JP3412227B2 - ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物 - Google Patents

ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物

Info

Publication number
JP3412227B2
JP3412227B2 JP02422494A JP2422494A JP3412227B2 JP 3412227 B2 JP3412227 B2 JP 3412227B2 JP 02422494 A JP02422494 A JP 02422494A JP 2422494 A JP2422494 A JP 2422494A JP 3412227 B2 JP3412227 B2 JP 3412227B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
block
block copolymer
following formula
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP02422494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07173282A (ja
Inventor
俊一 松村
伊藤  隆
孝則 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP02422494A priority Critical patent/JP3412227B2/ja
Publication of JPH07173282A publication Critical patent/JPH07173282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3412227B2 publication Critical patent/JP3412227B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド/脂肪族ポリ
エステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含
む配合物に関する。さらに詳しくは、優れた熱安定性お
よび良好な溶融流動性を示すポリアミド/脂肪族ポリエ
ステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む
配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】特公昭42―19265号公報には、末
端にアミノ基を有するポリアミド重合体にδ―バレロラ
クトン、ε―カプロラクトンのような6員または7員環
ラクトン類を加熱して溶融反応せしめる方法が開示され
ている。この方法で得られたブロック共重合体はその軟
化点からしてランダム化がかなり進行しているものであ
ることがわかる。
【0003】特公昭44―29468号公報には、カプ
ロラクタムとカプロラクトンを金属ナトリウムの存在下
で反応させてポリエステル―ポリアミド共重合体を製造
する方法が開示されている。この方法により得られたポ
リエステル―ポリアミド共重合体は、同公報に記載され
ているように、重合体組成と融点との関係が直線関係を
示す。従って、同関係が下に凸である典型的なランダム
共重合体とは異なるが、ランダム化がかなり進行したブ
ロック共重合体であると思われる。
【0004】Eur. Polym. J. vol.20, No.6,529〜
537頁(1984)は、特公昭44―29468号公
報と同様に、ε―カプロラクトンとε―カプロラクタム
とをアニオン開環共重合せしめてポリカプロラクトンと
ポリカプロラクタムとの共重合体を製造する方法を開示
している。
【0005】特公昭57―26688号公報には、高分
子量ポリカプロラクトンと高分子量脂肪族ポリアミドと
の混合物をそれらの融点以上に加熱して溶融し、明確な
融点降下を示す生成物が得られるまでエステル/アミド
交換反応を行い、生分解性ポリエステルアミド共重合体
を製造する方法が開示されている。同公報に開示された
共重合体の融点は同共重合体がかなりランダム化されて
いることを示している。
【0006】特開昭61―171731号公報には、ポ
リアミド成分20〜90重量%とポリカプロラクトン成
分80〜10重量%よりなる衝撃吸収に優れたポリカプ
ロラクトンアミドエラストマーが開示されている。
【0007】特開平4―306229号公報には、脂肪
族ポリエステルブロックと芳香族ポリアミドブロックよ
りなり、その融点が原料芳香族ポリアミドの融点より低
い生分解性ポリエステルアミド共重合体が開示されてい
る。同公報には、この生分解性ポリエステルアミド共重
合体を製造する方法として、ポリエステルとポリアミド
の混合物を、不活性ガス中において、それらの融点また
は軟化点以上に加熱し、原料ポリアミドの融点または軟
化点に比べて明確な融点降下を示す生成物が得られるま
で反応を行う方法が開示されている。
【0008】ポリエステルとポリアミドとを、溶融下に
エステル/アミド交換反応させる上記方法では、本来相
溶性のないポリアミドとポリエステルとを反応させるた
め、高温で長時間反応させる必要があり、生産性が極め
て低い上に、一旦高重合度化したポリマーの連鎖を切断
することにより共重合体とするためにエネルギー的に極
めて不利なプロセスである。
【0009】特開平5―156010号公報には、ポリ
アミド形成性化合物と平均分子量10,000以上のポ
リラクトン化合物を反応させて、ポリアミド単位5〜7
0重量%およびポリラクトン単位30〜95重量%であ
る生分解性ポリラクトンアミド樹脂を製造する方法が開
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体を
提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、ランダム化が高度に
抑えられ、それ故ランダム共重合体の融点よりも非常に
高い融点を示すポリアミド/脂肪族ポリエステルブロッ
ク共重合体を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、ブロック化が
高度に進行しそれ故ポリアミドおよび脂肪族ポリエステ
ルの含有量が非常に低く抑えられたポリアミド/脂肪族
ポリエステルブロック共重合体を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、本発明の上記
ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体を工
業的に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0014】本発明のさらに他の目的は、形状記憶回復
能を備えた本発明のポリアミド/脂肪族ポリエステルブ
ロック共重合体を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、本発明の上記
ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体を含
有する樹脂配合物、例えば本発明のこのブロック共重合
体を、相溶性の乏しい樹脂同士を緊密に混合させるため
の相溶化剤として含有する樹脂配合物を提供することに
ある。
【0016】本発明のさらに他の目的および利点は以下
の説明から明らかになろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、(A)下記式(1)
【0018】
【化14】
【0019】[ここで、R1 は炭素数4〜12のアルキ
レン基である。]で表わされる繰返し単位および下記式
(2)
【0020】
【化15】
【0021】[ここで、R2 は炭素数4〜12のアルキ
レン基または炭素数8〜16のアルキレン―アリーレン
―アルキレン基であり、そしてR3 は炭素数4〜12の
アルキレン基または炭素数6〜12のアリーレン基であ
る。]で表わされる繰返し単位の少くともいずれか一方
の繰返し単位から実質的になるポリアミドブロック並び
に下記式(3)
【0022】
【化16】
【0023】[ここで、R4 は炭素数1〜12のアルキ
レン基である。]で表わされる繰返し単位および下記式
(4)
【0024】
【化17】
【0025】[ここで、R5 は炭素数2〜12のアルキ
レン基であり、そしてR6 は炭素数2〜12のアルキレ
ン基または炭素数2〜12のアルキレン基と2価の芳香
族基との組合せである。]で表わされる繰返し単位の少
くともいずれか一方の繰返し単位から実質的になる脂肪
族ポリエステルブロックからなり、(B)下記式(5)
【0026】
【数4】
【0027】[ここで、Tはこのブロック共重合体の融
点(℃)であり、T1 はポリアミドブロックからなるポ
リアミドの融点(℃)であり、そしてCはポリアミドブ
ロックの含有量(重量%)である。]を満足し、(C)
テトラヒドロフランによる抽出量が下記式(6)
【0028】
【数5】
【0029】[ここで、Eはブロック共重合体を100
重量倍のテトラヒドロフラン中2時間加熱還流した際の
抽出量(重量%)であり、そしてCはポリアミドブロッ
クの含有量(重量%)である。]を満足し、そして
(D)35℃における固有粘度が0.5〜5の範囲にあ
る、ことを特徴とするポリアミド/脂肪族ポリエステル
ブロック共重合体によって達成される。
【0030】本発明のポリアミド/脂肪族ポリエステル
ブロック共重合体は、上記のとおり(A)、(B)、
(C)および(D)で表わされる4ツの要件によって特
定される。
【0031】要件(A)は、本発明の上記ブロック共重
合体が式(1)で表わされる繰返し単位および式(2)
で表わされる繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返
し単位から実質的になるポリアミドブロック並びに式
(3)で表わされる繰返し単位および式(4)で表わさ
れる繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返し単位か
ら実質的になる脂肪族ポリエステルブロックからなるこ
とを特徴とする。
【0032】式(1)において、R1 は炭素数4〜12
のアルキレン基である。かかるアルキレン基は直鎖状で
あっても分岐鎖状であってもよい。直鎖状のものが好ま
しい。かかるアルキレン基の例としては、例えばテトラ
メチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、デカメチ
レン、ウンデシレン等を挙げることができる。これらの
うち、ペンタメチレンが好ましい。R1 がペンタメチレ
ンであるとき、上記式(1)は下記式(1)―a
【0033】
【化18】
【0034】で表わされる。
【0035】上記式(1)が表わされる繰返し単位とし
ては、この他、例えば、
【0036】
【化19】
【0037】を挙げることができる。
【0038】また、式(2)において、R2 は炭素数4
〜12のアルキレン基または炭素数8〜16のアルキレ
ン―アリーレン―アルキレン基であり、R3 は炭素数4
〜12のアルキレン基または炭素数6〜12のアリーレ
ン基である。
【0039】R2 およびR3 が表わす炭素数4〜12の
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であって
も、あるいは環状であってもよい。
【0040】その例としては、例えばテトラメチレン、
ヘキサメチレン、オクタメチレン、デカメチレン、ドデ
カメチレン、ネオペンチレン、2,2,4―トリメチル
ヘキサメチレン、2,4,4―トリメチルヘキサメチレ
ン、1,4―シクロヘキシレン等を挙げることができ
る。
【0041】また、R2 が表わす炭素数8〜16のアル
キレン―アリーレン―アルキレン基としては、例えばp
―キシリレン、m―キシリレン、
【0042】
【化20】
【0043】を挙げることができる。
【0044】さらに、R3 が表わす炭素数6〜12のア
リーレン基としては、例えばm―フェニレン、p―フェ
ニレン、2,6―ナフチレン、1,4―ビフェニレンを
挙げることができる。
【0045】これらのうち、R2 としてはヘキサメチレ
ンが好ましく、R3 としてはテトラメチレンが好まし
い。この場合、上記式(2)は下記式(2)―a
【0046】
【化21】
【0047】で表わされる。
【0048】上記式(2)で表わされる繰返し単位とし
ては、この他、例えば
【0049】
【化22】
【0050】等を挙げることができる。
【0051】本発明におけるポリアミドブロックは上記
式(1)で表わされる繰返し単位から実質的になるか、
上記式(2)で表わされる繰返し単位から実質的になる
か、あるいは上記式(1)および上記式(2)で表わさ
れる繰返し単位から実質的になることができる。
【0052】一方、脂肪族ポリエステルブロックに関
し、式(3)において、R4 は炭素数1〜12のアルキ
レン基である。かかるアルキレン基は直鎖状であっても
分岐鎖状であってもよい。直鎖状のものが好ましい。
【0053】かかるアルキレン基としては、例えばメチ
レン、メチルメチレン、エチレン、トリメチレン、テト
ラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、デカメ
チレン、ウンデシレン基等を挙げることができる。これ
らのうちメチレン、メチルメチレン、ペンタメチレン基
が好ましい。
【0054】ペンタメチレン基が特に好ましく、その場
合、上記式(3)は下記式(3)―a
【0055】
【化23】
【0056】で表わされるカプロラクトンブロックを表
わす。
【0057】また式(4)において、R5 は炭素数2〜
12のアルキレン基である。R6 は炭素数2〜12のア
ルキレン基または炭素数2〜12のアルキレン基と2価
の芳香族基との組合せである。
【0058】かかるアルキレン基は直鎖状、分岐鎖状お
よび環状のいずれであってもよい。
【0059】かかるアルキレン基としては、例えばエチ
レン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレ
ン、オクタメチレン、デカメチレン、ドデカメチレン、
ネオペンチレン、2,2,4―トリメチルヘキサメチレ
ン、2,4,4―トリメチルヘキサメチレン、3―メチ
ルペンタメチレン、1,4―シクロヘキシレン等を挙げ
ることができる。
【0060】式(4)におけるR6 は、その従たる成分
として芳香族基を1部含有していてもよい。かかる芳香
族基としては例えば
【0061】
【化24】
【0062】等を例示することができる。
【0063】式中Mはアルカリ金属原子、4級アンモニ
ウム基、4級ホスホニウム基を示す。芳香族基の含有量
はポリエステルの全繰返し単位に対し、好ましくは30
モル%以下、より好ましくは20モル%以下、特に好ま
しくは10モル%以下である。
【0064】
【化25】
【0065】を少量共重合した本発明のブロック共重合
体は、表面固有抵抗が低く、それ自身永久帯電防止性を
有し、また他の熱可塑性樹脂の永久帯電防止用添加剤と
して有用である。
【0066】本発明における脂肪族ポリエステルブロッ
クは上記式(3)で表わされる繰返し単位から実質的に
なるか、上記式(4)で表わされる繰返し単位から実質
的になるか、あるいは上記式(3)と(4)の繰返し単
位から実質的になることができる。
【0067】本発明のブロック共重合体において、好ま
しくはポリアミドブロックが5〜90重量%を占め、脂
肪族ポリエステルブロックが95〜10重量%を占め
る。より好ましくは、ポリアミドブロックが7〜85重
量%、そして脂肪族ポリエステルブロックが93〜15
重量%を占め、特に好ましくはポリアミドブロックが1
0〜80重量%、そして脂肪族ポリエステルブロックが
90〜20重量%を占める。
【0068】本発明のブロック共重合体を特定する要件
(B)は本発明のブロック共重合体がランダム化を極力
抑えられたものであることを示している。
【0069】すなわち、要件(B)は、本発明のブロッ
ク共重合体が下記式(5)
【0070】
【数6】
【0071】[ここで、Tはこのブロック共重合体の融
点(℃)であり、T1 はポリアミドブロックからなるポ
リアミドの融点(℃)であり、そしてCはポリアミドブ
ロックの含有量(重量%)である。T1 は、上記式
(1)および(2)で表わされる繰返し単位の少くとも
いずれか一方の繰返し単位からなるポリアミドブロック
からなるポリアミドの融点である。]を満足することを
特徴とする。
【0072】上記式(5)を満足する条件下で、下記式
(5)―a
【0073】
【数7】
【0074】[ここで、T1 、TおよびCの定義は上記
式(5)に同じである。]を満足するのがさらに好まし
い。
【0075】本発明のブロック共重合体を特定する要件
(C)は、本発明のブロック共重合体がブロック化が高
度に進行し、脂肪族ポリエステルの含有量が非常に低く
抑えられたものであることを示している。
【0076】すなわち、要件(C)は、本発明のブロッ
ク共重合体は、テトラヒドロフランによる抽出量が下記
式(6)
【0077】
【数8】
【0078】[ここで、Eはブロック共重合体を100
重量倍のテトラヒドロフラン中2時間加熱還流した際の
抽出量(重量%)であり、そしてCはポリアミドブロッ
クの含有量(重量%)である。]を満足することを特徴
とする。
【0079】上記式(6)は、例えばポリアミドブロッ
クの含有量が50重量%である場合、テトラヒドロフラ
ンによる抽出量が20重量%より少いことを示してい
る。テトラヒドロフランによる抽出物は、ブロック共重
合体以外の脂肪族ポリエステルだけではないが、少くと
もブロック化されていない脂肪族ポリエステルを包含す
る。要件(C)については、下記式(6)―aの場合が
特に好ましい。
【0080】
【数9】
【0081】本発明のブロック共重合体を特定する最後
の要件(D)は、本願発明のブロック共重合体の35℃
における固有粘度(フェノール/1,1,2,2―テト
ラクロロエタン混合溶媒(重量比60/40)、濃度
1.2g/dl)が0.5〜5の範囲にあるということ
である。35℃における固有粘度は、好ましくは0.6
〜3の範囲にある。
【0082】本発明のブロック共重合体は、後述すると
おり、種々の用途に用いられる。本発明のブロック共重
合体は優れた生分解性を有する点においても特徴的であ
る。
【0083】本発明によれば、本発明の上記ブロック共
重合体を含む、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとのブ
ロック共重合体を製造する方法として、(A)下記式
(1)
【0084】
【化26】
【0085】[ここで、R1 は炭素数4〜12のアルキ
レン基である。]で表わされる繰返し単位および下記式
(2)
【0086】
【化27】
【0087】[ここで、R2 は炭素数4〜12のアルキ
レン基または炭素数8〜16のアルキレン―アリーレン
―アルキレン基であり、そしてR3 は炭素数4〜12の
アルキレン基または炭素数6〜12のアリーレン基であ
る。]で表わされる繰返し単位の少くともいずれか一方
の繰返し単位から実質的になるポリアミドと、(B)脂
肪族ポリエステルおよびε―カプロラクトンの少くとも
いずれか一方とを、(C)これらの(A)および(B)
成分の合計重量100重量部当り5〜100重量部の芳
香族モノヒドロキシ化合物およびエステル交換触媒の存
在下に、加熱溶融反応せしめ、次いで該芳香族モノヒド
ロキシ化合物を留去せしめることを特徴とする方法が同
様に提供される。
【0088】本発明方法では、上記のとおり、先ず、ポ
リアミド(A)と脂肪族ポリエステルおよびε―カプロ
ラクトンの少くともいずれか一方(B)とを、芳香族モ
ノヒドロキシ化合物およびエステル交換触媒の存在下
に、加熱溶融反応せしめる。
【0089】原料として用いられるポリアミドは、上記
式(1)で表わされる繰返し単位および上記式(2)で
表わされる繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返し
単位から実質的になる。
【0090】上記式(1)および(2)については既に
記載した。かかるポリアミドとしては、例えばナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、ナイ
ロン46、ポリヘキサメチレンイソフタラミド、ポリト
リメチルヘキサメチレンテレフタラミド、これらポリア
ミドの2種以上を共重合せしめた共重合ポリアミド等を
挙げることができる。ポリアミドとしてはこれらのうち
ナイロン6、ナイロン66が好ましい。これらは1種ま
たは2種以上一緒に用いることができる。
【0091】かかるポリアミドは例えば繊維、フイル
ム、プラスチックス他の用途のために製造されているも
のをそのまま使用することが可能である。ポリアミドの
分子量は特に制限はないが、例えばm―クレゾール中3
5℃で測定した極限粘度([η])が、0.3〜3.0
程度のものを使用することが好ましい。
