JP5206174B2 - ズームレンズおよびカメラおよび携帯情報端末装置 - Google Patents
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Description
また、変倍比についてもなるべく大きなものが望まれるが、「35mm銀塩カメラ換算の焦点距離で28〜200mm相当程度(約7.1倍)」のズームレンズであれば、一般的な撮影の殆んど全てに対処可能と考えられる。
ズームレンズに対するユーザの要望のひとつとして「マクロ撮影機能」が挙げられる。
マクロ撮影機能は「通常の撮影時に合焦できる被写体距離の範囲よりも、さらに近距離にある被写体に合焦して撮影できる機能」であり、より高い撮影倍率を得ることが重要な特性である。
テレマクロ機能には「焦点距離が長い(画角が狭い)状態でのマクロ撮影を可能とすることによって、同じ撮影倍率であってもパースペクティブによる被写体像の歪み」が抑えられ、ワーキングディスタンスも確保でき、照明等の自由度が増すなどのメリットがあるからである。
即ち、少なくとも「望遠端において近距離物体へのフォーカシングを行う」際、無限遠物体に合焦している状態を基準として、第1レンズ群・第2レンズ群が不動で、第3レンズ群が像面側へ移動可能であり、第4レンズ群が物体側へ移動可能である。
(1) −0.5 < βTmax < −0.1
を満足することが好ましい(請求項4)。
(2) −1.0 < (1−M3GT 2)・M4GT 2 < −0.3
を満足することが好ましい(請求項5)。
この発明のズームレンズのように、正・負・正・正の4レンズ群により構成されるものでは一般に、負の屈折力を持つ第2レンズ群が主要な変倍作用を負担する所謂バリエータとして構成されるが、正の屈折力を持つ第3レンズ群にも「変倍作用を分担」させ、高変倍化に伴って困難になる収差補正の自由度を確保することも多い。
この場合「無限遠から近距離へのフォーカシングに際し、第4レンズ群を物体側へと移動させる」ことになるが、レンズ群を支持・移動させる機構上の制限のため、第4レンズ群を際限なく物体側へ移動できるわけではない。
第3レンズ群を像面側に移動させることは「望遠端で第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が増大する」こととも矛盾しない。
即ち、望遠端で近距離物体へのフォーカシングが開始されるときには、第3レンズ群は第2レンズ群に近い状態にあり、第4レンズ群は第3レンズ群と離れた状態にある。
「第3レンズ群および第4レンズ群の移動にそれぞれ別のアクチュエータを使用」する場合、これらのアクチュエータを「同時に駆動」することは消費電力の点でも不利であるが、上記のようにすることにより消費電力の不利を回避できる。
請求項3記載のズームレンズは、少なくとも望遠端で「無限遠から特定距離までのフォーカシングが可能な第1の領域」と「上記特定距離を含み、より近距離までのでフォーカシングが可能な第2の領域」とを設け、第1の領域では第4レンズ群のみを移動させてフォーカシングを行い、第2の領域では「第3レンズ群を第1の領域とは異なる位置に移動させて固定」した上で、第4レンズ群の移動によってフォーカシングを行う。
パラメータ:(1−M3GT 2)・M4GT 2が条件(2)の下限値:−2.0より小さいと、望遠端で近距離物体へのフォーカシングを行う際に「第3レンズ群の移動量に対する像面の移動量(ピントのずれ量)の比」が大きくなりすぎて「第3レンズ群を高い分解能で移動させる必要」が生じ、レンズ変位機構への負担が大きくなる。
請求項6に記載されたように、「変倍に際して第4レンズ群が移動する場合、無限遠物体に合焦した状態における第4レンズ群の移動軌跡が、望遠端において最も像側に位置する」ことが望ましい。
無限遠物体に合焦した状態における第4レンズ群の移動軌跡が「望遠端において最も像側に位置する」ようにすることによって、望遠端で近距離物体へのフォーカシングを行う際「第4レンズ群の可動範囲」を最も有効に使用でき、第3レンズ群の移動と併せて「十分な撮影倍率を確保したテレマクロ機能」を実現できる。
なお「変倍に際して第3レンズ群が移動する」こと自体は、近距離物体へのフォーカシングに際して「第3レンズ群を移動させることが必要」なこの発明のズームレンズにとって、フォーカシングと変倍とに共通の機能であり都合が良い。
上記フォーカシングの際には、第3レンズ群を大きく移動させるほど周辺光量の減少は大きくなるため、「第3レンズ群の移動量に応じて補正量を異ならせる」ことがより好ましい。
このような処理により「周辺光量確保のためにレンズ系を大きくする」といったデメリットを生じることなく十分なテレマクロ機能を実現できる。
第2に、少なくとも望遠端で近距離物体へのフォーカシングを行う際に第3レンズ群を移動させる場合、画素配列周辺部の所定範囲を出力画像に用いないことである(請求項10)。
図3、図4にズームレンズの実施の別形態を図1、図2に倣って示す。このズームレンズは、後述する実施例2にかかるものである。
