JP4323763B2 - ステロール脂肪酸エステル組成物とその製造方法及びそれを含有する食品 - Google Patents

ステロール脂肪酸エステル組成物とその製造方法及びそれを含有する食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステロールのエステル化度を90%より高くすることで、保存中においても結晶が形成しにくく、油脂含量の低い食品にも多量のステロール脂肪酸エステル組成物を含有することができ、同時に乳化及び酸乳安定効果が得られ、官能的に優れたステロール脂肪酸エステル組成物とその製造方法及びそれを含有する食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
大豆油や菜種油などの植物油脂の精製過程において、β-シトステロールをはじめとする多くのステロール類が不ケン化物の一部として得られるが、これらは血中コレステロールの低下作用をもつことが知られている。
【0003】
しかしながら、上記の遊離ステロールは油脂に対して難溶である。これに対し、脂溶性を改善するために、また、油脂食品への添加量の増加を高めるために、最近では、ステロール脂肪酸エステル組成物としての摂取が提案され、ステロール脂肪酸エステル入りマーガリンをはじめとする各種食品への添加も試みられている。
【0004】
しかし、食品中に遊離ステロールのみ混合されていたり、遊離ステロール/ステロール脂肪酸エステルの混合型を取っているものが多い(特開平11-127779、WO96/38047、WO99/56558)。これらの問題点として、遊離ステロールは油脂溶解性が1〜2%と低いため、食品中に大きなステロール結晶を形成し、製品品質に大きく影響することが挙げられる。例えば、遊離ステロールとして3%程度添加すると、食品中に結晶の形成が観察される。特に冷蔵保存する食品に関しては、この問題は避けて通れない課題となっている。
【0005】
この問題点を解決するため、少なくとも1重量%の遊離ステロール又はエステル化したステロールを含み、ステロールのエステル化度が40〜90%の範囲内である脂肪に基づく食品の報告がある(特開平11-127779)が、ステロールのエステル化度が40〜90%のエステル化したステロールを油脂中に多量に添加すると、最終的には食品の保存中にステロール又はステロール脂肪酸エステルの結晶が認められる。この結晶を融解させるためには、該食品を製造するにあたり、さらに食品の加温混合工程が必要となり、工程上煩雑になるといった問題点がある。また、該加温混合工程を追加することによって、さらにステロール脂肪酸エステル及びそれを含む食品が、食品成分の変性を含む熱劣化や、酸化等を引き起こし、商品価値を下げてしまうといった問題点がある。
【0006】
また、保存中にステロール脂肪酸エステルの結晶が発生することで、食品成分の不均質化や、食品の摂取時のざらつき等の官能の悪化、外観の悪化等商品として品質上好ましくない問題点があり、これらの問題の解決が望まれている。
【0007】
また、マヨネーズ、ドレッシング、アイスクリーム、チョコレートのような油脂を含有する食品は健康への配慮から、近年油脂含量減少の傾向が見られる。しかし、油脂含量減少により、ステロール及び/又はステロール脂肪酸エステルの食品への混合量は相対的に少なくなる傾向にある。少ない油脂含量の食品にいかに多くのステロール及び/又はステロール脂肪酸エステルを混合するかが、技術的に大きな課題となっている。
【0008】
一方、上述の食品の内、製造に乳化工程を伴うものに関しては、油脂含量が減ることで十分な乳化ができず、増粘剤や乳化安定剤などが添加されている。例えば、特開平3-91460に記載されているように、油脂含量の低い低カロリーマヨネーズの粘度低下防止のため、澱粉、グアガム、あるいはキサンタンガム等の増粘剤を添加することが行われている。しかし、増粘剤の添加により粘つき、べたつきが生じ、食感上好ましくない。これらを改善するため、食感を改良した澱粉や油脂代替物の添加(特開昭52-110870、特開平3-39065、特開平4-36393)や、増粘多糖類の組み合わせや新規物質の添加(特開昭60-41464、特開昭60-49763、特開昭63-173555、特開平2-227045、特開平2-227947)などの方法があるが、満足できうるものではない。現状、増粘剤や乳化安定剤の添加量をできるだけ少なくしている傾向があるが、油脂含量が少ない食品にはある程度の添加を余儀なくされている。
【0009】
また、製造に乳化工程を伴わない分離液状ドレッシングに関しては、ドレッシングを振った後もさっぱりした食感と風味を変えることなく、長時間均一な状態を保つものが求められている。これらの改善策としても、上述と同様、増粘剤等の添加があるが、これも粘つき、べたつきが生じ、さっぱりした食感が減少し、食感上好ましくない。
【0010】
また、上記課題に対して、特開2001-503623に記載されているように、血中コレステロールの低下効果がステロール脂肪酸エステルより大きいスタノール脂肪酸エステルを用いることによって、スタノール脂肪酸エステルの食品への添加量が相対的に少なくとも、血中コレステロールを低下させる効果を向上させる技術が開示されている。
【0011】
しかしながら、スタノール脂肪酸エステルの原料となるスタノールの殆どが、パルプの製造工程中の副産物として得られるか、又はステロールの水素添加の結果として得られるものであるため、安全性や消費者の嗜好の観点から、食品の原料として好ましいものではない。また、物質的にスタノールは、ステロールよりも融点が高いため、スタノール脂肪酸エステルの製造工程は、複雑化し用途も限定されるものであった。
【0012】
すなわち、油脂への溶解性、結晶化遅延、酸化防止、生理活性の強化、食品添加時の作業性などの観点からステロール脂肪酸エステルのエステル化度、脂肪酸の不飽和度、構成する脂肪酸種を調整する必要があり、本発明は係る背景、問題点に鑑み、なされたもので、本発明は数多くの実験を重ねて完成するに至ったものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の第1の目的は、保存中でも結晶が形成しにくく、油脂含量の低い食品にも多量のステロール脂肪酸エステル組成物を含有することができ、同時に乳化安定効果が得られ、官能的にも優れたステロール脂肪酸エステル組成物を含有する安全な食品を提供することを目的とする。
【0014】
本発明の第2の目的は、食品の保存中にステロール及びステロール脂肪酸エステル組成物の結晶の形成を低減化させ、高い酸化安定性を有したステロール脂肪酸エステル組成物及び、該ステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品を提供することである。
【0015】
