JP5207085B2 - 電流検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ホール効果を利用して導体に流れる電流を検出する電流検出装置に関する。
近年、回転電機により駆動される電気自動車や、内燃機関及び回転電機により駆動されるハイブリッド自動車が実用化されている。このような自動車の駆動装置に利用される回転電機にはバスバーと呼ばれるような太く剛性の高い導体(銅やアルミニウムなどの金属導体)により電流が供給される。回転電機は、多くの場合、回転電機に流れる電流の検出結果に基づいてフィードバック制御される。この電流は、例えば、当該電流により発生する磁束をホール素子などの磁気検出素子で検出して電流値を求める電流センサによって測定される。磁束は右ネジの法則により、電流路を周回するように発生する。そこで、環状に形成された磁性体の集磁コアの中に電流路となる導体を通して、当該電流路を流れる電流によって発生する磁束を当該集磁コアにより集磁することによって検出精度の向上が図られてきた。例えば、3相交流回転電機では複数相の電流路を有するため、電流を検出する対象となる対象バスバー以外のバスバーを流れる電流による磁束も発生し、磁気干渉を生じる。しかし、集磁コアを設けることによって、このような磁気干渉も抑制できる。
一方、自動車自体に小型化、低コスト化が求められることにも相まって、電流センサも小型化、省部品化、低コスト化などの要請を受け、バスバーを周回する集磁コアを用いないコアレス電流センサが実用化されてきている。特開2004−61217号公報(特許文献1)には、このようなコアレス電流センサの一例が紹介されている。しかし、コアレス電流センサの場合には、対象バスバー以外のバスバーを流れる電流により発生する磁束に起因する磁気干渉を避ける対策が必要である。例えば、特開2006−112968号公報(特許文献2)には、以下のようなコアレス電流センサ(電流検出装置)の構成が開示されている。この電流検出装置は、例えば3本の互いに平行に配置されたバスバーを対象のバスバーとし、各バスバーに流れる電流を検出する3つの電流センサを備えている。また、電流検出装置は、各バスバーに装着される磁気シールドを備えている。そして、平行に配置された3本のバスバー上において、3つの電流センサは各バスバーに沿って交互にずれた位置に配設されている。また、各バスバーに装着される磁気シールドも同様に、各バスバーに沿って交互にずれた位置に配置されている。これら複数の磁気シールドと複数の電流センサの配置はいわゆる千鳥格子配置となっており、これにより隣接バスバーから電流センサへの磁気干渉を避けることができる構成となっている。
特開2004−61217号公報(第2,3,19段落、図2等) 特開2006−112968号公報(第36−41段落、図2,3等)
しかし、上記特許文献2に記載された電流検出装置では、各バスバーに磁気シールドを設けることが必要である。このため、装置の構成がその分複雑になるとともに製造工程が増加し、製造コストが上昇するという問題がある。
従って、複数のバスバーが並列配置されている場合に、隣接するバスバーからの磁界の影響を抑制して高精度に電流検出を行うことが可能な電流検出装置を、簡易な構成により安価に実現することが望まれる。
上記課題に鑑みた本発明に係る電流検出装置の特徴構成は、
並列配置された複数のバスバーの内の少なくとも1つを対象バスバーとし、当該対象バスバーの近傍の磁束に基づいて当該対象バスバーに流れる電流を検出する電流検出装置であって、
所定の磁束検出方向の磁束を検出するセンサ部は、前記対象バスバーを周回する集磁コアを備えることなく、前記対象バスバーの検出部位の近傍に、前記磁束検出方向と前記検出部位での前記対象バスバーの延在方向である検出部位延在方向とが直交状態となるように配置され、
前記検出部位延在方向に平行であって前記磁束検出方向を含む平面を磁束検出平面とし、前記複数のバスバーの内の前記対象バスバーに隣接して配置されたバスバーを隣接バスバーとして、
前記隣接バスバーは、前記磁束検出平面に対する直交方向一方側である第1方向側に配置されて前記磁束検出平面に平行な第1延在方向へ延在する第1延在部と、前記第1延在部の前記第1延在方向における一方の端部において前記第1方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第2延在方向へ延在する第2延在部とを有して構成され、
前記対象バスバーの前記検出部位が、前記第1延在方向において前記第1延在部と重複する重複位置に設定されている点にある。ここで、「直交状態」とは、直交から±45°までのずれを含む交差状態を指すものである。また、ある方向において「重複」とは、当該方向の配置に関して2つの対象(部材)が同じ位置となる部分を少なくとも一部に有することを指すものである。
この特徴構成によれば、共に隣接バスバーを流れる電流により生じる磁界である、磁束検出平面に平行な第1延在方向へ延在する第1延在部を流れる電流により生じる磁界と、磁束検出平面と交差する第2延在部を流れる電流により生じる磁界とが、センサ部において互いに打ち消し合う。つまり、電流が流れる方向が異なる第1延在部と第2延在部とに基づく磁束密度が相殺されることによって、センサ部における磁気干渉が抑制される。隣接バスバー及び対象バスバーに特別な磁気シールドを設けることもなく、また、対象バスバーを周回する集磁コアを設けることもない。単に隣接バスバーの延在方向における形状を規定し、隣接バスバーに対する対象バスバーの検出部位の位置関係を規定することで、センサ部における磁気干渉が抑制される。即ち、本特徴構成によって、複数のバスバーが並列配置されている場合であっても、隣接するバスバーからの磁界の影響を抑制して高精度に電流検出を行うことが可能な電流検出装置を、簡易な構成により安価に実現することが可能となる。
