、各項は以下の意味を有する。
・Np:ポリオキサレートオリゴマーの末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニットの総数。この繰り返しユニットは前記式(III)で表される(以下同様)。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニットの数。
・Sp:ポリオキサレートオリゴマーの末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中の任意の水素積分値(HDLを用いた場合は4.3ppm付近のメチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・sp:水素積分値Sにカウントされる水素の数(HDLの場合は2)。
・NOH:ポリオキサレートオリゴマーの末端水酸基の総数。
・nOH:分子1本当たりの末端水酸基の数。
・SOH:ポリオキサレートオリゴマーの末端水酸基を特定できる任意の水素の積分値(HDLの場合は3.65ppm付近のメチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・sOH:水素積分値SOHにカウントされる水素の数(HDLの場合は2)。
・NOCHO:ポリオキサレートオリゴマーの末端ホルメート基の総数。
・nOCHO:分子1本当たりの末端ホルメート基の数。
・SOCHO:ポリオキサレートオリゴマーの末端ホルメート基を特定できる水素の積分値(HDLの場合は8.1ppm付近のプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・sOCHO:水素積分値SOCHOにカウントされる水素の数(HDLの場合は1)。
・NOPh:ポリオキサレートオリゴマーの末端フェノキシ基の総数。
・nOPh:分子1本当たりの末端フェノキシ基の数。
・SOPh:ポリオキサレートオリゴマーの末端フェノキシ基を特定できる任意の水素の積分値(HDLの場合は7.43ppm付近のメタ位プロトンに基づくシグナルの積分値)。
・sOPh:水素積分値SOPhにカウントされる水素の数(メタ位プロトンより2)。
・MOL:ポリオキサレートオリゴマーの脂肪族ジオール単位となる脂肪族ジオールの分子量。脂肪族ジオール単位は前記式(III)における「−O−R4−」に相当する。
・Mp:分子鎖中の繰り返しユニットの分子量。
(2)末端水酸基濃度
末端水酸基濃度[OH](単位:eq/g)を下式により求めた。なお、式中の各項は前記と同様である。
[OH]=nOH/Mn
(3)末端フェノキシ基濃度
末端フェノキシ基濃度[OPh](単位:eq/g)を下式により求めた。なお、式中の各項は前記と同様である。
[OPh]=nOPh/Mn
3)融点(Tm
DSCにより、窒素気流下で室温から10℃/分で昇温して測定した。
4)生分解特性
都市下水処理場の活性汚泥を使用し、JIS K6950に準拠して生分解率(%)を求めた。
2.ポリ(オキサレート・アミド)
1)相対粘度(ηr
25℃においてm−クレゾール溶液(濃度:0.5g/dl)を使用して測定した。
2)数平均分子量(Mn
1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに下記の各項を算出し、下式により数平均分子量(Mn)を求めた。
n=(Wox+Wny+Woxny+WOH+WOCHO+WCOOH)/Ntotal
1H−NMRの測定条件は以下の通りである。
・使用機種:日本電子製JNM−EX400WB
・溶媒:d−TFE(トリフルオロエタノール)
・積算回数:32回
・試料濃度:5質量%
但し、式中の各項は以下のように定義される。
・Wox=(Sox/4)×172.2
・Wny=(Sny/2)×113.18
・Woxny=(Soxny/2)×228.32
・WOH=(SOH/2)×117.19
・WOCHO=SOCHO×145.2
・WCOOH=[(SCOOH−Soxny)/2]×129.15
・Ntotal=[(SOH/2)+SOCHO+(SCOOH−Soxny)/2]/2
また、各項は以下の意味を有する。
・Wox:ポリオキサレートブロックの質量。
・Sox:ポリオキサレートブロックの末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中の任意の水素の積分値(HDLを用いた場合は4.3ppm付近のメチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。この繰り返しユニットは前記式(III)で表される。
・Wny:ポリアミドブロックの質量。
・Sny:ポリアミドブロックの末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中の任意の水素の積分値(例えば、ε−カプロラクタムとアジピン酸から得られたポリアミドオリゴマーを用いた場合、3.22ppm付近のアミド基(N側)に隣接するメチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。この繰り返しユニットは前記式(I)で表される。
・Woxny:ポリオキサレートとポリアミドのブロック間ユニット(HDL系ポリオキサレートオリゴマーと、ε−カプロラクタムとアジピン酸から得られたポリアミドオリゴマーとを用いた場合は−CO−(CH24−COO−(CH26−O−)の質量。