カシングが可能な第1の領域(図5最上段から第2段)」と、「特定距離を含み、より近距離までのでフォーカシングが可能な第2の領域(図5第3段から第4段)」とを有し、第1の領域では第4レンズ群IVのみを物体側に移動させてフォーカシングを行い、第2の領域では、第3レンズ群IIIを「第1の領域とは異なる位置(図5第3段)に移動させて固定」した上で、第4レンズ群IVの物体側への移動によってフォーカシングを行う。
図13に示すように、携帯情報端末装置30は、撮影レンズ31と受光素子(画素が2次元に配列された電子撮像素子)45を有し、撮影レンズ31によって形成される「撮影対象物の像」を受光素子45によって読み取るように構成されている。
実施例における記号の意味は以下の通りである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔
Nd:屈折率
νd:アッベ数
K:非球面の円錐定数
A4:4次の非球面係数
A6:6次の非球面係数
A8:8次の非球面係数
A10:10次の非球面係数
A12:12次の非球面係数
A14:14次の非球面係数
A16:16次の非球面係数
A18:18次の非球面係数
非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率):C、光軸からの高さ:H、光軸方向のデプス:X、上記円錐定数、非球面係数を用いて以下のように表される。
f = 5.16〜35.09,F = 3.49〜5.49,ω = 39.34〜6.50
面番号 R D Nd νd Δθg,F 硝種名
01 37.931 1.00 1.92286 18.90 0.0386 OHARA S-NPH2
02 23.364 2.44 1.60300 65.44 0.0045 OHARA S-PHM53
03 69.500 0.10
04* 16.909 2.88 1.77250 49.60 -0.0092 OHARA S-LAH66
05 51.728 可変(A)
06* 26.690 0.74 1.88300 40.76 -0.0088 OHARA S-LAH58
07 3.993 2.26
08 32.718 2.00 1.92286 18.90 0.0386 OHARA S-NPH2
09 -9.991 0.64 2.00330 28.27 0.0023 OHARA S-LAH79
10* 277.401 可変(B)
11 絞り 可変(C)
12* 6.697 3.08 1.58913 61.15 -0.0043 OHARA L-BAL35
13* -9.190 0.10
14 10.603 2.13 1.60300 65.44 0.0045 OHARA S-PHM53
15 -8.995 0.60 1.69895 30.13 0.0103 OHARA S-TIM35
16 4.836 可変(D)
17* 11.374 2.17 1.52470 56.20 光学プラスチック
18 -61.183 可変(E)
19 ∞ 0.80 1.51680 64.20 各種フィルタ
20 ∞ 。
非球面は、上記データにおいて「*」印を付した面である。以下の実施例においても同様である。
K = 0.0,A4 = -2.99145×10-6,A6 = -2.31719×10-8,A8 = 1.30994×10-10,
A10 = -1.04295×10-12
第6面
K = 0.0,A4 = 5.30475×10-5,A6 = -3.02550×10-6,A8 = 1.75806×10-7,
A10 = -4.41619×10-9 ,A12 = -5.03303×10-11,A14 = 2.21259×10-12
第10面
K = 0.0,A4 = -5.72615×10-4,A6 = 2.64313×10-7,A8 = -1.43524×10-6,
A10 = -4.40696×10-8
第12面
K = 0.0,A4 = -7.86511×10-4,A6 = 2.14725×10-5,A8 = -1.35163×10-6,
A10 = 4.22984×10-8
第13面
K = 0.0,A4 = 4.01016×10-4,A6 = 2.39857×10-5,A8 = -1.41367×10-6,
A10 = 4.90779×10-8
第17面
K = 0.0,A4 = -8.52233×10-5,A6 = 1.17201×10-5,A8 = -4.70061×10-7,
A10 = 8.05532×10-9 。
短焦点端 中間焦点距離 長焦点端 長焦点端 長焦点端
無限遠 無限遠 無限遠 0.3m 0.2m
f = 5.156 f = 13.392 f = 35.091 f = 28.927 f = 25.312
A 0.600 7.511 14.457 14.457 14.457
B 6.999 2.145 0.900 0.900 0.900
C 3.827 1.726 0.650 0.650 1.760
D 2.579 3.308 11.981 6.648 5.538
