JP2012009776A - 基板作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に形成されるアライメントマークと台座の相対的な位置ずれを低減する。
【解決手段】台座付き基板を作製する方法として、アライメントマーク5が形成された台座形成領域1aと台座非形成領域1bを覆う状態でネガ型のレジスト層6を形成する第1工程と、均し基板10の平坦面10aをレジスト層6の表面に密着させて均す第2工程と、均し基板10側から露光光を照射してレジスト層6を露光する第3工程と、露光後のレジスト層6を現像して得られるレジストパターンをマスクに用いて基板1をエッチングすることにより台座を形成する第4工程とを有する。そして、第2工程でレジスト層6を均すことにより、台座形成領域1a上のレジスト層6と台座非形成領域1b上のレジスト層6との間に、不溶化するのに必要な露光量の差を生じさせ、第4工程にて台座形成領域1aにレジストパターンが形成されるように、第3工程にて露光光の露光条件を設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、たとえば、インプリント技術を実施する際に用いて好適な基板作製方法に関する。
フォトリソグラフィ法を用いたインプリント技術が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。このインプリント技術は、元型基板と被転写基板とを用いて、凹凸のパターンを転写する技術である。かかる技術においては、予め、元型基板の一主面に凹凸のパターンを形成する一方、被転写基板の一主面にレジスト層を形成しておく。そして、被転写基板を加熱してレジスト層を軟化させ、この状態で元型基板の凹凸のパターンを被転写基板のレジスト層に接触させて加圧することによりレジスト層を変形させる。さらに、その状態で被転写基板を冷却または露光してレジスト層を硬化させる。そうすると、元型基板の凹凸のパターンの、凹と凸の関係を反転させたかたちのパターンが、被転写基板のレジスト層に転写(形成)される。
こうしたインプリント技術は、たとえば、サブマスターモールドと呼ばれる元型基板を利用してハードディスク用途の記録メディアを作製する場合や、マスターモールドと呼ばれる元型基板を利用して、上記のサブマスターモールドを作製する場合などに利用されている。また、サブマスターモールドは、プリメサ基板と呼ばれる基板を素材に製造される。プリメサ基板とは、記録メディア等の外径に対応した外径をもって基板の中央部分に凸状の台座が設けられた基板(以下、「台座付き基板」とも記す)をいう。サブマスターモールドは、このプリメサ基板にインプリント技術によってマスターモールドの凹凸のパターンを転写することにより作製される。
プリメサ基板は、光透過性を有するガラス基板を素材に用いて作製される。また、プリメサ基板には、位置合わせのためのマーク(以下、「アライメントマーク」とも記す)が設けられる。このアライメントマークは、たとえば、マスターモールドとプリメサ基板との相対的な位置合わせや、このプリメサ基板を素材として作製されるサブマスターモールドを利用して記録メディアを作製する場合に、この記録メディアとの位置合わせのために利用される。
上記のアライメントマークは、プリメサ基板を作製する工程で付される。このため、プリメサ基板の一連の作製工程のなかには、その素材となるガラス基板にアライメントマークを形成するための工程(以下、「アライメントマーク形成工程」と記す)と、上記ガラス基板に台座を形成するための工程(以下、「台座形成工程」と記す)がある。
特開2009−206339号公報
従来のプリメサ基板の作製工程には、次のような問題があった。
すなわち、アライメントマーク形成工程では、アライメントマークの形状に対応した遮光パターンを有する露光マスクを用いてレジスト層を露光し、その後、現像によって得られるレジストのパターン(以下、「レジストパターン」と記す)をエッチングのマスクに用いて、ガラス基板にアライメントマークを形成している。同様に、台座形成工程では、台座の外径に対応した遮光パターンを有する露光マスクを用いてレジスト層を露光し、その後、現像によって得られるレジストのパターンをエッチングのマスクに用いて、ガラス基板に台座を形成している。
