JP5691314B2 - ポリエステルフィルム、およびそれを用いた太陽電池 - Google Patents
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Description
1.主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステルの層(P層形成層)を含み、該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであるシートを下記工程(1)から(3)をこの順で含む方法で製膜することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
(1)下記式(a)を満たす温度T1n(nは、本工程におけるn段目の温度を表す)で、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率13.5倍以上に二軸延伸する工程
Tg≦T1n≦Tg+40℃ (a)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
(2)フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルムの幅方向の両端を把持し、下記式(b)を満たす熱処理温度Th1で熱処理を実施する第1の熱処理工程
Tm−90℃≦Th1≦Tm−45℃ (b)
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃)
(3)下記式(c)を満たす熱処理温度Th2の条件下、次の(3−1)または(3−2)の処理方法により、MD、TDともに1%から10%収縮させる、第2の熱処理工程
150℃≦Th2≦Th1 (c)
(3−1)フィルムを枚葉に切り出し、矩形の金枠にMD、TDともに弛ませた状態で貼り付けバッチ処理
(3−2)巻だしロールと巻き取りロールとの間に設置されたフィルムの入り口と出口を有するオーブンを用いて、巻だしと巻き取りのロールの速度差によりフィルムのMDの収縮の寸法変化による張力を緩和した状態で連続処理
2.主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステルの層(P層形成層)を含み、該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであるシートを下記工程(4)および工程(5)をこの順で含む方法で製膜することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
(4)下記式(d)を満たす温度T1n(nは、本工程におけるn段目の温度を表す)で、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率13.5倍以上に二軸延伸する工程
Tg≦T1n≦Tg+40℃ (d)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
(5)フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルム幅方向の両端を把持し、下記式(e)を満たす熱処理温度Th3で、MD、TDそれぞれの方向に1.0%から10%収縮させる統合熱処理工程。
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃)
3.前記P層形成層の結晶性ポリエステルがリン酸とリン酸アルカリ金属塩を含有し、リン酸アルカリ金属塩の含有量が0.5モル/t以上、リン酸の含有量がリン酸アルカリ金属塩に対して0.25倍以上1.5倍以下のモル比である1または2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
4.前記P層形成層の結晶性ポリエステルが共重合成分としてカルボン酸基および/または水酸基を3つ以上有する構成成分を全構成成分に対して0.005モル%以上1.5モル%以下含有する1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルムの製造方法。
5.前記P層形成層の結晶性ポリエステルが耐加水分解剤を含有し、該耐加水分解剤の含有量がP層形成層に対して0.01質量%以上である1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルムの製造方法。
6.下記式で求められるラマンバンドスペクトル法における面配向係数Rが5.0以上10.0以下であり、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)の150℃30分間の熱処理後の熱収縮率の平均が0.8%以下であり、かつ50℃から150℃までのMDの線膨張係数α(MD)とTDの線膨張係数α(TD)の平均線膨張係数αが22ppm/℃以下である主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステル層(P層)を含む、1〜5のいずれかに記載の方法で製造されるポリエステルフィルム。
R(MD)=I(MD)/I(ND)
R(TD)=I(TD)/I(ND)
(ここで、I(ND)、I(MD)およびI(TD)は、それぞれ、レーザーラマン分光法において、1615cm−1のラマンバンドスペクトルの、フィルム平面方向に垂直な偏光配置での強度(I(ND))、フィルム平面の長手方向に平行な偏光配置での強度(I(MD))、およびフィルム平面の幅方向に平行な偏光配置での強度(I(TD))を表す)
7.6に記載のポリエステルフィルムを用いた太陽電池用バックシート。
8.7に記載の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池。
9.6に記載のポリエステルフィルムを用いたフレキシブル基板。
を骨子とするものである。