本発明の第3の目的は、前記の性能や効果を有するステロール脂肪酸エステル組成物を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の通り、ステロール脂肪酸エステル入り食品の例は以前からあるが、遊離ステロール/ステロール脂肪酸エステルの混合型を取っているため、ステロール結晶形成の問題が発生していた。この問題を解決するため、例えば特開平11-127779の場合、ステロールのエステル化度が40〜90%の範囲で、脂肪中にエステル化されたステロールを60〜70%含むとあるが、本発明では、さらにエステル化度を90%より高くすることで、同様に保存中においてもステロール結晶が形成しにくく、油脂含量の低い食品にも多量のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する製品を得ることを可能とした。
【0017】
また、ステロール類及びそのエステルは、ビタミンD3及びステロイドホルモンの原料、乳化助剤、乳化安定剤として、また生理活性をもつ細胞間脂質として重要な役割を担っていることが知られている。今回、ステロール脂肪酸エステル組成物を添加することで、保存中でも結晶が形成しにくく、同時に乳化安定効果が得られ、油脂含量の低い食品にも一定の粘度のある油脂を含有する食品を得ることができ、かつ増粘剤や乳化安定剤などの添加量を低減することを可能とした。このことは、エステル化度を90%より高めた脂肪酸エステルが増粘剤や乳化安定剤などの添加剤として作用していることを示すものである。
【0018】
本発明のステロール脂肪酸エステルは、ステロールと脂肪酸類のエステルを指し、ステロール脂肪酸エステル組成物は、エステル化されたステロールと遊離ステロールの混合物を指す。ステロール類とはこの場合、大豆や菜種などをはじめとする植物に由来するステロールであればいずれでもよく、β-シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロールなどが挙げられる。本発明のステロールは、β-シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール等の1種類又は2種類以上を含有する混合物を使用していてもよい。さらに、これらステロールを含有する大豆脱臭スカム油、菜種脱臭スカム油、パーム脱臭スカム油や、ヒマワリ油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油等の脱臭スカム油やトール油等を使用してもよい。本発明は、これに限定する必要はなく、例えば、脱臭スカム油等から精製された純度の高いステロール粉末を使用してもよい。好ましくは、大豆や菜種等をはじめとする植物に由来するステロールであればいずれでもよい。また、脂肪酸類としては動物由来あるいは植物由来のC2-24飽和脂肪酸あるいは不飽和脂肪酸のいずれでもよい。ここで、不飽和脂肪酸とは二重結合を一つ以上有する脂肪酸と定義する。飽和脂肪酸として、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸として、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、エルカ酸等が挙げられ、これらの直鎖脂肪酸を使用する場合が多いが、イソラウリン酸、12-メチルミリスチン酸、15-メチルパルミチン酸、イソアラキドン酸等の分岐脂肪酸を使用してもよく、これらの1種類又は2種類以上を含有する混合物を使用していてもよい。ステロール脂肪酸エステル組成物の製造方法は、エステル化触媒として酵素を用いることが望ましい。
【0019】
ステロールのエステル化度は90%より高いものを使用し、ステロール脂肪酸エステル純度に換算すれば、ステロール種及び脂肪酸種により数値は変動するが、約93%以上高いものを使用する。
【0020】
そうすることで、保存中でもステロールの結晶が形成しにくく、油脂含量の低い食品にも多量のステロール脂肪酸エステル組成物を含有することができ、さらにこれによって増粘剤や乳化安定剤などの添加量を50%以下に低減でき、官能的にも優れ、食品を含む用途への利用が可能である。
【0021】
ここでエステル化度とは、ステロール脂肪酸エステル組成物中の遊離のステロール及びエステル化されたステロールをあわせた全ステロール重量に対するエステル化されたステロールの重量の割合(%)である。ステロール脂肪酸エステル純度とは、ステロール脂肪酸エステル組成物を含む油脂中のステロール脂肪酸エステルの重量濃度(%)に換算した数値である。
【0022】
すなわち、本発明においてエステル化度を90%よりも高く設定した理由は次の通りである。▲1▼エステル化度が90%より高い場合、高純度であるが故に結果的に遊離ステロール含量は少なくなり、他の任意に選択されるステロール類との混合の可能性があり、その利用範囲を拡大しやすい。▲2▼エステル化度が高いほど、構成する脂肪酸を選択することによりステロール脂肪酸エステルの特性を発揮しやすい。例えば、生理活性、食感、テクスチャーなどを選択し、強化できる機会を拡大できる。目的達成のためには、90%より高いエステル化度が有効である。▲3▼エステル化度を90%より高くした場合、食品中のステロール脂肪酸エステルの結晶化を遅くすることができる。また、血中のコレステロール低下作用を含む生理活性の向上が図られる。▲4▼エステル化度が高いほど極性が低下するため、油脂を含有する食品中への溶解速度が速くなり、食品の製造工程上有利である。▲5▼一定条件下では経時的に結晶化の傾向が認められるが、エステル化度が90%より高い場合では、製造工程上、コスト上において許容できる範囲に入るため、実質的に問題はない。したがって、エステル化度が93%以上の場合には、上記▲1▼〜▲5▼の効果がより大きく発揮されるため好ましい。
【0023】
また、エステル化度が90%より高い場合には、黄色脂肪酸スプレッド、マヨネーズ、ドレッシング、アイスクリーム、チョコレートへの利用によって結晶化防止、コストダウン、食感の改善、生理活性などにおいて、待望の目的を達成できる。
【0024】
また、エステル化度が93%以上の場合には、ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸が、付与される製品の品質に反映し影響を与えている。すなわち、マヨネーズ、ドレッシング、アイスクリームへのテクスチャー改質に著しい効果を期待できる。また、口内で独特で、かつ良好な食感を付与することが可能である。
【0025】
本発明者らは、更に、極めて有効であり新規で、かつ効果的な方法を提供するため鋭意研究を行なった結果、総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の割合が高くなると結晶が減少し、またステロールのエステル化度が増加すると結晶が減少するという実験的事実に鑑み、エステル化度が93%以上であり、かつ構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上で、該不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上であるステロール脂肪酸エステル及びステロールと脂肪酸のエステル化工程に酵素を利用することについてはじめて着目した。
