JP2011029248A - ナノインプリント用モールドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材加工工程にて、凸構造部4に所望の開口6aをもつ遮光性エッチングマスク6が配設され、この開口に対応した凹部5が形成されている基材を作製し、レジスト層形成工程にて、ポジ型感光性レジスト膜21を形成し、開口6aの開口幅よりも大きな波長の光を基材2側から照射して遮光性エッチングマスク6をマスクとしてポジ型感光性レジスト膜21を露光し、現像してレジスト層22を形成し、リフトオフ工程にて、基材に遮光膜8を形成し、その後、レジスト層22を剥離して、凸構造部4の側面および凸構造部4の周囲の基部3のみに遮光膜8を残し、除去工程にて、凸構造部から遮光性エッチングマスクを除去する。
【選択図】 図2
Description
上記のナノインプリント技術の一つの方法として、光インプリント法が知られている。この光インプリント法では、例えば、基板表面に被加工物として光硬化性の樹脂層を形成し、この樹脂層に所望の凹凸構造を有するモールド(型部材)を押し当てる。そして、この状態でモールド側から樹脂層に紫外線を照射して樹脂層を硬化させ、その後、モールドを樹脂層から引き離す。これにより、モールドが有する凹凸が反転した凹凸構造を被加工物である樹脂層に形成することができる(特許文献2)。このような光インプリントは、従来のフォトリソグラフィ技術では形成が困難なナノメートルオーダーの微細パターンの形成が可能であり、次世代リソグラフィ技術として有望視されている。
また、モールドが有する微細な凹凸構造を、被加工物上の複数箇所へ形成する際には、ステップアンドリピート方式でパターン形成を行う場合がある。従来のモールドを用いた場合、凹凸構造が形成されているパターン領域より外側を通過する光により、凹凸構造を形成すべき部位より外側の樹脂層も露光され、一度のパターン形成で硬化する領域はモールドのパターン領域よりも大きくなる。一方、光硬化性樹脂層が露光され硬化してしまうと、その箇所にはパターン形成が行えない。このため、隣接するパターンが形成された領域間の境界幅を大きく設定せざるを得ないという問題があった。
このような問題を解消するために、パターン領域ではない部位(非パターン領域)に遮光部材を設けたモールドが提案されている(特許文献3)。この特許文献3では、モールドの一態様として、微細凹凸構造を有する加工面と裏面との間に第3の表面を有する凸構造を有した、いわゆるメサ構造のモールドであって、第3の表面と、加工面と第3の表面との境界である側面とに遮光部材が配設されているモールドが開示されている。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、被加工物の意図しない部位への露光を確実に抑制できるナノインプリント用モールドを簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記レジスト層形成工程において、前記遮光性エッチングマスク上に形成した前記レジスト層に対して熱処理を施すような構成とした。
本発明の他の態様として、前記遮光性エッチングマスクの前記開口の開口幅を20〜400nmの範囲とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記遮光性エッチングマスクの材質と前記遮光膜の材質の組み合わせを、クロム/シリコン、クロム/チタン、クロム/モリブデン、アルミニウム/クロム、クロム/タンタル、クロム/タングステンのいずれか1種とするような構成とした。
まず、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法により製造されるナノインプリント用モールドの一例を、図1を参照して説明する。
図1に示されるナノインプリント用モールド1は、メサ構造のナノインプリント用モールドであり、透明な基材2と、この基材2に画定されたパターン領域Xと、このパターン領域Xの周囲に位置する非パターン領域Yとを有している。基材2は、基部3と、この基部3の一方の面から突出した凸構造部4とを有し、凸構造部4の表面4aは凹部5を備えているとともに、この凹部5はパターン領域Xに位置している。また、凸構造部4の周囲の基部3の表面3aは非パターン領域Yに位置するとともに遮光膜8で被覆され、さらに、凸構造部4の側面4bも遮光膜8で被覆されている。このように、非パターン領域Yに位置している遮光膜8は、基材2の裏面2bから非パターン領域Yに照射された光を遮蔽して、被加工物の意図しない部位への露光を抑制するための部材である。
図2および図3は、本発明のナノインプリント用モールドの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であり、上述のナノインプリント用モールド1を例としたものである。
