JP6102519B2 - テンプレート基板、テンプレートブランク、ナノインプリント用テンプレート、および、テンプレート基板の製造方法、並びに、テンプレート基板の再生方法 - Google Patents
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Description
このナノインプリントリソグラフィは、一度テンプレートを作製すれば、微細な凹凸形状を繰り返し転写成型でき、この転写工程には高額な露光装置(ステッパー)を用いないため、経済的にも有利である。
なお、本願においては、テンプレート基板の上にクロム(Cr)等のハードマスク層を形成した形態を、テンプレートブランクと呼ぶ。
それゆえ、製造コストの抑制を図る目的から、このような不良となったナノインプリント用テンプレートからテンプレート基板を再生することが求められている。
ここで、図11は、従来のテンプレート基板の再生方法の一例を示す説明図であり、(a)は当初のテンプレート基板、(b)は(a)のテンプレート基板を用いて作成されたテンプレート、(c)は(b)のテンプレートから再生されたテンプレート基板を示す。
また、図12は、従来のテンプレート基板の再生における課題を示す説明図である。
そして、再生前後でテンプレート基板の上記凸構造の上面のサイズ、すなわち、テンプレートの転写領域のサイズが変わってしまうと、被転写基板に設計された被転写領域とサイズが合わなくなり、特に、多面付けのインプリントを行う際に問題となる。
一方、上記の凸構造と上記のマークとを、それぞれ独立した別の工程で形成する場合には、工程数が増加して製造コストが増大してしまう。また、凸構造とマーク間の相対位置精度も劣化してしまうおそれがある。
(L3+D2)×H3/D2<L2<L3
の関係を満たす位置に、前記第2のエッチングマスクを配設することを特徴とする請求項6に記載のテンプレート基板の製造方法である。
図1は、本発明に係るテンプレート基板の一例を示す説明図であり、(a)は概略平面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。
図1に示すように、本発明に係るテンプレート基板1は、第1の面10aと、第1の面10aに対向する第2の面10bとを有し、第1の面10aに、上面12が転写領域となる第1の凸構造11と、マーク等を構成する第2の凸構造13を有している。
第1の凸構造11は、上面12を含む上部構造11aと、テンプレート基板1の第1の面10aに接する下部構造11bから構成されており、上部構造11aの側面は、上面12に対して垂直に形成されている。一方、下部構造11bは、断面視において、第1の凸構造11aの上面側の幅よりも、第1の面10aに接する側の幅が大きくなる略台形状の形態を有している。
そして、第2の凸構造13の高さは、第1の凸構造11の下部構造11bの高さよりも低くなっている。
また、第1の凸構造11の上部構造11aの側面が、上面12に対して垂直に形成されているため、本発明に係るテンプレート基板1を用いて製造されたナノインプリント用テンプレートにおいては、再生のために研磨される深さ(研磨取代)が、上部構造11aの高さの範囲内であれば、再生の前後において転写領域のサイズが変化してしまうことを防止できる。
また、上部構造11aの高さを、再生のために研磨される深さ(研磨取代)の複数倍にしておくことで、本発明に係るテンプレート基板1においては、複数回の再生も可能となる。
このような形態であれば、インプリント工程において、テンプレートの転写領域を湾曲させることで、テンプレートと樹脂の間に気泡が残留することを抑制することができ、また、テンプレートと樹脂との離型も容易に行うことができるからである。
図2に示すように、第1の凸構造11の下部構造11bの高さをH2とし、第2の凸構造13の高さをH3とし、断面視において、第2の凸構造13を挟んで対向する、第1の凸構造11の上面12の外縁(ME)と、第1の面10aの外縁(OE)との水平方向の距離をL1とし、第2の凸構造13の頂点(MP)と、第1の面10aの外縁(OE)との水平方向の距離をL2とした場合、本発明に係るテンプレート基板1においては、第2の凸構造13の高さH3が、0<H3<H2×L2/L1の関係を満たすことが好ましい。