・Soxny:ポリオキサレートとポリアミドのブロック間ユニット中の任意の水素の積分値(例えば、4.12ppm付近の上記ブロック間ユニット中のエステル基(O側)に隣接するメチレンチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・WOH:水酸基末端ユニット(HDLの場合は−O−(CH26−OH)の質量。
・SOH:水酸基末端ユニット中の任意の水素の積分値(HDLを用いた場合は3.65ppm付近の水酸基末端隣接メチレンプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・WOCHO:ホルメート基末端ユニット(HDLの場合は−O−(CH26−OCHO)の質量。
・SOCHO:ホルメート基末端ユニット中の任意の水素の積分値(例えば、8.03ppm付近のホルメートプロトンに基づくシグナルの積分値)。
・WCOOH:カルボキシル基末端ユニット(ε−カプロラクタムとアジピン酸から得たポリアミドオリゴマーを用いた場合は−CO−(CH24−COOH)の質量。
・SCOOH:カルボキシル基末端ユニット中の任意の水素の積分値(例えば、2.36ppm付近のカルボキシル基末端隣接メチレンプロトンに基づくシグナルの積分値。但し、この場合、ブロック間ユニット中のエステル基(C=O側)に隣接するメチレンプロトンも含むため、水素積分値Soxnyを差し引く必要がある。)。
・Ntotal:ポリ(オキサレート・アミド)の分子数。
3)ポリアミドブロック及びポリオキサレートブロックの数平均分子量
(1)ポリアミドブロックの数平均分子量
1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに下記の各項を算出し、下式によりポリアミドブロックの数平均分子量(Mny)を求めた。但し、1H−NMRの測定条件は前記2.2)の場合と同様である。
ny={Nny/[(Noxny+1)/2]}×113.18+112.14
但し、式中の各項は以下のように定義される。
・Nny=(Sny/2)/Ntotal
・Noxny=(Soxny/2)/Ntotal
また、各項は以下の意味を有し、そのうち、繰り返しユニットは前記式(I)で表され、ブロック間ユニットは前記と同様である。
・Nny:ポリアミドブロック当たりの平均繰り返しユニット数。
・Noxny:分子鎖当たりの平均ブロック間ユニット数。
(2)ポリオキサレートブロックの数平均分子量
1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、ポリオキサレートブロックの数平均分子量(Mox)を下式により算出した。但し、1H−NMRの測定条件は前記2.2)の場合と同様である。
ox={Nox/{(Noxny+1)/2}×172.2+116.18
但し、式中の各項は以下のように定義される。
・Nox=(Sox/2)/Ntotal
・Noxny=(Soxny/2)/Ntotal
また、各項は以下の意味を有し、そのうち、繰り返しユニットは前記式(III)で表され、ブロック間ユニットは前記と同様である。
・Nox:ポリオキサレートブロック当たりの平均繰り返しユニット数
・Noxny:分子鎖当たりの平均ブロック間ユニット数
4)脂肪族オキサレート構造(OX)と脂肪族アミド構造(A)の質量比率(OX/A)
下式により脂肪族オキサレート構造/脂肪族アミド構造(OX/A)を求めた。なお、式中の各項は前記と同様である。
OX/A=[Mox×100/(Mox+Mny)]/[Mny×100/(Mox+Mny)]
5)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、結晶化温度(Tc
DSCにより、窒素気流下で10℃/分で室温から昇温してTgとTmを測定した。次いで、完全溶融後に10℃/分で降温してTcを測定した。
6)シートの作製
ホットプレスを使用し、210℃で3.5分間予熱して10MPaで1分間加圧した後、18℃で冷却して厚み約170μmのシートを作製した。
7)引張特性
引張試験機を使用し、23℃、50%RH、引張速度100mm/分の条件で、ヤング率、破断強度、破断伸びを求めた。なお、試験片は上記シートから切り出したもの(JIS2号試験片)を用いた。
8)生分解特性
上記シートから2cm×1cmに切り出したものを試験片として次のように行った。
(1)コンポスト埋設試験
プラスチック製簡易コンポスト容器にコンポスト約5kg(約10L)を入れ、その中に試験片を埋設した後、該容器を58℃恒温槽中に置き、所定時間経過後に試験片を採取して、試験片の状態を観察し、質量残存率を測定した。
(2)土壌埋設試験
畑地土壌中5cmの深さに試験片を埋設し、所定時間経過後に試験片を採取して外観と質量残存率を同様に観察並びに測定した。
〔参考例1〕
「両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−1)の合成」
5L容オートクレーブに、ε−カプロラクタム853.85g(7.5モル)、アジピン酸146.12g(1モル)及び水28.64gを仕込み、窒素雰囲気下で1.5時間かけて室温から250℃まで昇温し、0.68MPaの加圧下で5時間反応させた。反応終了後、降温及び降圧し、反応物を窒素気流下でイオン交換水中に抜き出した。次いで、イオン交換水洗浄、ろ過、粉砕、真空乾燥(80℃、48時間)を行って、粉末状の両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−1)を得た。その物性を表1に示す。
〔参考例2〕
「両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−2)の合成」
