JP5200741B2 - 結晶性窒化珪素及びその製造方法、並びに、それを用いた蛍光体、該蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置、画像表示装置、焼結体及び顔料 - Google Patents

結晶性窒化珪素及びその製造方法、並びに、それを用いた蛍光体、該蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置、画像表示装置、焼結体及び顔料 Download PDF

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Description

本発明は、白色度の高い結晶性窒化珪素とその製造方法、並びに、それを原料として用いた蛍光体、該蛍光体含有組成物、該蛍光体を用いた発光装置、照明装置及び画像表示装置、並びに、該窒化珪素を用いた焼結体及び顔料に関する。より詳しくは、反射率が高い結晶性窒化珪素とその製造方法及び該窒化珪素を用いた各種用途に関し、具体的には、物体色も鮮明で従来より発光輝度が高い蛍光体、該蛍光体含有組成物、該蛍光体を用いた発光装置、照明装置及び画像表示装置、並びに、白色度の高いセラミックス及び顔料に関する。
窒化珪素は各種の用途に使用される無機材料である。主な用途としては(1)蛍光体に代表される窒化物無機材料の原料、(2)セラミックス、(3)顔料などが挙げられる。
(1)蛍光体分野においては、近年、青色LEDや近紫外LEDを励起光源として用いる画像表示装置や照明装置用蛍光体として、Siを含有する窒化物や酸窒化物蛍光体が注目をされている。例えば、(Ca,Sr)AlSiNに代表される母体結晶構造を有する蛍光体(以下、適宜、「CASN蛍光体」と称する。特許文献1及び2参照。)、(Ca,Sr,Ba)Siに代表される母体結晶構造を有する蛍光体(以下、適宜、「SION蛍光体」と称する。特許文献3参照。)、(Ca,Sr,Ba)0.2(Si,Al)12(O,N)16に代表される母体結晶構造を有する蛍光体(以下、適宜、「sialon系蛍光体」と称する。特許文献4及び5参照。)、(Sr,Ba)Siに代表される母体結晶構造を有する蛍光体(以下、適宜、「258系蛍光体」と称する。特許文献6参照。)等、各種蛍光体の開発がなされている。これらの珪素源及び窒素源として、窒化珪素は重要な原料である。
(2)また、セラミックスの分野においては、窒化珪素焼結体は高い強度と優れた耐熱衝撃性を示す材料として代表的なエンジニアリングセラミックスである。しかしながらこれまで知られている窒化珪素焼結体の色は黒色ないし灰色であり(非特許文献1及び2参照。)、透明あるいは透光性を必要とする用途には同じエンジニアリングセラミックスであるアルミナがもっぱら用いられていた。
(3)この他にも、顔料を用いた遮熱材料(特許文献7及び8)や化粧料(特許文献9)に市販品又は公知の製造方法で得られた窒化珪素を用いることも知られている。
特開2006−8721号公報 特開2006−8948号公報 特表2005−530917号公報 登録特許第3826131号公報 特開2005−255895号公報 特表2003−515665号公報 特開2000−212475号公報 特開2005−97462号公報 特開2000−229809号公報 京セラ株式会社ホームページ ファインセラミック材料特性表、[online]、[2008年7月18日検索]、インターネット<URL:http://www.kyocera.co.jp/prdct/fc/product/pdf/material.pdf> 日本ファインセラミックス株式会社ホームページ 製品紹介[online]、[2008年7月18日検索]、インターネット<URL:http://www.japan-fc.co.jp/products/pro_9.html>
近年、より高輝度で発光効率の高い画像表示装置や照明装置への要望が高まってきていることもあり、従来に比べてより高輝度の蛍光体の出現が望まれている。
また、以上のように窒化珪素は各種用途に使用される有用な材料ではあるが、これまでに開示されている窒化珪素はいずれも反射率が低く、いずれもその用途が限定されたものであった。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、従来よりも高輝度の蛍光体、並びに、それを用いた蛍光体含有組成物、発光装置、照明装置及び画像表示装置を提供することと、従来よりも反射率が高い結晶性窒化珪素及びその製造方法、並びに、それを用いた焼結体及び顔料を提供することとを目的とする。
従来、原料物性と蛍光体物性との関係については、今までは特に着目されていなかったところ、本発明者らは上記課題を解決するために蛍光体原料である窒化珪素に着目し、鋭意検討した結果、特定の処理を行うことで、反射率の極めて高い結晶性窒化珪素を得ることができること、また、これを用いて蛍光体を製造した場合、その反射率に伴い蛍光体の物体色や輝度が向上することを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の要旨は、物体色が、L表色系で表わした場合に、L値が97以上、a値が−21以下及びb値が35以上のいずれかを満たし、記式[I]で表されることを特徴とする、蛍光体に存する(請求項)。
Ba [I]
(式[I]中、M はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、M はSr、Ca、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種類の二価の金属元素を示し、Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、x、y、z、u、v及びwは、それぞれ以下の範囲の数値を示す。
0.00001≦x≦3
0≦y≦2.99999
2.6≦x+y+z≦3
0<u≦11
6<v≦25
0<w≦17)
本発明の別の要旨は、物体色が、L表色系で表わした場合に、L値が103以上、a値が−23以下及びb値が63以上のいずれかを満たし、記式[II]で表されることを特徴とする、蛍光体に存する(請求項)。
(Ca,Sr,Ba) 1−e Si [II]
(式[II]中、M は付活元素を示し、eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。)
また、この蛍光体は、発光ピーク波長が550nm〜570nmであって、L値が100以上及びb値が77以上であり、下記式[II’]で表されることが好ましい(請求項)。
(Sr,Ba)1−eSi [II’]
(式[II’]中、Mは付活元素を示し、eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。)
本発明の更に別の要旨は、上述した式[I]で表される蛍光体とランガサイトとの固溶体であることを特徴とする、下記式[I’]で表される蛍光体に存する(請求項)。
χ (Ba,Ln) (L,Al) [I’]
(式[I’]中、M はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、LnはLa、Ce、Pr、Nd、Y及びGdを示し、Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、χ、a、b、c及びdは、それぞれ以下の範囲の数値を示す。
0.00001≦χ≦0.4
2.6≦a≦2.99999
5≦b≦7
11<c<13
0<d<2.4)
本発明の更に別の要旨は、上述した蛍光体と、液体媒体とを含有することを特徴とする蛍光体含有組成物に存する(請求項)。
本発明の更に別の要旨は、第1の発光体と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、前記第2の発光体が、上述した蛍光体を1種以上、第1の蛍光体として含有することを特徴とする発光装置に存する(請求項)。
この発光装置は、前記第2の発光体が、前記第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる蛍光体を1種以上、第2の蛍光体として含有することが好ましい(請求項)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の発光装置を備えることを特徴とする照明装置に存する(請求項)。
本発明の更に別の要旨は、本発明の発光装置を備えることを特徴とする画像表示装置に存する(請求項)。
本発明によれば、白色度の高い焼結体や顔料等といったような各種用途の原料としてより好ましい窒化珪素が得られると共に、従来よりも輝度の高い発光装置、画像表示装置、照明装置に用いるのにより好ましい蛍光体が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
[1.窒化珪素]
[1−1.結晶性]
本発明の結晶性窒化珪素(以下適宜、「本発明の窒化珪素」という)は、結晶相を有する窒化珪素である。
窒化珪素の結晶相は、低温安定型のα型及び高温安定型のβ型が知られている。これらはそれぞれX線回折を行うことにより、PDF(Powder Diffraction File)に登録されているパターン(例えば、α−窒化珪素:83−0700、76−1407、71−0570等、β−窒化珪素:29−1132、73−1208、82−0702等)に基づいて同定できる。
本発明の窒化珪素の結晶相としては、α型のみ、β型のみ、又は、α型とβ型が混在のいずれの態様であっても良いが、少なくともβ型が存在することが好ましく、β型のみであることがより好ましい。
本発明の窒化珪素は、上記結晶相の他にアモルファス相を一部含んでいても良いが、アモルファス相は少ない方が好ましく、通常50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下であり、アモルファス相が無いことが最も好ましい。
[1−2.反射率]
また、本発明の窒化珪素は波長525nmの光を照射した場合における反射率が85%以上であり、好ましくは88%以上であり、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは93%以上である。反射率は高ければ高いほうが好ましく、上限としては100%である。
反射率の測定方法としては、通常の反射スペクトルの測定方法に準じて行えばよいが、具体的には、以下のような方法で行うことができる。
即ち、測定対象となる窒化珪素粉末を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球などの集光装置に取り付ける。この積分球などの集光装置に、例えばXeランプ等の光を照射し、得られる反射光のスペクトルを分光測定装置、例えば大塚電子株式会社製MCPD2000、MCPD7000などを用いて測定する。ここで得られる各波長における反射率の値は、光源の光に対しての反射率が判明している物質(例えば、波長525nmの励起光に対して99%の反射率Rを持つLabsphere製「Spectralon」等)の反射率に基づいて補正を行い、反射率を求めることができる。
[1−3.炭素含有量]
本発明の窒化珪素は、通常は不純物炭素量が0.1重量%以下となるが、不純物炭素量が0.06重量%以下であることが好ましい。該不純物炭素量として、より好ましくは0.05重量%以下、さらに好ましくは0.04重量%以下、特に好ましくは0.03重量%以下である。不純物炭素量は少なければ少ないほどより好ましいが、通常、0.000001重量%以上である。
上記炭素量の測定は、通常の元素分析方法により行うことができる。
[1−4.窒化珪素の製造方法]
本発明の窒化珪素の製造方法に制限は無いが、中でも、原料窒化珪素に対して所定の条件において熱処理をする工程を経て製造する方法(以下適宜、「本発明の窒化珪素の製造方法」という)が好ましい。以下、この本発明の窒化珪素の製造方法について詳細に説明する。
(原料窒化珪素)
本発明の窒化珪素を得るための原料となる原料窒化珪素に特段の制限はなく、公知の方法で得られた任意の窒化珪素を使用できる。具体例を挙げると、下記の(a)金属シリコンを直接窒化する方法、(b)ハロゲン化珪素を原料とする方法、及び(c)二酸化ケイ素を還元し窒化する方法のいずれかの方法により得られた窒化珪素が使用できる。
(a)直接窒化法
3Si+2N→Si
3Si+4NH→Si+6H
金属シリコンの微粉をN又はNHの存在下、1100℃付近より制御された昇温条件下に置き、1200〜1450℃で窒化を完了させた後、粉砕及び必要に応じて精製処理を行う。
(b)ハロゲン化珪素法
ハロゲン化珪素法には、以下の(1)イミド分解法と、(2)気相法とがある。
(1)イミド分解法(液相法)
SiCl+6NH→Si(NH)+4NHCl
Si(NH)→Si+2NH
四塩化珪素を有機溶媒中、常温またはそれ以下でアンモニアと反応させてシリコンジイミドを得、次ぎにこれを1100℃程度の温度で熱分解して非晶質の窒化珪素を得る。次ぎにこれを結晶化させα型の窒化珪素を得る。
(2)気相法
3SiCl+4NH→Si+12HCl
3SiH+4NH→Si+12H
四塩化珪素又はSiHとアンモニアを気相1100〜1200℃で反応させ非晶質の窒化珪素を得る。次ぎにこれを1450〜1500℃で加熱処理してα型の窒化珪素を得る。
(c)還元窒化法
3SiO+6C+2N→Si+6CO
原料の二酸化珪素と炭素微粉をNガス流通下、1500℃で還元窒化し、次ぎに酸化性雰囲気中、700℃で加熱処理することによって残留炭素を除く。
以上の方法で得られる結晶相を有する原料窒化珪素としては、反射率が、波長525nmの光を照射した場合の反射率は通常83%以下であり、より一般的には80%以下のものである。また、炭素含有量は通常0.06重量%以上であり、より一般的には0.09重量%以上のものである。
(熱処理)
本発明の窒化珪素の製造方法では、上記原料窒化珪素を、N分圧が0.4MPa以上である窒素ガス含有雰囲気下、1500℃以上の温度で熱処理する工程を経て、本発明の窒化珪素を得る。
具体的には、原料窒化珪素を反応性の低い材料からなるルツボ又はトレイ等の耐熱容器中に充填した後、焼成を行う。このような熱処理時に用いる耐熱容器の材質としては、例えば、アルミナ、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、マグネシウム、ムライト等のセラミックス、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、イリジウム、ロジウム等の金属、あるいは、それらを主成分とする合金、カーボン(グラファイト)などが挙げられる。このうち好ましくは、窒化ホウ素製、アルミナ製、窒化珪素製、炭化珪素製、白金製、モリブデン製、タングステン製、タンタル製の耐熱容器が挙げられる。
熱処理時の昇温過程においては、その一部で減圧条件下とすることが好ましく、具体的には、好ましくは室温以上であって、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下、更に好ましくは1000℃以下の温度範囲にあるいずれかの時点において、減圧状態(具体的には通常10−2Pa以上0.1MPa未満の範囲)としてから、窒素含有ガスを系内に導入する。
このとき、必要に応じて、目的とする温度で、通常1分以上、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上保持してからも良い。保持時間は、通常5時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは1時間以下である。
窒素含有ガスとしては、窒素ガスの分圧が0.4MPa以上であって、昇温装置のヒーター及び窒化珪素に不活性なガスであれば特に問題はない。その具体例を挙げると、アルゴン、CO、水素、アンモニア等と窒素ガスとの混合ガスを用いることができる。このうち好ましくは、窒素ガス、又はアルゴン若しくは水素ガスと窒素ガスとの混合ガスであり、より好ましくは窒素ガス、又は窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスであり、特に好ましくは窒素ガスである。また、窒素ガスの分圧は高いほうが好ましく、より好ましくは濃度99.999体積%の窒素ガスである。
窒素含有ガスを系内に導入後、さらに通常1500℃以上、好ましくは1800℃以上、より好ましくは1900℃以上の温度まで昇温を行い、窒化珪素の熱処理を行う。熱処理温度の上限としては、焼成系内の圧力にもよるが、窒化珪素の分解温度より低い温度であれば特に限定されない。例えば、焼成系内の圧力が2MPa以下の場合、通常2500℃以下、好ましくは2200℃以下、より好ましくは2100℃以下の温度となる。
熱処理時間としては、熱処理温度にも依存するが、通常0.5時間以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上である。また、焼成時間は長い方が良いが、通常100時間以下、好ましくは50時間以下、より好ましくは24時間以下、さらに好ましくは12時間以下である。
上記窒化珪素の熱処理は、上述の方法によって予め製造・単離された原料の窒化珪素に対して行っても良いし、原料窒化珪素の製造工程における窒化処理に引き続いて行っても良い。後者の場合、金属シリコン、ハロゲン化珪素及び二酸化珪素等の窒化珪素原料から一段で本発明の窒化珪素を得ることもできる。
また、上述した熱処理を行う前に、必要に応じて、予め、O分圧が通常0.01MPa以上、また、通常0.1MPa以下である酸素ガス含有雰囲気下、通常800℃以上、好ましくは900℃以上、より好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1100℃以上、また、通常1300℃以下、好ましくは1200℃以下の温度で窒化珪素を熱処理する工程(予備熱処理)を行うことが好ましい。これにより、得られるβ−窒化珪素の粒径を大きくすることができる。
一方、上述した熱処理において原料窒化珪素を熱処理する際には、SiO共存下で熱処理を行うようにすることが好ましい。これにより、得られるβ−窒化珪素の粒径を大きくすることができる。
この際、共存させるSiOの量に制限は無いが、原料窒化珪素100重量部に対するSiOの量は、通常0.1重量部以上、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、また、通常15重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
以上のように、窒化珪素を熱処理する際に、微量の酸素原子が共存していると、得られるβ−窒化珪素の粒径が大きくなる傾向にある。したがって、蛍光体粒子の粒径を大きくするには、上記のような処理を行った窒化珪素を用いるのが好ましい。
上記熱処理終了後、室温まで放熱させ、必要に応じて粉砕・篩い分け等の処理を行う。
上記粉砕の手法としては、例えば、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕等、公知の粉砕方法を任意に用いることができる。
また、篩い分けにおいては、各種市販の篩いを用いることが可能であるが、得られた窒化珪素を蛍光体原料として用いる場合には、金属メッシュのものよりもナイロンメッシュのものを用いる方が、不純物混入防止の点で好ましい。
本発明の窒化珪素は、粉末の粒径は特に制限はなく、使用する用途によって適宜選定すればよい。例えば、本発明の窒化珪素を蛍光体用原料として使用する場合は、通常、重量メジアン径(D50)が、通常0.01μm以上、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上であり、また、通常100μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下の範囲である。
窒化珪素の重量メジアン径は、公知の方法に従い任意に測定可能であるが、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置等の装置を用いて測定することができる。
[1−5.窒化珪素の用途]
本発明の窒化珪素は、各種蛍光体原料;とりゅう、研磨剤、絶縁体、誘電体、耐熱材といったようなセラミックス原料;顔料;化粧品等の各種無機材料の原料として使用できる。また特に、従来よりも反射率が高く白色であることから、従来の耐熱衝撃性を要求される分野以外にも、光学材料用途への使用も期待できる。
[2.蛍光体]
本発明の蛍光体は、その蛍光体原料として本発明の窒化珪素を用いて得られたものである。また、本発明の蛍光体は、通常、公知の同一組成の蛍光体に比較して、物体色における彩度や量子効率が高く、より好ましくは輝度が高い。このように、蛍光体の物体色における彩度や量子効率と言った特性が蛍光体原料の反射率(特には上述の窒化珪素)と関連することは、本発明者らによって初めて見出されたものである。
以下、蛍光体に関する記載において、色名と色度座標との関係は、すべてJIS規格に基づく(JIS Z8110及びZ8701)。
また、本明細書中の蛍光体の組成式において、各組成式の区切りは読点(、)で区切って表わす。また、カンマ(,)で区切って複数の元素を列記する場合には、列記された元素のうち一種又は二種以上を任意の組み合わせ及び組成で含有していてもよいことを示している。例えば、「(Ca,Sr,Ba)Al:Eu」という組成式は、「CaAl:Eu」と、「SrAl:Eu」と、「BaAl:Eu」と、「Ca1−xSrAl:Eu」と、「Sr1−xBaAl:Eu」と、「Ca1−xBaAl:Eu」と、「Ca1−x−ySrBaAl:Eu」とを全て包括的に示しているものとする(但し、前記式中、0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)。
[2−1.蛍光体の種類]
本発明の蛍光体としては、まず第1に、本発明の窒化珪素を原料に用いる限りにおいて特に限定はされない。その例を挙げると、珪素原子を含有する窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
該珪素原子を含有する窒化物蛍光体及び酸窒化物蛍光体としては、例えば、
CaSiN:Eu、ZnSiN:Mn、(Ca,Sr,Ba,Zn)Si:Eu、(Ca,Sr,Ba,Zn)Si10:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu等のアルカリ土類金属珪窒化物系蛍光体、及び、LaSi(N,O)11:Ce、LaSi(N,O):Ce等の3価希土類元素含有珪窒化物系蛍光体等に代表されるニトリドシリケート類、
(Ca,Sr)AlSi(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce、(Ca,Sr)AlSi(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce等のSi及びAl含有窒化物系蛍光体に代表されるニトリドアルミノシリケート類、
(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、BaSi12:Eu、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)12:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge):(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge):(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)128/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1214/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)12:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)28/31222/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)29/31226/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)6.513:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)14:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)16:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)18:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1020:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1122:(Eu,Ce,Mn)、等のアルカリ土類金属珪酸窒化物系蛍光体、及び、LaSi11:Ce、LaSi12:Ce等の3価希土類元素含有珪酸窒化物系蛍光体に代表されるオキソニトリドシリケート類、
Ca−α−SiAlON:Eu、Y−α−SiAlON:Ce、β−SiAlON:Eu、SrSiAl19ON31:Eu、SrSiAl:Eu等のSi及びAl含有酸窒化物蛍光体に代表されるオキソニトリドアルミノシリケート類、
CaSiCを母体結晶とする蛍光体に代表されるカルボニトリドアルミノシリケート類などが挙げられる。
上記蛍光体を製造するに当たっては、本発明の窒化珪素を原料として用いる以外は公知の方法に従って、適宜製造すれば良い。
上記蛍光体のうち、好ましくは、下記式[I]〜[IV]のいずれかで表される蛍光体が挙げられ、より好ましくは下記式[I]又は[II]で表される蛍光体が挙げられる。
Ba [I]
(式[I]中、MはMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、MはSr、Ca、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種類の二価の金属元素を示し、Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、x、y、z、u、v及びwは、それぞれ、0.00001≦x≦3、0≦y≦2.99999、2.6≦x+y+z≦3、0<u≦11、6<v≦25、及び0<w≦17の範囲の数値を示す。)
(Ca,Sr,Ba)1−eSi [II]
(式[II]中、Mは付活元素を示し、eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。)
AlSiX [III]
(式[III]中、Mは、少なくともEuを含有する付活元素を示し、Mは、アルカリ土類金属元素から選ばれる1種以上の元素を示し、Xは、O及びNからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、f及びgは、各々、0<f≦0.2、0.9≦f+g≦1を満たす正の数を示す。)
(Ca,Sr,Ba,Zn)Si [IV]
(式[IV]中、Mは付活元素を示し、Xは、O及びNからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、hは0<h≦0.4を満たす正の数を示し、jは1−h<j≦2−hを満たす数値を示す。)
以下、各式[I]〜[IV]毎に、好適な蛍光体の組成について説明する。
〔式[I]で表わされる蛍光体についての説明〕
Ba [I]
上記式[I]において、Mは付活元素を示す。上記Mとしては、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の遷移金属元素又は希土類元素が挙げられる。なお、Mとしては、これらの元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。
中でも、希土類元素であるCe、Sm、Eu、Tm又はYbが好ましい元素として挙げられる。さらにその中でも、上記Mとしては、発光量子効率の点で、少なくともEu又はCeを含有するものであることが好ましい。また、その中でも特に、発光ピーク波長の点で、少なくともEuを含有するものがより好ましく、Euのみを用いることが特に好ましい。
付活元素Mは、本発明の蛍光体中において、2価のカチオン及び/又は3価のカチオンとして存在することになる。この際、付活元素Mは、2価のカチオンの存在割合が高い方が好ましい。例えば、MがEuである場合、全Eu量に対するEu2+の割合は、通常20モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
なお、本発明の蛍光体に含まれる全Eu中のEu2+の割合は、例えば、X線吸収微細構造(X−ray Absorption Fine Structure)の測定によって調べることができる。即ち、Eu原子のL3吸収端を測定すると、Eu2+とEu3+が別々の吸収ピークを示すので、その面積から比率を定量できる。また、本発明の蛍光体に含まれる全Eu中のEu2+の割合は、電子スピン共鳴(ESR)の測定によっても知ることができる。
また、上記式[I]において、xは、0.00001以上、3以下の範囲の数値である。このうちxは、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.06以上、更に好ましくは0.12以上、中でも好ましくは0.18以上、特に好ましくは0.27以上である。一方、付活元素Mの含有割合が大きすぎると濃度消光が生じる場合もあるため、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは0.9以下、中でも好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.45以下である。
また、本発明の蛍光体は、BSON相結晶構造(後述する)を維持しつつ、Baの位置をSr、Ca、Mg及び/又はZnで置換することができる。よって、上記式[I]において、Mは、Sr、Ca、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種の二価の金属元素を表わす。この際、Mは、好ましくはSr、Ca及び/又はZnであり、より好ましくはSr及び/又はCaであり、さらに好ましくはSrである。また、Ba及びMは、さらにその一部をこれらの元素で置換してもよいものである。
なお、上記Mとしては、これらの元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。
としてCaを含む場合、Ba及びCaの合計量に対するCaの存在割合は、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、更に好ましくは30モル%以下である。これよりもCa量が増えると発光波長の長波長化、発光強度の低下を招く場合がある。
また、MとしてSrを含む場合、Ba及びSrの合計量に対するSrの存在割合が、好ましくは70モル%以下、より好ましくは60モル%以下、更に好ましくは50モル%以下である。これよりもSr量が増えると発光波長の長波長化、及び、発光強度の低下を招く場合がある。
さらに、MとしてZnを含む場合、Ba及びZnの合計量に対するZnの存在割合が、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは40モル%以下である。これよりもZn量が増えると発光波長の長波長化、及び、発光強度の低下を招く場合がある。
また、MとしてMgを含む場合、Ba及びMgの合計量に対するMgの存在割合が、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。これよりもMg量が増えると発光波長の長波長化、及び、発光強度の低下を招く場合がある。
