JP4670824B2 - 水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、水中油型乳化食品の製造方法に関し、詳しくは植物ステロール脂肪酸エステルを含有するにもかかわらず、0℃又はそれ以下の温度で保管後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても、乳化安定性の良好な水中油型乳化食品の製造方法と、該製造方法により得られる水中油型乳化食品とに関する。
血中コレステロールが増加すると心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患を引き起こすことが知られているが、その他、高脂血症や免疫力の低下などの弊害を引き起こす要因としても知られている。
コレステロールは油溶性の物質で、もともと生体にとって必要な物質であるが、血中コレステロールが過剰に増加すると却って害作用を及ぼすことになる。
食餌から摂取されたコレステロールは、そのままでは体内へ吸収され難いものであるが、胆汁酸によって胃内で乳化され、吸収され易い胆汁酸ミセルの形となって小腸より吸収され、血液中に移行する。
血中コレステロールが増加すると、コレステロールが冠動脈壁に沈着して冠動脈が狭くなり、冠動脈は十分な栄養素や酸素を体内に送れなくなる。このような状況が、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患が引き起こされる原因になったり、その他の弊害を引き起こす要因となる。
食餌中のコレステロールの吸収を抑制する治療法として、植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルを摂取する方法が知られており、これらは、血漿コレステロール低下剤として臨床的に利用されている。
生体内でのコレステロールの吸収を抑制する機構としては、次のような機構に基づく。即ち、摂取されたコレステロールが胃内で胆汁酸により乳化される際、植物ステロール又は植物ステロール脂肪酸エステルが共存すると、これらの乳化に胆汁酸が配分使用され、コレステロールの乳化に使用される胆汁酸量が低下する。その結果、フリー体のコレステロールが増加することになる。
前記したように、胆汁酸の作用でミセル化したコレステロールとは異なり、フリー体のコレステロールは吸収され難く、そのまま体外に排泄されるため、結果的にコレステロールの吸収が抑制されることになる。
植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルを含有させた代表的な食品としては、マーガリンやドレッシング類が知られているが、これらは特定保健用食品として市場に流通しているものである。
これらの食品は代表的な油脂製品類であるが、植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルは元々油溶性の性質があり、製品になじみ易いことや製造適性等が比較的良好であるため、これらの油脂製品類に好んで使用される。
植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルの属性として、これらは分子構造中に親油基と親水基とを有する両親媒性を示し、更に、親油性が強いため、所謂、油中水型乳化剤とも言えるものである。
植物ステロールと植物ステロール脂肪酸エステルとを比較すると、植物ステロールでは水酸基が主に親水基となるため、強い油中水型乳化剤の性質を示し、更に、100℃以上の融点を示すものが多い。
一方、植物ステロール脂肪酸エステルでは、親水基である水酸基が脂肪酸とエステル結合を形成している為、油中水型乳化剤の性質が緩和され、更に、融点が大幅に低下する為、寧ろ通常の油脂に近い性質を示すことから比較的使い易い(例えば、非特許文献1参照)。
このような、油中水型乳化剤としての性質をもつ植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルを、水中油型乳化食品に使用する場合には注意を要する。植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルがもつ油中水型乳化剤としての性質が、水中油型乳化を不安定化させるためである。
特に植物ステロールは、強い油中水型乳化剤の性質を持っており、低濃度で使用しても、水中油型乳化を不安定化させてしまう。
また、植物ステロール脂肪酸エステルでは、油中水型乳化剤の性質は緩和されているものの、使用量を多くすると油中水型乳化剤の性質が次第に現れてくるので、使用量が多い場合には同様に、水中油型乳化を不安定化させてしまう。
例えば、マヨネーズやドレッシング等の酸性水中油型乳化物に植物ステロール及び/又は植物ステロ−ル脂肪酸エステルを含有させた技術が開示されている。
この酸性水中油型乳化物では、5℃に24時間保管し、次いでスパチュラ等で攪拌する、振るなどのシェア(shear)を与えた場合、水中油型乳化が破壊され、油が分離する問題があった。
この問題点を解消するため、生卵黄に代えて、酵素処理卵黄を使用することによって、シェアを与えても安定な水中油型乳化物が得られることが技術開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、マヨネーズやドレッシング等の酸性水中油型乳化物を冷蔵庫内で保管する場合、冷気吹き出し口付近などでは0℃又はそれ以下の温度になることがあり、また、寒冷地で冬季流通させる場合などを想定すると、5℃で24時間保管した後に乳化安定性を有するだけでは、十分とは言い難い。
また、流動性のドレッシングでは、使用する前によく振り、使用後には冷蔵庫に保管するといったことを繰り返すために、マヨネーズの様な半固体状の酸性水中乳化物よりも、より強い乳化安定性が求められている。
更に、前記酵素処理を施した卵黄といった、複雑な原料を使用する方法を採用しているため、ハンドリングが煩雑であり、さらには、高コストを伴うといった問題点がある。
Pierce Hollingsworth, Food Technology, Vol. 55, No.1, Jan. 2001, p5967;Development of Cholesterol-Fighting Foods 特開2002−171931号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、0℃又はそれ以下の温度で保管後に、攪拌する、振るなどのシェアを与えても、乳化安定性の良好な、植物ステロール脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化食品の製造方法と、該製造方法により得られる水中油型乳化食品とを提供することにある。
本発明者らは、上記従来の問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酵素処理卵黄といった特別な原料を使用することなく、水相原料と油相原料とを乳化する方法を工夫することによって得られた、植物ステロール脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化食品では、0℃又はそれ以下の温度で保管した後にシェアを与えても、乳化安定性が良好なことを見出した。
即ち、本発明者らは、添加する油相原料を、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料との2種類に分け、それらを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合し、乳化することにより得られた水中油型乳化食品では、0℃又はそれ以下の低温で保管した後にシェアを与えても、乳化安定性が良好なことを見出した。