80mL容オートクレーブに、ε−カプロラクタム21.53g(0.19モル)、アジピン酸3.47g(0.024モル)及び水0.71gを仕込み、容器内を充分窒素置換した後、250℃まで昇温しその温度で5時間反応を行った。容器内の圧力は0.6MPaに到達した。反応終了後、降温及び降圧して反応物を取り出し、粉砕、イオン交換水洗浄(95℃、8時間)、ろ過、乾燥を行って、粉末状の両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−2)を得た。その物性を表1に示す。
〔参考例3〕
「両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−3)の合成」
参考例2において、原料仕込み量をε−カプロラクタム17.48g(0.15モル)とアジピン酸7.52g(0.051モル)と水0.58gにそれぞれ変え、容器内の到達圧力を0.5MPaに変えた以外は同様に行って、粉末状の両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−3)を得た。その物性を表1に示す。
〔参考例4〕
「両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−4)の合成」
参考例2において、原料仕込み量をε−カプロラクタム23.24g(0.21モル)とアジピン酸1.77g(0.012モル)と水0.77gにそれぞれ変え、容器内の到達圧力を0.8MPaに変えたこと以外は同様に行って、粉末状の両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−4)を得た。その物性を表1に示す。
〔参考例5〕
「両末端アミノ基のポリアミドオリゴマー(NH2・PA)の合成」
参考例2において、原料をε−カプロラクタム22.16g(0.20モル)とヘキサメチレンジアミン2.84g(0.024モル)と水0.73gに変え、容器内の到達圧力を0.7MPaに変えたこと以外は同様に行って、粉末状の両末端アミノ基のポリアミドオリゴマー(NH2・PA)を得た。その物性を表1に示す。
〔参考例6〕
「両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−1)の合成」
攪拌機及び蒸留塔を設置した内容積3Lのガラス製反応器に、1,6−ヘキサンジオール(HDL)590.9g(5モル)、シュウ酸ジフェニル(DPO)968.92g(4モル)及び触媒としてブチルチンヒドロキシドオキシドヒドレート(BuSn(O)OH)0.08g(HDLとDPOとの合計量に対して50ppm)を仕込み、常圧で1時間かけて室温から160℃まで、更に1時間かけて160℃から190℃まで昇温した。続いて、圧力を300mmHg(39.9kPa)にして1時間反応させ、次いで、圧力を100mmHg(13.3kPa)に減圧して1時間、更に温度を200℃に上げて1mmHg(133Pa)で2時間反応させ、両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−1)を得た。その物性を表1に示す。なお、反応は生成するフェノールを抜き出しながら行った(以下同様)。
〔参考例7〕
「両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−2)の合成」
攪拌機及び蒸留塔を設置した内容積300mLのガラス製反応器に、HDL94.544g(0.8モル)、DPO96.892g(0.4モル)及び触媒としてBuSn(O)OH8.4mg(DPOに対して0.01モル%)を仕込み、常圧で1時間かけて室温から150℃まで昇温した。続いて、圧力を300mmHg(39.9kPa)にして1時間反応させ、次いで、圧力を100mmHg(13.3kPa)に減圧して1時間、更に1mmHg(133Pa)以下まで減圧して2時間反応させた。最後に、170℃まで昇温して0.5時間反応させ、両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−2)を得た。その物性を表1に示す。
Figure 2006045513
〔実施例1〕
空冷管及び窒素バブリング用チューブを備えた直径約30mmφのガラス製反応管に、両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−1)22.12g(0.02mol)、両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−2)9.98g(0.02mol)及び触媒としてBuSn(O)OH2.1mg(COOH・PA−1に対して0.05モル%)を仕込んで、内部を窒素で置換した後、以下のように重縮合反応(前重縮合工程と後重縮合工程)を行った。昇温及び反応中は窒素バブリング(50ml/分)を行った。
(i)前重縮合工程:前記反応管をオイルバス中に設置して、室温から190℃まで昇温し、昇温時間も含めて0.5時間反応させた。
(ii)後重縮合工程:バス温を190℃に保ったままで減圧を開始して約1.5時間で1mmHg(133Pa)以下に減圧した。この間に水が徐々に留出してきた。この条件で7時間反応させた後、バス温を200℃へ上げて更に0.5時間反応させた。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、BuSn(O)OH量を32.1mg(COOH・PA−1とOH・POX−2の合計量に対して1000ppm)に変え、後重縮合工程を次のように変えた以外は同様に重縮合反応を行った。