したがって、上記式[I]において、zの量は、置換する金属元素Mの種類とyの量とに応じて設定すればよい。zの具体的な値としては、通常0以上であり、また、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下、さらに好ましくは0.9以下、特に好ましくは0.6以下、さらにより好ましくは0.4以下である。
上記式[I]において、上記yとしては、0≦y≦2.99999の範囲の数値である。中でも本発明の蛍光体は、結晶構造の安定性の観点から、Baを含有することが好ましい。したがって、上記式[I]においてyは、0より大きいことが好ましく、より好ましくは0.9以上、特に好ましくは1.2以上であり、また、不活剤元素の含有割合との関係から2.99999より小さいことが好ましく、より好ましくは2.99以下、さらに好ましくは2.98以下、特に好ましくは2.95以下である。
本発明の蛍光体においては、酸素あるいは窒素と共に、BaやM元素が欠損することがある。このため、上記式[I]においては、x+y+zの値が3未満となることがあり、x+y+zは、通常、2.6≦x+y+z≦3の値を取りうるが、理想的にはx+y+z=3である。ここで、x+y+zが2.6より小さい場合は、結晶構造を保てなくなる可能性が高い。
上記一般式[I]において、Lは、Ti、Zr、Hf等の周期律表第4族の金属元素、又は、Si、Ge等の周期律表第14族の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素を表わす。なお、Lは、これらの金属元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。ただし、少なくともLの一部はSi元素であるものとする。このうちLとして好ましくはTi、Zr、Hf、Si又はGeであり、より好ましくはSi又はGeであり、特に好ましくはSiである。
ここで、上記Lは、蛍光体の結晶の電荷バランスの点で当該蛍光体の性能に悪影響を与えない限りにおいて、その一部にB、Al、Ga等の3価のカチオンとなりうる金属元素が混入していても良い。その混入量としては、Lに対して、通常10原子%以下、好ましくは5原子%以下である。
また、上記一般式[I]において、uは、通常11以下、好ましくは9以下、より好ましくは7以下であり、また、0より大きく、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の数値である。
Oイオン及びNイオンの量は、一般式[I]において数値v及びwで表される。具体的には、上記一般式(I)において、vは通常6より大きい数値であり、好ましくは7より大きく、より好ましくは8より大きく、さらに好ましくは9より大きく、特に好ましくは11より大きい数値であり、また、通常25以下であり、好ましくは20より小さく、より好ましくは15より小さく、更に好ましくは13より小さい数値である。
また、本発明の蛍光体は酸窒化物であるので、Nは必須成分である。このため、上記一般式(I)において、wは、0より大きい数値である。また、wは通常17以下の数値であり、好ましくは10より小さく、より好ましくは4より小さく、更に好ましくは2.4より小さい数値である。
したがって、上記の観点から、上記一般式[I]においては、u、v及びwが、それぞれ5≦u≦7、9<v<15、0<w<4であることが好ましく、5≦u≦7、11<v<13、0<w<2.4であることが特に好ましい。これにより、発光強度を高めることができる。
ここで、上記O及びNのサイトには、蛍光体の結晶の電荷バランスの点で当該蛍光体の性能に影響を与えない限りにおいて、その一部にS又はハロゲン原子等の1価又は2価のアニオンとなりうる元素が混入していても良い。その混入量としては、O及びNの全体量に対して、通常10原子%以下、好ましくは5原子%以下である。
特に、ハロゲン元素に関しては、原料不純物由来以外に製造時に使用するフラックス由来で混入する。この場合、ハロゲン原子は、蛍光体中に通常1ppm以上含有し、上限としては蛍光体焼成後の洗浄方法にも依存するが、通常1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下の範囲で含有する。
また、本発明の蛍光体は、(M+Ba+M)及びLといった金属元素に対する酸素原子の割合が窒素原子の割合より多いことが好ましい。したがって、酸素原子の量に対する窒素原子の量(N/O)としては、好ましくは70モル%以下、より好ましくは50モル%以下、更に好ましくは30モル%以下、特に好ましくは20モル%未満である。また、下限としては、通常0モル%より大きく、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上である。
〔式[I’]で表わされる蛍光体についての説明〕
ところで、式[I]で表わされる蛍光体において、Ba及びLの一部をそれぞれLn及びAlで置換した下記一般式[I’]で表される蛍光体も含まれる。
χ(Ba,Ln)(L,Al) [I’]
(式[I’]中、MはMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、LnはLa、Ce、Pr、Nd、Y及びGdからなる群より選ばれる1種以上の元素を示し、Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、χ、a、b、c及びdは、それぞれ、0.00001≦χ≦0.4、2.6≦a≦2.99999、5≦b≦7、11<c<13、及び0<d<2.4の範囲の数値を示す。)
式[I’]において、M及びLは、式[I]におけるものと同様である。中でも、Lに関しては、LとAlとの合計に対するAlの占める割合としては、通常、20モル%以下、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下であり、また通常0より大きい数値である。
式[I’]において、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Y及びGdからなる群より選ばれる1種以上の元素を示す。なお、Lnは、これらの元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。
中でも、少なくともLa、Y及びGdからなる群より選ばれる1種以上の元素を含有しているのが好ましく、Yを含有しているのがより好ましい。
全Ln量に対して、La、Y及びGdの量の和は、通常は50モル%以上を占め、好ましくは80モル%以上を占め、より好ましくは90モル%以上を占め、さらに好ましくは95モル%以上を占める。
また、上記式[I’]において、BaとLnの合計量に対するLnの占める割合としては、通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下であり、また通常0より大きい数値である。
また、式[I’]において、χは0.00001≦χ≦0.4の範囲の数値であり、aは2.6≦a≦2.9999の範囲の数値であり、bは5≦b≦7の範囲の数値であり、cは11<c<13の範囲の数値であり、dは0<d<2.4の範囲の数値である。
通常、上記式[I’]で表される蛍光体は、式[I]で表わされる蛍光体とランガサイトとの固溶体として得ることができる。
ここで、ランガサイトとは、LaSiAl12のことをいう。
また、前記の固溶体により式[I’]で表される蛍光体を形成する場合、式[I]で表わされる蛍光体とランガサイトとの固溶割合としては、式[I]で表わされる蛍光体とランガサイトの合計モル数に対するランガサイトのモル比で、通常0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上であり、また、通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。ランガサイトが多すぎると不純物相としてBaAlSiが生成する可能性がある。
式[I]で表される蛍光体の好ましい組成の具体例を以下に挙げる。ただし、式[I]で表される蛍光体の組成は以下の例示に制限されるものではない。
式[I]で表される蛍光体の好ましい具体例としては、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)12:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge):(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge):(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)128/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1214/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)12:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)28/31222/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)29/31226/3:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)6.513:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)14:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)16:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)18:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1020:(Eu,Ce,Mn)、(Ca,Sr,Ba)(Si,Ge)1122:(Eu,Ce,Mn)などが挙げられる。中でも、より好ましい具体例としては、BaSi12:Eu、BaSi:Eu、BaSi:Eu、BaSi128/3:Eu、BaSi1214/3:Eu、BaSi12:Eu、BaSi28/31222/3:Eu、BaSi29/31226/3:Eu、BaSi6.513:Eu、BaSi14:Eu、BaSi16:Eu、BaSi18:Eu、BaSi1020:Eu、BaSi1122:Eu、BaSi12:Eu,Mn、BaSi:Eu,Mn、BaSi:Eu,Mn、BaSi128/3:Eu,Mn、BaSi1214/3:Eu,Mn、BaSi12:Eu,Mn、BaSi28/31222/3:Eu,Mn、BaSi29/31226/3:Eu,Mn、BaSi6.513:Eu,Mn、BaSi14:Eu,Mn、BaSi16:Eu,Mn、BaSi18:Eu,Mn、BaSi1020:Eu,Mn、BaSi1122:Eu,Mn、BaSi12:Ce、BaSi:Ce、BaSi:Ce、BaSi128/3:Ce、BaSi1214/3:Ce、BaSi12:Ce、BaSi28/31222/3:Ce、BaSi29/31226/3:Ce、BaSi6.513:Ce、BaSi14:Ce、BaSi16:Ce、BaSi18:Ce、BaSi1020:Ce、BaSi1122:Ceなどが挙げられる。
〔式[II]で表わされる蛍光体についての説明〕
(Ca,Sr,Ba)1−eSi [II]
上記式[II]において、Mは付活元素を示す。Mの例としては、上記式[I]のMと同様の金属元素を挙げることができる。
また、式[II]において、eは、0より大きい数値を表わし、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.005以上であり、また、上限としては、0.2以下、より好ましくは0.15以下の数値を表わす。
〔式[III]で表わされる蛍光体についての説明〕
AlSiX [III]
上記式[III]において、Mは、少なくともEuを含有する付活元素を示す。Eu以外の元素としては、例えば、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の遷移元素又は希土類元素が挙げられる。ここで、Mとしては、少なくともEuを含有している限りにおいて、これらの元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。中でも、全M量に対してEuが、通常50モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上を占めることが望ましい。その中でも、MとしてEuのみを用いることが特に好ましい。
付活元素Mは、本発明の蛍光体中において、2価のカチオン及び/又は3価のカチオンとして存在することになる。この際、付活元素Mは、2価のカチオンの存在割合が高いことが好ましい。例えば、MがEuである場合、全Eu量に対するEu2+の割合は、通常20モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
なお、本発明の蛍光体に含まれる全Eu中のEu2+の割合は、〔式[I]で表わされる蛍光体についての説明〕の項で説明した方法により測定できる。
また、上記一般式[III]において、fは0より大きく、0.2以下の数値である。このうち、fは、発光ピークとしてより長波長の蛍光体を得るという観点から、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.005以上である。一方、発光強度の低下という観点から、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.045以下、さらに好ましくは0.04以下、特に好ましくは0.035以下である。
上記Mは、アルカリ土類金属元素から選ばれる1種以上の元素を示す。その例としてはMg、Ca、Sr、Ba等が挙げられ、このうち好ましくはMg、Ca及びSrが挙げられ、より好ましくはMg及びCaが挙げられ、特に好ましくはCaが挙げられる。
なお、上記Mとしては、何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよいが、少なくともCaを含有しているのが好ましい。中でも、全M量に対してCaが、通常50モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上を占めることが望ましい。その中でも、MとしてCaのみを用いることが特に好ましい。
また、上記式[III]において、gは0.7以上1以下の正の数を示す。式[III]で表わされる本発明の蛍光体において、理論的にはf+g=1となるものである。一方で、酸素あるいは窒素と共に、M元素が欠損することがある。このため、上記式[III]においては、f+gの値が1未満となることがあり、通常、0.9≦f+g≦1の値を取りうる。
上記式[III]において、XはO又はNからなる群より選ばれる元素である。これらの元素のうち何れか一種のみを含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併有していてもよい。さらに、上記のほかに、その性能に影響を与えない限りにおいて、ハロゲン原子を一部含有していても良い。これらの含有量としては通常全X量に対して1モル%以下である。
このうち、Xとしては少なくともNを含有しているのが好ましく、全X量に対してNが、通常90モル%以上、好ましくは97モル%以上、より好ましくは99モル%以上、さらに好ましくは99.5モル%以上を占めることが好ましい。中でも、XとしてNのみを用いることが特に好ましい。
〔式[IV]で表わされる蛍光体についての説明〕
(Mg,Ca,Sr,Ba)Si [IV]
上記式[IV]において、Mは付活元素を示す。Mの例としては、上記式[I]のMと同様の金属元素を挙げることができる。
また、式[IV]において、Xは式[III]におけるものと同様である。
上記式[IV]において、hは、0より大きい数値であり、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.005以上であり、さらに好ましくは0.01以上である、また、上限としては、0.4以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。
また、jは1−h<j≦2−hを満たす数値を表わす。
[2−2.蛍光体の特性]
本発明の蛍光体は、上記式[I]〜[IV]で表される蛍光体である場合、その特性として、公知の同一組成の蛍光体と比較して、物体色が鮮やかで量子効率が高い。
ここで、物体色は、光が物体で反射したときの色を意味し、L表色系(JISZ8113参照)で表わすことができる。本発明においては、測定物(即ち、蛍光体)を決められた光源(白色光源。例えば、標準光D65を使用することができる。)で照射し、得られた反射光をフィルターで分光して、L値、a値、b値を求めている。その値としては、各蛍光体の色目によって異なるが、L値としては数値が大きい程、a値及びb値としては、その絶対値が大きい程、色彩が鮮明となる傾向となる。
蛍光体の物体色におけるL値としては、照射光源によって励起された発光が反射光に重畳される場合もあるので100を超えることもあるが、通常110以下の値である。なお、本発明の蛍光体の物体色の測定は、例えば、市販の物体色測定装置(例えば、ミノルタ社製CR−300)を使用することにより行なうことが可能である。
また、量子効率は、以下のようにして求めることができる。
(吸収効率、内部量子効率、及び外部量子効率の測定方法)
以下に、蛍光体の吸収効率αq、内部量子効率ηi、及び、外部量子効率ηo、を求める方法を説明する。
まず、測定対象となる蛍光体サンプル(例えば、粉末状など)を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球などの集光装置に取り付ける。積分球などの集光装置を用いるのは、蛍光体サンプルで反射したフォトン、及び蛍光体サンプルから蛍光現象により放出されたフォトンを全て計上できるようにする、すなわち、計上されずに測定系外へ飛び去るフォトンをなくすためである。
この積分球などの集光装置に蛍光体を励起するための発光源を取り付ける。この発光源は、例えばXeランプ等であり、発光ピーク波長が例えば波長が405nmや455nmの単色光となるようにフィルターやモノクロメーター(回折格子分光器)等を用いて調整がなされる。この発光ピーク波長が調整された発光源からの光を、測定対象の蛍光体サンプルに照射し、発光(蛍光)および反射光を含むスペクトルを分光測定装置、例えば大塚電子株式会社製MCPD2000、MCPD7000などを用いて測定する。ここで測定されるスペクトルには、実際には、励起発光光源からの光(以下では単に励起光と記す。)のうち、蛍光体に吸収されなかった反射光と、蛍光体が励起光を吸収して蛍光現象により発する別の波長の光(蛍光)が含まれる。すなわち、励起光近傍領域は反射スペクトルに相当し、それよりも長波長領域は蛍光スペクトル(ここでは、発光スペクトルと呼ぶ場合もある)に相当する。
吸収効率αqは、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsを励起光の全フォトン数Nで割った値である。
まず、後者の励起光の全フォトン数Nを、次のようにして求める。すなわち、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ物質、例えばLabsphere製「Spectralon」(波長450nmの励起光に対して98%の反射率Rを持つ。)等の反射板を、測定対象として、蛍光体サンプルと同様の配置で上述の積分球などの集光装置に取り付け、該分光測定装置を用いて反射スペクトルIref(λ)を測定する。この反射スペクトルIref(λ)から求めた下記(式1)の数値は、Nに比例する。
ここで、積分区間は実質的にIref(λ)が有意な値を持つ区間のみで行ったものでよい。
蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsは下記(式2)で求められる量に比例する。
ここで、I(λ)は、吸収効率αqを求める対象としている蛍光体サンプルを取り付けたときの、反射スペクトルである。(式2)の積分区間は(式1)で定めた積分区間と同じにする。このように積分区間を限定することで、(式2)の第二項は、測定対象としている蛍光体サンプルが励起光を反射することによって生じたフォトン数に対応したもの、すなわち、測定対象としている蛍光体サンプルから生ずる全フォトンのうち蛍光現象に由来するフォトンを除いたものに対応したものになる。実際のスペクトル測定値は、一般にはλに関するある有限のバンド幅で区切ったデジタルデータとして得られるため、(式1)および(式2)の積分は、そのバンド幅に基づいた和分によって求まる。
以上より、αq=Nabs/N=(式2)/(式1)と求められる。
次に、内部量子効率ηiを求める方法を説明する。ηiは、蛍光現象に由来するフォトンの数NPLを蛍光体サンプルが吸収したフォトンの数Nabsで割った値である。
ここで、NPLは、下記(式3)で求められる量に比例する。
この時、積分区間は、蛍光体サンプルの蛍光現象に由来するフォトンの有する波長範囲に限定する。蛍光体サンプルから反射されたフォトンの寄与をI(λ)から除くためである。具体的に(式3)の積分区間の下限は、(式1)の積分区間の上端を取り、上限は、蛍光に由来のフォトンを含むのに必要十分な範囲とする。
以上により、内部量子効率ηiは、ηi=(式3)/(式2)と求められる。
なお、デジタルデータとなったスペクトルから積分を行うことに関しては、吸収効率αqを求めた場合と同様である。
そして、上記のようにして求めた吸収効率αqと内部量子効率ηiの積をとることで外部量子効率ηoを求める。あるいは、ηo=(式3)/(式1)の関係から求めることもできる。ηoは、蛍光に由来するフォトンの数NPLを励起光の全フォトン数Nで割った値である。
以下、上記式[I]〜[IV]で表される各蛍光体の特性について、記載する。
[2−2−1.式[I]で表される蛍光体]
(励起スペクトルに関する特性)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、200nm以上500nm以下の波長範囲の光で励起可能であることが好ましい。中でも、半導体素子等を第1の発光体とし、その光を蛍光体の励起光源として使用する発光装置に好適に用いるためには、例えば、青色領域(波長範囲:420nm以上500nm以下)の光及び/又は近紫外領域(波長範囲:300nm以上420nm以下)の光で励起可能であることが好ましい。
さらに、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、390nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する410nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常90%以上である。
該発光スペクトルは、上述と同様、光源から回折格子で分光して取り出した波長390nm又は410nmの光で蛍光体を励起して測定することができ、測定された発光スペクトルから発光ピーク強度を求める。なお、発光ピークが2つ以上現われる場合は、そのうちの最大発光ピークの強度が上記条件を満たすことが好ましい。
(発光スペクトルに関する特性)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、緑色蛍光体としての用途に鑑みて、波長400nmの光で励起した場合における発光スペクトルを測定した場合に、以下の特性を有することが好ましい。
まず、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が525nm付近にあることが好ましく、具体的には、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
また、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークの半値幅(full width at half maximum。以下適宜「FWHM」と略称する。)が、通常40nmより大きく、中でも50nm以上、更には60nm以上であることが好ましく、また、通常90nm未満、中でも80nm以下、更には75nm以下の範囲であることが好ましい。この半値幅FWHMが狭過ぎると、照明として使用する場合には発光輝度が低下するために演色性が低くなる可能性があり、広過ぎると液晶ディスプレイなどの画像表示装置に使用する場合には色純度が低下するために画像表示装置の色再現範囲が狭くなる可能性がある。
なお、式[I]で表わされる本発明の蛍光体を波長400nmの光で励起するには、例えば、GaN系LEDを用いることができる。また、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の発光スペクトルの測定、並びにその発光ピーク波長、ピーク相対強度及びピーク半値幅の算出は、例えば、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて行うことができる。
(発光色)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体の発光色は、JIS Z8701に基づく色度座標値として、xが通常0.100以上、好ましくは0.150以上、より好ましくは0.200以上であり、また、通常0.400以下、好ましくは0.380以下、より好ましくは0.360以下、更に好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.29以下であることが望ましい。また、yが通常0.480以上、好ましくは0.490以上、より好ましくは0.495以上、更に好ましくは0.5以上、中でも好ましくは0.55以上、特に好ましくは0.6以上であり、また、通常0.670以下、好ましくは0.660以下、より好ましくは0.655以下の範囲であることが望ましい。式[I]で表される本発明の蛍光体は、例えばM元素及びM源素の量を変化させフラックス存在下で焼成することにより、輝度を維持しつつも上記範囲で発光色を変化させることができる。
(物体色)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、従来の同一組成の蛍光体よりもその物体色が鮮明であることを特徴とするものである。具体的には、その物体色をL表色系で表わした場合に、L値が97以上、a値が−21以下及びb値が35以上のいずれかを満たすことが好ましい。
値は、数値が大きい方がより鮮明な色であることを示すものであり、100以上が好ましく、さらに好ましくは103以上である。
値は、数値が小さい方がより緑色としてより鮮明な色であることを示すものであり、−23以下がより好ましく、さらに好ましくは−25以下である。また、通常−60以上の数値となる。
値は、数値が大きい方がより緑色としてより明るい色であることを示すものであり、35以上が好ましく、さらに好ましくは40以上である。一方、b値の上限は、理論上は200以下であるが、通常120以下であることが好ましい。b値が大きすぎると、発光波長が長波長側にシフトし、輝度が低下する場合があるためである。
(量子効率)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、その外部量子効率が従来の同一組成の蛍光体に比し、高いものである。外部量子効率として、具体的には、通常0.35以上、好ましくは0.40以上、中でも好ましくは0.45以上、特に好ましくは0.50以上である。高発光強度の発光素子を設計するためには、外部量子効率は高いほど好ましい。
また、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の内部量子効率は、通常0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上、特に好ましくは0.8以上である。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にある。
さらに、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、その吸収効率も高いほど好ましい。その値は、通常0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.65以上、更に好ましくは0.7以上である。外部量子効率は内部量子効率と吸収効率との積により求められるものであり、高い外部量子効率を有するためには吸収効率も高い方が好ましい。
(温度特性)
さらに、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、温度特性にも優れるものである。具体的には、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する150℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常55%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。
また、通常の蛍光体は温度上昇と共に発光強度が低下するので、該割合が100%を越えることは考えられにくいが、何らかの理由により100%を超えることがあっても良い。ただし150%を超えるようであれば、温度変化により色ずれを起こす傾向となる。
また、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する100℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常70%以上であり、好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、上記発光ピーク強度に関してだけでなく、輝度の点からも優れたものである。具体的には、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での輝度に対する150℃での輝度の割合も、通常55%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。
また、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での輝度に対する100℃での輝度の割合も、通常70%以上であり、好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、温度の変化に伴う発光ピーク波長の値の変化も小さい。具体的には、20℃での発光ピーク波長値をλ20とした場合、150℃での発光ピーク波長値が、通常λ20−10nm以上、好ましくはλ20−5nm以上、より好ましくはλ20−3nm以上、また、通常λ20+10nm以下、好ましくはλ20+5nm以下、より好ましくはλ20+3nm以下の範囲にある。
また、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、発光色に関してもその変化が小さい。具体的にはJIS Z8701に基づく色度座標値(CIEx、CIEy)として、20℃での色度座標値X及びYをそれぞれX20及びY20とした場合、150℃でのX値が通常X20−0.03以上、通常X20+0.03以下の範囲にあり、150℃でのY値が通常Y20−0.03以上、通常Y20+0.03以下の範囲にある。
