JP2009203466A - 蛍光体、蛍光体含有組成物、発光装置、画像表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式で表わされる蛍光体を提供する。
M3−xE1 xA10−y−zL1+yE2 zO20−uNu
(Mは2価の元素、E1は付活元素、Aは3価の元素、Lは4価の元素、E2は共付活元素をそれぞれ表し、x、y、z、及びuは、それぞれ、0<x≦3、0<y≦2、0<u≦2、0≦z、0<y+z≦2、及び0<u+z≦2を満たす数を表す。)
【選択図】なし
Description
また、従来の酸化物蛍光体の特性を改良するために、Alや酸素を含有する母体結晶の酸素の一部を窒素に置換して酸窒化物結晶とした蛍光体についても研究がなされている。
例えば、特許文献1には、SrAl2O4:Euの酸素の一部を窒素に置換することで、新たな酸窒化物蛍光体を得られることが開示されている。
更に、非特許文献2には、BaMgAl10O17:Euの酸素の一部を窒素に置換することで、新たな酸窒化物蛍光体を得られることが開示されている。
一方、特許文献1及び非特許文献2等に記載の蛍光体はいずれも、酸素の一部を窒素で置換することで、発光波長がその窒素置換前の蛍光体の発光波長より長波長にシフトする(即ち、より長波長の波長で発光する)ことを確認したのみであり、発光強度及び温度特性の向上と言った点については、一切記載がされていない。ここで、発光波長が長波長側にシフトしているという点から、それらの蛍光体は半導体発光素子と共に用いた場合に、半導体発光素子に電流を流すことによって生じる熱による温度上昇の際に蛍光体の輝度が低下すると言う温度特性面での課題があったと考えられる。
M3−xE1 xA10−y−zL1+yE2 zO20−uNu [1]
(式[1]において、Mは2価の元素、E1は付活元素、Aは3価の元素、Lは4価の元素、E2は共付活元素をそれぞれ表し、x、y、z、及びuは、それぞれ、0<x≦3、0<y≦2、0<u≦2、0≦z、0<y+z≦2、及び0<u+z≦2を満たす数を表す。)
〔1−1.蛍光体の化学組成〕
本発明の蛍光体は、下記式[1]で表わされる蛍光体である。
M3−xE1 xA10−y−zL1+yE2 zO20−uNu [1]
(式[1]において、Mは2価の元素、E1は付活元素、Aは3価の元素、Lは4価の元素、E2は共付活元素をそれぞれ表し、x、y、z、及びuは、それぞれ、0<x≦3、0<y≦2、0<u≦2、0≦z、0<y+z≦2、及び0<u+z≦2を満たす数を表す。)
なお、本発明の蛍光体は、Mを1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
なお、本発明の蛍光体は、E1を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
なお、本発明の蛍光体は、Aを1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
なお、本発明の蛍光体は、Lを1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
なお、本発明の蛍光体は、E2を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で含んでいてもよい。
本発明の蛍光体は、通常、発光中心となる付活元素と、付活元素の第一配位圏に存在する2価の陰イオンと、付活元素の第二配位圏に存在する陽イオンと、該付活元素の第三配位圏に共存する2価の陰イオン及び3価の陰イオンとを有する蛍光体である。そして、第二配位圏に存在する陽イオンのうち、所定の割合(通常50モル%)以上の割合の陽イオンは3価の陽イオンとなっている。特に第三配位圏に存在する3価の陰イオンに結合する3つの第二配位圏の陽イオンのうち2つが3価の陽イオンであることが好ましい。本発明の蛍光体がこのような条件を満たすように母体の結晶構造が調整されている場合、より確実に、近紫外光で励起した場合に安定して高い発光強度及び輝度を有するとともに、温度特性にも優れた蛍光体を得ることができる。
第一配位圏は、0<r≦r1の球内に陰イオンだけを含む領域を指す。
第二配位圏は、r1<r≦r2の球殻に陽イオンだけを含む領域を指す。
第三配位圏は、r2<r≦r3の球殻に陰イオンだけを含む領域を指す。
また、第三配位圏にO2−などの2価とN3−などの3価の陰イオンとが共存せずに、例えばO2−などの2価の陰イオンだけが存在する場合には、蛍光体の発光強度、温度特性が低下する傾向がある。
第一配位圏に存在する2価の陰イオンに1個の陽イオンが結合することはきわめて稀である。また、第一配位圏に存在する2価の陰イオンに3個以上の陽イオンが結合する場合には、2価の陰イオンから付活元素への電荷配分が少なくなりすぎるために、この陰イオンから付活元素への結晶場の影響が弱くなりすぎて、適切な発光波長に発光ピークを得られなくなる可能性がある。
一方、第三配位圏に存在する2価の陰イオン及び3価の陰イオンには、3個の陽イオンが結合していることが、3価の陰イオンを安定にこの配位圏に配置できるので好ましい。また、2個以下もしくは4個以上の陽イオンが結合している場合には、2価の陰イオン及び3価の陰イオンを第三配位圏に共存させることが困難となる傾向がある。
なお、各陽イオンは、同じ元素の陽イオンであってもよく、異なる元素の陽イオンであってもよい。
この場合、第一配位圏に存在する2価の陰イオンの50%以上がO2−であることがより好ましく、中でも2価の陰イオンの全てがO2−であることが更に好ましい。
また、第二配位圏に上記の割合で存在する3価の陽イオンのうち50モル%以上がAl3+であることがより好ましく、中でも3価の陽イオンの全てがAl3+であることが更に好ましい。
また、第三配位圏に共存する2価の陰イオン及び3価の陰イオンの50モル%以上がO2−及びN3−であることがより好ましく、中でも2価の陰イオン及び3価の陰イオンの全てがO2−及びN3−であることが更に好ましい。
本発明の蛍光体は、その結晶構造中に含まれる酸素原子と窒素原子との関係に着目すると、通常は、周期表の13族及び14族からなる群より選ばれる元素の酸化物を母体(例えば、Sr3Al10SiO20)とする蛍光体であって、母体結晶構造中における3配位の酸素の一部を窒素に置換してなる蛍光体となり、その発光強度が増加する。このような蛍光体の結晶構造はX線や中性子線による構造解析によりわかる。また、元素分析や29Si−固体NMRなどの解析を併用することで窒素の固溶状況が確認出来る。
なお、13族元素及び14族元素は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
同様に、本発明の蛍光体の母体となる酸化物の例としては、(Mg,Zn,Ca,Sr,Ba)3(Al,Ga,In,Y,Sc)10(Si,Ge,Sn,Ti)O20などが挙げられる。これらの物質に含まれる3配位の酸素は、いずれもその少なくとも一部を窒素で置換することが可能である。
上述した本発明の蛍光体は、近紫外光で励起した場合に安定して高い発光強度及び輝度が得られるとともに、温度特性にも優れている。以下、これらをはじめ、本発明の蛍光体の特性等について説明する。
本発明の蛍光体は、付活元素の種類に応じて様々な波長に発光を示すが、付活元素としてEu2+を含有させた場合に特に発光効率の高い青色蛍光体となる。以下、この青色蛍光体の発光スペクトルの特徴を説明する。