さらに、本発明者らは、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することにより得られた水中油型乳化食品は、0℃又はそれ以下の低温で保管した後にシェアを与えても、乳化安定性が良好なことを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
なお、WO2003/047359号公報には、水中油型乳化物の油相中にエステル型植物ステロールと遊離型植物ステロールを添加した水中油型乳化物が開示されている。
しかしながら、当該公報には、添加する油相原料を、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料との2種類に分け、それらを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合することについては、全く記載されていない
また、当該公報には、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することについては、同様に全く記載されていない。
従って、当該公報に記載の発明は、この点で本発明とは明確に異なる。
即ち、請求項1に係る本発明は、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく乳化することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合し、乳化することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項3に係る本発明は、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが12〜17質量%及び植物ステロールが0.1質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いる、請求項2記載の水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項4に係る本発明は、水中油型乳化食品全量に対して、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量が65質量%以上になるように前記第1の油相原料及び前記第2の油相原料を用いることを特徴とする、請求項2又は3に記載の水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項5に係る本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる水中油型乳化食品を提供するものである。
請求項6に係る本発明は、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し、乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項7に係る本発明は、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが10〜33質量%及び植物ステロールが0.3質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いる、請求項6記載の水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項8に係る本発明は、水中油型乳化食品全量に対して、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量が40〜60質量%になるように前記第1の油相原料及び前記第2の油相原料を用いることを特徴とする、請求項6又は7に記載の水中油型乳化食品の製造方法を提供するものである。
請求項9に係る本発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる水中油型乳化食品を提供するものである。
本発明によれば、植物ステロール脂肪酸エステルを含有するにもかかわらず、0℃又はそれ以下の温度で保管後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても、乳化安定性の良好な水中油型乳化食品の製造方法と、該製造方法により得られる植物ステロール脂肪酸エステルを含有する水中油型乳化食品とが提供される。
しかも、本発明によれば、酵素処理卵黄といった複雑な原料を使用することによるハンドリング上の煩雑さや高コストを伴うといった問題点もない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、0℃又はそれ以下の温度で保管した後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても、乳化安定性が良好な水中油型乳化食品の製造方法と、該製造方法により得られる水中油型乳化食品と、に関するものである。
まず、請求項1に係る本発明について、詳細に説明する。
請求項1に係る本発明は、水中油型乳化食品の製造方法に関し、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく乳化することを特徴とするものである。
このような請求項1に係る本発明は、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく乳化することを特徴とするものであり、請求項2に規定する態様と、請求項6に規定する態様とを包含する。
まず請求項2に規定する態様から説明する。
請求項2に係る本発明は、水中油型乳化食品の製造方法に関し、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合し、乳化することを特徴とするものである。
本発明においては、水中油型乳化食品の油相を構成する原料、即ち油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用いる。
第1の油相原料は、植物ステロール脂肪酸エステルを含有するか、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有するものである。
本発明における植物ステロール脂肪酸エステルとは、植物由来のステロールと脂肪含有物質との、エステル化反応もしくはエステル交換反応物である。
植物ステロールは、全ての植物中に分布しているが、葉、根、茎、樹皮、種皮、花、花粉、果実等、全ての組織から単離されており、植物の細胞膜を構成する重要な生体成分となっている。
植物ステロ―ルとして、シトステロール(sitosterol)、カンペステロール(campesterol)、スティグマステロール(stigmasterol)等が比較的多量に含有される成分であることが知られている(油脂 Vol.59, No.8, 2006, P91-100;植物ステロールの生化学と応用(1))。
植物ステロールは、現在、植物油の製造の際の副産物として製造されている。即ち、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ゴマ油等のサラダ油の製造の際の脱臭工程で排出される廃棄物(脱臭留出物)中に、植物ステロールが比較的多く含有されており、これらは回収、精製されて、純度の高い植物ステロールとして使用される。