なお、上記温度特性を測定する場合は、例えば、発光スペクトル測定装置として大塚電子製MCPD7000マルチチャンネルスペクトル測定装置、ペルチェ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構を備えたステージ及び光源として150Wキセノンランプを備える装置を用いて、以下のように測定することができる。
ステージに蛍光体サンプルを入れたセルを載せ、温度を20℃から150℃の範囲で変化させる。蛍光体の表面温度が20℃又は150℃で一定となったことを確認する。次いで、光源から回折格子で分光して取り出した波長455nmの光で蛍光体を励起して発光スペクトル測定する。測定された発光スペクトルから発光ピーク強度及び輝度を求める。ここで、蛍光体の励起光照射側の表面温度の測定値は、放射温度計と熱電対による温度測定値を利用して補正した値を用いる。また、発光ピークが2つ以上現われる場合は、そのうちの最大発光ピークの強度が上記条件を満たすことが好ましい。
また、上記色度座標の測定方法としては、発光スペクトルの380nm〜800nm(励起波長340nmの場合)、430nm〜800nm(励起波長400nmの場合)又は480nm〜800nm(励起波長455nmの場合)の波長領域のデータから、JIS Z8724に準じた方法で、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標CIExとCIEyを算出すればよい。
(耐久性)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、窒素雰囲気下で2時間加熱を行う耐久性試験において、通常1000℃以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1300℃以上、更に好ましくは1500℃以上、特に好ましくは1700℃以上であっても分解しないものである。
さらに、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、通常は上記耐久性に優れる蛍光体である。このため、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は長時間使用した場合でもその発光強度が低下し難い性質を有する。具体的な範囲を挙げると、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は気温85℃、相対湿度85%の環境下での耐久性試験において、通常200時間以上、好ましくは500時間以上、より好ましくは600時間以上、特に好ましくは800時間以上安定なものである。この場合、安定である時間は長ければ長い方が好ましいが、通常、1000時間もあれば十分である。なお、ここで「安定である」とは、耐久性試験前の発光強度に対する耐久性試験後の発光強度の割合が50%以上となっていることを言う。該耐久性の測定は、山勝電子工業社のLEDエージングシステムを用いて、気温85℃、相対湿度85%の環境下で20mAを通電させることにより行えるが、この他同様の装置を用いても行ってもよい。
また、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の中でも、再加熱工程を経て得られた蛍光体は、この蛍光体を6重量%の濃度でシリコーン樹脂中に分散させ、気温85℃、相対湿度85%の環境下、電流密度255mA/mm、発光出力0.25〜0.35W/mmで500時間通電させた後のJIS Z 8701に基づく色度座標CIEy値が、通電前のJIS Z 8701に基づく色度座標CIEy値に対して、通常±30%の範囲内、好ましくは±25%の範囲内、より好ましくは±20の範囲内の値である。
また、励起光の照射開始時点の発光に対する、励起光の照射開始から100時間が経過した時点における発光の輝度維持率は、通常83%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
上記の電流密度及び発光出力の励起光としては、例えば、C460EZ290(Cree社製、波長範囲455nm〜457.4nm)に20mAを通電し、蛍光体に励起光を照射すればよい。また、このとき蛍光体を分散するシリコーン樹脂としては、信越化学工業社製SCR1101が挙げられる。
式[I]で表わされる本発明の蛍光体が、再加熱工程を有することで前記のように優れた耐久性を発揮できる理由は定かではないが、本発明者らの検討によれば、光によって励起された電子がトラップされる格子欠陥の数が減少するためであると推察される。
(結晶構造)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、通常、以下に定義される結晶相であるBSON相(Ba3Si6122相ともいう)を含む。
BSON相:
CuKαのX線源を用いたX線回折測定において回折角(2θ)26.9〜28.2゜の範囲(R0)に回折ピークが観測される結晶相であって、当該回折ピーク(P0)を基準回折ピークとし、P0のブラッグ角(θ0)より導かれる5つの回折ピーク(但し、20.9°〜22.9°の角度範囲にある回折ピークは除く)を低角度側から順にそれぞれP1、P2、P3、P4及びP5とし、これらの回折ピークの回折角の角度範囲を、R1、R2、R3、R4及びR5としたときに、R1、R2、R3、R4及びR5が、それぞれR1=R1s〜R1e、R2=R2s〜R2e、R3=R3s〜R3e、R4=R4s〜R4e、R5=R5s〜R5eの角度範囲を示すものであり、R1、R2、R3、R4及びR5のすべての範囲に回折ピークが少なくとも1本存在し、且つ、P0、P1、P2、P3、P4及びP5のうち、回折ピーク高さが最も高い回折ピークの高さに対して、P0の強度が回折ピーク高さ比で20%以上の強度を有するものであり、P1、P2、P3、P4又はP5の少なくとも1以上のピーク強度が回折ピーク高さ比で5%以上、好ましくは9%以上である結晶相。
ここで、角度範囲R0、R1、R2、R3、R4及びR5のそれぞれの角度範囲内に回折ピークが2本以上存在する場合は、これらのうち最もピーク強度の高いピークを、それぞれP0、P1、P2、P3、P4及びP5とする。
また、R1s、R2s、R3s、R4s及びR5sは、それぞれR1、R2、R3、R4及びR5の開始角度、R1e、R2e、R3e、R4e及びR5eは、それぞれR1、R2、R3、R4及びR5の終了角度を示すものであって、以下の角度を示す。
R1s:2×arcsin{sin(θ0)/(1.994×1.015)}
R1e:2×arcsin{sin(θ0)/(1.994×0.985)}
R2s:2×arcsin{sin(θ0)/(1.412×1.015)}
R2e:2×arcsin{sin(θ0)/(1.412×0.985)}
R3s:2×arcsin{sin(θ0)/(1.155×1.015)}
R3e:2×arcsin{sin(θ0)/(1.155×0.985)}
R4s:2×arcsin{sin(θ0)/(0.894×1.015)}
R4e:2×arcsin{sin(θ0)/(0.894×0.985)}
R5s:2×arcsin{sin(θ0)/(0.756×1.015)}
R5e:2×arcsin{sin(θ0)/(0.756×0.985)}
なお、式[I]で表わされる本発明の蛍光体は、CuKαのX線源を用いたX線回折測定において、二酸化ケイ素の一結晶形態であるクリストバライト、α−窒化珪素、β−窒化珪素等の不純物相を含有しても良い。これら不純物の含有量は、CuKαのX線源を用いたX線回折測定により知ることが出来る。即ち、X線回折測定結果のうちの不純物相の最強ピーク強度が、前記P0、P1、P2、P3、P4及びP5のうちの最強ピーク強度に対して、通常40%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下であり、特には、不純物相のピークが観察されずBSON相が単一相として存在することが好ましい。これにより、発光強度を高めることができる。
(溶解性)
式[I]で表わされる本発明の蛍光体は通常は酸等の溶媒に対しても溶けにくい性質を有する。好ましくは、水及び/又は1Nの塩酸に不溶のものである。
[2−2−2.式[II]で表される蛍光体]
(発光スペクトルに関する特性)
式[II]で表される本発明の蛍光体は、用いられるアルカリ土類金属の種類により、その発光ピーク波長が青又は緑色〜黄色の領域で変化するが、蛍光体としての用途に鑑みて、波長400nmの光で励起した場合における発光スペクトルを測定した場合に、以下の特性を有することが好ましい。
まず、式[II]で表される本発明の蛍光体は、(Ca,Sr,Ba)のうちBaのモル数が70%以上の場合には、上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が、通常410nm以上、中でも420nm以上、さらには430nm以上であることが好ましく、また、通常480nm以下、中でも470nm以下の範囲であることが好ましい。一方で、(Ca,Sr,Ba)のうちBaのモル比が70%未満の場合には、上述の発光スペクトルにおけるピーク波長λp(nm)が、通常500nmより大きく、、好ましくは510nm以上、より好ましくは515nm以上、また、通常600nm以下、好ましくは590nm以下、より好ましくは580nm以下である。
また、式[II]で表される本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークのFWHMが、通常40nmより大きく、中でも50nm以上、更には60nm以上であることが好ましく、また、通常120nm以下、中でも110nm以下、更には100nm以下の範囲であることが好ましい。この半値幅FWHMが狭過ぎると、照明として使用する場合には発光輝度が低下するために演色性が低くなる可能性があり、広過ぎると液晶ディスプレイなどの画像表示装置に使用する場合には色純度が低下するために画像表示装置の色再現範囲が狭くなる可能性がある。
なお、式[II]で表される本発明の蛍光体は、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして、発光スペクトルの測定、並びにその発光ピーク波長、ピーク相対強度及びピーク半値幅の算出をできる。
(発光色)
式[II]で表わされる本発明の蛍光体の発光色は、JIS Z8701に基づく色度座標値として、青色発光の場合には、xが通常0.3以下、好ましくは0.25以下、より好ましくは0.2以下であり、yが通常0.6以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以下のものである。また、緑〜黄色発光の場合には、xが通常0.2以上、0.65以下であり、yが通常0.35以上、0.7以下となる。
(物体色)
式[II]で表わされる本発明の蛍光体は、従来の同一組成の蛍光体よりもその物体色が鮮明であることを特徴とするものである。具体的には、その物体色をL表色系で表わした場合に、L値が103以上、a値が−23以下及びb値が63以上のいずれかを満たすことが好ましい。
値は、数値が大きい方がより鮮明な色であることを示すものであり、通常70以上であり、好ましくは80以上であり、より好ましくは90以上であり、さらに好ましくは100以上であり、中でも好ましくは103以上であり、特に好ましくは105以上である。
値は、数値が小さい方がより緑色としてより鮮明な色であることを示すものであり、通常−20以下であり、−23以下が好ましく、さらに好ましくは−24以下である。また、通常−60以上の数値となる。
値は、数値が大きい方がより緑色としてより明るい色であることを示すものであり、通常35以上であり、45以上が好ましく、63以上が更に好ましく、特に好ましくは70以上である。一方、b値の上限は、理論上は200以下であるが、通常120以下であることが好ましい。b値が大きすぎると、発光波長が長波長側にシフトし、輝度が低下する場合があるためである。
(量子効率)
式[II]で表わされる本発明の蛍光体は、その外部量子効率が従来の同一組成の蛍光体に比し、高いものである。該外部量子効率として、具体的には、通常0.57以上であり、より好ましくは0.60以上であり、さらに好ましくは0.62以上である。高発光強度の発光素子を設計するためには、外部量子効率は高いほど好ましい。
また、式[II]で表わされる本発明の蛍光体の内部量子効率、通常0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上である。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にある。
さらに、式[II]で表わされる本発明の蛍光体は、その吸収効率も高いほど好ましい。その値は、通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上である。外部量子効率は内部量子効率と吸収効率との積により求められるものであり、高い外部量子効率を有するためには吸収効率も高い方が好ましい。
また、式[II]で表される本発明の蛍光体は、例えば温度特性、励起波長、溶解性、耐久性、粒径などの、ここで説明した以外の特性については、通常は、式[I]で表される本発明の蛍光体と同様である。
(式[II’]で表される本発明の蛍光体の特性)
式[II]で表わされる本発明の蛍光体のうちでも、下記式[II’]で表され、発光ピーク波長が550nm〜570nmである黄色蛍光体の場合、L値が100以上及びb値が77以上であるという特徴的な特性を有する。
(Sr,Ba)1−eSi [II’]
(式[II’]中、Mは付活元素を示し、eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。)
[2−2−3.式[III]で表される蛍光体]
(励起スペクトルに関する特性)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、200nm以上500nm以下の波長範囲の光で励起可能であることが好ましい。中でも、半導体素子等を第1の発光体とし、その光を蛍光体の励起光源として使用する発光装置に好適に用いるためには、例えば、青色領域(波長範囲:420nm以上500nm以下)の光及び/又は近紫外領域(波長範囲:300nm以上420nm以下)の光で励起可能であることが好ましい。
さらに、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、390nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する410nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常90%以上である。
該発光スペクトルは、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして測定できる。
(発光スペクトルに関する特性)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、波長455nmの光で励起した場合における発光スペクトルを測定した場合の発光ピーク波長λp(nm)が、通常610nm以上であり、より好ましくは620nm以上であり、さらに好ましくは630nm以上であり、特に好ましくは650nm以上のものである。これによりこの無機化合物を画像表示装置の赤色蛍光体を用いた場合にNTSC比の高い画像表示装置が得られ好ましい。また、発光ピーク波長の上限としては、通常、680nm以下である。
また、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークのFWHMが、通常80nm以上である。また通常105nm未満、中でも100nm以下、更には95nm以下の範囲であることが好ましい。この半値幅(FWHM)が狭過ぎると、照明として使用する場合には発光輝度が低下するために演色性が低くなる可能性があり、広過ぎると液晶ディスプレイなどの画像表示装置に使用する場合には色純度が低下するために画像表示装置の色再現範囲が狭くなる可能性がある。
なお、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして、発光スペクトルの測定、並びにその発光ピーク波長、ピーク相対強度及びピーク半値幅の算出をできる。
(発光色)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体の発光色は、JIS Z8701に基づく色度座標値として、xが通常0.5以上、好ましくは0.55以上、より好ましくは0.6以上、さらに好ましくは0.65以上であり、また、通常0.75以下である。また、yは通常0.4以下、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.3以下であり、また、通常0.2以上である。
(物体色)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、従来の同一組成の蛍光体よりもその物体色が鮮明であることを特徴とするものである。具体的には、その物体色をL表色系で表わした場合に、a値が38以上又はb値が42以上のいずれかを満たすことが好ましい。
値としては、数値が大きい方がより赤色としてより明るい色であることを示すものであり、通常40以上、好ましくは42以上、より好ましくは43以上である。一方、b値の上限は、理論上は200以下であるが、通常120以下であることが好ましい。b値が大きすぎると、発光波長が長波長側にシフトし、輝度が低下する場合があるためである。
値は、数値が大きい方がより鮮明な色であることを示すものであり、通常70以上であり、好ましくは75以上であり、さらに好ましくは80以上である。
値は、数値が大きい方がより赤色としてより鮮明な色であることを示すものであり、通常30以上、好ましくは35以上、さらに好ましくは38以上であり、特に好ましくは40以上である。また、通常60以下の数値となる。
(量子効率)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、その外部量子効率が従来の同一組成の蛍光体に比し、高いものである。該外部量子効率として、具体的には、通常0.62以上である。高発光強度の発光素子を設計するためには、外部量子効率は高いほど好ましい。
また、式[III]で表わされる本発明の蛍光体の内部量子効率としては、その値は、通常0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、さらに好ましくは0.75以上である。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にある。
さらに、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、その吸収効率も高いほど好ましい。その値は通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上である。外部量子効率は内部量子効率と吸収効率との積により求められるものであり、高い外部量子効率を有するためには吸収効率も高い方が好ましい。
(温度特性)
さらに、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、温度特性にも優れるものである。具体的には、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する150℃での発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常55%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。
また、通常の蛍光体は温度上昇と共に発光強度が低下するので、該割合が100%を越えることは考えられにくいが、何らかの理由により100%を超えることがあっても良い。ただし150%を超えるようであれば、温度変化により色ずれを起こす傾向となる。
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、上記発光ピーク強度に関してだけでなく、輝度の点からも優れたものである。具体的には、455nmの波長の光を照射した場合の20℃での輝度に対する150℃での輝度の割合も、通常55%以上であり、好ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上である。
なお、上記温度特性を測定する場合は、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして行なえばよい。
(耐久性)
式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、窒素雰囲気下で2時間加熱といった耐久性試験において、通常1000℃以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1500℃以上、特に好ましくは1700℃以上であっても分解しないものである。
さらに、式[III]で表わされる本発明の蛍光体は、気温85℃、相対湿度85%の環境下での耐久性試験において、通常200時間以上、好ましくは500時間以上、より好ましくは600時間以上、特に好ましくは800時間以上安定なものである。この場合、安定である時間は長ければ長い方が好ましいが、通常、1000時間もあれば十分である。なお、ここで「安定である」とは、耐久性試験前の発光強度に対する耐久性試験後の発光強度の割合が50%以上となっていることを言う。該耐久性の測定は、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして行なえばよい。
[2−2−4.式[IV]で表される蛍光体]
(励起スペクトルに関する特性)
式[IV]で表される本発明の蛍光体は、200nm以上500nm以下の波長範囲の光で励起可能であることが好ましい。中でも、半導体素子等を第1の発光体とし、その光を蛍光体の励起光源として使用する発光装置に好適に用いるためには、例えば、青色領域(波長範囲:420nm以上500nm以下)の光及び/又は近紫外領域(波長範囲:300nm以上420nm以下)の光で励起可能であることが好ましい。
さらに、式[IV]で表される本発明の蛍光体は、390nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値に対する410nmの波長の光を照射した場合の発光スペクトル図中の発光ピーク強度値の割合が、通常90%以上である。
該発光スペクトルは、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして測定できる。
(発光スペクトルに関する特性)
式[IV]で表される本発明の蛍光体は、波長455nmの光で励起した場合における発光スペクトルを測定した場合の発光ピーク波長λp(nm)が、通常590nm以上、好ましくは600nm以上、より好ましくは610nm以上である。また、発光ピーク波長の上限としては、通常680nm以下である。
また、式[IV]で表される本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークのFWHMが、通常80nm以上である。また通常120nm未満、中でも110nm以下、更には100nm以下の範囲であることが好ましい。この半値幅(FWHM)が狭過ぎると、照明として使用する場合には発光輝度が低下するために演色性が低くなる可能性があり、広過ぎると液晶ディスプレイなどの画像表示装置に使用する場合には色純度が低下するために画像表示装置の色再現範囲が狭くなる可能性がある。
なお、式[IV]で表される本発明の蛍光体は、式[I]で表わされる本発明の蛍光体の項で説明したのと同様にして、発光スペクトルの測定、並びにその発光ピーク波長、ピーク相対強度及びピーク半値幅の算出をできる。
(発光色)
式[IV]で表される本発明の蛍光体の発光色は、JIS Z8701に基づく色度座標値として、xが通常0.50以上、好ましくは0.53以上、また、通常0.75以下であり、yが通常0.5以下、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.43以下、また、通常0.2以上のものである。
(物体色)
式[IV]で表される本発明の蛍光体は、従来の同一組成の蛍光体よりもその物体色が鮮明であることを特徴とするものである。具体的には、その物体色をL表色系で表わした場合に、その物体色をL表色系で表わした場合に、b値が63以上であることが好ましく、より好ましくは65以上である。一方、b値の上限は、理論上は200以下であるが、通常120以下であることが好ましい。b値が大きすぎると、発光波長が長波長側にシフトし、輝度が低下する場合があるためである。
値は、数値が大きい方がより鮮明な色であることを示すものであり、通常70以上であり、好ましくは80以上であり、さらに好ましくは90以上である。
値は、数値が大きい方がより赤色としてより鮮明な色であることを示すものであり、通常15以上であり、20以上が好ましく、より好ましくは25以上であり、さらに好ましくは30以上である。また、通常60以下の数値となる。
(量子効率)
式[IV]で表される本発明の蛍光体は、その外部量子効率が従来の同一組成の蛍光体に比し、高いものである。該外部量子効率として、具体的には、通常0.59以上である。高発光強度の発光素子を設計するためには、外部量子効率は高いほど好ましい。
また、式[IV]で表される本発明の蛍光体の内部量子効率は、通常0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上である。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にある。
さらに、式[IV]で表される本発明の蛍光体は、その吸収効率も高いほど好ましい。その値は、通常0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.8以上である。外部量子効率は内部量子効率と吸収効率との積により求められるものであり、高い外部量子効率を有するためには吸収効率も高い方が好ましい。
[2−2−5.その他]
(重量メジアン径)
本発明の蛍光体は、その重量メジアン径D50が、通常0.01μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、また、通常100μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径D50が小さすぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集する傾向がある。一方、重量メジアン径が大きすぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
また、本発明の蛍光体の粒径分布QD値は、通常0.5以下、好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.25以下であり、通常0.1以上である。
なお、発光効率、吸光効率を高めるために、重量メジアン径D50の異なる複数の蛍光体を混合して用いる時は、混合蛍光体のQDは0.3よりも大きくなる場合がある。
上記重量メジアン径D50とは、頻度基準粒度分布曲線により得られる値である。前記頻度基準粒度分布曲線は、レーザー回折・散乱法により粒度分布を測定し得られるものである。具体的には、分散剤を含む水溶液中に蛍光体を分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所 LA−300)により、粒径範囲0.1μm〜600μmにて測定し、得られたものである。この頻度基準粒度分布曲線において、積算値が50%のときの粒径値を重量メジアン径D50とする。また、積算値が25%及び75%の時の粒径値をそれぞれD25及びD75と表記する。標準偏差(4分偏差)QD=(D75−D25)/(D75+D25)と定義する。QDが小さいことは粒度分布が狭いことを意味する。
さらに、蛍光体粒子のアスペクト比は、走査電子顕微鏡(SEM)により結晶粒子を観察し、蛍光体の長軸方向の長さを長軸と直交する方向で最も厚みのある箇所の長さで割ることで求めることができる。本発明の蛍光体は、少なくとも50個以上の結晶粒子について上記SEM観察を行った際に、アスペクト比が0.5以上1以下という粒子の割合が、通常50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上であり、特に好ましくは全ての粒子がこの範囲に入るものである。
また、通常、蛍光体の粒子は複数の1次粒子が凝集した2次粒子からなっていることが多いが、この1次粒子の平均粒径としては、通常2μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また通常30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
さらに、本発明の蛍光体を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる分散液の上澄み液の電気伝導度は、発光特性の観点からは低いほど好ましいが、生産性も考慮すると通常10mS/m以下、好ましくは5mS/m以下、より好ましくは4mS/m以下である。また、そのときの上澄み液のpHとしては通常4以上、好ましくは5以上、より好ましくは6以上であり、通常10以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下である。
なお、前記の電気伝導度の測定方法としては、蛍光体の10重量倍の水中で所定時間、例えば10分間撹拌して分散させた後、1時間静置することにより、水よりも比重の重い粒子を自然沈降させ、このときの上澄み液の電気伝導度を東亜ディケーケー社製電気伝導度計「EC METER CM−30G」等を用いて測定すればよい。洗浄処理、及び電気伝導度の測定に用いる水としては、特に制限はないが、脱塩水又は蒸留水が好ましい。中でも特に電気伝導度が低いものが好ましく、通常0.0064mS/m以上、また、通常1mS/m以下、好ましくは0.5mS/m以下のものを用いる。なお、電気伝導度の測定は、通常室温(25℃程度)にて行う。
[2−3.蛍光体の製造方法]
本発明の蛍光体は、原料として上述の窒化珪素を用いる限りにおいて特に限定されず、公知の蛍光体の製造方法に準じて製造すればよい。例えば、目的とする蛍光体を構成する金属元素、該金属元素を含有する化合物等の各種原料(以下、適宜「蛍光体原料」という。)を混合し(混合工程)、得られた混合物を焼成する(焼成工程)ことにより製造すればよい。また、例えば、蛍光体原料に代えて、又は蛍光体原料と共に、蛍光体原料を混合焼成して得られる焼成物を焼成して製造しても良い。なお、ここで蛍光体原料及びその焼成物などを総称して、適宜「蛍光体前駆体」と呼ぶことがある。
(蛍光体原料)
本発明の蛍光体の製造に使用される蛍光体原料としては、少なくとも本発明の窒化珪素を蛍光体原料の一部として使用する限り任意のものを使用できる。例えば、蛍光体を構成する各元素の金属、合金、イミド化合物、アミド化合物、酸窒化物、窒化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等が挙げられる。これらの蛍光体原料の中から、複合酸窒化物への反応性や、焼成時におけるNOx、SOx等の発生量の低さ等を考慮して、適宜選択すればよい。
例えば、上記式[I]で表わされる蛍光体を製造する場合には、付活元素である元素Mの原料(以下適宜「M源」という。)、Baの原料(以下適宜「Ba源」という。)、金属元素Mの原料(以下適宜「M源」という。)、及び、Lの原料(以下適宜「L源」という。)としては、それぞれ下記のようなものが挙げられる。