(ii)後重縮合工程:バス温を190℃に保ったままで減圧を開始して約0.5時間で1mmHg(133Pa)以下に減圧した。この間に水が徐々に留出してきた。この条件で4.5時間反応させた後、バス温を220℃へ上げて更に3時間反応させた。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2及び3に示す。
〔実施例3〕
実施例2において、触媒をチタンテトラブトキシド54.5mg(COOH・PA−1とOH・POX−2の合計量に対して1700ppm)に変えた以外は同様に重縮合反応を行った。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔実施例4〕
実施例1において、前重縮合工程と後重縮合工程を次のように変えた以外は同様に重縮合反応を行った。
(i)前重縮合工程:前記反応管に両末端カルボキシル基のポリアミドオリゴマー(COOH・PA−1)10.00g(8.99ミリモル)、HDL3.18g(26.93ミリモル)及び触媒としてBuSn(O)OH5.6mg(COOH・PA−1とHDLとDPOの合計量に対して320ppm)を仕込んで、オイルバス中に設置し、室温から160℃まで1時間かけて昇温した。その後、190℃に昇温して5時間反応させた。
(ii)後重縮合工程:前重縮合工程で得られた反応物にDPO4.35g(17.95ミリモル)を仕込んで1時間反応させた。次いで、減圧を開始し、300mmHg(39.9kPa)にして1時間、更に100mmHg(13.3kPa)にして1時間反応させた後、バス温を200℃へ上げて20mmHg(2.66kPa)で2時間反応させた。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔実施例5〕
実施例4において、前重縮合工程の190℃での反応時間を1時間に変えた以外は同様に重縮合反応を行った。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔実施例6〕
実施例5において、DPOを後重縮合工程ではなく、他の原料及び触媒と共に前重縮合工程で仕込んだこと以外は同様に重縮合反応を行った。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔実施例7〕
実施例6において、原料を両末端アミノ基のポリアミドオリゴマー(NH2・PA)7.00g(5.22ミリモル)とHDL1.23g(10.44ミリモル)とDPO3.79g(15.66ミリモル)に変え、BuSn(O)OH量を3.8mg(NH・PAと1,6−HDLとDPOの合計量に対して320ppm)に変えた以外は同様に重縮合反応を行った。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、ポリオキサレートオリゴマーを両末端水酸基のポリオキサレートオリゴマー(OH・POX−1)28.6g(0.02mol)に変え、BuSn(O)OH量を14.1mg(COOH・PA−1とOH・POX−1の合計量に対して0.17モル%)に変え、後重縮合工程の反応条件を次のように変えた以外は同様に重縮合反応を行った。
(ii)後重縮合工程:約2時間かけてバス温を190℃から220℃に昇温すると共に1mmHg(133Pa)以下に減圧し、この条件で4時間反応させた。得られたポリ(オキサレート・アミド)の物性を表2及び3に示す。
Figure 2006045513
Figure 2006045513
本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)は、生分解性に優れたプラスチックとしての公知の各種用途に利用することができる。また、本発明の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)はアミド主成分のポリマーであるので、従来、ポリアミドが使用されている公知の各種用途においてポリアミドに準じて使用することができる。

Claims (5)

  1. 脂肪族アミド構造と脂肪族オキサレート構造を含有し、脂肪族アミド構造に対する脂肪族オキサレート構造の質量比率(脂肪族オキサレート構造/脂肪族アミド構造)が5/95≦脂肪族オキサレート構造/脂肪族アミド構造<30/70の範囲にある、生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
  2. 脂肪族アミド構造と前記脂肪族オキサレート構造がそれぞれブロックを形成している、請求項1記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
  3. 脂肪族アミドブロックの数平均分子量が300〜2000である、請求項2記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
  4. 数平均分子量が3000〜100000である、請求項1〜3のいずれか記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の生分解性ポリ(オキサレート・アミド)から得られる成形物。
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WO2019225356A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 日本電信電話株式会社 テレフタル酸含有量測定方法および測定用溶媒
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