本発明の蛍光体が前記の青色蛍光体である場合、上記波長範囲の光で励起して得られる発光スペクトルにおける発光ピーク波長λp(nm)が、通常410nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常500nm以下、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下の範囲に存在することが望ましい。発光ピーク波長λpが短過ぎると、発光色が青色から逸脱し、紫色となる傾向があり、発光ピーク波長λpが長過ぎると、発光色が青色から逸脱し、青緑色となる傾向がある。
本発明の蛍光体が前記の青色蛍光体であり、それを画像表示装置に使用する場合には、本発明の蛍光体は、上述の発光スペクトルにおける発光ピークの半値幅(full width at half maximum。以下適宜「FWHM」と略称する。)が、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは70nm以下であることが望ましい。FWHMが広過ぎると、色純度が低下する場合がある。FWHMの下限は制限されないが、FWHMが狭過ぎると輝度が低下する場合があるので、通常3nm以上、好ましくは4nm以上であることが望ましい。
本発明の蛍光体の発光スペクトルの測定は、例えば、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて行なうことができる。なお、発光スペクトルの測定は、温度25℃において行なうものとする。
・励起ピーク波長
本発明の蛍光体は、その組成に応じて様々な励起スペクトルとなる。ただし、本発明の蛍光体は近紫外光により励起された場合に高い発光強度及び輝度を有することを利点の一つとしているため、その励起スペクトルにおいて波長400nm付近にピークを有するものである。具体的には、後述する測定方法で励起スペクトルを測定した場合に、その発光ピークが、通常200nm以上、好ましくは250nm以上、より好ましくは300nm以上、また、通常450nm以下、好ましくは430nm以下、より好ましくは410nm以下の波長範囲にある。
上記励起ピーク波長における励起強度の1/2強度を示す波長の範囲(励起帯の1/2強度波長領域)としては、通常440nm以下、好ましくは430nm以下、より好ましくは420nm以下、また、通常210nm以上、好ましくは260nm以上、より好ましくは310nm以上の範囲内となる。
本発明の蛍光体の励起スペクトルの測定は、例えば、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)を用いて行なうことができる。このときのモニター波長としては、励起スペクトルの波長域外であって、Euの発光領域となる波長から任意に選べばよいが、具体的には500nm以上550nm以下の範囲の波長が挙げられる。なお、励起スペクトルの測定は、温度25℃において行なうものとする。
本発明の蛍光体は、近紫外光で励起した場合に安定して高い発光強度及び輝度が得られる。即ち、以下に説明するように、近紫外光で励起した場合の量子効率に優れる。
本発明の蛍光体の外部量子効率は、通常5%以上、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。高発光強度の発光素子を設計するためには、外部量子効率は高いほど好ましい。なお、上限に制限は無いが、通常100%以下である。
本発明の蛍光体の内部量子効率は、通常15%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上である。ここで、内部量子効率とは、蛍光体が吸収した励起光の光子数に対する発光した光子数の比率を意味する。内部量子効率が低いと発光効率が低下する傾向にある。なお、上限に制限は無いが、通常100%以下である。
本発明の蛍光体の吸収効率は、通常40%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上である。外部量子効率は内部量子効率と吸収効率との積により求められるものであり、高い外部量子効率を有するためには吸収効率も高い方が好ましい。なお、上限に制限は無いが、通常100%以下である。
まず、測定対象となる蛍光体サンプル(例えば、粉末状など)を、測定精度が保たれるように、十分に表面を平滑にしてセルに詰め、積分球などの集光装置に取り付ける。積分球などの集光装置を用いるのは、蛍光体サンプルで反射したフォトン、及び蛍光体サンプルから蛍光現象により放出されたフォトンを全て計上できるようにするため、すなわち、計上されずに測定系外へ飛び去るフォトンをなくすためである。
蛍光体サンプルによって吸収された励起光のフォトン数Nabsは下記(式B)で求められる量に比例する。
以上より、αq=Nabs/N=(式B)/(式A)と求められる。
ここで、NPLは、下記(式C)で求められる量に比例する。
以上により、内部量子効率ηiは、ηi=(式C)/(式B)と求められる。
そして、上記のようにして求めた吸収効率αqと内部量子効率ηiの積をとることで外部量子効率ηoを求める。あるいは、ηo=(式C)/(式A)の関係から求めることもできる。ηoは、蛍光に由来するフォトンの数NPLを励起光の全フォトン数Nで割った値である。
本発明の蛍光体は、波長395nmの光で励起して発光スペクトルを測定した場合に、以下の温度特性を有することが好ましい。
本発明の蛍光体は、20℃における発光強度に対して、100℃における発光強度が、通常40%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上と、温度変化に対する発光強度の安定性が優れたものである。
上記温度特性を測定する場合は、例えば、発光スペクトル装置として大塚電子製MCPD7000マルチチャンネルスペクトル測定装置、輝度測定装置として色彩輝度計BM5A、ペルチェ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構を備えたステージ及び光源として150Wキセノンランプを備える装置を用いて、下記手順で測定することができる。
本発明の蛍光体の重量平均メジアン径は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、また、通常30μm以下、好ましくは20μm以下の範囲であることが望ましい。重量平均メジアン径が小さ過ぎると、輝度が低下し、蛍光体粒子が凝集してしまう傾向がある。一方、重量平均メジアン径が大き過ぎると、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる傾向がある。本発明の蛍光体の重量メジアン径は、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置等の装置を用いて測定することができる。
本発明の蛍光体の製造方法に制限は無く、上述した本発明の蛍光体が得られる限り任意の方法を採用することができる。例えば、原料化合物を乾式粉砕機(例えば、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等)を用いて粉砕した後、混合機(例えば、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等)により混合するか、或いは、これらの原料化合物を混合した後、乾式粉砕機を用いて粉砕する乾式法;又は、これらの原料化合物を水等の媒体中に加え、媒体攪拌式粉砕機等の湿式粉砕機を用いて粉砕及び混合するか、或いは、これらの原料化合物を乾式粉砕機により粉砕した後、水等の媒体中に加えて混合することにより調製したスラリーを、噴霧乾燥等により乾燥させる湿式法により、粉砕混合物を調製し、得られた粉砕混合物を加熱処理して焼成することにより製造することが好ましい。