【0092】もう一方の原料として用いられる脂肪族ポ
リエステルとしては、例えば、上記式(3)で表わされ
る繰返し単位および上記式(4)で表わされる繰返し単
位の少くともいずれか一方の繰返し単位から実質的にな
るのが好ましい。
【0093】脂肪族ポリエステルとしては、例えばポリ
カプロラクトン、ポリ―プロピオラクトン、ポリバレロ
ラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリエチレン
アジペート、ポリエチレンスクシンネート、ポリエチレ
ンアゼライネート、ポリエチレンセバケート、ポリトリ
メチレンセバケート、ポリテトラメチレンセバケート、
ポリヘキサメチレンセバケート、ポリオクタメチレンセ
バケート、ポリデカメチレンセバケート、ポリネオペン
チレンセバケート、これら脂肪族ポリエステルの2種以
上を共重合せしめた共重合ポリエステル等を挙げること
ができる。ポリエステルのうちこれらのポリカプロラク
トン、ポリエチレンセバケート、ポリテトラメチレンセ
バケート、ポリネオペンチレンセバケートが好ましい。
これらは1種または2種以上に用いることができる。
【0094】脂肪族ポリエステルの分子量には、特に制
限はないが、例えば、フェノール/1,1,2,2―テ
トラクロルエタン混合溶媒(重量比60/40)中、濃
度1.2g/dl、温度35℃で測定してηsp/cが
0.3〜3.0、好ましくは0.5〜2.5程度の脂肪
族ポリエステルが有利に用いられる。
【0095】また、本発明方法においては、上記脂肪族
ポリエステルに代えてあるいはそれと一緒に、ε―カプ
ロラクトンを使用することができる。
【0096】本発明方法において、上記ポリアミド対脂
肪族ポリエステルおよび/またはε―カプロラクトンと
の仕込重量比は5/95〜90/10とするのが好まし
い。ポリアミドの含有割合が5未満のときは得られる共
重合ポリマーの耐熱性が不十分となり、また90より多
いと脂肪族ポリエステルの共重合化により発現する生分
解性などの特性が不十分となる。ポリアミドと脂肪族ポ
リエステルおよび/またはε―カプロラクトンとの仕込
重量比は好ましくは7/93〜85/15、特に好まし
くは10/90〜80/20である。
【0097】なお、ε―カプロラクタムは溶融反応中に
開環重合する。
【0098】反応に用いられる芳香族モノヒドロキシ化
合物は、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとの相溶化剤
としての作用を有し、結果としてポリアミド末端のアミ
ノ基、カルボキシル基と脂肪族ポリエステルとの反応あ
るいはポリアミドとポリエステルのアミド/エステル交
換反応を迅速に行なわしめるため、目的とするブロック
ポリマーを効率的に得ることを可能とする。
【0099】芳香族モノヒドロキシ化合物としては、下
記式(7)
【0100】
【化28】
【0101】[ここで、Xは炭素数1〜3のアルキル
基、ハロゲン原子であり、mは0〜3の整数である。]
で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0102】かかる芳香族モノヒドロキシ化合物として
は、例えばフェノール、m―クレゾール、p―クレゾー
ル、o―クレゾール、2,3―ジメチルフェノール、
2,4―ジメチルフェノール、2,5―ジメチルフェノ
ール、2,6―ジメチルフェノール、3,4―ジメチル
フェノール、3,5―ジメチルフェノール、m―エチル
フェノール、o―エチルフェノール、p―エチルフェノ
ール、p―プロピルフェノール、o―プロピルフェノー
ル、m―プロピルフェノール、o―クロルフェノール、
m―クロルフェノール、p―クロルフェノール、2,4
―ジクロルフェノール、2,3―ジクロルフェノール、
2,5―ジクロルフェノール、2,4,6―トリクロル
フェノール等を挙げることができる。
【0103】芳香族モノヒドロキシ化合物の使用量は、
ポリアミドと脂肪族ポリエステルおよび/またはε―カ
プロラクトンとの合計量100重量部に対し5〜100
重量部とする。芳香族モノヒドロキシ化合物の使用量が
ポリアミドと脂肪族ポリエステルおよび/またはε―カ
プロラクトンとの合計量100重量部に対して5重量部
未満では上記相溶化剤としての作用が不十分であり、ま
た100重量部より多いと重合後芳香族モノヒドロキシ
化合物を重合系より留去する工程に長時間を要し好まし
くない。芳香族モノヒドロキシ化合物の使用量はポリア
ミドと脂肪族ポリエステルおよび/またはε―カプロラ
クトンとの合計量100重量部に対し、好ましくは10
〜50重量部である。
【0104】加熱反応時の反応温度は特に制限はなくポ
リアミドおよび脂肪族ポリエステルが重合反応系にて溶
解ないし溶融する温度であればよい。好ましくは180
〜320℃、より好ましくは200〜300℃程度であ
る。
【0105】上記溶融反応系には、反応を迅速に進める
ため触媒が添加される。該触媒としてはエステル交換触
媒として公知のものが使用される。好ましいエステル交
換触媒としては、例えばアルカリ金属化合物、アルカリ
土類金属化合物、チタン、錫、亜鉛、アンチモン、マン
ガン、コバルト、ゲルマニウム等の金属化合物を挙げる
ことができる。触媒の使用量は特に制限はないが、生成
するブロック共重合体に対して好ましくは0.0001
〜0.1重量%程度の量である。
【0106】溶融反応時間には特に制限はなく、ポリマ
ー組成、重合温度等によっても異なるが、大略30分間
〜5時間程度である。
【0107】本発明方法では上述の方法でポリアミドと
脂肪族ポリエステルおよび/またはε―カプロラクトン
を溶融混合、反応することによりブロックポリマーを得
ることができるが、最終段階として、前記芳香族モノヒ
ロドキシ化合物を重合系より留去せしめて、実質的にこ
れを除去する必要がある。芳香族モノヒドロキシ化合物
を除去する方法としては、溶融温度を使用する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物の重合条件下における沸点より高く
する方法が挙げられる。溶融段階後期に反応系を徐々に
減圧とすることは、芳香族モノヒドロキシ化合物の沸点
を低下せしめ、これを留去するのに有効であり、好まし
く実施できる。芳香族モノヒドロキシ化合物を除去せし
めることにより、実質的にポリアミドと脂肪族ポリエス
テルよりなるブロック共重合体を得ることができる。
【0108】かくして、重合時の雰囲気は反応初期に
は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下常圧ないし
加圧とし、反応後期には徐々に減圧とすることが好まし
い。
【0109】本発明者の研究によれば、本発明方法によ
り製造することができる本発明のブロック共重合体のう
ち、ある種のものは形状記憶性能を有することが明らか
にされた。
【0110】すなわち、本発明によれば、さらに、(A
1)下記式(1)―a
【0111】
【化29】
【0112】で表わされる繰り返し単位および下記式
(2)―b
【0113】
【化30】
【0114】[ここで、kは4〜12の整数であり、そ
してpは4〜12の整数である。]で表わされる繰返し
単位の少くともいずれか一方の繰返し単位から実質的に
なるポリアミドブロック並びに下記式(3)―a
【0115】
【化31】
【0116】で表わされる繰返し単位から実質的になる
ポリカプロラクトンブロックからなり、(B)下記式
(5)
【0117】
【数10】
【0118】[ここで、Tはこのブロック共重合体の融
点(℃)であり、T1 はポリアミドブロックからなるポ
リアミドの融点(℃)であり、そしてCはポリアミドブ
ロックの含有量(重量%)である。]を満足し、(E)
ポリカプロラクトンブロックに由来する融点を約40〜
60℃の範囲に示し、そして(F)形状記憶回復能を有
することを特徴とするポリアミド/ポリカプロラクトン
ブロック共重合体が提供される。
【0119】このブロック共重合体は、上記式(1)―
aで表わされる繰返し単位および上記式(2)―bで表
わされる繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返し単
位から実質的になるポリアミドブロック並びに上記式
(3)―aで表わされる繰返し単位から実質的になるポ
リカプロラクトンブロックからなる。
【0120】式(1)―aの繰返し単位はε―カプロラ
クタムが開環した単位である。
【0121】式(2)―bにおいて、kは4〜12の整
数であり、そしてpは4〜12の整数である。従って、
―(CH2 ―および―(CH2 ―としては、例
えばテトラメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレ
ン、デカメチレンおよびドデカメチレンを挙げることが
できる。
【0122】ポリアミドブロックを形成するポリアミド
としては、ナイロン6およびナイロン66が好ましい。
【0123】また、上記式(3)―aで表わされる繰返
し単位はカプロラクトンが開環した単位である。
【0124】このブロック共重合体において、好ましく
はポリアミドブロックが5〜60重量%を占め、ポリカ
プロラクトンブロックは95〜40重量%を占める。
【0125】ポリアミドブロックの重量含有比が5重量
%未満の場合、あるいは60重量%より多い場合には形
状記憶回復性が不十分となる。ポリアミドブロックとポ
リカプロラクトンブロックの重量比は好ましくは7/9
3〜50/50、より好ましくは10/90〜40/6
0である。
【0126】上述のブロック共重合体中におけるポリア
ミドブロックおよびポリカプロラクトンブロックの長さ
については特に制限はないが、例えばDSCにより熱分
析した場合、ポリカプロラクトンに由来する融点とポリ
アミドに由来する融点とが別個に観測できる程度の連鎖
長を有することが好ましい。
【0127】形状記憶能を有する上記ブロック共重合体
はブロック共重合体の融点(T)とそれを構成するポリ
アミドブロックの融点(T1 )との間に、前記式
(5)、好ましくは前記式(5)―aを満足する関係が
成立する。
【0128】また、形状記憶能を有するこのブロック共
重合体はポリカプロラクトンブロックに由来する融点を
約40〜60℃の温度範囲に有する必要がある。
【0129】このブロック共重合体は、フェノール/
1,1,2,2―テトラクロルエタン混合溶媒(重量比
60/40)中35℃で測定した固有粘度が0.5〜
5.0の範囲にある。固有粘度が0.5未満では得られ
たブロック共重合体の機械特性や形状記憶回復性が不十
分となり、また5.0より高い場合には成形性が低下し
好ましくない。