第1の油相原料として用いる植物ステロールとしては、特には限定されないが、前記のように回収、精製された純度の高いものを使用することが望ましい。
植物ステロール脂肪酸エステルおよび植物ステロールの化学的な属性として、これらは分子構造中に親油基と親水基とを有する両親媒性を示し、更に、親油性が強いため、所謂、油中水型乳化剤とも言えるものである。
このような油中水型乳化剤としての性質をもつ植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルを、マヨネーズやドレッシング等の水中油型乳化食品に使用する場合、植物ステロールや植物ステロール脂肪酸エステルの油中水型乳化剤としての性質が、水中油型乳化を不安定化させる現象が見られる。
特に、植物ステロールは、非常に強い油中水型乳化剤の性質を持ち、低濃度で使用した場合においても、水中油型乳化食品の水中油型乳化を不安定化させてしまう。また、融点が100℃付近の高融点を示し、さらに水にも油にも難溶性であるため、その使用形態は限定される。
それに対して、植物ステロール脂肪酸エステルは、油中水型乳化剤の性質が穏やかであり、さらに、融点が大幅に低く通常の油脂に近い性質を示すことから比較的使い易い。
本発明で用いる第1の油相原料である植物ステロール脂肪酸エステルの製造方法として、上記の精製された植物ステロールと、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、脂肪酸、脂肪酸メチル等の脂肪酸含有物質とのエステル化反応、もしくはエステル交換反応による方法を用いることができる。なお、脂肪酸含有物質は、単独あるいは混合物として用いることができる。
脂肪酸含有物質に含有される脂肪酸としては、炭素数が10〜18の飽和あるいは不飽和のものであり、具体的にはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられ、単独あるいは混合物として用いることができる。
なお、前記エステル化反応もしくはエステル交換反応後には、エステル化されなかった未反応の植物ステロールが残存する場合がある。この未反応の植物ステロールは、植物ステロール脂肪酸エステルと同様な挙動を示すため、植物ステロール脂肪酸エステルの精製後でも、少量の植物ステロールが含有される場合がある。
請求項2に係る本発明において、このような植物ステロール脂肪酸エステル、植物ステロールの使用割合に関しては、請求項3に記載のように、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが12〜17質量%及び植物ステロールが0.1質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いることが好ましく、特に植物ステロール脂肪酸エステルが12〜15質量%及び植物ステロールが0.05質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いることがより好ましい。
ここで全油相原料量に対しての植物ステロール脂肪酸エステルの割合が17質量%を超えると、得られる水中油型乳化食品のシェアに対する乳化安定性が劣ってくるので好ましくない。
一方、全油相原料量に対しての植物ステロール脂肪酸エステルの割合が12質量%未満であると、得られる水中油型乳化食品についてコレステロール低下作用が十分に発揮されないことから好ましくない。なお、この場合、得られる水中油型乳化食品のシェアに対する乳化安定性は必ずしも劣りはしないが、本発明の効果が十分に見られるのは、12質量%を超えたときである。
次に、第2の油相原料は、前記第1の油相原料とは異なるものであればよく、通常、食品に添加可能な親油性の物質であれば特に制限がなく、例えば食用植物油脂や親油性のある香辛料や着香料等が挙げられる。
食用植物油脂としては、常温で液体の菜種油、大豆油、サフラワー油、コーン油、ヒマワリ油等が挙げられ、これらを単独で、又は2種以上混合して使用することができる。
請求項2に係る本発明において、水中油型乳化食品全量に含まれる全油相原料の割合、即ち、水中油型乳化食品全量に対しての、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した量の割合は、請求項4に記載のように、65質量%以上が好ましく、70〜80質量%がより好ましい。
ここで全油相原料の割合が65質量%未満であると、油脂感のような味覚的な美味しさが低下することから好ましくない。全油相原料量の割合が65質量%未満の場合、0℃又はそれ以下の温度で保管した後、シェアを与えても乳化安定性が良好になる傾向があるものの、本発明の効果が十分見られるのは、65質量%を超えた割合からである。
一方、全油相原料の割合が80質量%を超えると、転相し易くなるので好ましくない。
本発明における水中油型乳化食品の水相を構成する原料、即ち水相原料は、マヨネーズやドレッシング類の製造に際して使用される原料やその配分に準じて決定すればよく、特に制限されない。
通常、用いられる水相原料の例としては、水の他に、食塩,食酢,グルタミン酸ナトリウム,イノシン酸ナトリウム等の調味料、乳化剤、糖類、澱粉、ガム類、香辛料、着香料、風味原料などがある。
乳化剤としては、生卵黄が一般的であるが、卵白、乳蛋白、大豆蛋白等を適宜使用することができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
請求項2に係る本発明の水中油型乳化食品の製造は、次のような方法によって行われる。
即ち、まず油相原料を、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料との2種類に分け、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合し、乳化することにより行われる。
ここで、前記2種類の油相原料を各々単独に水相原料に添加する方法としては、各種の組み合わせが考えられるが、例えば、次の1)から3)のような基本的な方法が考えられる。
即ち、1)先ず第1の油相原料を水相原料に添加した後、次いで第2の油相原料を添加・混合し乳化する方法、2)先ず第2の油相原料を水相原料に添加した後、次いで第1の油相原料を添加・混合し乳化する方法、及び3)第1の油相原料及び第2の油相原料を水相原料に同時に添加・混合し乳化する方法が考えられる。
具体的には、次のようにして行うことができる。
即ち、先ず水以外の水相原料を、水等に分散・溶解して水相を調製する。
次に、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料を60〜70℃付近に加温して十分溶解させた後、40℃付近に保持する。この時、第2の油相原料も別途準備しておく。
次いで、調製された水相(水相原料)に、第1の油相原料及び第2の油相原料を、前記1)〜3)のいずれかの方法により、添加・混合し乳化することにより、本発明の水中油型乳化食品を製造することができる。
ここで、水相と油相とを混合・乳化する際の機械としては、市販の万能混合攪拌機、ホモミキサー、コロイドミル等を使用することができる。
上記請求項1〜4のいずれかに係る本発明により、目的とする水中油型乳化食品を製造することができる。
このようにして製造された水中油型乳化食品を提供するのが、請求項5に記載した本発明の水中油型乳化食品である。
請求項5に記載の本発明の水中油型乳化食品は、0℃又はそれ以下の温度で保管した後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても乳化安定性が良好なものである。