【0026】
さらに、本発明は、ステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度が93%以上であり、かつ、構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上で、該不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上であるステロール脂肪酸エステル組成物を食品に使用することで、食品の保存中にステロール及びステロール脂肪酸エステル組成物の結晶の形成を低減化させ、高い酸化安定性を有することができ、従来よりも品質、安定性に優れた食品が得られることを見出した。
【0027】
本発明のステロール脂肪酸エステル組成物及びそれを使用した食品は、該ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸について、分子内に二重結合を一つ以上有する不飽和脂肪酸を有しており、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸から選ばれる少なくとも1種類又は2種類以上の混合物であることで、上記の作用、効果を十分付加させることができ、より商品価値の高い製品が提供できることをも見出した。
【0028】
本発明は、ステロール脂肪酸エステル組成物として、ステロールと脂肪酸のエステル化工程に酵素を利用することにより得られるステロール脂肪酸エステル組成物であり、ステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度が93%以上、好ましくは95%以上を使用する。該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上であり、好ましくは88重量%〜94重量%、より好ましくは88重量%〜92重量%であり、該不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上である。
【0029】
上述のように不飽和脂肪酸を含有させることによって、食品中の結晶化速度を遅延させることもでき、また食品の製造工程において、食品中にステロール脂肪酸エステル組成物を分散させやすく、食品の製造コストを低減させる効果も生じる。
【0030】
また、本発明においてステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める不飽和脂肪酸の割合いを88重量%以上と設定した理由は、88重量%より低ければ、結晶化速度が早くなり、食品の製造工程上、結晶の除去などの工程(ウィンタリング工程)が必要であるが、88重量%以上に設定した場合には、食品中の結晶化速度が遅くなり、またウィンタリング工程を簡略化でき、食品中にステロール脂肪酸エステルを分散させやすい。
【0031】
さらに、ステロール脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸の二重結合が一つ以上であると設定した理由は次の通りである。▲1▼一般に、構成する脂肪酸の原料となる植物油は、不飽和脂肪酸を一種類以上含有し安価に入手可能である。▲2▼不飽和脂肪酸を用いることで、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が有する有用な生理活性を保持することができる。▲3▼一般に、ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の不飽和脂肪酸の割合が高いほど、結晶化速度は遅くなる。▲4▼ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の不飽和度が高いほど、結晶化速度は遅くなり、生理活性が高くなる。▲5▼不飽和度の増大は、酸化速度を促進しやすい。一方、実質的、かつ工業的に利用可能で安価で、消費者の嗜好に合う食用油は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸を必ず含有する。
【0032】
本発明者らが数多くの実験を行った結果、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める不飽和脂肪酸の割合が88重量%以上であって、かつ不飽和脂肪酸の二重結合が一つ以上の場合において結晶化速度、酸化速度、生理活性、コストなどの要因から有利であるとの知見を得た。
【0033】
また不飽和度において、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の割合が94重量%以下に設定した理由は、94重量%より多く含有すると脂肪酸の酸化速度が加速度的に早くなり、かつ不飽和脂肪酸を94重量%以上含有する植物油は種類が少なく、製造コストが高くなる。よって、不飽和脂肪酸が94重量%以下の場合において酸化速度、製造コストの面から有利である。
【0034】
ステロール脂肪酸エステル組成物は、好ましくは、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合が、該ステロール脂肪酸エステルの分子内に二重結合が一つの不飽和脂肪酸が13〜45重量%、及び/又は二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸が45〜75重量%、及び/又は飽和脂肪酸が12重量%以下であり、好ましくは、ステロール脂肪酸エステル組成物は、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合が、同様に二重結合が一つの不飽和脂肪酸が13〜45重量%、及び/又は二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸が75重量%以下、及び/又は飽和脂肪酸が12重量%以下であり、より好ましくは、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合が、同様に二重結合が一つの不飽和脂肪酸であるオレイン酸が15〜30重量%、及び/又は二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸であるリノール酸並びにリノレン酸が合計70重量%以下、及び/又は飽和脂肪酸であるパルミチン酸並びにステアリン酸が12重量%以下であることが好ましい。
【0035】
上述のように不飽和脂肪酸を含有させることにより、食品におけるステロール脂肪酸エステルの結晶化速度を低減化させることができるとともに、酸化速度についても、食品としての許容範囲内に保持、低減化させることができる。