【0130】形状記憶能を有するこのブロック共重合体
は前記本発明方法により好適に製造される。
【0131】形状記憶能を有するこのブロック共重合体
を溶融紡糸することにより、寸法記憶回復能を有する繊
維すなわち形状記憶性繊維が得られる。
【0132】本発明の形状記憶性繊維は上記ブロック共
重合体を溶融紡糸することにより得られる。ここで溶融
紡糸は、プランジャー式あるいはエクストルーダー式等
の溶融押出機を用いて溶融ポリマーを紡糸用ノズルから
押出し、冷却、固化して繊維を形成する従来公知の溶融
紡糸方法をそのまま適用することができる。
【0133】ここでポリマーの溶融温度は、ブロック共
重合体を形成するポリアミド成分のT1 (融点)〜32
0℃程度とすることが好ましく、(ポリアミド成分のT
1 +10)〜300℃程度とすることが特に好ましい。
また紡糸時のドラフトは5以上とすることが好ましく、
10以上とすることが特に好ましい。
【0134】本発明の寸法記憶性繊維はモノフィラメン
トであってもよいし、マルチフィラメントであってもよ
い。繊維のデニールは特に制限はないが、単糸のデニー
ルとして、1〜200デニール程度とすることが好まし
い。
【0135】本発明の寸法記憶性繊維は、溶融紡糸した
原糸の状態で形状記憶性を発現し、そのまま使用するこ
とができる。より高い形状記憶性能を発現させるために
は、上記の原糸を1.5〜6倍延伸し、次いでこれを6
0℃以上ポリアミド成分のT 1 未満の温度で弛緩熱処理
することが好ましい。この処理により溶融紡糸後の原糸
に残留している歪を除去することができ、形状記憶回復
性を向上させることができる。
【0136】ここで原糸を延伸する際の温度は特に制限
はないが、0〜100℃程度とすることが好ましく、2
0〜80℃程度とすることがより好ましい。延伸倍率は
1.5〜6倍とするのが好ましい。延伸倍率が1.5倍
未満では、均一に延伸することが困難となり、また6倍
より大きいと繊維が破断しやすく好ましくない。延伸倍
率は2〜5倍とすることがより好ましい。
【0137】延伸糸は次に60℃以上、ポリアミド成分
のT1 未満の温度で弛緩処理を施す。弛緩処理温度が6
0℃未満では、原糸の歪を除去するのに十分な効果が得
られず、またポリアミド成分のT1 以上の温度ではポリ
アミドの融解が起こる。弛緩処理温度は好ましくは60
℃以上、(ポリアミド成分のT1 −20℃)以下、特に
好ましくは60℃以上、(ポリアミド成分のT1 −40
℃)以下である。
【0138】弛緩条件は特に制限はなく、上記延伸糸を
制限収縮させてもよいし、無緊張下で収縮させてもよい
が、無緊張下で自由に収縮させることがより好ましい。
延伸および弛緩処理はローラーを用い、その引取速度の
差を利用する従来公知の方法をそのまま適用することが
できる。
【0139】本発明の寸法記憶性繊維は、耐熱性、成形
性に優れたポリアミドおよびポリカプロラクトンとから
構成されており、溶融紡糸時の曳糸性が極めて良好であ
る。
【0140】また本発明の形状記憶性繊維は、固定相と
してポリアミドの結晶相、可逆相としてポリカプロラク
トンの結晶相を利用しているため、形状記憶回復性に優
れ、反復した場合の耐久性も良好である。
【0141】これらの特性を利用して、各種の繊維素
材、織布、複合繊維用の成分等として、適用することが
できる。
【0142】本発明の前記ブロック共重合体は、形状記
憶能を有するものに限らず、ポリアミドブロックと脂肪
族ポリエステルブロックとを有していることに起因し
て、ポリアミドと相溶性がないかあるいは相溶性に乏し
い熱可塑性樹脂に対し優れた親和性を発現する。
【0143】それ故、本発明によれば、さらに、ポリア
ミドと相溶性がないかあるいは乏しい熱可塑性樹脂、ポ
リアミド樹脂および相溶化剤としての本発明のブロック
共重合体からなる緊密な配合物、並びにポリアミドと相
溶性がないかあるいは乏しい熱可塑性樹脂と本発明のブ
ロック共重合体からなる緊密な配合物が提供される。
【0144】上記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカー
ボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂またはポリフェニレ
ンオキサイド系樹脂を代表的なものとして挙げることが
できる。
【0145】上記ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボ
ン酸成分とジオール成分との重縮合により得られるもの
である。
【0146】芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレン―2,6―ジカルボ
ン酸、ナフタレン―2,7―ジカルボン酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフ
ェニルスルホンジカルボン酸、5―カルボキシ―3―
(4′―カルボキシフェニル)―1,1,3―トリメチ
ルインダンなどを挙げることができる。これら芳香族ジ
カルボン酸は単独で用いても複数を同時に用いてもよ
い。特に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン―
2,6―ジカルボン酸が好ましい。
【0147】ジオール成分としては、グリコール類、ヒ
ドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス―(ヒドロキシフェニル)―アルカン、ビス―
(ヒドロキシフェニル)―シクロアルカン、ビス―(ヒ
ドロキシフェニル)―スルフィド、ビス―(ヒドロキシ
フェニル)―エーテル、ビス―(ヒドロキシフェニル)
ケトン、ビス―(ヒドロキシフェニル)―スルホン、ビ
ス―(ヒドロキシフェニル)―スルホキサイド、ペンタ
メチル―(ヒドロキシフェニル)―インダノール、α,
α′―ビス―(ヒドロキシフェニル)―ジイソプロピル
ベンゼン並びに核アルキル化および核ハロゲン化されて
いるそれらの化合物が挙げられる。これらのうち、最も
一般的に用いられる代表的なものは、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール、2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAと略
す。)である。また、前記ジオール類の混合物を用いて
もよい。
【0148】好ましい物性を有する樹脂組成物を得るた
めには固有粘度(フェノール/1,1,2,2―テトラ
クロロエタン混合溶媒(重量比60/40)中、35
℃)が0.4以上のポリエステルを用いるのが好まし
い。
【0149】上記ポリカーボネート樹脂はジフェノール
と炭酸あるいはそれらの誘導体とから得られるものであ
る。
【0150】ジフェノールの例としては、ヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス―
(ヒドロキシフェニル)―アルカン、ビス―(ヒドロキ
シフェニル)―シクロアルカン、ビス―(ヒドロキシフ
ェニル)―スルフィド、ビス―(ヒドロキシフェニル)
―エーテル、ビス―(ヒドロキシフェニル)―ケトン、
ビス―(ヒドロキシフェニル)―スルホン、ビス―(ヒ
ドロキシフェニル)―スルホキサイド、ペンタメチル―
(ヒドロキシフェニル)―インダノール、α,α′―ビ
ス―(ヒドロキシフェニル)―ジイソプロピルベンゼン
並びに核アルキル化および核ハロゲン化されているそれ
らの化合物が挙げられる。これらのうち、最も一般的に
用いられる代表的なものはビスフェノールAである。ま
た、前記ジフェノールの混合物を用いてもよい。
【0151】また、炭酸またはこの誘導体に加えて少量
の他の芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸あるいはその
誘導体を共重合成分として用いてもよい。
【0152】ジフェノールと炭酸あるいはそれらの誘導
体とは、これらのエステル、塩、ハロゲン化物をさす。
【0153】好ましい物性を有する樹脂組成物を得るた
めには粘度平均分子量15000〜40000のポリカ
ーボネートを用いるのが好ましい。
【0154】また、ポリエステルカーボネート樹脂、ポ
リスチレン系樹脂およびポリフェニレンオキサイド系樹
脂としても、何ら特殊なものである必要はなく、それ自
体公知の通常の樹脂が用いられる。例えば、ポリスチレ
ン系樹脂として、アクリロニトリル―スチレン、アクリ
ロニトリル―ブタジエン―スチレン等が挙げられる。
【0155】本発明のブロック共重合体を相溶化剤とす
る前記緊密配合物では、上記の如き熱可塑性樹脂とポリ
アミド樹脂の合計100重量部当り、本発明のブロック
共重合体は、好ましくは1〜50重量部、より好ましく
は2〜40重量部、特に好ましくは3〜30重量部で含
有される。
【0156】この場合、熱可塑性樹脂とポリアミド樹脂
の割合は、熱可塑性樹脂対ポリアミド樹脂の重量比が好
ましくは95/5〜5/95となる割合であり、より好
ましくは90/10〜10/90となる割合である。
【0157】対象となるポリアミド樹脂は、3員環以上
のラクタム、ω―アミノカルボン酸、2塩基酸とジアミ
ン等の重縮合によって得られる各種のポリアミド樹脂で
ある。
【0158】具体的には、ε―カプロラクタム、アミノ
カプロン酸、エナントラクタム、7―アミノヘプタン
酸、11―アミノウンデカン酸等の重合体、あるいは
1,4―ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノ
ナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデ
カメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のジア
ミン類と、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、
セバチン酸、ドデカン2塩基酸、グルタール酸等のジカ
ルボン酸とを重縮合することによって得られる重合体、
またはそれらの共重合体が挙げられる。
【0159】更に詳しくは、ナイロン6、ナイロン4
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン612のような脂肪族ポリアミド
樹脂、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、キシリレン
基含有ポリアミドのような芳香族ポリアミドが例示され
る。
【0160】用いられるポリアミド樹脂の分子量として
は、m―クレゾール中35℃で測定した固有粘度が0.
