JP6940778B2 - 窒化物蛍光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物蛍光体の製造方法に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」とも称する。)と蛍光体とを組み合わせた発光装置は、照明装置、液晶表示装置のバックライト等へと盛んに応用され、普及が進んでいる。発光装置に用いられる窒化物蛍光体として、例えば、特許文献1に開示される、(Sr,Ca)AlSiN:Euが知られている。
国際公開第2015/001860号
窒化物蛍光体は、発光強度を更に向上することが求められている。
そこで、本発明の一態様は、発光強度が向上された窒化物蛍光体を得ることを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
本発明の第一の態様は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ユウロピウムを含む化合物と、アルミニウムを含む化合物と、ケイ素を含む化合物とを含み、前記ユウロピウムを含む化合物、前記アルミニウムを含む化合物、及びケイ素を含む化合物の少なくとも1種が窒化物である、原料混合物を準備することと、
前記原料混合物を熱処理して窒化物を得ることを含む、窒化物蛍光体の製造方法である。
本発明の一態様によれば、発光強度が向上された窒化物蛍光体を得ることができる。
図1は、実施例3に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。 図2は、比較例1に係る窒化物蛍光体のSEM写真である。
以下、本開示に係る窒化物蛍光体の製造方法に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の窒化物蛍光体の製造方法に限定されない。なお、本明細書中において、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
窒化物蛍光体の製造方法は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ユウロピウムを含む化合物と、アルミニウムを含む化合物と、ケイ素を含む化合物とを含み、前記ユウロピウムを含む化合物、前記アルミニウムを含む化合物、及びケイ素を含む化合物の少なくとも1種が窒化物である、原料混合物を準備することと、前記原料混合物を熱処理して窒化物蛍光体を得ることを含む。
原料混合物の準備
原料として、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む窒化物よりも、1モルに含まれるアルカリ土類金属元素の質量比率が多い化合物である。アルカリ土類金属元素の中でも、Ca、Sr及びBaは、イオン半径が大きくなるにしたがって融点が低い傾向にあり、熱処理によって、アルカリ土類金属元素が飛散し易く、理論組成よりも元素が不足しやすく、結晶欠陥が生じやすい傾向がある。原料として、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物を用いることによって、蛍光体の結晶構造の骨格を構成するアルカリ土類金属元素を十分に供給することができる。そのため、欠陥が少ない結晶構造を有し、結晶成長も促進され、粒径の比較的大きく、発光強度が向上された窒化物蛍光体を得ることができる。また、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物は、原料混合物を熱処理した際に、水素化物に含まれる水素が、熱処理雰囲気中の酸素と反応して水分となり反応系外へ放出されやすい。そのため、得られる窒化物蛍光体の組成中に酸素などが取り込まれにくく、発光特性の低下を招く懸念がある酸素などの目的組成以外の元素の含有量の少ない窒化物蛍光体を得ることができる。例えば、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素がSrである場合、水素化物であるSrHは、1分子中に含まれるSrの質量比率が97.8%である。一方、窒化物であるSrNは、1分子中に含まれるSrの質量比率が92.6%であり、Srは、1分子中に含まれるSrの質量比率が90.3%である。水素化物であるSrHは、窒化物であるSrN又はSrよりも、1分子中に含まれるSrの質量比率が多い。
原料として、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む窒化物よりも、1分子中に含まれる窒素の質量比率が多い化合物である。原料として、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を用いることによって、アルカリ土類金属元素とともに、理論組成に近づくように窒素も十分に供給することができ、欠陥が少ない結晶構造を有し、結晶成長も促進されて、粒径が比較的大きく、優れた発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。例えば、アルカリ土類金属元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素がSrである場合、アミド化合物であるSrNHは、1分子中に含まれる窒素の質量比率13.6%であり、イミド化合物であるSr(NHは、1分子中に含まれる窒素の質量比率が23.5%である。一方、窒化物であるSrNは、1分子中に含まれる窒素の質量比率が7.4%であり、Srは、1分子中に含まれる窒素の質量比率が9.6%である。アミド化合物であるSrNH又はイミド化合物であるSr(NHは、窒化物であるSrN又はSrよりも、1分子中に含まれる窒素の質量比率が多い。