具合的には、以下に説明する製造方法(以下、適宜「本発明の製造方法」という)により製造することが好ましい。
原料化合物としては、本発明の蛍光体を構成する元素(以下適宜、「蛍光体構成元素」という)を含有する化合物を用いることができる。その例を挙げると、蛍光体構成元素を含有する、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等が挙げられる。よって、原料化合物としては、蛍光対抗性元素である特定金属元素、2族元素及び4族元素それぞれの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物等を用いることができる。中でも、本発明の蛍光体は酸窒化物であるため、特に、例えば酸化物、水酸化物等の、焼成によって酸窒化物となる原料化合物が好ましい。また、原料化合物の選択に際しては、得られる複合酸窒化物(即ち、蛍光体)への反応性、及び、焼成時におけるNOx、SOx等の非発生性等を考慮して選択することが好ましい。さらに、本発明の蛍光体を構成する各元素に対応し、原料化合物は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
Euを含有する化合物(Eu源)の具体例としては、Eu2O3、Eu2(SO4)3、Eu2(C2O4)3・10H2O、EuCl2、EuCl3、EuF2、EuF3、Eu(NO3)3・6H2O等が挙げられる。中でもEu2O3等が好ましい。
また、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbを含有する各化合物(それぞれ、適宜「Pb源」、「Bi源」、「Ce源」、「Pr源」、「Nd源」、「Sm源」、「Tb源」、「Dy源」、「Ho源」、「Er源」、「Tm源」、及び「Yb源」という)の例としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれPb、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbに置き換えた化合物等が挙げられる。
Crを含有する化合物(Cr源)の具体例としては、Cr2O3、CrF3(水和物であってもよい)、CrCl3、CrBr3・6H2O、Cr(NO3)2・9H2O、(NH4)2CrO4等が挙げられる。
また、Mn及びFeを含有する各化合物(それぞれ「Mn源」及び「Fe源」という)の例としては、Cr源の具体例として挙げた各化合物において、CrをそれぞれMn及びFeに置き換えた化合物等が挙げられる。
M源のうち、アルカリ土類金属元素を含有する化合物(以下、適宜「アルカリ土類元素源」という)の例を挙げると、Srを含有する化合物(以下、適宜「Sr源」という)の具体例としては、SrO、Sr(OH)2、SrCO3、Sr(OH)2・3SrCO3・3H2O、Sr(NO3)2、SrSO4、Sr(OCO)2、Sr(OCOCH3)2、SrCl2等が挙げられる。
また、アルカリ土類金属源のうち、Mg、Ca及びBaを含有する各化合物(それぞれ、「Mg源」、「Ca源」及び「Ba源」という)の例としては、Sr源の具体例として挙げた各化合物において、SrをそれぞれMg、Ca及びBaに置き換えた化合物等が挙げられる。
また、13族元素源のうち、B及びGaを含有する各化合物(それぞれ「B源」及び「Ga源」という)の例としては、Al源の具体例として挙げた各化合物において、AlをそれぞれB及びGaに置き換えた化合物等が挙げられる。
加えて、Si3N4は、目的とする蛍光体組成におけるSi元素のモル量に対して過剰に用いてもよい。この場合、結晶母体中における酸素原子の窒素原子による置換に加えて、固相反応時に窒素分子が脱離する際のEu3+からEu2+への還元促進効果も有するものと推察される。
また、14族元素源のうち、Geの原料(以下、適宜「Ge源」という)の具体例としては、例えば、GeO2又はGe3N4を用いるのが好ましい。また、GeO2となる化合物を用いることもできる。このような化合物としては、具体的には、GeO2、Ge(OH)4、Ge(OCOCH3)4、GeCl4等が挙げられる。
目的組成が得られるように原料化合物を秤量し、混合して原料混合物を調製してから、当該原料混合物を所定温度、雰囲気下で焼成することにより、本発明の蛍光体を得ることができる。なお、この際、混合はボールミル等を用いて十分に行うことが好ましい。
この点を、原料化合物としてMO(Mの酸化物)、Si3N4、SiO2及びAl2O3を用い、母体結晶がM3Al9Si2O19Nで表される蛍光体を製造する場合を例に挙げて説明する。前記の原料化合物を、モル比がMO:Si3N4:SiO2:Al2O3=3:(1/4)a:(5/4)b:(9/2)cとなるように秤量したとする。ここで、a、b、及びcはそれぞれ0≦a≦6、0≦b≦2、及び0≦c≦2を満たす数を表し、a=b=c=1のとき、原料化合物に含まれる蛍光体構成元素の化学量論比はM3Al9Si2O19Nの化学量論比に等しくなる。この際、秤量したMO、Si3N4、SiO2及びAl2O3に、所望の付活元素E1及び共付活元素E2を含む原料化合物を混合して調製した原料混合物を用いても、本発明の蛍光体を製造できるのである。
具体例を挙げると、下記式[2]で記載される仕込み組成となる量の原料化合物から蛍光体を製造すると、式[1]に記載の蛍光体結晶組成を有する蛍光体結晶相が微量の不純物と共に生成するが、その場合でも得られた蛍光体の蛍光特性は特に低下しない。
M3−xE1 xA9c−zL(3/4)a+(5/4)bE2 zO3+(5/2)b+(27/2)cNa [2]
(式[2]においてa、b、及びcはそれぞれ0≦a≦6、0≦b≦2、及び0≦c≦2を満たす数を表す。また、x及びzは式[1]と同様である。)
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の原料化合物を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の原料化合物に水又はエタノール等のアルコール系溶媒から選択される、溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
得られた原料混合物を焼成することにより、本発明の蛍光体を得る。この焼成は、原料化合物をルツボ等の容器に充填し、所定温度、雰囲気下で焼成することが好ましい。
容器としては、各原料化合物と反応性の低い材料からなるルツボ又はトレイ等の耐熱容器を用いることが好ましい。このような焼成時に用いる耐熱容器の材質としては、例えば、アルミナ、石英、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、マグネシウム、ムライト等のセラミックス、白金、モリブデン、タングステン、タンタル、ニオブ、イリジウム、ロジウム等の金属、あるいは、それらを主成分とする合金、カーボン(グラファイト)などが挙げられる。ここで、石英製の耐熱容器は、比較的低温、すなわち、1200℃以下での加熱処理に使用することができる。
このような耐熱容器の例として、好ましくは窒化ホウ素製、アルミナ製、窒化珪素製、炭化珪素製、白金製、モリブデン製、タングステン製、タンタル製の耐熱容器が挙げられる。
