JP5209339B2 - ブラケット付きエンジンマウント - Google Patents

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本発明は、自動車のパワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめる防振装置本体を備えた自動車用エンジンマウントに係り、特に、防振装置本体に対してパワーユニット側および車両ボデー側への取付用ブラケットが組み付けられたブラケット付きエンジンマウントに関するものである。
従来から、自動車の内燃機関や変速機構等を含んで構成されるパワーユニットと車両ボデーの間に介装されてパワーユニットを車両ボデーに対して防振支持せしめる防振装置の一種として、自動車用エンジンマウントが知られている。この自動車用エンジンマウントは、互いに離隔配置された第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で相互に連結した構造の防振装置本体を備えており、第一の取付部材がパワーユニットと車両ボデーの一方に取り付けられる一方、第二の取付部材がパワーユニットと車両ボデーの他方に取り付けられるようになっている。特に、かかる防振装置本体に対して、パワーユニット側と車両ボデー側との各一方に固定するための第一のブラケットと第二のブラケットを第一の取付部材と第二の取付部材に対してそれぞれ装着せしめてなるブラケット付きエンジンマウントも、多く採用されている。例えば特許文献1(特開2007−224958号公報)に記載のものが、それである。このような第一及び第二のブラケットを予め防振装置本体に装着しておくことによって、車両への取り付け作業を容易に実施することが可能となる。
ところで、かくの如きブラケット付きエンジンマウントにおいては、ブラケットを利用して、過大な外力の入力時における本体ゴム弾性体の変形量を制限するストッパ機能も併せ備えるようにされている。
すなわち、かかるブラケット付きエンジンマウントにおいては、第二のブラケットに嵌着筒部が設けられており、この嵌着筒部に対して第二の取付部材が圧入固定される。また、第二のブラケットには、嵌着筒部における一方の開口部を跨ぐようにして門形のリバウンドストッパ部が設けられ、このリバウンドストッパ部の内側に第一の取付部材が位置せしめられる。更に、門形のリバウンドストッパ部に対して側方から第一のブラケットが差し入れられて、第一の取付部材に固定される。そして、第一のブラケットに対して緩衝ゴムを備えたストッパ部材が組み付けられており、このストッパ部材が第二のブラケットの門形のリバウンドストッパ部や嵌着筒部等に当接することにより、各種方向のストッパ機能が得られるようになっている。
ところが、このようなストッパ機能を備えた従来構造のブラケット付きエンジンマウントにおいては、部品点数が多くて構造が複雑であるという問題と、防振装置本体に対するブラケットの取り付け作業が困難で面倒であるという問題とを、内在していたのである。
特開2007−224958号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、部品点数の削減化や構造の簡単化が図られ得ると共に、ブラケットの防振装置本体に対する取り付け作業が容易とされ得ることで、低コスト化が効果的に達成され得る、新規な構造のブラケット付きエンジンマウントを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材が第二の取付部材に設けられた筒状部の軸方向一方の開口部側に離隔配置されて、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されることにより防振装置本体が構成されていると共に、防振装置本体の第一の取付部材に対して第一のブラケットが固定されて、第一のブラケットを介して第一の取付部材が自動車のパワーユニットと車両ボデーの一方に取り付けられるようになっている一方、防振装置本体の第二の取付部材の筒状部に対して第二のブラケットが外嵌固定されて、第二のブラケットを介して第二の取付部材がパワーユニットと車両ボデーの他方に取り付けられるようになっており、且つ第二のブラケットには第二の取付部材の筒状部に対して外嵌固定される嵌着筒部における一方の開口部を跨ぐ門形のリバウンドストッパ部が設けられていると共に、門形のリバウンドストッパ部内に第一の取付部材が位置せしめられており、門形のリバウンドストッパ部に対して側方から第一のブラケットが差し入れられて第一の取付部材に固定されているブラケット付きエンジンマウントにおいて、防振装置本体の第一の取付部材には、第二のブラケットのリバウンドストッパ部内への第一のブラケットの差し入れ方向に開口する圧入孔を有する筒状固定部が設けられており、筒状固定部の圧入孔に対して第一のブラケットが圧入固定されていると共に、それら第一の取付部材および第一のブラケットが第二のブラケットに対して自動車の上下両方向と前後両方向で対向位置せしめられており、且つ第一の取付部材および第一のブラケットにおける第二のブラケットに対する対向面上にはそれぞれ本体ゴム弾性体と一体形成された緩衝ゴムが設けられていることによって自動車の上下両方向と前後両方向におけるストッパ機構がそれぞれ構成されており、更に、筒状固定部の外方壁と第二のブラケットにおける門形のリバウンドストッパ部の天壁部との対向部分によってリバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、筒状固定部の両側方壁と門形のリバウンドストッパ部の両脚壁部との対向部分によって車両前後方向のストッパ機構が構成されている一方、第二のブラケットには第一のブラケットよりも防振装置本体側で第一のブラケットに対して対向位置するバウンド当接部が設けられてバウンド方向のストッパ機構が構成されており、且つ、バウンド方向のストッパ機構において第一のブラケットとバウンド当接部の間に配される緩衝ゴムが、第一の取付部材における筒状固定部から第一のブラケットの差し入れ側に向かって延び出して形成されているブラケット付きエンジンマウントにある。