このため、アライメントマークの位置と台座の位置を相対的に合わせるには、先行して形成されるアライメントマークの位置に合わせて、台座形成用の露光マスクを位置合わせする必要がある。その際、露光装置の精度上、どうしても位置合わせの誤差が生じる。こうした誤差は、アライメントマーク形成用の露光マスクと、台座形成用の露光マスクとの相対的な位置ずれとなる。そして、この位置ずれが、プリメサ基板の主面と平行な面内において、アライメントマークと台座の相対的な位置ずれとなって現れる。この位置ずれは、プリメサ基板からサブマスターモールドを作製する際のパターン位置などの精度、ひいてはサブマスターモールドにより生産される製品の精度にも少なからず影響を与える。
本発明の主たる目的は、アライメントマークが形成された台座付き基板を作製するにあたって、アライメントマークと台座の相対的な位置ずれを低減し、パターン精度を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
基板中央部の台座形成領域に凸状の台座が設けられ、かつ、前記台座の上面にアライメントマークが形成された台座付き基板を作製する基板作製方法であって、
前記台座付き基板の元になる基板の一主面を、前記台座を形成するための台座形成領域とそれ以外の台座非形成領域とに区分し、前記アライメントマークが形成される部分以外の前記台座形成領域をマスクで覆った状態で前記基板をエッチングする第1の工程と、
前記アライメントマークが形成された前記台座形成領域および前記台座非形成領域を覆う状態で、ネガ型のレジストからなるレジスト層を形成する第2の工程と、
平坦面を有する光透過性の均し基板を用いて、前記均し基板の平坦面を前記基板の一主面と平行に配置しつつ前記レジスト層の表面に密着させることにより、前記台座形成領域上および台座非形成領域上のレジスト層を均す第3の工程と、
前記レジスト層に前記均し基板を密着させた状態のもとで、前記均し基板側から露光光を照射することにより前記レジスト層を露光する第4の工程と、
前記露光後の前記レジスト層を現像することで前記台座形成領域に形成されたレジストパターンをマスクに用いて、前記基板をエッチングすることにより、前記基板の一主面上に前記台座を形成する第5の工程と、
を有し、
前記第3の工程にてレジスト層を均すことにより、前記台座形成領域上のレジスト層と前記台座非形成領域上のレジスト層との間に、不溶化するのに必要な露光量の差を生じさせ、前記第5の工程にて前記台座形成領域にレジストパターンが形成されるように、前記第4の工程にて前記レジスト層に照射される露光光の露光条件を設定する
ことを特徴とする基板作製方法である。
本発明の第2の態様は、
前記第4の工程において、
前記台座形成領域を覆っている前記レジスト層を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE1とし、前記台座非形成領域を覆っている前記レジスト層を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE2とし、前記レジスト層に露光光を照射したときに当該レジスト層に蓄積される露光量をE3とした場合に、
E1≦E3<E2
の条件を満たすように、前記レジスト層に照射される露光光の露光条件を設定する
ことを特徴とする上記第1の態様に記載の基板作製方法である。
本発明の第3の態様は、
前記第1の工程においては、前記アライメントマークをサブミクロンオーダーまたはミクロンオーダーの幅で形成する
ことを特徴とする上記第1または第2の態様に記載の基板作製方法である。
本発明の第4の態様は、
前記第1の工程において、前記台座非形成領域のエッチング深さ寸法は、前記アライメントマークの深さ寸法よりも大きい
ことを特徴とする上記第1、第2または第3の態様に記載の基板作製方法である。
本発明の第5の態様は、
前記第1の工程においては、前記基板の一主面よりも前記露光光の反射率が高いマスク材料を用いて形成したマスクで前記台座形成領域を覆った状態で前記基板をエッチングし、
前記第2の工程においては、前記マスク材料を用いて形成したマスクを覆う状態で前記レジスト層を形成する
ことを特徴とする上記第1〜第4の態様のいずれか一つに記載の基板作製方法である。
本発明の第6の態様は、
前記第1の工程においては、前記アライメントマークを0.1μm以上、2μm以下の幅で形成する
ことを特徴とする上記第3の態様に記載の基板作製方法。
本発明によれば、アライメントマークが形成された台座付き基板を作製するにあたって、アライメントマークと台座の相対的な位置ずれを低減し、パターン精度を向上させることができる。