また、本発明に係る電流検出装置は、前記第1延在部及び前記第2延在部を有して構成される前記隣接バスバーが、前記第1延在部の前記第1延在方向における他方の端部において前記磁束検出平面に対する直交方向他方側である第2方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第3延在方向へ延在する第3延在部を更に有し、前記重複位置が、前記第1延在部の前記第1延在方向中間位置よりも前記第3延在部側に配置されていると好適である。上述したように、磁束検出平面に平行する第1延在部に基づく磁界と、磁束検出平面と交差する第2延在部に基づく磁界とが、センサ部において互いに打ち消し合うのでセンサ部における磁気干渉が抑制される。一方、第2延在部と同様に磁束検出平面と交差する第3延在部に基づく磁界は、センサ部において第1延在部に基づく磁界と同方向の成分を有する。しかし、対象バスバーの検出部位が隣接バスバーの第1延在部と重複する重複位置が第1延在方向中間位置よりも第3延在部側に配置されているので、センサ部における磁束(第3延在部に基づく磁束)の方向が磁束検出方向と為す角度が直角に近くなり、センサ部に与える影響は少ない。一方、第2延在部はセンサ部から遠くなるので、センサ部における磁束の方向は磁束検出方向に近いものとなる。その結果、センサ部において第2延在部に基づく磁束が第1延在部に基づく磁束を打ち消す成分の割合が増加して、磁気干渉が抑制される。また、第3延在部、第1延在部、第2延在部と続く隣接バスバーは、階段状となり、他の部材を迂回してバスバーを配線する際などにおいても空間を有効に活用することが可能である。
また、本発明に係る電流検出装置は、前記第1延在部及び前記第2延在部を有して構成される前記隣接バスバーが、前記第1延在部の前記第1延在方向における他方の端部において前記第1方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第3延在方向へ延在する第3延在部を更に有し、前記重複位置が、前記第1延在部の前記第1延在方向中間位置に配置されていると好適である。これによれば、磁束検出平面に平行する第1延在部に基づく磁界と、磁束検出平面と交差する第2延在部及び第3延在部に基づく磁界とが、センサ部において互いの磁界の磁束を打ち消し合うのでセンサ部における磁気干渉が抑制される。即ち、第2延在部及び第3延在部の双方に基づく磁界を利用して第1延在部に基づく磁界を抑制することができるので、より確実に磁界を相殺させることができる。また、対象バスバーの検出部位が隣接バスバーの第1延在部と重複する重複位置が第1延在方向中間位置に配置されているので、第2延在部及び第3延在部に基づく磁界をほぼ均等に利用でき、ベクトル解析も容易である。また、隣接バスバーは、例えば直線状のバスバーにおいて、第2延在部及び第3延在部を脚とし、第1延在部を台とした台状に形成することができるので、改良や生産も容易である。
ここで、前記第1延在方向と前記第2延在方向とが直交すると好適である。あるいは、前記検出部位延在方向と前記第1延在方向とが互いに平行であると好適である。当然ながら、前記第1延在方向と前記第2延在方向とが直交し、且つ、前記検出部位延在方向と前記第1延在方向とが互いに平行であってもよい。第1延在方向に延在する第1延在部と、第2延在方向に延在する第2延在部とを流れる電流に基づく磁界のベクトル解析が容易となり、磁気干渉を抑制可能な構造を容易に構築できる。また、バスバーを配置する空間も有効に活用することができる。特に、3本以上のバスバーが用いられる際には、配置が複雑化せず、空間を有効に活用することができる。
また、前記複数のバスバーが、互いに同一形状であると好適である。各バスバーを流れる電流に応じて発生する各磁界が同様のものとなるので、ベクトル解析により磁気干渉を抑制可能な構造を容易に構築することができる。また、複数のバスバーが同一形状であることにより、バスバーの部材コストを低減することができる。
また、前記対象バスバーの前記検出部位が、前記磁束検出平面に対して前記第1方向側に配置されていると好適である。検出部位が、磁束検出平面に対して第1方向側に配置されていると、磁束検出平面の一方側において、対象バスバーと隣接バスバーとが隣接配置されることとなるので、複数のバスバーを効率的に配列することができる。
回転電機の駆動装置の構成例を模式的に示す図 対象バスバーとセンサ部との位置関係の一例を模式的に示す斜視図 対象バスバーの検出部位における磁束検出原理を説明する図 隣接バスバーを流れる電流による影響を示す斜視図 隣接バスバーを流れる電流による影響を示す断面図 第1構成例の対象バスバー及び隣接バスバーを示す斜視図 第1構成例における隣接バスバーと磁束検出平面との関係を示す図 第1構成例における外乱磁束密度の抑制効果を示すベクトル図 第2構成例の対象バスバー及び隣接バスバーを示す斜視図 第2構成例における隣接バスバーと磁束検出平面との関係を示す側面図 第2構成例における外乱磁束密度の抑制効果を示すベクトル図 図11のベクトル図の拡大図 第3成例の対象バスバー及び隣接バスバーを示す斜視図 第3構成例における隣接バスバーと磁束検出平面との関係を示す側面図 第3構成例における外乱磁束密度の抑制効果を示すベクトル図 図15のベクトル図の拡大図 第4構成例の対象バスバー及び隣接バスバーを示す斜視図 第4構成例における外乱磁束密度の抑制効果を示すベクトル図 導体を周回する集磁コアを用いた電流検出の原理を模式的に示す斜視図