上記M源のうち、Eu源の具体例としては、Eu、Eu(SO、Eu(C・10HO、EuCl、EuCl、EuF、EuF、Eu(NO・6HO、EuN、EuNH、Eu(NH等が挙げられる。中でもEu、EuCl等が好ましく、特に好ましくはEuである。
また、M源のうち、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbそれぞれの原料(以下適宜、それぞれ「Mn源」、「Ce源」、「Pr源」、「Nd源」、「Sm源」、「Tb源」、「Dy源」、「Ho源」、「Er源」、「Tm源」、及び「Yb源」という)等のその他の付活剤元素の原料の具体例としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYb等の付活元素に置き換えた化合物が挙げられる。
上記Ba源の具体例としては、BaO、Ba(OH)・8HO、BaCO、Ba(NO、BaSO、Ba(C)、Ba(OCOCH、BaCl、BaF、BaN、BaNH、Ba(NH等が挙げられる。このうち好ましくは、炭酸塩、酸化物等が使用できるが、酸化物は空気中の水分と反応しやすいため、取扱の点から炭酸塩がより好ましい。中でも、BaCOが好ましい。空気中の安定性が良く、また、加熱により容易に分解するため、目的外の元素が残留しにくく、さらに、高純度の原料を入手しやすいからである。炭酸塩を原料とする場合は、予め炭酸塩を仮焼成して原料として使用することが好ましい。
上記M源のうち、Srの原料(Sr源)の具体例としては、SrO、Sr(OH)・8HO、SrCO、Sr(NO、SrSO、Sr(C)・HO、Sr(OCOCH・0.5HO、SrCl、SrF、SrN、SrNH、Sr(NH等が挙げられる。中でも、SrCOが好ましい。空気中の安定性が良く、また、加熱により容易に分解し、目的外の元素が残留しにくく、さらに、高純度の原料を入手しやすいからである。
上記M源のうち、Mgの原料(Mg源)の具体例としては、MgO、Mg(OH)、塩基性炭酸マグネシウム(mMgCO・Mg(OH)・nHO)、Mg(NO・6HO、MgSO、Mg(C)・2HO、Mg(OCOCH・4HO、MgCl、MgF、Mg、MgNH、Mg(NH等が挙げられる。中でも、MgOや塩基性炭酸マグネシウムが好ましい。
上記M源のうち、Caの原料(Ca源)の具体例としては、CaO、Ca(OH)、CaCO、Ca(NO・4HO、CaSO・2HO、Ca(C)・HO、Ca(OCOCH・HO、CaCl、CaF、Ca、CaNH、Ca(NH等が挙げられる。中でも、CaCO、無水CaCl等が好ましい。
上記M源のうち、Znの原料(Zn源)の具体例としては、ZnO、ZnF、ZnCl、Zn(OH)、Zn、ZnNH、Zn(NH等の亜鉛化合物(但し、水和物であってもよい。)が挙げられる。中でも、粒子成長を促進させる効果が高いという観点からZnF・4HO(但し、無水物であってもよい。)等が好ましい。
また、M源として炭酸塩を原料とする場合は、予め炭酸塩を仮焼成して原料として使用することが好ましい。
上記L源のうち、Siの原料(Si源)としては、本発明の窒化珪素を用いる。ただし、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の窒化珪素以外の原料を用いても良い。本発明の窒化珪素以外の原料としては、例えば、SiOが挙げられる。また、SiOとなる化合物を用いることもできる。このような化合物としては、具体的には、SiO、HSiO、Si(OCOCH等が挙げられる。
さらに、本発明の窒化珪素以外の原料として、他のSiを使用することもできる。ただしこの場合でも、他のSiは、Siとして反応性の点から、粒径が小さく、発光効率の点から純度の高いものが好ましい。さらに、発光効率の点からはα−Siよりもβ−Siの方が好ましく、Siは反射率が高い物を用いることが好ましい。中でも特に不純物である炭素元素の含有割合が少ないものの方が好ましい。炭素含有の割合は、少なければ少ないほど好ましいが、通常0.001重量%以上含有され、現実的には0.01重量%以上含有されることが多く、また、通常0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.03重量%以下である。
一方で、蛍光体粒子の粒径を大きくする点からは、原料であるSiの粒径は大きいことが好ましい。
上記L源のうち、Ge源としては、例えば、GeO又はGeを用いるのが好ましい。また、GeOとなる化合物を用いることもできる。このような化合物としては、具体的には、GeO、Ge(OH)、Ge(OCOCH、GeCl等が挙げられる。
その他のL源の具体例としては、上記Si源又はGe源の具体例として挙げた各化合物において、SiやGeをそれぞれTi、Zr、Hf等に置き換えた化合物が挙げられる。
なお、上述したM源、Ba源、M源及びL源は、それぞれ、一種のみを用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、例えば、上記式[II]で表わされる蛍光体を製造する場合には、付活元素である元素Mの原料(以下適宜「M源」という。)の具体例としては、上記M源と同様のものが挙げられる。また、Ca源、Sr源、Ba源及びSi源の具体例としては、それぞれ、上記式[I]で表わされる蛍光体の蛍光体原料の説明において述べたものと同様のものが挙げられる。
なお、上述したM源、Ca源、Sr源、Ba源及びSi源は、それぞれ、一種のみを用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、例えば、上記式[III]で表わされる蛍光体を製造する場合には、付活元素である元素Mの原料(以下適宜「M源」という。)、Mの原料(以下適宜「M源」という。)、Alの原料(以下適宜「Al源」という。)及びSi源としては、それぞれ下記のようなものが挙げられる。
上記M源のうち、Eu源の具体例としては、Eu、Eu(SO、Eu(C・10HO、EuF、EuCl、EuCl、Eu(NO・6HO、EuN、EuNH、Eu(NH等が挙げられる。中でも酸化物又はハロゲン化物が好ましく、より好ましくはハロゲン化物であり、特に好ましくはEuFである。
また、上記M源のうち、Mn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYb等のその他の付活剤元素の原料の具体例としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbに置き換えた化合物が挙げられる。
上記M源のうち、Ba源の具体例としては、BaO、Ba(OH)・8HO、BaCO、Ba(NO、BaSO、Ba(C)、Ba(OCOCH、BaF、BaCl、Ba、BaN、BaNH、Ba(NH等が挙げられる。このうちBaが好ましい。
上記M源のうち、Sr源の具体例としては、SrO、Sr(OH)・8HO、SrCO、Sr(NO、SrSO、Sr(C)・HO、Sr(OCOCH・0.5HO、SrF、SrCl、Sr、SrN、SrNH、Sr(NH等が挙げられる。中でも、Srが好ましい。
上記M源のうち、Mg源の具体例としては、MgO、Mg(OH)、塩基性炭酸マグネシウム(mMgCO・Mg(OH)・nHO)、Mg(NO・6HO、MgSO、Mg(C)・2HO、Mg(OCOCH・4HO、MgF、MgCl、Mg、MgNH等が挙げられる。中でも、Mgが好ましい。
上記M源のうち、Ca源の具体例としては、CaO、Ca(OH)、CaCO、Ca(NO・4HO、CaSO・2HO、Ca(C)・HO、Ca(OCOCH・HO、CaF、CaCl、Ca、CaNH、Ca(NH等が挙げられる。中でも、Caが好ましい。
Al源としては、AlNを用いることが好ましい。
Si源としては、上記式[I]で表わされる蛍光体の蛍光体原料の説明において述べたものと同様のものが挙げられる。
なお、上述したM源、M源、Al源及びSi源は、それぞれ、一種のみを用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、例えば、上記式[IV]で表わされる蛍光体を製造する場合には、付活元素である元素Mの原料(以下適宜「M源」という。)の具体例としては、上記M源と同様のものが挙げられる。さらに、Mg源、Ca源、Sr源、Ba源、及びSi源の具体例としては、それぞれ、上記式[III]で表わされる蛍光体の蛍光体原料の説明において述べたものと同様のものが挙げられる。
なお、上述したM源、Ca源、Sr源、Ba源、Zn源及びSi源は、それぞれ、一種のみを用いてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、蛍光体原料中に含まれる不純物としては、蛍光体の性能に影響を与えない限りにおいて、特に限定されない。ただし、Fe、Co、Cr及びNiに関しては、通常1000ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下、特に好ましくは1ppm以下であるものが用いられる。
また、各蛍光体原料の重量メジアン径としては、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは3μm以下のものが用いられる。このために、蛍光体原料の種類によっては予めジェットミル等の乾式粉砕機で粉砕を行っても良い。これにより、各蛍光体原料の原料混合物中での均一分散化を図り、かつ、蛍光体原料の表面積増大による原料混合物の固相反応性を高めることができ、不純物相の生成を抑えることが可能となる。特に、窒化物原料の場合には、反応性の観点から他の蛍光体原料より小粒径のものを用いることが好ましい。
ここで、上記の各蛍光体組成中のO元素とN元素に関しては、通常上記各構成元素の原料のアニオン成分として、又は焼成雰囲気中に含有される成分として、蛍光体製造時に供給される。
また、上記各種蛍光体原料においては、純度が高く、より白色度の高い蛍光体原料を用いることが得られる蛍光体の発光効率を高めるため好ましい。具体的には、380nm〜780nmの波長範囲における蛍光体原料の反射率は、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。特には、本発明の蛍光体の発光ピーク波長に近辺の波長において、その蛍光体原料の反射率は60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上である。
また蛍光体原料は、共沈を行うことにより共沈原料としてから用いてもよい。この共沈原料は、蛍光体構成元素の一部又は全部が原子レベルで混合されているものである。通常、共沈は、それぞれ異なる蛍光体構成元素を含む蛍光体原料を組み合わせて行うため、得られる共沈原料は、蛍光体構成元素を2種以上含有することになる。蛍光体原料を共沈させてから使用することにより、蛍光体構成元素が均一に混合された蛍光体を得ることができるので、発光強度が優れる蛍光体を得ることができる。特に、発光中心元素(通常は、付活元素)を含有する共沈原料を使用することにより、発光中心元素を蛍光体中に均一に分散させることができるので、より発光強度に優れる蛍光体を得ることができる。
(混合工程)
目的組成が得られるように蛍光体原料を秤量し、これらを混合してから焼成することにより、本発明の蛍光体が得られる。なお、この際、混合はボールミル等を用いて十分に混合することが好ましい。
蛍光体原料の秤量は、混合物中の蛍光体構成元素の仕込み組成が目的とする蛍光体の組成と同様になるようにするのが好ましい。この際、各蛍光体原料の秤量の誤差はある程度許容されるが、格子欠陥及び不純物相の少ない結晶を得るためには、前記の秤量誤差は小さいことが好ましい。具体的範囲を挙げると、原料混合物中のM元素、M元素及びL元素のモル量比を、それぞれ、目的とする蛍光体組成におけるモル量比に対して±10%の範囲(より詳しくは、通常90%以上、好ましくは95%以上、また、通常110%以下、好ましくは105%以下の範囲)とすることが好ましい。
また、式[I]の組成においてM元素として少なくともEu及びPrを含有する蛍光体を製造する場合は、Pr元素を、Ba元素及びM元素の合計量に対してモル比で通常5%以下、好ましくは4モル%以下、より好ましくは3モル%以下の範囲で含むものを使用し、これを焼成して製造することが望ましい。これにより、耐久性に優れた蛍光体をより確実に得られる。なお、下限に制限は無いが、通常0.01モル%以上である。
上記混合手法としては、特に限定はされず、具体的には、下記(A)及び(B)として挙げる方法等の公知の手法を任意に用いることができる。また、これらの各種条件については、例えば、ボールミルにおいて2種の粒径の異なるボールを混合して用いる等、公知の条件が適宜選択可能である。
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に水、エタノール等のアルコール系溶媒などの、溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
また、上記混合・粉砕時には、必要に応じて、蛍光体原料を篩いにかけても良い。この場合、各種市販の篩いを用いることが可能であるが、金属メッシュ等の金属製のものよりもナイロンメッシュ等の樹脂製のものを用いる方が、不純物混入防止の点で好ましい。
蛍光体原料の混合は、蛍光体原料の物性に応じて、上記湿式又は乾式のいずれかを任意に選択すればよい。例えば窒化物原料を用いる場合、窒化物原料が水分により劣化しないように、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性気体を充填し、水分管理されたグローブボックスでミキサー混合することが好ましい。
混合を行う際、その雰囲気中の水分は、10000ppm以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、10ppm以下が更に好ましく、1ppm以下が特に好ましい。また、酸素は、1%以下が好ましく、1000ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましく、10ppm以下が特に好ましい。
(焼成工程)
得られた混合物を焼成することにより、蛍光体を得る。この焼成は、蛍光体原料をルツボ等の容器に充填し、所定温度、雰囲気下で焼成することが好ましい。
容器としては、各蛍光体原料との反応性の低い材料からなるルツボ又はトレイ等の耐熱容器を用いることが好ましい。このような焼成時に用いる耐熱容器の材質としては、例えば、アルミナ、石英、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、マグネシウム、ムライト等のセラミックス、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、イリジウム、ロジウム等の金属、あるいは、それらを主成分とする合金、カーボン(グラファイト)などが挙げられる。ここで、石英製の耐熱容器は、比較的低温、すなわち、1200℃以下での熱処理に使用することができ、好ましい使用温度範囲は1000℃以下である。
このような耐熱容器の例として、好ましくは窒化ホウ素製、アルミナ製、窒化珪素製、炭化珪素製、白金製、モリブデン製、タングステン製、タンタル製の耐熱容器が挙げられ、より好ましくは窒化ホウ素製、アルミナ製、及びモリブデン製のものが挙げられる。中でも窒素−水素混合気体中といった還元雰囲気での焼成では焼成温度域で安定なアルミナ製のものが好ましい。ただし、蛍光体原料の種類によっては、アルミナと反応する場合もあるため、その場合にはBN製又はモリブデン製の耐熱容器を使用することが好ましい。
なお、蛍光体原料を前記耐熱容器内へ充填する際の充填率(以下、「耐熱容器内充填率」と称する。)は、焼成条件によっても異なるが、後述する後処理工程において焼成物を粉砕しにくくならない程度に充填すれば良く、通常10体積%以上、通常90体積%以下である。また、ルツボに充填された蛍光体原料は蛍光体原料の粒子同士の間に空隙率を有するため、蛍光体原料が充填された体積100ml当たりの蛍光体原料自体の体積としては、通常10ml以上、好ましくは15ml以上、より好ましくは20ml以上であり、また、通常50ml以下、より好ましくは40ml以下、さらに好ましくは30ml以下である。
また、一度に処理する蛍光体原料の量を増やしたいときは、昇温速度を減速する等、耐熱容器内に熱が均一に周るようにすることが好ましい。
また、耐熱容器を炉内に充填する際の充填率(以下適宜、「炉内充填率」と称する)は、炉内の耐熱容器間で熱が不均一にならない程度につめることが好ましい。
さらに、上記焼成において、焼成炉中の耐熱容器の数が多い場合には、例えば、上記の昇温速度を遅めにする等、各耐熱容器への熱の伝わり具合を均等にすることが、ムラなく焼成するためには好ましい。
またここで、蛍光体原料として金属炭酸塩を用いている場合には、脱離する二酸化炭素により焼成炉が傷まないよう、予備焼成を行い、少なくとも一部を金属酸化物に変換する方が好ましい。
焼成時の昇温過程においては、その一部で減圧条件下とすることが好ましい。具体的には、好ましくは室温以上であって、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1200℃以下、更に好ましくは1000℃以下の温度となっているいずれかの時点において、減圧状態(具体的には通常10−2Pa以上0.1MPa未満の範囲)とすることが好ましい。中でも、系内を減圧下後で後述する不活性ガス又は還元性ガスを系内に導入し、その状態で昇温を行うことが好ましい。
このとき、必要に応じて、目的とする温度で1分以上、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上保持しても良い。保持時間は通常、5時間以下、好ましくは3時間以下、より好ましくは1時間以下である。
焼成温度については、目的とする蛍光体により最適温度が異なるため、公知の方法に準じて適宜設定することが好ましい。例えば、焼成粉が焼結してしまうような温度の場合には、発光強度が低くなる可能性がある。
具体的には、上記式[I]で表わされる本発明の蛍光体を製造する場合、通常1600℃を超える焼成温度では焼成粉が焼結してしまい発光強度が低くなる場合があるが、1400℃前後の焼成温度では結晶性の良好な粉体が得られる。したがって、式[I]で表わされる本発明の蛍光体を製造するための焼成温度としては、通常1000℃以上、好ましくは1100℃以上、より好ましくは1150℃以上、更に好ましくは1200℃以上の温度であり、また、通常1600℃以下、好ましくは1500℃以下、より好ましくは1450℃以下の温度である。
上記式[II]で表わされる本発明の蛍光体を製造する場合、1500℃前後の焼成温度では結晶性の良好な粉体が得られる。したがって、式[II]で表わされる本発明の蛍光体を製造するための焼成温度としては、通常1100℃以上、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1300℃以上の温度であり、また、通常1700℃以下、好ましくは1600℃以下、より好ましくは1550℃以下の温度である。
上記式[III]又は式[IV]で表わされる本発明の蛍光体を製造する場合、通常2000℃を超える焼成温度では焼成粉が焼結してしまい、発光強度が低くなる場合があるが、1700〜1800℃前後の焼成温度では結晶性の良好な粉体が得られる。したがって、式[III]又は式[IV]で表わされる本発明の蛍光体を製造するための焼成温度としては、通常1000℃以上、好ましくは1300℃以上、より好ましくは1500℃以上の温度であり、また、通常1900℃以下、好ましくは1850℃以下、より好ましくは1800℃以下の温度である。
焼成雰囲気としては特に制限されないが、通常、不活性ガス雰囲気又は還元雰囲気下で行われる。ここで、前述の通り、付活元素の価数としては、2価のものが多い方が好ましいため、還元雰囲気であるのが好ましい。なお、不活性ガス及び還元性ガスは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
不活性ガス及び還元性ガスとしては、例えば、一酸化炭素、水素、窒素、アルゴン、メタン、アンモニア等が挙げられる。このうち、窒素ガス雰囲気下であることが好ましく、より好ましくは水素ガス含有窒素ガス雰囲気下である。上記窒素(N)ガスとしては、純度99.9%以上を使用することが好ましい。水素含有窒素を用いる場合、電気炉内の酸素濃度を20ppm以下に下げることが好ましい。さらに、雰囲気中の水素含有量は1体積%以上が好ましく、2体積%以上がさらに好ましく、また、100体積%以下の水素ガスを用いても良いが、10体積%以下が好ましく、5体積%以下がより好ましい。雰囲気中の水素の含有量は、高すぎると安全性が低下する可能性があり、低すぎると十分な還元雰囲気を達成できない可能性があるからである。
また、上記不活性ガス及び還元性ガスは昇温開始前に導入しても良いが、昇温途中に導入してもよいし、焼成温度到達時に導入を行っても良いが、昇温開始前又は昇温途中に導入するのが好ましい。
また、これらの不活性ガス及び還元性ガス流通下で焼成を行う場合には、通常0.1〜10リットル/分の流量の下、焼成が行われる。
また、焼成時間は、焼成時の温度や圧力等によっても異なるが、通常、0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。また、焼成時間は長い方が良いが、通常、100時間以下、好ましくは50時間以下、より好ましくは24時間以下、さらに好ましくは12時間以下である。
焼成時の圧力は、焼成温度等によっても異なるため特に限定されないが、通常1×10−5Pa以上、好ましくは1×10−3Pa以上、より好ましくは0.01MPa以上、さらに好ましくは0.1MPa以上であり、また、上限としては、通常5GPa以下、好ましくは1Gpa以下、より好ましくは200MPa以下、さらに好ましくは100MPa以下である。このうち、工業的には大気圧〜1MPa程度がコスト及び手間の点で簡便であり好ましい。
なお、焼成工程においては、例えば蛍光体原料の一部又は全部を混合焼成して得られる焼成物など、原料混合物以外の蛍光体前駆体を原料混合物に合わせて、またはそれらを原料混合物に代えて、焼成するようにしても良い。
(フラックス)
焼成工程においては、良好な結晶を成長させる観点から、反応系にフラックスを共存させてもよい。フラックスの種類は特に制限されないが、例としては、NHCl、NHF・HF等のハロゲン化アンモニウム;NaCO、LiCO等のアルカリ金属炭酸塩;LiCl、NaCl、KCl、CsCl、LiF、NaF、KF、CsF、LiI、NaI、KI、CsI等のアルカリ金属ハロゲン化物;CaCl、BaCl、SrCl、CaF、BaF、SrF、CaI、BaI、SrI等のアルカリ土類金属ハロゲン化物;CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物;B、HBO、Na、K等のホウ素酸化物、ホウ酸及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属のホウ酸塩化合物;LiPO、NHPO、BaHPO、Zn(PO等のリン酸塩化合物;AlF等のハロゲン化アルミニウム;ZnCl、ZnBr、ZnFといったハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛等の亜鉛化合物;Bi等の周期表第15族元素化合物;LiN、Ca、Sr、Ba、SrN、BaN、BN等のアルカリ金属、アルカリ土類金属又は第13族元素の窒化物などが挙げられる。このうち好ましくはハロゲン化物であり、この中でも、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、リン酸塩化合物、又はZnのハロゲン化物が好ましい。また、これらのハロゲン化物の中でも、フッ化物、塩化物が好ましい。このうち、より好ましくはアルカリ土類金属又はZnのフッ化物、並びにアルカリ土類金属のリン酸塩である。
フラックスの使用量は、蛍光体原料の種類やフラックスの材料等によっても異なるが、各フラックス毎に通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、また、通常20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲である。フラックスの使用量が少な過ぎるとフラックスの効果が現れない可能性があり、フラックスの使用量が多過ぎると、フラックス効果が飽和したり、母体結晶に取り込まれて発光色を変化させたり、輝度低下を引き起こしたりする可能性がある。従って、使用するフラックスの種類としても母体結晶を構成する金属元素と同じ元素を含む化合物の方が好ましい。
なお、フラックスは一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。二種以上を組み合わせて用いる場合、フラックスの使用量は全体で通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。また全体で通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
また、上記フラックスのうち潮解性のあるものについては、無水物を用いる方が好ましく、また蛍光体を多段焼成により製造する場合には、より後段の焼成時にフラックスを用いることが好ましい。
フラックスの存在下で焼成して得られる本発明の蛍光体は、量子効率と粒径のバランスが向上するものであり、具体的には、1次粒径が大きくなり、2次粒子のQ.D.が狭くなるという傾向を有するものである。
(一次焼成及び二次焼成)
なお、焼成工程を一次焼成と二次焼成とに分割し、混合工程により得られた原料混合物をまず一次焼成した後、ボールミル等で再度粉砕してから二次焼成を行ってもよい。即ち、焼成工程において固相反応をより進行させ、結晶性を向上させるために、焼成工程を1段ではなく多段に分割して行なってもよい。例えば、混合工程により得られた原料混合物をまず一次焼成した後(第一の焼成工程)、必要に応じてボールミル等で再度粉砕してから、再度焼成する(第二の焼成工程)という操作を1回以上行う。再度の焼成(第二の焼成工程)は、二次焼成、三次焼成というように何回行うようにしてもよい。この際、一次焼成した焼成物は、その焼成物だけで後段の焼成に導入してもよいし、前述の蛍光体原料の一部を混合焼成したものを粉砕し、そこに残りの原料を混合して焼成するという態様をとることもできる。
一次焼成の温度は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常800℃以上、好ましくは1000℃以上、また、通常1600℃以下、好ましくは1400℃以下、より好ましくは1300℃以下の範囲である。
ここで、粒度の揃った蛍光体を得るためには、一次焼成温度を低く設定して粉体状態で固相反応を進めることが好ましい。一方、高輝度の蛍光体を得るためには、一次焼成温度を高く設定して溶融状態で原料が十分に混合して反応した後に二次焼成で結晶成長させることが好ましい。
一次焼成の時間は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常1時間以上、好ましくは2時間以上、また、通常100時間以下、好ましくは50時間以下、より好ましくは24時間以下、さらに好ましくは12時間以下である。
二次焼成の温度、時間等の条件は、基本的に上述の焼成工程の欄に記載した条件と同様である。
なお、フラックスは一次焼成の前に混合してもよいし、二次焼成以降の焼成前に混合してもよい。また、雰囲気等の焼成条件も一次焼成と二次焼成以降で変更してもよい。
このときの焼成条件としては、前述に記載と同様の範囲で適宜選択して行われる。ただし、連続した2つの焼成工程における焼成温度のうち、後段の焼成温度の方を高い温度とする工程を少なくとも1回以上有している方が、蛍光体の結晶成長が促進され、結晶性を高めることが可能になり好ましい。
また、上記多段階焼成においては、焼成工程(第一の焼成工程)で得られた焼成物に対し、少なくとも1回以上洗浄を施してから(洗浄工程)、再度の焼成工程(第二の焼成工程)に供するのが好ましい。洗浄工程を行うことによって、焼成物に付着した不純物相などを除去できるため、蛍光体の残光時間の短縮及び不純物相の量の低減などを実現できる。特に、第1回目の焼成工程の後及び/又は最後の焼成工程の前に行うのが効果的である。
洗浄は、例えば、脱イオン水等の水、エタノール等の有機溶剤、アンモニア水等のアルカリ性水溶液などで行うことができる。また、フラックス等の焼成物表面に付着した不純物相を除去し発光特性を改善するなどの目的のために、例えば、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸;又は、酢酸などの有機酸の水溶液を使用することもできる。この場合、酸性水溶液中で洗浄処理した後に、水で更に洗浄することが好ましい。
洗浄の程度としては、洗浄後の焼成物を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる上澄み液のpHが中性(pH5〜9程度)であることが好ましい。塩基性、又は酸性に偏っていると、後述の液体媒体等と混合するときに液体媒体等に影響を与えてしまう可能性があるためである。
また、上記洗浄の程度は、洗浄後の焼成物を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる上澄み液の電気電導度でも表すことができる。前記電気伝導度は、発光特性の観点からは低いほど好ましいが、生産性も考慮すると通常10mS/m以下、好ましくは5mS/m以下、より好ましくは4mS/m以下となるまで洗浄処理を繰り返し行うことが好ましい。
電気伝導度の測定方法としては、当該焼成物の10重量倍の水中で所定時間、例えば10分間撹拌して分散させた後、1時間静置することにより、水よりも比重の重い焼成物粒子を自然沈降させ、このときの上澄み液の電気伝導度を東亜ディケーケー社製電気伝導度計「EC METER CM−30G」等を用いて測定すればよい。洗浄処理、及び電気伝導度の測定に用いる水としては、特に制限はないが、脱塩水又は蒸留水が好ましい。中でも特に電気伝導度が低いものが好ましく、通常0.0064mS/m以上、また、通常1mS/m以下、好ましくは0.5mS/m以下のものを用いる。なお、電気伝導度の測定は、通常室温(25℃程度)にて行う。
また、粉砕工程は、焼成物が過大である場合にその焼成物を粉砕するために行う。粉砕の方法としては、特に限定されないが、例えば、蛍光体原料の混合工程の説明の項に記載した乾式粉砕方法及び湿式粉砕方法が使用できる。
なお、多段階焼成を行う場合、フラックスはどの焼成工程において混合してもよいが、特に第1回目の焼成工程及び/又は最後の焼成工程において用いるのが効果的である。また、雰囲気等の焼成条件も、焼成工程ごとで変更してもよい。
上記焼成において、焼成炉中のルツボの数が多い場合には、例えば、上記の昇温速度を遅めにする等、各ルツボへの熱の伝わり具合を均等にすることが、ムラなく焼成するためには好ましい。
・蛍光体原料として窒化物を使用した場合の好ましい操作
蛍光体原料として窒化物を用いる場合、原料混合物の固相反応性を高め、不純物相の生成を抑えるため、窒化物を原料混合物中に均一に混合・分散させることが好ましい。これを実現するための具体的手法としては、例えば、予め窒化物以外の蛍光体原料を混合し、焼成し、粉砕したものに対して、窒化物を混合し、焼成させるようにすればよい。また、例えば窒化物を予めジェットミル等の乾式粉砕機で粉砕したものを蛍光体原料として用いるようにした場合、窒化珪素の粉末の表面積が増大することにもなり、窒化物の固相反応性の向上にも寄与するため、特に好適である。なお、これらの例示した方法は、いずれかを単独で行ってもよいが、組み合わせて行うことが好ましい。
(固溶体の形成)