【0036】
すなわち、血中のコレステロール濃度の低下に有効な生理活性を奏し、又はステロール脂肪酸エステルの結晶化速度を低下させるには、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸等の二重結合が二つ以上の多価不飽和脂肪酸の割合を高くすることが望ましい。一方、ステロール脂肪酸エステルの酸化速度を低減する為には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸、及びパルミトレイン酸、オレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸等の二重結合が一つの不飽和脂肪酸を含む脂肪酸の割合を高くする必要がある。それぞれの有する作用、効果を求めるには、相対する矛盾を克服する必要がある。
【0037】
また、ステロール脂肪酸エステル組成物の品質管理上、製造工程上において、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等を含有する植物油は、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油、コーン油、ごま油、落花生油、米油、パーム油、オリーブ油、ハイオレイックオリーブ油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックコーン油等である。これらの植物油中に、一般に見出される全ての脂肪酸種を管理し、飽和脂肪酸、二重結合が一つ、二つもしくはそれ以上を有する不飽和脂肪酸のバランスを一定範囲に調整することは、実際的、実用的ではなく、製造工程等コスト的にも有用でない。例えば、ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸組成に注目した報告(WO9956558、WO20010721)があるが、飽和脂肪酸含量が7%以下、もしくは6%以下の実質的な植物油としては、オリーブ油、ハイオレイックオリーブ油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックコーン油等でもごく一部に存在することが知られているに過ぎない。その他、大多数の植物油の中で、生理活性の面、又は食品として重要な嗜好面、官能面等からも好まれる大豆油、ヒマワリ油、サフラワー油、コーン油、ごま油、落花生油、米油、パーム油、オリーブ油等は、一般的に、飽和脂肪酸が7.5%以上を有しており、そのまま利用することは困難である。これらの問題点を鑑み、本発明者らは、ステロール脂肪酸エステルの結晶化速度の低下、酸化速度の低減、生理活性の向上、必要コストの低減、食品としての嗜好面などから、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、サフラワー油、コーン油、ごま油、落花生油、米油、パーム油、オリーブ油等の利用可能性に着目した。すなわち、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等の多数の脂肪酸種の中から、食用油脂の主要な飽和脂肪酸であるパルミチン酸、ステアリン酸、二重結合が一つの不飽和脂肪酸であるオレイン酸、二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸であるリノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸を、一定範囲内含む脂肪酸を選択し調整する。すなわち、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合が、二重結合が一つの不飽和脂肪酸が13〜45重量%、かつ二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸が45〜75重量%、かつ飽和脂肪酸が12重量%以下にする。これらのことから、範囲内におけるステロール脂肪酸エステルの結晶化速度の最小化、酸化速度の最小化、生理活性の最大化、必要コストの最小化、食品として消費者の嗜好に好まれることが可能となった。また、一般的な植物油の中に、該脂肪酸は必ず存在し、かつ調整工程が簡便であり、品質管理の面からも有利である。本発明のステロール脂肪酸エステル組成物は、実際に使用可能であり、製品価値の高いステロール脂肪酸エステル組成物を提供する。
【0038】
つまり、従来技術として報告されているステロール脂肪酸エステルは、該ステロール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸種、含有範囲が限定されており、製造工程、製造コストの面から不利である。本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を製造するにあたり、酵素合成法を用い、実質的に入手可能な食用油脂の中から、適切な脂肪酸組成を有する油脂を選択して使用することが容易であり、安価に製造可能である。
【0039】
これら脂肪酸については精製された市販品を用いてもよいが、これらを含有する植物油、例えば、大豆油、菜種油、ヒマワリ油、菜種油、サフラワー油、コーン油、落花生油、米油、パーム油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油等をそのまま、又は混合して、あるいは脂肪酸とグリセリンに分解した後、脂肪酸を分画精製し使用してもよい。植物油脂類、又は脂肪酸類の分画方法としては、分子蒸留処理、カラム処理等の手法が挙げられるが特に限定されない。
【0040】
上述の植物油を使用した場合、コスト的にも有利であり、生理活性の面又は食品として重要な嗜好面や官能面からも好まれる。
【0041】
ステロール脂肪酸エステル組成物を製造する方法として、脂質分解活性を有するリパーゼやエステラーゼ等の酵素を使用して、上記のステロールと上記脂肪酸を基質とし、エステル化反応でステロール脂肪酸エステル組成物を合成する方法が挙げられる。一般に、基質の脂肪酸組成は、ステロール脂肪酸エステル組成物の脂肪酸組成を反映する。さらに、本発明では、脱臭スカム油を原料とし、脱臭スカム油中に含まれるトリアシルグリセロール等の脂肪酸エステル類をあらかじめ化学触媒による加水分解反応によって分解して、生成した脂肪酸類を分子蒸留処理により除去し、ステロールを含む画分を得る。このステロールを含む画分に任意のトリアシルグリセロールを主成分とする油脂を加えたものを原料として、脂質分解活性を有する酵素を触媒として厳密に制御された反応条件でステロール脂肪酸エステルの合成反応を行い、さらに食品として適当な品質を得るために数段階の精製処理を施して、トランス型脂肪酸をはじめとする劣化した脂肪酸を殆ど含まない、安全性の高い安価な食品用ステロール脂肪酸エステル組成物を酵素的に製造する方法が挙げられ、使用することができる。