インプリント技術を用いたサブマスターモールドの作製工程と、インプリント技術を用いた記録メディアの作製工程とを説明する概略図である。 本発明の実施の形態に係る基板作製方法の工程フロー図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る基板作製方法の工程フロー図(その2)である。 本発明の実施の形態に係る基板作製方法の工程フロー図(その3)である。 本発明の実施の形態に係る基板作製方法の工程フロー図(その4)である。
まず、本発明の実施の形態を説明するのに先立って、インプリント技術を用いたサブマスターモールドの作製工程と、インプリント技術を用いた記録メディアの作製工程について、図1を用いて説明する。
サブマスターモールド101を作製する工程では、予め凸状の台座102が形成されたプリメサ基板103を基材とする。そして、プリメサ基板103の台座102の部分に、マスターモールド100を元型基板としたインプリント技術により微細な凹凸のパターン101aを形成(転写)する。
その際、マスターモールド100全体をプリメサ基板103に密着させて、マスターモールド100のパターン100aを転写すると、その後で基板を剥離しづらくなる。このため、プリメサ基板103側にたとえば15μm程度の台座102を形成して基板を剥離しやすくしている。また、基板相互の位置合わせを行うために、プリメサ基板103の台座102の上面に図示しないアライメントマークを形成している。
一方、記録メディア104を作製する工程では、上記のサブマスターモールド101を元型基板として、当該サブマスターモールド101の凹凸のパターン(マスターモールド100のパターン100aの凹凸を反転したパターン)101aをインプリント技術により記録メディア104に形成(転写)する。これにより、マスターモールド100のパターン100aと同様のパターンをもつ記録メディア104が得られる。
続いて、本発明の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態に係る基板作製方法は、好適には、上述のようにインプリント技術を用いて記録メディアを作製する場合に、元型基板として用いられるサブマスターモールドの元になるプリメサ基板を作製する方法として適用されるものである。ただし、本発明はこれに限らず、記録メディアを作製する用途以外の用途、あるいはインプリント技術以外の用途で、台座付き基板を作製する場合に適用してもかまわない。以下、プリメサ基板を作製する場合について説明する。
本発明の実施の形態に係る基板作製方法は、以下に記述する複数の工程を含む。
1.ハードマスク層形成工程
2.第1のレジスト層形成工程
3.第1の露光工程
4.第1の現像工程
5.ハードマスクエッチング工程
6.第1の基板エッチング工程(アライメントマーク形成)
7.第1のレジスト除去工程
8.第2のレジスト層形成工程
9.レジスト層の均し工程
10.第2の露光工程
11.第2の現像工程
12.第2の基板エッチング工程(台座形成)
13.第2のレジスト除去工程
14.ハードマスク除去工程
以下、各工程について順に説明する。
<1.ハードマスク層形成工程>
まず、図2(A)に示すように、プリメサ基板の素材(元)となる基板1を用意して、この基板1の第1の主面上にハードマスク層2を形成する。ここでは、基板1の表裏2つの主面のうち、基板1の一方の主面を「第1の主面」とし、他方の主面を「第2の主面」とする。基板1としては、たとえば、光透過性を有するガラス基板を用いる。基板1は、一般にプリメサ基板用途では円形の基板が用いられる。ただし、本発明を実施するにあたっては、円形の基板に限らず、たとえば、四角形等を含む多角形の基板であってもよい。ハードマスク層2としては、たとえば、クロムからなる単層の金属層、またはクロムを含む単層の金属層(合金層)を形成する。
<2.第1のレジスト層形成工程>
次に、図2(B)に示すように、基板1の第1の主面上に、上記のハードマスク層2を覆う状態で、レジスト層3を形成する。レジスト層3は、後述する「ハードマスクエッチング工程」でエッチングに用いるマスク(レジストパターン)を形成するためのものである。レジスト層3は、たとえば、ポジ型のレジストを用いて、スピンコート法等によって形成する。
<3.第1の露光工程>