本発明では、基材加工工程において、基部3と、この基部3の一方の面3aから突出した凸構造部4とを有する透明な基材2を作製する。この基材2は、その凸構造部4の表面4aに所望の開口6aをもつ遮光性エッチングマスク6が位置し、この開口6aに対応するように凹部5が凸構造部4の表面4aに形成されている(図2(A))。使用する基材2は、ナノインプリント時に被加工物を硬化させるための照射光を透過可能な基材である。このような基材2の材料としては、例えば、石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、アクリルガラス等、あるいは、これらの任意の積層材を用いることができる。また、基材2の厚みは被加工物の材質、凸構造部4の高さ、基材の強度、取り扱い適性等を考慮して設定することができ、例えば、300μm〜10mm程度の範囲で適宜設定することができる。
次いで、この感光性レジスト膜11′に対し、電子線描画装置、レーザー描画装置、ステッパー、スキャナー等の装置を用いて電子線等を照射し、所望のパターン潜像を形成し、その後、感光性レジスト膜11′を現像して、所望の貫通孔11aが形成されたレジスト層11を形成する(図4(B))。
次いで、遮光性エッチングマスク6をマスクとして、エッチングにより基材2に凹部5を形成する(図5(A))。この凹部5の形成は、異方性エッチングを用いて、基材2の深さ方向に選択的にエッチングを行うことが好ましい。
図6に示されるように、基板32の表面に被加工物として配設された樹脂層33に、ナノインプリント用モールド1の凸構造部4(パターン領域X)を所定の深さまで押し込む。そして、この状態で照明光学系(図示せず)からナノインプリント用モールド1の裏面2bに紫外線を照射し、ナノインプリント用モールド1を透過した紫外線により樹脂層33を硬化させる。このとき、非パターン領域Xに照射された紫外線は遮光膜8により遮蔽され、これにより、樹脂層33の意図しない部位への露光が確実に抑制される。
その後、ナノインプリント用モールド1を樹脂層33から離型することにより、ナノインプリント用モールド11が有する凹部5が反転した凹凸構造が被加工物である樹脂層33に転写形成される。
上述の実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
厚み6.35mmの石英ガラス(65mm角)をナノインプリント用モールド用基材として準備した。
<基材加工工程>
上記の基材の一方の面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み50nm)を成膜し、その後、このクロム薄膜上に市販のレジストを塗布した。
次いで、市販の電子線描画装置内のステージ上に、基材の裏面がステージと対向するように基材を配置し、レジストに電子線を照射して、所望のパターン潜像を形成した。
次に、レジストを現像してレジスト層を形成し、このレジスト層をマスクとしてドライエッチングによりクロム薄膜に開口(直径100nmの円形開口がピッチ200nmで格子配置されたもの)を形成して、遮光性エッチングマスクとした。次いで、この遮光性エッチングマスクを介して異方性エッチングによって基材に凹部を形成した。形成した凹部は深さ200nm、直径100nmのホールであった。この凹部が形成されたパターン領域は、基材の中央に位置する35mm角の領域であった。
遮光性エッチングマスクを被覆するように基材に市販のポジ型感光性レジストを塗布して、ポジ型感光性レジスト膜を形成した。次いで、基材側からi線(波長365nm)を照射し、遮光性エッチングマスクをマスクとしてポジ型感光性レジスト膜を露光した。その後、現像して、遮光性エッチングマスク上のみにレジスト層(厚み5μm)を形成した。このレジスト層の表面は平坦なものであった。
次に、上記のレジスト層を被覆するように基材上に真空蒸着法によりシリコン薄膜(厚み50nm)を形成して遮光膜とした。その後、レジスト剥離液としてアセトン溶媒を用いて、遮光性エッチングマスク上のレジスト層を剥離するとともに、レジスト層上の遮光膜も除去した。これにより、凸構造部の側面、および基部のみに遮光膜を残すことができた。
次に、エッチング液として硝酸第二セリウムアンモニウムを用いて、遮光性エッチングマスクを選択エッチングして除去した。これにより、図1に示されるようなメサ構造のナノインプリント用モールドを作製した。
このように作製したナノインプリント用モールド100個について、凹部および遮光膜を顕微鏡を用いた観察した結果、損傷は発生していなかった。
レジスト層形成工程におけるポジ型感光性レジストの塗布量を変更し、遮光性エッチングマスク上のみに形成するレジスト層の厚みを1μmとした他は、実施例1と同様にして、図1に示されるようなメサ構造のナノインプリント用モールドを作製した。
このように作製したナノインプリント用モールド100個について、凹部および遮光膜を顕微鏡を用いた観察した結果、損傷は発生していなかった。
レジスト層形成工程におけるポジ型感光性レジストの塗布量を変更し、遮光性エッチングマスク上のみに形成するレジスト層の厚みを10μmとした他は、実施例1と同様にして、図1に示されるようなメサ構造のナノインプリント用モールドを作製した。
このように作製したナノインプリント用モールド100個について、凹部および遮光膜を顕微鏡を用いた観察した結果、損傷は発生していなかった。
厚み6.35mmの石英ガラス(65mm角)をナノインプリント用モールド用基材として準備した。
<基材加工工程>