また、耐熱容器を炉内に充填する際の充填率(炉内充填率)は、炉内の耐熱容器間で熱が不均一にならない程度につめることが好ましい。
さらに、上記焼成において、焼成炉中の耐熱容器の数が多い場合には、例えば、上記の昇温速度を遅めにする等、各耐熱容器への熱の伝わり具合を均等にすることが、ムラなく焼成するためには好ましい。
また、これらの不活性ガス及び還元性ガス流通下で焼成を行う場合には、通常、0.1リットル/分以上10リットル/分以下の流量の下で焼成が行われる。
なお、不活性ガス及び還元性ガスは、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
焼成工程においては、良好な結晶を成長させる観点から、反応系にフラックスを共存させてもよい。フラックスの種類は特に制限されないが、例としては、NH4Cl、NH4F、HF等のハロゲン化アンモニウム;NaCO3、LiCO3等のアルカリ金属炭酸塩;LiCl、NaCl、KCl、CsCl、LiF、NaF、KF、CsF等のアルカリ金属ハロゲン化物;MgCl2、CaCl2、BaCl2、SrCl2、MgF2、CaF2、BaF2、SrF2等のアルカリ土類金属ハロゲン化物;CaO、SrO、BaO等のアルカリ土類金属酸化物;B2O3、H3BO3、NaB4O7等のホウ素酸化物、ホウ酸及びホウ酸塩化合物;Li3PO4、NH4H2PO4等のリン酸塩化合物;AlF3等のハロゲン化アルミニウム;ZnCl2、ZnF2といったハロゲン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の亜鉛化合物;Bi2O3等の周期表第15族元素化合物などが挙げられる。このうち好ましくはハロゲン化物であり、この中でも、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、Znのハロゲン化物が好ましい。また、これらのハロゲン化物の中でも、フッ化物、塩化物が好ましい。
ここで、上記フラックスのうち潮解性のあるものについては、無水物を用いる方が好ましく、また蛍光体を多段焼成により製造する場合には、より後段の焼成時にフラックスを用いることが好ましい。
本発明の製造方法では、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した以外の工程を行なってもよい。例えば、上述の焼成工程の加熱処理後に、必要に応じて、粉砕、洗浄、乾燥、分級処理等の後処理工程を行なってもよい。
また、上記洗浄の程度は、洗浄後の蛍光体を重量比で10倍の水に分散後、1時間静置して得られる上澄み液の電気電導度でも表すことができる。前記電気伝導度は、発光特性の観点からは低いほど好ましいが、生産性も考慮すると通常10mS/m以下、好ましくは5mS/m以下、より好ましくは4mS/m以下となるまで洗浄処理を繰り返し行なうことが好ましい。
また、ここで、水篩や水簸処理では、通常、水媒体中に0.1〜10重量%程度の濃度で蛍光体粒子を分散させる、また、蛍光体の変質を抑えるために、水媒体のpHを、通常6以上、好ましくは8以上、また、通常14以下、好ましくは11以下とする。また、上記のような重量メジアン型の蛍光体粒子を得るに際して、水篩及び水簸処理では、例えば50μm以下の粒子を得てから、30μm以下の粒子を得るとなど、2段階での篩い分け処理を行う方が作業効率と収率のバランスの点から好ましい。また、下限としては、通常1μm以上、好ましくは5μm以上のものを篩い分けるなどの処理を行うのが好ましい。
有機化合物としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレン等の熱溶融性ポリマー、ラテックス、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
無機化合物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化硼素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ビスマス等の金属酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロンチウム等のオルト燐酸塩、ポリリン酸塩、燐酸ナトリウムと硝酸カルシウムとの組合せ、等が挙げられる。
ガラス材料としては、例えばホウ珪酸塩、ホスホ珪酸塩、アルカリ珪酸塩等が挙げられる。
これらの表面処理物質は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(i)前記表面処理物質が連続膜を構成して蛍光体表面を被覆する態様。
(ii)前記表面処理物質が多数の微粒子となって、蛍光体の表面に付着することにより蛍光体表面を被覆する態様。
蛍光体をエタノール等のアルコール中に混合して、攪拌し、さらにアンモニア水等のアルカリ水溶液を混合して、攪拌する。次に、加水分解可能なアルキル珪酸エステル、例えばテトラエチルオルト珪酸を混合して、攪拌する。得られた溶液を3分間〜60分間静置した後、スポイト等により蛍光体表面に付着しなかった酸化珪素粒子を含む上澄みを除去する。次いで、アルコール混合、攪拌、静置、上澄み除去を数回繰り返した後、120℃〜150℃で10分〜5時間、例えば2時間の減圧乾燥工程を経て、表面処理蛍光体を得る。
また、上記処理の他、公知の蛍光体、例えば、ブラウン管、プラズマディスプレイパネル、蛍光ランプ、蛍光表示管、X線増感紙等に用いられる蛍光体に関して一般的に知られている技術を利用することができ、目的、用途等に応じて適宜選択することができる。
本発明の蛍光体は液体媒体と混合して用いることもできる。特に、本発明の蛍光体を発光装置等の用途に使用する場合には、これを液体媒体中に分散させた形態で用い、封止した後、熱や光によって硬化させて用いるのが好ましい。本発明の蛍光体を液体媒体中に分散させたものを、適宜「本発明の蛍光体含有組成物」と呼ぶものとする。
本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体の種類に制限は無く、上述したものから任意に選択することができる。また、本発明の蛍光体含有組成物に含有させる本発明の蛍光体は、1種のみであってもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。更に、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、本発明の蛍光体以外の蛍光体を含有させてもよい。
本発明の蛍光体含有組成物に使用される液体媒体としては、該蛍光体の性能を目的の範囲で損なわない限りにおいて特に限定されない。例えば、所望の使用条件下において液状の性質を示し、本発明の蛍光体を好適に分散させるとともに、好ましくない反応を生じないものであれば、任意の無機系材料及び/又は有機系材料が使用できる。
(R1R2R3SiO1/2)M(R4R5SiO2/2)D(R6SiO3/2)T(SiO4/2)Q・・・式(i)
一般組成式(i)において、R1からR6は、有機官能基、水酸基、水素原子からなる群から選択されるものを表す。なお、R1からR6は、同じであってもよく、異なってもよい。
また、上記式(i)において、M、D、T及びQは、各々0以上1未満の数であり、且つ、M+D+T+Q=1を満足する数である。
(式(ii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、mは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、nは、X基の数を表わす1以上の整数を表わす。但し、m≧nである。)