以下、本発明の実施形態を交流回転電機の駆動電流(発電電流)を検出する電流検出装置を例として説明する。図1に示すように、本実施形態においては、電流検出装置1は、3相交流により駆動される回転電機MGの駆動装置20に適用される。電流検出装置1は、U相、V相、W相の3相それぞれの駆動電流(発電電流)が流れるバスバー(導体)2U、2V、2Wの近傍に設置される。バスバー2U、2V、2Wは、回転電機MGが電動機として機能する際に駆動電流を供給し、発電機として機能する際に発電電流を回生する。尚、以下の説明において単にバスバー2というときは、U相バスバー2U、V相バスバー2V、W相バスバー2Wの全てを総称するものとする。
図1に示すように、駆動装置20は、制御ユニット11、ドライバ回路12、回転検出装置13、直流電源14、平滑コンデンサ15、インバータ16を備えて構成される。直流電源14は、バッテリ等の充電可能な二次電池である。駆動装置20は、直流電源14の直流電力を所定周波数の三相交流に変換して回転電機MGに供給する。また、駆動装置20は、回転電機MGにより発電された交流電力を直流に変換して直流電源14に供給する。回転検出装置13は、レゾルバ等により構成され、回転電機MGの回転速度及びロータの回転位置の検出信号を制御ユニット11に出力する。平滑コンデンサ15は、直流電源14の正極端子と負極端子との間に並列に接続されており、直流電源14の電圧を平滑化する。
インバータ16は、複数のスイッチング素子を有して構成される。スイッチング素子には、IGBT(insulated gate bipolar transistor)やMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)を適用すると好適である。図1に示すように、本実施形態では、スイッチング素子としてIGBTが用いられる。インバータ16は、回転電機MGの各相(U相、V相、W相の三相)のそれぞれに対応するU相レッグ17U、V相レッグ17V、及びW相レッグ17Wを備えている。各レッグ17U、17V、17Wは、それぞれ直列に接続された上段側アームのIGBT18Aと下段側アームのIGBT18Bとにより構成される1組2個のスイッチング素子を備えている。各IGBT18A、18Bには、それぞれフライホイールダイオード19が並列接続されている。
U相レッグ17Uは、U相バスバー2Uを介して回転電機MGのU相コイルに接続され、V相レッグ17Vは、V相バスバー2Vを介して回転電機MGのV相コイルに接続され、W相レッグ17Wは、W相バスバー2Wを介して回転電機MGのW相コイルに接続されている。この際、各バスバー2U、2V、2Wは、各相レッグ17U、17V、17Wの上段側アームのIGBT18Aのエミッタと下段側アームのIGBT18Bのコレクタとの間と回転電機MGの各相コイルとの間を電気的に接続する。各レッグ17U、17V、17Wの上段側アームのIGBT18Aのコレクタは、直流電源14の正極端子に接続され、各レッグ17U、17V、17Wの下段側アームのIGBT18Bのエミッタは、直流電源14の負極端子に接続される。
インバータ16は、ドライバ回路12を介して制御ユニット11に接続されており、制御ユニット11が生成する制御信号に応じてスイッチング動作する。制御ユニット11は、不図示のマイクロコンピュータ1などの論理回路を中核とするECU(electronic control unit)として構成される。回転電機MGが車両の駆動装置である場合などでは、直流電源14は高電圧であり、インバータ16の各IGBT18A,18Bは、高電圧をスイッチングすることになる。このように、高電圧をスイッチングするIGBTのゲートに入力されるパルス状のゲート駆動信号のハイレベルとローレベルとの電位差は、マイクロコンピュータなどの一般的な電子回路の動作電圧よりも遥かに高い電圧である。従って、ゲート駆動信号は、ドライバ回路12を介して電圧変換や絶縁された後、インバータ16の各IGBT18A,18Bに入力される。
インバータ16は、回転電機MGが電動機として機能する際(力行動作する際)、直流電源14からの直流電力を所定の周波数及び電流値の三相交流電力に変換して回転電機MGに供給する。また、インバータ16は、回転電機MGが発電機として機能する際(回生動作する際)、回転電機MGにより発電された三相交流電力を直流電力に変換して直流電源14に供給する。回転電機MGは、制御ユニット11により所定の出力トルク及び回転速度に制御される。この際、回転電機MGのステータコイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)に流れる電流の値が制御ユニット11にフィードバックされる。そして、制御ユニット11は、目標電流との偏差に応じてPI制御(比例積分制御)やPID制御(比例微積分制御)を実行して回転電機MGを制御する。このため、インバータ16の各相レッグ17U、17V、17Wと回転電機MGの各相コイルとの間に設けられた各相バスバー2U、2V、2Wを流れる電流値が、電流検出装置1により検出される。
本実施形態においては、電流検出装置1は、3本のバスバー2U、2V、2Wの全てに対して配置されるセンサ部6を有して構成される。すなわち、この電流検出装置1は、U相バスバー2Uの電流を検出するためのU相センサ部6U、V相バスバー2Vの電流を検出するためのV相センサ部6V、及びW相バスバー2Wの電流を検出するためのW相センサ部6Wを備えている。各相センサ部6U、6V、6Wは、検出対象の各相バスバー2U、2V、2Wに流れる電流によって発生する磁界の磁束密度を検出し、当該検出した磁界の磁束密度に応じた検出信号を出力する。バスバー2に流れる電流により発生する磁界における所定位置の磁束密度は、当該バスバー2に流れる電流の大きさに比例する。従って、各相センサ部6U、6V、6Wを利用して、各相バスバー2U、2V、2Wに流れる電流値を検出することができる。本実施形態において、制御ユニット11は電流検出装置1としても機能し、各相センサ部6U、6V、6Wにより検出された磁束密度に基づいて、電流値を演算する。当然ながら、センサ部6と共に各相に演算回路が設けられ、相ごとに独立して求められた電流値が制御ユニットに入力される形態であってもよい。また、3相各相の電流は平衡しており瞬時値はゼロであるから、2相のみの電流値を検出する構成であっても構わない。