さらに、上記式[I]で表される本発明の蛍光体とランガサイトとの固溶体を形成して、式[I’]で表わされる本発明の蛍光体を製造する場合には、まず式[I]で表される蛍光体及びランガサイトを上述の製造方法に従って又は準じてそれぞれ独立に得た後、それらを混合し、焼成を行うことにより固溶体を形成させればよい。また、始めから固溶体を構成する元素を含有する原料粉を目的とする式[I’]の組成にあわせて混合して、それを焼成することで、固溶体を焼成させても良い。
(後処理)
上述の焼成工程の加熱処理後は、必要に応じて、再加熱(アニール)工程、粉砕、洗浄、乾燥、分級処理等がなされる。
・再加熱工程
再加熱工程は、焼成工程で得られた蛍光体に対して、焼成温度よりも低い温度で加熱処理する工程である。蛍光体の耐久性向上のためには、この工程を有することが好ましい。
再加熱工程における加熱処理温度としては、例えば式[I]で表される蛍光体の場合には、加熱処理時の雰囲気にもよるが、通常1150℃より低く、好ましくは1050℃以下、より好ましくは1000℃以下、さらに好ましくは900℃以下、特に好ましくは800℃以下であり、また、通常300℃以上、好ましくは400℃以上、より500℃以上、更に好ましくは600℃以上、特に好ましくは700℃以上である。
再加熱工程における加熱処理時の雰囲気としては、焼成工程の項に記載したのと同様のものに加え、空気や酸素含有窒素等の酸素含有不活性ガスも用いることができる。
このような酸素含有ガスを用いる場合の酸素濃度としては、通常1%以下とするのが好ましい。
再加熱工程における加熱処理時の圧力は焼成工程の項に記載したのと同様のものが挙げられる。
ここで、焼成時に蛍光体結晶中に取り込まれた水素を脱離させる必要がある場合には、減圧条件下とすることが好ましい。
このとき、真空中で蛍光体を1000℃まで加熱したときに昇温脱離式ガス分析装置を用いて測定したHガス放出量が、蛍光体に対して通常1cm/g以下、好ましくは0.2cm/g以下、より好ましくは0.lcm/g以下となるように、再加熱雰囲気、圧力及び時間を適宜調整することにより、高輝度かつ耐久性の高い蛍光体が得られる。
再加熱工程における加熱処理時間としては、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上であり、また生産性の観点から、通常100時間以下、好ましくは50時間以下、より好ましくは24時間以下、さらに好ましくは12時間以下である。
この再加熱工程を有することにより、さらに蛍光体結晶内にあるゆがみや欠陥を減少させ、蛍光体の結晶性を向上させると共に、蛍光体の表面の改質が期待でき、蛍光体の耐久性向上に寄与するものと考えられる。
特に、例えばニトリドシリケート、ニトリドアルミノシリケート、オキソニトリドシリケート、オキソニトリドアルミノシリケート及びカルボニトリドアルミノシリケートからなる群より選ばれる酸窒化物蛍光体を製造する際には、焼成温度よりも低い温度で加熱処理をするという前記の再加熱工程を行うようにすると効果が顕著に発揮されるため、好ましい。
なお、再加熱工程は、上記焼成工程後の蛍光体に対して行ってもよいし、後述の粉砕、洗浄、分級工程等を行った後の蛍光体に対して行っても良い。
また、雰囲気を変えて、複数回加熱処理をしてもよい。このうち、酸素含有雰囲気下で再加熱処理後、H含有雰囲気下で再加熱処理を行なうことが好ましい。
・粉砕処理
粉砕処理は、例えば、得られた蛍光体が所望の粒径になっていない場合に、焼成物に対して行うことが好ましい。粉砕処理手法としては、特に限定されないが、例えば、原料の混合工程の説明の項に記載した乾式粉砕方法及び湿式粉砕方法が使用できる。中でも生成した蛍光体結晶の破壊を抑え、二次粒子の解砕等の目的とする処理を進めるためには、例えば、アルミナ、窒化珪素、ZrO、ガラス等の容器中にこれらと同様の材質又は鉄芯入りウレタン等のボールを入れてボールミル処理を10分〜24時間程度の間で行うのが好ましい。この場合、有機酸やヘキサメタリン酸などのアルカリリン酸塩等の分散剤を0.05〜2重量%用いても良い。
・洗浄処理
洗浄処理は、例えば、脱イオン水等の水、エタノール等の有機溶剤、アンモニア水等のアルカリ性水溶液などで行うことができる。また、使用されたフラックス等の蛍光体の表面に付着した不純物相を除去し発光特性を改善するなどの目的のために、例えば、塩酸、硝酸、硫酸などの無機酸;又は、酢酸などの有機酸の水溶液を使用することもできる。この場合、酸性水溶液中で洗浄処理した後に、水で更に洗浄することが好ましい。
洗浄の程度としては、洗浄後の蛍光体を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる上澄み液のpHが中性(pH7〜9程度)であることが好ましい。塩基性、又は酸性に偏っていると、後述の液体媒体等と混合するときに液体媒体等に悪影響を与えてしまう可能性があるためである。
また、上記洗浄の程度は、洗浄後の蛍光体を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる上澄み液の電気電導度でも表すことができる。前記電気伝導度は、発光特性の観点からは低いほど好ましいが、生産性も考慮すると通常10mS/m以下、好ましくは5mS/m以下、より好ましくは4mS/m以下となるまで洗浄処理を繰り返し行なうことが好ましい。
電気伝導度の測定方法としては、当該蛍光体の10重量倍の水中で所定時間、例えば10分間撹拌して分散させた後、1時間静置することにより、水よりも比重の重い蛍光体粒子を自然沈降させ、このときの上澄み液の電気伝導度を東亜ディケーケー社製電気伝導度計「EC METER CM−30G」等を用いて測定すればよい。洗浄処理、及び電気伝導度の測定に用いる水としては、特に制限はないが、脱塩水又は蒸留水が好ましい。中でも特に電気伝導度が低いものが好ましく、通常0.0064mS/m以上、また、通常1mS/m以下、好ましくは0.5mS/m以下のものを用いる。なお、電気伝導度の測定は、通常、室温(25℃程度)にて行なう。
また、洗浄処理は、例えば、第一の焼成工程と第二の焼成工程との間に行う洗浄工程と同様にして行うことができる。
・分級処理
分級処理は、例えば、水篩や水簸処理を行う、あるいは、各種の気流分級機や振動篩など各種の分級機を用いることにより行うことができる。中でも、ナイロンメッシュによる乾式分級を用いたり、この乾式分級と水簸処理とを組み合わせて用いたりすると、重量メジアン径20μm程度の分散性の良い蛍光体を得ることができる。
また、ここで、水篩や水簸処理では、通常、水媒体中に0.1〜10重量%程度の濃度で蛍光体粒子を分散させる、また、蛍光体の変質を抑えるために、水媒体のpHを、通常4以上、好ましくは5以上、また、通常9以下、好ましくは8以下とする。また、上記のような重量メジアン径の蛍光体粒子を得るに際して、水篩及び水簸処理では、例えば50μm以下の粒子を得てから、30μm以下の粒子を得るといった、2段階での篩い分け処理を行う方が作業効率と収率のバランスの点から好ましい。また、下限としては、通常1μm以上、好ましくは5μm以上のものを篩い分けるといった処理を行うのが好ましい。
・表面処理
得られた本発明の蛍光体を用いて、後述の方法で発光装置を製造する際には、耐湿性等の耐候性を一層向上させるために、又は後述する発光装置の蛍光体含有部における樹脂に対する分散性を向上させるために、必要に応じて、蛍光体の表面を異なる物質で被覆する等の表面処理を行っても良い。
蛍光体の表面に存在させることのできる物質(以下、任意に「表面処理物質」と称する。)としては、例えば、有機化合物、無機化合物、およびガラス材料などを挙げることができる。
有機化合物としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレン等の熱溶融性ポリマー、ラテックス、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
無機化合物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化硼素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ビスマス等の金属酸化物;窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロンチウム等のオルト燐酸塩;ポリリン酸塩、燐酸ナトリウムと硝酸カルシウムとの組合せのようなアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の燐酸塩とカルシウム塩との組合せ;NHF、KHF等の水溶性フッ化物;硫酸アルミニウム等の水溶性アルミニウム塩等が挙げられる。
ガラス材料としては、例えばホウ珪酸塩、ホスホ珪酸塩、アルカリ珪酸塩等が挙げられる。
これらの表面処理物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
前記の表面処理により得られる本発明の蛍光体は、表面処理物質の存在が前提であるが、その態様は、例えば下記のものが挙げられる。
(i)前記表面処理物質が連続膜を構成して蛍光体の表面を被覆する態様。
(ii)前記表面処理物質が多数の微粒子となって、蛍光体の表面に付着することにより蛍光体の表面を被覆する態様。
蛍光体の表面への表面処理物質の付着量ないし被覆量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、蛍光体の重量に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。蛍光体に対する表面処理物質量が多すぎると蛍光体の発光特性が損なわれることがあり、少なすぎると表面被覆が不完全となって、耐湿性、分散性の改善が見られないことがある。
また、表面処理により形成される表面処理物質の膜厚(層厚)は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常10nm以上、好ましくは50nm以上であり、通常2000nm以下、好ましくは1000nm以下である。この膜厚が厚すぎると蛍光体の発光特性が損なわれることがあり、薄すぎると表面被覆が不完全となって、耐湿性、分散性の改善が見られないことがある。
表面処理の方法には特に限定は無いが、例えば下記のような金属酸化物(酸化珪素)による被覆処理法を挙げることができる。
本発明の蛍光体をエタノール等のアルコール中に混合して、攪拌し、さらにアンモニア水等のアルカリ水溶液を混合して、攪拌する。次に、加水分解可能なアルキル珪酸エステル、例えばテトラエチルオルト珪酸を混合して、攪拌する。得られた溶液を3分間〜60分間静置した後、スポイト等により蛍光体の表面に付着しなかった酸化珪素粒子を含む上澄みを除去する。次いで、アルコール混合、攪拌、静置、上澄み除去を数回繰り返した後、120℃〜150℃で10分〜5時間、例えば2時間の減圧乾燥工程を経て、表面処理蛍光体を得る。
蛍光体の表面処理方法としては、この他、例えば球形の酸化珪素微粉を蛍光体に付着させる方法(特開平2−209989号公報、特開平2−233794号公報)、蛍光体に珪素系化合物の皮膜を付着させる方法(特開平3−231987号公報)、蛍光体微粒子の表面をポリマー微粒子で被覆する方法(特開平6−314593号公報)、蛍光体を有機材料、無機材料及びガラス材料等でコーティングする方法(特開2002−223008号公報)、蛍光体の表面を化学気相反応法によって被覆する方法(特開2005−82788号公報)、金属化合物の粒子を付着させる方法(特開2006−28458号公報)等の公知の方法を用いることができる。
また、上記処理の他、公知の蛍光体、例えば、ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、蛍光表示管、X線増感紙等に用いられる蛍光体に関して一般的に知られている技術を利用することができ、目的、用途等に応じて適宜選択することができる。
[2−4.蛍光体の用途]
本発明の蛍光体は、蛍光体を使用する任意の用途に用いることができるが、特に、青色光又は近紫外光で励起可能であるという特性を生かして、各種の発光装置(後述する「本発明の発光装置」)に好適に用いることができる。組み合わせる蛍光体の種類や使用割合を調整することで、様々な発光色の発光装置を製造することができ、高性能の白色発光装置も実現することができる。こうして得られた発光装置を、画像表示装置の発光部(特に液晶用バックライト等)や照明装置として使用することができる。
特に、本発明の緑色蛍光体を用いた場合、青色光を発する励起光源と橙色ないし赤色の蛍光を発する蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体)を組み合わせれば、白色発光装置を製造することができる。この場合の発光色は、本発明の蛍光体や組み合わせる橙色ないし赤色蛍光体の発光波長を調整することにより、好みの発光色にすることができるが、例えば、いわゆる擬似白色(例えば、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた発光装置の発光色)の発光スペクトルと類似した発光スペクトルを得ることもできる。更に、この白色発光装置に赤色の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体)を組み合わせれば、赤色の演色性に極めて優れた発光装置や電球色(暖かみのある白色)に発光する発光装置を実現することができる。また、近紫外光を発する励起光源に、本発明の蛍光体と、青色の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体)及び赤色蛍光体を組み合わせても、白色発光装置を製造することができる。
[3.蛍光体含有組成物]
本発明の蛍光体は、液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用い、封止した後、熱や光によって硬化させて用いることが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
[3−1.蛍光体]
本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、上述したものから任意に選択することができる。また、本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
[3−2.液体媒体]
本発明の蛍光体含有組成物に使用される液体媒体としては、該蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明の蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、任意の無機系材料及び/又は有機系材料が使用できる。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
有機系材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリメタアクリル酸メチル等のメタアクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これらの中で特に照明など大出力の発光装置に本発明の蛍光体を用いる場合には、耐熱性や耐光性等を高めることを目的として、液体媒体として珪素含有化合物を使用することが好ましい。
珪素含有化合物とは、分子中に珪素原子を有する化合物をいい、例えば、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系材料)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、ハンドリングの容易さ等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
上記シリコーン系材料とは、通常、シロキサン結合を主鎖とする有機重合体をいい、例えば一般組成式(i)で表される化合物及び/またはそれらの混合物が挙げられる。
(RSiO1/2(RSiO2/2(RSiO3/2(SiO4/2・・・式(i)
一般組成式(i)において、RからRは、有機官能基、水酸基、水素原子からなる群から選択されるものを表す。なお、RからRは、同じであってもよく、異なってもよい。
また、上記式(i)において、M、D、T及びQは、各々0以上1未満の数であり、且つ、M+D+T+Q=1を満足する数である。
該シリコーン系材料は、半導体発光素子の封止に用いる場合、液状のシリコーン系材料を用いて封止した後、熱や光によって硬化させて用いることができる。
シリコーン系材料を硬化のメカニズムにより分類すると、通常、付加重合硬化タイプ、縮重合硬化タイプ、紫外線硬化タイプ、パーオキサイド架硫タイプなどのシリコーン系材料を挙げることができる。これらの中では、付加重合硬化タイプ(付加型シリコーン系材料)、縮合硬化タイプ(縮合型シリコーン系材料)、紫外線硬化タイプが好適である。以下、付加型シリコーン系材料、及び縮合型シリコーン系材料について説明する。
付加型シリコーン系材料とは、ポリオルガノシロキサン鎖が、有機付加結合により架橋されたものをいう。代表的なものとしては、例えばビニルシランとヒドロシランとをPt触媒などの付加型触媒の存在下反応させて得られるSi−C−C−Si結合を架橋点に有する化合物等を挙げることができる。これらは市販のものを使用することができ、例えば付加重合硬化タイプの具体的商品名としては信越化学工業社製「LPS−1400」「LPS−2410」「LPS−3400」等が挙げられる。
一方、縮合型シリコーン系材料とは、例えば、アルキルアルコキシシランの加水分解・重縮合で得られるSi−O−Si結合を架橋点に有する化合物を挙げることができる。その具体例としては、下記一般式(ii)及び/又は(iii)で表わされる化合物、及び/又はそのオリゴマーを加水分解・重縮合して得られる重縮合物が挙げられる。
m+ m−n (ii)
(式(ii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Yは、1価の有機基を表わし、mは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、nは、X基の数を表わす1以上の整数を表わす。但し、m≧nである。)
(Ms+ s−t−1 (iii)
(式(iii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Yは、1価の有機基を表わし、Yは、u価の有機基を表わし、sは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、tは、1以上、s−1以下の整数を表わし、uは、2以上の整数を表わす。)
また、縮合型シリコーン系材料には、硬化触媒を含有させてもよい。この硬化触媒としては、例えば、金属キレート化合物などを好適なものとして用いることができる。金属キレート化合物は、Ti、Ta、Zrの何れか1以上を含むものが好ましく、Zrを含むものが更に好ましい。なお、硬化触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
このような縮合型シリコーン系材料としては、例えば特開2007−112973号〜112975号公報、特開2007−19459号公報、及び、特願2006−176468号明細書に記載の半導体発光デバイス用部材が好適である。
縮合型シリコーン系材料の中で、特に好ましい材料について、以下に説明する。
シリコーン系材料は、一般に半導体発光素子や素子を配置する基板及びパッケージ等との接着性が弱いことが課題とされるが、密着性が高いシリコーン系材料として、特に、以下の特徴〔1〕〜〔3〕のうち1つ以上を有する縮合型シリコーン系材料が好ましい。
〔1〕ケイ素含有率が20重量%以上である。
〔2〕後に詳述する方法によって測定した固体Si−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、下記(a)及び/又は(b)のSiに由来するピークを少なくとも1つ有する。
(a)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−40ppm以上、0ppm以下の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上、3.0ppm以下であるピーク。
(b)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−80ppm以上、−40ppm未満の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上5.0ppm以下であるピーク。
〔3〕シラノール含有率が0.1重量%以上、10重量%以下である。
本発明においては、上記の特徴〔1〕〜〔3〕のうち、特徴〔1〕を有するシリコーン系材料が好ましく、上記の特徴〔1〕及び〔2〕を有するシリコーン系材料がより好ましく、上記の特徴〔1〕〜〔3〕を全て有するシリコーン系材料が特に好ましい。
以下、上記の特徴〔1〕〜〔3〕について説明する。
[3−2−1.特徴〔1〕(ケイ素含有率)]
本発明に好適なシリコーン系材料のケイ素含有率は、通常20重量%以上であるが、中でも25重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、上限としては、SiOのみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。
なお、シリコーン系材料のケイ素含有率は、例えば以下の方法を用いて誘導結合高周波プラズマ分光(inductively coupled plasma spectrometry:以下適宜「ICP」と略する。)分析を行ない、その結果に基づいて算出することができる。
{ケイ素含有率の測定}
シリコーン系材料を白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、次いで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行なう。
[3−2−2.特徴〔2〕(固体Si−NMRスペクトル)]
本発明に好適なシリコーン系材料の固体Si−NMRスペクトルを測定すると、有機基の炭素原子が直接結合したケイ素原子に由来する前記(a)及び/又は(b)のピーク領域に少なくとも1本、好ましくは複数本のピークが観測される。
ケミカルシフト毎に整理すると、本発明に好適なシリコーン系材料において、(a)に記載のピークの半値幅は、分子運動の拘束が小さいために、全般に後述の(b)に記載のピークの場合より小さく、通常3.0ppm以下、好ましくは2.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上の範囲である。
一方、(b)に記載のピークの半値幅は、通常5.0ppm以下、好ましくは4.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上、好ましくは0.4ppm以上の範囲である。
上記のケミカルシフト領域において観測されるピークの半値幅が大き過ぎると、分子運動の拘束が大きくひずみの大きな状態となり、クラックが発生し易く、耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。例えば、四官能シランを多用した場合や、乾燥工程において急速な乾燥を行ない大きな内部応力を蓄えた状態などにおいて、半値幅範囲が上記の範囲より大きくなる。
また、ピークの半値幅が小さ過ぎると、その環境にあるSi原子はシロキサン架橋に関わらないことになり、三官能シランが未架橋状態で残留する例など、シロキサン結合主体で形成される物質より耐熱・耐候耐久性に劣る部材となる場合がある。
但し、大量の有機成分中に少量のSi成分が含まれるシリコーン系材料においては、−80ppm以上に上述の半値幅範囲のピークが認められても、良好な耐熱・耐光性及び塗布性能は得られない場合がある。
本発明に好適なシリコーン系材料のケミカルシフトの値は、例えば以下の方法を用いて固体Si−NMR測定を行ない、その結果に基づいて算出することができる。また、測定データの解析(半値幅やシラノール量解析)は、例えばガウス関数やローレンツ関数を使用した波形分離解析等により、各ピークを分割して抽出する方法で行なう。
{固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出}
シリコーン系材料について固体Si−NMRスペクトルを行なう場合、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定及び波形分離解析を行なう。また、得られた波形データより、シリコーン系材料について、各々のピークの半値幅を求める。また、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
{装置条件}
装置:Chemagnetics社 Infinity CMX−400 核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プローブ
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
繰り返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
基準試料:テトラメトキシシラン
シリコーン系材料については、512ポイントを測定データとして取り込み、8192ポイントにゼロフィリングしてフーリエ変換する。
{波形分離解析法}
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形及びガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行なう。
なお、ピークの同定は、AIChE Journal, 44(5), p.1141, 1998年等を参考にする。
[3−2−3.特徴〔3〕(シラノール含有率)]
本発明に好適なシリコーン系材料は、シラノール含有率が、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲である。シラノール含有率を低くすることにより、シラノール系材料は経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿・透湿性何れも低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は密着性に劣るため、シラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
なお、シリコーン系材料のシラノール含有率は、例えば上記[3−2−2.特徴〔2〕(固体Si−NMRスペクトル)]の{固体Si−NMRスペクトル測定及びシラノール含有率の算出}の項において説明した方法を用いて固体Si−NMRスペクトル測定を行ない、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することにより算出することができる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、適当量のシラノールを含有しているため、通常は、デバイス表面に存在する極性部分にシラノールが水素結合し、密着性が発現する。極性部分としては、例えば、水酸基やメタロキサン結合の酸素等が挙げられる。
また、本発明に好適なシリコーン系材料は、通常、適当な触媒の存在下で加熱することにより、デバイス表面の水酸基との間に脱水縮合による共有結合を形成し、更に強固な密着性を発現することができる。
一方、シラノールが多過ぎると、系内が増粘して塗布が困難になったり、活性が高くなり加熱により軽沸分が揮発する前に固化したりすることによって、発泡や内部応力の増大が生じ、クラックなどを誘起する場合がある。
[3−3.液体媒体の含有率]
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性がなく取り扱い難くなる可能性がある。
液体媒体は、本発明の蛍光体含有組成物において、主にバインダーとしての役割を有する。液体媒体は、一種のみを用いてもよいが、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。例えば、耐熱性や耐光性等を目的として珪素含有化合物を使用する場合は、当該珪素含有化合物の耐久性を損なわない程度に、エポキシ樹脂など他の熱硬化性樹脂を含有してもよい。この場合、他の熱硬化性樹脂の含有量は、バインダーである液体媒体全量に対して通常25重量%以下、好ましくは10重量%以下とすることが望ましい。
[3−4.その他の成分]
なお、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分を含有させてもよい。また、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[3−5.蛍光体含有組成物の利点]
本発明の蛍光体含有組成物によれば、本発明の蛍光体を所望の位置に容易に固定できる。例えば、本発明の蛍光体含有組成物を発光装置の製造に用いる場合、本発明の蛍光体含有組成物を所望の位置に成形し、液体媒体を硬化させれば、当該液体媒体で本発明の蛍光体を封止することができ、所望の位置に本発明の蛍光体を容易に固定することが可能となる。
[4.発光装置]
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として本発明の蛍光体を1種以上、第1の蛍光体として含有するものである。
本発明の発光装置は、具体的には、第1の発光体として後述するような励起光源を用い、第2の発光体として使用する蛍光体の種類や使用割合を調整し、公知の装置構成を任意にとることにより、任意の色に発光する発光装置を製造することができる。
例えば、青色光を発する励起光源と緑色の蛍光を発する蛍光体(緑色蛍光体)と橙色ないし赤色の蛍光を発する蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体)とを組み合わせれば、白色発光装置を製造することができる。この場合の発光色は、本発明の蛍光体や組み合わせる蛍光体の発光波長を調整することにより、好みの発光色にすることができるが、例えば、いわゆる擬似白色(例えば、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせた発光装置の発光色)の発光スペクトルと類似した発光スペクトルを得ることもできる。更に、この白色発光装置に赤色の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体)を組み合わせれば、赤色の演色性に極めて優れた発光装置や電球色(暖かみのある白色)に発光する発光装置を実現することができる。また、近紫外光を発する励起光源に、青色の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体)、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を組み合わせても、白色発光装置を製造することができる。
ここで、該白色発光装置の白色とは、JIS Z 8701により規定された、(黄みの)白、(緑みの)白、(青みの)白、(紫みの)白及び白の全てを含む意であり、このうち好ましくは白である。
またさらに、必要に応じて、黄色蛍光体(黄色の蛍光を発する蛍光体)、青色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、他種の緑色蛍光体等を組み合わせて、蛍光体の種類や使用割合を調整し、任意の色に発光する発光装置を製造することもできる。
