JP5884101B2 - 窒化物エレクトライド及びその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い電気伝導度を持ち、金属的な電気伝導性を持つ層状結晶構造を有する窒
化物エレクトライド及びその製法に関する。なお、「金属的電気伝導性」とは、電気伝導
度が温度の低下とともに増加する性質をいう。
エレクトライド(Electride:電子化物)は、J.L.Dyeがはじめて提案
した概念(非特許文献1)でクラウンエーテルを陽イオンとし、電子を陰イオンとした化
合物などで、はじめて実現した。エレクトライドは、電子が、物質を構成している陰イオ
ンとしての役割を持っている物質と認識され、電子のホッピングにより電気伝導性を示す
ことが知られている。その後いくつかの有機化合物エレクトライドが見出されたが、これ
らの化合物は、いずれも、約200K以下の低温でのみ安定であり、空気や水と反応し著
しく不安定である。
無機化合物エレクトライドについてはゼオライト化合物粉末に、セシウムをドープする
ことにより初めて実現されたが、この化合物も、水分との反応性が高く、不安定であった
(非特許文献2)。また、エレクトライドの優れた電子放出特性を用いた真空ダイオード
が提案された(特許文献1)が、その当時のエレクトライドは温度変化にも化学的にも不
安定であったために、提案された真空ダイオードは低温でしか作動しないものであった。
1970年に、H.B.Bartlらは、12CaO・7Al23(以下「C12A7
」と記す)という物質が結晶構造中にケージ(籠状構造)を持ち、単位格子を構成する6
6個の酸素のうち2個がこのケージの中に「フリー酸素」の状態で包接されていることを
報告した(非特許文献3)。
本発明者らはC12A7に関して1980年代から研究をすすめ、(イ)C12A7単
結晶をアルカリ金属又はアルカリ土類金属蒸気中で、高温で熱処理すること、(ロ)C1
2A7単結晶に不活性イオンをイオン打ち込みすること、又は(ハ)炭素を含む還元雰囲
気で融液から直接、C12A7単結晶を固化することで、103S/cm未満の電気伝導
度を有するC12A7化合物が得られることを見出し、関連する発明について特許出願し
た(特許文献2)。高電気伝導度を有するこれらのC12A7は、該化合物のケージ中のフ
リー酸素がほとんど電子で置換されたものであり、実質的に、[Ca24Al2864]4+(4
-)と記述され、無機エレクトライド化合物とみなすことができる(非特許文献4)。
本発明者らは、さらに、C12A7又はその同型化合物を水素雰囲気中で熱処理したプロ
トン・電子混合伝導体に関する発明(特許文献3)及び電気伝導性複合酸化物結晶化合物に
関する発明(特許文献4)について特許出願した。
2007年には、C12A7単結晶、粉末又は薄膜をチタン金属中で高温熱処理するこ
とによりさらに大量の電子を結晶内に含めることが可能となり、室温で5×102S/c
m超2×103S/cm未満の電気伝導度を呈し、金属的電気伝導性を持つC12A7の
製造に成功し、該化合物を用いた電子放出素子を作製した。また、これらの発明について
特許出願した(特許文献5)。
本発明者らがすでに報告してきたC12A7エレクトライドは、これまでのところ、室
温以上、大気中で安定な唯一のエレクトライドである。エレクトライドの応用として、エ
レクトライドの上にp型半導体としての導電性高分子層を接合させた太陽電池の例がある
(特許文献6)。
すでに知られているように、エレクトライド中の電子は物質の結晶構造中の空隙(C1
2A7ではケージ)に局在し、空隙間は量子ドット様に弱く連結されている状態であった
。そのため電子は一般的な金属ほどには自由ではなく、電気伝導度は2×103S/cm
未満にとどまっていた(非特許文献5)。
Ca2Nの構造解析は初めにKeveら(非特許文献6)によって報告された。その後
、Ca2NやSr2NやBa2Nに関する系統的な物性及び構造解析が2000年以降にG
regoryら(非特許文献7)、Fangら(非特許文献8)、Reckewegら(
非特許文献9)によってなされている。
図1に示すように、Ca2Nの結晶構造は 、[Ca2N]+からなる層が重なり、層間に対
アニオンとして電子がe層として二次元的に非局在化して存在する。この結晶構造はS
2NやBa2Nでも同じである。これは、実質的に、[Ca2N]+-で表記できるもので
ある。これらの層と層とを電子が結び付けていることから、電子が陰イオンとしてふるま
うエレクトライドとみなすことができる。電子は層間に緩やかに束縛されており、この点
から、Ca2Nは高い電気伝導性が期待できる。同じ結晶構造を持つSr2NやBa2Nに
おいても同様に高い電気伝導性が期待できる。
しかしながら、Ca2Nの電気伝導度は室温において1.6×10-2S/cmや2.0
×10-1S/cm(非特許文献7)と報告されており、本発明者らの予測に比べ低い。ま
た、非特許文献7にはCaを他のアルカリ土類金属である、Sr又はBaに置換した同一
の結晶構造を持つSr2N及びBa2Nの電気伝導度の測定結果が記載されており、それぞ
れの電気伝導度は5〜60S/cm及び1.0×10-2S/cmと報告されているが、こ
の値も本発明者らの予測に比較して依然小さい。
この予想外に低い電気伝導度に関し、本発明者は、非特許文献6等に記載された実験で
はCa2Nの合成に、安定な化合物であるCa32をアルゴンや真空中で還元する方法や
、金属Caと金属Naとの合金を窒素ガスと直接反応する方法が用いられていたため、合
成したCa2Nに不純物や未反応原料を含んでいること、加えて、取扱い雰囲気が5pp
mの水分と5ppm以下の酸素とを含んでいることにより、合成したCa2Nに水や酸素