少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物は、MgH、CaH、SrH、BaH、(Sr,Ca)H、(Sr,Ca,Eu)Hからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。本明細書において、化合物の組成を表す式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これらの複数の元素のうち少なくとも1種の元素を組成中に含有し、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物は、Sr及びCaの少なくとも一方を含むことが好ましく、SrH、CaH、(Sr,Ca)H、及び(Sr,Ca,Eu)Hからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。アルカリ土類金属元素の中でも、Sr、Caは、融点が低いため、熱処理時に飛散しやすい傾向がある。アルカリ土類金属元素の中でも、比較的飛散し易い元素であるSr、Caを含む化合物として、化合物中に含まれるSr、Caの質量比率が、例えば窒化物よりも大きくなる水素化物を原料として用いることによって、結晶構造を構成する元素を十分に供給し、欠陥が少ない結晶構造を有し、結晶成長も促進されて粒径が比較的大きく、高い発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。
少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、Sr及びCaの少なくとも一方を含むことが好ましく、(Sr(NH、Ca(NH、(Sr,Ca)(NH、(Sr,Ca,Eu)(NH,SrNH、CaNH、(Sr,Ca)NH及び(Sr,Ca,Eu)NHからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。アルカリ土類金属元素の中でも、比較的イオン半径が大きく、飛散し易い元素であるSr及びCaの少なくとも一方を含む化合物として、化合物中に含まれる窒素の質量比率が、窒化物より多くなるアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種を原料として用いることによって、結晶構造を構成する元素として、Sr及びCaの少なくとも一方とともに、窒素も十分に供給することで理論組成により近づけて、欠陥が少ない結晶構造を有する。これにより、結晶成長も促進されて粒径が比較的大きく、優れた発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。
少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物との合計100質量%に対する、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物の配合割合が20質量%以上80質量%以下の範囲であることが好ましい。前記水素化物と、前記アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物との合計に対する前記水素化物の配合割合が20質量%以上80質量%以下の範囲内であれば、結晶構造を構成する元素として、アルカリ土類金属元素も、窒素も十分に供給することができ、欠陥が抑制された結晶構造を有し、結晶成長も促進されて粒径が比較的大きく、優れた発光強度を有する窒化物蛍光体を得ることができる。前記水素化物と、前記アミド化合物及びはイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物との合計に対する、前記水素化物の配合割合は、より好ましくは25質量%以上75質量以下の範囲内である。
少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、市販品を用いてもよく、製造したものを用いてもよい。水素化物の場合は、少なくとも1種のアルカリ土類金属を、水素を含む不活性雰囲気中で熱処理して水素化物を得ることができる。アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、少なくとも1種のアルカリ土類金属を、窒素及び水素を含む雰囲気中で熱処理して、アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物を得ることができる。少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物、アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物の純度は、得られる窒化物蛍光体に含まれる不純物を低減するために、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上、特に好ましくは99.5質量%以上である。
原料混合物は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む水素化物と、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物の他に、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む化合物を含んでいてもよい。少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む化合物としては、酸化物、水酸化物、窒化物、酸窒化物、塩化物が挙げられる。窒化物蛍光体中の不純物の量を低減することができることから、水素化物、アミド化合物及びイミド化合物以外の、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む化合物は、窒化物であることが好ましい。原料混合物に水素化物、アミド化合物及びイミド化合物以外の少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む化合物を含む場合には、原料混合物に含まれるアルカリ土類金属元素を含む化合物の合計100質量%中、水素化物、アミド化合物及びイミド化合物以外の化合物の含有量が、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。水素化物、アミド化合物及びイミド化合物以外の少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む化合物は、得られる蛍光体の特性を低下させない範囲で、Li、Na、K、B、及びAlから選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
原料混合物は、ユウロピウムを含む化合物、アルミニウムを含む化合物、ケイ素を含む化合物を含み、ユウロピウムを含む化合物、アルミニウムを含む化合物、及びケイ素を含む化合物の少なくとも1種が窒化物である。原料混合物に含まれる化合物のうち、少なくとも1種の化合物が窒化物であると、窒素を十分に供給することで理論組成に近づけ、欠陥が抑制された結晶構造を有する窒化物蛍光体を得ることができる。