(1)下記式(a)を満たす温度T1n(nは、本工程におけるn段目の温度を表す)で、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率13.5倍以上に二軸延伸する工程
Tg≦T1n≦Tg+40℃ (a)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
(2)フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルムの幅方向の両端を把持し、下記式(b)を満たす熱処理温度Th1で熱処理を実施する第1の熱処理工程
Tm−90℃≦Th1≦Tm−45℃ (b)
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃)
(3)下記式(c)を満たす熱処理温度Th2の条件下、次の(3−1)または(3−2)の処理方法により、MD、TDともに1%から10%収縮させる、第2の熱処理工程
150℃≦Th2≦Th1 (c)
(3−1)フィルムを枚葉に切り出し、矩形の金枠にMD、TDともに弛ませた状態で貼り付けバッチ処理
(3−2)巻だしロールと巻き取りロールとの間に設置されたフィルムの入り口と出口を有するオーブンを用いて、巻だしと巻き取りのロールの速度差によりフィルムのMDの収縮の寸法変化による張力を緩和した状態で連続処理。
以上の製造方法により得られたポリエステルフィルムは、高い耐湿熱性を持つと同時に、良好な熱寸法安定性を併せ持つことができるが、メカニズムについては、次のように考えている。一般に、結晶性ポリエステルから製造されるポリエステルフィルム(層として結晶性ポリエステルの層をいずれかの表面に露出して含む場合における結晶性ポリエステルの層を含む)中には、ポリエステルの結晶部と非晶部が存在し、結晶性ポリエステルを二軸延伸して得られるポリエステルフィルム中にも、分子鎖が延伸方向に配向することによりポリエステルが結晶化した部分(以下、配向結晶部とする)と、かかる配向を経ずに結晶化した部分(以下、単に結晶部とする)と、非晶部が存在する。そして、非晶部は、結晶部、配向結晶部に比べて密度が低く、平均の分子間距離が大きい状態にあると考えられる。
Tg:示差走査熱量測定により得られるP層形成層中の結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
続いて、工程(2)として、フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルムの幅方向の両端を把持し、下記式(b)を満たす熱処理温度Th1で熱処理を実施する(第1の熱処理工程)。
Tm:示差走査熱量測定により得られるP層形成層中の結晶性ポリエステルの融点(℃)
このように、上記条件で二軸延伸し、熱処理することにより、非晶部に比べて密度の高い配向結晶部の割合を多くすることができ、フィルム中に水分が侵入するのを防ぐことができる。また、配向結晶部の割合が多くなることで、フィルムの剛直性が増し、フィルムが熱膨張しにくくなる。一方、配向結晶部が多くなると、非晶部の歪みが配向結晶部の配向方向へ大きくなる。この歪みはフィルムに熱を加えたときに解放され、フィルムが不可逆に収縮する。この歪みを取り除き、フィルムの熱収縮を抑制するため、工程(3)として、下記式(c)を満たす熱処理温度Th2の条件下、次の(3−1)または(3−2)の処理方法により、フィルムの長手方向(MD)、フィルムの幅方向(TD)ともに1%から10%収縮させる(第2の熱処理工程)。
(3−1)フィルムを枚葉に切り出し、矩形の金枠にMD、TDともに弛ませた状態で貼り付けバッチ処理
(3−2)巻だしロールと巻き取りロールとの間に設置されたフィルムの入り口と出口を有するオーブンを用いて、巻だしと巻き取りのロールの速度差によりフィルムのMDの収縮の寸法変化による張力を緩和した状態で連続処理
結晶性ポリエステルの層(P層形成層)を含み、該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであるシートを以上の工程(1)から(3)をこの順で含む方法で製膜することにより、耐湿熱性に優れ、熱寸法安定性も良好なポリエステルフィルムを得ることができる。
面積倍率が13.5倍以上であれば、上記温度範囲でMDかつ/あるいはTDに2度以上延伸しても構わない。延伸する順番としては、MD、TDどちらからでも構わないが、後の熱処理工程を効率よく行うため、MDから延伸することが好ましい。MDとTDにそれぞれ1度ずつ、MDから延伸する場合は、上記式(a)を満たす温度T11に加熱されたロール群に導き、MDへの延伸を行い、次いで、フィルムの両端をクリップで把持しながら二軸目の延伸を下記式(a)を満たす温度T12でTDに行う必要がある。
Tm:示差走査熱量測定により得られるP層形成層中の結晶性ポリエステルの融点(℃)
熱処理温度が上記範囲を外れ、高くなりすぎると延伸方向への分子鎖の配向が緩和される結果、配向結晶部の配向も緩和され、一部は分子運動性が高い非晶部となり、さらにその一部は高温での熱処理によって配向を経ない結晶部となると考えられる。非晶部と結晶部が増加した結果、湿熱雰囲気下において、加水分解後に結晶部が増大しやすく、脆化が進行しやすくなるので好ましくない。また、熱処理温度が上記範囲を外れ、低くなりすぎると配向結晶部の形成が不充分となり、平面性が悪く、さらに湿熱雰囲気下において加水分解後の結晶化が促進され、脆化が進行しやすくなるので好ましくない。また、熱処理時間は1秒間以上60秒間以下であることが好ましい。
(3−1)フィルムを枚葉に切り出し、矩形の金枠にMD、TDともに弛ませた状態で貼り付けバッチ処理。かかる処理時にフィルムを弛ませる量は、金枠平面を略水平に配置した状態で金枠平面に対して重力方向に5mm以上50mm以下であることが好ましい。上記範囲外では、熱処理後のフィルム平面性が損なわれるため好ましくない。