本発明の蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置の発光スペクトルにおける緑色領域の発光ピークとしては、具体的には、好ましくは515nm〜535nmの波長範囲に発光ピークを有するものが挙げられ、赤色領域の発光ピークとしては580nm〜680nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、青色領域の発光ピークとしては430nm〜480nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましく、黄色領域の発光ピークとしては540nm〜580nmの波長範囲に発光ピークを有するものが好ましい。
なお、発光装置の発光スペクトルは、気温25±1℃に保たれた室内において、オーシャン オプティクス社製の色・照度測定ソフトウェア及びUSB2000シリーズ分光器(積分球仕様)を用いて20mA通電して測定を行うことができる。この発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標として色度値(x,y,z)を算出できる。この場合、x+y+z=1の関係式が成立する。本明細書においては、前記XYZ表色系をXY表色系と称している場合があり、通常(x,y)で表記している。
また、発光効率は、前述のような発光装置を用いた発光スペクトル測定の結果から全光束を求め、そのルーメン(lm)値を消費電力(W)で割ることにより求められる。消費電力は、20mAを通電した状態で、Fluke社のTrue RMS Multimeters Model 187&189を用いて電圧を測定し、電流値と電圧値の積で求められる。
また、本発明の発光装置は平均演色評価数(Ra)及び特殊演色評価数R9が、通常80以上のものであり、好ましくは90以上、より好ましくは95以上のものである。
本発明の蛍光体として、励起光源からの光の照射下において、緑色領域の蛍光を発する蛍光体(以下「本発明の緑色蛍光体」と言う場合がある。)を使用する場合には、本発明の発光装置は、近紫外から青色領域までの発光を有する励起光源(第1の発光体)に対して高い発光効率を示し、更には、液晶ディスプレイ用光源等の白色発光装置に使用した場合にディスプレイの色再現範囲が広くなるという点で、優れた発光装置となる。
また、本発明の緑色蛍光体は、発光装置に用いる場合には、その発光色のJIS Z8701に基づくCIE色度座標x及びyの値は、以下の規定を満たすことが望ましい。即ち、本発明の緑色蛍光体のCIE色度座標xの値は、通常0.100以上、好ましくは0.150以上、より好ましくは0.200以上であり、また、通常0.400以下、好ましくは0.380以下、より好ましくは0.360以下の範囲であることが望ましい。さらに、本発明の緑色蛍光体のCIE色度座標yの値は、通常0.480以上、好ましくは0.490以上、より好ましくは0.495以上であり、また、通常0.670以下、好ましくは0.660以下、より好ましくは0.655以下の範囲であることが望ましい。CIE色度座標x及びyの値が上述の範囲を満たすことにより、白色光合成時に色再現範囲が広くなるという利点が得られる。
また、本発明の緑色蛍光体は、発光装置に用いる場合には、その重量メジアン径は、通常0.01μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上であり、また、通常100μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、重量メジアン径が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
なお、蛍光体の発光スペクトル、色度座標値、その他の各物性値の測定方法としては、[2−2.蛍光体の特性]の項で記載したのと同様の方法を用いることができる。
また、本発明の発光装置に用いられる本発明の緑色蛍光体の好ましい具体例としては、前述の[2.蛍光体]の項に記載した本発明の蛍光体や、後述の[実施例]の項の各実施例に用いた蛍光体が挙げられる。
なお、発光装置の発光スペクトルは、気温25±1℃に保たれた室内において、オーシャン オプティクス社製の色・照度測定ソフトウェア及びUSB2000シリーズ分光器(積分球仕様)を用いて20mA通電して測定を行なうことができる。この発光スペクトルの380nm〜780nmの波長領域のデータから、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標として色度値(x,y,z)を算出できる。この場合、x+y+z=1の関係式が成立する。本明細書においては、前記XYZ表色系をXY表色系と称している場合があり、通常(x,y)で表記している。
本発明の発光装置は、特に白色発光装置とした場合、そのNTSC比が高いという特徴もある。具体的には、本発明の発光装置のNTSC比(%)は、通常70以上、好ましくは72以上、より好ましくは74以上である。また、NTSC比は、数値が高ければ高いほうが好ましいが、理論的には150以下となるものである。
なお、NTSC比の測定方法は以下の通りである。
日本のカラーTVの標準であるNTSC方式では、基準となるR、G、B色度点を、CIE色度座標上のポイント(x,y)で次のように規定している。
R(0.67,0.33)、G(0.21,0.71)、B(0.14,0.08)
このRGBの3点で形成される三角形の面積を100とした時、求めるディスプレイのR、G及びBで形成される三角形の面積、具体的には求めるディスプレイで単色RGBを発光させて色度(x,y)を測定し、CIE色度図上にプロットして得られる三角形の面積をNTSCの標準三角形の面積で割った値に100を掛けた値をNTSC比(%)と定義する。
[4−1.発光装置の構成(発光体)]
(第1の発光体)
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
第1の発光体の発光波長は、後述する第2の発光体の吸収波長と重複するものであれば、特に制限されず、幅広い発光波長領域の発光体を使用することができる。通常は、紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光体が使用され、近紫外領域から青色領域までの発光波長を有する発光体を使用することが特に好ましい。
第1の発光体の発光ピーク波長の具体的数値としては、通常200nm以上が望ましい。このうち、近紫外光を励起光として用いる場合には、通常300nm以上、好ましくは330nm以上、より好ましくは360nm以上が望ましく、また、通常420nm以下のピーク発光波長を有する発光体を使用することが望ましい。また、青色光を励起光として用いる場合には、通常420nm以上、好ましくは430nm以上が望ましく、また、通常500nm以下、好ましくは480nm以下のピーク発光波長を有する発光体を使用することが望ましい。何れも、発光装置の色純度の観点からである。
第1の発光体としては、一般的には半導体発光素子が用いられ、具体的には発光LEDや半導体レーザーダイオード(semiconductor laser diode。以下、適宜「LD」と略称する。)等が使用できる。その他、第1の発光体として使用できる発光体としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス発光素子、無機エレクトロルミネッセンス発光素子等が挙げられる。但し、第1の発光体として使用できるものは本明細書に例示されるものに限られない。
中でも、第1の発光体としては、GaN系化合物半導体を使用したGaN系LEDやLDが好ましい。なぜなら、GaN系LEDやLDは、この領域の光を発するSiC系LED等に比し、発光出力や外部量子効率が格段に大きく、前記蛍光体と組み合わせることによって、非常に低電力で非常に明るい発光が得られるからである。例えば、20mAの電流負荷に対し、通常GaN系LEDやLDはSiC系の100倍以上の発光強度を有する。GaN系LEDやLDにおいては、AlGaN発光層、GaN発光層又はInGaN発光層を有しているものが好ましい。GaN系LEDにおいては、それらの中でもInGaN発光層を有するものは発光強度が非常に強いので特に好ましく、GaN系LEDにおいては、InGaN層とGaN層の多重量子井戸構造のものが発光強度は非常に強いので特に好ましい。
なお、上記においてX+Yの値は通常0.8〜1.2の範囲の値である。GaN系LEDにおいて、これら発光層にZnやSiをドープしたものやドーパント無しのものが発光特性を調節する上で好ましいものである。
GaN系LEDはこれら発光層、p層、n層、電極、及び基板を基本構成要素としたものであり、発光層をn型とp型のAlGaN層、GaN層、又はInGaN層などでサンドイッチにしたヘテロ構造を有しているものが、発光効率が高くて好ましく、更にヘテロ構造を量子井戸構造にしたものが、発光効率が更に高いため、より好ましい。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第2の発光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として前述の本発明の蛍光体(例えば、緑色蛍光体)を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(赤色蛍光体、青色蛍光体、橙色蛍光体等)を含有する。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
上記第2の発光体中に用いられる、本発明の蛍光体以外の蛍光体の組成には特に制限はない。その例を挙げると、結晶母体となる、Y、YVO、ZnSiO、YAl12、SrSiO等に代表される金属酸化物、SrSi等に代表される金属窒化物、Ca(POCl等に代表されるリン酸塩及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物、YS、LaS等に代表される酸硫化物等にCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンやAg、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の金属のイオンを付活元素又は共付活元素として組み合わせたものが挙げられる。
結晶母体の好ましい例としては、例えば、(Zn,Cd)S、SrGa、SrS、ZnS等の硫化物;YS等の酸硫化物;(Y,Gd)Al12、YAlO、BaMgAl1017、(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017、BaAl1219、CeMgAl1119、(Ba,Sr,Mg)O・Al、BaAlSi、SrAl、SrAl1425、YAl12等のアルミン酸塩;YSiO、ZnSiO等の珪酸塩;SnO、Y等の酸化物;GdMgB10、(Y,Gd)BO等の硼酸塩;Ca10(PO(F,Cl)、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl等のハロリン酸塩;Sr、(La,Ce)PO等のリン酸塩等を挙げることができる。
但し、上記の結晶母体、付活元素及び共付活元素は、元素組成には特に制限はなく、同族の元素と一部置き換えることもでき、得られた蛍光体は近紫外から可視領域の光を吸収して可視光を発するものであれば用いることが可能である。
具体的には、蛍光体として以下に挙げるものを用いることが可能であるが、これらはあくまでも例示であり、本発明で使用できる蛍光体はこれらに限られるものではない。なお、以下の例示では、前述の通り、構造の一部のみが異なる蛍光体を、適宜省略して示している。
(第1の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、第1の蛍光体として、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種を単独で使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。本発明の蛍光体を用いることで、発光装置の発光効率を高めることが可能である。さらに、本発明の蛍光体の優れた特性を利用して、温度上昇に伴う発光効率の低下が少なく、高輝度で色再現範囲の広い発光装置を実現することができる。
また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。例えば、本発明の蛍光体が緑色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の緑色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が橙色ないし赤色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の橙色ないし赤色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が青色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の青色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が黄色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の黄色蛍光体を併用することができる。
これらの蛍光体としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。
(緑色蛍光体)
該緑色蛍光体としては、発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
また、緑色蛍光体の発光ピークの半値幅としては、通常40〜80nmの範囲である。
また、緑色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。具体例を挙げると、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、SrAl1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)AlSi:Eu、(Ba,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu、(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn)Si:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)(Sc,Y,Lu,Gd)(Si,Ge)24:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、YSiO:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光体、Sr−Sr:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi−2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、ZnSiO:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、YAl12:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Tb、LaGaSiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y(Al,Ga)12:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)(Al,Ga)12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、CaScSi12:Ce、Ca(Sc,Mg,Na,Li)Si12:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、SrAl:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO:Ce,Tb、NaGd:Ce,Tb、(Ba,Sr)(Ca,Mg,Zn)B:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、CaMg(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In):Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)(Mg,Zn)(SiOCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、MSi:Eu、MSi12:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
また、緑色蛍光体としては、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光体を用いることも可能である。
以上例示した緑色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置に使用される第1の緑色蛍光体の発光ピーク波長λ(nm)は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、更には515nm以上であり、また、通常550nm以下、中でも542nm以下、更には535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する場合がある。
また、本発明の発光装置に使用される第1の緑色蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピーク半値幅(full width at half maximum。以下適宜「FWHM」と略称する。)が、通常10nm以上、好ましくは20nm以上、より好ましくは25nm以上、さらに好ましくは40nm以上、また、通常85nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは75nm以下、さらに好ましくは70nm以下の範囲であることが挙げられる。この半値幅FWHMが狭過ぎると発光強度が低下する場合があり、広過ぎると色純度が低下する場合がある。
発明の発光装置に使用される第1の緑色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
(橙色ないし赤色蛍光体)
第2の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合、当該橙色ないし赤色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような橙色ないし赤色蛍光体としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)Si:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行なう(Y,La,Gd,Lu)S:Euで表わされるユウロピウム付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体等が挙げられる。
更に、特開2004−300247号公報に記載された、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種類の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光体も、本発明において用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光体である。
また、そのほか、橙色ないし赤色蛍光体としては、(La,Y)S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、Y(V,P)O:Eu、Y:Eu等のEu付活酸化物蛍光体、(Ba,Mg)SiO:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW:Eu、LiW:Eu,Sm、Eu、Eu:Nb、Eu:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、Ca(SiO:Eu、LiY(SiO:Eu、(Sr,Ba,Ca)SiO:Eu、SrBaSiO:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)Al12:Ce、(Tb,Gd)Al12:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce等のCe付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、BaMgSi:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)(Zn,Mg)Si:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、KTiF:Mn等のMn4+付活蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La):Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光体、SrY:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn):Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y,Lu)WO:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)Si:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1−x−yScCe(Ca,Mg)1−r(Mg,Zn)2+rSiz−qGe12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
赤色蛍光体としては、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、又は、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光体、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
以上の中でも、赤色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)S:Eu又はEu錯体を含むことが好ましく、より好ましくは(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu、(Ca,Sr)S:Eu又は(La,Y)S:Eu、もしくはEu(ジベンゾイルメタン)・1,10−フェナントロリン錯体等のβ−ジケトン系Eu錯体又はカルボン酸系Eu錯体を含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O):Eu、(Sr,Ca)AlSi(N,O):Eu又は(La,Y)S:Euが特に好ましい。
また、以上例示の中でも、橙色蛍光体としては(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O):Ce、(Sr,Ba)SiO:Euが好ましい。
なお、橙色ないし赤色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(青色蛍光体)
第2の蛍光体として青色蛍光体を使用する場合、当該青色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、青色蛍光体の発光ピークの半値幅としては、通常20〜80nmの範囲である。
また、青色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
このような青色蛍光体としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユウロピウム付活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Mg,Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,F):Euで表わされるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行なう(Ca,Sr,Ba)Cl:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行なう(Sr,Ca,Ba)Al:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)Al:Eu又は(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm、BaAl13:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa:Ce、CaGa:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu、(Ba,Sr,Ca)(PO(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAlSi:Eu、(Sr,Ba)MgSi:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、YSiO:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO等のタングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO・nB:Eu、2SrO・0.84P・0.16B:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、SrSi・2SrCl:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、SrSiAl19ON31:Eu、EuSiAl19ON31等のEu付活酸窒化物蛍光体、La1−xCeAl(Si6−zAl)(N10−z)(ここで、x、及びyは、それぞれ0≦x≦1、0≦z≦6を満たす数である。)、La1−x−yCeCaAl(Si6−zAl)(N10−z)(ここで、x、y、及びzは、それぞれ、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦6を満たす数である。)等のCe付活酸窒化物蛍光体等を用いることも可能である。
また、青色蛍光体としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラリゾン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光体等を用いることも可能である。
以上の例示の中でも、青色蛍光体としては、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Eu又は(Ba,Ca,Mg,Sr)SiO:Euを含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO(Cl,F):Eu又は(Ba,Ca,Sr)MgSi:Euを含むことがより好ましく、BaMgAl1017:Eu、Sr10(PO(Cl,F):Eu又はBaMgSi:Euを含むことがより好ましい。また、このうち照明用途及びディスプレイ用途としては(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl:Eu又は(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Euが特に好ましい。
なお、青色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(黄色蛍光体)
第2の蛍光体として黄色蛍光体を使用する場合、当該黄色蛍光体は本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。この際、黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、黄色蛍光体の発光ピークの半値幅としては、通常60nm〜200nmの範囲である。
また、黄色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である
このような黄色蛍光体としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。
特に、RE12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)やM 12:Ce(ここで、Mは2価の金属元素、Mは3価の金属元素、Mは4価の金属元素を表わす。)等で表わされるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mは、Si、及び/又はGeを表わす。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSi(N,O):Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)等のCaAlSiN構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa:Eu、(Ca,Sr)Ga:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al):Eu等の硫化物系蛍光体、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、アルカリ土類金属元素を含有していてもよいLaSi11構造を有する希土類付活蛍光体などを用いることも可能である。
また、黄色蛍光体としては、例えば、brilliant sulfoflavine FF (Colour Index Number 56205)、basic yellow HG (Colour Index Number 46040)、eosine (Colour Index Number 45380)、rhodamine 6G (Colour Index Number 45160)等の蛍光染料等を用いることも可能である。
なお、黄色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第2の蛍光体)
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。
上記のように、第1の蛍光体として緑色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等の緑色蛍光体以外の蛍光体を用いる。第1の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等の橙色ないし赤蛍光体以外の蛍光体を用いる。第1の蛍光体として青色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、黄色蛍光体等の青色蛍光体以外の蛍光体を用いる。第1の蛍光体として黄色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体等の黄色蛍光体以外の蛍光体を用いる。
該緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体及び黄色蛍光体の例としては、前記第1の蛍光体の項で記載したのと同様の蛍光体を挙げることができる。