(式(iii)中、Mは、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、及びチタンより選択される少なくとも1種の元素を表わし、Xは、加水分解性基を表わし、Y1は、1価の有機基を表わし、Y2は、u価の有機基を表わし、sは、Mの価数を表わす1以上の整数を表わし、tは、1以上、s−1以下の整数を表わし、uは、2以上の整数を表わす。)
シリコーン系材料は、一般に半導体発光素子や素子を配置する基板及びパッケージ等との接着性が弱いことが課題とされるが、密着性が高いシリコーン系材料として、特に、以下の特徴〔1〕〜〔3〕のうち1つ以上を有する縮合型シリコーン系材料が好ましい。
〔2〕後に詳述する方法によって測定した固体Si−核磁気共鳴(NMR)スペクトルにおいて、下記(a)及び/又は(b)のSiに由来するピークを少なくとも1つ有する。
(a)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−40ppm以上、0ppm以下の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上、3.0ppm以下であるピーク。
(b)ピークトップの位置がテトラメトキシシランを基準としてケミカルシフト−80ppm以上、−40ppm未満の領域にあり、ピークの半値幅が0.3ppm以上5.0ppm以下であるピーク。
〔3〕シラノール含有率が0.1重量%以上、10重量%以下である。
以下、上記の特徴〔1〕〜〔3〕について説明する。
本発明に好適なシリコーン系材料のケイ素含有率は、通常20重量%以上であるが、中でも25重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましい。一方、上限としては、SiO2のみからなるガラスのケイ素含有率が47重量%であるという理由から、通常47重量%以下の範囲である。
シリコーン系材料を白金るつぼ中にて大気中、450℃で1時間、次いで750℃で1時間、950℃で1.5時間保持して焼成し、炭素成分を除去した後、得られた残渣少量に10倍量以上の炭酸ナトリウムを加えてバーナー加熱し溶融させ、これを冷却して脱塩水を加え、更に塩酸にてpHを中性程度に調整しつつケイ素として数ppm程度になるよう定容し、ICP分析を行なう。
本発明に好適なシリコーン系材料の固体Si−NMRスペクトルを測定すると、有機基の炭素原子が直接結合したケイ素原子に由来する前記(a)及び/又は(b)のピーク領域に少なくとも1本、好ましくは複数本のピークが観測される。
一方、(b)に記載のピークの半値幅は、通常5.0ppm以下、好ましくは4.0ppm以下、また、通常0.3ppm以上、好ましくは0.4ppm以上の範囲である。
シリコーン系材料について固体Si−NMRスペクトルを行なう場合、以下の条件で固体Si−NMRスペクトル測定及び波形分離解析を行なう。また、得られた波形データより、シリコーン系材料について、各々のピークの半値幅を求める。また、全ピーク面積に対するシラノール由来のピーク面積の比率より、全ケイ素原子中のシラノールとなっているケイ素原子の比率(%)を求め、別に分析したケイ素含有率と比較することによりシラノール含有率を求める。
装置:Chemagnetics社 Infinity CMX−400 核磁気共鳴分光装置
29Si共鳴周波数:79.436MHz
プローブ:7.5mmφCP/MAS用プローブ
測定温度:室温
試料回転数:4kHz
測定法:シングルパルス法
1Hデカップリング周波数:50kHz
29Siフリップ角:90゜
29Si90゜パルス幅:5.0μs
繰り返し時間:600s
積算回数:128回
観測幅:30kHz
ブロードニングファクター:20Hz
基準試料:テトラメトキシシラン
フーリエ変換後のスペクトルの各ピークについてローレンツ波形及びガウス波形或いは両者の混合により作成したピーク形状の中心位置、高さ、半値幅を可変パラメータとして、非線形最小二乗法により最適化計算を行なう。
なお、ピークの同定は、AIChE Journal, 44(5), p.1141, 1998年等を参考にする。
本発明に好適なシリコーン系材料は、シラノール含有率が、通常0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは8重量%以下、更に好ましくは5重量%以下の範囲である。シラノール含有率を低くすることにより、シラノール系材料は経時変化が少なく、長期の性能安定性に優れ、吸湿・透湿性何れも低い優れた性能を有する。但し、シラノールが全く含まれない部材は密着性に劣るため、シラノール含有率に上記のごとく最適な範囲が存在する。
液体媒体の含有率は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、本発明の蛍光体含有組成物全体に対して、通常50重量%以上、好ましくは75重量%以上であり、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下である。液体媒体の量が多い場合には特段の問題は起こらないが、半導体発光装置とした場合に所望の色度座標、演色指数、発光効率等を得るには、通常、上記のような配合比率で液体媒体を用いることが望ましい。一方、液体媒体が少な過ぎると流動性がなく取り扱い難くなる可能性がある。
なお、本発明の蛍光体含有組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限り、蛍光体及び液体媒体以外に、その他の成分を含有させてもよい。また、その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の蛍光体含有組成物によれば、本発明の蛍光体を所望の位置に容易に固定できる。例えば、本発明の蛍光体含有組成物を発光装置の製造に用いる場合、本発明の蛍光体含有組成物を所望の位置に成形し、液体媒体を硬化させれば、当該液体媒体で本発明の蛍光体を封止することができ、所望の位置に本発明の蛍光体を容易に固定することが可能となる。
本発明の発光装置(以下、適宜「発光装置」という)は、第1の発光体(励起光源)と、当該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを有する発光装置であって、該第2の発光体として本発明の蛍光体を少なくとも1種以上、第1の蛍光体として含有するものである。
本発明の蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(第1の発光体)
本発明の発光装置における第1の発光体は、後述する第2の発光体を励起する光を発光するものである。
なお、第1の発光体は、1個のみを用いてもよく、2個以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置における第2の発光体は、上述した第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する発光体であり、第1の蛍光体として前述の本発明の蛍光体を含有するとともに、その用途等に応じて適宜、後述する第2の蛍光体(橙色ないし赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等)を含有する。また、例えば、第2の発光体は、第1及び第2の蛍光体を封止材料中に分散させて構成される。