【0042】
一般に化学合成では、その反応条件が過酷であるが故に、品質の劣化を招きやすいこと、副反応物が生成しやすい等の諸問題点があり、合成反応後の精製工程が非常に煩雑になることは避けられず、また食品あるいは医薬品等に使用する場合には、副反応物や反応触媒の混入が懸念されるという問題点があった。そこで、本発明は、化学合成法でなく、反応条件が温和で品質の劣化を引き起こしにくく、副反応物が生成しない酵素合成法によるステロールのエステル化を採用した。
【0043】
すなわち、本発明において酵素合成法によりエステル化するに際しては、エステル化度が90%より高くする工程を採用した。
【0044】
また、上記酵素合成法によりエステル化するに際しては、エステル化度を93%以上にする工程と、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上とする工程と、不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上とする工程を採用した。
【0045】
さらに、上記酵素合成法によりエステル化するに際しては、エステル化度を93%以上にする工程と、ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%〜94重量%とする工程と、不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上とする工程を採用した。
【0046】
本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品は、上記で得られたステロール脂肪酸エステル組成物を含有すればよい。すなわち、本発明は、ステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度が90%より高く、好ましくは93%以上であり、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上で、該不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上であるステロール脂肪酸エステル組成物を食品中に含有することを特徴とする。このような特徴を有するステロール脂肪酸エステル組成物を食品に使用することで、食品の保存中にステロール脂肪酸エステル組成物の結晶発生を低減化させることができる。本発明の食品におけるステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度は90%以上、好ましくは93%以上であり、構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸は、好ましくは、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸であり、さらに好ましくは、ステロール脂肪酸エステル組成物を構成する総脂肪酸中に占める割合が、二重結合が一つの不飽和脂肪酸であるオレイン酸が15〜30重量%、及び/又は二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸であるリノール酸並びにリノレン酸が合計70重量%以下、及び/又は飽和脂肪酸であるパルミチン酸並びにステアリン酸が12重量%以下であることが望ましい。また二重結合が少なくとも一つ以上である不飽和脂肪酸の総脂肪酸中に占める割合としては88重量%以上であり、好ましくは88重量%〜94重量%、より好ましくは88重量%〜92重量%である。これらの条件を満たす本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を食品に使用することで、食品の保存中にステロール及びステロール脂肪酸エステルの結晶の形成を低減化させ、酸化速度を遅延させ、高い酸化安定性を有することができ、従来よりも品質、安定性に優れた食品の提供が可能となる。さらに、本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が、92重量%以下であれば、結晶の発生が1ヶ月以上(25℃)認められないという効果を奏する。
【0047】
本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品は、例えば、食用油、マーガリン類、菓子、氷菓子、調味料、飲料、乳製品等が挙げられる。例えば、サラダ油、オリーブ油、コーン油、ゴマ油、大豆油、キャノーラ油等の食用油、ショートニング、ファットスプレッド、マーガリン等のマーガリン類、ビスケット、クッキー、ケーキ、キャンディ、ゼリー、チョコレート、せんべい、あられ、錠菓、和菓子等の菓子類、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット、フローズンヨーグルト等の氷菓子、醤油、味噌、ソース、たれ、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、ヨーグルト、チーズ、バター、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、牛乳等の乳、乳製品、清涼飲料、果汁飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、炭酸飲料等の飲料を指す。ここでいうマーガリン類は、日本農林規格によれば、上級マーガリン、標準マーガリン、調製マーガリン、ファットスプレッド(低脂肪スプレッド)に限定されるが、ここではこの意味に限定されない。また、ドレッシングには、乳化型と分離液状型があり、乳化型は低カロリーマヨネーズの様な半固体状ドレッシングと乳化液状ドレッシングがある。この場合、本発明で用いるステロール脂肪酸エステル組成物は、両方のタイプのドレッシングに使用できる。ステロール脂肪酸エステル組成物を添加することで、前者は増粘剤低減効果、後者はドレッシングを振った後の長時間分散効果が期待できる。
【0048】
また、本発明の食品の調製方法は、既知の方法のいずれかによって行うことができる。ステロール脂肪酸エステル組成物は、調製すべき食品の水相と組み合わせる前に、食品に対して1重量%以上を油相中に添加し溶解させるのがよい。
【0049】
本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品の調製方法は、既知の方法のいずれかによって行うことができる。本発明のステロール脂肪酸エステル組成物は、調製すべき食品の水相と組み合わせる前に、油相に添加し溶解させるのが適切であるが、限定されない。また、油を含まない食品に対しては、本発明のステロール脂肪酸エステル組成物をそのまま添加してもよいし、適宜、適当な乳化剤とともに添加してもよい。また、本発明の食品の形態としては、通常の食品形態の他、カプセル等の錠剤食、濃厚流動食、自然流動食、半消化体栄養食、成分栄養食、ドリンク栄養食等の経口経腸栄養食品、機能性食品等が挙げられる。本発明の食品には、さらに蛋白質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等を配合してもよい。