ユウロピウムを含む化合物、アルミニウムを含む化合物、ケイ素を含む化合物としては、窒化物、水素化物、酸窒化物、酸化物、水酸化物、フッ化物、塩化物、アミド化合物又はイミド化合物を挙げることができる。これらの化合物の純度は、95質量%以上、より好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上、特に好ましくは99.5質量%以上である。化合物の純度が高い方が、得られる窒化物蛍光体に含まれる不純物を低減することができる。
ユウロピウムを含む化合物は、Eu、EuN、EuF、EuH、及びEuClが挙げられる。原料混合物には、ユウロピウム単体が含まれていてもよい。Eu又はEuFは、フラックスとしても作用する。ユウロピウムを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ユウロピウムを含む化合物は、得られる蛍光体の特性を低下させない範囲で、ユウロピウムの少なくとも一部が希土類元素で置換されているものであってもよい。希土類元素は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd,Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素が挙げられる。
アルミニウムを含む化合物は、AlN、AlH、AlF、LiAlH、Al、及びAlClが挙げられる。原料混合物には、アルミニウム単体が含まれてもよい。アルミニウムを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよい。アルミニウムを含む化合物は、得られる蛍光体の特性を低下させない範囲で、アルミニウムの少なくとも一部が、第13族元素又は第4周期の3価の価数を取り得る金属元素で置換されているものであってもよい。第13族元素又は第4周期の3価の価数を取り得る金属元素としては、Ga、In、V、Cr、及びCoからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素が挙げられる。
ケイ素を含む化合物は、SiO、Si、Si(NH)、SiNH、及びSi(NHが挙げられる。原料混合物には、ケイ素単体が含まれていてもよい。ケイ素を含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ケイ素を含む化合物は、得られる蛍光体の特性を低下させない範囲で、ケイ素の少なくとも一部が、第14族元素又は第4周期の4価の価数を取り得る金属元素で置換されているものであってもよい。第14族元素又は第4周期の4価の価数を取り得る金属元素は、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素が挙げられる。
原料混合物は、ユウロピウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化物、ケイ素及び必要に応じて少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む窒化物を含むことが好ましい。原料混合物に含まれる化合物が窒化物であると、得られる窒化物蛍光体に含まれる目的組成以外の元素の量を低減することができる。ユウロピウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化物、及びケイ素を含む窒化物は、具体的には、EuN、AlN、Si、Ca、Baが挙げられる。
ユウロピウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化物、及びケイ素を含む窒化物は、市販品を用いてもよく、製造したものを用いてもよい。窒化ユウロピウムは、例えば原料となるユウロピウム単体を、不活性ガス雰囲気中で粉砕し、得られた粉体を窒素雰囲気中又はアンモニウム雰囲気中で熱処理することによって得ることができる。窒化アルミニウムは、例えば直接窒化法によって得ることができる。窒化ケイ素は、例えば原料となるケイ素単体を、不活性ガス雰囲気中で粉砕し、得られた粉体を窒素雰囲気中で熱処理することによって得ることができる。
原料混合物は、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、ユウロピウムのモル比が0を超えて0.04以下の範囲内であり、アルカリ土類金属元素及びユウロピウムの合計のモル比が0.8以上1.2以下の範囲内であり、ケイ素のモル比が0.8以上1.2以下の範囲内となるように、原料混合物を準備することが好ましい。原料混合物中の各元素のモル比が前記範囲内になるように各原料を混合して、原料混合物を準備することによって、所望の組成比を有する窒化物蛍光体を形成することができる。
原料混合物に含まれるアルカリ土類金属元素は、安定した結晶構造と所望の色度を有する窒化物蛍光体を得るために、Sr及びCaの少なくとも一方を含むことが好ましく、Srを含むことがより好ましい。原料混合物に含まれるアルカリ土類金属元素中に、Srを含む場合は、Sr以外のアルカリ土類金属元素(以下、Sr以外のアルカリ土類金属元素を「元素M」とも称する。)を含んでいてもよい。原料混合物に含まれるアルカリ土類金属元素中にSrを含み、元素Mを含む場合に、元素Mは、Sr、Al、Si及びNとともに、窒化物蛍光体の母体結晶を構成する元素である。元素Mは、Ca、Ba及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
原料混合物に含まれる各元素が、以下の式(Ia)で表される仕込み組成を構成するように原料となる各化合物を準備することが好ましい。
SrEuSiAlN (Ia)
式(Ia)中、Mは、Ca、Ba及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、i、j、k、l及びmは、Alのモル比を1としたときに、0≦i<1.0、0<j≦1.0、0<k≦0.04、0.8≦i+j+k≦1.2、0.8≦l≦1.2、2.5≦m≦3.2を満たす数である。