それゆえ、テンプレートを被転写基板上の樹脂に押し当てる際に、テンプレートが被転写基板に対して平行ではなく傾きを持っていたとしても、この場合は、先に、第1の面10aの外縁(OE)が被転写基板や樹脂と接触することになり、第2の凸構造13が、被転写基板や樹脂と接触してしまうということは生じない。
なお、上述のように、第1の凸構造11の上部構造11aの側面は、上面12に対して垂直に形成されているため、図2に示すように、第2の凸構造13を挟んで対向する、第1の凸構造11の上部構造11aと下部構造11bの境界面の外縁(MM)と、第1の面10aの外縁(OE)との水平方向の距離もL1になる。
また、一例として、第1の凸構造11は、上面12の大きさを26mm×33mm程度とし、下部構造11bの高さH2を30μm程度とすることができる。
上部構造11aの高さH1は、再生のための研磨取代の深さや、再生される回数にもよるが、例えば、数μm〜100μm程度の範囲とすることができる。
また、第2の凸構造13は、光学的手法や物理的手法等によって、識別できる大きさを有していればよく、その高さH3は、第1の凸構造11の高さにもよるが、例えば、0.1μm〜30μm程度の範囲とすることができる。
また、第2の面10bに形成される窪み部14は、一例として、平面形状を直径60mm程度の円形とし、深さを5mm程度とすることができる。
次に、本発明に係るテンプレートブランクについて説明する。
図3は、本発明に係るテンプレートブランクの一例を示す概略断面図である。
図3に示すように、本発明に係るテンプレートブランク40は、上述の本発明に係るテンプレート基板1の第1の凸構造11の上面12の上に、転写パターン形成用のエッチングマスクとなるハードマスク層41を有するものである。
また、本発明に係るテンプレートブランクにおいては、図3に示すテンプレートブランク40のように、第2の凸構造13の上にも、ハードマスク層41が形成されていることが好ましい。転写パターン形成用のエッチングにおいて、第2の凸構造13がエッチングされてしまうことを防止できるからである。
ハードマスク層41を形成する方法には、例えば、スパッタ法、CVD法、ALD法(原子層堆積法)等の成膜技術を用いることができる。
次に、本発明に係るナノインプリント用テンプレートについて説明する。
図4は、本発明に係るナノインプリント用テンプレートの一例を示す概略断面図である。
図4に示すように、本発明に係るナノインプリント用テンプレート50は、上述の本発明に係るテンプレート基板1の第1の凸構造11の上面12に、凹凸形状の転写パターン51が形成されているものである。
転写パターン51の凹形状の深さD51は、目的とする転写パターンによっても変わるが、例えば、数十nm程度の大きさである。
ここで、第1の凸構造11の上部構造11aの側面は、上面12に対して垂直に形成されているため、テンプレート50においては、再生のために研磨される深さ(研磨取代)が、上部構造11aの高さの範囲内であれば、再生の前後において転写領域52(すなわち第1の凸構造11の上面12)のサイズが変化してしまうことを防止できる。
また、上部構造11aの高さを、再生のために研磨される深さ(研磨取代)の複数倍にしておくことで、複数回の再生もできる。
そして、転写パターンの形状不良や欠陥を生じて不良となったテンプレートからテンプレート基板を再生することで、テンプレートの製造コストの増大化を抑制することができる。
次に、本発明に係るテンプレート基板の製造方法について説明する。
図5は、本発明に係るテンプレート基板の製造方法の一例を示す概略工程図である。
本発明に係るテンプレート基板1を製造するには、図5(a)に示すように、まず、第1の凸構造11を形成するための第1のエッチングマスク31と、第2の凸構造13を形成するための第2のエッチングマスク32と、を表面側である第1の面20aに備えた基材20を準備する。
このドライエッチングにより、第1のエッチングマスク31の下には、第1の面20aに対して垂直な側面を有する構造21が形成され、第2のエッチングマスク32の下には、第1の面20aに対して垂直な側面を有する構造22が形成される。
なお、ドライエッチングした深さD1は、テンプレート基板1における第1の凸構造11の上部構造11aの高さH1に相当する。
このウェットエッチングによって、第1のエッチングマスク31の下には、上部構造11aと下部構造11bから構成される第1の凸構造11が形成され、第2のエッチングマスク32があった位置の下には、第2の凸構造13が形成される。なお、このウェットエッチングにより、第2のエッチングマスク32は、基材20から分離される。