【0050】
本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品への添加量に関しては、特に限定がなく、油脂の種類、添加する食品配合及び食品形態等に応じて適宜決定すればよい。本発明のステロール脂肪酸エステル組成物含有食品に関し、ステロール脂肪酸エステル組成物の食品への添加量は、1重量%から50重量%、好ましくは3重量%から40重量%、さらに好ましくは10重量%から30重量%である。例えば、本発明のステロール脂肪酸エステル組成物は、成人に対する摂取量として、1〜5g/日が好ましいので、この摂取量を満たすように、本発明のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品を設計すればよい。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0052】
【実施例1】
大豆脱臭スカム油(ステロール含量11.5%)5,000gに0.2Nのエタノール性水酸化カリウム50Lを加え、60℃で2時間撹拌してトリアシルグリセロールをはじめとする脂肪酸エステル類の分解を行った。その後、0.4Nの塩酸により中和を行い、水洗を行ってエタノール、塩化カリウム、水酸化カリウム及びグリセリンを除去し、減圧下、80℃で脱水処理を行った。続いて、遠心式分子蒸留装置によって真空度1.5Pa、蒸発面温度120℃、続いて、真空度1.5Pa、蒸発面温度140℃で分子蒸留処理を行い、主として脂肪酸を留出画分として除去し、ステロールを含む残存画分1,900gを回収した。
【0053】
次に回収した上記のステロールを含む画分1,900gに菜種油(構成脂肪酸中、不飽和脂肪酸が92重量%)3,800gを加え、さらに水2,850mlに脂質分解活性を有する酵素粉末(360,000ユニット/g、キャンディダ属由来)8.3gを懸濁したものを加え、40℃で24時間撹拌しながらステロール脂肪酸エステルの合成反応を行った。その後、80℃に達温して30分間撹拌することにより、酵素失活処理、湯洗いを行い、減圧下、80℃で脱水処理を行った後、珪藻土11.5gを添加、撹拌し、酵素蛋白質除去のために濾過を行った。
【0054】
ついで、遠心式分子蒸留装置を使用して真空度1.5Pa、蒸発面温度150℃、続いて真空度1.5Pa、210℃で分子蒸留処理を行い、未反応の脂肪酸及びステロールを留出画分として除去した。次に該ステロール脂肪酸エステルを含む分子蒸留残存画分に対して5%の活性白土及び吸着剤及び分子蒸留残存画分に対して5倍量のヘキサンを添加して、室温で30分間撹拌し、その後濾過によって色素成分が吸着された活性白土、吸着剤を除去した。最後に、バッチ式水蒸気蒸留装置を使用して、真空度500Pa、蒸留温度130℃、蒸留時間1時間で水蒸気蒸留処理を行い、最終的に臭気成分が除去されたステロール脂肪酸エステル組成物を790g得ることができた。
【0055】
得られたステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度は99%で、ほぼ無味、無臭、淡黄色であり、構成脂肪酸中の不飽和酸含有量は92重量%であった。
【0056】
【実施例2】
上記実施例1を参考に、構成する脂肪酸がパルミチン酸のみからなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)、並びにオレイン酸のみからなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)をそれぞれ調製した。これらのステロール脂肪酸エステル組成物を表1に示す割合で混合した後、大豆油とともに80℃で加温し、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶を完全に融解させた。その後、大豆油にステロール換算で10重量%となるようにステロール脂肪酸エステル組成物を添加し、ボルテックスミキサーを使用して、1分間混合した。これを80℃で30分間加温した後、室温(25℃)まで放冷した。さらに25℃で6時間静置した後、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶の発生状況を肉眼にて全体観察した。
【0057】
その結果を表1に示した。サンプル1〜6の構成する脂肪酸であって不飽和脂肪酸含量87重量%以上のステロール脂肪酸エステル組成物は結晶が認められなかった。また、サンプル7のステロール脂肪酸エステル組成物は、結晶の発生が極めて少なく、大豆油に濁りは見られず透明感を維持し、底部に白色の極少量の沈殿が認められた。これらのことから、ステロール脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸含量が増大するほど、結晶の発生が抑制される傾向であった。
【0058】
また、サンプル1〜4の構成する脂肪酸が不飽和脂肪酸含量92重量%以上のステロール脂肪酸エステル組成物は、25℃で1ヶ月間静置にて保存しても結晶の発生は認められなかった。
【0059】
【表1】
Figure 0004323763
【0060】
【実施例3】
上記実施例1を参考に、構成する脂肪酸がパルミチン酸のみからなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)、並びにリノール酸のみからなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)をそれぞれ調製した。これらのステロール脂肪酸エステル組成物を表2に示す割合で混合した後、大豆油とともに80℃で加温し、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶を完全に融解させた。その後、大豆油にステロール換算で10重量%となるようにステロール脂肪酸エステル組成物を添加し、ボルテックスミキサーを使用して、1分間混合した。これを80℃で30分間加温した後、室温(25℃)まで放冷した。さらに25℃で6時間静置した後、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶の発生状況を肉眼にて全体観察した。
【0061】
その結果を表2に示した。サンプル1〜6の構成する脂肪酸が不飽和脂肪酸含量87重量%以上のステロール脂肪酸エステル組成物は結晶が認められなかった。また、サンプル7のステロール脂肪酸エステル組成物は、結晶の発生が極めて少なく、大豆油に濁りは見られず透明感を維持し、底部に白色の極少量の沈殿が認められた。これらのことから、ステロール脂肪酸エステルを構成する不飽和脂肪酸含量が増大するほど、結晶の発生が抑制される傾向であった。