本発明の発光装置における第2の発光体は、第1の蛍光体として、少なくとも上述の本発明の蛍光体を含有する。本発明の蛍光体は、何れか1種のみを使用してもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、第1の蛍光体としては、本発明の蛍光体以外にも、本発明の蛍光体と同色の蛍光を発する蛍光体(同色併用蛍光体)を用いてもよい。例えば、本発明の蛍光体が緑色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の緑色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が橙色ないし赤色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の橙色ないし赤色蛍光体を併用することができ、本発明の蛍光体が青色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の青色蛍光体を併用することができ、また、本発明の蛍光体が黄色蛍光体の場合には、第1の蛍光体として、本発明の蛍光体と共に他種の黄色蛍光体を併用することができる。
これらの蛍光体としては、本発明の効果を著しく損なわない限り任意のものを使用することができる。以下、好ましい例について説明する。
該緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nm以上、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
また、緑色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
以上例示した緑色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
該橙色ないし赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常570nmより大きく、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、赤色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
なお、橙色ないし赤色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
該青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常500nm未満、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、青色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
なお、青色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
該黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、黄色蛍光体は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、重量メジアン径は通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10mμ以上であり、通常30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。
特に、RE3M5O12:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)やMa 3Mb 2Mc 3O12:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表わす。)等で表わされるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE2MdO4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mdは、Si、及び/又はGeを表わす。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSi(N,O)3:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光体等のCeで付活した蛍光体が挙げられる。
FF (Colour Index Number 56205)、basic yellow HG (Colour Index Number 46040)、eosine (Colour Index Number 45380)、rhodamine
6G (Colour Index Number 45160)等の蛍光染料等を用いることも可能である。
なお、黄色蛍光体は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
本発明の発光装置における第2の発光体は、その用途に応じて、上述の第1の蛍光体以外にも蛍光体(即ち、第2の蛍光体)を含有していてもよい。この第2の蛍光体は、第1の蛍光体とは発光ピーク波長が異なる蛍光体である。通常、これらの第2の蛍光体は、第2の発光体の発光の色調を調節するために使用されるため、第2の蛍光体としては第1の蛍光体とは異なる色の蛍光を発する蛍光体を使用することが多い。
第1の蛍光体として橙色ないし赤色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、青色蛍光体、黄色蛍光体等の橙色ないし赤蛍光体以外の蛍光体を用いる。
第1の蛍光体として青色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、黄色蛍光体等の青色蛍光体以外の蛍光体を用いる。このとき特に第1の蛍光体が460nmを超え500nm未満の範囲に発光ピークを有する蛍光体(青緑色蛍光体)の場合には、第2の蛍光体としては、上記に加え、410nm以上460nm以下の波長範囲に発光ピークを有する青色蛍光体を組み合わせて用いると高演色性を示す発光装置となる。
第1の蛍光体として黄色蛍光体を使用する場合には、第2の蛍光体としては、例えば緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体等の黄色蛍光体以外の蛍光体を用いる。
該緑色蛍光体、橙色ないし赤色蛍光体、青色蛍光体及び黄色蛍光体の例としては、前記第1の蛍光体の項で記載したのと同様の蛍光体を挙げることができる。
上記第2の蛍光体としては、1種類の蛍光体のみを使用してもよく、2種以上の蛍光体を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、第1の蛍光体と第2の蛍光体との比率も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。従って、第2の蛍光体の使用量、並びに、第2の蛍光体として用いる蛍光体の組み合わせ及びその比率等は、発光装置の用途等に応じて任意に設定すればよい。
中でも、本発明の発光装置は、第1の発光体として300nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを備えると共に、第2の蛍光体として500nm以上700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体を含有する第2の発光体を備えるようにすることが好ましい。