請求項4に係る本発明の水中油型乳化食品として、具体的には例えば、マヨネーズ、ドレッシング、スプレッド類、フィリング類などが挙げられ、特にこれらに限定されるものではないが、特には、半固体状のマヨネーズ、スプレッド類、フィリング類であることが好ましい。
次に、請求項6に規定する態様について説明する。
請求項6に係る本発明は、水中油型乳化食品の製造方法に関し、油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し、乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することを特徴とするものである。
ここで第1の油相原料と第2の油相原料とについては、請求項2に係る本発明に関する説明中に記載したとおりである。
また、水相原料についても、請求項2に係る本発明に関する説明中に記載したとおりである。
請求項6に係る本発明においては、そのような第1の油相原料と第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し、乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製し、その後、両者を混合することにより、目的とする水中油型乳化食品を製造するものである。
具体的には、次のようにして行うことができる。
即ち、先ず水以外の水相原料を、水等に分散・溶解して水相を調製する。この場合、必要に応じて、第1の油相原料と第2の油相原料とで、添加・混合する水相原料の組成を異なるものとすることもできる。
次に、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料を、60〜70℃付近に加温して十分に溶解させた後、40℃付近に保持する。この時、第2の油相原料も別途準備しておく。
次いで、第1の油相原料と第2の油相原料とを、それぞれ水相原料に添加・混合し、乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製する。水中油型乳化食品の調製は、請求項2に係る本発明の方法と同様にして行えばよい。
次いで、このようにして得られた2種類の水中油型乳化食品を混合することにより、目的とする水中油型乳化食品が得られる。
なお、水相と油相とを混合・乳化する際の機械としては、請求項1に係る本発明に関する説明中に記載したとおり、市販の万能混合攪拌機、ホモミキサー、コロイドミル等を使用することができる。
請求項6に係る本発明に用いる前記第1の油相原料の使用割合に関しては、請求項7に記載したように、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが10〜33質量%及び植物ステロールが0.3質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いることが好ましく、特に植物ステロール脂肪酸エステルが12〜31質量%及び植物ステロールが0.2質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いることがより好ましく、さらに植物ステロール脂肪酸エステルが20〜31質量%及び植物ステロールが0.2質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いることが最も好ましい。
ここで全油相原料量に対しての植物ステロール脂肪酸エステルの割合が33質量%を超えると、得られる水中油型乳化食品のシェアに対する乳化安定性が劣ってきたり、また、経済的にも好ましくない。
一方、全油相原料量に対しての植物ステロール脂肪酸エステルの割合が10質量%未満であると、得られる水中油型乳化食品についてコレステロール低下作用が十分に発揮されないことから好ましくない。なお、この場合、得られる水中油型乳化食品のシェアに対する乳化安定性は必ずしも劣りはしないが、本発明の効果が十分に見られるのは、10質量%を超えたときである。
また、請求項6に係る本発明において、水中油型乳化食品全量に含まれる全油相原料の割合、即ち、水中油型乳化食品全量に対しての、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した量の割合は、請求項8に記載のように、40〜60質量%が好まし、45〜55質量%がより好ましい。
ここで全油相原料の割合が60質量%を超えると、「前記第1の油相原料を水相原料に添加・混合し、乳化することで得られる水中油型乳化食品」及び/又は「前記第2の油相原料を水相原料に添加・混合し、乳化することで得られる水中油型乳化食品」の粘度が高くなり、両者の水中油型乳化食品を混合することが困難になるため、好ましくない。一方、全油相原料の割合が40質量%未満では、美味しくなくなるので、いずれも好ましくない。
なお、これら2種類の水中油型乳化食品を混合するにあたっては、いずれの粘度も室温(10〜30℃)で30,000mPa・s以下であることが好ましい。
上記請求項6〜8に係る本発明により、目的とする水中油型乳化食品を製造することができる。
このようにして請求項6〜8に係る本発明により製造された水中油型乳化食品を提供するのが、請求項9に記載した本発明の水中油型乳化食品である。
請求項9に記載の本発明の水中油型乳化食品は、0℃又はそれ以下の温度で保管した後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても乳化安定性が良好なものである。
請求項9に係る本発明の水中油型乳化食品として、具体的には例えば、マヨネーズ、ドレッシング、スプレッド類、フィリング類などが挙げられ、特にこれらに限定されるものではないが、特には、液体状のドレッシングであることが好ましい。
本発明は、以上の如きものである。
なお、本発明により製造される水中油型乳化食品が、0℃又はそれ以下の温度で保管した後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても良好な乳化安定性を示す理由については、必ずしも明らかではないが、次のように推測される。
第1の油相原料と第2の油相原料とに分けず、従って油相を第1の油相と第2の油相とに分けず、単一な油相として使用した水中油型乳化食品では、5℃以下の低温下に保管した場合、油水界面の安定性が低下するものと考えられ、この結果、攪拌する、振るなどのシェアを与えた場合、簡単に乳化が破壊され、低粘度化、更に油相分離に至るものと推測される。
それに対して、請求項1〜4に係る本発明から得られる、「油相を第1の油相と第2の油相とに分けて水相に混合することで得られた水中油型乳化食品」や、請求項6〜8に係る本発明から得られる、「油相を第1の油相原料と第2の油相原料とに分け、それぞれの油相を含有する2種の水中油型乳化食品を製造した後、両者を混合することで得られた水中油型乳化食品」では、第1の油相と第2の油相とを構成する油滴とが別々になったり、或いは第1の油相と第2の油相とが混合した油滴であっても、添加された植物ステロール脂肪酸エステルや植物ステロールの界面への影響が出る濃度以下であれば、油水界面の安定性は低下しないものと考えられる。
こうして得られた水中油型乳化食品では、0℃又はそれ以下の温度という低温下で保管した後にシェアを与えても、乳化安定性が良好なものと推測される。
次に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらにより何ら制限されるものではない。