5〜3.0の範囲が好ましい。
【0161】また、熱可塑性樹脂と本発明のブロック共
重合体からなる緊密な配合物では、熱可塑性樹脂100
重量部当り本発明のブロック共重合体が、好ましくは1
〜200重量部、より好ましくは2〜100重量部で含
有される。
【0162】本発明の前記2種の配合物には、必要に応
じ、ガラス繊維、金属繊維、アラミド繊維、セラミック
繊維、チタン酸カリウィスカー、炭酸繊維、アスベスト
のような繊維状強化剤、タルク、炭酸カルシウム、マイ
カ、クレー、酸化チタン、酸化アルミニウム、ガラスフ
レーク、ミルドファイバー、金属フレーク、金属粉末の
ような各種充填剤を配合することができ、また必要に応
じ、さらに熱安定剤、酸化安定剤、光安定剤、滑剤、顔
料、難燃化剤、可塑剤などの添加剤を1種以上混入させ
てもよい。
【0163】本発明の緊密な配合物の製造方法は、特に
限定されるものではないが、前記各種樹脂およびブロッ
ク共重合体、さらに必要に応じて用いられる各種の添加
剤を、通常用いられている方法により溶融混練すること
により容易に製造することができる。
【0164】
【発明の効果】本発明によれば、極めて均質性の高いポ
リアミド/ポリエステルブロック共重合体が提供され
る。かかる共重合体は、形状記憶回復性、寸法回復性、
生分解性等に優れ種々の用途に使用することができる。
また本発明の共重合体はポリアミドと相溶性の乏しい熱
可塑性樹脂との相溶化剤として有効に使用し得る。
【0165】また本発明によれば、芳香族モノヒドロキ
シ化合物を使用することにより上記共重合体を容易に製
造することができるものである。
【0166】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を詳述する。実施
例中「部」は「重量部」を意味する。
【0167】(固有粘度)ブロック共重合体、ポリエス
テルの固有粘度はフェノール/1,1,2,2―テトラ
クロルエタン混合溶媒(重量比60/40)中、濃度
1.2g/dl、温度35℃にて測定した。また原料ポ
リアミドの固有粘度はm―クレゾールを溶媒とし、温度
35℃にて測定した。
【0168】(熱特性)ポリマーの熱特性はDSCを用
い昇温速度10℃/分の条件で測定した。
【0169】(末端COOH基量)原料ポリアミド中の
末端COOH基量はベンジルアルコール溶液中、フェノ
ールレッドを指示薬として0.1N―NaOHベンジル
アルコール溶液を用いて滴定した。
【0170】(末端NH2 基量)末端NH2 基はm―ク
レゾール溶液中、チモールブルーを指示薬として、0.
1N―p―トルエンスルホン酸水溶液を用いて滴定し
た。
【0171】(抽出量)ブロック共重合体のテトラヒド
ロフランに対する抽出量(重量%)は、ブロック共重合
体のチップを100倍量のテトラヒドロフラン中2時間
加熱還流処理した後、濾過、乾燥した不溶部の重量より
算出した。
【0172】[実施例1]固有粘度1.41、末端CO
OH基量66当量/106 g、末端NH2 基量15当量
/106 gであるナイロン6の粒状チップ20部、ε―
カプロラクトン80部、p―クロルフェノール33部お
よびテトラブチルチタネート0.06部を攪拌装置およ
び真空留出系を備えた反応容器に入れ、常圧下窒素気流
中240℃に加熱した。約10分後、ナイロン6チップ
が溶融ないし溶解して、均一溶液となった。同条件にて
90分間反応させたが、この間反応溶液は徐々に増粘
し、わずかににごりのある透明液体となった。次に温度
を260℃に昇温し、徐々に減圧として10分後に約2
0mmHg、更に10分後に1mmHg以下程度の高真
空状態とし、同条件下に30分間反応させた。この間、
p―クロルフェノールおよび未反応のε―カプロラクト
ン重合系から留出した(留出量41部)。
【0173】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度2.3
3で、58℃および207℃の2個の融点ピークが観測
された。また抽出量は14%であった。
【0174】[比較例1]p−クロルフェノールを添加
しない以外は実施例1と同様に重合を実施した。得られ
たポリマーは溶融状態で不透明であり、固有粘度1.8
6で、59℃および219℃の2個の融点ピークが観測
された。またこのポリマーを抽出処理したところ、ポリ
マーはほとんど溶解し、抽出液は白色の懸濁状態となっ
た。
【0175】[実施例2]実施例1および比較例1のポ
リマーを夫々、高化式フローテスターを用い、温度25
0℃で0.5mmφ、1mmLのノズルより溶融押出し
た。実施例1のポリマーは流動性、曳糸性が良好で透明
なモノフィラメントが得られたのに対し、比較例1のポ
リマーは曳糸性が悪く、白色不透明なモノフィラメント
が得られた。上記の結果より、本発明の製造方法によ
り、ポリアミドとポリカプロラクトンとがブロックポリ
マーとなり極めて均質性の高い構造となっていることが
わかる。
【0176】[実施例3]固有粘度0.83、末端CO
OH基量140モル/106 g、末端NH2 基量3モル
/106 gであるナイロン6のチップ20部、ε―カプ
ロラクトン80部、フェノール16部およびテトラブチ
ルチタネート0.05部を攪拌装置および真空留出系を
備えた反応容器に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加
熱し、180分間反応させた。次いで温度を260℃に
昇温し、徐々に減圧として10分後に約20mmHg、
更に10分後に1mmHg以下の高真空状態とし、同条
件下で25分間反応させた。この真空反応の際、フェノ
ールおよび未反応のε−カプロラクトンが重合系から留
出した(留出量21部)。
【0177】得られたポリマーは、溶融下、やや淡黄色
となり、固有粘度2.18、融点は53℃、201℃の
2個観測された。また抽出量は11%であった。
【0178】[実施例4]固有粘度1.18、末端CO
OH基量83モル/106 g、末端NH2 基量49モル
/106 gのナイロン66を20部、ε―カプロラクト
ン80部、p−クロルフェノール33部およびテトラブ
チルチタネート0.06部を攪拌装置および真空留出系
を備えた反応容器に入れ、常圧下窒素気流中260℃で
90分間、次に同温度で約20mmHgの弱真空下15
分間、1mmHg以下の高真空下15分間反応させた。
この真空反応時p―クロルフェノールおよび未反応のε
―カプロラクトンが留出した(留出量42部)。
【0179】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりを有しており、固有粘度2.63、融点は46℃と
233℃の2個観測された。またテトラヒドロフラン抽
出量は10%であった。
【0180】[実施例5、6および7]固有粘度1.4
1、末端COOH基量66モル/106 g、末端NH2
基量15モル/106 gのナイロン6およびε―カプロ
ラクトンの所定量(表1に示す)、p―クロルフェノー
ル33部およびテトラブチルチタネート0.06部を実
施例1と同様に重合反応させた。得られたポリマーは、
溶融下わずかににごりを有していたが、実施例2と同様
に溶融押出したところ、いずれも曳糸性は良好で、透明
で艶のあるモノフィラメントとなった。固有粘度、融点
およびテトラヒドロフラン抽出量を表1に示す。
【0181】
【表1】
【0182】[実施例8]固有粘度0.85、末端CO
OH基量140モル/106 g、末端NH2 基量8モル
/106 gであるナイロン6の粒状チップ20部、ポリ
カプロラクトン(ダイセル工業(株)製プラクセルH―
7)80部、p―クロルフェノール33部、およびテト
ラブチルチタネート0.06部を攪拌装置および真空留
出系を備えた反応容器に入れ、常圧下窒素気流中250
℃に加熱した。約10分後、ナイロン6チップが溶融な
いし溶融して、懸濁溶融となった。同条件にて90分間
反応させたが、この間反応溶液は徐々に減粘し、わずか
ににごりのある透明液体となった。次に温度を260℃
に昇温し、徐々に減圧として10分後に約20mmH
g、更に30分後に1mmHg以下程度の高真空状態と
し、同条件下に30分間反応させた。この間、p―クロ
ルフェノールが重合系から留出した(留出量41部)。
【0183】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度2.2
3で、58℃および206℃の2個の融点ピークが観測
され融着温度152℃であった。また抽出量は13%で
あった。
【0184】融着温度は、表面温度計および温度調節装
置が備え付けられたホットプレート上にポリマーの小片
をのせ、ホットプレートを徐々に加熱し、ポリマー小片
が融けてホットプレート表面に付着する温度を融着温度
として耐熱性を示す指標とした。
【0185】[比較例2]p―クロルフェノールを添加
しない以外は実施例8と同様に重合を行なった。得られ
たポリマーは溶融状態で不透明であり、固有粘度1.1
6で、60℃および218℃の2個の融点ピークが観測
され融着温度57℃であった。またこのポリマーをテト
ラヒドロフラン中で抽出処理したところ、不溶部はほと
んど残らず、抽出液は白色の懸濁液となった。
【0186】[実施例9]実施例8および比較例2のポ
リマーを夫々、降下式フローテスターを用い、温度21
0℃で0.5mmHg、1mmLのノズルより溶融押出
した。実施例8のポリマーは流動性、曳糸性が良好で透
明なモノフィラメントが得られたのに対し、比較例2の
ポリマーは曳糸性が悪く、白色不透明なモノフィラメン
トが得られた。上記の結果より、本発明の製造方法によ
り、ポリアミドと脂肪族ポリエステルとがブロックポリ
マーとなり極めて均質性の高い構造となっていることが
わかる。
【0187】[実施例10]攪拌装置および真空留出系
を備えた反応器に、セバシン酸ジメチルエステル50
部、テトラメチレングリコール200部およびテトラブ
チルチタネート0.06部を入れ、常圧下窒素気流中2
00℃に加熱し、通常のエステル交換反応を行なった。
2時間後、理論量のメタノール(約64部)が留出した
のを確認した後、250℃まで昇温し2時間加熱した。
次に徐々に減圧を行い10分後に約20mmHg、更に
30分後に1mmHg以下の高真空状態とした。この間
反応溶液は徐々に増粘していった。同条件下で45分間
後、やや黄味かかった透明粘性体である脂肪族ポリエス
テル、ポリテトラメチレンセバケートを得た。固有粘度
はこの時点で1.50であった。
【0188】次にそこへ、固有粘度1.41、末端CO
OH基量8モル/106 g、末端NH2 基量14モル/
106 gであるナイロン6の粒状チップ50部を加え溶
融混合させた。この時反応溶液は、チップが溶けるに従