次に、図2(C)に示すように、基板1の第1の主面側に露光マスク4を配置し、この状態で基板1の第1の主面側(図の上側)から露光マスク4を介して露光光を照射することにより、上記のレジスト層3を露光する。図中の点線の矢印は、露光光を示している。露光マスク4は、たとえば、光透過性の基板(ガラス基板等)に、遮光性の成膜材料(たとえば、クロム等)を用いて、露光用の遮光パターン4aを形成した構造になっている。本実施の形態においては、レジスト層3がポジ型のレジストで形成されている。このため、露光マスク4を通して露光したレジスト層3の一部(感光された部分)が可溶化する。そこで、露光マスク4の遮光パターン4aは、基板1の第1の主面上において、後述するアライメントマークと台座の形成位置に対応した所定のパターン形状をもって形成されている。具体的には、遮光パターン4aの中央部分には、アライメントマークの形状に対応した開口パターンが形成されている。また、遮光パターン4aは、全体的にみると台座の外径に対応した円形のパターンとなっており、この遮光パターン4aの内側に上記アライメントマークの形状に対応する開口パターンが形成されている。
<4.第1の現像工程>
次に、図2(D)に示すように、上記第1の露光工程で露光されたレジスト層3の一部を現像によって除去することにより、レジストパターン3aを形成する。この場合は、上記第1の露光工程で露光されなかったレジスト層3の他部が、現像後にレジストパターン3aとなって残る。このレジストパターン3aは、上述した遮光パターン4aの外形にならって平面視円形のパターンとなり、その外径は、上述した遮光パターン4aの外径(台座の外径)に対応したものとなる。そして、基板1の第1の主面上においては、レジストパターン3aの外形(最外周部)で規定される円形の領域が、後述する台座を形成するための台座形成領域1aとなり、それ以外のドーナツ型の領域が台座非形成領域1bとなる。また、レジストパターン3aは、後述するアライメントマークの形状に対応した開口部Hを含んだものとなる。
<5.ハードマスクエッチング工程>
次に、図3(A)に示すように、上記のレジストパターン3aをマスクに用いて、ハードマスク層2をクロムエッチング液でエッチングする。これにより、レジストパターン3aと同様の平面形状をもってハードマスク層2の一部がエッチングされる。そして、このエッチング後においては、ハードマスク層2の他部(エッチングされなかった部分)がハードマスク2aとなって残り、このハードマスク2aの上にレジストパターン3aが積層された状態となる。この場合、ハードマスク2aの外径は、後述する台座の外径に対応したものとなる。なぜなら、ハードマスク層2のエッチングに用いたレジストパターン3aの外径が、上述した露光マスク4の遮光パターン4aに対応し、さらにこの遮光パターン4aの外径が、上述した台座の外径に対応しているからである。また、ハードマスク層2のエッチングに際しては、上述した開口部Hがハードマスク層2の厚みに応じて掘り下げられる。このため、エッチングによって得られるハードマスク2aの開口形状は、アライメントマークの形状に対応したものとなる。また、基板1の台座形成領域1aにおいては、アライメントマークが形成される部分(開口部H)以外の部分が、ハードマスク2aによって覆われた状態となる。
<6.第1の基板エッチング工程(アライメントマーク形成)>
次に、図3(B)に示すように、上記のレジストパターン3aとハードマスク2aとを用いて、基板1をたとえばドライエッチングする。これにより、基板1の第1の主面(表面)にアライメントマーク5が形成される。このアライメントマーク5は、上述した開口部Hを掘り下げるかたちで断面凹状に形成される。このため、アライメントマーク5は、開口部Hの開口形状にならったものとなる。また、アライメントマーク5は、基板1のエッチング量に応じて、たとえば、0.1μmの深さで形成される。さらに、基板1の第1の主面上において、ハードマスク2aおよびレジストパターン3aが積層されていない台座非形成領域1bは、アライメントマーク5の形成と同時進行でエッチングされる。このため、基板1の第1の主面には、台座形成領域1aと台座非形成領域1bの境界に位置して段付き部9が形成される。この段付き部9は、ハードマスク2aの外周部に沿うように平面視円形に形成される。
また、上述したようにアライメントマーク5が形成される部分以外の台座形成領域1aをハードマスク2aで覆った状態で基板1をエッチングすると、段付き部9の段差で規定される台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法が、アライメントマーク5の深さ寸法よりも大きくなる。その理由を以下に記述する。
まず、本実施の形態においては、アライメントマーク5をサブミクロンオーダーまたはミクロンオーダーの幅で形成する。サブミクロンオーダーとは、0μm超、1μm未満のサイズのオーダーをいう。また、ミクロンオーダーとは、1μm以上、10μm以下のサイズのオーダーをいう。アライメントマーク5の幅は、たとえば、アライメントマーク5の平面視形状が、長方形、十字形、弧状などであれば、マークの短手方向の寸法で規定されるものである。