各相バスバー2U、2V、2Wと各相センサ部6U、6V、6Wとの配置、及び各相センサ部6U、6V、6Wの構成については、同様であるため、以下、適宜単にバスバー2及びセンサ部6として説明する。センサ部6には、図19に示すような集磁コア30、つまりバスバーなどの導体2Aを周回し、磁束を集める磁性体の集磁コア30は設置されない。この集磁コア30は、ギャップを有した断面C字状の磁性体コアであり、導体2Aを流れる電流によって発生する磁束を収束させてギャップの間に設置したセンサ部6Aに導くものである。従って、本実施形態の電流検出装置1は、センサ部6が導体を周回する集磁コアを備えることなく設置される、いわゆるコアレス型の電流検出装置である。尚、磁束の方向を変更したり、磁束を局所的に集中させたりする磁性体をホール素子などと共に一体化したセンサデバイスも実用化されている。しかし、このようなセンサデバイスをセンサ部6として用いた場合であっても、導体を周回する集磁コアを用いなければ、ここではコアレス型の電流検出装置として扱うものとする。
センサ部6は、集磁コアを備えないコアレス型の磁界検出センサにより構成されている。このような磁界検出センサは、例えば、ホール素子、MR(磁気抵抗効果)素子、MI(磁気インピーダンス)素子等の各種の磁気検出素子を用いて構成される。これらの磁気検出素子は、図2に示すように、周辺に集磁コアを備えない状態でバスバー2の近傍に配置される。また、センサ部6は、このような集磁コア以外にも、検出対象となるバスバー2(対象バスバー3)が発生させる磁界以外の外部磁界に対するシールドを備えていない。本実施形態においては、センサ部6は、ホール素子と、当該ホール素子の出力を少なくともインピーダンス変換するバッファアンプとが集積された集積回路(IC)チップとして構成される。ICチップにより構成されたセンサ部6は、本実施形態においては図3に示すように、基板6aに実装されてバスバー2の近傍に設置される。図2及び図3においては、省略しているが、基板6aと制御ユニットとは、センサ部6を駆動する電源線及びセンサ部6による検出値を伝達する信号線で接続される。
本実施形態において、センサ部6としてのICチップは、図2及び図3に示すように、ICチップのチップ面に対して平行な磁束、ここでは、バスバー2の断面の長辺側に位置する延在面に対して平行な磁束を検出可能な構成である。つまり、センサ部6は、所定の磁束検出方向Sの磁束密度Bを検出するように構成されている。バスバー2を流れる電流は交流電流であるから、磁束検出方向Sは、図2及び図3に示すように互いに逆向きの2方向を含む。つまり、磁界検出方向Sは、一本の直線に平行な方向であって、当該直線の一方端側へ向かう方向と他方端側へ向かう方向の双方が含まれる。図3では、理解を容易にするために、電流Iが紙面の裏から表に向かう場合の磁力線Hを例示し、その場合の磁束密度Bを例示している。このように、センサ部6は所定の磁束検出方向Sの磁束密度Bを検出するので、対象バスバー3の検出部位3Sの近傍に、磁束検出方向Sと検出部位3Sでの対象バスバー3の延在方向である検出部位延在方向Lとが直交状態となるように配置される。本明細書並びに特許請求の範囲において、直交状態とは、直交から±45°以内のずれを許容する。尚、検出部位延在方向Lに平行であって磁束検出方向Sを含む平面を磁束検出平面Pと称する。
上述したように、センサ部6は、対象バスバー3に流れる電流I(I1)を検出するために、電流Iが流れることによって発生する磁界Hの磁束密度Bを検出する。当然ながら、バスバー2に近いほど磁界は強く、磁束密度Bも大きいので、センサ部6は、バスバー2の近傍に配置される。耐温度性能や耐振動性能などが満足されるのではあれば、センサ部6はバスバー2に接する状態で設置されてもよい。本実施形態では、図2及び図3に示すように、センサ部6は、バスバー2から所定距離(h)だけ離間した状態で、検出中心位置が、バスバー2の断面の長辺側の中央にほぼ一致するように配置される。また、センサ部6は、磁束検出方向Sと検出部位延在方向Lとが直交状態となるように配置されている。バスバー2の延在方向Lは、電流Iの流通方向に相当するため、センサ部6において強い磁束が得られる。図3に示すように、対象バスバー3の中心(電流Iの中心)とセンサ部6の中心(ホール素子の中心)との距離をh、バスバー2の断面の長手側(センサ部6との対向面側)の長さをWとする。バスバー2を電流I[A]が流れるとき、センサ部6の中心での磁束密度B[T=Wb/m]は、真空の透磁率をμ[H/m=Wb/A・m]として、以下の式で示される。
Figure 0005207085