い、徐々に黄白色の濁ったものに変化していった。混合
を確認した後、p―クロルフェノール50部を加え、2
50℃で60分間加熱溶融反応を行った。この間反応溶
液は徐々に黄淡白色の濁った状態から茶褐色の透明な均
一融液と変化していった。次に徐々に減圧として10分
後に約20mmHg、更に30分後に1mmHg以下の
高真空状態とし、同条件下に30分間反応させた。この
間、p―クロルフェノールが重合系から留出した(留出
量約49部)。
【0189】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度1.0
6で、62℃および214℃の2個の融点ピークが観測
され融着温度205℃であった。またテトラヒドロフラ
ン抽出量は5.6%であった。
【0190】[実施例11]テトラメチレングリコール
の代りにネオペンチレングリコールを用いた以外は実施
例3と同様に実施した。得られたポリマーは溶融状態で
不透明であり、固有粘度2.07で、209℃の融点ピ
ークが観測され融着温度170℃であった。またテトラ
ヒドロフラン抽出量は4.7%であった。
【0191】[比較例3および4]p―クロルフェノー
ルを添加しない以外は実施例10、11と同様に実施し
た。得られたポリマーは溶融状態で不透明であり、固有
粘度、融点および融着温度および抽出量を実施例10、
11と合わせてそれぞれ表2に示す。
【0192】
【表2】
【0193】[実施例12]p―クロルフェノールの代
りにフェノールを用いた以外は、実施例8と同様に反応
を実施した。得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度2.2
0で57℃および207℃の2個の融点ピークが観察さ
れ融着温度150℃であった。また、テトラヒドロフラ
ン抽出量は15%であった。
【0194】[実施例13]ナイロン6の代りに固有粘
度1.18、末端COOH基量83.2モル/10
6 g、末端NH2 基量49.4モル/106 gであるナ
イロン66の粒状チップを用い、反応開始温度を260
℃、溶融後270℃に昇温した以外は実施例8と同様に
実施した。
【0195】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度1.9
0で53、230℃の2個の融点ピークが観察され融着
温度210℃であった。また、テトラヒドロフラン抽出
量は12%であった。
【0196】[実施例14]固有粘度1.38のナイロ
ン6の粒状チップ20部、ε―カプロラクトン80部、
フェノール16部およびテトラブチルチタネート0.0
5部を攪拌装置および真空留出系を備えた反応容器に入
れ、常圧下窒素気流中260℃に加熱した。約10分
後、ナイロン6チップが溶融ないし溶解して、均一溶液
となった。同条件で60分間反応させたところ、反応溶
液は徐々に増粘し、わずかににごりのある透明溶融物と
なった。次に反応雰囲気を徐々に減圧とし、約20mm
Hgの真空下に15分間、1mmHg以下の高真空下で
25分間反応させた。この減圧反応時にフェノールが留
去した。
【0197】得られたポリマーは固有粘度2.14であ
り、またDSC測定より56℃および203℃に2個の
結晶融点が観測された。
【0198】[実施例15]実施例14で得たブロック
共重合体を、ポリマー温度240℃、金型温度20℃、
成形サイクル70秒の条件にて射出成形し、12mm×
3mm×63mmの平板状試験片を成形した。この際、
ポリマーの流動性、成形性は極めて良好であった。
【0199】得られた試験片を80℃に加熱して軟化さ
せて、その中央部から180°の角度に折り曲げ、その
まま室温に冷却した。この操作により折り曲げ状態での
形状が完全に固定された。
【0200】次にこの試験片を再度80℃に加熱したと
ころ、180°の曲げ角度が88%回復した。
【0201】[実施例16〜18]固有粘度1.38の
ナイロン6の粒状チップ、ε―カプロラクトンの所定
量、これらポリマー成分100部に対し18部のフェノ
ールおよびテトラブチルチタネート0.05部を実施例
14と同様の方法にて重合反応させて、ナイロン6とポ
リカプロラクトンよりなるブロックポリマーを製造し
た。
【0202】次にこれらのポリマーを実施例15と同様
に射出成形し、更に形状記憶回復性を評価した。結果を
表3に示すが、本発明の樹脂が形状記憶回復性に優れて
いることがわかる。
【0203】
【表3】
【0204】[実施例19]固有粘度1.18のナイロ
ン66チップ20部、ε―カプロラクトン80部、p―
クロルフェノール25部およびテトラブチルチタネート
0.05部を攪拌装置および真空留出系を備えた反応容
器に入れ、窒素気流中常圧下260℃で75分間、次い
で約20mmHgの弱真空下で15分間、更に1mmH
g以下の高真空下で29分間反応させた。得られたポリ
マーは固有粘度2.24、結晶融点は、49℃と235
℃の2個観測された。
【0205】[実施例20]実施例19で得られたブロ
ックポリマーをポリマー温度250℃、金型温度20
℃、成形サイクル約75秒の条件にて射出成形して、実
施例15と同様の平板状試験片を成形した。この試験片
を用いて実施例15と同様の方法で形状記憶回復性を評
価したところ、180°の折り曲げ角は90%回復し
た。
【0206】[実施例21]実施例14により得られた
ポリマーを粉砕した後、モノホール紡糸装置を用いて、
0.3mmφ×0.7mmLのノズルよりポリマー温度
210℃で溶融紡糸を行った。この際、曳糸性は極めて
良好であった。幾分茶色味がかったモノフィラメント原
糸29デニールを得た。次にこの原糸を延伸装置を用い
て30℃で約4倍の延伸処理を行った。
【0207】得られたブロックポリマー延伸糸を80℃
のオーブンに5分間入れ、無緊張下で弛緩処理を行っ
た。
【0208】(寸法記憶性能評価)上記処理をして得ら
れた糸の長さを100とし、これを150%まで引き延
ばした。この時点で繊維が元にもどろうとしない(室温
下で長さが固定された)ことを確認した後、80℃のオ
ーブンに5分間熱処理した。取出した繊維が室温までさ
めるのを待ち、長さを計測し、その形状回復性を検討し
た。
【0209】熱処理した糸はほぼ元の長さまで回復し
た。更に延伸倍率を大きくして行き、繰返し検討を行っ
た。検討した結果を図1に示した。
【0210】[実施例22]ポリアミドにナイロン6の
代りに固有粘度1.18のナイロン66の粒状チップを
用い、加熱温度270℃で行った以外は、実施例21と
同様に実施した。得られたポリマーは固有粘度2.24
であり、またDSC測定より、44℃および234℃に
2個の結晶融点が観察された。そのポリマーから実施例
21と同様な方法でフィラメントを製造し、評価を行っ
た。結果を図2に示す。
【0211】これらの結果より、本発明の繊維は優れた
寸法回復能力を有することが判る。
【0212】[実施例23〜26および比較例5]実施
例1、4、5、8により製造したブロック共重合体をポ
リマー温度230〜250℃で巾10mm、厚さ1mm
のスリットより溶融押出し、巾約7mm、厚さ約0.5
mmのテープ状試料に成形した。この試料を長さ100
mmに切断し、地表が芝生でおおわれた地表下約20c
mの土壌中に埋設した。180日後埋設した試料を取出
し、重量を測定した。
【0213】また比較例5としてポリカプロラクトン
(ダイセル工業(株)製プラクセルH7)を同様に成形
し、地中埋設テストを実施した。結果を表4に示す。
【0214】この結果より、本発明のブロックポリマー
がポリカプロラクトンと同等以上の生分解性を有し、か
つポリカプロラクトンの融点以上の温度においても使用
できる耐熱性を有していることがわかる。
【0215】
【表4】
【0216】[実施例27〜30および比較例6、7]
実施例1、4、5および8で得られたポリマーを、ポリ
マー温度220〜250℃で0.3mmφ×0.7mm
Lのノズルより溶融押出しモノフィラメントを製造し
た。該モノフィラメントを30℃で所定の倍率まで延伸
して延伸糸を得た。この延伸糸の機械特性および酵素に
より加水分解された可溶性全有機炭素量(TOC)を表
5に示す。
【0217】酵素による加水分解性試験は、繊維1gに
0.2Mリン酸緩衝液10mLおよび分解酵素としてリ
ゾープス・デレマーリパーゼ(生化学工業社製、超遠心
的単一標品、商品名:リゾープスリパーゼ)4mgを加
え全量を水で20mLとし、37℃で24時間反応さ
せ、可溶化された全有機炭素量(TOC)を測定するこ
とによって行った。(この場合、TOCは分解酵素を加
えない試料のTOCと分解酵素のみによるTOCを差し
引いた値とした。結果を表5に示す。
【0218】表5には比較としてポリカプロラクトン
(ダイセル工業(株)製プラクセルH7)およびナイロ
ン6(固有粘度1.21)の繊維についての結果を併記
した(比較例6、7)が、本発明のブロック共重合体か
らなる延伸糸が、良好な機械特性および酵素加水分解性
を有していることがわかる。
【0219】
【表5】
【0220】[実施例31]固有粘度1.41であるナ
イロン6の粒状チップ50部、ε―カプロラクトン50
部、フェノール25部およびテトラブチルチタネート
0.06部を攪拌装置および真空留出系を備えた反応容
器に入れ、常圧下窒素気流中220℃に加熱した。約1
0分後、ナイロン6チップが溶融ないし溶解して、均一
溶液となった。同条件にて90分間反応させたが、この
間反応溶液は徐々に増粘し、わずかににごりのある透明
液体となった。次の温度を260℃に昇温し、徐々に減
圧として10分後に約20mmHg、更に10分後に1
mmHg以下程度の高真空状態とし、同条件下に30分
間反応させた。この間、フェノールおよび未反応のε―
カプロラクトンが重合系から留出した。
【0221】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度2.1
6で、56℃および209℃に2個の融点ピークが観測
された。またテトラヒドロフラン抽出量は3.8%であ
った。
【0222】[実施例32]固有粘度0.85であるナ
イロン6の粒状チップ40部、ポリカプロラクトン(ダ
イセル工業(株)製プラクセルH―7)60部、p―ク
ロルフェノール33部およびテトラブチルチタネート
0.06部を攪拌装置および真空留出系を備えた反応容
器に入れ、常圧下窒素気流中250℃に加熱した。約1
0分後、ナイロン6チップが溶融ないし溶解して、均一
溶液となった。同条件にて90分間反応させたところ、
わずかににごりのある透明液体となった。次に温度を2
60℃に昇温し、徐々に減圧として10分後に約20m
mHg、更に30分後に1mmHg以下程度の高真空状