試験例1〜5
[単一な油相を使用した水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後シェア耐性に及ぼす、植物ステロール脂肪酸エステルの添加量の影響]
(1)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の調製
表1に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
即ち、表1に示す配合にて、水相原料である卵黄、水飴(DE50)、食酢(10%酸度)、食塩、グルタミン酸ナトリウム及び水を混合・溶解して、水相(約15℃)を調製した。
一方、菜種油に、植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料をそれぞれ0、10、12、15及び17質量%添加・溶解して、単一な油相(約40℃)を調製した。
次いで、上記水相に、上記のようにして調製された油相原料を油相として添加し、ホモミキサー(プライミクス(株)製)にて混合し、次いで仕上げ乳化を行って、約30℃にて水中油型乳化食品を調製した。
なお、ここで用いた植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料(第1の油相原料)としては、植物ステロール脂肪酸エステルを98.7質量%及び植物ステロールを0.5質量%含有するものを使用した。
また、該植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料のステロール組成としては、シトステロール43.6質量%、カンペステロール24.6質量%、スティグマステロール20.6質量%及びブラシカステロール0.9質量%のものである。
(2)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後シェア耐性の評価
上記(1)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)について、低温保管後のシェア耐性の評価を以下のようにして行った。
約100g容の紙コップに、上記(1)で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)20〜30gを充填・サランラップでシールし、次いで0℃にて1、2及び3日間、また、−10℃にて1、2及び3時間保管した。
上記低温保管後、直ちに薬餌を用い、紙コップの壁面に水中油型食品(マヨネーズ)を擦り付ける強い攪拌を30秒間行った。
次いで、上記紙コップを室温に約1時間放置した後の水中油型乳化食品(マヨネーズ)の乳化状態を、以下の3段階で観察し、シェア耐性の評価を行った。
シェア耐性の評価は、経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表1に示す。
なお、この評価において、「安定」であれば、シェア耐性に優れているということができる。
[シェア耐性の評価]
・安定 :粘度の低下は小さく、油分離はしていない。
・やや不安定 :粘度は大きく低下するが、油分離はしていない。
・不安定 :粘度が大きく低下し、更に、油分離している。
Figure 0004670824
表1から明らかなように、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.93質量%(植物ステロール脂肪酸エステルが11.87質量%、植物ステロール濃度が0.06質量%)より低い濃度の単相油相原料を使用して得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、低温保管後のシェア耐性が良好なことが分かる。
即ち、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.93質量%より低い濃度であれば、油水界面の性質に大きな影響を及ぼすことがないため、結果的に水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後のシェア耐性が良好になるものと推測される。
一方、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.93質量%(植物ステロール脂肪酸エステルが11.87質量%、植物ステロール濃度が0.06質量%)以上の濃度の単相油相原料を使用して得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、低温保管後のシェア耐性が劣っていることが分かる。
即ち、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.93質量%以上の濃度であると、油水界面の性質に大きな影響を及ぼし、結果的に水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後のシェア耐性が劣ったものになることが推測される。
換言すると、油相原料を単相として、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計の油相中濃度が11.93質量%(約12質量%)以上になるように添加した場合、油水界面の性質に大きな影響を及ぼし、結果的に水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後シェア耐性が劣ったものになることが推測される。
このように、試験例1において、単相の油相原料を使用した水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後のシェア耐性に及ぼす、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの添加量の影響について、把握された。
そこで、次に油相原料を植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とに分け、各々単独に水相原料に添加・混合し乳化して得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、シェア耐性がどのように変化するかを、以下の実施例において実際に確認した。
実施例1〜3
(1)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の調製
表2に示す配合組成の原料を水中油型に乳化して、水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製した。
即ち、表2に示す配合にて、水相原料である、卵黄、水飴(DE50)、食塩、グルタミン酸ナトリウム、食酢(10%酸度)及び水を混合・溶解して水相(約15℃)を調製した。
実施例1では、上記のようにして調製した水相をホモミキサー(プライミクス(株)製)で攪拌しながら、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料(約40℃)を先に添加し、次いで、菜種油(第2の油相原料:約25℃)を添加・混合した後、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ:約30℃)を調製した。
実施例2では、上記のようにして調製した水相をホモミキサー(プライミクス(株)製)で攪拌しながら、菜種油(第2の油相原料:約25℃)を先に添加し、次いで植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料(約40℃)を添加・混合した後、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ:約30)を調製した。