本発明の発光装置に使用される第2の蛍光体の重量メジアン径は、通常10μm以上、中でも12μm以上が好ましく、また、通常30μm以下、中でも25μm以下の範囲であることが好ましい。重量メジアン径が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、重量メジアン径が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。
(第2の蛍光体の組み合わせ)
上記第2の蛍光体としては、1種類の蛍光体のみを使用してもよく、2種以上の蛍光体を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体と第2の蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、第2の蛍光体の使用量、並びに、第2の蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせ及びその比率等は、発光装置の用途等に応じて任意に設定すればよい。
また、本発明の蛍光体は、他の蛍光体と混合(ここで、混合とは、必ずしも蛍光体同士が混ざり合っている必要はなく、異種の蛍光体が組み合わされていることを意味する。)して用いることができる。特に、上記に記載の組み合わせで蛍光体を混合すると、好ましい蛍光体混合物が得られる。なお、混合する蛍光体の種類やその割合に特に制限はない。
本発明の発光装置において、以上説明した第2の蛍光体の使用の有無及びその種類は、発光装置の用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、本発明の発光装置を緑色発光の発光装置として構成する場合には、第1の蛍光体として緑色蛍光体のみを使用すればよく、第2の蛍光体の使用は通常は不要である。
一方、本発明の発光装置を第1の蛍光体として緑色蛍光体を用い、白色発光の発光装置として構成する場合には、第1の発光体と、第1の蛍光体と、第2の蛍光体との好ましい組み合わせの具体例としては、以下の(i)〜(iii)の組み合わせが挙げられる。
(i)第1の発光体として青色発光体(青色LED等)を使用し、第1の蛍光体として緑色蛍光体(本発明の蛍光体等)を使用し、第2の蛍光体として赤色蛍光体を使用する。この場合、赤色蛍光体としては、KTiF:Mn及び(Sr,Ca)AlSi(N,O):Euからなる群より選ばれる一種又は二種以上の赤色蛍光体が好ましい。
(ii)第1の発光体として近紫外発光体(近紫外LED等)を使用し、第1の蛍光体として緑色蛍光体(本発明の蛍光体等)を使用し、第2の蛍光体として青色蛍光体及び赤色蛍光体を併用する。この場合、青色蛍光体としては、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu及び(Mg,Ca,Sr,Ba)(PO(Cl,F):Euからなる群より選ばれる一種又は二種以上の青色蛍光体が好ましい。また、赤色蛍光体としては、(Sr,Ca)AlSiN:Eu及びLaS:Euからなる群より選ばれる一種又は二種以上の赤色蛍光体が好ましい。中でも、近紫外LEDと、本発明の蛍光体と、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Euと、赤色蛍光体として(Sr,Ca)AlSi(N,O):Euとを組み合わせて用いることが好ましい。
(iii)第1の発光体として青色発光体(青色LED等)を使用し、第1の蛍光体として緑色蛍光体(本発明の蛍光体等)を使用し、第2の蛍光体として橙色蛍光体を使用する。この場合、橙色蛍光体としては(Sr,Ca)AlSi(N,O):Ce、及び(Sr,Ba)SiO:Euからなる群より選ばれる一種又は二種以上の橙色蛍光体が好ましい。
(封止材料)
本発明の発光装置において、上記第1及び/又は第2の蛍光体は、通常、封止材料である液体媒体に分散させて用いられる。該液体媒体としては、前述の[3.蛍光体含有組成物]の項で記載したのと同様のものが挙げられる。
また、該液体媒体は、封止部材の屈折率を調整するために、高い屈折率を有する金属酸化物となり得る金属元素を含有させることができる。高い屈折率を有する金属酸化物を与える金属元素の例としては、Si、Al、Zr、Ti、Y、Nb、B等が挙げられる。これらの金属元素は1種のみで使用されてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で併用されてもよい。
このような金属元素の存在形態は、封止部材の透明度を損なわなければ特に限定されず、例えば、メタロキサン結合として均一なガラス層を形成していても、封止部材中に粒子状で存在していてもよい。粒子状で存在している場合、その粒子内部の構造はアモルファス状であっても結晶構造であってもよいが、高屈折率を与えるためには結晶構造であることが好ましい。また、その粒子径は、封止部材の透明度を損なわないために、通常は、半導体発光素子の発光波長以下、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下、特に好ましくは30nm以下である。例えばシリコーン系材料に、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ニオブ等の粒子を混合することにより、上記の金属元素を封止部材中に粒子状で存在させることができる。
また、上記液体媒体としては、更に、拡散剤、フィラー、粘度調整剤、紫外線吸収剤等公知の添加剤を含有していてもよい。なお、これらの添加剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
[4−2.発光装置の構成(その他)]
本発明の発光装置は、上述の第1の発光体及び第2の発光体を備えていれば、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の第1の発光体及び第2の発光体を配置してなる。この際、第1の発光体の発光によって第2の発光体が励起されて(即ち、第1及び第2の蛍光体が励起されて)発光を生じ、且つ、この第1の発光体の発光及び/又は第2の発光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、第1の蛍光体と第2の蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、第1の蛍光体を含有する層の上に第2の蛍光体を含有する層が積層する等、蛍光体の発色毎に別々の層に蛍光体を含有するようにしてもよい。
また、本発明の発光装置では、上述の励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム以外の部材を用いてもよい。その例としては、前述の封止材料が挙げられる。該封止材料は、発光装置において、蛍光体(第2の発光体)を分散させる目的以外にも、励起光源(第1の発光体)、蛍光体(第2の発光体)及びフレーム間を接着する目的で用いたりすることができる。
[4−3.発光装置の実施形態]
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
本発明の発光装置の一例における、励起光源となる第1の発光体と、蛍光体を有する蛍光体含有部として構成された第2の発光体との位置関係を示す模式的斜視図を図1に示す。図1中の符号1は蛍光体含有部(第2の発光体)、符号2は励起光源(第1の発光体)としての面発光型GaN系LD、符号3は基板を表す。相互に接触した状態をつくるために、LD(2)と蛍光体含有部(第2の発光体)(1)とそれぞれ別個に作製し、それらの面同士を接着剤やその他の手段によって接触させてもよいし、LD(2)の発光面上に蛍光体含有部(第2の発光体)を製膜(成型)させてもよい。これらの結果、LD(2)と蛍光体含有部(第2の発光体)(1)とを接触した状態とすることができる。
このような装置構成をとった場合には、励起光源(第1の発光体)からの光が蛍光体含有部(第2の発光体)の膜面で反射されて外にしみ出るという光量損失を避けることができるので、装置全体の発光効率を良くすることができる。
図2(a)は、一般的に砲弾型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。該発光装置(4)において、符号5はマウントリード、符号6はインナーリード、符号7は励起光源(第1の発光体)、符号8は蛍光体含有樹脂部、符号9は導電性ワイヤ、符号10はモールド部材をそれぞれ指す。
また、図2(b)は、表面実装型と言われる形態の発光装置の代表例であり、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。図中、符号22は励起光源(第1の発光体)、符号23は蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部、符号24はフレーム、符号25は導電性ワイヤ、符号26及び符号27は電極をそれぞれ指す。
[4−4.発光装置の用途]
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
[4−4−1.照明装置]
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置(4)を組み込んだ面発光照明装置(11)を挙げることができる。
図3は、本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。この図3に示すように、該面発光照明装置は、内面を白色の平滑面等の光不透過性とした方形の保持ケース(12)の底面に、多数の発光装置(13)(前述の発光装置(4)に相当)を、その外側に発光装置(13)の駆動のための電源及び回路等(図示せず。)を設けて配置し、保持ケース(12)の蓋部に相当する箇所に、乳白色としたアクリル板等の拡散板(14)を発光の均一化のために固定してなる。
そして、面発光照明装置(11)を駆動して、発光装置(13)の励起光源(第1の発光体)に電圧を印加することにより光を発光させ、その発光の一部を、蛍光体含有部(第2の発光体)としての蛍光体含有樹脂部における前記蛍光体が吸収し、可視光を発光し、一方、蛍光体に吸収されなかった青色光等との混色により演色性の高い発光が得られ、この光が拡散板(14)を透過して、図面上方に出射され、保持ケース(12)の拡散板(14)面内において均一な明るさの照明光が得られることとなる。
[4−4−2.画像表示装置]
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
このときのカラーフィルター透過後の光による色再現範囲としては、NTSC比で、通常60%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%以上であり、通常150%以下である。
また、カラーフィルター全体からの透過光の量に対する、各カラーフィルターからの透過光の量(光の利用効率)としては、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは28%以上、さらに好ましくは30%以上である。利用効率は高ければ高いほど好ましいが、赤、緑及び青の3つのフィルターを用いている関係上、通常33%以下となる。
[5.焼結体]
本発明の窒化珪素を焼結させた焼結体(窒化珪素セラミックス)は、体色が白色であり、透光性乃至透明性を有する。窒化珪素セラミックスは、アルミナセラミックスよりも耐熱衝撃性、機械特性に優れる点から、ナトリウムランプ、大出力レーザ母体、防弾ガラス、高温炉のぞき窓等、多くの用途に展開されうる。
[5−1.焼結体の製造方法]
本発明の窒化珪素粉末を使用して焼結体を製造する方法としては特に制限はなく、例えば、(1)ホットプレス法、(2)常圧焼結法、(3)雰囲気加圧焼結法及び(4)HIP法等の、MgO、Al、Yなどの酸化物を焼結助剤として使用する公知の方法が任意に使用できる。このうちで高密度の焼結体が得られやすい(3)または(4)の方法が好ましい。
[6.顔料]
本発明の窒化珪素は、反射率が高く白色顔料としても使用できる。該白色顔料は他の顔料又は添加剤と共に、塗料、遮熱材料、化粧料といった公知の顔料の用途において用いることができる。顔料を分散させた場合の平均一次粒径としては、これらの各用途に応じて適切な範囲となるように、公知の粉砕分散方法を適用すればよいが、例えば、塗料用途においては、30μm以下であることが好ましい。
以下、本発明の実施の形態について実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[蛍光体の測定評価方法]
後述の各実施例、比較例及び参考例において、蛍光体粒子の各種の評価は、特に断りの無い限り、以下の手法で行った。
[発光スペクトルの測定方法]
発光スペクトルは、励起光源として150Wキセノンランプを備え、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて測定した。励起光源からの光を焦点距離が10cmである回折格子分光器に通し、波長405nm又は455nmの励起光のみを光ファイバーを通じて蛍光体に照射した。励起光の照射により蛍光体から発生した光を焦点距離が25cmである回折格子分光器により分光し、300nm以上800nm以下の波長範囲においてスペクトル測定装置により各波長の発光強度を測定し、パーソナルコンピュータによる感度補正等の信号処理を経て発光スペクトルを得た。なお、測定時には、受光側分光器のスリット幅を1nmに設定して測定を行った。
また、発光ピーク波長と半値幅は、得られた発光スペクトルから読み取った。発光ピーク強度及び輝度は、化成オプトニクス社製LP−B4の波長365nm励起時のピーク強度を基準値100とした相対値で表した。この相対発光ピーク強度及び輝度は高い方が好ましい。
[色度座標の測定方法]
430nm〜800nm(励起波長405nmの場合)又は480nm〜800nm(励起波長455nmの場合)の波長領域のデータから、JIS Z8724に準じた方法で、JIS Z8701で規定されるXYZ表色系における色度座標CIExとCIEyを算出した。
[励起スペクトルの測定方法]
日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を使用し、波長は発光ピーク波長に合わせてモニターして250nm〜500nmの波長範囲内の励起スペクトルを得た。
[温度消光特性(発光強度維持率及び輝度維持率)]
発光スペクトル測定装置として大塚電子製MCPD7000マルチチャンネルスペクトル測定装置、ペルチエ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構を備えたステージ、及び光源として150Wキセノンランプを備える装置を使用して測定した。
ステージに蛍光体サンプルを入れたセルを載せ、温度を20℃から175℃の範囲で変化させた。すなわち、蛍光体の表面温度が20℃、25℃、50℃、75℃、100℃、125℃、150℃又は175℃で一定となったことを確認してから、各温度において、光源から回折格子で分光して取り出した波長455nmの光で蛍光体を励起して発光スペクトルを測定した。測定された発光スペクトルから発光ピーク強度及び発光輝度を求め、各温度における該発光ピーク強度及び発光輝度値を20℃における発光ピーク強度及び発光輝度値を100とした場合の割合で計算した。
なお、励起光照射側の蛍光体の表面温度の測定値は、放射温度計と熱電対による温度測定値を利用して補正した値を用いた。
[内部量子効率、外部量子効率、及び吸収効率]
以下のようにして、蛍光体の吸収効率αq、内部量子効率ηi、及び、外部量子効率効率ηo、を求めた。
まず、測定対象となる蛍光体サンプルを、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球に取り付けた。
この積分球に、蛍光体を励起するための発光光源(150WのXeランプ)から光ファイバーを用いて光を導入した。前記の発光光源からの光の発光ピーク波長を455nmの単色光となるようにモノクロメーター(回折格子分光器)等を用いて調整した。この単色光を励起光として、測定対象の蛍光体サンプルに照射し、分光測定装置(大塚電子株式会社製MCPD7000)を用いて、蛍光体サンプルの発光(蛍光)および反射光についてスペクトルを測定した。積分球内の光は、光ファイバーを用いて分光測定装置に導いた。
吸収効率αqは、蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsを励起光の全フォトン数Nで割った値である。
まず、後者の励起光の全フォトン数Nは、下記(式A)で求められる数値に比例する。そこで、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ反射板であるLabsphere製「Spectralon」(波長450nmの励起光に対して99%の反射率Rを持つ。)を、測定対象として、蛍光体サンプルと同様の配置で上述の積分球に取り付け、励起光を照射し、分光測定装置で測定することにより反射スペクトルIref(λ)を測定し、下記(式A)の値を求めた。
ここで、積分区間は、410nm〜480nmとした。
蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsは下記(式B)で求められる量に比例する。
そこで、吸収効率αqを求める対象としている蛍光体サンプルを取り付けたときの、反射スペクトルI(λ)を求めた。(式B)の積分範囲は(式A)で定めた積分範囲と同じにした。実際のスペクトル測定値は、一般にはλに関するある有限のバンド幅で区切ったデジタルデータとして得られるため、(式A)および(式B)の積分は、そのバンド幅に基づいた和分によって求めた。
以上より、αq=Nabs/N=(式B)/(式A)を計算した。
次に、内部量子効率ηiを以下のようにして求めた。内部量子効率ηiは、蛍光現象に由来するフォトンの数NPLを蛍光体サンプルが吸収したフォトンの数Nabsで割った値である。
ここで、NPLは、下記(式C)で求められる量に比例する。そこで、下記(式C)で求められる量を求めた。
積分区間は、481nm〜800nmとした。
以上により、ηi=(式C)/(式B)を計算し、内部量子効率ηiを求めた。
なお、デジタルデータとなったスペクトルから積分を行うことに関しては、吸収効率αqを求めた場合と同様に行った。
そして、上記のようにして求めた吸収効率αqと内部量子効率ηiの積をとることで外部量子効率ηoを求めた。
[重量メジアン径]
堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−300を用いて、分散媒として水を使用して測定した。
[粉末X線回折測定]
粉末X線回折はPANalytical製粉末X線回折装置X’Pertにて精密測定した。測定条件は以下の通りである。また、測定データについては、データ処理用ソフトX’Pert High Score(PANalytical製)を用い、ベンディングフィルターを5として自動バックグラウンド処理を実施した。
CuKα管球使用
X線出力=45KV,40mA
発散スリット=1/4°,X線ミラー
検出器=半導体アレイ検出器X’Celerator使用、Niフィルター使用
走査範囲 2θ=10〜65度
読み込み幅=0.05度
計数時間=33秒
[LED耐久性試験]
図2(b)を参照して説明する。第1の発光体(22)として、青色発光ダイオード(C460EZ290:cree社製)を用い、フレームの凹部の底の電極(27)に接着剤として銀ペーストを用いてダイボンディングした。150℃で2時間加熱し、銀ペーストを硬化させた後、青色LED(22)とフレーム(24)の電極(26)とをワイヤボンディングした。ワイヤとしては直径25μmの金線を用いた。
150℃で2時間乾燥させた各蛍光体0.08gに対し、シリコン樹脂(SCR1011:信越化学工業社製)1.415gを混合して蛍光体スラリーを作製した。該スラリーをフレームの凹部に注入し、70℃で1時間、さらに150℃で5時間過熱して硬化させ蛍光体含有部(23)を形成し、表面実装型緑色発光装置を作製した。
得られた発光装置に対して、温度85℃、湿度85%の環境下で、青色LEDに20mAを通電して駆動し発光させた。緑色に対する影響の高い色度座標であるCIEy値を50時間毎に測定し、通電開始直後の値を100としたときの割合をCIEy保持率として求めた。
[反射スペクトルの測定方法]
反射スペクトルは、励起光源として150Wキセノンランプを、集光装置として積分球を、スペクトル測定装置として、大塚電子製MCPD7000マルチチャンネルスペクトル測定装置を使用した。まず、標準白板として、励起光に対してほぼ100%の反射率Rを持つ物質、Labsphere製「Spectralon」(波長450nmの励起光に対して99%の反射率Rを持つ。)に150Wキセノンランプを照射し、380nm以上780nm以下の波長範囲においてスペクトル測定装置を使用し、各波長の反射強度を測定し、パーソナルコンピューターによる感度補正等の信号処理を経て反射スペクトルを得た。次に、測定対象となる窒化珪素試料を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、同様の方法により各波長の反射強度を測定し、標準白板との反射強度の比率より試料の反射スペクトルを得た。
[物体色の測定方法]
物体色L***の測定方法は、コニカミノルタ製色彩色差計CR−300を、光源としてD65を使用した。まず、標準校正板を透明ガラス板を介して、測定ヘッド部を標準校正板に垂直にあて白色校正を行った。次に、測定対象となる蛍光体試料を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、透明ガラス板を介して、同様の方法で測定し物体色を得た。
[実施例1]
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)300gを窒化ホウ素坩堝に充填し、この窒化ホウ素坩堝を抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業製)内に設置し、<5×10-3Paの減圧下、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度を維持して圧力が0.92MPaとなるまで高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間で導入後、0.92MPaを保持しながら、さらに、昇温速度20℃/分で1200℃まで昇温した。その温度で5分間保持して熱電対から放射温度計に換えて、さらに昇温速度20℃/分で2000℃まで加熱し、2000℃に達したところで3時間保持した。その後、1200℃まで降温速度20℃/分で冷却し、その後放冷し、ふるい分け処理を行い、250μm以下の粒径の粒子を分取した。
得られたβ−Si34の反射スペクトルを図4に、また、粉末X線回折測定結果を図5に示す。また、そこから求められる反射率、高周波炉加熱燃焼抽出−非分散赤外検出法(堀場製作所製、EMIA520FA型)でカーボン含有量を測定した結果及び目視体色を表1に示す。
[実施例2]
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)をふるい分けにより250μm以下の粒径の粒子を分取した後、この粉末を250gを窒化ホウ素坩堝に充填し、実施例1と同様の方法で加熱処理を行った。
該窒化珪素の反射スペクトルを図4に、X線回折パターンを図5に示す。また、そこから求められる反射率、高周波炉加熱燃焼抽出−非分散赤外検出法(堀場製作所製、EMIA520FA型)でカーボン含有量を測定した結果及び目視体色を表1に示す。
[実施例3〜6]
処理温度、処理時間及び処理圧力を表1に記載したように変更した以外は、実施例2と同様に処理を行った。
該窒化珪素の反射スペクトルを図4に、X線回折パターンを図5に示す。また、そこから求められる反射率、高周波炉加熱燃焼抽出−非分散赤外検出法(堀場製作所製、EMIA520FA型)でカーボン含有量を測定した結果及び目視体色を表1に示す。
[比較例1〜23]
各種市販のSi34について、目視体色、反射率及びカーボン含有量(高周波炉加熱燃焼抽出−非分散赤外検出法(堀場製作所製、EMIA520FA型)で測定)を測定した結果を表2に示す。
以上より、本発明の窒化珪素の反射率は、実施例1〜6のうち最も反射率が低い実施例5においても、波長455nmにおける反射率は89%、波長525nmにおける反射率は90%、波長650nmにおける反射率は91%であり、比較例中で一番反射率の高い比較例4と比較した場合でも、波長455nmにおいて10%以上、波長525nmにおいて3%以上、波長650nmにおいて2%以上、反射率が高いことが確認できた。
[実施例7]
蛍光体の各原料の仕込み組成がBa2.82Eu0.18Si9126となるように、BaCO3(白辰化学社製、純度98%)、SiO2(龍森社製、99.99%)、Eu23(信越化学社製、純度99.99%)、実施例3で得られたSi34、及びフラックスであるBaF2(和光純薬社製、99.99%)をそれぞれ秤量した。
原料粉末BaCO3(5.21g)、SiO2(2.52g)及びEu23(0.30g)をナイロン袋に入れ、十分に撹拌混合を行った後、アルミナ坩堝にそれぞれ密充填した。これを一次焼成として、温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、大気圧下、5℃/分の昇温速度で1100℃まで加熱し、その温度で6時間保持した後、室温まで放冷した。
次に二次焼成として、上記で得られた試料と、実施例3にて加熱処理を行ったSi34(1.97g)及びフラックスであるBaF2(0.1g)とをアルミナ乳鉢で粉砕混合し、ふるい分けにより250μm以下の粒径の粒子を分取した後、アルミナ坩堝に密充填し、温度調節器つき抵抗加熱式管状電気炉内に置かれ、大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%の混合気流中、室温から800℃までは4.8℃/分の昇温速度で、800℃から1300℃までは3.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で8時間保持し、ついで、室温まで放冷後、アルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。
得られた焼成物を100mlの1N塩酸中に入れ、30分攪拌した後、静置し2時間後に上澄み液を捨てた。ここに純粋100mlを入れ、15分攪拌した後、静置し30分後に上澄み液を捨て水洗した。水洗操作をさらに3回行った後、ろ過し、ろ上物を110℃で12時間乾燥させた。得られた焼成物について、X線回折パターンを図7に示し、波長455nm励起での発光スペクトル図を図8に示す。
上記X線回折パターンから、実施例7で得られた焼成物が新規結晶相を有するものであることが判明した。該結晶相を有する焼成物について、X線構造解析を行った結果、該結晶相を構成する無機化合物の組成式はBa3Si6122であることが判明した。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。結果を表3に示す。
[実施例8及び9]
用いる窒化珪素として、実施例3で得られたSi34の代わりに、それぞれ実施例5で得られたSi34、実施例6で得られたSi34を用いた以外は実施例7と同様にして蛍光体の製造を行い、X線回折測定及び発行スペクトル測定を行った。X線回折パターンを図7に示し、波長455nm励起での発光スペクトル図を図8に示す。また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例24〜31]
用いる窒化珪素として、実施例3で得られたSi34の代わりに、それぞれ表3に記載の結晶相の種類や不純物炭素量等が異なる各種Si34を用いた以外は、実施例7と同様にして蛍光体の製造を行い、X線回折測定及び発行スペクトル測定を行った。原料窒化珪素の反射スペクトル図は図6に示す。また、得られた焼成物については、X線回折パターンを図7に、波長455nm励起での発光スペクトル図を図8に示し、発光特性を表3に示す。
X線回折パターンから比較例24〜31においても、実施例7〜9の蛍光体と同じ結晶相を有していることがわかる。一方で、その物体色は実施例のものよりくすんでおり、また、発光特性に関してもピーク高さや外部量子効率が低い等、実施例8と比較しても発光効率が低いことがわかる。
[実施例10]
蛍光体の各原料の仕込み組成がSr0.7Ba0.25Eu0.05Si222となるように、BaCO3(白辰化学社製、純度98%)、SrCO3(白辰化学社製、純度98%)、SiO2(龍森社製、99.99%)、実施例3で得られたSi34、Eu23(信越化学社製、純度99.99%)、NH4Cl(レアメタリック社製)をそれぞれ秤量した。
原料粉末BaCO3(2.58g)、SrCO3(5.38g)、SiO2(1.59g)及びEu23(0.48g)をメノウ自動乳鉢に入れ、エタノールを添加し、湿式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られたペースト状混合物を乾燥後、アルミナ坩堝にそれぞれ密充填した。これを一次焼成として、温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、大気圧下、5℃/分の昇温速度で1200℃まで加熱し、その温度で3時間保持した後、室温まで放冷した。
次に二次焼成として、上記で得られた試料と、実施例3にて加熱処理を行ったSi34(3.66g)及びフラックスであるNH4Cl(0.08g)とをアルミナ乳鉢で粉砕混合し、ふるい分けにより250μm以下の粒径の粒子を分取した後、これをアルミナ坩堝に密充填し、温度調節器つき抵抗加熱式管状電気炉内に置き、大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%の混合気流中、室温から800℃までは4.8℃/分の昇温速度で、800℃から1430℃までは3.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で8時間保持し、ついで、室温まで放冷後、アルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物について、X線回折パターンを図9に示し、波長455nm励起での発光スペクトル図を図10に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表4に示す。
[比較例32]
Si34として、上記比較例23のSi34を用いた以外は、実施例10と同様にして蛍光体の製造を行い、X線回折測定及び発光スペクトル測定を行った。X線回折パターンを図9に、波長455nm励起での発光スペクトル図を図10に示し、発光特性を表4に示す。
X線回折パターンから比較例32においても、実施例10の蛍光体と同じ結晶相を有していることがわかる。一方で、その物体色は実施例のものよりくすんでおり、また、発光特性に関しても、ピーク高さや外部量子効率が低い等、実施例10と比較して発光効率が低いことがわかる。
[実施例21]
蛍光体の原料の仕込み組成が、Sr0.5525Ba0.2975Eu0.15Siとなるように秤量した。すなわち、蛍光体原料として、SrCO(24.45g)BaCO(17.60g)、SiO(9.00g)及びEu(7.91g)をメノウ自動乳鉢に入れ、エタノールを添加し、湿式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られたペースト状混合物を乾燥後、アルミナ坩堝にそれぞれ密充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式管状電気炉内に置き、大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%の混合気流中で、室温から800℃までは4.8℃/分の昇温速度で、800℃から1200℃までは3.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で6時間保持した後、室温まで放冷した。得られた試料は、アルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。