原料混合物中のアルカリ土類金属元素のうち、Ca、Ba及びMgからなる群から選ばれる元素Mのモル比(式(Ia)中の変数i)は、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、0.01以上0.5以下の範囲内(0.01≦i≦0.5)であってもよく、0.05以上0.45以下の範囲内(0.05≦i≦0.45)であってもよく、0.1以上0.4以下の範囲内(0.1≦i≦0.4)であってもよい。
原料混合物中のアルカリ土類金属元素のうち、Srのモル比(式(Ia)中の変数j)は、安定した結晶構造と所望の色度を有する窒化物蛍光体を得るために、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、好ましくは0を超えて1以下の範囲内(0<j≦1.0)であり、より好ましくは0.5以上1.0以下の範囲内(0.5≦j≦1.0)であり、より好ましくは0.6以上0.9以下の範囲内(0.6≦j≦0.9)である。
ユウロピウムは、得られる窒化物蛍光体の賦活元素である。原料混合物中のユウロピウムのモル比(式(Ia)中の変数k)は、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、優れた発光強度を有する窒化物蛍光体を得るために、好ましくは0を超えて0.04以下の範囲内(0<k≦0.04)であり、より好ましくは0.0001以上0.033以下の範囲内(0.0001≦k≦0.033)であり、さらに好ましくは0.001以上0.0275以下の範囲内(0.001≦k≦0.0275)である。
原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、アルカリ土類金属元素(元素M及びSr)及びユウロピウムの合計のモル比(式(Ia)中、変数i、変数j及び変数kの合計)は、好ましくは0.8以上1.2以下の範囲内(0.8≦i+j+k≦1.2)であり、より好ましくは0.9以上1.1以下の範囲内(0.9≦i+j+k≦1.1)である。
原料混合物中に含まれるケイ素のモル比(式(Ia)中の変数l)は、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、安定した結晶構造と所望の色度を有する窒化物蛍光体を得るために、好ましくは0.8以上1.2以下の範囲内であり(0.8≦l≦1.2)、より好ましくは0.9以上1.1以下(0.9≦l≦1.1)の範囲内である。
原料混合物中に含まれる窒素のモル比(式(Ia)中の変数m)は、原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、安定した結晶構造を有する窒化物蛍光体を得るために、好ましくは2.5以上3.2以下の範囲内(2.5≦m≦3.2)であり、より好ましくは2.6以上3.1以下の範囲内(2.6≦m≦3.1)であり、さらに好ましくは2.7以上3.0以下(2.7≦m≦3.0)の範囲内である。
原料混合物は、フラックスを含んでいてもよい。フラックスとしては、例えばアルカリ金属土類ハロゲン化物等が挙げられる。フラックスとしては、フラックスに含まれる陽イオンの元素比率を、得られる窒化物蛍光体子の組成になるように調節して窒化物蛍光体の原料の一部としてフラックスを加えることもできるし、目的とする窒化物蛍光体の組成となるように各原料を加えた後に、更に添加する形でフラックスを加えることもできる。
原料混合物は、ボールミル、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダ―、乳鉢及び乳棒を用いて原料を乾式混合して得てもよく、原料に溶媒等を加えて湿式混合により得てもよい。
熱処理
得られた原料混合物は、熱処理することで窒化物蛍光体を得ることができる。原料混合物を熱処理する温度は、1200℃以上2200℃以下の範囲内であることが好ましい。原料混合物を熱処理する温度は、1500℃以上がより好ましく、1900℃以上がさらに好ましい。原料混合物を熱処理する温度は、2100℃以下がより好ましく、2050℃以下がさらに好ましい。所定値以上の温度で原料混合物を熱処理することで、ユウロピウム(Eu)が結晶構造中に入り込み易く、結晶成長が促進され、粒径が比較的大きく、優れた発光強度を有する蛍光体が形成される。また、原料混合物を熱処理する温度が所定温度以下であると形成される結晶構造の分解が抑制され、欠陥の少ない結晶構造を有する窒化物蛍光体を得ることができる。
原料混合物の熱処理は、一定の温度で行ってもよく、複数の熱処理温度を設定した多段階の熱処理を行ってもよい。多段階で熱処理を行う場合は、例えば800℃以上1400℃以下の範囲内で一段階目の熱処理を行ってもよく、その後、徐々に昇温して1500℃以上2100℃以下の範囲内で二段階目の熱処理を行ってもよい。熱処理の昇温時間は、例えば1時間以上48時間以内であればよく、2時間以上24時間以内であってもよく、3時間以上20時間以内であってもよい。昇温時間が所定の範囲内であると、結晶成長が十分に進行する傾向があり、結晶構造中にEuが入り込みやすくなる。
原料混合物の熱処理において、所定温度で保持時間を設けてもよい。熱処理における所定温度での保持時間は、例えば0.5時間以上48時間以内であり、1時間以上30時間以内であってもよく、2時間以上20時間以内であってもよい。所定の温度で保持時間を設けると、結晶の分解を抑制して、結晶成長をより促進することができる。
原料混合物の熱処理において、得られた熱処理物を、所定の温度が室温までの降温する時間は、例えば0.1時間以上20時間以内であり、1時間以上15時間以内が好ましく、3時間以上12時間以内がより好ましい。得られた熱処理物を、所定温度から室温まで降温する間に、所定の温度で熱処理物を保持する保持時間を設けてもよい。所定の温度における熱処理物の保持時間は、結晶構造を安定し、高い発光強度を有する窒化物蛍光体が得られる。得られた熱処理物を降温する際の保持時間は、例えば0.1時間以上20時間以内であり、1時間以上10時間以内が好ましい。熱処理物を降温する際に保持する温度は、例えば1000℃以上1800℃未満の範囲内であり、1200℃以上1700℃以下の範囲内が好ましい。
原料混合物の熱処理は、例えばガス加圧電気炉を用いて行うことができる。原料混合物を、黒鉛などの炭素材質、窒化ホウ素(BN)材質、アルミナ(Al)材質、及びモリブデン(Mo)材質からなる群から選ばれる材質のルツボ又はボートに充填して、熱処理を行うことができる。原料混合物の熱処理には、得られる窒化物蛍光体の不純物の混入を抑制するために、窒化ホウ素材質のルツボ又はボートを用いることが好ましい。