E 4.172 7.058 2.698 8.031 8.031 。
βTmax=−0.133(0.2mにおける撮影倍率)
(1−M3GT 2)・M4GT 2=−0.749 。
図2に示すように、実施例1においては、被写体が無限遠から距離:0.3mまでの範囲は、第4レンズ群IVを物体側へ移動させることによってフォーカシングを行う。
被写体距離:0.3mで、第4レンズ群IVの「物体側への移動量」が限界を迎えるため、以降、被写体距離:0.2mまでの範囲では、第3レンズ群IIIを像面側へ移動させることによってフォーカシングを行う。
f = 5.07〜34.52,F = 3.47〜5.37,ω = 39.78〜6.55
面番号 R D Nd νd Δθg,F 硝種名
01 35.747 1.00 1.92286 18.90 0.0386 OHARA S-NPH2
02 22.738 2.57 1.69100 54.82 -0.0079 OHARA S-LAL9
03 87.337 0.10
04 20.283 2.24 1.77250 49.60 -0.0092 OHARA S-LAH66
05 53.982 可変(A)
06* 38.877 0.74 1.88300 40.76 -0.0088 OHARA S-LAH58
07 4.391 2.40
08 37.914 2.09 1.92286 18.90 0.0386 OHARA S-NPH2
09 -10.647 0.64 2.00330 28.27 0.0023 OHARA S-LAH79
10* -542.845 可変(B)
11 絞り 可変(C)
12* 5.908 2.95 1.49700 81.54 0.0280 OHARA S-FPL51
13* -8.300 0.10
14 6.965 2.07 1.60311 60.64 -0.0019 OHARA S-BSM14
15 -32.448 0.60 1.85026 32.27 0.0036 OHARA S-LAH71
16 4.424 可変(D)
17* 10.148 2.17 1.52470 56.20 光学プラスチック
18 116.933 可変(E)
19 ∞ 0.80 1.51680 64.20 各種フィルタ
20 ∞ 。
第6面
K = 0.0,A4 = 4.12990×10-5,A6 = -2.87882×10-6,A8 = 1.69888×10-7,
A10 = -3.90967×10-9 A12 = -2.11481×10-11,A14 = 1.13636×10-12
第10面
K = 0.0,A4 = -4.44827×10-4,A6 = -9.66459×10-7,A8 = -3.94591×10-7,
A10 = -3.59280×10-8
第12面
K = 0.0,A4 = -8.93667×10-4,A6 = 1.91061×10-5,A8 = -1.11334×10-6,
A10 = 7.66269×10-8
第13面
K = 0.0,A4 = 6.00577×10-4,A6 = 3.02246×10-5,A8 = -1.73003×10-6,
A10 = 1.35009×10-7
第17面
K = 0.0,A4 = -8.12060×10-5,A6 = 9.50517×10-6,A8 = -3.34654×10-7,
A10 = 5.95659×10-9 。
短焦点端 中間焦点距離 長焦点端 長焦点端 長焦点端
無限遠 無限遠 無限遠 0.3m 0.15m
f = 5.072 f = 13.168 f = 34.520 f = 28.883 f = 22.454
A 0.600 8.259 14.734 14.734 14.734
B 8.629 3.006 0.900 0.900 0.900
C 4.312 2.532 0.650 0.650 2.778
D 3.201 4.878 11.790 6.214 4.086
E 3.439 5.377 3.073 8.649 8.649 。
βTmax=−0.166(0.15mにおける撮影倍率)
(1−M3GT 2)・M4GT 2=−0.769 。
被写体距離:0.3mで第4レンズ群IVの物体側への移動量が限界を迎えるため、以降、被写体距離:0.15mまでの範囲は、第3レンズ群IIIを像面側へ移動させることによってフォーカシングを行う。
実施例3は、実施例2と同一のレンズ構成を用い、フォーカシングの方式を実施例2のものと異ならせたものである。即ち、実施例3では請求項3の発明が実施される。
図5に「望遠端で近距離物体へのフォーカシング」を行う際の第3レンズ群・第4レンズ群の移動について示す。
図5に示すように、実施例3においては、被写体が無限遠から距離:0.3mまでの範囲(第1の領域)では、第4レンズ群IVを物体側へ移動させることによってフォーカシングを行う。
第1の領域 第2の領域
短焦点端 中間焦点距離 長焦点端 長焦点端 長焦点端 長焦点端
無限遠 無限遠 無限遠 0.3m 0.6m 0.15m