このような本発明に従う構造とされたブラケット付きエンジンマウントにおいては、第一のブラケットが第一の取付部材の筒状固定部の圧入孔に圧入固定されるようになっており、特に、この圧入孔が第二のブラケットのリバウンドストッパ部内への第一のブラケットの差し入れ方向に開口している。従って、第一のブラケットと防振装置本体の第一の取付部材の取り付け作業において、嵌着筒部とリバウンドストッパ部を備えた第二のブラケットが構成される前に、第一のブラケットが第一の取付部材に圧入固定可能であることは勿論のこと、嵌着筒部とリバウンドストッパ部が一体的に設けられて第二のブラケットが構成された後においても、第一のブラケットがリバウンドストッパ部内における嵌着筒部とリバウンドストッパ部の対向面間に差し入れられて第一の取付部材に圧入固定され得る。それによって、例えば、第一のブラケットと第一の取付部材の固定位置を位置合わせした状態を保持しつつ、固定ボルトや溶接等で固定するといった従来構造の防振装置本体におけるブラケットの取り付け作業に際しての手間が省かれ得る。また、リバウンドストッパ部の内側に位置せしめられた第一のブラケットおよび第一の取付部材に対してリバウンドストッパ部の外方から固定ボルトの捻じ込み作業や溶接作業等を行う目的で、特別に孔や隙間等の空所をリバウンドストッパ部に設ける必要がないことから、リバウンドストッパ部を備えた第二のブラケットの構造簡単化やコンパクト化が図られ得る。
また、車両上下方向や車両前後方向のストッパ機構において、その一部を構成する緩衝ゴムが本体ゴム弾性体と一体形成されていることにより、別途緩衝ゴム部材を用意して第一の取付部材および第一のブラケットと第二のブラケットの対向面間に組み付けたり、本体ゴム弾性体と別体形成された緩衝ゴムを第一のブラケットや第二のブラケットに固着したりする必要がないことから、部品点数の増加が抑えられることに加え、ブラケットの防振装置本体への組み付け構造やブラケット構造の簡単化が図られ得る。
それ故、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントによれば、部品点数の削減化や構造簡単化、ブラケットの防振装置本体に対する取り付け作業の容易化に基づいて、製造コストが効果的に低減され得るのである。
また、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントでは、筒状固定部の外方壁と第二のブラケットにおける門形のリバウンドストッパ部の天壁部との対向部分によってリバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、筒状固定部の両側方壁と門形のリバウンドストッパ部の両脚壁部との対向部分によって車両前後方向のストッパ機構が構成されている一方、第二のブラケットには第一のブラケットよりも防振装置本体側で第一のブラケットに対して対向位置するバウンド当接部が設けられてバウンド方向のストッパ機構が構成されている構造が、採用されている。このような構造によれば、リバウンド方向のストッパ機構の一部を構成する筒状固定部やリバウンドストッパ部が、車両前後方向のストッパ機構の一部も構成することとなって、リバウンド方向および車両前後方向の二つのストッパ機構の構成部材が共用せしめられることから、ストッパ機構が一層簡単に且つコンパクトに実現され得る。また、それら二つのストッパ機構のコンパクト化に基づき、バウンド方向のストッパ機構の設計自由度が大きく確保され得ることから、特に、自動車への装着状態下、初期荷重と振動荷重によって大荷重を受け易いバウンド方向の耐荷重性能が効果的に発揮され得る。
また、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントでは、バウンド方向のストッパ機構において第一のブラケットとバウンド当接部の間に配される緩衝ゴムが、第一の取付部材における筒状固定部から第一のブラケットの差し入れ側に向かって延び出して形成されている構造が、採用されている。このような構造によれば、第一のブラケットの筒状固定部への差し入れ方向で、緩衝ゴムの配設スペースが大きく確保され得て、バウンド方向のストッパ性能の更なる向上が図られ得る。また、かかる緩衝ゴムを、第一のブラケットが筒状固定部に差し入れられる際のガイド部材として利用することも可能であり、それによって、別途ガイド部材を設けることに起因する部品点数の増加を抑えつつ、第一のブラケットの防振装置本体への取付け作業が一層容易になる。
また、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントでは、第一の取付部材には、圧入孔を有する筒状固定部に対して外周面上に突出する固着突部が一体形成されており、この固着突部が本体ゴム弾性体の一方の端部に対して埋入されて加硫接着されている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、第一の取付部材と本体ゴム弾性体の接着面積が増大されることによって、第一の取付部材の本体ゴム弾性体に対する固定状態がより安定し、延いては第一の取付部材の筒状固定部に圧入固定される第一のブラケットの取り付け作業も一層安定する。しかも、固着突部が筒状固定部の外周面上に突出されていることで、第一のブラケットの圧入に際して筒状固定部との重ね合わせ面積が小さくされることから、第一のブラケットの筒状固定部への圧入に要する荷重が低減されることに基づき、第一のブラケットの取付け作業が一層容易になる。