このようにアライメントマーク5を微細なパターンで形成すると、台座形成領域1aと台座非形成領域1bでエッチング量(エッチング深さ)に差が生じる。さらに詳説すると、台座形成領域1aでは、上記の微細な寸法でアライメントマーク5を形成すべく局所的にエッチングすることになる。これに対して、台座非形成領域1bでは、ミリオーダー以上の広い面積を一様にエッチングすることになる。このため、たとえば、基板1のエッチングにドライエッチング法を適用すると、台座形成領域1aのアライメントマーク形成部位では、その微細さゆえにエッチングガスが供給されにくくなる。一方、台座非形成領域1bでは、上記アライメント形成部位よりもエッチングガスが供給されやすくなる。したがって、台座形成領域1a(アライメントマーク形成部位)と台座非形成領域1bでエッチング速度を比較すると、台座形成領域1aのほうがエッチング速度が速くなり、その分だけエッチング量(エッチング深さ寸法)が大きくなる。その結果、台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法が、アライメントマーク5の深さ寸法よりも大きくなる。
<7.第1のレジスト除去工程>
次に、図3(C)に示すように、基板1の第1の主面上から上記のレジストパターン3aを除去する。レジストパターン3aの除去は、たとえば、レジスト剥離液によって行う。
<8.第2のレジスト層形成工程>
次に、図3(D)に示すように、上記のハードマスク2aを含めて、台座形成領域1aおよび台座非形成領域1bを覆う状態で、基板1の第1の主面上にレジスト層6を形成する。レジスト層6の形成は、ネガ型のレジストを用いて行う。レジスト層6の膜厚については、少なくとも台座形成領域1aおよび台座非形成領域1bを含む基板1の全面がレジスト層6によって覆われるように設定する。また、レジスト層6は、スピンコート法等によって形成する。これにより、基板1の第1の主面全域にわたってレジスト層6が形成される。このとき、レジスト層6の表面は、上述した段付き部9とハードマスク2aによる凸形状にならって、基板1の台座形成領域1a上が高位となり、それよりも外側の台座非形成領域1b上が低位となる。ちなみに、台座形成領域1aにおいては、上述のようにアライメントマーク5を微細なパターンで形成しておけば、アライメントマーク5の形成部位でレジスト層6の表面が局所的にへこむことがなく、仮にへこんだとしても無視しうる程度の僅かなへこみにとどまる。
<9.レジスト層の均し工程>
次に、図4(A)に示すように、均し基板10を用いてレジスト層6を平坦に均す。均し基板10は、光透過性を有する基板であって、たとえば、石英ガラスを用いて構成される。均し基板10としては、基板1の外径と同じか、基板1の外径よりも大きい外径を有する平らな基板を用いるとよい。均し基板10は、少なくとも一方の主面を平坦面10aとしたものである。
均し基板10を用いてレジスト層6を均す場合は、上記図4(A)に示すように、均し基板10の平坦面10aが基板1の第1の主面と対向する向きで均し基板10を配置する。次に、その状態から均し基板10と基板1を相対的に接近移動させる。そうすると、この移動の途中で、図4(B)に示すように、均し基板10の平坦面10aが基板1のレジスト層6の表面に接触する。このとき、均し基板10の平坦面10aを基板1の第1の主面と平行に配置しつつ、均し基板10の平坦面10aをレジスト層6の表面に接触させる。さらに、その接触状態を維持したまま、均し基板10の平坦面10aをレジスト層6に押し付けるようにして、均し基板10の平坦面10aをレジスト層6の表面に密着させる。この「密着状態」においては、均し基板10と基板1とが対向する部分において、均し基板10の平坦面10aがレジスト層6の表面に隙間なく均一に接触(密着)した状態となる。
<10.第2の露光工程>
次に、図4(C)に示すように、均し基板10を用いて均した状態のレジスト層6を露光光の照射により露光する。図中の点線の矢印は、露光光を示している。この露光工程においては、上述した「密着状態」のもとで、図示のように均し基板10側から露光光を照射することによりレジスト層6を露光する。この露光に先立って、上述のように均し基板10でレジスト層6を均すことにより、台座形成領域1a上のレジスト層6と台座非形成領域1b上のレジスト層6との間に、不溶化するのに必要な露光量の差を生じさせる。そして、後述する「第2の現像工程」において、台座形成領域1aだけにレジストパターンが形成されるように、レジスト層6に照射される露光光の露光条件を設定する。この露光条件は、たとえば、露光光の強度、露光時間(照射時間)などを調整パラメータとして設定すればよい。