(3−2)巻だしロールと巻き取りロールとの間に設置されたフィルムの入り口と出口を有するオーブンを用いて、巻だしと巻き取りのロールの速度差によりフィルムのMDの収縮の寸法変化による張力を緩和した状態で連続処理。かかる処理時にMD方向の張力は10N/mから100N/mが好ましい。上記範囲を外れると、フィルムの平面性が悪化したり、フィルムが破れたりするため好ましくない。
Th2が150℃より低いと、熱処理工程中の収縮が充分にできず、熱収縮率が悪化したり、フィルムの平面性が悪化するため好ましくない。またTh2がTh1より高いと、延伸工程と第一の熱処理工程で得られる配向結晶部の配向が緩和され、耐湿熱性が悪化するため好ましくない。本発明における第二の熱処理工程の熱処理時間は30秒間以上120秒間以下であることが好ましい。
Tm−90℃≦Th3≦Tm−45℃ (e)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃)
かかる製造方法を採用することによっても、耐湿熱性と熱寸法安定性に優れたポリエステルフィルムを得ることができる。
R(MD)=I(MD)/I(ND)
R(TD)=I(TD)/I(ND)
(ここで、I(ND)、I(MD)およびI(TD)は、それぞれ、レーザーラマン分光法において、1615cm−1のラマンバンドスペクトルの、フィルム平面方向に垂直な偏光配置での強度(I(ND))、フィルム平面の長手方向に平行な偏光配置での強度(I(MD))、およびフィルム平面の幅方向に平行な偏光配置での強度(I(TD))を表す)
面配向係数が5.0未満であると、フィルム中の配向結晶部が少ないため、非晶部分の緊張がなく運動性が高いため湿熱雰囲気下で結晶の肥大化が進行しやすく、フィルムの脆化が起こりやすいため好ましくない。また、面配向係数Rが10.0より大きい場合、配向結晶部の割合が多く、非晶部が湿熱雰囲気下で結晶化した場合に非晶部の量が極めて少なくなり、フィルムの脆化が起こりやすいため好ましくない。熱収縮率が0.8%を超えたり、線膨張係数が23ppm/℃を超えると、フィルムの熱寸法安定性が悪くなり、加工性が悪化するため好ましくない。
POxHyMz ・・・(I)
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはアルカリ金属である。)
リン酸アルカリ金属塩の具体例としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸などの化合物とのアルカリ金属塩を挙げることができる。アルカリ金属元素としては、カリウム、ナトリウムであることが触媒残渣による析出物を生成しにくい点から好ましく、具体的には、フタル酸水素カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸水素二ナトリウム、クエン酸二水素カリウム、クエン酸水素二カリウム、炭酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどを挙げることができる。
本発明において、P層形成層には、該構成成分の含有量が、P層形成層中の全構成成分に対して0.005モル%以上1.5モル%以下である。より好ましくは0.020以上1以下、更好ましくは0.025以上1.0以下、更に好ましくは0.035以上0.5以下である。P層形成層の、該構成成分の含有量が、P層形成層中の全構成成分に対して0.005モル%以下であると本発明の製造方法により得られるポリエステルフィルムにおけるP層の耐湿熱性の向上効果が不十分となる場合があり、また1.5モル%を越えると、樹脂がゲル化して溶融押出が困難となる場合があり、かかる場合にはゲルが異物として存在し、フィルムにした場合の二軸延伸性が低下したり、延伸して得たフィルムが異物欠点を多数有する場合がある。本発明のポリエステルフィルムにおいて、P層形成層中の該構成成分の含有量が、P層中の全構成成分に対して0.005モル%以上1.5モル%とすることで、溶融押出性を維持しながら、耐湿熱性を高めることが可能となり、また、二軸延伸時の延伸性や、得られたフィルムの品質を維持することができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、温度125℃、湿度100%Rhの条件下72時間放置後の伸度保持率が40%以上であることが好ましい。ここでいう伸度保持率とは、ASTM−D882(1999)に基づいて測定されたものであって、処理前のフィルムの破断伸度E0,温度125℃、湿度100%Rhの条件下72時間放置後の破断伸度をE1としたときに、下記式(f)により得られた値である。
なお、E1は試料を測定片の形状に切り出した後、温度125℃、湿度100%Rhの条件下72時間処理を施したものを用いて測定した値である。より好ましくは、上述の方法にて求められた伸度保持率が40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上、最も好ましくは70%以上である。本発明のポリエステルフィルムにおいて、伸度保持率が40%に満たないと、例えば太陽電池バックシート用として用いた場合に、そのフィルムを含むバックシートの耐湿熱性が不十分となり、バックシートを搭載した太陽電池を長期間使用した際に劣化が進行し、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、落石などが太陽電池に当たった場合など)に、バックシートが破断することがあるため好ましくない。本発明のポリエステルフィルムにおいて、伸度保持率を40%以上とすることによって、例えば太陽電池バックシート用として用いる場合に、長期使用時のバックシートの耐久性を高めることができる。
なお、E1’は試料を測定片の形状に切り出した後、温度125℃、湿度100%Rhの条件下72時間処理を施したものを用いて測定した値である。より好ましくは、上述の方法にて求められた伸度保持率が40%以上、更に好ましくは65%以上である。本発明のポリエステルフィルムを用いた太陽電池バックシートにおいて、伸度保持率が15%に満たないと、例えばバックシートを搭載した太陽電池を長期間使用した際に劣化が進行し、外部から何らかの衝撃が太陽電池に加わったとき(例えば、落石などが太陽電池に当たった場合など)に、バックシートが破断することがあるため好ましくない。本発明の太陽電池バックシートにおいて、伸度保持率を15%以上とすることによって、長期使用時の太陽電池の耐久性を高めることができる。