【0062】
また、サンプル1〜4の構成する脂肪酸が不飽和脂肪酸含量92重量%以上のステロール脂肪酸エステル組成物は、25℃で1ヶ月間静置にて保存しても結晶の発生は認められなかった。
【0063】
【表2】
Figure 0004323763
【0064】
【実施例4】
上記実施例1を参考に、構成する不飽和脂肪酸含量が94重量%からなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)を調製した。構成する脂肪酸は、主な不飽和脂肪酸として、パルミトレイン酸5重量%、オレイン酸34重量%、リノール酸45重量%及びα-リノレン酸6重量%を含有し、飽和脂肪酸として、パルミチン酸4重量%及びステアリン酸1重量%を含有する。この得られたステロール脂肪酸エステル組成物を表3に示す量にて大豆油に添加し、ボルテックスミキサーを使用して、1分間混合した。これを80℃で30分間加温した後、室温(25℃)まで放冷した。さらに25℃で24時間静置した後、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶の発生状況を肉眼にて全体観察した。
【0065】
その結果を表3に示した。サンプル1〜7のステロール換算で50重量%以下は、結晶が認められなかった。サンプル8のステロール換算55重量%は、大豆油に濁りは見られず透明感を維持し、底部に白色の極少量の沈殿が認められた。
【0066】
【表3】
Figure 0004323763
【0067】
【実施例5】
上記実施例1を参考に、不飽和脂肪酸含量が89重量%からなるステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)を調製した。構成する脂肪酸として、不飽和脂肪酸は、オレイン酸28重量%、リノール酸55重量%及びα-リノレン酸6重量%を含有し、飽和脂肪酸は、パルミチン酸8重量%及びステアリン酸3重量%を含有する。この得られたステロール脂肪酸エステル組成物を使用し、酸化安定性試験を行った。
【0068】
酸化安定性試験については、ステロール脂肪酸エステル組成物5gを密封式試験管に入れ、該試験管内を窒素にて置換した後、密封した。条件は、60℃で7日間静置した後、POV(過酸化物価)を測定した。POVはAOCS,Cd86-90の方法に準じて測定した。
【0069】
その結果、POV値は、0日目が0.8、7日目が2.4と60℃の過酷な条件下においても、POV値の著しい上昇が抑えられた。このことから、本発明のステロール脂肪酸エステル組成物は、酸化に対する安定性が優れていることが示された。
【0070】
【実施例6】
醸造酢(酢酸5%)20部(重量部、以下同様)、砂糖4部、水30部、澱粉0.5部、食塩2部、L-グルタミン酸ナトリウム0.4部、ホワイトペッパー0.1部、マスタード0.1部、野菜エキス1.4部を混合調製し、これらを水相成分とした。これに予め混合しておいた菜種油10部とステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)10部を上述の水相成分に添加し、5分間、ミキサーにより混合撹拌した。残りの菜種油20部を添加し、ドレッシング用組成物とした。このドレッシング組成物を乳化機(コロイドミル)に通し、乳化液状ドレッシングを得た。その結果、澱粉が少ないにも関わらず粘度(20℃)は3000cpsと、通常の乳化液状ドレッシングと変わらず、増粘剤特有の粘つき、べたつきは殆ど感じられなかった。また一晩冷蔵保存(4℃)しても、ステロール結晶は形成されていなかった。
【0071】
【比較例1】
醸造酢(酢酸5%)20部、砂糖4部、水30部、澱粉3部、食塩2部、L-グルタミン酸ナトリウム0.4部、ホワイトペッパー0.1部、マスタード0.1部、野菜エキス1.4部を混合調製し、これらを水相成分とした。これに菜種油22.5部を上述の水相成分に添加し、5分間、ミキサーにより混合撹拌した。残りの菜種油20部を添加し、ドレッシング用組成物とした。このドレッシング用組成物をコロイドミルに通し、乳化液状ドレッシングを得た。その結果、粘度(20℃)は3200cpsであった。また、増粘剤特有のべたつきがあり、風味上問題が発生した。
【0072】
【実施例7】
醸造酢(酢酸5%)20部、砂糖5部、水30部、食塩4部、L-グルタミン酸ナトリウム0.4部、ホワイトペッパー0.1部、マスタード0.2部、野菜エキス2.5部を混合調製し、これらを水相成分とした。油相成分として菜種油35部とステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)5部を混合した。上述の水相成分と油相成分を4対6に混合し、分離液状ドレッシングを得た。その結果、一晩冷蔵保存(4℃)しても、ステロール結晶は形成されていなかった。また、ドレッシングを振った後の分散の様子は表4の様になり、30分後においても分散状態であった。
【0073】
【比較例2】
実施例6と同様の水相成分に菜種油を4対6に混合し、分離液状ドレッシングを得た。ドレッシングを振った後の分散の様子は表4の様になり、5分後には完全に油水分離をしていた。
【0074】
【表4】
Figure 0004323763
【0075】
【実施例8】
醸造酢(酢酸5%)10部、砂糖2.5部、水38部、澱粉2部、食塩1部、L-グルタミン酸ナトリウム0.4部、ホワイトペッパー0.1部、マスタード1部を混合調製し、これらを水相成分とした。これに予め混合しておいた菜種油20部とステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)10部を上述の水相成分に撹拌しながら注入し、十分混合した。次にコロイドミルにより十分乳化を行い、低カロリーマヨネーズを得た。その結果、粘度(20℃)50,000cpsと通常のマヨネーズと変わらず、澱粉量を通常の半量にしたことで、増粘剤特有の粘つき、べたつきは殆ど感じられなかった。また一晩冷蔵保存(4℃)しても、ステロール結晶は形成されていなかった。
【0076】
【比較例3】
菜種油30部を実施例8と同様配合の水相成分70部に撹拌しながら注入し、十分混合した。次にコロイドミルにより十分乳化を行い、低カロリーマヨネーズを得た。その結果、粘度(20℃)32,000cpsと実施例8と比べて低かった。
【0077】
【実施例9】
菜種硬化油(融点36℃)60部、綿実油17.7部、ステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%)20部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.3部を60℃で十分撹拌し、油相成分を得た。水20部に、少量のホエー蛋白質、風味剤、クエン酸を添加してpH4.5とし、これらを水相成分とした。油相成分40部と水相成分60部を60℃で混合した。以後、既知の方法で乳化、急冷、結晶化を行い、40%脂肪スプレッドを得た。得られた製品はステロール結晶を形成することはなかった。また、上述の配合比率の場合、通常1〜3部添加する乳化剤の量を減らしても製造時に何等問題は発生せず、良好な製品が得られた。