次に、センサ部6に対する複数のバスバー2の配置構成について説明する。上記のとおり、電流検出装置1の各センサ部6U、6V、6Wは、検出対象の各相バスバー2U、2V、2Wに電流Iが流れることによって発生する磁界の磁束を検出する。この際、各相バスバー2U、2V、2Wは互いに並列配置されているため、一つの相のセンサ部6は、当該相のバスバー2(対象バスバー3)から発生する磁界Hの磁束密度だけでなく他の相のバスバー2から発生する磁界の磁束も検出する場合がある。例えば、V相バスバー2VがU相バスバー2UとW相バスバー2Wとに両側から挟まれて配置されている場合、V相センサ部6Vは、本来はV相バスバー2Vを流れる電流による磁束密度だけを検出すべきところ、U相バスバー2U及びW相バスバー2Wのそれぞれを流れる電流による磁束密度も検出する場合がある。その場合、V相センサ部6Vにより検出されるV相バスバー2Vの電流値には、U相バスバー2U及びW相バスバー2Wのそれぞれから発生する磁界の磁束密度も検出することによる誤差が含まれることになる。各センサ部6U、6V、6Wにより検出される電流値の検出精度を高めるためには、対象バスバー3としての各バスバー2が隣接する他のバスバー2(隣接バスバー4)からの磁界の影響を受けにくい構成とする必要がある。
図4及び図5は、対象バスバー3における磁束密度Bの検出に対する隣接バスバー4の磁界H1の影響を示す説明図である。ここでは、対象バスバー3と隣接バスバー4との区別を容易にするために、対象バスバー3となるバスバー2にのみセンサ部6を配置して図示する。以下の説明においては、U相バスバー2U、V相バスバー2V、及びW相バスバー2Wの相違は特に関係がない。従って、理解を容易にするために、構成を単純化し、対象バスバー3と隣接バスバー4との2本が並列配置されているものとして説明する。当然ながら、各バスバー2U,2V,2Wは、それぞれがセンサ部6を備えているために対象バスバー3となり得る。また、複数のバスバー2の内の対象バスバー3に隣接して配置されたバスバー2は、隣接バスバー4となる。
図5に示すように、隣接バスバー4を流れる電流I2による磁界H1は、対象バスバー3のセンサ部6においてベクトル量B1の磁束密度を有する。上述したようにセンサ部6は、所定の磁束検出方向Sの磁束を検出するので、磁束密度B1の内、ベクトル分解により磁束検出方向Sに沿ったベクトル量の磁束密度B1sが対象バスバー3のセンサ部6に影響を与えることになる。つまり、磁束密度B1sが磁気干渉の原因となる外乱磁束密度である。本発明に係る電流検出装置1は、隣接バスバー4の形状、配置、姿勢など、センサ部6や対象バスバー3の検出部位3sに対する幾何学的な関係を適切に設定することにより、隣接バスバー4を流れる電流I2による外乱磁束密度を抑制し、対象バスバー3の磁束密度Bを高精度に検出することを可能とする。即ち、そのような高精度な磁束密度Bの検出を実現するためのセンサ部6や対象バスバー3の検出部位3sに対する隣接バスバー4の幾何学的な関係の設定に本発明の特徴がある。
〔第1構成例〕
図6〜図8を利用して、第1構成例について説明する。図6は、対象バスバー3と隣接バスバー4との位置関係を示す斜視図である。図7は、図6の紙面手前側からの側面図であり、磁束検出平面Pに対する隣接バスバー4の形状を示す。図8は、図6を紙面の上端側から見た上面図であり、外乱磁束密度(例えば上述した磁束密度B1s)の抑制効果を示すベクトル解析図である。
隣接バスバー4は、互いに異なる方向へ延在する第1延在部41と第2延在部42とを有して構成される。第1延在部41は、磁束検出平面Pに対する直交方向一方側である第1方向D1の側に配置されて磁束検出平面Pに平行な第1延在方向L1へ延在する。第2延在部42は、第1延在部41の第1延在方向L1における一方の端部41aにおいて第1方向D1の側へ向けて屈曲され、磁束検出平面Pに対して交差する第2延在方向L2へ延在する。また、対象バスバー3の検出部位3sは、隣接バスバー4の第1延在方向L1において第1延在部41と重複する重複位置OLに設定されている。本明細書及び特許請求の範囲において、「ある方向において『重複』」とは、当該方向の配置に関して2つの対象(部材や部材中の場所)が同じ位置となる部分を少なくとも一部に有することを指すものである。即ち、対象バスバー3の検出部位3sと隣接バスバー4の第1延在部41とが、隣接バスバー4の第1延在方向L1において同じ位置となる部分を少なくとも一部に有することをいう。本例では、図6及び図7に示すように、対象バスバー3の検出部位3sを含む延在部と隣接バスバー4の第1延在部41とは、隣接バスバー4の第1延在方向L1において重複している。
理解を容易にするために、本例においては、第2延在部42の延在方向(第2延在方向L2)が磁束検出平面Pに対して直交状態であるとする。第2延在部42の一点において、流れる電流I2により生じる磁界H2が広がる面は、磁束検出平面Pに基本的に平行となる。また、当該磁界H2が広がる面は、第2延在方向L2にもある程度の広がり(傾き)を有する。従って、図8に示すように、第2延在部42を流れる電流I2により生じる磁界H2は、対象バスバー3のセンサ部6においてベクトル量B2の磁束密度を有する。上述したようにセンサ部6は、所定の磁束検出方向Sの磁束を検出するので、磁束密度B2の内、ベクトル分解により磁束検出方向Sに沿ったベクトル量の磁束密度B2sが対象バスバー3のセンサ部6に影響を与える。図8に示すように、この磁束密度B2sは、上述した外乱磁束密度B1sと180°方向が異なるベクトル量である。従って、磁束密度B2sにより外乱磁束密度B1sは相殺される。即ち、隣接バスバー4からの磁界の影響が抑制され、対象バスバー3の電流I1(I)が高精度に検出可能となる。
尚、センサ部6の具体的な配置位置については、例えば対象バスバー3に電流I1を流さずに隣接バスバー4に電流I2を流した際にセンサ部6が検出する磁束密度が最も小さくなる位置を実験的に求めると好適である。この際、センサ部6が検出する磁束密度がゼロであれば、センサ部6が隣接バスバー4から受ける影響を完全に無くすことができる。しかし、隣接バスバー4による影響を完全にゼロにしなくても、大きく抑制することができれば、本発明の趣旨は充分に達成される。これは、以下に示す他の構成例においても同様である。