以下に特性の評価方法についてしめす。特に規定していないものは、n数1で評価を行った。
P層をアルカリにより加水分解し、各成分をガスクロマトグラフィーあるいは高速液体クロマトグラフィーにより分析し、各成分のピーク面積より組成比を求めた。以下に一例を示す。
ジカルボン酸構成成分や、カルボン酸基を有する構成成分は高速液体クロマトグラフィーにて測定を行った。測定条件は既知の方法で分析することができ、以下に測定条件の一例を示す。
カラム:YMC−Pack ODS−A 150×4.6mm S−5μm
120A
カラム温度:40℃
流量:1.2ml/min
検出器:UV 240nm
ジオール構成成分や、水酸基を有する構成成分の定量はガスクロマトグラフィーを用いて既知の方法で分析することができる。以下に測定条件の一例を示す。
カラム:SUPELCOWAX−10 キャピラリーカラム30m
カラム温度:140℃〜250℃(昇温速度5℃/min)
流量 :窒素 25ml/min
検出器:FID
B.固有粘度IV
オルトクロロフェノール100mlにP層を溶解させ(溶液濃度C=1.2g/ml)、その溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計を用いて測定した。また、同様に溶媒の粘度を測定した。得られた溶液粘度、溶媒粘度を用いて、下記式(3)により、[η]を算出し、得られた値でもって固有粘度(IV)とした。
ηsp/C=[η]+K[η]2・C ・・・(3)
(ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)―1、Kはハギンス定数(0.343とする)である。)
C.カルボキシル基末端基数
Mauliceの方法によって測定した。(文献 M.J.Maulice,F.Huizinga.Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。
原子吸光分析法(日立製作所製:偏光ゼーマン原子吸光光度計180−80。フレーム:アセチレン−空気)にて定量を行った。
理学電機(株)製蛍光X線分析装置(型番:3270)を用いて測定した。
堀場製作所Jovin Yvon製T64000を用い、レーザー光源をArレーザー(514.5nm、レーザーパワー30mW)として、結晶性ポリエステルの層(P層)にレーザーを照射し、1615cm−1のラマンバンドスペクトルの、P層厚みの中央でのピーク強度を求めた。レーザーの偏光がフィルム平面方向に垂直な偏光配置での強度(I(ND))、フィルム平面の長手方向に平行な偏光配置での強度(I(MD))、およびフィルム平面の幅方向に平行な偏光配置での強度(I(TD))を求め、次にI(MD)、I(TD)それぞれをI(ND)で除算することでフィルムの長手方向と幅方向それぞれの配向係数R(MD)、R(TD)を求めた。さらにR(MD)、R(TD)の平均を求め、フィルム面方向の配向係数Rとした。
フィルムを長手方向(MD)および幅方向(TD)に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化からフィルム長手方向と幅方向それぞれの熱収縮率を算出した。測定は各フィルムとも長手方向および幅方向に5サンプル実施して平均値で評価を行い、長手方向と幅方向の平均値を熱収縮率とした。
熱機械測定装置TMA/SS6100(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、試料幅4mm、試料長さ(チャック間距離)20mmのサンプルに対し、荷重3gを負荷した。室温から170℃まで昇温速度10℃/分で昇温させ、10分間保持した。その後、20℃まで10℃/分で降温させた。そのとき降温部分の150℃から50℃までの寸法変化量から、下記式により熱膨張係数を求めた。なお、熱膨張係数は、フィルム長手方向および幅方向の平均値とし、n数は3で評価を行った。
L0:23℃におけるフィルムの長さ(mm)
L150:降温時150℃におけるフィルムの長さ(mm)
L50:降温時50℃におけるフィルムの長さ(mm)
ΔT:温度変化量(150−50=100)
I.ガラス転移温度(Tg)
ポリエステル樹脂サンプルを、JIS K7122(1987)に準じて、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施した。
ポリエステル樹脂サンプルを、JIS K−7121(1999)に基づいた方法により、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量測定装置“ロボットDSC−RDC220”を、データ解析にはディスクセッション“SSC/5200”を用いて、下記の要領にて、測定を実施した。
サンプルパンにサンプルを5mgずつ秤量し、樹脂を25℃から300℃まで20℃/分の昇温速度で加熱(1stRUN)、その状態で5分間保持し、次いで25℃以下となるよう急冷し、再度室温から20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温を行って得られた2ndRunの結晶融解ピークにおけるピークトップの温度を求めた。
ポリエステルフィルムの破断伸度はASTM−D882(1999)に基づいて、サンプルを1cm×20cmの大きさに切り出し、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。なお、測定は5サンプルについて測定を実施しその平均値でもって破断伸度E0とした。また、伸度保持率は、試料を測定片の形状(1cm×20cm)に切り出した後、タバイエスペック(株)製プレッシャークッカーにて、125℃、湿度100%Rhの条件下72時間処理を行った後、処理後のサンプルの破断伸度をASTM−D882(1999)に基づいて、チャック間5cm、引っ張り速度300mm/minにて引っ張ったときの破断伸度を測定した。なお、測定は5サンプルについて測定を実施しその平均値を破断伸度E1とした。得られた破断伸度E0,E1を用いて、下記式(2)により伸度保持率を算出した。