次に二次焼成として、上記一次焼成で得られた試料(6.927g)と、実施例3のSi(3.07g)、NHCl(0.10g)をメノウ自動乳鉢に入れ、エタノールを添加し、湿式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られたペースト状混合物を乾燥後、アルミナ坩堝にそれぞれ密充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、これを大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%雰囲気中の混合気流中、室温から800℃までは5.0℃/分の昇温速度で、800℃から1500℃までは4.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で6時間保持した後、室温まで放冷した。得られた焼成物をアルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物について、波長455nm励起での発光スペクトル図を図14に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表8に示す。
[比較例40及び41]
上記実施例21のSiを表2の比較例15及び23のSiへ変更した以外は実施例21と同様にして、混合、焼成を行った。得られた焼成物をアルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物について、波長455nm励起での発光スペクトル図を図14に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表8に示す。
以上の結果より、比較例40及び41に比べ、実施例21の蛍光体は物体色が鮮明であり、また、発光特性に関してもピーク高さや量子効率が高い等、発光効率が高いことがわかる。
[実施例22]
実施例21におけるNHCl(0.10g)をZnF・4HO(0.10g)へ変更した以外は実施例21と同様にして、混合、焼成を行い、発光特性等について評価を行った。
波長455nm励起での発光スペクトル図を図15に示し、発光特性を表9に示す。
以上の結果から、フラックスの種類をNHClからZnF・4HOに変更しても、同程度の性能が得られることがわかる。
[実施例23〜25]
蛍光体の原料の仕込み組成が表10に記載のようになるように、各蛍光体原料の秤量値を変更した以外は実施例21と同様にして混合、焼成を行い、発光特性等について評価を行った。
波長455nm励起での発光スペクトル図を図16に示し、発光特性を表10に示す。
[実施例11]
蛍光体の各原料仕込み組成がCa0.992Eu0.008AlSiN3となるように、Ca32(CERAC社製、純度99%)、AlN(トクヤマ社製、純度99%)、Eu23(信越化学社製、純度99.99%)、実施例3で得られたSi34をそれぞれ秤量した。
原料粉末Ca32(0.72g)、Si34(0.68g)、AlN(0.60g)、Eu23(0.02g)を窒素ガスで充満したグローブボックス内でメノウ乳鉢に入れ、乾式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られた混合物を、窒化ホウ素坩堝にそれぞれ密充填した。この窒化ホウ素坩堝を抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業製)内に設置し、<5×10-3Paの減圧下、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度を維持して圧力が0.92MPaとなるまで高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間で導入後、0.92MPaを保持しながら、さらに、昇温速度20℃/分で1200℃まで昇温した。その温度で5分間保持して熱電対から放射温度計に換えて、さらに昇温速度20℃/分で1600℃まで加熱し、1600℃に達したところで2時間保持した。さらに昇温速度20℃/分で1800℃まで加熱し、1800℃に達したところで2時間保持した。その後、1200℃まで降温速度20℃/分で冷却し、その後放冷し、アルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物の波長455nm励起での発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表5に示す。
[比較例33]
Si34として、比較例23の窒化珪素を用いた以外は、実施例11と同様にして蛍光体を製造した。得られた焼成物の波長455nm励起での発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表5に示す。
[実施例12]
蛍光体の各原料仕込み組成がCa1.98Eu0.02Si58となるように、Ca32(CERAC社製、純度99%)、Eu23(信越化学社製、純度99.99%)、実施例3で得られたSi34をそれぞれ秤量した。
原料粉末Ca32(0.59g)、Si34(1.40g)、Eu23(0.02g)を窒素ガスで充満したグローブボックス内でメノウ乳鉢に入れ、乾式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られた混合物を、窒化ホウ素坩堝にそれぞれ密充填した。この窒化ホウ素坩堝を抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業製)内に設置し、<5×10-3Paの減圧下、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度を維持して圧力が0.92MPaとなるまで高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間で導入後、0.92MPaを保持しながら、さらに、昇温速度20℃/分で1200℃まで昇温した。その温度で5分間保持して熱電対から放射温度計に換えて、さらに昇温速度20℃/分で1600℃まで加熱し、1600℃に達したところで2時間保持した。さらに昇温速度20℃/分で1800℃まで加熱し、1800℃に達したところで2時間保持した。その後、1200℃まで降温速度20℃/分で冷却し、その後放冷し、アルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物の波長455nm励起での発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表5に示す。
[比較例34]
Si34として、比較例23の窒化珪素を用いた以外は、実施例12と同様にして蛍光体を製造した。得られた焼成物の波長455nm励起での発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表5に示す。
[実施例26]
蛍光体の各原料の仕込み組成が、Sr1.98Eu0.02Siとなるように、蛍光体原料として、SrNH(1.38g)、実施例3のSi(1.59g)及びEu(0.02g)を窒素で満たしたグローブボックス内にて秤量し、アルミナ乳鉢上で均一になるまで混合した。こうして得られた混合粉は、窒化ホウ素坩堝にそれぞれ密充填した。これを0.92MPaの圧力下、窒素雰囲気中で1400℃まで加熱し、その温度で4時間保持した後放冷した。得られた試料をアルミナ乳鉢上で粉砕し、再度0.92MPaの圧力下、窒素雰囲気中で1600℃まで加熱し、その温度で4時間保持した後放冷した。得られた焼成物はアルミナ乳鉢上で粉砕した。該焼成物の波長455nm励起での発光スペクトル図を図17に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表11に示す。
[比較例42及び43]
上記実施例26のSiを表2の比較例15及び23のSiへ変更した以外は実施例26と同様にして、混合、焼成を行った。得られた焼成物をアルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物について、波長455nm励起での発光スペクトル図を図17に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表11に示す。
[実施例27]
蛍光体の各原料の仕込み組成が、Ba1.98Eu0.02Siとなるように、蛍光体原料として、BaNH(1.60g)、実施例3のSi(1.37g)及びEu(0.02g)を窒素で満たしたグローブボックス内にて秤量し、アルミナ乳鉢上で均一になるまで混合した。こうして得られた混合粉は、実施例26と同様の操作で焼成を行った。得られた焼成物はアルミナ乳鉢上で粉砕した。得られた焼成物はアルミナ乳鉢上で粉砕した。該焼成物の波長455nm励起での発光スペクトル図を図18に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表12に示す。
[比較例44]
上記実施例27のSiを表2の比較例23のSiへ変更した以外は実施例27と同様にして、混合、焼成を行った。得られた焼成物をアルミナ乳鉢上で粉砕処理を行った。得られた焼成物について、波長455nm励起での発光スペクトル図を図18に示す。
また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。発光特性を表12に示す。
[実施例13]
蛍光体の各原料の仕込み組成がBa2.82Eu0.18Si9126となるように、BaCO3(白辰化学社製、純度98%)、SiO2(龍森社製、99.99%)、Eu23(信越化学社製、純度99.99%)、実施例3で得られたSi34、及びフラックスであるZnF2・4H2O(和光純薬社製、99.99%)をそれぞれ秤量した。
原料粉末BaCO3(10.83g)、SiO2(5.16g)、Eu23(0.60g)、実施例3にて加熱処理を行ったSi34(4.02g)及びフラックスであるZnF2・4H2O(0.31g:原料混合物に対して1.5重量%)をメノウ自動乳鉢に入れ、エタノールを添加し、湿式混合法により均一になるまで混合した。こうして得られたペースト状混合物を乾燥後、アルミナ坩堝にそれぞれ密充填した。これを一次焼成として、温度調節器つき抵抗加熱式管状電気炉内に置き、大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%の混合気流中、室温から800℃までは4.8℃/分の昇温速度で、800℃から1200℃までは3.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で4時間保持した後、室温まで放冷した。
次に二次焼成として、上記で得られた試料を、アルミナ乳鉢で粉砕混合し、ふるい分けにより50μm以下の粒径の粒子を分取した後、アルミナ坩堝に密充填し、温度調節器つき抵抗加熱式管状電気炉内に置かれ、大気圧下、0.5 l/分の窒素96体積%+水素4体積%の混合気流中、室温から800℃までは4.8℃/分の昇温速度で、800℃から1300℃までは3.0℃/分の昇温速度で加熱し、その温度で4時間保持し、ついで、室温まで放冷後、アルミナ乳鉢上で粉砕処理し、ふるい分けにより50μm以下の粒径の粒子を分取した。
得られた焼成物を100mlの1N塩酸中に入れ、30分攪拌した後、静置し2時間後に上澄み液を捨てた。ここに純粋100mlを入れ、15分攪拌した後、静置し30分後に上澄み液を捨て水洗した。水洗操作をさらに3回行った後、ろ過し、ろ上物を110℃で12時間乾燥させた。得られた焼成物について、X線回折パターンを図11に示し、波長455nm励起での発光スペクトル図を図13に示す。
上記X線回折パターンから、実施例13で得られた焼成物が実施例7と同様の結晶相を有するものであることを確認した。また、発光スペクトルをもとに、発光特性について評価を行った。結果を表7に示す。
[実施例14〜20]
原料の仕込みモル組成比を表6に記載のように変更した以外は実施例13と同様にして各蛍光体を製造した。得られた焼成物のX線回折パターンを図11に示し、波長455nm励起での発光スペクトルを測定した。実施例14,15,17,19について、測定された発光スペクトル図を図13に示す。また、発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表7に示す。
[比較例35〜39]
原料の窒化珪素として、実施例3にて加熱処理を行ったSi34に代えて、比較例4の窒化珪素を用いた以外は、実施例13、14、16、18及び20と同様にして蛍光体を製造した。得られた焼成物のX線回折パターンを図12に示し、波長455nm励起での発光スペクトルをもとにした発光特性評価結果を表7に示す。
以上の結果より、本発明の蛍光体は、比較例の蛍光体に比べて、その相対ピーク強度や相対輝度が高く発光効率が高く、特に焼成温度が1600℃以下、特には1500℃以下といった低い温度で焼成を行なう蛍光体について、その効果が顕著であることがわかる。
[実施例28]
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)250gを窒化ホウ素坩堝に充填し、この窒化ホウ素坩堝を抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業製)内に設置し、<5×10-3Paの減圧下、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度を維持して圧力が0.92MPaとなるまで高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間で導入後、0.92MPaを保持しながら、さらに、昇温速度20℃/分で1200℃まで昇温した。その温度で5分間保持して熱電対から放射温度計に換えて、さらに昇温速度20℃/分で1800℃まで昇温したところで、昇温速度10℃/分にして2000℃まで加熱した。2000℃に達したところで5時間保持した。その後、1200℃まで降温速度20℃/分で冷却し、その後放冷し、ふるい分け処理を行い、250μm以下の粒径の粒子を分取した。
得られたβ−Si34の特性を表13に示す。尚、窒化珪素の比表面積測定は(株)大倉理研製 全自動比表面積測定装置(流動法) モデル:AMS1000A を使用し、連続流動BET1点法により測定を実施した。また、得られたβ−Si34を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真を図19に示す。
上記で得られたβ−Siを用いて蛍光体の製造を行った。すなわち、蛍光体の各原料の仕込み組成がBa2.7Eu0.3Si6.9123.2となるように蛍光体原料として、BaCO3(293g)、SiO2(149g)及びEu23(29g)を十分に攪拌混合を行った後、アルミナるつぼに充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、大気圧の大気雰囲気下、4℃/分の昇温速度で1100℃まで加熱し、その温度で6時間保持した後、室温まで放冷した。得られた試料をアルミナ乳鉢上で、100μm以下まで粉砕した。
上記で得られた試料(177g)とβ−Si34(34g)とを十分に攪拌混合を行った後、一次焼成として、アルミナるつぼに充填し、これを大気圧下、窒素96体積%+水素4体積%の混合ガス3 l/分での流通下で1170℃まで加熱し、その温度で6時間保持したあと室温まで放冷した。得られた焼成粉をアルミナ乳鉢上で100μm以下になるまで粉砕した。
上記一次焼成で得られた焼成粉200gと、フラックスであるBaF2(3g)と、BaHPO4(6g)とを十分に攪拌混合を行った後、モリブデン内張付きアルミナるつぼに充填し、二次焼成と して大気圧下、窒素96体積%+水素4体積%の混合ガス3 l/分での流通下で1320℃まで加熱し、その温度で20時間保持したあと室温まで放冷した。得られた焼成粉をアルミナ乳鉢上で100μm以下になるまで粉砕した。
上記二次焼成で得られた試料(200g)と、フラックスであるBaF2(4g) と、BaCl2(20g) と、BaHPO4(10g)とを十分に攪拌混合を行った後、アルミナるつぼに充填し、三次焼成として大気圧下、窒素96体積%+水素4体積%の混合ガス3 l/分での流通下で1170℃まで加熱し、その温度で6時間保持したあと室温まで放冷した。得られた焼成粉をガラスビーズを用いてスラリー化して分散を行い、60μm以下を篩により分取した後、1N塩酸で洗浄処理を行い、脱水、乾燥し、60μm以下を篩い分けした。
得られた蛍光体の特性を表14に示す。
[実施例29]
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)250gを窒化ホウ素坩堝に充填し、この窒化ホウ素坩堝を抵抗加熱式真空加圧雰囲気熱処理炉(富士電波工業製)内に設置し、<5×10-3Paの減圧下、室温から800℃まで昇温速度20℃/分で真空加熱した。800℃に達したところで、その温度を維持して圧力が0.92MPaとなるよう高純度窒素ガス(99.9995%)を30分間導入したが、密閉系にはならず、0.84MPaの時点で加熱を停止し自然放冷した。その後、該窒化珪素に対し、実施例28と同様の手順により再度加熱処理を行い、β−Si34を得た。得られたβ−Si34の特性を表13に示す。また、得られたβ−Si34を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真を図20に示す。
上記で得られたβ−Si34用いて蛍光体の製造を行った。すなわち、上記で得られたβ−Si34用いた以外は実施例28と同様の手順により蛍光体を得た。
得られた蛍光体の特性を表14に示す。
以上の結果から、比表面積の小さいβ−Si34を使用した方が、高輝度の蛍光体が得られる傾向にあることがわかる。
[実施例30;シリカ添加によるβ−窒化珪素の製造]
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)250gとSiO 15gとを十分に攪拌混合を行った。これを1600℃から2000℃までの昇温速度を5℃/分、2000℃保持時間を4時間とした以外は実施例28と同様の手順により加熱して、β−Si34を得た。シリカ添加により原料中の酸素を増やすことで、比表面積の小さい大粒子β−窒化珪素が得られた。得られたβ−Si34の特性を表15に示す。また、得られたβ−Si34を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真を図21に示す。
[実施例31]大気焼成によるβ−窒化珪素の製造
α−Si34(宇部興産社製SN−E10)20gをアルミナるつぼに充填した。これを温度調節器つき抵抗加熱式電気炉内に置き、大気圧の大気雰囲気下、5℃/分の昇温速度で1150℃まで加熱し、その温度で4時間保持した後、室温まで放冷した。
これを実施例28と同様の手順により加熱してβ−Si34を得た。大気焼成により原料中の酸素を増やすことで、比表面積の小さい大粒子β−窒化珪素が得られた。得られたβ−Si34の特性を表15に示す。また、得られたβ−Si34を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真を図22に示す。
以上の結果から微量の酸素原子が共存している状態で窒化珪素の処理を行うと得られるβ−窒化珪素の比表面積が小さくなることがわかる。
[実施例32]
炭酸バリウム、シリカ、酸化ユウロピウムを原子比で1.82:3:0.18となるように混合し、大気中で1100℃、5時間焼成を行い、(Ba0.9Eu0.1Siを得た。
得られた(Ba0.9Eu0.1Siに対して0.5倍モルのSi(前述のN雰囲気での加熱処理品であって、平均粒径(D50)約5μm(超音波分散後)、約85μm(超音波分散前)、不純物元素Feを10重量ppm含有)を加えて混合し、4%H/N流通条件(窒素96体積%+水素4体積%の混合気流)で、雰囲気焼成炉にて1220℃で6時間焼成した。
得られた焼成物にフラックスとしてBaF 2重量%及びBaHPO 2重量%を加え、4%H/N流通条件で、雰囲気焼成炉にて1360℃で9時間焼成した。得られた焼成物にBaCl 8重量%、BaHPO 5重量%及びBaF 1重量%を加え、4%H/N流通条件で、雰囲気焼成炉にて1220℃で6時間処理した。得られた焼成物を破砕し、水を分散媒として湿式ボールミルにより解砕し、希塩酸で洗浄を行った。その後、さらに解砕、分級、水洗、乾燥を行い、平均粒径(D50)約20μmの蛍光体を得た。455nm励起での発光特性、量子効率および物体色を評価した結果を表16に示す。
[実施例33]
原料Siとして、実施例32で使用したSiを大気中でジェットミル粉砕して得たものを使用した。すなわち、炭酸バリウム、シリカ、酸化ユウロピウムを原子比で1.82:3:0.18となるように混合し、大気中で1100℃、5時間焼成を行い、(Ba0.9Eu0.1Siを得た。
得られた(Ba0.9Eu0.1Siに対して0.5倍モルのSi(平均粒径(D50)約2μm(超音波分散後)、約5μm(超音波分散前)、不純物元素Feを147重量ppm含有)を加えて混合し、4%H/N流通条件(窒素96体積%+水素4体積%の混合気流)で、雰囲気焼成炉にて1220℃で6時間焼成した。
得られた焼成物にフラックスとしてBaF 2重量%及びBaHPO 2重量%を加え、4%H/N流通条件で、雰囲気焼成炉にて1290℃で10時間焼成した。得られた焼成物を破砕し、平均粒径(D50)約20μmの蛍光体を得た。455nm励起での発光特性、量子効率および物体色を評価した結果を表16に示す。
[実施例34]
原料Siとして、実施33で使用したSiをさらに2N塩酸で洗浄し、水洗、脱水、乾燥、篩いを行い得たもの(平均粒径(D50)約2μm(超音波分散後)、約3μm(超音波分散前)、不純物元素Feを13重量ppm含有)を使用した以外は実施例33と同様にして蛍光体を得た。得られた焼成物を破砕し、平均粒径(D50)約22μmの蛍光体を得た。455nm励起での発光特性、量子効率および物体色を評価した結果を表16に示す。
以上の結果から、ジェットミル処理することによりFe含有量の高い原料窒化珪素を用いた場合には蛍光体の体色が不鮮明となるが、さらに酸洗浄を行いFe含有量を低下させることにより、再び体色が優れた蛍光体を得ることができることがわかる。一方で、発光強度等の比較から、原料窒化珪素の粒径変化に合わせて焼成条件を変更することが望ましいことがわかる。
本発明は無機材料の原料として有用な窒化珪素に関するものであり、産業上の任意の分野で使用可能である。特に、蛍光体、セラミックス、顔料等の分野で有用であり、該蛍光体は、照明、画像表示装置等の光を使用する用途に用いて特に好適である。
また、本発明の蛍光体は産業上の任意の分野で使用することができ、例えば、発光装置に用いることができる。中でも、本発明の蛍光体は、従来から白色発光装置に多く使用されているYAG:Ce蛍光体に比べて温度上昇に伴う発光効率の低下が通常は小さいため、白色発光装置に用いて好適である。
さらに、本発明の蛍光体は、通常は酸安定性及び高温安定性を有するため耐熱材料として有用である。
また、本発明の蛍光体、蛍光体含有組成物及び発光装置の用途は広く、照明又はディスプレイ等の画像表示装置の分野に使用できる。中でも一般照明用LEDで特に高出力ランプ、とりわけ高輝度で色再現範囲の広いバックライト用白色LEDを実現する目的に適している。
本発明の発光装置の一例における、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)との位置関係を示す模式的斜視図である。 図2(a)及び図2(b)は何れも、励起光源(第1の発光体)と蛍光体含有部(第2の発光体)とを有する発光装置の一実施例を示す模式的断面図である。 本発明の照明装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施例1〜6で得られた窒化珪素の反射スペクトル図である。 本発明の実施例1〜6で得られた窒化珪素のX線回折パターンを表わす図である。 比較例24〜31で用いた原料窒化珪素の反射スペクトル図である。 本発明の実施例7〜9及び比較例24〜31で得られた蛍光体のX線回折パターンを表わす図である。 本発明の実施例7〜9及び比較例24〜31で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例10及び比較例32で得られた蛍光体のX線回折パターンを表わす図である。 本発明の実施例10及び比較例32で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例13〜20で得られた蛍光体のX線回折パターンを表わす図である。 本発明の比較例35〜39で得られた蛍光体のX線回折パターンを表わす図である。 本発明の実施例13〜15、17及び19で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例21及び比較例40〜41で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例21及び22で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例21、23〜25で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例26及び比較例42〜43で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例27及び比較例44で得られた蛍光体を波長455nmの光で励起した場合の発光スペクトル図である。 本発明の実施例28で得られた窒化珪素を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真である。 本発明の実施例29で得られた窒化珪素を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真である。 本発明の実施例30で得られた窒化珪素を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真である。 本発明の実施例31で得られた窒化珪素を走査型電子顕微鏡で撮影した図面代用写真である。
符号の説明
1:第2の発光体
2:面発光型GaN系LD
3:基板
4:発光装置
5:マウントリード
6:インナーリード
7:第1の発光体
8:蛍光体含有樹脂部
9:導電性ワイヤー
10:モールド部材
11:面発光照明装置
12:保持ケース
13:発光装置
14:拡散板
22:第1の発光体
23:第2の発光体
24:フレーム
25:導電性ワイヤ
26,27:電極

Claims (9)

  1. 物体色が、L表色系で表わした場合に、L値が97以上、a値が−21以下及びb値が35以上のいずれかを満たし、
    下記式[I]で表される
    ことを特徴とする、蛍光体。
    Ba [I]
    (式[I]中、
    はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、
    はSr、Ca、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種類の二価の金属元素を示し、
    Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、
    x、y、z、u、v及びwは、それぞれ以下の範囲の数値を示す。
    0.00001≦x≦3
    0≦y≦2.99999
    2.6≦x+y+z≦3
    0<u≦11
    6<v≦25
    0<w≦17
  2. 物体色が、L表色系で表わした場合に、L値が103以上、a値が−23以下及びb値が63以上のいずれかを満たし、
    下記式[II]で表される
    ことを特徴とする、蛍光体。
    (Ca,Sr,Ba)1−eSi [II]
    (式[II]中、
    は付活元素を示し、
    eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。)
  3. 発光ピーク波長が550nm〜570nmであって、L値が100以上及びb値が77以上である、
    下記式[II’]で表される
    ことを特徴とする、請求項12に記載の蛍光体。
    (Sr,Ba)1−eSi [II’]
    (式[II’]中、
    は付活元素を示し、
    eは0<e≦0.2を満たす正の数を示す。
  4. 下記式[I]で表される蛍光体とランガサイトとの固溶体であり、下記式[I’]で表される
    ことを特徴とする、蛍光体。
    Ba [I]
    (式[I]中、
    はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、
    はSr、Ca、Mg及びZnから選ばれる少なくとも1種類の二価の金属元素を示し、
    Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、
    x、y、z、u、v及びwは、それぞれ以下の範囲の数値を示す。
    0.00001≦x≦3
    0≦y≦2.99999
    2.6≦x+y+z≦3
    0<u≦11
    6<v≦25
    0<w≦17)
    χ (Ba,Ln) (L,Al) [I’]
    (式[I’]中、
    はMn、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の付活元素を示し、
    LnはLa、Ce、Pr、Nd、Y及びGdを示し、
    Lは周期律表第4族又は14族に属する金属元素から選ばれる金属元素であって、少なくともLの一部がSi元素であるものを示し、
    χ、a、b、c及びdは、それぞれ以下の範囲の数値を示す。
    0.00001≦χ≦0.4
    2.6≦a≦2.99999
    5≦b≦7
    11<c<13
    0<d<2.4)
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体と、液体媒体とを含有する
    ことを特徴とする、蛍光体含有組成物。
  6. 第1の発光体と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
    前記第2の発光体が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体を1種以上、第1の蛍光体として含有する
    ことを特徴とする、発光装置。
  7. 前記第2の発光体が、前記第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる蛍光体を1種以上、第2の蛍光体として含有する
    ことを特徴とする、請求項に記載の発光装置。
  8. 請求項又はに記載の発光装置を備える
    ことを特徴とする、照明装置。
  9. 請求項又はに記載の発光装置を備える
    ことを特徴とする、画像表示装置
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