JP5206644B2 - ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Description
(i)車両走行中に自動的に行う走行自動再生と、
(ii)車両を停止して手動再生スイッチの操作によって再生を行う手動再生
の2種類の再生方法を、オイルの希釈状態により切り替えて制御している。
(1)次回作業時に再生を継続して行う。完全に再生が終了するまで再生を繰り返す。
(2)再度、PM堆積状態が再生閾値を超えるまで、通常の運転を行い、閾値を超えたら再生を開始する。
再生回数が増加すると、
(ア)図11に示すように、PMが燃焼される温度に到達するまでの昇温にかかる時間が増加し、余分なエネルギーが必要になる(燃費が悪化する)。詳しくは、図11は、走行中や作業中において中断があった場合と中断がなかった場合のPM堆積量と再生用燃料使用量の推移を示しており、再生が中断されることでPMを燃焼させる温度に昇温するのに時間がかかり再生時間が延びてしまう。これにより再生用燃料の使用量が増加し、燃費の悪化を招く。
(イ)昇温にかかる時間が増加するため、ポスト噴射を利用して再生させるシステムの場合、ポスト噴射を実施する時間が長くなりオイル希釈が短い時間で限界に達してしまう。
請求項2に記載のように、請求項1に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、前記自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否かの判定として、現在の捕集量を再生するのに要する予測再生完了時間を算出して、この予測再生完了時間と現在の自動再生可能時間とを比較して、現在の自動再生可能時間が予測再生完了時間よりも長くなる確率が規定値よりも高いときに、1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いと判定するとよい。
本実施形態ではフォークリフトに具体化しており、該フォークリフト(車両)には図1に示すディーゼルエンジン10が搭載されている。このディーゼルエンジン10を用いて走行や荷役作業を行なうことができるようになっている。つまり、ディーゼルエンジン10は走行用および作業用ディーゼルエンジンである。ディーゼルエンジン10には排気ガス浄化装置が設けられ、排気ガス浄化装置は再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置(以下、DPFという)30を備えるとともに差圧センサ40、ECU(エンジンコントロールユニット)50、手動再生指示灯61等を有している。
ECU50には差圧センサ40からの信号が入力され、この信号によりCPU51はPM量を検知する。ECU50には温度センサ41からの信号が入力される。また、ECU50には各種センサからの信号が入力され、これら信号によりCPU51は吸気温度Tain、エンジン回転数Ne、アクセル開度θ、エンジン内部の水温TWを検知する。さらに、ECU50にはスタートスイッチ信号が入力される。
CPU51はアクセル開度とエンジン回転数に基づいて燃料噴射量を算出して燃料噴射ノズル16,17,18,19から燃料を噴射させる。燃料噴射量はトルクを代表するECU指令値である。
図2,3はECU50のCPU51が実行するフローチャートである。図4は作用を説明するためのタイムチャートである。
その後、図2において、CPU51は、ステップ104で予測再生完了時間を演算する。つまり、現在のPM堆積量を再生完了するのにかかる時間(予測再生完了時間)を演算する。これは、図5に示すPM堆積量と予測再生完了時間の関係を示すマップを用いて、そのときのPM堆積量から予測再生完了時間を算出する。図5のマップは予め実験的に求めたものであり、再生に必要な時間がPM堆積量に応じて予め求められている。算出した予測再生完了時間はメモリ52に記憶される。図6においては予測再生完了時間をTiとしている。
このようにして、CPU51は、自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否か判定する。即ち、現在の捕集量を再生するのに要する予測再生完了時間を算出して、この予測再生完了時間と現在の自動再生可能時間とを比較して現在の自動再生可能時間が予測再生完了時間Tiよりも長くなる確率が規定値Vrよりも高いときに1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いと判定する。
図3のステップ205において、図示しない確認手段でPM堆積量の減少量を確認しながら、自動再生制御の実行により図4に示すようにPM堆積量が減少していき、PM堆積量がなくなった(0未満)と判断されると図3のステップ206がYESとなって自動再生が終了する。PM堆積量が0未満ではない場合、すなわち、ステップ206がNOである場合は、図3に示すようにステップ203で運転状態が再生可能な状態か否か判定する。
このようにして、1回の継続した再生制御で再生が完了する可能性が高いと判断した場合に、走行中または作業中の再生が途中で中断することなく一回で終了させる制御と、1回の継続した再生制御で再生が完了する可能性が低いと判断した場合に、強制的に再生させる(自動再生を不許可させる)よう作業者に促す制御を、ディーゼルエンジンの運転状態に基づいて高い精度で切り替える判断をすることができる。
(1)ECU50のCPU51は、ディーゼルエンジン10の運転中にDPF(再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置)30を再生させる自動再生条件を満たしている自動再生可能時間を計測し、この自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否か判定して再生が完了する可能性が高いと走行中または作業中の自動再生を行なう。一方、再生が中断する可能性が高いと運転者に対してCPU51(強制再生制御手段)の作動を促す処理を行なう。