なお、測定はフィルムのP層のMDとTDについてそれぞれ実施し、MDとTDの平均値をもって伸度保持率とした。
なお、測定はバックシートを構成するP層のMDとTDそれぞれ実施し、MDとTDの平均値をもって伸度保持率とした。
得られた伸度保持率について、以下のように判定した。
伸度保持率が65%以上の場合:S
伸度保持率が40%以上65%未満の場合:A
伸度保持率が15%以上40%未満の場合:B
伸度保持率が15%未満の場合:C
S〜Bが良好であり、その中でもSが最も優れている。
第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール57.5質量部、酢酸マグネシウム0.06質量部、三酸化アンチモン0.03質量部を150℃、窒素雰囲気下で溶融後、攪拌しながら230℃まで3時間かけて昇温し、メタノールを留出させ、エステル交換反応を終了した。
工程(1)から(3)の製膜条件を表1−1の通りとなるように製膜した以外は実施例1と同様にして厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表1−1に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性に優れることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを160℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに5%、TDに8%となるように連続的に熱処理した以外は、実施例1と同様にして、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、実施例1で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も実施例1で得られたものと同等であることが分かった。
工程(3)(第2の熱処理工程)として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを160℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに3%となるように連続的に熱処理した以外は、実施例5と同様の方法で厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、実施例5で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例5と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も実施例5で得られたものと同等であることが分かった。
工程(2)および(3)に代えて工程(5)の統合熱処理工程として、テンター内の熱処理ゾーンで170℃に熱処理しながらフィルムをMDに3%、TDに8%収縮させた以外は、実施例1と同様にして、均一に徐冷後、巻き取って厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表1−2に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表1−2に示す。耐湿熱性に優れることが分かった。
工程(4)の二軸延伸工程および工程(5)の統合熱処理工程を表1−2の通りとした以外は、実施例11と同様の方法で厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表1−2に示す。耐湿熱性に優れることが分かった。
重合の第二工程として、エステル交換反応終了後、リン酸0.015質量部(1.4モル/t相当)とリン酸二水素ナトリウム2水和物0.031質量部(1.7モル/t相当)をエチレングリコール0.5質量部に溶解したエチレングリコール溶液(PH5.0)を添加した以外は、実施例4と同様にしてポリエステルを得た。得られたポリエステルの特性を評価した結果を表2に示す。得られたポリエステルを用いて実施例4と同様にして厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れ、かつ熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
表2の組成となるようにポリエステルを重合した以外は、実施例19と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れ、かつ熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを170℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに4%となるように連続的に熱処理した以外は、実施例19と同様の方法で、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、実施例19で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も実施例19で得られたものと同等であることが分かった。
表2の組成となるようにポリエステルを重合した以外は、実施例12と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れ、かつ熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