態とし、同条件下に30分間反応させた。この間、p―
クロルフェノールが重合系から留出した。
【0223】得られたポリマーは、溶融下でわずかにに
ごりのある淡黄色透明ポリマーであり、固有粘度1.8
4で、57℃および207℃に2個の融点ピークが観測
された。またテトラヒドロフラン抽出量は5.6%であ
った。
【0224】[実施例33〜37および比較例8]ポリ
カーボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライト(登録
商標)L1250)、固有粘度1.4のナイロン6樹脂
および実施例31あるいは32のブロック共重合体の所
定量を常法により乾燥し、30mmφ同方向回転2軸エ
クストルーダーを用いてポリマー温度280℃、平均滞
留時間約3分の条件下で溶融ブレンドした。
【0225】得られた組成物を射出成形機(名機製作
所、M―50B)を用いてポリマー温度280℃、金型
温度80℃、成形サイクル90秒の条件で試験片を成形
した。成形品物性を表6に示す。表6には比較として、
参考例のマルチブロック共重合体を添加しない場合の結
果についても併記した。これらの結果より本発明の樹脂
組成物は、機械特性に優れ、特に耐衝撃性が非常に向上
していることがわかる。
【0226】またポリカーボネート樹脂とポリアミド樹
脂とは相溶性がないため、得られた成形品の表面は真珠
模様となったのに対し、本発明の成形品は表面の斑がな
く、両成分の相溶性が向上し、ミクロ分散状態となって
いることがわかる。
【0227】
【表6】
【0228】[実施例38〜40および比較例9および
10]ポリブチレンテレフタレート樹脂(帝人(株)
製、固有粘度0.88)またはポリアリレート(ユニチ
カ(株)製U―100)、固有粘度1.4のナイロン6
樹脂および実施例31あるいは32のブロック共重合体
の所定量を常法により乾燥し、30mmφ同方向回転2
軸エクストルーダーを用いてポリマー温度280℃、平
均滞留時間約3分の条件下で溶融ブレンドした。
【0229】得られた組成物を射出成形機(名機製作
所、M―50B)を用いてポリマー温度280℃、金型
温度80℃、成形サイクル90秒の条件で試験片を成形
した。成形品物性を表7に示す。表7には比較として、
参考例のブロック共重合体を添加しない場合の結果につ
いても併記した。これらの結果より本発明の樹脂組成物
は、機械特性に優れ、特に耐衝撃性が非常に向上してい
ることがわかる。
【0230】またポリエステル樹脂とポリアミド樹脂と
は相溶性がないため、得られた成形品の表面は真珠模様
となったのに対し、本発明の成形品は表面の斑がなく、
両成分の相溶性が向上し、ミクロ分散状態となっている
ことがわかる。
【0231】
【表7】
【0232】[実施例41〜44および比較例11およ
び12]実施例1、5、6および7により得られたブロ
ック共重合体をポリマー温度230℃、金型温度30℃
の条件で射出成形した。得られた成形品の物性を表8に
示す。
【0233】
【表8】
【0234】表8には比較としてナイロン6(固有粘度
1.41)およびポリカプロラクトン(ダイセル工業
(株)製プラクセルH4)の成形品物性を併記した。本
発明のブロック共重合体が極めて良好な耐衝撃性を有し
ていることがわかる。
【0235】[実施例45および比較例13]ポリカー
ボネート(帝人化成(株)製パンライト(登録商標)L
1250)70部および実施例7で得られたブロック共
重合体30部をドライブレンドし、ポリマー温度280
℃、金型温度80℃にて射出成形した。
【0236】得られた成形品の物性を表9に示す。表9
には比較として、ブロック共重合体に代えてナイロン6
(固有粘度1.21)30部を用いた成形品物性につい
ても併記した。
【0237】
【表9】
【0238】[実施例46、47および比較例14、1
5]ABS樹脂(三井東圧化学(株)製UT61)また
はAS樹脂(日本合成ゴム(株)製AS―230)40
部、ナイロン6(固有粘度1.21)40部および実施
例31で製造したブロック共重合体20部をドライブレ
ンドし、ポリマー温度230℃、金型温度30℃の条件
で射出成形した。
【0239】比較としてブロック共重合体を添加しない
以外は同様にして射出成形した。成形品物性を表10に
示すが、この結果より本発明のブロック共重合体が、相
溶化剤として有効であることがわかる。
【0240】
【表10】
【0241】[実施例48]AS樹脂(日本合成ゴム
(株)製AS―230)50部および実施例7で製造し
たブロック共重合体50部をドライブレンドし、ポリマ
ー温度225℃、金型温度30℃の条件下で射出成形し
た。得られた成形品は、引張強度580kg/cm2
破断伸度180%、曲げ強度890kg/cm2 、曲げ
弾性率25800kg/cm2 、衝撃強度6.8kg・
cm/cmであった。
【0242】[実施例49]5―スルホイソフタル酸ナ
トリウムジメチルエステル5部および3―メチル―1,
5―ペンタンジオール2部を添加し、更に220℃での
反応時間を180分とする以外は実施例31と同様に重
合した。得られたポリマーは淡黄色透明で、固有粘度
1.62、融点188℃であった。次いでこのポリマー
を実施例41と同様に射出成形し、直径50mm、厚さ
2mmの円板状の成形品を得た。該成形品を20℃、湿
度65%の条件下で24時間放置後、超絶縁計(東亜電
波工業(株)製SM―8210)を用いてJIS K6
911に準じ、電圧1000Vの条件で表面固有抵抗を
測定したところ、1.8×1010Ωであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック共重合体からの形状記憶繊維
(実施例21)の形状記憶能を示している。
【図2】本発明の他のブロック共重合体からの形状記憶
繊維(実施例22)の形状記憶能を示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−211368 (32)優先日 平成5年8月26日(1993.8.26) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−273482 (32)優先日 平成5年11月1日(1993.11.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平4−36320(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/44 C08G 81/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1) 【化1】 [ここで、R1 は炭素数4〜12のアルキレン基であ
    る。]で表わされる繰返し単位および下記式(2) 【化2】 [ここで、R2 は炭素数4〜12のアルキレン基または
    炭素数8〜16のアルキレン―アリーレン―アルキレン
    基であり、そしてR3 は炭素数4〜12のアルキレン基
    または炭素数6〜12のアリーレン基である。]で表わ
    される繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返し単位
    から実質的になるポリアミドブロック並びに下記式
    (3) 【化3】 [ここで、R4 は炭素数1〜12のアルキレン基であ
    る。]で表わされる繰返し単位および下記式(4) 【化4】 [ここで、R5 は炭素数4〜12のアルキレン基であ
    り、そしてR6 は炭素数2〜12のアルキレン基または
    炭素数2〜12のアルキレン基と2価の芳香族基との組
    合せである。]で表わされる繰返し単位の少くともいず
    れか一方の繰返し単位から実質的になる脂肪族ポリエス
    テルブロックからなり、(B)下記式(5) 【数1】 [ここで、Tはこのブロック共重合体の融点(℃)であ
    り、T1 はポリアミドブロックからなるポリアミドの融
    点(℃)であり、そしてCはポリアミドブロックの含有
    量(重量%)である。]を満足し、(C)テトラヒドロ
    フランによる抽出量が下記式(6) 【数2】 [ここで、Eはブロック共重合体を100重量倍のテト
    ラヒドロフラン中2時間加熱還流した際の抽出量(重量
    %)であり、そしてCはポリアミドブロックの含有量
    (重量%)である。]を満足し、そして(D)35℃に
    おける固有粘度が0.5〜5の範囲にある、ことを特徴
    とするポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合
    体。
  2. 【請求項2】 ポリアミドブロックが下記式(1)―a 【化5】 で表わされる繰返し単位および下記式(2)―a 【化6】 で表わされる繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返
    し単位から実質的になる請求項1記載のブロック共重合
    体。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステルブロックが下記式
    (3)―a 【化7】 で表わされる繰返し単位から実質的になるポリカプロラ
    クトンブロックである請求項1記載のブロック共重合
    体。
  4. 【請求項4】 (A1)下記式(1)―a 【化8】 で表わされる繰返し単位および下記式(2)―b 【化9】 [ここで、kは4〜12の整数であり、そしてpは4〜
    12の整数である。]で表わされる繰返し単位の少くと
    もいずれか一方の繰返し単位から実質的になるポリアミ
    ドブロック並びに下記式(3)―a 【化10】 で表わされる繰返し単位から実質的になるポリカプロラ
    クトンブロックからなり、(B)下記式(5) 【数3】 [ここで、Tはこのブロック共重合体の融点(℃)であ
    り、T1 はポリアミドブロックからなるポリアミドの融
    点(℃)であり、そしてCはポリアミドブロックの含有
    量(重量%)である。]を満足し、(E)ポリカプロラ
    クトンブロックに由来する融点を約40〜60℃の範囲
    に示し、そして(F)形状記憶回復能を有する、ことを
    特徴とするポリアミド/ポリカプロラクトンブロック共
    重合体。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のブロック共重合体からな
    り、そして寸法記憶回復能を有することを特徴とする繊
    維。
  6. 【請求項6】 (A)下記式(1) 【化11】 [ここで、R1 は炭素数4〜12のアルキレン基であ