更にその中でも、本発明の発光装置は、第1の発光体として360nm以上410nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを備えると共に、第2の蛍光体として、500nm以上570nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、570nmより大きく700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体とを含有する第2の発光体とを備えるようにすることがより好ましい。
また、本発明の発光装置は、第1の発光体として360nm以上410nm以下の波長範囲に発光ピークを有するものを備えると共に、第2の蛍光体として、410nm以上460nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、500nm以上570nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、570nmより大きく700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体とを含有する第2の発光体とを備えるようにすることがより好ましい。
本発明の発光装置において、本発明の蛍光体は、通常、封止材料である液体媒体に分散させて封止した後、熱や光によって硬化させて用いられる。
該液体媒体としては、前述の[3.蛍光体含有組成物]の項で記載したのと同様のものが挙げられる。
本発明の発光装置は、上述の第1の発光体及び第2の発光体を備えていれば、そのほかの構成は特に制限されないが、通常は、適当なフレーム上に上述の第1の発光体及び第2の発光体を配置してなる。この際、第1の発光体の発光によって第2の発光体が励起されて(即ち、第1及び第2の蛍光体が励起されて)発光を生じ、且つ、この第1の発光体の発光及び/又は第2の発光体の発光が、外部に取り出されるように配置されることになる。この場合、第1の蛍光体と第2の蛍光体とは必ずしも同一の層中に混合されなくてもよく、例えば、第1の蛍光体を含有する層の上に第2の蛍光体を含有する層が積層する等、蛍光体の発色毎に別々の層に蛍光体を含有するようにしてもよい。
以下、本発明の発光装置について、具体的な実施の形態を挙げて、より詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
本発明の発光装置の用途は特に制限されず、通常の発光装置が用いられる各種の分野に使用することが可能であるが、色再現範囲が広く、且つ、演色性も高いことから、中でも照明装置や画像表示装置の光源として、とりわけ好適に用いられる。
本発明の発光装置を照明装置に適用する場合には、前述のような発光装置を公知の照明装置に適宜組み込んで用いればよい。例えば、図3に示されるような、前述の発光装置(4)を組み込んだ面発光照明装置(11)を挙げることができる。
本発明の発光装置を画像表示装置の光源として用いる場合には、その画像表示装置の具体的構成に制限は無いが、カラーフィルターとともに用いることが好ましい。例えば、画像表示装置として、カラー液晶表示素子を利用したカラー画像表示装置とする場合は、上記発光装置をバックライトとし、液晶を利用した光シャッターと赤、緑、青の画素を有するカラーフィルターとを組み合わせることにより画像表示装置を形成することができる。
また、カラーフィルター全体からの透過光の量に対する、各カラーフィルターからの透過光の量(光の利用効率)としては、通常20%以上、好ましくは25%以上、より好ましくは28%以上、さらに好ましくは30%以上である。利用効率は高ければ高いほど好ましいが、赤、緑及び青の3つのフィルターを用いている関係上、通常33%以下となる。
後述の各実施例及び各比較例において、蛍光体粒子の各種の評価は、以下の手法で行った。
発光スペクトルは、励起光源として150Wキセノンランプを、スペクトル測定装置としてマルチチャンネルCCD検出器C7041(浜松フォトニクス社製)を備える蛍光測定装置(日本分光社製)用いて測定した。励起光源からの光を焦点距離が10cmである回折格子分光器に通し、波長340nm、405nm又は455nmの励起光のみを光ファイバーを通じて蛍光体に照射した。励起光の照射により蛍光体から発生した光を焦点距離が25cmである回折格子分光器により分光し、300nm以上800nm以下の波長範囲においてスペクトル測定装置により各波長の発光強度を測定し、パーソナルコンピュータによる感度補正等の信号処理を経て発光スペクトルを得た。なお、測定時には、受光側分光器のスリット幅を1nmに設定して測定を行った。
また、発光ピーク波長と半値幅は、得られた発光スペクトルから読み取った。この相対発光ピーク強度は高い方が好ましい。
日立製作所製蛍光分光光度計F−4500を使用して波長が460nm〜480nmの範囲にある青色発光ピークをモニターして250nm〜500nmの波長範囲内の励起スペクトルを得た。
結晶構造解析には(株)マック・サイエンス社製のMXLaboを用い、Cu Kαの特性X線(1.54Å)を用いて粉末X線回折(XRD)パターンを測定し、相同定用ソフトウェア「Match Maker」等を用いて相同定を行なった。
・窒素含有率の測定
窒素含有率は、酸素窒素同時分析装置(Leco社製酸素窒素分析装置TC−436型)により、蛍光体の窒素含有量を測定し、蛍光体の窒素含有率は下記(式D)により求めた。
蛍光体の窒素含有率(重量%)
= (窒素含有量/蛍光体の重量)×100 (式D)
酸素含有率は、酸素窒素同時分析装置(Leco社製酸素窒素分析装置TC−436型)により、蛍光体の酸素含有量を測定し、蛍光体の酸素含有率は下記(式E)により求めた。
蛍光体の酸素含有率(重量%)
= (酸素含有量/蛍光体の重量)×100 (式E)
温度特性は、発光スペクトル装置として大塚電子製MCPD7000マルチチャンネルスペクトル測定装置、輝度測定装置として色彩輝度計BM5A、ペルチェ素子による冷却機構とヒーターによる加熱機構を備えたステージ及び光源として150Wキセノンランプを備える装置を用いて、下記手順で測定した。
具体的手順としては、まずステージに蛍光体を入れたセルを載せ、温度を20℃から175℃までの範囲で段階的に変化させた。蛍光体の表面温度を確認し、次いで、光源から回折格子で分光して取り出した波長395nmの光で蛍光体を励起して、輝度値及び発光スペクトルを測定した。測定された発光スペクトルから、発光ピーク強度を求めた。ここで、蛍光体の励起光照射側の表面温度の測定値は、放射温度計と熱電対による温度測定値を利用して補正した値を用いた。
[使用原料]
蛍光体の原料化合物としては、SrCO3(白辰化学社製、純度98%)、α−Al2O3(住友化学社製、純度99.99%)、Si3N4(宇部興産製、SNE10)、SiO2(高純度化学社製、平均粒径約4μm、純度99.99%)、Eu2O3(信越化学社製、純度99.99%)、H3BO3(和光純薬、純度99.5%)、及び、B2O3(和光純薬、純度90.0%)をそれぞれ使用した。
試料の合成は以下のように行った。