重合の第一工程として、テレフタル酸ジメチル100質量部、トリメリット酸トリメチル(テレフタル酸ジメチル/トリメリット酸トリメチル=99.9/0.1のモル比となるように添加)、エチレングリコール57.5質量部、酢酸マグネシウム0.06質量部、三酸化アンチモン0.03質量部をエステル交換反応させた以外は、実施例4と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性により優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
表2の組成となるようにポリエステルを重合した以外は、実施例24と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性により優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを170℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに4%となるように連続的に熱処理した以外は、実施例24と同様の方法で、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、実施例24で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も実施例24で得られたものと同等であることが分かった。
表2の組成となるように耐加水分解剤を添加した以外は実施例4と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れ、かつ熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表2に示す。耐湿熱性により優れることが分かった。
表3の組成となるようにポリエステルを重合した以外は、実施例4と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表3に示す。耐湿熱性非常に優れ、かつ熱寸法安定性により優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表3に示す。耐湿熱性に非常に優れることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを170℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに4%となるように連続的に熱処理した以外は、実施例30と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、実施例30で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も実施例30で得られたものと同等であることが分かった。
表3の組成となるようにポリエステルを重合した以外は、実施例12と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表3に示す。耐湿熱性に非常に優れ、かつ熱寸法安定性に優れることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表に示す。耐湿熱性に非常に優れることが分かった。
表4の製膜条件となるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性、熱寸法安定表性に劣ることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表に示す。耐湿熱性に劣ることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを170℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに4%となるように連続的に熱処理した以外は、比較例2と同様の方法で、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、比較例2で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も比較例2で得られたものと同等であることが分かった。
表4の製膜工程条件となるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表4に示す。熱寸法安定性に優れるものの、耐湿熱性に劣ることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性に劣ることが分かった。
表4の製膜工程条件となるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性に優れるものの、熱収縮率に劣ることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシート作製したが、熱収縮率が大きいため、張り合わせがうまくいかず評価できなかった。
表4の製膜工程条件となるようにした以外は実施例1と同様にして、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表4に示す。熱寸法安定性に優れるものの、耐湿熱性に劣ることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性に劣ることが分かった。
工程(3)の第2の熱処理工程として、工程(1)および(2)を経て得られたフィルムロールから巻出したフィルムを170℃に熱した入り口と出口のあるオーブンを用い、フィルムにかかる張力が50N/mとなるようにオーブン出口で巻き取りながら、フィルムの収縮量がMDに3%、TDに4%となるように連続的に熱処理した以外は、比較例6と同様の方法で、厚さ50μmのポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性は、比較例6で得られたフィルムと同等であること分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性も比較例6で得られたものと同等であることが分かった。