実施例3では、上記のようにして調製した水相をホモミキサー(プライミクス(株)製)で攪拌しながら、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料(約40℃)と菜種油(第2の油相原料:約25℃)とを同時に添加・混合した後、仕上げ乳化を行って、水中油型乳化食品(マヨネーズ:約30℃)を調製した。
なお、第1の油相原料としては、植物ステロール脂肪酸エステルを98.7質量%、植物ステロールを0.5質量%含有するものを使用した。また、ステロール組成としては、シトステロール43.6質量%、カンペステロール24.6質量%、スティグマステロール20.6質量%及びブラシカステロール0.9質量%のものである。
(2)水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後シェア耐性の評価
実施例1〜3で得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)について、試験例1〜5と同様にして、低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1〜3において、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料と、菜種油(第2の油相原料)と、を混合した単相の油相原料を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜3と同様にして低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表3に示す。
比較例2
実施例1〜3において、全油相量は変化させずに、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料の水中油型乳化食品全量に対する比率を11.1質量%から12.6質量%に増加させ、かつ、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料と、菜種油(第2の油相原料)と、を混合した単相の油相原料を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜3と同様にして低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表3に示す。
比較例3
実施例1〜3において、生の卵黄の代わりに酵素処理卵黄を用い、かつ、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料と、菜種油(第2の油相原料)と、を混合した単相の油相原料を用いたこと以外は、実施例1〜3と同様にして水中油型乳化食品(マヨネーズ)を調製し、更に実施例1〜3と同様にして低温保管後のシェア耐性を評価した。
ここで、酵素処理卵黄は次のようにして調製した。
卵黄1kgに10,000IUのホスホリパーゼA2(ノボザイムズジャパン(株)製のレシターゼ10L)を添加し、3L容攪拌槽に充填し、50℃の品温及びpH6.5で3時間、酵素処理を行った。
次いで、1g(卵黄に対して1質量%)のプロテアーゼP(天野製薬(株)製)を添加して、更に3時間酵素処理を行って酵素処理卵黄を得た。結果を表3に示す。
Figure 0004670824
Figure 0004670824
表2の結果から明らかなように、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、菜種油(第2の油相原料)を各々単独に水相に添加・混合し乳化することにより得られた、実施例1〜3の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、何れも低温保管後のシェア耐性の良好なことが分かる。
これに対し、表3から明らかなように、油相を単相として調製された比較例1及び2の水中油型乳化食品(マヨネーズ)は、何れも低温保管後のシェア耐性の劣っていることが分かる。
比較例1及び2と比較して、実施例1〜3の水中油型乳化食品(マヨネーズ)が低温保管後に良好なシェア耐性を示すことは、次のように推測される。
即ち、油相を単相とした場合では、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料が油水界面の安定性に影響を及ぼすことが試験例1〜5から推測されたが、更にこれらの油相中に対する割合が、11.1質量%未満の濃度であると、低温保管後のシェア耐性が良好なことが把握された。
これら2種類の油相原料がお互いに混ざり合わず、2油相が完全に別々の油滴を形成したり、或いは2種類の油相原料が混じり合っても、それらの油相中に対する割合が、11.1質量%以下の濃度であると、油水界面の安定性への影響は比較的大きくないため、得られた水中油型乳化食品(マヨネーズ)の低温保管後のシェア耐性は良好であることが推測される。
これに対し、油相を単相として調製された比較例1及び2の水中油型乳化食品(マヨネーズ)が、何れも低温保管後のシェア耐性の劣っている理由としては、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料の油相中に対する割合が、12質量%以上であるため、0℃又はそれ以下の温度での保管後では、油水界面の安定性が影響を受け、低温保管後のシェア耐性が劣ってくるものと推測される。
また、未処理卵黄の代わりに、酵素処理卵黄を使用した比較例3の水中油型乳化食品(マヨネーズ)では、単相の油相原料を使用して調製されたものとしてはシェア耐性がやや改善される傾向が見られるが、実施例1〜3と比較して低温保管後のシェア耐性は不十分であり、改善されたとは言い難い。
酵素処理卵黄を使用した水中油型乳化食品(マヨネーズ)は、5℃付近の保管条件ではシェア耐性を有するものの、0℃又はそれ以下の温度でのシェア耐性は不十分であると言うことができる。
従って、実施例1〜3と比較例1,2との比較、及び実施例1〜3と比較例3との比較から、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを、各々単独に水相原料に添加・混合し乳化することにより、低温保管後でもシェア耐性の良好な水中油型乳化食品(マヨネーズ)が得られることが容易に理解される。
試験例6〜12
[単一な油相を使用した水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後シェア耐性に及ぼす、植物ステロール脂肪酸エステルの添加量の影響]
(1)水中油型乳化食品(ドレッシング)の調製
表4に示す配合組成の原料を水中油型に乳化し、水中油型乳化食品(ドレッシング)を調製した。
即ち、表4に示す配合にて、水相原料であるブドウ糖果糖液糖、醤油、すりゴマ、食酢(15%酸度)、ゴマパウダー、チーマージャン、食塩、卵黄、味噌パウダー、クエン酸、タマリンドガム及び水を混合・溶解して、水相(約15℃)を調製した。
一方、菜種油に、植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料を、それぞれ0、3、5、7、10、12及び14質量%添加・溶解して、単一な油相(約40℃)を調製した。