また、レジスト層6に照射される露光光の露光条件に関しては、以下の条件を満たすように設定する。
すなわち、台座形成領域1aを覆っているレジスト層6を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE1とし、台座非形成領域1bを覆っているレジスト層6を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE2とし、レジスト層6に露光光を照射したときにレジスト層6に蓄積される露光量をE3とした場合に、「E1≦E3<E2」の条件を満たすように、レジスト層6に照射される露光光の露光条件を設定する。
実際に上記の露光量の関係を満たすように露光条件を設定してレジスト層6を露光した場合は、台座非形成領域1bを覆っているレジスト層6が不溶化せず、台座形成領域1aを覆っているレジスト層6だけが不溶化する。これは、台座非形成領域1bを覆っているレジスト層6の膜厚が、台座形成領域1aを覆っているレジスト層6の膜厚よりも厚く、その分だけ不溶化に必要とされる露光量が多くなるためである。
ちなみに、アライメントマーク5の形成部位(断面が凹状となる部分)については、そこにレジスト材料が入り込むことによって、局所的にレジスト層6の膜厚が厚くなる。このため、台座形成領域1a内において、アライメントマーク5の形成部位におけるレジスト層6の膜厚は、台座非形成領域1bを覆っているレジスト層6の膜厚に近いものとなる。ただし、アライメントマーク5の開口縁では、露光光の反射が顕著になり、この反射によってアライメントマーク5の開口縁におけるレジスト材料の不溶化が促進される。このため、仮にアライメントマーク5の形成部位(凹状部分)に入り込んだレジスト材料が不溶化しなくても、そこを閉塞するかたちで台座形成領域1a上のレジスト層6が不溶化する。また、前述したように、アライメントマーク5を微細な幅で形成しておけば、アライメントマーク5の深さ寸法に比べて、段付き部9の段差寸法(台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法)が大きくなる。このため、上述した露光条件の設定を最適化すれば、台座非形成領域1bを覆っているレジスト層6を不溶化することなく、アライメントマーク5の形成部位に入り込んだレジスト材料を不溶化することができる。
<11.第2の現像工程>
次に、図5(A)に示すように、上記第2の露光工程で不溶化しなかった台座非形成領域1b上のレジスト層6を現像によって除去することにより、上記ハードマスク2aの上にレジストパターン6aを形成する。これにより、現像後においては、上記第2の露光工程で不溶化したレジスト層6が、台座形成領域1aにレジストパターン6aとして残る。このレジストパターン6aの外径は、ハードマスク2aの外径に対応したものとなる。また、前述したように、ハードマスク2aの外径は、後述する台座の外径に対応したものとなっている。このため、レジストパターン6aの外径は、台座の外径に対応したものとなる。
<12.第2の基板エッチング工程(台座形成)>
次に、図5(B)に示すように、レジストパターン6aをマスクに用いて、基板1をエッチングする。これにより、基板1の第1の主面に、凸状に台座7が形成される。この場合、エッチングによって形成される台座7の段差(エッチング量)は、たとえば前述したように15μmに設定されるため、このエッチングを短時間で行うにはウェットエッチングを採用することが望ましい。ウェットエッチングを採用した場合、基板1のエッチングは、基板1の厚み方向だけでなく、基板1の半径(縮径)方向にも進行する。このため、エッチングによって形成される台座7の外径は、ハードマスク2aおよびレジストパターン6aの外径よりも小さくなる。したがって、ハードマスク2aの外径については、エッチングよって縮径する分をあらかじめ見込んで設定しておけばよい。また、基板1のエッチングに際しては、台座7の部分に形成されているアライメントマーク5がハードマスク2aとレジストパターン6aに覆われた状態で保護される。このため、アライメントマーク5は、エッチングによって消失することなく、元の形状および深さのままに維持される。
<13.第2のレジスト除去工程>
次に、図5(C)に示すように、基板1の第1の主面上から上記のレジストパターン6aを除去する。レジストパターン6aの除去は、たとえば、硫酸過水によって行う。