表4の製膜工程条件となるようにした以外は、実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性、熱寸法安定性に劣ることが分かった。また、実施例1と同様の方法で太陽電池バックシートを得た。得られたバックシートの特性を評価した結果を表4に示す。耐湿熱性に劣ることが分かった。
2:発電素子を封止するための樹脂
3:発電素子
4:透明基板
Claims (9)
- 主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステルの層(P層形成層)を含み、該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであるシートを下記工程(1)から(3)をこの順で含む方法で製膜することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
(1)下記式(a)を満たす温度T1nで、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率13.5倍以上に二軸延伸する二軸延伸工程
Tg≦T1n≦Tg+40℃ (a)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
(2)フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルムの幅方向の両端を把持し、下記式(b)を満たす熱処理温度Th1で熱処理を実施する第1の熱処理工程
Tm−90℃≦Th1≦Tm−45℃ (b)
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃)
(3)下記式(c)を満たす熱処理温度Th2の条件下、次の(3−1)または(3−2)の処理方法により、MD、TDともに1%から10%収縮させる、第2の熱処理工程
150℃≦Th2≦Th1 (c)
(3−1)フィルムを枚葉に切り出し、矩形の金枠にMD、TDともに弛ませた状態で貼り付けバッチ処理
(3−2)巻だしロールと巻き取りロールとの間に設置されたフィルムの入り口と出口を有するオーブンを用いて、巻だしと巻き取りのロールの速度差によりフィルムのMDの収縮の寸法変化による張力を緩和した状態で連続処理 - 主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステルの層(P層形成層)を含み、該ポリエステルがポリエチレンテレフタレートであるシートを下記工程(4)および工程(5)をこの順で含む方法で製膜することを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法。
(4)下記式(d)を満たす温度T1nで、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)に面積倍率13.5倍以上に二軸延伸する二軸延伸工程
Tg≦T1n≦Tg+40℃ (d)
Tg:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルのガラス転移温度(℃)
(5)フィルムの幅方向の両端部を結ぶ直線に対して、フィルム中央部の重力方向へのずれが1mm以上50mm以下となる状態にフィルム幅方向の両端を把持し、下記式(e)を満たす熱処理温度Th3で、MD、TDそれぞれの方向に1.0%から10%収縮させる統合熱処理工程。
Tm−90℃≦Th3≦Tm−45℃ (e)
Tm:示差走査熱量測定により得られる前記結晶性ポリエステルの融点(℃) - 前記P層形成層の結晶性ポリエステルがリン酸とリン酸アルカリ金属塩を含有し、リン酸アルカリ金属塩の含有量が0.5モル/t以上、リン酸の含有量がリン酸アルカリ金属塩に対して0.25倍以上1.5倍以下のモル比である請求項1または2に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記P層形成層の結晶性ポリエステルが共重合成分としてカルボン酸基と水酸基を合計で3つ以上有する構成成分を全構成成分に対して0.005モル%以上1.5モル%以下含有する請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルムの製造方法。
- 前記P層形成層の結晶性ポリエステルが耐加水分解剤を含有し、該耐加水分解剤の含有量がP層形成層に対して0.01質量%以上である請求項1〜4の何れかに記載のポリエステルフィルムの製造方法。
- 下記式で求められるラマンバンドスペクトル法における面配向係数Rが5.0以上10.0以下であり、フィルムの長手方向(MD)とフィルムの幅方向(TD)の150℃30分間の熱処理後の熱収縮率の平均が0.8%以下であり、かつ50℃から150℃までのMDの線膨張係数α(MD)とTDの線膨張係数α(TD)の平均線膨張係数αが22ppm/℃以下である主たる構成成分がジカルボン酸構成成分とジオール構成成分である結晶性ポリエステル層(P層)を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法で製造されるポリエステルフィルム。
R=(R(MD)+R(TD))/2
R(MD)=I(MD)/I(ND)
R(TD)=I(TD)/I(ND)
(ここで、I(ND)、I(MD)およびI(TD)は、それぞれ、レーザーラマン分光法において、1615cm−1のラマンバンドスペクトルの、フィルム平面方向に垂直な偏光配置での強度(I(ND))、フィルム平面の長手方向に平行な偏光配置での強度(I(MD))、およびフィルム平面の幅方向に平行な偏光配置での強度(I(TD))を表す) - 請求項6に記載のポリエステルフィルムを用いた太陽電池用バックシート。
- 請求項7に記載の太陽電池用バックシートを用いた太陽電池。
- 請求項6に記載のポリエステルフィルムを用いたフレキシブル基板。
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