【0078】
【実施例10】
菜種硬化油(融点36℃)60部、綿実油17.7部、ステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%、構成脂肪酸中、不飽和脂肪酸としてオレイン酸が42重量%、リノール酸41重量%、並びにα-リノレン酸5重量%、及び飽和脂肪酸としてパルミチン酸4重量%、ステアリン酸7重量%)20部、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.3部を60℃で充分撹拌し、油相成分を得た。水20部に、少量のホエー蛋白質、風味剤、クエン酸を添加してpH4.5とし、これらを水相成分とした。油相成分40部と水相成分60部を60℃で混合した。以後、既知の方法で乳化、急冷を行い、40%脂肪スプレッドを得た。
【0079】
得られた本実施例のスプレッドについて、パネル10人による官能評価試験を行った。官能評価試験の試験項目は、色、外観、食味、臭い、舌触り、後味、風味について行った。
【0080】
官能評価試験の結果は、本実施例のスプレッドは、乳化の層がきめこまかく密であり、舌触り、後味等も良好な食感を有するものであった。また、外観の評価においても、スプレッドの表面は、艶やかであり、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶を形成することなく良好な製品であり、商品価値の高いスプレッドであった。
【0081】
また、本実施例のスプレッドを製造後、冷蔵した。冷蔵保存3日後においても、該スプレッド中にステロール脂肪酸エステル組成物の結晶は認められず、冷蔵前のスプレッドに比べて官能的に同じであった。
【0082】
【実施例11】
醸造酢(酢酸5%)20部、砂糖5部、水30部、食塩4部、L-グルタミン酸ナトリウム0.4部、ホワイトペッパー0.1部、マスタード0.2部、野菜エキス2.5部を混合調製し、これらを水相成分とした。油相成分として菜種油35部とステロール脂肪酸エステル組成物(エステル化度99%、構成脂肪酸中、不飽和脂肪酸としてオレイン酸が42重量%、リノール酸43重量%、並びにα-リノレン酸5重量%、及び飽和脂肪酸としてパルミチン酸3重量%、ステアリン酸7重量%)5部を混合した。上述の水相成分と油相成分を4対6に混合し、分離液状ドレッシングを得た。
【0083】
得られた本実施例の分離液状ドレッシングにおいて、製造後、常温保存1日目の該ドレッシングについて、パネル10人による官能評価試験を行った。官能評価試験の試験項目は、色、外観、食味、臭い、舌触り、後味、風味について行った。
【0084】
官能評価試験の結果は、本実施例の分離液状ドレッシングは、舌触り、後味等も良好な食感を有するものであった。また、外観の評価においても、分離液状ドレッシングの水相部及び油相部との分離状態における境界面は、きれいに分離しており、ステロール脂肪酸エステル組成物の結晶を形成することなく良好な製品であり、商品価値の高い分離液状ドレッシングであった。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により保存中でも結晶が形成しにくく、油脂含量の低い食品にも多量のステロール脂肪酸エステル組成物を含有することができ、同時に乳化安定効果が得られ、官能的に優れた油脂を含有する食品を得ることができる。
【0086】
本発明は、またステロールと脂肪酸のエステル化工程に酵素を利用することにより得られるステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品を提供するものである。すなわち、ステロール脂肪酸エステル組成物のエステル化度が93%以上であり、かつ、構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上で、該不飽和脂肪酸の二重結合が少なくとも一つ以上であるステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品を提供するものである。
【0087】
本発明によれば、食品の保存中に発生する結晶を低減化できるという著効を有する。
【0088】
本発明において、エステル化度が93%以上のステロール脂肪酸エステル組成物を使用し、かつ、構成する脂肪酸として、オレイン酸等二重結合を一つ以上有する不飽和脂肪酸を使用することにより、油脂への溶解度が低いステロールを極力排除することができる上に、高い酸化安定性を有するステロール脂肪酸エステル組成物を得ることが可能となった。

Claims (5)

  1. ステロールと脂肪酸のエステル化工程に酵素を利用することにより得られるステロール脂肪酸エステル組成物であって、ステロールのエステル化度が90%より高く、かつ、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合が88重量%以上であり、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合が、該ステロール脂肪酸エステルの分子内に二重結合が一つの不飽和脂肪酸が13〜45重量%、及び二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸が45〜75重量%、及び飽和脂肪酸が12重量%以下であることを特徴とするステロール脂肪酸エステル組成物。
  2. ステロールと脂肪酸のエステル化工程に酵素を利用することにより得られるステロール脂肪酸エステル組成物の製造方法であって、ステロールのエステル化度を90%より高くする工程と、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中の不飽和脂肪酸の占める割合を88重量%以上とし、該ステロール脂肪酸エステルを構成する総脂肪酸中に占める割合を、該ステロール脂肪酸エステルの分子内に二重結合が一つの不飽和脂肪酸を13〜45重量%、及び二重結合が二つ以上の不飽和脂肪酸を45〜75重量%、及び飽和脂肪酸を12重量%以下とする工程と、を含むことを特徴とするステロール脂肪酸エステル組成物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品。
  4. ステロール脂肪酸エステル組成物を食品に対して少なくとも1重量%以上含有することを特徴とする請求項に記載の食品。
  5. ステロール脂肪酸エステル組成物を含有する食品が、食用油、マーガリン類、菓子、氷菓子、調味料、飲料、乳製品から選択されることを特徴とする請求項3又は4に記載の食品。
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