〔第2構成例〕
図9〜図12を利用して、第2構成例について説明する。図9は、対象バスバー3と隣接バスバー4との位置関係を示す斜視図である。図10は、図9の紙面手前側からの側面図であり、磁束検出平面Pに対する隣接バスバー4の形状を示す。図11は、図9を紙面の上端側から見た上面図であり、外乱磁束密度(例えば上述した磁束密度B1s)の抑制効果を示すベクトル解析図である。また、図12は、図11のベクトル解析図の拡大図である。
隣接バスバー4は、第1構成例において上述した2つの延在部(互いに異なる方向へ延在する第1延在部41と第2延在部42)に加え、さらに第3延在部43を有して構成される。上述したように、第2延在部42は、第1延在部41の第1延在方向L1における一方の端部41aにおいて第1方向D1の側へ向けて屈曲される。第3延在部43は、第1延在部41の第1延在方向L1における他方の端部41bにおいて磁束検出平面Pに対する直交方向の他方側である第2方向D2の側へ向けて屈曲され、磁束検出平面Pに対して交差する第3延在方向L3へ延在する。第1延在方向L1と第2延在部42の第2延在方向L2とが直交し、第1延在方向L1と第3延在部43の第3延在方向L3とが直交する場合には、第2延在方向L2と第3延在方向L3とは平行状態となる。第2延在方向L2と第3延在方向L3とは、端部41a,41bからの延進方向が180°反転した同一の方向となる。
第1構成例と同様に、対象バスバー3の検出部位3sは、隣接バスバー4の第1延在方向L1において第1延在部41と重複する重複位置OLに設定されている。但し、第2構成例では、重複位置OLが、第1延在部41の第1延在方向中間位置Cよりも第3延在部43の側に配置されている。
理解を容易にするために、本例においては、第2延在部42及び第3延在部43の延在方向(第2延在方向L2及び第3延在方向L3)が磁束検出平面Pに対して直交状態であるとする。第2延在部42及び第3延在部43を流れる電流I2により生じる磁界H2及びH3の広がる面は、共に磁束検出平面Pに基本的に平行となるが、第2延在方向L2及び第3延在方向L3にもある程度の広がりを有する。第1構成例と同様に、両延在部42,43を流れる電流によって生じる磁界H2,H3が対象バスバー3のセンサ部6に与える影響は、図11及び図12に示すように同じ平面におけるベクトル図を用いて考察することができる。
上述したように、対象バスバー3の検出部位3sは、第3延在部43に近い側に配置されている。従って、第2延在部42を流れる電流I2により生じる磁界H2の中心からセンサ部6までの距離は、第3延在部43を流れる電流I2により生じる磁界H3の中心からセンサ部6までの距離に比べて長くなる。磁界H2は、図11及び図12に示すように、対象バスバー3のセンサ部6においてベクトル量B2の磁束密度を有する。この磁束密度B2の方向は、磁界H2の中心からセンサ部6までの距離が離れることによって、上記第1構成例に比べて磁束検出方向Sに近づく。従って、ベクトル分解により得られる磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B2sの割合が増加する。センサ部6までの距離が離れることによって、磁束密度B2の大きさは減少するが、磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B2sの割合が増加することで減少分を補うことが可能である。
第3延在部43を流れる電流I2により生じる磁界H3の中心からセンサ部6までの距離は、磁界H2の中心からの距離よりも近い。このため、磁界H3は、図11及び図12に示すように、対象バスバー3のセンサ部6において磁界H2の磁束密度B2よりも大きいベクトル量の磁束密度B3を有する。また、磁束密度B3の磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B3sの方向は、第1延在部41を流れる電流I2による磁界H1の磁束密度B1の同ベクトル成分B1sと同方向である。従って、上述した外乱磁束密度(B1s)を増加させることになり、あるいは外乱磁束密度(B1s)を相殺させる磁束密度B2のベクトル成分B2sを減少させることになる。しかし、センサ部6が第3延在部43に近い側に配置されているので、磁束密度B3のベクトルの方向が磁束検出方向Sと為す角度は、垂直に近い。このため、磁束密度B3の絶対値は大きくても、磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B3sの大きさは小さくなる。従って、外乱磁束密度の主成分である磁束密度B1のベクトル成分B1sや、ベクトル成分B1sを相殺させる磁束密度B2のベクトル成分B2sに与える影響も小さくなる。
図12の拡大されたベクトル解析図に示すように、外乱磁束密度の主成分である磁束密度B1のベクトル成分B1sは、磁束密度B2及びB3の合成ベクトルの磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分(B2s−B3s)により、良好に抑制される。即ち、隣接バスバー4からの磁界の影響が抑制され、対象バスバー3の電流I1(I)が高精度に検出可能となる。
〔第3構成例〕
図13〜図16を利用して、第3構成例について説明する。図13は、対象バスバー3と隣接バスバー4との位置関係を示す斜視図である。図14は、図13の紙面手前側からの側面図であり、磁束検出平面Pに対する隣接バスバー4の形状を示す。図15は、図13を紙面の上端側から見た上面図であり、外乱磁束密度(例えば上述した磁束密度B1s)の抑制効果を示すベクトル解析図である。また、図16は、図13のベクトル解析図の拡大図である。