また、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントでは、本体ゴム弾性体が筒状固定部の外周面を覆うようにして固着形成されていることによって緩衝ゴムが形成されている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、第一の取付部材と第二のブラケットの対向面上に配される緩衝ゴムの配設スペースが、筒状固定部の外周面を利用して好適に確保され得ることに加え、筒状固定部が緩衝ゴムを介して第二のブラケットのリバウンドストッパ部と当接されることで、ストッパ機構の一部を構成するストッパ部としても機能することから、第一の取付部材に別途ストッパ部を設ける必要がなくなる。それ故、要求されるストッパ性能が確保されつつ、コンパクト化と構造の更なる簡単化が図られ得る。
また、本発明に係るブラケット付きエンジンマウントでは、第二のブラケットにおいて、嵌着筒部に対してリバウンドストッパ部が直接に固着されている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、マウント本体の筒状部が嵌着筒部に圧入固定されることによって、リバウンドストッパ部もマウント本体に固定されることから、リバウンドストッパ部と嵌着筒部をマウント本体に各別に取り付ける必要がなくなり、その結果、第二のブラケットの防振装置本体への取付け作業が一層容易となる。また、自動車への装着に際して、嵌着筒部とリバウンドストッパ部を相互に組み付ける手間が省略され得ることから、かかる装着作業も一層容易となる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜4には、本発明のブラケット付きエンジンマウントに係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。自動車用エンジンマウント10は、図5,6に示される如き第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が互いに所定距離を隔てて配設されて、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されてなる防振装置本体としてのマウント本体18を備えている。また、第一の取付金具12には第一のブラケット20が取り付けられていると共に、第二の取付金具14には第二のブラケット22が取り付けられており、これら第一のブラケット20と第二のブラケット22が図示しない自動車のパワーユニットと車両ボデーにそれぞれ固定されることによって、パワーユニットが自動車用エンジンマウント10を介して車両ボデーに防振支持されるようになっている。
なお、図1〜4では、自動車用エンジンマウント10の自動車への非装着状態が示されているが、自動車への装着状態においては、マウント本体18の略マウント軸方向(図1,2,4中、上下)にパワーユニットの分担支持荷重が及ぼされて本体ゴム弾性体16が弾性変形することに伴い、第一の取付金具12および第一のブラケット20が第二の取付金具14および第二のブラケット22に対して略マウント軸方向で変位せしめられる。また、防振すべき主たる振動が、略マウント軸方向に入力されるようになっている。以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向は図1,2,4,5中の上下方向をいう。
より詳細には、マウント本体18における第一の取付金具12の単品状態が図7〜9にも示されているように、第一の取付金具12は、薄板状の金属部材を用いて形成されて、筒状固定部24と固着突部26を含んで構成されている。
筒状固定部24は、図5,7中、上下方向に離隔して対向配置された外方壁としての天板部28と内方壁としての底板部30や、図6,8中、左右方向に離隔して対向配置された両側方壁としての一対の側板部32,32を備えており、天板部28や底板部30、一対の側板部32,32がそれぞれ略一定の断面形状でそれら上下方向および左右方向に直交する筒状固定部24の軸方向(図7中、紙面方向または図8中、上下方向)に延びる板状とされていることによって、全体として略矩形筒状を有している。特に本実施形態では、一対の側板部32,32の対向方向に延びる筒状固定部24の横幅寸法が、天板部28と底板部30の対向方向に延びる筒状固定部24の高さ寸法に比して大きくされており、且つ筒状固定部24の軸方向に延びる縦幅寸法に比して大きくされていることによって、筒状固定部24が短めの略矩形筒状とされている。
また、天板部28の横幅方向(図7,8中、左右)の略中央部分には、筒状固定部24の内側に突出し、且つ上方に略矩形凹状に開口する断面で筒状固定部24の軸方向に連続して延びる溝部34が形成されている。これにより、筒状固定部24の横幅方向中央の高さ寸法が、横幅方向両側の高さ寸法に比して小さくされている。
本実施形態では、第一の取付金具12における筒状固定部24の圧入孔36が、天板部28と底板部30の互いの対向面や一対の側壁部32,32の互いの対向面からなる筒状固定部24の内周面によって構成されている。
また、筒状固定部24における底板部30の略中央部分には、固着突部26が一体形成されている。固着突部26は、筒状固定部24の下方に突出する略すり鉢形状を有しており、その周壁部分が下方に向かって次第に小径化する略テーパ筒状とされていると共に、その突出先端部分が天板部28や底板部30と平行な略円板形状とされている。
なお、これら筒状固定部24や固着突部26を備えた第一の取付金具12の形成手段は、特に限定されるものでないが、本実施形態では、長手状の略矩形板状のプレス鋼板を用いて、絞り加工等によりプレス鋼板の長手方向中央部分に固着突部26を形成し、更に曲げ加工等を施してプレス鋼板の長手方向両端部分を互いに突き合うように重ね合わせて天板部28や底板部30、一対の側板部32,32、溝部34を形成すると共に、溝部34の底部の略中央に位置せしめられたプレス鋼板の重ね合わせ部分を溶接で固着せしめることによって、第一の取付金具12が形成されている。