実施例1〜14、比較例1および2は原料化合物の粉末SrCO3、Eu2O3、α−Al2O3、Si3N4及びSiO2を表1に示すとおり秤量した。秤量した原料化合物をアルミナ乳鉢にて乾式で20分混合し、ふた付きアルミナ坩堝(内径、高さとも約33mm)にそれぞれ密充填した。これを雰囲気加熱電気炉(温度調節器つき抵抗加熱箱型、(株)モトヤマ製、SHA−2025D−SP)を用いて、流量3.0リットル/分の窒素および1.0リットル/分のアルゴン95体積%、水素5体積%混合ガスからなる混合気流中で1,400℃まで5時間かけて昇温し、その後、6時間保持した。焼成後、250℃まで7時間かけて放冷し、その後室内に取り出した。得られた試料粉末はメノウ乳鉢にて粉砕し、ナイロンメッシュ112番の篩で粗大粒子を除去した後使用した。
尚、表1における数値はg数である。
実施例1及び2と比較例1及び2の蛍光体の発光スペクトル及び励起スペクトルを測定した。結果を図4と図5に示した。これらの結果から、窒化珪素を加えて焼成した実施例1及び2は窒化珪素を加えずに焼成した比較例1及び2に比べて発光強度は4倍から6倍に増加したことが分かる。同様に励起強度も増大する結果を得た。この結果より、母体結晶を部分窒化したことによる効果が顕著であることが分かる。
実施例1〜7の蛍光体の発光スペクトル及び励起スペクトルを図6と図7に示す。これらの図から、Eu濃度が7〜8%付近に最適濃度が存在することが分かった。
実施例2、実施例9及び比較例2の蛍光体のX線回折パターンを測定した。結果を図8に示す。
図8から、比較例2のX線回折パターンでは、(Rief and Kubel, Acta Cryst. E63, i19 (2007))の文献に基づきSr3Al10SiO20と推測される結晶相に類似したX線回折パターンの出現が確認された。
また、図8から、実施例2のX線回折パターンは主に比較例2のSr3Al10SiO20と極めて類似したパターンが存在することが確認できた。本来、実施例2においてはSr3Al10SiO20の構造が部分窒化の影響を受けて変化しているはずであるが、窒化量が少ないので回折パターンでそれを確認することは困難であることが分かる。またSr3Al10SiO20類似の単一相ではなく13°、23°、28°及び35゜付近にSrAl2Si2O8と同定される相を含んでいることが分かった。
ただし、この異相SrAl2Si2O8はEuにより付活しても400nm付近にのみ発光ピーク波長を有することが文献(Zhiyu Wang, Yinhai Wang, Pengyue Zhang, Xianping Fan and Guodong Qian、J.Lumin.124, 140 (2007))で知られており、本発明の蛍光体が呈する470nm付近に発光ピーク波長を持つ青緑色発光にはまったく寄与しないと考えられる。
図11と図12に、フラックスを添加しない実施例2と、フラックスとしてB2O3及びH3BO3を添加した実施例15及び16の発光スペクトル及び励起スペクトルを示す。図11に示す発光スペクトルからはH3BO3が発光強度の増大に寄与しており、図12に示す励起スペクトルからはB2O3及びH3BO3が370nm以上の長波長で添加効果があることが認められた。
図13に実施例1と比較例1の温度特性を示す。この図13から部分窒化により温度特性が改善されることが分かる。
また、そのX線回折パターンを図14に示す。
2:面発光型GaN系LD
3:基板
4:発光装置
5:マウントリード
6:インナーリード
7:第1の発光体
8:蛍光体含有樹脂部
9:導電性ワイヤー
10:モールド部材
11:面発光照明装置
12:保持ケース
13:発光装置
14:拡散板
22:第1の発光体
23:第2の発光体
24:フレーム
25:導電性ワイヤ
26,27:電極
Claims (11)
- 下記式[1]で表わされる
ことを特徴とする蛍光体。
M3−xE1 xA10−y−zL1+yE2 zO20−uNu [1]
(式[1]において、Mは2価の元素、E1は付活元素、Aは3価の元素、Lは4価の元素、E2は共付活元素をそれぞれ表し、x、y、z、及びuは、それぞれ、
0<x≦3、
0<y≦2、
0<u≦2、
0≦z、
0<y+z≦2、及び
0<u+z≦2を満たす数を表す。) - MがMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、
E1がPb、Bi、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、
AがB、Al及びGaからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、
LがSi及びGeからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含み、
E2がCr、Mn及びFeからなる群より選ばれる少なくとも1種類の元素を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。 - Mの50モル%以上がSrであり、
E1の50モル%以上がEuであり、
Aの50モル%以上がAlであり、
Lの50モル%以上がSiである
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍光体。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の蛍光体と、液状媒体とを含有する
ことを特徴とする蛍光体含有組成物。 - 第1の発光体と、該第1の発光体からの光の照射によって可視光を発する第2の発光体とを備え、
該第2の発光体が、請求項1〜3の何れか一項に記載の蛍光体を少なくとも1種類、第1の蛍光体として含有する
ことを特徴とする発光装置。 - 該第2の発光体が、該第1の蛍光体とは発光ピーク波長の異なる少なくとも1種類の蛍光体を、第2の蛍光体として含有する
ことを特徴とする請求項5に記載の発光装置。 - 該第1の発光体が、300nm以上500nm以下の波長範囲に発光ピークを有し、
該第2の発光体が、該第2の蛍光体として、500nm以上700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体を含有する
ことを特徴とする請求項6に記載の発光装置。 - 該第1の発光体が、360nm以上410nm以下の波長範囲に発光ピークを有し、
該第2の発光体が、該第2の蛍光体として、500nm以上570nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、570nmより大きく700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体とを含有する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の発光装置。 - 該第1の発光体が、360nm以上410nm以下の波長範囲に発光ピークを有し、
該第2の発光体が、該第2の蛍光体として、410nm以上460nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、500nm以上570nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体と、570nmより大きく700nm以下の波長範囲に発光ピークを有する少なくとも1種類の蛍光体とを含有する
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の発光装置。 - 請求項5〜9の何れか一項に記載の発光装置を備える
ことを特徴とする画像表示装置。 - 請求項5〜9の何れか一項に記載の発光装置を備える
ことを特徴とする照明装置。
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