原料混合物の熱処理における雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気が好ましく、実質的に窒素ガスのみを含む雰囲気であることがより好ましい。熱処理における雰囲気が窒素ガスを含む雰囲気である場合は熱処理によって生成される窒化物蛍光体の分解を抑制することもできる。熱処理の雰囲気が、窒素ガスを含む雰囲気である場合、窒素ガスに加えて、アルゴン、ネオン、ヘリウム等の希ガス、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、アンモニアなどの他のガスを含んでいてもよい。熱処理の雰囲気が、窒素ガスを含む雰囲気である場合、雰囲気中の窒素ガスの含有率は、例えば90体積%以上であり、95体積%以上が好ましい。窒素以外の元素を含むガスの含有率を所定値以下とすることにより、それらのガス成分が不純物を形成することによる蛍光体の発光強度の低下が抑制される。
原料混合物の熱処理における圧力は、例えば、ゲージ圧で常圧から200MPaとすることができる。生成する窒化物蛍光体の分解を抑制する観点から、圧力は高い方が好ましく、0.1MPa以上200MPa以下が好ましく、0.6MPa以上1.2MPa以下が工業的な設備の制約も少なくなるため、より好ましい。
原料混合物を熱処理することによって得られた熱処理物に、粉砕、分級操作等の処理を組合せて、整粒を行ってもよい。整粒工程により、所望の粒径を有する蛍光体粒子が得られる。具体的には、得られた熱処理物を粗く粉砕(解砕ともいう)した後に、ボールミル、ジェットミル、振動ミルなどの一般的な粉砕機を用いて所定の粒径に粉砕する。粉砕後に粒径の異なるものが存在する場合には、分級を行い、所望の粒径の窒化物蛍光体を得るようにしてもよい。分級前又は分級後の焼成物は、焼成物の表面に付着している熱分解物を除去するために、脱イオン水、酸性溶液又は塩基性溶液と接触させて、洗浄処理を行ってもよい。
具体的には、例えば、Sr:Ca:Eu:Al:Si=0.878:0.097:0.025:1.0:1.0の組成比となるように各元素を含む化合物を混合した原料混合物を熱処理することで、各元素の仕込み組成比がSr、Ca、Eu、Al及びSiの含有比に反映された組成を有す窒化物蛍光体を得ることができる。なお、原料混合物を熱処理して得られた窒化物蛍光体は、原料に含まれていた酸素成分が含有されている場合や、熱処理時に原料に含まれる元素が分解や飛散して仕込みの組成比とは多少異なる組成比となる場合がある。また、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする窒化物蛍光体の組成を変更することができる。
窒化物蛍光体
得られた窒化物蛍光体は、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素と、ユウロピウムと、ケイ素と、アルミニウムと、窒素とを組成に含み、酸素を組成に含んでいてもよい。得られた窒化物蛍光体は、組成に含まれるアルミニウムのモル比を1としたときに、少なくとも1種のアルカリ土類金属元素とユウロピウムの合計のモル比が0.8以上1.1以下の範囲内であり、ケイ素が0.9以上1.1以下の範囲内であり、窒素のモル比が2.7以上3.0以下の範囲内であり、酸素を含む場合には、窒素と酸素の合計のモル比が2.7以上3.1以下の範囲内であることが好ましい。得られた窒化物蛍光体は、アルカリ土類金属元素として、Sr及びCaの少なくとも一方を含み、Srを含むことが好ましい。窒化物蛍光体は、Srと、Ca、Ba及びMgからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素Mを含むことがより好ましい。元素Mは、発光強度を高めるために、少なくともCaを含むことが好ましい。元素MがCaを含む場合には、元素M中のCaのモル比が、元素Mを1モルとしたときに85モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましく、100モル%であってもよい。
得られた窒化物蛍光体は、元素M、Sr、Eu、Si、Nの各モル比が、以下の範囲内であってもよい。元素Mのモル比(式(I)中、変数s)が、0.1以上0.3以下の範囲内(0.1≦s≦0.3)でもよく、0.105以上0.20以下の範囲内(0.105≦s≦0.20)でもよく、0.105以上0.110以下の範囲内(0.105≦s≦0.110)でもよく、0.105以上0.106以下の範囲内(0.105≦s≦0106)でもよい。
窒化物蛍光体は、Srのモル比(式(I)中、変数t)が、0.7以上0.85以下の範囲内(0.7≦t≦0.85)でもよく、0.75以上0.80以下の範囲内(0.75≦t≦0.80)でもよく、0.76以上0.79以下の範囲内(0.76≦t≦0.79)でもよく、0.78以上0.79以下の範囲内(0.78≦t≦0.79)でもよい。
Euのモル比(式(I)中、変数u)が、0.005以上0.040以下の範囲内(0.005≦u≦0.040)でもよく、0.01以上0.03以下の範囲内(0.01≦u≦0.03)でもよく、0.02以上0.03以下の範囲内(0.02≦u≦0.03)でもよい。
元素MとSrとEuの合計のモル比(変数sと変数tと変数uの合計)が、0.85以上1.10以下の範囲内(0.85≦s+t+u≦1.10)でもよく、0.90以上1.00以下の範囲内(0.90≦s+t+u≦1.00)でもよく、0.91以上0.95以下の範囲内(0.91≦s+t+u≦0.95)でもよく、0.91以上0.93以下の範囲内(0.91≦s+t+u≦0.93)でもよい。
NとOの合計のモル比(変数xと変数yの合計)が、2.6以上3.2以下の範囲内(2.6≦x+y≦3.2)でもよく、2.7以上3.1以下の範囲内(2.7≦x+y≦3.1)でもよい。
Siのモル比(式(I)中、変数v)が、0.900以上1.100以下の範囲内)0.900≦v≦1.100)でもよく、1.000以上1.080以下の範囲内(1.000≦v≦1.080)でもよく、1.020以上1.070以下の範囲内(1.020≦v≦1.070)でもよく、1.035以上1.060以下の範囲内(1.035≦v≦1.060)でもよい。