このような構造とされた第一の取付金具12は、その筒状固定部24の軸方向となる圧入孔36の開口方向(図6,8中、上下)がマウント本体18の軸方向と直交するようにし、且つ天板部28が底板部30よりもマウント軸方向の外方に位置せしめられるようにして、マウント本体18の上側部分に設けられている。また、第一の取付金具12の下方に所定距離を隔てて第二の取付金具14が配設されている。
第二の取付金具14は、大径の略円筒形状を有しており、軸方向の略中央部分に形成された軸直角方向に円環形状に広がる円環板状部38を挟んで上方が筒状部としての大径筒部40とされていると共に、円環板状部38を挟んで下方が大径筒部40よりも小径の小径筒部42とされている。この第二の取付金具14の大径筒部40側の開口部の上方に第一の取付金具12が離隔配置されていると共に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の対向面間に本体ゴム弾性体16が配設されている。
本体ゴム弾性体16は、略裁頭円錐台形状を有しており、その大径側端部外周面に対して第二の取付金具14の軸方向上端部分から略中央部分に至る内周面、即ち大径筒部40や円環状板部38の全体および小径筒部42の上端部分の内周面が加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の小径側端面には、第一の取付金具12における筒状固定部24の底板部30が全体に亘って加硫接着されていると共に、第一の取付金具12の固着突部26が本体ゴム弾性体16の小径側端部に埋入状態で加硫接着されている。即ち、本体ゴム弾性体16が、第一及び第二の取付金具12,14を備えた一体加硫成形品として形成されており、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16を介して相互に弾性連結されている。
特に本実施形態では、筒状固定部24の圧入孔36の全体に亘って、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のゴム層44が被着形成されており、固着突部26が一体形成された底板部30においても、固着突部26が本体ゴム弾性体16に埋入されていることに基づき固着突部26の内側に本体ゴム弾性体16が充填されていると共に、かかる充填された本体ゴム弾性体16の上端面と底板部30に被着されたゴム層44の表面が面一とされていることによって、圧入孔36の下端面が略平坦形状とされている。
また、筒状固定部24における天板部28や一対の側板部32,32の外周面には、それぞれ本体ゴム弾性体16と一体形成されたリバウンド緩衝ゴム46と一対の前後緩衝ゴム48,48が被着形成されている。リバウンド緩衝ゴム46は、天板部28に対して所定の厚さ寸法で広がる略矩形ブロック状とされており、天板部28の溝部34にも充填されていて、リバウンド緩衝ゴム46の上面が全体に亘って略平坦形状とされている。また、各前後緩衝ゴム48は、側板部32に対して所定の厚さ寸法で広がるブロック状とされており、特に、前後緩衝ゴム48における側板部32の外周面から軸直角方向外方への突出寸法(軸直角方向の厚さ寸法)が、軸方向(図5中、上下)の略中央部分から両側に向かって次第に小さくされていることにより、軸直角方向外方に略三角状に突出する先細り状の断面で側板部32の縦幅方向(図6中、上下)に延びている。
さらに、筒状固定部24の圧入孔36における一方(図6中、下)の開口部分には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたバウンド緩衝ゴム50が設けられている。バウンド緩衝ゴム50は、略矩形平板形状を有しており、圧入孔36の一方の開口部側において筒状固定部24の底板部30の端縁部から開口方向の外方に向かって所定の長さで延び出している。
なお、マウント本体18おいては、例えば、第一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16を介して弾性連結されただけの防振構造とされて、本体ゴム弾性体16の減衰作用や弾性作用等に基づき防振効果を得るようにしても良いが、本実施形態では、マウント本体18の内部に非圧縮性流体が封入された流体封入式防振構造を呈しており、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果が得られるようになっている。
すなわち、本体ゴム弾性体16の大径側端面には、第二の取付金具14の内側に開口する略逆すり鉢形状の大径凹所52が形成されていると共に、略円形ブロック形状の仕切部材54と可撓性膜としての薄肉の略円板形状のゴム膜からなるダイヤフラム56が、第二の取付金具14の小径筒部42の開口部から軸方向に順次内挿されて、第二の取付金具14の絞り加工等により第二の取付金具14に嵌着固定されている。この仕切部材54を挟んだ一方(図5中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16の大径凹所52で構成されて本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき圧力変動が生ぜしめられる受圧室58が形成されていると共に、仕切部材54を挟んだ他方(図5中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム56で構成されてダイヤフラム56の弾性変形に基づき容積変化が容易に許容される平衡室60が形成されている。これら受圧室58や平衡室60には、水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等の非圧縮性流体が封入されている。受圧室58や平衡室60への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材54やダイヤフラム56の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって、好適に実現される。
