JP5200814B2 - ナノインプリントモールド - Google Patents
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Description
以下、本発明のナノインプリントモールドについて、構成ごとに説明する。
まず、本発明における微細パターンおよび欠け防止パターンについて説明する。本発明における微細パターンは、後述する基板表面に形成されるものであり、通常、転写の対象となる微細なパターンである。一方、本発明における欠け防止パターンは、微細パターンの近傍に形成され、目的とするパターン形状の形成に寄与せず、洗浄時に生じる微細パターンの欠けを防止するものである。以下、本発明における微細パターンおよび欠け防止パターンについて、(1)パターンの材料、(2)パターンの形状に分けて説明する。
本発明における微細パターンおよび欠け防止パターンの材料は、特に限定されるものではなく、ナノインプリントモールドの種類に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、目的とするナノインプリントモールドが、光ナノインプリントモールドである場合は、少なくとも微細パターンが、所望の透過性を有する透明材料から構成されることが好ましい。このような透明材料としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、青板ガラス、ソーダガラス、BK−7等を挙げることができる。一方、目的とするナノインプリントモールドが、熱ナノインプリントモールドである場合、微細パターンおよび欠け防止パターンの材料は、必ずしも透明材料から構成されるものである必要はなく、金属材料等を用いることができる。このような金属材料としては、例えばSi(シリコン)、Ni(ニッケル)、酸化アルミニウム(サファイア)、Co(コバルト)、Au(金)、SiC(炭化シリコン)、InP(リン化インジウム)等を挙げることができる。また、本発明においては、微細パターンおよび欠け防止パターンの材料が同一であっても良く、異なっていても良い。製造工程を簡略化するという観点からは、微細パターンおよび欠け防止パターンの材料が同一であることが好ましい。両パターンを同時に形成することができるからである。
次に、発明における微細パターンおよび欠け防止パターンの形状について説明する。本発明においては、微細パターンの近傍に欠け防止パターンが形成される。ここで、図3に示すように、微細パターン2の側面と欠け防止パターン3の側面との距離をXとする。Xとしては、洗浄時に生じる微細パターンの欠けを抑制できる程度の値であれば特に限定されるものではないが、10nm〜100μmの範囲内であることが好ましく、15nm〜10μmの範囲内であることがより好ましく、22nm〜1μmの範囲内であることがさらに好ましい。両側面の間の距離が短すぎると、所望の転写を行うことが困難になる可能性があり、両側面の間の距離が長すぎると、微細パターンの欠けを充分に抑制することができない可能性があるからである。
次に、本発明に用いられる基板について説明する。本発明に用いられる基板は、その表面に上述した微細パターンおよび欠け防止パターンを有する。上記基板の材料は、ナノインプリントモールドの種類に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、目的とするナノインプリントモールドが、光ナノインプリントモールドである場合は、基板が所望の透過性を有する透明基板であることが好ましい。このような透明基板としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、青板ガラス、ソーダガラス、BK−7等からなるものを挙げることができる。一方、目的とするナノインプリントモールドが、熱ナノインプリントモールドである場合、基板は必ずしも透明基板である必要はなく、金属基板等を用いることができる。このような金属基板としては、例えばSi(シリコン)、Ni(ニッケル)、酸化アルミニウム(サファイア)、Co(コバルト)、Au(金)、SiC(炭化シリコン)、InP(リン化インジウム)等を挙げることができる。
本発明のナノインプリントモールドは、上述したように、基板、微細パターンおよび欠け防止パターンを有するものである。また、本発明のナノインプリントモールドは、光ナノインプリントモールドであっても良く、熱ナノインプリントモールドであっても良い。また、本発明のナノインプリントモールドの用途としては、LSI(半導体用回路)、光学デバイス(LED、CMOSセンサー)、記録メディア(ハードディスク)、ディスプレイ、マイクロ流路、バイオチップ等を挙げることができる。
次に、本発明のナノインプリントモールドの製造方法について記載する。本発明のナノインプリントモールドの製造方法は、上述したナノインプリントモールドを得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。また、本発明においては、微細パターンおよび欠け防止パターンを、それぞれ別個に形成しても良く、同時に形成しても良い。製造工程を簡略化するという観点からは、微細パターンおよび欠け防止パターンを同時に形成することが好ましい。この場合、微細パターンおよび欠け防止パターンの材料および高さは、通常、同一になる。
[実施例]
旭硝子製合成石英ガラス6025(以下、Qzと称する。)上にスパッタリング法でCr膜を15nm成膜した。Cr膜上には更に、日本ゼオン製電子線用レジストZEP520Aを100nm塗布した。基板を描画装置にて描画し、現像装置で現像した後、Crのドライエッチング装置で露出するパターン部分のCr膜をエッチングし、更に、Qzのドライエッチング装置でQz露出部分を200nmエッチングした。その後、レジスト膜、Cr膜を全て剥離した。これにより、図2(a)、図2(b)に示すように、微細パターン(長さ1μm、幅50nm、Qz深さ200nm、アスペクト比4)と、欠け防止パターン(長さ1μm、幅1μm、Qz深さ200nm、アスペクト比0.2)とを有するナノインプリントモールドを得た。なお、微細パターンの側面と、欠け防止パターンの側面との距離は、50nmであった。
欠け防止パターンを形成しなかったこと以外は、実施例と同様にして、ナノインプリントモールドを得た。これにより、図2(c)、図2(d)に示すように、微細パターン(長さ1μm、幅50nm、Qz深さ200nm、アスペクト比4)を有するナノインプリントモールドを得た。
実施例および比較例で得られたナノインプリントモールドを用いて、超音波による洗浄試験を行った。洗浄条件を以下に示す。
(洗浄条件)
・超音波装置:(株)カイジョー製、超音波洗浄機(型28101)
・超音波:周波数1MHz、出力30W
・使用水量:1L/min
・基板回転数:150rpm
・洗浄時間:5分
2 … 微細パターン
3 … 欠け防止パターン
Claims (9)
- 基板と、前記基板表面に形成された微細パターンと、前記基板表面かつ前記微細パターンの近傍に形成され、目的とするパターン形状の形成に寄与せず、洗浄時に生じる前記微細パターンの欠けを防止する欠け防止パターンと、を有し、
前記微細パターンの側面と、前記欠け防止パターンの側面との距離が、10nm〜100μmの範囲内であることを特徴とするナノインプリントモールド。 - 前記微細パターンおよび前記欠け防止パターンが、前記基板上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のナノインプリントモールド。
- 前記微細パターンおよび前記欠け防止パターンが、前記基板を削ることにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のナノインプリントモールド。
- 前記欠け防止パターンが、ライン状のパターンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のナノインプリントモールド。
- 前記欠け防止パターンの線幅が、200nm以上であることを特徴とする請求項4に記載のナノインプリントモールド。
- 前記欠け防止パターンのアスペクト比(高さ/線幅)が、0.5以下であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のナノインプリントモールド。
- 前記微細パターンがライン状のパターンであり、前記微細パターンの線幅が100nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載のナノインプリントモールド。
- 前記微細パターンおよび前記欠け防止パターンが同一の材料から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載のナノインプリントモールド。
- 前記微細パターンおよび前記欠け防止パターンの高さが同一であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載のナノインプリントモールド。
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