Nのモル比(式(I)中、変数x)が、2.50以上3.20以下の範囲内(2.50≦x≦3.20)でもよく、2.60以上3.10以下の範囲内(2.60≦x≦3.10)でもよく、2.70以上3.00以下の範囲内(2.70≦x≦3.00)でもよく、2.80以上3.00以下の範囲内(2.80≦x≦3.00)でもよく、2.85以上2.99以下の範囲内(2.85≦x≦2.99)でもよい。
酸素(O)のモル比(式(I)中、変数y)が、0以上0.065以下の範囲内(0≦y≦0.065)でもよく、0以上0.060以下の範囲内(0≦y≦0.060)でもよい。
得られた窒化物蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有することが好ましい。
SrEuSiAlN (I)
(式(I)中、Mは、Ca、Ba及びMgからなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、s、t、u、v、x及びyは、0.10≦s≦0.30、0.70≦t≦0.85、0.005≦u≦0.040、0.85≦s+t+u≦1.10、0.90≦v≦1.10、2.5≦x≦3.2、0≦y≦0.065、2.6≦x+y≦3.2を満たす数である。)
得られた窒化物蛍光体は、体積平均粒径Dmが、好ましくは20μm以上40μm以下の範囲内であり、より好ましくは22μm以上35μm以下の範囲内であり、さらに好ましくは24μm以上30μm以下の範囲内であり、よりさらに好ましくは24μm以上28μm以下の範囲内である。得られた窒化物蛍光体の体積平均粒径Dmが20μm以上40μm以下の範囲内であれば、励起光を吸収して所望の色度の蛍光を発しやすく、発光効率を向上することができる。窒化物蛍光体の体積平均粒径Dmは、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、MALVERN社製、製品名:MASTER SIZER3000)により測定される体積基準の粒度分布における小径側からの累積頻度が50%に達する体積平均粒径(メジアン径:Dm)をいう。
窒化物蛍光体は、250nm以上410nm未満の波長範囲内、又は410nm以上480nm以下の波長範囲内の光を吸収して、発光ピーク波長が、600nm以上670nm以下の範囲内にある蛍光を発することが好ましく、610nm以上660nm以下の範囲内にある蛍光を発することがより好ましい。窒化物蛍光体は、420nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する光により励起されて、発光ピーク波長が610nm以上660nm以下の範囲内にあるものであることが好ましい。窒化物蛍光体の発光スペクトルにおける半値幅は、例えば70nm以上95nm以下の範囲内であり、70nm以上90nm以下の範囲内であることより好ましく、70nm以上80nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。半値幅は、発光スペクトルにおける発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)をいい、発光スペクトルにおける発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。
窒化物蛍光体は、例えばLEDやLDなどの励起光源と組み合わせて、照明装置、液晶表示装置のバックライトなどに用いる発光装置に用いることができる。
発光装置に用いる励起光源は、400nm以上570nm以下の波長範囲の光を発する励起光源を用いることができる。当該波長範囲の励起光源を用いることにより、窒化物蛍光体の発光強度の高い発光装置を提供することができる。発光装置の励起光源として用いる発光素子は、発光ピーク波長が、好ましくは400nm以上500nm以下の範囲内であり、より好ましくは410nm以上480nm以下の範囲内である。
発光素子として、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子を用いることが好ましい。発光装置の励起光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。発光素子の発光スペクトルの半値幅は、例えば、30nm以下であることが好ましい。
発光装置は、前述の製造方法によって製造された、例えば式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体を用いることができる。発光装置は、窒化物蛍光体以外の蛍光体を用いてもよい。例えば、窒化物蛍光体を第1蛍光体として用いて、第1蛍光体とは異なる発光ピーク波長を有する第2蛍光体を用いてもよい。第1蛍光体は、目的とする波長範囲内に発光ピーク波長を有するものであれば、1種の蛍光体を単独で用いてもよく、2種以上の蛍光体を併用してもよい。第2蛍光体は、目的とする波長範囲内に発光ピーク波長を有するものであれば、1種の蛍光体を単独で用いてもよく、2種以上の蛍光体を併用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
SrHの準備
金属Srを、不活性(Ar)雰囲気のグローブボックス内でアルミナボートに載置し、これを管状路内で、水素を含むアルゴン雰囲気(Ar流量:17L/分、H流量:0.5L/分)、500℃で12時間の熱処理を行い、次いで粗粉砕により熱処理物を混合した。この熱処理と粗粉砕を4回繰り返して行った。その後、不活性(Ar)雰囲気のグローブボックス内で、乳鉢と乳棒を用いて粉砕、分級し、粉末を得た。得られた粉末を、不活性雰囲気中で、試料水平型多目的X線回折装置(製品名:Ultima IV、株式会社リガク製、X線源:CuKα線(λ=1.5418Å)、管電圧40kV、管電流40mA)を用いて、X線回折(X−ray Diffraction:XRD)スペクトルを測定した。得られた粉末のX線回折スペクトルから、粉末がSrHであることを確認した。
SrNHの準備
金属Srを、不活性(Ar)雰囲気のグローブボックス内でアルミナボートに載置し、これを管状路内で、水素を含む窒素雰囲気(N流量:17L/分、H流量:0.5L/分)、400℃で12時間の熱処理を行い、次いで粗粉砕により熱処理物を混合した。この熱処理と粗粉砕を3回繰り返して行った。その後、不活性(Ar)雰囲気のグローブボックス内で、乳鉢と乳棒を用いて粉砕、分級し、粉末を得た。得られた粉末を、不活性雰囲気中で、試料水平型多目的X線回折装置(株式会社リガク製、X線源:CuKα線(λ=1.5418Å)、管電圧40kV、管電流40mA、製品名:Ultima IV、)を用いて、X線回折(X−ray Diffraction:XRD)スペクトルを測定した。得られた粉末のX線回折スペクトルから、粉末がSrNHであることを確認した。