また、仕切部材54の外周部分には、周方向に所定の長さで延びるオリフィス通路62が形成されていて、オリフィス通路62の一方の端部が受圧室58に接続されていると共に、オリフィス通路62の他方の端部が平衡室60に接続されている。これにより、受圧室58と平衡室60がオリフィス通路62を通じて相互に連通せしめられて、それら両室58,60間でオリフィス通路62を通じての流体流動が許容されるようになっている。即ち、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に振動が入力されて本体ゴム弾性体16が弾性変形せしめられることにより、受圧室58と平衡室60の間に圧力差が生ぜしめられて、オリフィス通路62を通じて流動せしめられる流体の流動量が確保される。その結果、かかる流体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果が発揮され得るのである。なお、本実施形態では、仕切部材54の中央部分に弾性ゴム膜64が設けられて、弾性ゴム膜64の一方の面に受圧室58の圧力が及ぼされると共に、弾性ゴム膜64の他方の面に平衡室60の圧力が及ぼされるようになっており、オリフィス通路62を通じて流動せしめられる流体の共振周波数よりも高周波数域の振動が入力された際に、弾性ゴム膜64の変形に伴う変位に基づいて、受圧室58の圧力が吸収されることとなる。それによって、オリフィス通路62のチューニング周波数よりも高周波数域の振動が入力されてオリフィス通路62が実質的に目詰まり状態となった場合に、かかる目詰まり状態に起因する高動ばね化が回避される。
第一のブラケット20は、図10にも示されているように、長手状に延びる厚肉の略平板形状を有していると共に、鉄や鋼、アルミ合金等の剛性部材を用いて形成されている。第一のブラケット20の長手方向一方の端縁部から略中央部分にかけての部位が、かかる中央に向かって幅寸法が小さくなる略台形板状の取付部66とされており、かかる取付部66には、複数の挿通孔68が所定の間隔で厚さ方向に貫設されている。また、第一のブラケット20の長手方向他方の端縁部から略中央部分にかけての部位が、第一の取付金具12の圧入孔36の開口方向に直交する縦断面よりも僅かに小さな縦断面で連続して延びる圧入固定部70とされている。即ち、圧入固定部70は、圧入孔36に対応した縦断面で第一のブラケット20の長手方向に延びており、圧入固定部70の上端面には、圧入孔36の溝部34が形成された部分よりも一回り大きな幅寸法で長手方向に延びる溝部72が形成されている。
第二のブラケット22は、鉄や鋼、アルミ合金等の剛性部材を用いて形成されていると共に、嵌着筒部としての嵌着筒金具74とリバウンドストッパ部としてのストッパ金具76を含んで構成されている(図11参照。)。
嵌着筒金具74は、マウント本体18における第二の取付金具14の大径筒部40よりも大径の略円筒形状を有していると共に、その軸方向寸法が大径筒部40の軸方向寸法と略同じか、それよりも所定の長さだけ大きくされている。また、嵌着筒金具74の上端部には、内フランジ状部78が一体形成されている。
ストッパ金具76は、全体として門形状を有しており、上方で一軸直角方向に長手状に延びる略矩形平板形状の天壁部80と、天壁部80の各長手方向端縁部から下方に向かって長手板状に延びる脚壁部82の一対とを含んで構成されている。各脚壁部82の長手寸法は、マウント本体18の軸方向寸法と略同じかそれよりも大きくされていると共に、脚壁部82の長手方向端部が、軸直角方向外方に広がる板状とされて、そこに適当な大きさの挿通孔84が貫設されている。これら両脚壁部82,82の形状や大きさ、構造等の形態は、要求される車両への装着状態等に応じて適宜に設計変更されるものであって、特に限定されるものでなく、本実施形態では、一方(図2中、右)の脚壁部82の長手寸法が、他方(図2中、左)の脚壁部82の長手寸法に比して小さくされている。また、一方(図3中、右)の脚壁部82の長手方向端部が、横幅方向一方の側(図3中、下)に延びていることによって平面視で天壁部80の長手方向に傾斜して延びていると共に、他方(図3中、左)の脚壁部82の長手方向端部が、平面視で天壁部80の長手方向と平行に延びている。
また、これら天壁部80や両脚壁部82,82における各横幅方向(図3中、上下または図4中、左右)の端縁部には、それぞれ各壁部80,82の外側に立ち上がるようにして板状の補強リブ86が一体形成されており、天壁部80と脚壁部82の接する部分においても連続して延びている。即ち、一対の補強リブ86,86が、ストッパ金具76の横幅方向で離隔して対向位置せしめられて、各壁部80,82の外側に向かって突設されている。特に、一方(図3中、上または図4中、右)の補強リブ86において天壁部80に突設された部分の先端縁部には、板状の取付部88が一体形成されていると共に、取付部88には、挿通孔90が貫設されている。
このストッパ金具76の一対の脚壁部82,82の対向面間に嵌着筒金具74が差し込まれて、かかる対向面間の軸方向略中央部分において嵌着筒金具74が各脚壁部82に溶接等で固定されている。これにより、ストッパ金具76の天壁部80と嵌着筒金具74の内フランジ状部78側の開口部が軸方向に所定距離を隔てて配置されて、ストッパ金具76が嵌着筒金具74の内フランジ状部78側の開口部を跨ぐようにして設けられることで、第二のブラケット22が構成されている。mこのことからも明らかなように、本実施形態では、第二のブラケット22において、ストッパ金具76が、マウント本体18を介さずに嵌着筒金具74に対して直接に固着されている。