<14.ハードマスク除去工程>
次に、図5(D)に示すように、基板1の第1の主面上から上記のハードマスク2aを除去する。ハードマスク2aの除去は、たとえば、クロムエッチング液によって行う。
以上の工程により、アライメントマーク5と台座7を第1の主面側に有する基板(プリメサ基板)1が得られる。
<実施の形態の効果>
本発明の実施の形態に係る基板作製方法においては、次のような効果が得られる。
すなわち、基板1の第1の主面を、台座形成領域1aと台座非形成領域1bとに区分し、アライメントマーク5が形成される部分以外の台座形成領域1aをハードマスク2aで覆った状態で基板1をエッチングしている。そして、その後の工程で、基板1の第1の主面全域を覆うレジスト層6を均し基板10で均すことで、台座形成領域1a上のレジスト層6と台座非形成領域1b上のレジスト層6との間に、不溶化するのに必要な露光量の差を生じさせ、その状態でレジスト層6を露光・現像して得られるレジストパターン6aをマスクに用いて台座7を形成している。このため、アライメントマーク5の形成位置にあわせて自己整合的に台座7が形成される。したがって、従来のようにアライメントマークと台座を別々の露光マスクを用いて形成する場合に比べて、アライメントマーク5と台座7の相対的な位置ずれを低減することができる。
また、上記実施の形態においては、基板1と別体の露光マスクを用いたマスク露光が1回で済むため、従来は2回必要とされていたマスク露光における露光マスク相互の位置合わせが不要になる。このため、位置合わせのずれが生じる機会がなくなる。したがって、マスク露光にかかる位置ずれを低減してパターン精度の向上を図ることができる。
また、従来においては、先行して形成されるアライメントマークの位置に合わせて、台座形成用の露光マスクを位置合わせするため、アライメント機能付きの露光装置が必要となる。この種の露光装置は、高い位置合わせの精度が要求されるため、非常に高価なものとなる。これに対して、本発明の実施の形態に係る基板作製方法では、露光マスクを用いたレジスト層の露光処理が1回で済むため、そうした高価な露光装置が不要になる。このため、設備コストの低減によって基板作製プロセスの低コストを図ることができる。
また、本発明の実施の形態においては、上記の「第1の基板エッチング工程」にて、台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法が、アライメントマーク5の深さ寸法よりも大きくなる状態で基板1をエッチングするため、双方の寸法が等しい状態で基板1をエッチングする場合に比較して、以下のような効果が得られる。
すなわち、台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法がアライメントマーク5の深さ寸法よりも大きくなると、台座形成領域1aを覆うレジスト層6の膜厚に対して、台座非形成領域1bを覆うレジスト層6の膜厚が相対的に厚くなる。このため、台座形成領域1aと台座非形成領域1bの間で生じるレジスト層6の膜厚差が大きくなる。したがって、レジスト層6の露光に適用する露光条件を設定するにあたって、条件設定の適正範囲を広げることができる。
また、前述したようにアライメントマーク5をサブミクロンオーダーまたはミクロンオーダーの微細な幅で形成すれば、台座形成領域1aのアライメントマーク形成部位と台座非形成領域1bのエッチング速度に差をつけて、台座非形成領域1bのエッチング深さ寸法を、アライメントマーク5の深さ寸法よりも大きくすることができる。このため、特別な処理を行わなくても、露光条件の設定の適正範囲を広げることができる。
特に、アライメントマークを0.1μm以上、2μm以下といった非常に微細な幅で形成すれば、ミリオーダー以上の広い面積をエッチングする場合に比較して、上述したエッチング速度の差をより大きく広げることができる。このため、上述した露光条件の設定の適正範囲をより拡大し、条件設定のさらなる容易化を図ることができる。
なお、本発明の技術的範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施の形態においては、レジスト層3をポジ型のレジストを用いて形成するものとしたが、これに限らず、ネガ型のレジストを用いて形成してもよい。その場合は、レジスト層3の露光された部分が不溶化するため、露光マスク4の遮光パターンの形状を変えればよい。
また、上記実施の形態においては、ハードマスク層2を、クロムからなる金属層、またはクロムを含む金属層(合金層)で形成するものとしたが、これに限らず、ハードマスク層2を、クロムを含まない金属層(合金層を含む)によって形成してもよい。