実施例1
準備したSrH及びSrNHと、Ca、EuN、AlN、及びSiを原料として用いて、仕込み組成比として、各元素のモル比が、Sr:Ca:Eu:Al:Siが0.878:0.097:0.025:1.0:1.0となるように不活性(Ar)雰囲気のグローブボックス内で各化合物を計量し、混合して原料混合物を得た。原料混合物中のSrH及びSrNHの合計100質量%に対して、SrHが75質量%であり、SrNHが25質量%(SrH/SrNH=75質量%/25質量%)となるように混合した。原料混合物を窒化ホウ素(BN)材質のルツボに充填し、窒素ガス(Nガス100体積%)雰囲気でゲージ圧0.92MPa、1900℃以上2100℃以下の範囲内で熱処理を行った。熱処理した時間は、0.5時間であり、熱処理後は温度調節をすることなく、室温まで自然冷却させた。得られた熱処理物を、粉砕し、脱イオン水に分散させて洗浄し、分級処理を行って、実施例1の窒化物蛍光体を得た。
実施例2
原料混合物中のSrH及びSrNHの合計100質量%に対して、SrHが50質量%であり、SrNHが50質量%(SrH/SrNH=50質量%/50質量%)となるように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の窒化物蛍光体を得た。
実施例3
原料混合物中のSrH及びSrNHの合計100質量%に対して、SrHが25質量%であり、SrNHが75質量%(SrH/SrNH=25質量%/75質量%)となるように混合したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の窒化物蛍光体を得た。
比較例1
原料として、SrH及びSrNHを用いることなく、SrN(u=2/3相当、SrNとSrNの混合物)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の窒化物蛍光体を得た。
参考例2
原料として、SrNHを用いることなく、SrH(SrH/SrNH=100質量%/0質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、参考例2の窒化物蛍光体を得た。
比較例3
原料として、SrH用いることなく、SrNH(SrH/SrNH=0質量%/100質量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の窒化物蛍光体を得た。
体積平均粒径Dm
各実施例及び比較例の窒化物蛍光体について、レーザー回折法による粒度分布測定装置(MALVERN社製、製品名:MASTER SIZER3000)を用いて、粒度分布を測定し、粒度分布における小径側からの累積頻度が50%に達する体積平均粒径(メジアン径:Dm)を測定した。結果を表1に示す。
発光特性
各実施例及び比較例の窒化物蛍光体について、量子効率測定装置(大塚電子株式会社製、製品名:QE−2000)を用いて、発光ピーク波長が450nmの光を各窒化物蛍光体に照射し、発光スペクトルを測定した。得られた発光スペクトルから、相対発光強度(%)、ピーク波長(λp:nm)を求めた。相対発光強度は、比較例1の窒化物蛍光体の発光ピーク波長における発光強度を100%として、各窒化物蛍光体の相対発光強度を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006940778
実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、比較例1又は3で得られた窒化物蛍光体よりも相対発光強度が高くなり、体積平均粒径Dmが大きくなった。実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、原料として、SrHとSrNHとを用いており、1分子中に含まれるSrの質量比率が多い水素化物と、1分子中に含まれる窒素の質量比率が多いアミド化合物を用いることによって、飛散しやすいSrを十分に供給し、また、結晶構造の骨格を形成するSrとNを十分に供給して、欠陥が少なくなり、結晶成長が促進されて、体積平均粒径が大きく、発光強度が向上された窒化物蛍光体を得ることができた。参考例2で得られた窒化物蛍光体は、Sr源として、1分子中に含まれる質量比率が多い水素化物100%を用いているため、飛散しやすいSrが供給され、比較例1又は3で得られた窒化物蛍光体よりも、発光強度が若干高くなった。
SEM写真
走査型電子顕微鏡(Scanninf Electron Microscope:SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製、製品名:SU3500、)を用いて、実施例3及び比較例1の窒化物蛍光体のSEM写真を得た。図1は実施例3の窒化物蛍光体のSEM写真であり、図2は比較例1の窒化物蛍光体のSEM写真である。
図1の実施例3で得られた窒化物蛍光体は、図2の比較例1で得られた窒化物蛍光体と比較して、明らかに個々の粒子が大きくなっていることが確認できた。
組成分析
各実施例及び比較例の窒化物蛍光体について、走査型蛍光X線分析(XRF)装置(RIGAKU社製、製品名:ZSX primusII)、イオンクロマトグラフィー(IC)装置(Thermo Scientific Dionex社製、製品名:Dionex Integrion HPIC)、酸素・窒素・水素分析装置(HORIBA社製、製品名:EMGA−930)を用いて窒化物蛍光体の各構成元素の分析を行い、各元素のモル比をそれぞれ算出した。各元素のモル比は、組成中に含まれるAlのモル比を1として算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006940778
実施例1から3で得られた窒化物蛍光体の分析組成は、式(I)で表される組成の範囲内に含まれていた。