・上記実施形態では図5のマップを用いてPM堆積量から予測再生完了時間を演算したが、再生開始量などの予め定めた一定量を再生完了するのにかかる時間を予測再生完了時間としてもよい。
図8において、ECU50のCPU51はステップ300でエンジン回転数が規定値NeOを超えるとステップ301で時間(カウント値)Ta(例えば図4におけるt2からt5までの時間)をゼロにし、ステップ302で時間加算動作を行い、ステップ303でエンジン回転数が規定値NeOを下回らなければステップ302に戻る。CPU51はステップ303でエンジン回転数が規定値NeOを下回ると、ステップ304で時間(カウント値)Tb(例えば図4におけるt3からt4までの時間)をゼロにし、ステップ305で時間加算動作を行い、ステップ306でエンジン回転数が規定値NeOを下回っているとステップ305に戻る。CPU51はステップ306でエンジン回転数が規定値NeOを上回るとステップ307で回転数が規定値NeOを下回っている継続時間Tbが規定値TbO(例えば180秒)以下ならばステップ308に移行して時間Taと時間Tbの和を時間Taとする。CPU51はステップ307で継続時間Tbが規定値TbO(例えば180秒)より大きいとステップ309に移行して時間Taを記憶する。
なお、図10のサブルーチンは図9においてステップ400とステップ201の間において実行したが、これに代わり、ステップ201とステップ202の間やステップ202とステップ203の間やステップ203とステップ204の間において実行してもよい。
Claims (6)
- 車両に搭載されたディーゼルエンジンの排気ガス通路に再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置を備えるとともに、当該再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置における捕集物の量を検出する捕集量検出手段と、排気温度を上昇させる排気温度上昇手段と、前記排気温度上昇手段によって排気温度を上昇させて強制的に前記捕集物を燃焼して再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置を再生させる強制再生制御手段と、前記捕集量検出手段により検出された捕集量が規定値より大きいと運転者に対して前記強制再生制御手段の作動を促す手動再生指示手段とを有するディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置において、
前記ディーゼルエンジンの運転中に前記再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置を再生させる自動再生条件を満たしている自動再生可能時間を計測し、この自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否か判定して、再生が完了する可能性が高いと走行中または作業中の自動再生を行い、再生が中断する可能性が高いと前記運転者に対して前記強制再生制御手段の作動を促す処理を行なうことを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。 - 前記自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否かの判定として、現在の捕集量を再生するのに要する予測再生完了時間を算出して、この予測再生完了時間と現在の自動再生可能時間とを比較して、現在の自動再生可能時間が予測再生完了時間よりも長くなる確率が規定値よりも高いときに、1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いと判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
- 前記自動再生可能時間に基づいて1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いか否かの判定として、時系列的に計測した各自動再生可能時間についての平均値を求め、この平均時間が捕集量を再生するのに要する予測再生完了時間よりも長くなるときに、1回の継続した自動再生条件を満たしている期間に再生が中断することなく完了する可能性が高いと判定することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
- 前記排気温度上昇手段は、前記ディーゼルエンジンの筒内燃料噴射制御におけるポスト噴射を行なう燃料噴射ノズルと、前記再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の酸化触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
- 前記排気温度上昇手段は、前記再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置よりも上流の排気系に設けられた燃料添加装置と、前記再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の酸化触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
- 前記排気温度上昇手段は、前記再生型ディーゼルパティキュレートフィルタ装置よりも上流の排気系に設けられたバーナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置。
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