第3構成例では、隣接バスバー4は、第1構成例において上述した2つの延在部(互いに異なる方向へ延在する第1延在部41と第2延在部42)に加え、さらに第3延在部43を有して構成される。この第3延在部43は、上述した第2構成例とは異なる方向へ延在する。上述したように、第2延在部42は、第1延在部41の第1延在方向L1における一方の端部41aにおいて第1方向D1の側へ向けて屈曲される。第3延在部43は、第1延在部41の第1延在方向L1における他方の端部41bにおいて、第2延在部42と同様に第1方向D1の側へ向けて屈曲され、磁束検出平面Pに対して交差する第3延在方向L3へ延在する。第1延在方向L1と第2延在部42の第2延在方向L2とが直交し、第1延在方向L1と第3延在部43の第3延在方向L3とが直交する場合には、第2延在方向L2と第3延在方向L3とは平行状態となり、且つ端部41a,41bからの延進方向を含めて同一の方向となる。
第1構成例と同様に、対象バスバー3の検出部位3sは、隣接バスバー4の第1延在方向L1において第1延在部41と重複する重複位置OLに設定されている。但し、第3構成例では、重複位置OLが、第1延在部41の第1延在方向中間位置Cに配置されている。当然ながら、厳密な中間位置である必要はなく、バスバー2の寸法公差や、センサ部6を構成するICチップの寸法公差、ICチップが実装される基板6aの寸法公差、基板6aとバスバー2との相対的な組立公差等を考慮した実用的な公差の範囲内であれば問題はない。
理解を容易にするために、本例においては、第2延在部42及び第3延在部43の延在方向(第2延在方向L2及び第3延在方向L3)が磁束検出平面Pに対して直交状態であるとする。第2延在部42第及び3延在部43を流れる電流I2により生じる磁界H2及びH3の広がる面は、共に磁束検出平面Pに基本的に平行となるが、第2延在方向L2及び第3延在方向L3にもある程度の広がりを有する。第1構成例及び第2構成例と同様に、両延在部42,43を流れる電流によって生じる磁界H2,H3が対象バスバー3のセンサ部6に与える影響は、図15及び図16に示すように、同じ平面におけるベクトル図を用いて考察することができる。
上述したように、重複位置OLは、第1延在部41の第1延在方向中間位置Cに配置されている。従って、第2延在部42を流れる電流I2により生じる磁界H2の中心からセンサ部6までの距離と、第3延在部43を流れる電流I2により生じる磁界H3の中心からセンサ部6までの距離とは、ほぼ同一となる。このため、対象バスバー3のセンサ部6における磁界H2の磁束密度B2の絶対値と磁界H3の磁束密度B3の絶対値とは、ほぼ同じ値となる。また、センサ部6において、磁束密度B2及びB3の磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B2s及びB3sの方向は、第1延在部41を流れる電流I2による磁界H1の磁束密度B1の同ベクトル成分B1sと逆方向である。
従って、磁束密度B2と磁束密度B3との合成ベクトルの磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分(B2s+B3s)は、磁束密度B1の磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B1s(外乱磁束密度)を打ち消す方向の磁束密度となる。図16の拡大されたベクトル解析図に示すように、外乱磁束密度の主成分である磁束密度B1のベクトル成分B1sは、磁束密度B2及びB3の合成ベクトルの磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分(B2s+B3s)により、良好に抑制される。即ち、隣接バスバー4からの磁界の影響が抑制され、対象バスバー3の電流I1(I)が高精度に検出可能となる。
〔第4構成例〕
上述した各構成例では、理解を容易にするために対象バスバー3と隣接バスバー4とがほぼ平行状態である場合を例として説明した。つまり、検出部位延在方向Lと第1延在方向L1とが互いに平行である場合を例として説明した。しかし、対象バスバー3と隣接バスバー4とは、図17の斜視図及び図18の上面図に示すように斜めに配置されていてもよい。この第4構成例は、第1構成例に対応し、対象バスバー3と隣接バスバー4との配置を平行状態から斜めにしたものである。図17は図6に対応し、図18は図8に対応する。
図18に示すように、第4構成例においても、隣接バスバー4の第1延在部41を流れる電流I2により生じる磁界H1がセンサ部6に影響を与える。幾何学的な関係が異なるため、ベクトル分解により分配される割合は第1構成例とは異なるが、センサ部6における磁界H1の磁束密度B1の磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B1sは、外乱磁束密度となる。同様に、隣接バスバー4の第2延在部42を流れる電流I2により生じる磁界H2の磁束密度B2の、センサ部6における磁束検出方向Sに沿ったベクトル成分B2sも、ベクトル分解により分配される割合は第1構成例とは異なるが、外乱磁束密度(B1s)を抑制する方向のベクトル成分となる。
上記各構成例と同様に、対象バスバー3の検出部位3sは、隣接バスバー4の第1延在方向L1において第1延在部41と重複する重複位置OLに設定されている。尚、隣接バスバー4の第1延在部41を流れる電流I2により発生する磁界H1が広がる面は、電流I2の通流方向である第1延在部41の第1延在方向L1にほぼ直交する面である。従って、対象バスバー3の検出部位3aが設定される重複位置OLは、第1延在方向L1にほぼ直交する範囲内に存在する。このように、対象バスバー3と隣接バスバー4との配置が平行状態ではなくても、隣接バスバー4からの磁界の影響が抑制され、対象バスバー3の電流Iが高精度に検出可能となる。第4構成例においては、第1構成例に対する変形例を用いて説明したが、第2構成例及び第3構成例に関しても同様であることは明らかであるので、詳細な説明は省略する。