なお、ウェットエッチングした深さD2は、テンプレート基板1における第1の凸構造11の下部構造11bの高さH2に相当する。
なお、図5においては、裏面側である第2の面20bに、窪み部14が形成されている基材20を用いた例を示したが、本発明においては、これに限定されず、テンプレート基板1を製造する工程の何処かで窪み部14を形成してもよい。
ここで、図6は、本発明に係るテンプレート基板の製造方法の要部を説明する図であり、上記の図5(c)から図5(d)までの工程をより詳しく説明するものである。
なお、ドライエッチングした深さD1は、テンプレート基板1における第1の凸構造11の上部構造11aの高さH1に相当する。
なお、ウェットエッチングした深さD2は、第1の凸構造11の下部構造11bの高さH2に相当する。また、上記の垂直な側面の後退幅Weは、原理的には、ウェットエッチングの深さD2と等しい大きさになる。
それゆえ、第1の凸構造11と第2の凸構造13を、それぞれ独立した別の工程で形成する場合に比べて、工程数を減らすことができ、製造コストも低減できる。また、第1の凸構造11と第2の凸構造13間の相対位置精度についても、信頼性の高い精度を維持できる。
(L3+D2)×H3/D2<L2<L3
の関係を満たす位置に、第2のエッチングマスク32を配設することが好ましい。
上述の図2を用いた説明と同様に、図7においても、0<H3<H2×L2/L1の関係を満たす限り、第2の凸構造13の頂点(MP)は、第2の凸構造13を挟んで対向する、第1の凸構造11の上部構造11aと下部構造11bの境界面の外縁(MM)と、第1の面10aの外縁(OE)とを結ぶ面(図7においては破線で示されている)よりも低くなる。
また、ウェットエッチングした深さD2は、第1の凸構造11の下部構造11bの高さH2に相当し、上部構造11aの垂直な側面の後退幅Weは、原理的には、ウェットエッチングの深さD2と等しい大きさになる。
すなわち、H2=D2であり、L1=L3+We=L3+D2である。
これらを、先の0<H3<H2×L2/L1に代入することにより、
(L3+D2)×H3/D2<L2
の関係が導き出される。
なお、図7にも示すように、水平方向において、第2のエッチングマスク32は、第1の面10aの外縁(OE)と第1のエッチングマスク31の間に配設されることから、
L2<L3
であることは明らかである。
次に、本発明に係るテンプレート基板の再生方法について説明する。
本発明に係るテンプレート基板の再生方法は、上記の本発明に係るテンプレート基板を再生する方法であって、第1の凸構造の下部構造を残しつつ、第1の凸構造の上部構造の上面側を研磨することによって、第1の凸構造に新たな上面を形成するものである。
図8は、本発明に係るテンプレート基板の再生方法の一例を示す説明図であり、(a)は当初のテンプレート基板、(b)は(a)のテンプレート基板を用いて作成されたテンプレート、(c)は(b)のテンプレートから再生されたテンプレート基板を示す。
それゆえ、このテンプレート基板1の第1の凸構造11の上面12に、凹形状の深さがD51の転写パターン51を形成してテンプレート50を作成し(図8(b))、次に、このテンプレート50を用い、第1の凸構造11の上面12を研磨することによって、転写パターン51を除去し、テンプレート基板60を再生した場合(図8(c))、この再生されたテンプレート基板60の第1の凸構造61の上面62のサイズを、当初のテンプレート基板1の第1の凸構造11の上面12と同じサイズにすることができる。
ここで、図9は、本発明に係るテンプレート基板の再生前の構造と再生後の構造の関係を説明する図である。
図9に示すように、再生前の第1の凸構造の上部構造11aは、上面12に対して垂直な側面を有している。それゆえ、再生のために研磨される深さ(研磨取代)D62の大きさが、上部構造11aの高さH1の大きさ以下であれば、再生後の上部構造61aの上面62の幅W62は、再生前の上部構造11aの上面12の幅W12と同じサイズになる。
なお、本発明において、当初の上部構造11aの高さH1を、再生のために研磨される深さ(研磨取代)の複数倍にしておけば、複数回の再生も可能となる。
10a・・・第1の面
10b・・・第2の面
11・・・第1の凸構造
11a・・・上部構造
11b・・・上部構造
12・・・上面
13・・・第2の凸構造
14・・・窪み部