次いで、上記水相に、上記のようにして調製された油相原料を油相として添加し、ホモミキサー(プライミクス(株)製)にて混合し、次いで仕上げ乳化を行って、約25℃にて水中油型乳化食品を調製した。
なお、ここで用いた植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料(第1の油相原料)としては、植物ステロール脂肪酸エステルを98.7質量%及び植物ステロールを0.5質量%含有するものを使用した。
また、該植物ステロール脂肪酸エステルを含有する油相原料のステロール組成としては、シトステロール43.6質量%、カンペステロール24.6質量%、スティグマステロール20.6質量%及びブラシカステロール0.9質量%のものである。
(2)水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後シェア耐性の評価
上記(1)で得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)について、低温保管後のシェア耐性の評価を以下のようにして行った。
約50ml容の円柱ガラス瓶(内径3.1cm/高さ7.5cm)に、上記(1)で得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)40mlを充填・シールし、次いで0℃にて1日間保管した。
上記低温保管後、直ちに上記ガラス瓶を手にて30秒間激しく振盪した。
次いで、上記ガラス瓶を室温に約3時間放置した後の水中油型乳化食品(ドレッシング)の乳化状態を、以下の3段階で観察し、シェア耐性の評価を行った。
1回目評価の終了後、再び0℃にて1日間保管し、以下、同様にしてシェア耐性の評価を行い、繰り返し4回の評価を行った。
シェア耐性の評価は、経験豊かな5名のパネラーによる視覚観察の平均値で示した。結果を表4に示す。
なお、この評価において、「安定」であれば、シェア耐性に優れているということができる。
[シェア耐性の評価]
・安定 :油分離していない。
・やや不安定 :僅かに油分離している。
・不安定 :油分離している。
Figure 0004670824
表4から明らかなように、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.15質量%(植物ステロール脂肪酸エステルが11.09質量%、植物ステロール濃度が0.06質量%)より低い濃度の単相油相原料を使用して得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)では、低温保管後のシェア耐性が良好なことが分かる。
即ち、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.15質量%より低い濃度であれば、油水界面の性質に大きな影響を及ぼすことがないため、結果的に水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後のシェア耐性が良好になるものと推測される。
一方、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.15質量%(植物ステロール脂肪酸エステルが11.09質量%、植物ステロール濃度が0.06質量%)以上の濃度の単相油相原料を使用して得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)では、低温保管後のシェア耐性が劣っていることが分かる。
即ち、油相原料中の植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計が11.15質量%以上の濃度であると、油水界面の性質に大きな影響を及ぼし、結果的に水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後のシェア耐性が劣ったものになることが推測される。
換言すると、油相原料を単相として、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの合計の油相中濃度が11.15質量%(約11質量%)以上になるように添加した場合、油水界面の性質に大きな影響を及ぼし、結果的に水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後シェア耐性が劣ったものになることが推測される。
このように、試験例6〜12において、単相の油相原料を使用した水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後のシェア耐性に及ぼす、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールの添加量の影響について、把握された。
そこで、次に油相原料を植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とに分け、各々単独に水相原料に添加・混合し乳化して得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)では、シェア耐性がどのように変化するかを、以下の実施例において実際に確認した。
実施例4〜6
(1)水中油型乳化食品(ドレッシング)の調製
表5に示す配合組成の原料を水中油型に乳化して、水中油型乳化食品(ドレッシング)を調製した。
即ち、表5に示す配合にて、それぞれ前記第1の油相原料及び前記第2の油相原料に対応する水相原料である、ブドウ糖果糖糖液、醤油、すりゴマ、食酢(15%酸度)、チーマージャン、食塩、卵黄、味噌パウダー、クエン酸、タマリンドガム及び水を混合して水相(15℃)を調製した。
次に、上記のようにして調製した前記第1の油相原料に対応する水相をホモミキサー(プライミクス(株)製)で攪拌しながら、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料(約40℃)を、表5に示す配合にて添加・混合した後、仕上げ乳化を行って、前記第1の油相原料を含有する水中油型乳化食品(約20℃)を調製した。
同様に、上記のようにして調製した前記第2の油相原料に対応する水相をホモミキサー(プライミクス(株)製)で攪拌しながら、前記第2の油相原料を、表5に示す配合にて添加・混合した後、仕上げ乳化を行って、前記第2の油相原料を含有する水中油型乳化食品(約20℃)を調製した。
最後に、上記工程で得られた2種類の水中油型乳化食品を均一に混合して、実施例4〜6の水中油型乳化食品(ドレッシング)を調製した。
なお、第1の油相原料としては、植物ステロール脂肪酸エステルを98.7質量%、植物ステロールを0.5質量%含有するものを使用した。また、ステロール組成としては、シトステロール43.6質量%、カンペステロール24.6質量%、スティグマステロール20.6質量%及びブラシカステロール0.9質量%のものである。
(2)水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後シェア耐性の評価
実施例4〜6で得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)について、試験例6〜12と同様にして、低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表5に示す。
比較例4