〔他の構成例〕
(1)上記各構成例では、説明を容易にするために、対象バスバー3及び隣接バスバー4となる2本のバスバー2のみを示して単純化した例を示した。しかし、当然ながら、2本のバスバーは相補的に対象バスバー3及び隣接バスバー4となり得るものである。また、バスバー2が3本以上存在する場合にも、相補的に1本が対象バスバー3となり、残りのバスバーが隣接バスバー4となり得る。1本の対象バスバー3に複数の隣接バスバー4が隣存在る場合には、1本の対象バスバー3と1本の隣接バスバー4との関係を、2通り考えればよい。従って、対象バスバー3と隣接バスバー4となる2本のバスバー2のみに単純化された上記各構成例に限定されることなく、3本以上の複数のバスバー2を有する場合にも本発明を適用することが可能である。
(2)上記各構成例では、対象バスバー3の検出部位3sが、磁束検出平面Pに対して第1方向D1の側に配置されている場合を例として説明した。しかし、この構成例に限定される必要はなく、対象バスバー3の検出部位3sは、磁束検出平面Pに対して第2方向D2の側に配置されていてもよい。第1構成例から第4構成例に示したように、検出部位3sが、磁束検出平面Pに対して第1方向D1の側に配置されていると、磁束検出平面Pの一方の側に対象バスバー3と隣接バスバー4とが隣接配置されることとなるので、複数のバスバー2を効率的に配列することができる。しかし、複数のバスバー2が利用される装置によって効率的な配列は異なるから、上記構成例に限定されることなく、磁束検出平面Pに対して第2方向側D1に検出部位3sが配置されていてもよい。
(3)上記各構成例では、複数のバスバーが互いに同一形状である場合を例として説明した。しかし、当然ながら各バスバーは互いに同一形状である必要はなく、異なる形状であってもよい。
本発明は、ホール効果を利用して導体に流れる電流を検出する電流検出装置に適用することができる。例えば、多相交流回転電機と駆動回路とを接続するバスバーを流れる電流を検出する電流検出装置に適用することができる。
1:電流検出装置
2:バスバー
3:対象バスバー
3s:検出部位
4:隣接バスバー
41:第1延在部
42:第2延在部
43:第3延在部
41a:第1延在部の第1延在方向における一方の端部
41b:第1延在部の第1延在方向における他方の端部
6:センサ部
30:集磁コア
D1:磁束検出平面に対する直交方向一方側である第1方向
D2:磁束検出平面に対する直交方向一方側である第2方向
L:検出部位延在方向
L1:第1延在方向
L2:第2延在方向
L3:第3延在方向
P:磁束検出平面
S:磁束検出方向

Claims (7)

  1. 並列配置された複数のバスバーの内の少なくとも1つを対象バスバーとし、当該対象バスバーの近傍の磁束に基づいて当該対象バスバーに流れる電流を検出する電流検出装置であって、
    所定の磁束検出方向の磁束を検出するセンサ部は、前記対象バスバーを周回する集磁コアを備えることなく、前記対象バスバーの検出部位の近傍に、前記磁束検出方向と前記検出部位での前記対象バスバーの延在方向である検出部位延在方向とが直交状態となるように配置され、
    前記検出部位延在方向に平行であって前記磁束検出方向を含む平面を磁束検出平面とし、前記複数のバスバーの内の前記対象バスバーに隣接して配置されたバスバーを隣接バスバーとして、
    前記隣接バスバーは、前記磁束検出平面に対する直交方向一方側である第1方向側に配置されて前記磁束検出平面に平行な第1延在方向へ延在する第1延在部と、前記第1延在部の前記第1延在方向における一方の端部において前記第1方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第2延在方向へ延在する第2延在部とを有して構成され、
    前記対象バスバーの前記検出部位が、前記第1延在方向において前記第1延在部と重複する重複位置に設定されている電流検出装置。
  2. 前記隣接バスバーは、前記第1延在部の前記第1延在方向における他方の端部において前記磁束検出平面に対する直交方向他方側である第2方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第3延在方向へ延在する第3延在部を更に有し、
    前記重複位置が、前記第1延在部の前記第1延在方向中間位置よりも前記第3延在部側に配置されている請求項1に記載の電流検出装置。
  3. 前記隣接バスバーは、前記第1延在部の前記第1延在方向における他方の端部において前記第1方向側へ向けて屈曲され、前記磁束検出平面に対して交差する第3延在方向へ延在する第3延在部を更に有し、
    前記重複位置が、前記第1延在部の前記第1延在方向中間位置に配置されている請求項1に記載の電流検出装置。
  4. 前記第1延在方向と前記第2延在方向とが直交する請求項1から3の何れか一項に記載の電流検出装置。
  5. 前記検出部位延在方向と前記第1延在方向とが互いに平行である請求項1から4の何れか一項に記載の電流検出装置。
  6. 前記複数のバスバーは、互いに同一形状である請求項1から5の何れか一項に記載の電流検出装置。
  7. 前記対象バスバーの前記検出部位が、前記磁束検出平面に対して前記第1方向側に配置されている請求項1から6の何れか一項に記載の電流検出装置。
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