実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、窒化物よりも、1分子中に含まれるSrの質量比率が多い水素化物及びアミド化合物を原料として用いている。そのため、実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、窒化物のみを用いた比較例1又はアミド化合物のみ用いた比較例3で得られた窒化物蛍光体よりも、組成中に含まれるSrのモル比が多くなった。この結果から、実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、Srが蛍光体の組成中に十分供給されていたと考えられる。
実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、窒化物又は水素化物よりも、1分子中に含まれる窒素(N)の質量比率が多いアミド化合物を原料として用いている。そのため、実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、窒化物のみを用いた比較例1又は水素化物のみを用いた比較例2よりも、組成中に含まれる窒素のモル比が多くなった。この結果から、実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、蛍光体の組成中に窒素が十分に供給されていたと考えられる。
実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、水素を含まない窒化物を原料として用いた比較例1で得られた窒化物蛍光体よりも、酸素のモル比が少なくなった。この結果から、実施例1から3で得られた窒化物蛍光体は、水素化物及びアミド化合物を原料として用いているので、原料に含まれる水素が熱処理中に不純物として含まれる酸素と反応しやすく、水(HO)となって飛散することで、組成中に含まれる酸素のモル比が少なくなると推測された。
本発明の一態様の窒化物蛍光体は、照明用光源、LEDディスプレイ、液晶用バックライト光源、信号機、照明式スイッチ、プロジェクター用光源、各種センサ及び各種インジケータ等に適用される発光装置に好適に利用できる。

Claims (10)

  1. 少なくともSrを含む水素化物と、少なくともSrを含むアミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、ユウロピウムを含む化合物と、アルミニウムを含む化合物と、ケイ素を含む化合物とを含み、前記ユウロピウムを含む化合物、前記アルミニウムを含む化合物、及び前記ケイ素を含む化合物の少なくとも1種が窒化物であり、前記水素化物と、前記アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物との合計100質量%に対する、前記水素化物の配合割合が20質量%以上80質量%以下の範囲内である、原料混合物を準備することと、
    前記原料混合物を1900℃以上2200℃以下の温度で熱処理して窒化物蛍光体を得ることを含む、窒化物蛍光体の製造方法。
  2. 前記原料混合物が、ユウロピウムを含む窒化物、アルミニウムを含む窒化物、ケイ素を含む窒化物、及び必要に応じて少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を含む窒化物を含む、請求項1に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  3. 前記原料混合物中のアルミニウムのモル比を1としたときに、ユウロピウムのモル比が0を超えて0.04以下の範囲内であり、アルカリ土類金属元素及びユウロピウムの合計のモル比が0.8以上1.2以下の範囲内であり、ケイ素のモル比が0.8以上1.2以下の範囲内となるように、前記原料混合物を準備する、請求項1又は2に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  4. 前記水素化物が、SrH 、(Sr,Ca)H、及び(Sr,Ca,Eu)Hからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から3のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  5. 前記アミド化合物及び前記イミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物が、Sr(NH 、(Sr,Ca)(NH、(Sr,Ca,Eu)(NH、SrNH、CaNH、(Sr,Ca)NH、及び(Sr,Ca,Eu)NHからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から4のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  6. 前記水素化物と、前記アミド化合物及びイミド化合物から選択される少なくとも1種の化合物との合計100質量%に対する、前記水素化物の配合割合が25質量%以上75質量%以下の範囲内である、請求項1から5のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  7. 前記窒化物蛍光体が、下記式(I)で表される組成を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
    SrEuSiAlN (I)
    (式(I)中、Mは、Ca、Ba及びMgからなる群から選択された少なくとも1種の元素であり、s、t、u、v、x及びyは、0.10<s≦0.30、0.70≦t<0.85、0.005≦u≦0.040、0.85≦s+t+u≦1.10、0.90≦v≦1.10、2.5≦x≦3.2、0≦y≦0.065、2.6≦x+y≦3.2を満たす数である。)
  8. 前記熱処理の雰囲気が、窒素ガスを含み、圧力が0.1MPa以上200MPa以下の範囲内である、請求項1から7のいずれか1項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  9. 前記雰囲気中の窒素ガスの含有率が90体積%以上である、請求項8に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
  10. 得られた窒化物蛍光体の体積平均粒径Dmが、20μm以上40μm以下である、請求項1から9のいずれか一項に記載の窒化物蛍光体の製造方法。
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