f = 5.072 f = 13.168 f = 34.520 f = 28.883 f = 26.554 f = 22.454
A 0.600 8.259 14.734 14.734 14.734 14.734
B 8.629 3.006 0.900 0.900 0.900 0.900
C 4.312 2.532 0.650 0.650 2.778 2.778
D 3.201 4.878 11.790 6.214 9.100 4.086
E 3.439 5.377 3.073 8.649 3.635 8.649 。
βTmax=−0.166(0.15mにおける撮影倍率)
(1−M3GT 2)・M4GT 2=−0.769 。
I 第2レンズ群
III 第3レンズ群
IV 第4レンズ群
S 絞り
Claims (11)
- 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群を配してなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が増大するズームレンズにおいて、
少なくとも望遠端において近距離物体へのフォーカシングを行う際、無限遠物体に合焦している状態を基準として、第1レンズ群・第2レンズ群が不動で、第3レンズ群が像面側へ移動可能であり、第4レンズ群が物体側へ移動可能であることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
少なくとも望遠端において近距離物体へのフォーカシングを行う際、通常は第4レンズ群のみを物体側へ移動させ、第4レンズ群のみの移動によって合焦できる範囲を超えた場合に、第3レンズ群を像面側へ移動させることを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1記載のズームレンズにおいて、
少なくとも望遠端において、無限遠から特定距離までのフォーカシングが可能な第1の領域と、上記特定距離を含み、より近距離までのでフォーカシングが可能な第2の領域とを有し、
上記第1の領域では、第4レンズ群のみを物体側に移動させてフォーカシングを行い、
上記第2の領域では、第3レンズ群を上記第1の領域とは異なる位置に移動させて固定した上で、上記第4レンズ群の物体側への移動によってフォーカシングを行うことを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1ないし3の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
望遠端における最大撮影倍率:βTmaxが、条件:
(1) −0.5 < βTmax < −0.1
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1ないし4の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
望遠端で無限遠物体に合焦した状態における第3レンズ群の結像倍率:M3GTと、
望遠端で無限遠物体に合焦した状態における第4レンズ群の結像倍率:M4GTとが、条件:
(2) −1.0 < (1−M3GT 2)・M4GT 2 < −0.3
を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1ないし5の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
変倍に際して第4レンズ群が移動し、無限遠物体に合焦した状態における第4レンズ群の移動軌跡が、望遠端において最も像側に位置することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1ないし6の任意の1に記載のズームレンズにおいて、
広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群および第3レンズ群が、広角端よりも望遠端で物体側に位置するように移動することを特徴とするズームレンズ。 - 請求項1ないし7の任意の1に記載の記載のズームレンズを、撮影用光学系として有することを特徴とするカメラ。
- 請求項8記載のカメラにおいて、
画素を2次元に配列された電子撮像素子を有するデジタルカメラであって、
少なくとも望遠端で近距離物体へのフォーカシングを行うに際して、第3レンズ群を移動させる場合に、画像周辺部のシェーディングを電気的に補正することを特徴とするカメラ。 - 請求項8記載のカメラにおいて、
画素を2次元に配列された電子撮像素子を有するデジタルカメラであって、
少なくとも望遠端で近距離物体へのフォーカシングを行うに際して、第3レンズ群を移動させる場合に、画素配列周辺部の所定範囲を出力画像に用いないことを特徴とするカメラ。 - 請求項8ないし10の任意の1に記載のカメラを有する携帯情報端末装置。
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