1…基板、2a…ハードマスク、4…露光マスク、5…アライメントマーク、6…レジスト層、6a…レジストパターン、7…台座、10…均し基板、10a…平坦面

Claims (6)

  1. 基板中央部の台座形成領域に凸状の台座が設けられ、かつ、前記台座の上面にアライメントマークが形成された台座付き基板を作製する基板作製方法であって、
    前記台座付き基板の元になる基板の一主面を、前記台座を形成するための台座形成領域とそれ以外の台座非形成領域とに区分し、前記アライメントマークが形成される部分以外の前記台座形成領域をマスクで覆った状態で前記基板をエッチングする第1の工程と、
    前記アライメントマークが形成された前記台座形成領域および前記台座非形成領域を覆う状態で、ネガ型のレジストからなるレジスト層を形成する第2の工程と、
    平坦面を有する光透過性の均し基板を用いて、前記均し基板の平坦面を前記基板の一主面と平行に配置しつつ前記レジスト層の表面に密着させることにより、前記台座形成領域上および台座非形成領域上のレジスト層を均す第3の工程と、
    前記レジスト層に前記均し基板を密着させた状態のもとで、前記均し基板側から露光光を照射することにより前記レジスト層を露光する第4の工程と、
    前記露光後の前記レジスト層を現像することで前記台座形成領域に形成されたレジストパターンをマスクに用いて、前記基板をエッチングすることにより、前記基板の一主面上に前記台座を形成する第5の工程と、
    を有し、
    前記第3の工程にてレジスト層を均すことにより、前記台座形成領域上のレジスト層と前記台座非形成領域上のレジスト層との間に、不溶化するのに必要な露光量の差を生じさせ、前記第5の工程にて前記台座形成領域にレジストパターンが形成されるように、前記第4の工程にて前記レジスト層に照射される露光光の露光条件を設定する
    ことを特徴とする基板作製方法。
  2. 前記第4の工程において、
    前記台座形成領域を覆っている前記レジスト層を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE1とし、前記台座非形成領域を覆っている前記レジスト層を露光により不溶化するのに必要な最小の露光量をE2とし、前記レジスト層に露光光を照射したときに当該レジスト層に蓄積される露光量をE3とした場合に、
    E1≦E3<E2
    の条件を満たすように、前記レジスト層に照射される露光光の露光条件を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の基板作製方法。
  3. 前記第1の工程においては、前記アライメントマークをサブミクロンオーダーまたはミクロンオーダーの幅で形成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の基板作製方法。
  4. 前記第1の工程において、前記台座非形成領域のエッチング深さ寸法は、前記アライメントマークの深さ寸法よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の基板作製方法。
  5. 前記第1の工程においては、前記基板の一主面よりも前記露光光の反射率が高いマスク材料を用いて形成したマスクで前記台座形成領域を覆った状態で前記基板をエッチングし、
    前記第2の工程においては、前記マスク材料を用いて形成したマスクを覆う状態で前記レジスト層を形成する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板作製方法。
  6. 前記第1の工程においては、前記アライメントマークを0.1μm以上、2μm以下の幅で形成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の基板作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014172316A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Dainippon Printing Co Ltd テンプレートの製造方法
CN112584996A (zh) * 2018-07-03 2021-03-30 泰克瑞典公司 用于压纹的方法及模具

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