さらに、ストッパ金具76の他方の補強リブ86の横幅方向外側(図3中、下または図4中、左)において、嵌着筒金具74の内フランジ状部78側の開口部よりも上方にあり、且つストッパ金具76の天壁部80よりも下方には、バウンド当接部としてのバウンド当接金具92が設けられている。バウンド当接金具92は、ストッパ金具76の両脚壁部82,82の対向方向に沿って長手状に延びる略平板形状を有しており、その長手方向中間部分や両端部分に一体形成された各脚部が嵌着筒金具74や補強リブ86に溶接等で固定されていることによって、第二のブラケット22に固定されている。特に、バウンド当接金具92は、ストッパ金具76の天壁部80側に比して嵌着筒金具74の側に十分に接近して設けられており、それによって、ストッパ金具76の天壁部80と嵌着筒金具74の軸方向対向面間における一対の脚壁部82,82の対向面間においてストッパ金具76の横幅方向両側に開口する隙間94の大きさが十分に確保されている。また、バウンド当接金具92の長手方向中間部分が、嵌着筒金具74よりも軸直角方向内方に位置せしめられている。
これら嵌着筒金具74やストッパ金具76、バウンド当接金具92は、自動車への装着に際して、嵌着筒金具74にマウント本体18の第二の取付金具14が圧入固定されると共に、嵌着筒金具74やストッパ金具76、バウンド当接金具92が上述の如く相互に固定されてマウント本体18が固定された第二のブラケット22が構成されるようにしても良い。ここで、本実施形態では、マウント本体18の第二の取付金具14が嵌着筒金具74に圧入固定される前における第二のブラケット22の単品状態において、嵌着筒金具74やストッパ金具76、バウンド当接金具92が上述の如く相互に固定されて一体的に設けられていることにより、第二のブラケット22が予め構成されている。
このような構造とされた第一のブラケット20や第二のブラケット22がマウント本体18に取り付けられるに際しては、図11にも示されているように、先ず、マウント本体18のバウンド緩衝ゴム50と第二のブラケット22のバウンド当接金具92の長手方向中間部分が軸方向で互いに投影するように位置合わせされて、且つマウント本体18の中心軸と嵌着筒金具74の中心軸が略同一線上に位置せしめられた状態下、嵌着筒金具74の下側開口部から第二の取付金具14の大径筒部40が圧入される。特に本実施形態では、バウンド緩衝ゴム50の突出先端部が嵌着筒金具74の内フランジ状部78の内周縁部やバウンド当接金具92の内周縁部よりも軸直角方向外方に位置せしめられているため、大径筒部40の嵌着筒金具74への圧入に際して、バウンド緩衝ゴム50の突出先端部が内フランジ状部78やバウンド当接金具92の各内周縁部よりも軸直角方向内方に位置せしめられるようにバウンド緩衝ゴム50が弾性変形せしめられることによって、バウンド緩衝ゴム50と内フランジ状部78やバウンド当接金具92との当接による圧入作業への干渉が抑えられるようになっている。
そして、大径筒部40の軸方向上端部分が嵌着筒金具74の内フランジ状部78に当接されることによって、第二の取付金具14の嵌着筒金具74に対する圧入端が規定されて、第二のブラケット22がマウント本体18の第二の取付金具14に取り付けられている。
かくの如き第二のブラケット22のマウント本体18への取り付け状態下、第一の取付金具12と第一の取付金具12の筒状固定部24に被着されたリバウンド緩衝ゴム46および前後緩衝ゴム48が、ストッパ金具76の内側で天壁部80と嵌着筒金具74の軸方向対向面間における一対の脚壁部82,82の対向面間に位置せしめられている。そして、筒状固定部24の天板部28とストッパ金具76の天壁部80がリバウンド緩衝ゴム46を介して軸方向で対向位置せしめられていることによって、リバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、筒状固定部24の各側板部32とストッパ金具76の各脚壁部82が各前後緩衝ゴム48を介して軸直角方向一方向で対向位置せしめられていることにより、車両前後方向のストッパ機構が構成されている。
ここで、第一の取付金具12の筒状固定部24の内側に形成された圧入孔36が、ストッパ金具76の内側で天壁部80と嵌着筒金具74の軸方向対向面間における一対の脚壁部82,82の対向面間においてストッパ金具76の横幅方向両側に開口する隙間94と同一方向に開口している。また、マウント本体18の圧入孔36から外方に延びるバウンド緩衝ゴム50が、かかる隙間94の一方の開口部よりも外方に延び出していると共に、バウンド当接金具92と軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめられている。
また、第一のブラケット20の圧入固定部70が、第一の取付金具12の筒状固定部24においてバウンド緩衝ゴム50が突設された側の圧入孔36の開口部から圧入される。特に、筒状固定部24の天板部28に形成された溝部34が圧入孔36の内側に突出する突起となって第一のブラケット20の溝部72に嵌まり込んだ状態が保持される一方、圧入固定部70の下端面が重ね合わせられつつ、第一のブラケット20が筒状固定部24の圧入孔36に圧入される。そして、第一のブラケット20の圧入固定部70から取付部66に向かって幅寸法が大きくなる長手方向の略中央部分が、圧入孔36の開口端部に当接されることにより圧入端が規定されることとなり、第一のブラケット20がマウント本体18の第一の取付金具12に取り付けられている。