遮光性エッチングマスクの開口をライン/スペースが500nm/500nmのライン形状パターンとした他は、実施例1と同様にして、凹部(ライン/スペースが500nm/500nmのライン形状パターン)を有する凸構造部上に遮光性エッチングマスクが位置する基材を作製した。
遮光性エッチングマスクを被覆するように基材に市販のポジ型感光性レジストを塗布してポジ型感光性レジスト膜を形成し、基材側からi線(波長365nm)を照射し、遮光性エッチングマスクをマスクとしてポジ型感光性レジスト膜を露光した。その後、現像したところ、遮光性エッチングマスク上に、ライン/スペースが500nm/500nmのライン形状の開口パターンを有するレジスト層(厚み1μm)が形成された。
このレジスト層に熱処理(130℃、15分間)を施したが、ライン形状の開口パターンを完全に閉塞することはできず、遮光性エッチングマスクの開口内には、凸構造部の凹部が露出した状態となった。
<リフトオフ工程>
実施例1と同様に、シリコン薄膜を形成して遮光膜とし、その後、遮光性エッチングマスク上のレジスト層を剥離した。しかし、遮光性エッチングマスクの開口内に露出する凸構造部の凹部に遮光膜が残存するものとなり、実用に供し得ないものであった。
厚み6.35mmの石英ガラス(65mm角)をナノインプリント用モールド用基材として準備した。
上記の基材の一方の面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み50nm)を成膜し、その後、このクロム薄膜上に市販のレジストを塗布した。
次いで、市販の電子線描画装置内のステージ上に、基材の裏面がステージと対向するように基材を配置し、レジストに電子線を照射して、所望のパターン潜像を形成した。
次に、エッチング液として硝酸第二セリウムアンモニウムを用いて、遮光性エッチングマスクをエッチングして除去した。
次に、凹部を形成した基材面に市販のレジストを塗布し、所望のマスクを介して露光し現像して、上記の35mm角のパターン領域にエッチングレジストを形成した。次いで、このエッチングレジストをマスクとして基材をエッチングして、厚み6.335mmの基部と、この基部から突出した高さ15μmの凸構造部を形成した。
このように作製したナノインプリント用モールド100個について、凹部および遮光膜を顕微鏡を用いた観察した結果、30個のモールドにおいて凹部の損傷が発生し、特に35mm角のパターン領域の端部に多く損傷が発生していた。
2…基材
3…基部
4…凸構造部
4b…凸構造部の側面
5…凹部
6…遮光性エッチングマスク
6a…開口
8…遮光膜
21…ポジ型感光性レジスト膜
22…レジスト層
Claims (5)
- 基部と、該基部の一方の面から突出するとともに凹部が形成された凸構造部と、を備える基材を有し、前記凸構造部の周囲の前記基部は遮光膜で被覆され、さらに、前記凸構造部の側面は遮光膜で被覆されているナノインプリント用モールドの製造方法において、
基部と、該基部の一方の面から突出した凸構造部とを備え、該凸構造部上に所望の開口をもつ遮光性エッチングマスクが位置し、該開口に対応するように凹部が前記凸構造部に形成されている基材を作製する基材加工工程と、
前記遮光性エッチングマスクを被覆するように前記基材にポジ型感光性レジスト膜を形成し、前記開口の開口幅よりも大きな波長の光を前記基材側から照射して前記遮光性エッチングマスクをマスクとして前記ポジ型感光性レジスト膜を露光し、その後、現像して前記遮光性エッチングマスク上にレジスト層を形成するレジスト層形成工程と、
該レジスト層を被覆するように前記基材に遮光膜を形成し、その後、前記レジスト層を剥離するとともに、レジスト層上の前記遮光膜を除去することにより、前記凸構造部の側面および前記基部のみに前記遮光膜を残すリフトオフ工程と、
前記遮光膜よりも前記遮光性エッチングマスクに対する選択エッチング性をもつエッチャントを用いて、前記凸構造部から前記遮光性エッチングマスクを除去する除去工程と、を有することを特徴としたナノインプリント用モールドの製造方法。 - 前記レジスト層形成工程において、前記遮光性エッチングマスク上に形成する前記レジスト層の厚みは、0.5〜50μmの範囲内とすることを特徴とした請求項1に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
- 前記レジスト層形成工程において、前記遮光性エッチングマスク上に形成した前記レジスト層に対して熱処理を施すことを特徴とした請求項1または請求項2に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
- 前記遮光性エッチングマスクの前記開口の開口幅を20〜400nmの範囲とすることを特徴とした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
- 前記遮光性エッチングマスクの材質と前記遮光膜の材質の組み合わせを、クロム/シリコン、クロム/チタン、クロム/モリブデン、アルミニウム/クロム、クロム/タンタル、クロム/タングステンのいずれか1種とすることを特徴とした請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
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