20・・・基材
20a・・・第1の面
20b・・・第2の面
21、22・・・構造
31・・・第1のエッチングマスク
32・・・第2のエッチングマスク
40・・・テンプレートブランク
41・・・ハードマスク層
50・・・テンプレート
51・・・転写パターン
52・・・転写領域
60・・・テンプレート基板
61・・・第1の凸構造
61a・・・上部構造
62・・・上面
101・・・テンプレート基板
110a・・・第1の面
110b・・・第2の面
111・・・凸構造
113・・・マーク
114・・・窪み部
150・・・テンプレート
151・・・転写パターン
152・・・転写領域
161・・・凸構造
162・・・上面
Claims (8)
- ナノインプリント用テンプレートに用いられるテンプレート基板であって、
第1の面と、該第1の面に対向する第2の面とを有し、
前記第1の面に、第1の凸構造と第2の凸構造を有し、
前記第1の凸構造は、該第1の凸構造の上面を含む上部構造と、前記第1の面に接する下部構造から構成されており、
前記上部構造の側面は、前記第1の凸構造の上面に対して垂直に形成されており、
前記下部構造は、断面視において、前記第1の凸構造の上面側の幅よりも、前記第1の面に接する側の幅が大きくなる形態を有しており、
前記第2の凸構造の高さは、前記第1の凸構造の下部構造の高さよりも低いことを特徴とするテンプレート基板。 - 前記第1の凸構造の下部構造の高さをH2とし、
前記第2の凸構造の高さをH3とし、
断面視において、
前記第2の凸構造を挟んで対向する、前記第1の凸構造の上面の外縁と、前記第1の面の外縁との水平方向の距離をL1とし、
前記第2の凸構造の頂点と、前記第1の面の外縁との水平方向の距離をL2とした場合に、
前記第2の凸構造の高さH3が、
0<H3<H2×L2/L1
の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のテンプレート基板。 - 前記第2の面に、平面視において、前記第1の凸構造と重なり、かつ、前記第1の凸構造よりも広い面積を有する窪み部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテンプレート基板。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のテンプレート基板の前記第1の凸構造の上面の上に、転写パターン形成用のエッチングマスクとなるハードマスク層を有することを特徴とするテンプレートブランク。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のテンプレート基板の前記第1の凸構造の上面に、凹凸形状の転写パターンが形成されていることを特徴とするナノインプリント用テンプレート。
- 請求項1に記載のテンプレート基板を製造する方法であって、
前記第1の凸構造を形成するための第1のエッチングマスクと、前記第2の凸構造を形成するための第2のエッチングマスクと、を備えた基材を準備する工程と、
前記基材をドライエッチングする工程と、
前記基材をウェットエッチングする工程と、
を順に備え、
前記基材をウェットエッチングする深さをD2とした場合に、
前記第1のエッチングマスクの有する幅W1が、
W1>2×D2
の関係を満たし、
前記第2のエッチングマスクの有する幅W2が、
0<W2<2×D2
の関係を満たすことを特徴とするテンプレート基板の製造方法。 - 前記基材をウェットエッチングする深さをD2とし、
形成する前記第2の凸構造の高さをH3とし、
断面視において、
前記第2のエッチングマスクを挟んで対向する、前記第1のエッチングマスクの外縁と、前記第1の面の外縁との水平方向の距離をL3とし、
前記第2のエッチングマスクの中心と、前記第1の面の外縁との水平方向の距離をL2とした場合に、
前記距離L2が、
(L3+D2)×H3/D2<L2<L3
の関係を満たす位置に、前記第2のエッチングマスクを配設することを特徴とする請求項6に記載のテンプレート基板の製造方法。 - 請求項1に記載のテンプレート基板を再生する方法であって、
前記第1の凸構造の下部構造を残しつつ、前記第1の凸構造の上部構造の上面側を研磨することによって、前記第1の凸構造に新たな上面を形成することを特徴とするテンプレート基板の再生方法。
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