このようにストッパ金具76の内側の隙間94に第一の取付金具12が位置せしめられてマウント本体18と第二のブラケット22が相互に組み付けられてなる組み付け体に対して、第一の取付金具12の圧入孔36に第一のブラケット20の圧入固定部70が圧入固定されることによって、圧入固定部70が隙間94に差し入れられていると共に、第一のブラケット20の取付部66が、隙間94の開口方向外方に位置せしめられている。また、第一のブラケット20における圧入孔36に固定された部分から圧入孔36の外方に延び出す長手方向中間部分が、バウンド緩衝ゴム50に重ね合わせられていると共に、バウンド緩衝ゴム50を介して第二のブラケット22のバウンド当接金具92と軸方向で対向位置せしめられていることによって、バウンド方向のストッパ機構が構成されている。その結果、マウント本体18に第一及び第二のブラケット20,22が取り付けられて、バウンド方向やリバウンド方向、車両前後方向の各種ストッパ機構を備えてなる自動車用エンジンマウント10が構成されている。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、自動車への装着に際して、マウント本体18の軸方向が車両上下方向となり、且つストッパ金具76の何れか一方の脚壁部82が車両前方に位置せしめられ、且つ他方の脚壁部82が車両後方に位置せしめられる形態で自動車に配されて、第一のブラケット20の取付部66の挿通孔68に固定ボルト乃至は金属ロッド等が挿通されてパワーユニット側に固定されると共に、第二のブラケット22の脚壁部82の挿通孔84や取付部88の挿通孔90に固定ボルト乃至は金属ロッド等が挿通されて車両ボデー側に固定される。これにより、パワーユニットが自動車用エンジンマウント10のマウント本体18を介して車両ボデーに防振支持せしめられる。而して、バウンド方向やリバウンド方向、車両前後方向の少なくとも一方向に振動が入力されて、第一のブラケット20とストッパ金具76のバウンド当接金具92やストッパ金具76の天壁部80と第一の取付金具12の筒状固定部24の天板部28、ストッパ金具76の各脚壁部82と第一の取付金具12の筒状固定部24の各側板部32の少なくとも一組が、バウンド緩衝ゴム50やリバウンド緩衝ゴム46、前後緩衝ゴム48を介して打ち当たることによって、パワーユニットと車両ボデーにおけるバウンド方向やリバウンド方向、車両前後方向の少なくとも一方向の過大な変位が緩衝的に制限されるようになっている。
そこにおいて、本実施形態の自動車用エンジンマウント10では、第一のブラケット20の第一の取付金具12への固定に際して設けられた筒状固定部24の圧入孔36が、第二のブラケット22のストッパ金具76の内側の隙間94と同一方向に開口している。従って、本実施形態の構造によれば、第一のブラケット22が隙間94に差し入れられる作業と第一の取付金具12に圧入固定される作業とを同時に行うことが出来る。それによって、例えば、第一のブラケットと第一の取付金具の固定位置を位置合わせした状態を保持しつつ、固定ボルトや溶接等で固定するといった従来構造のマウント本体におけるブラケットの取り付け作業に際しての手間が省かれ得る。また、ストッパ金具の内側に位置せしめられた第一のブラケットおよび第一の取付金具に対してストッパ金具の外方から固定ボルトの捻じ込み作業や溶接作業等を行う目的で、特別に孔や隙間等の空所をストッパ金具に設けたり、自動車への装着に際してストッパ金具と嵌着筒金具を分割組付け構造としたりする必要がないことから、ストッパ金具76を備えた第二のブラケット22の構造簡単化やコンパクト化が図られ得ることに加え、自動車への装着作業の容易化が図られ得る。
特に本実施形態では、第二のブラケット22がマウント本体18の第二の取付金具14に取り付けられる前の第二のブラケット22の単品状態下、嵌着筒金具74やストッパ金具76、バウンド当接金具92が相互に組み付けられて、第二のブラケット22が構成されていることから、第二のブラケットの取り扱い性が向上され得る。また、自動車への装着に際して、嵌着筒金具やストッパ金具、バウンド当接金具を相互に組み付ける手間が省略され得ることで、自動車への装着作業効率が飛躍的に向上され得る。
また、筒状固定部24の天板部28において上方に向かって凹状に開口する溝部34が形成されていることによって、リバウンド緩衝ゴム46の筒状固定部24に対する固着スペースが増大し、リバウンド方向のストッパ機能のチューニング自由度が更に向上され得る。また、筒状固定部24や固着突部26、溝部34を備えた第一の取付金具12がプレス成形品とされていることで容易に実現され得ることに加え、溝部34のプレス成形に伴い筒状固定部24の圧入孔36の内側に第一のブラケット20の圧入方向に延びる突起が設けられることとなる。更に、第一のブラケット20の圧入固定部70においてかかる突起に対応した形状の溝部72が周状の一箇所に設けられて、突起が溝部72に嵌まり込んで圧入されるようになっていることから、第一のブラケット20の筒状固定部24に対する上下方向の組み付け間違いが防止され得ることに加えて、第一のブラケット20と筒状固定部24の圧入固定部位において互いに重ね合わされる面積が増大されることで、第一のブラケット20と第一の取付金具12の固定状態が一層安定する。
また、リバウンド方向や車両前後方向、バウンド方向のストッパ機構において、その一部を構成するリバウンド緩衝ゴム46や前後緩衝ゴム48、バウンド緩衝ゴム50が本体ゴム弾性体16と一体形成されていることにより、別途緩衝ゴム部材を用意して第一の取付金具および第一のブラケットと第二のブラケットの対向面間に組み付けたり、本体ゴム弾性体と別体形成された緩衝ゴムを第一のブラケットや第二のブラケットに固着したりする必要がないことから、部品点数の増加が抑えられることに加え、第一及び第二のブラケット20,22におけるマウント本体18への組み付け構造やブラケット20,22自体の構造の簡単化が図られ得る。
それ故、本実施形態の自動車用エンジンマウント10によれば、部品点数の削減化や構造簡単化、第一及び第二のブラケット20,22のマウント本体18に対する取り付け作業の容易化に基づいて、製造コストが効果的に低減され得るのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、バウンド方向のストッパ機構の一部を構成するバウンド当接部が、第二のブラケット22のストッパ金具76や嵌着筒金具74に固定されたバウンド当接金具92にて構成されていたが、嵌着筒金具の軸方向端部やその軸方向端部に一体形成される鍔状部等で構成されても良い。また、バウンド方向のストッパ機構においてバウンド当接部と打ち当たる部分が第一のブラケット20で構成されていたが、例えば第一の取付金具に別途設けられたストッパ部材で構成されても良い。