    る。]で表わされる繰返し単位および下記式(2) 【化12】 [ここで、R2 は炭素数4〜12のアルキレン基または
    炭素数8〜16のアルキレン―アリーレン―アルキレン
    基であり、そしてR3 は炭素数4〜12のアルキレン基
    または炭素数6〜12のアリーレン基である。]で表わ
    される繰返し単位の少くともいずれか一方の繰返し単位
    から実質的になるポリアミドと、(B)脂肪族ポリエス
    テルおよびε―カプロラクトンの少くともいずれか一方
    とを、(C)これらの(A)および(B)成分の合計重
    量100重量部当り5〜100重量部の芳香族モノヒド
    ロキシ化合物およびエステル交換触媒の存在下に、加熱
    溶融反応せしめ、次いで該芳香族モノヒドロキシ化合物
    を留去せしめることを特徴とするポリアミド/脂肪族ポ
    リエステルブロック共重合体の製造法。
  7. 【請求項7】 芳香族モノヒドロキシ化合物が下記式
    (7) 【化13】 [ここで、Xは炭素数1〜3のアルキル基、ハロゲン原
    子であり、mは0〜3の整数である。]で表わされる請
    求項記載の方法。
  8. 【請求項8】 ポリアミドと相溶性がないかあるいは乏
    しい熱可塑性樹脂、ポリアミド樹脂および相溶化剤とし
    ての請求項1記載のブロック共重合体からなる緊密な配
    合物。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポ
    リカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂、
    ポリスチレン系樹脂またはポリフェニレンオキサイド系
    樹脂である請求項8記載の配合物。
  10. 【請求項10】 ポリアミドと相溶性がないかあるいは
    乏しい熱可塑性樹脂と請求項1記載のブロック共重合体
    からなる緊密な配合物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、
    ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹
    脂、ポリスチレン系樹脂、またはポリフェニレンオキサ
    イド系樹脂である請求項10記載の配合物。
JP02422494A 1993-02-23 1994-02-22 ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物 Expired - Lifetime JP3412227B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02422494A JP3412227B2 (ja) 1993-02-23 1994-02-22 ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物

Applications Claiming Priority (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3318993 1993-02-23
JP5-33189 1993-02-23
JP9302893 1993-04-20
JP5-93028 1993-04-20
JP5-174279 1993-07-14
JP17427993 1993-07-14
JP5-211368 1993-08-26
JP21136893 1993-08-26
JP5-273482 1993-11-01
JP27348293 1993-11-01
JP02422494A JP3412227B2 (ja) 1993-02-23 1994-02-22 ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07173282A JPH07173282A (ja) 1995-07-11
JP3412227B2 true JP3412227B2 (ja) 2003-06-03

Family

ID=27549157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02422494A Expired - Lifetime JP3412227B2 (ja) 1993-02-23 1994-02-22 ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3412227B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006233204A (ja) * 2005-01-31 2006-09-07 Sanyo Chem Ind Ltd 帯電防止剤および帯電防止性樹脂組成物
CN102933643B (zh) * 2010-03-31 2016-01-20 可隆工业株式会社 用于轮胎内衬层的膜及其制备方法
WO2013048207A2 (ko) * 2011-09-30 2013-04-04 코오롱인더스트리 주식회사 타이어 이너라이너용 필름 및 이의 제조 방법
FR3096684B1 (fr) * 2019-05-29 2022-03-04 Arkema France Copolymère à blocs à résistance améliorée au sébum

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07173282A (ja) 1995-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5446109A (en) Polyamide/aliphatic polyester block copolymer, process for the production thereof, and blend containing the same
CA1142685A (en) Aromatic copolyester
JPWO2001072872A1 (ja) ブロック共重合体
JPH03212424A (ja) プロセス
CA1069640A (en) Resin composition and a process for preparing same
JP4856913B2 (ja) 高強度ポリ乳酸繊維とその製造方法
US6498212B1 (en) Polyester composition with improved hydrolytic stability and method for making the same
US5691412A (en) Polyamide/aliphatic polyester block copolymer, process for the production thereof, and blend containing the same
US5321099A (en) Blends of semi-crystalline polyamides and polyesteramides
US3194794A (en) Process of preparing polymers of nuclearly polychlorinated aromatic dicarboxylic acids and diamines having at least 4 carbons
JP3412227B2 (ja) ポリアミド/脂肪族ポリエステルブロック共重合体、その製造法およびそれを含む配合物
JP2004519532A (ja) 溶融性ポリエステルの製造方法
KR101317767B1 (ko) 생분해성 폴리에스테르 및 그의 제조방법
US5516855A (en) Amide-ester copolymers and process for the preparation thereof
JPS6071713A (ja) 難燃性合成繊維
US6376624B1 (en) Compositions based on high molecular weight polyesters and methods for making the same
JP3462948B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体
JP3350618B2 (ja) ポリ乳酸共重合物及びその製造方法
JP3626589B2 (ja) ポリエステル系ブロックポリマー
US5994451A (en) Polytrimethylene terephthalate composition
JP2772649B2 (ja) プロックポリエーテルエステル共重合体組成物
US4314928A (en) Polyethylene terephthalates which crystallize rapidly and a process for their preparation
Tan et al. Preparation and biodegradation of copolyesters based on poly (ethylene terephthalate) and poly (ethylene glycol)/oligo (lactic acid) by transesterification
Zhu et al. Synthesis of aliphatic-aromatic copolyesters by a melting bulk reaction between poly (butylene terephthalate) and DL-oligo (lactic acid)
JP3646141B2 (ja) 生分解性ポリマーの製法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080328

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090328

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100328

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110328

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120328

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130328

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term