実施例4において、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料と、第2の油相原料(菜種油)と、を混合した単相の油相原料を用い、更に、それぞれ第1の油相原料及び第2の油相原料に対応する水相原料を混合したものを水相原料として用いたこと以外は、実施例4と同様にして水中油型乳化食品(ドレッシング)を調製した。得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)について、実施例4〜6と同様にして低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表6に示す。
比較例5
実施例5において、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する、第1の油相原料と、第2の油相原料(菜種油)と、を混合した単相の油相原料を用い、更に、それぞれ第1の油相原料及び第2の油相原料に対応する水相原料を混合したものを水相原料として用いたこと以外は、実施例5と同様にして水中油型乳化食品(ドレッシング)を調製した。得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)について、実施例4〜6と同様にして低温保管後のシェア耐性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0004670824
Figure 0004670824
表5の結果から明らかなように、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料を含有する水中油型乳化食品と、菜種油(第2の油相原料)を含有する水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することにより得られた、実施例4〜6の水中油型乳化食品(ドレッシング)では、何れも低温保管後のシェア耐性の良好なことが分かる。
これに対し、表6から明らかなように、第1の油相原料及び第2の油相原料を混合した単相の油相を用いて調製された比較例4及び5の水中油型乳化食品(ドレッシング)は、何れも低温保管後のシェア耐性の劣っていることが分かる。
比較例4及び5と比較して、実施例4〜6の水中油型乳化食品(ドレッシング)が低温保管後に良好なシェア耐性を示すことは、次のように推測される。
即ち、油相を単相とした場合では、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料が油水界面の安定性に影響を及ぼすことが試験例6〜12から推測されたが、更にこれらの油相中に対する割合が、11.09質量%未満の濃度であると、低温保管後のシェア耐性が良好なことが把握された。
これら2種類の油相原料がお互いに混ざり合わず、2油相が完全に別々の油滴を形成したり、或いは2種類の油相原料が混じり合っても、それらの油相中に対する割合が、11.09質量%未満の濃度であると、油水界面の安定性への影響は比較的大きくないため、得られた水中油型乳化食品(ドレッシング)の低温保管後のシェア耐性は良好であることが推測される。
これに対し、油相を単相として調製された比較例4及び5の水中油型乳化食品(ドレッシング)が、何れも低温保管後のシェア耐性の劣っている理由としては、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料の油相中に対する割合が、22質量%以上(比較例4では22.29質量%、比較例5では26.75質量%)であるため、0℃又はそれ以下の温度での保管後では、油水界面の安定性が影響を受け、低温保管後のシェア耐性が劣ってくるものと推測される。
従って、実施例4〜6と比較例4,5との比較から、植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料と異なる第2の油相原料とから、それぞれ水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合する本発明の方法によれば、低温保管後でもシェア耐性の良好な水中油型乳化食品(ドレッシング)が得られることが容易に理解される。
本発明によれば、植物ステロール脂肪酸エステルを含有し、かつ、0℃又はそれ以下の温度に保管後に攪拌する、振るなどのシェアを与えても、乳化安定性の良好な水中油型乳化食品を提供することを可能にする。
即ち、本発明によれば、食餌コレステロールの吸収抑制効果をもつ植物ステロール脂肪酸エステルを含有し、かつ、低温で保管が可能なマヨネーズやドレッシングなどの水中油型乳化食品が提供される。
従って、本発明は、食品産業分野において有効に利用することができる。

Claims (9)

  1. 油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく乳化することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法。
  2. 油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とを事前に混合することなく、各々単独に水相原料に添加・混合し、乳化することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法。
  3. 前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが12〜17質量%及び植物ステロールが0.1質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いる、請求項2記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  4. 水中油型乳化食品全量に対して、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量が65質量%以上になるように前記第1の油相原料及び前記第2の油相原料を用いることを特徴とする、請求項2又は3に記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる水中油型乳化食品。
  6. 油相原料と水相原料を含む水中油型乳化食品を製造するにあたり、油相原料として、植物ステロール脂肪酸エステル、又は植物ステロール脂肪酸エステルと植物ステロールとを含有する第1の油相原料と、前記第1の油相原料とは異なる第2の油相原料とを用い、かつ、前記第1の油相原料と前記第2の油相原料とをそれぞれ水相原料に添加・混合し、乳化することにより、2種類の水中油型乳化食品を調製した後、両者を混合することを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法。
  7. 前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量に対して、植物ステロール脂肪酸エステルが10〜33質量%及び植物ステロールが0.3質量%以下になるように、前記第1の油相原料を用いる、請求項6記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  8. 水中油型乳化食品全量に対して、前記第1の油相原料の量と前記第2の油相原料の量とを合計した全油相原料量が40〜60質量%になるように前記第1の油相原料及び前記第2の油相原料を用いることを特徴とする、請求項6又は7に記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法により得られる水中油型乳化食品。
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