また、前記実施形態では、第二のブラケット22において、ストッパ金具76が嵌着筒金具74に直接に固着されていたが、例えば特開平10−78074号公報にも示されているように、ストッパ金具と嵌着筒金具が、自動車への組み付けに際して固定ボルト等で相互に固定されるようにしても良い。
その他、要求される防振性能や製作性、自動車への装着性に応じて、マウント本体が第一の取付金具と第二の取付金具が本体ゴム弾性体で連結されただけのソリッドタイプとされたり、マウント本体や第一のブラケット、第二のブラケットにおける形状や大きさ、構造、数、配置等の各種形態が適宜に設定変更されることは勿論可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの斜視図。 同自動車用エンジンマウントの正面図。 同自動車用エンジンマウントの平面図。 同自動車用エンジンマウントの右側面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成するマウント本体の縦断面図であって図6のV−V断面に相当する図。 同マウント本体の平面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一の取付金具の縦断面図であって図8のVII−VII断面に相当する図。 同第一の取付金具の平面図。 同第一の取付金具の底面図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する第一のブラケットの斜視図。 同自動車用エンジンマウントの一製造工程を示す斜視図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、18:マウント本体、20:第一のブラケット、22:第二のブラケット、24:筒状固定部、28:天板部、32:側板部、36:圧入孔、40:大径筒部、46:リバウンド緩衝ゴム、48:前後緩衝ゴム、50:バウンド緩衝ゴム、74:嵌着筒金具、76:ストッパ金具、80:天壁部、82:脚壁部、92:バウンド当接金具

Claims (4)

  1. 第一の取付部材が第二の取付部材に設けられた筒状部の軸方向一方の開口部側に離隔配置されて、それら第一の取付部材と第二の取付部材が本体ゴム弾性体で連結されることにより防振装置本体が構成されていると共に、該防振装置本体の該第一の取付部材に対して第一のブラケットが固定されて、該第一のブラケットを介して該第一の取付部材が自動車のパワーユニットと車両ボデーの一方に取り付けられるようになっている一方、該防振装置本体の該第二の取付部材の該筒状部に対して第二のブラケットが外嵌固定されて、該第二のブラケットを介して該第二の取付部材が該パワーユニットと該車両ボデーの他方に取り付けられるようになっており、且つ該第二のブラケットには該第二の取付部材の該筒状部に対して外嵌固定される嵌着筒部における一方の開口部を跨ぐ門形のリバウンドストッパ部が設けられていると共に、該門形のリバウンドストッパ部内に該第一の取付部材が位置せしめられており、該門形のリバウンドストッパ部に対して側方から該第一のブラケットが差し入れられて該第一の取付部材に固定されているブラケット付きエンジンマウントにおいて、
    前記防振装置本体の前記第一の取付部材には、前記第二のブラケットの前記リバウンドストッパ部内への前記第一のブラケットの差し入れ方向に開口する圧入孔を有する筒状固定部が設けられており、該筒状固定部の該圧入孔に対して該第一のブラケットが圧入固定されていると共に、それら第一の取付部材および第一のブラケットが該第二のブラケットに対して自動車の上下両方向と前後両方向で対向位置せしめられており、且つ該第一の取付部材および該第一のブラケットにおける該第二のブラケットに対する対向面上にはそれぞれ前記本体ゴム弾性体と一体形成された緩衝ゴムが設けられていることによって自動車の上下両方向と前後両方向におけるストッパ機構がそれぞれ構成されており、更に、
    前記筒状固定部の外方壁と前記第二のブラケットにおける前記門形のリバウンドストッパ部の天壁部との対向部分によってリバウンド方向のストッパ機構が構成されていると共に、該筒状固定部の両側方壁と該門形のリバウンドストッパ部の両脚壁部との対向部分によって車両前後方向のストッパ機構が構成されている一方、該第二のブラケットには前記第一のブラケットよりも前記防振装置本体側で該第一のブラケットに対して対向位置するバウンド当接部が設けられてバウンド方向のストッパ機構が構成されており、且つ、
    前記バウンド方向のストッパ機構において前記第一のブラケットと前記バウンド当接部の間に配される前記緩衝ゴムが、前記第一の取付部材における前記筒状固定部から該第一のブラケットの差し入れ側に向かって延び出して形成されていることを特徴とするブラケット付きエンジンマウント。
  2. 前記第一の取付部材には、前記圧入孔を有する前記筒状固定部に対して外周面上に突出する固着突部が一体形成されており、この固着突部が前記本体ゴム弾性体の一方の端部に対して埋入されて加硫接着されている請求項1に記載のブラケット付きエンジンマウント。
  3. 前記本体ゴム弾性体が前記筒状固定部の外周面を覆うようにして固着形成されていることによって前記緩衝ゴムが形成されている請求項1又は2に記載のブラケット付きエンジンマウント。
  4. 前記第二のブラケットにおいて、前記嵌着筒部に対して前記リバウンドストッパ部が直接に固着されている請求項1乃至の何れか一項に記載のブラケット付きエンジンマウント。
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