との反応により絶縁層が生じていることが無視できない、と考えた。
Ca,Sr,Ba等のアルカリ土類金属窒化物は、半導体装置に用いる窒化アルミニウ
ムの原料、金属摺動部材、電極構成材料などに用いられるが、特許文献7には、アルカリ
土類金属にアンモニアを反応させて液相化し、得られたアルカリ土類金属アミドを熱分解
して高純度のアルカリ土類金属窒化物を製造する方法が開示されている。
Ca2Nは、非常に不安定な物質であることが知られており、Ca2Nが安定に存在でき
る範囲としてはAr中で1000℃以下、又は窒素中で250℃から800℃の間と報告
されている(非特許文献10)。
米国特許第5,675,972号明細書・図面 WO2005/000741 A1 特開2005-314196号公報 特開2005-67915号公報 W02007/060890 A1 特開2010-16104号公報 特開2012-66991号公報 J. Tehan, B. L. Barrett, J. L. Dye, J. Am. Chem. Soc., 96, 7203-7208 (1974) A. S.Ichimura, J. L. Dye, M. A. Camblor, L. A. Villaescusa, J. Am. Chem. Soc., 124, 1170-1171 (2002) H. B. Bartl and T. Scheller, Neuses Jarhrb. Mineral. Monatsh. 12, 547-552 (1970) S. Matsuishi, Y.Toda, M. Miyakawa, K. Hayashi, T. Kamiya, M. Hirano, I. Tanaka, and H. Hosono, Science, 301,626-629(2003) S. W. Kim, S. Matsuishi, T. Nomura, Y. Kubota, M. Takata, K. Hayashi, T. Kamiya, M. Hirano, and H. Hosono, Nano Letters, 7, 1138-1143 (2007) E. T. Keve, C. Skapski, Inorg. Chem., 7, 1757-1761 (1968) D. G. Gregory, A. Bowman, C. F. Baker, D. P. Weston, J. Mat. Chem., 10, 1635-1641 (2000) C. M. Fang, G. A. de Wijs, R. A. de Groot, H. T. Hintzen, and G.de With, Chem. Mater., 12, 1847-1852 (2000) O. Reckeweg and F. J. Disalvo, Z. Kristallogr. NCS, 220, 519-520 (2005) P. Hchn, S. Hoffmann, J. Hunger, S. Leoni, F. Nitsche, W. Schnelle, R. Kniep, Chem. Eur. J., 15, 3419 (2009)
これまでの報告では、Ca2NをはじめとするAE2N(AE:Ca,Sr,Baのうち
の少なくとも1種類のアルカリ土類金属)の電気伝導度は室温で60S/cm以下と低い
ものであった。AE2Nは、実質的に、[AE2N]+-で表記できるものであり、ここで表
記されるeが全て電導に関与するのであれば電導電子濃度は1022/cm3超となり、さ
らに電子に対する束縛が強くないことから、一般的な金属に匹敵する電気伝導性が期待で
きる。既報のAE2Nの電気伝導度が期待ほどには高くなっていないのは生成不純物や取
扱い中での大気による生成物の酸化などによる変質によるものと考えられる。
エレクトライドの応用の一つとして有望である電子放出材料としてAE2Nを利用する
場合、室温で5×102S/cm以上の電気伝導度を有し、金属的な電気伝導性を示す化
合物が望まれている。また、実用にあたっては、AE2Nの最も大きな問題である大気中
における不安定性を改善しなければならない。
すなわち、本発明が解決しようとする課題は、高い電気伝導度を持ち、金属的な電気伝
導性を示すAE2N窒化物エレクトライド並びにその製造方法及び該窒化物エレクトライ
ドを大気中で安定化させる方法を見出すことである。
本発明者らはアルカリ土類金属窒化物を結晶構造(層状構造)の観点からと、大きな非
化学的量論性の観点から研究し、従来報告されているCa2N、Sr2N、Ba2Nなどの
アルカリ土類金属窒化物よりも高い電気伝導度を有し、金属的電気伝導性を示す窒化物エ
レクトライドの合成に成功した。
本発明者らは、AE2Nの主な不純物であるAE32の含有量を生成物から低減する合
成方法として、AE32(Ca32、Sr32、又はBa32)と金属AE(Ca,Sr
,又はBa)を混合して真空中で高温加熱しAE2Nと金属AEの蒸気を反応させること
が不純物含有量を低減するために効果的であることを見出した。
この窒化物エレクトライドは、組成式AE2 N(AEは、Ca、Sr、Baから選択さ
れる少なくとも一種類の元素)により表記され、層状結晶構造を持ち、イオン式[AE2
]+-で表記される窒化物であり、室温で103S/cm以上の電気伝導度を有し、金属的
電気伝導性を示す。さらに、2.6eV以上、3.5eV以下の仕事関数を有する。
前記組成式AE2NのNの一部を炭素で置換した、イオン式[AE 2(N1-xx)]+(e1
-x-(x=0.05以上、0.50以下)で表される窒化物エレクトライドは、大気中
での安定性を有する。
原料としてAE32粉末とAE金属とを1:0.80〜1:1.20の範囲のモル比
で混合し、10-2Pa以下の真空中で固相のAE32とAE金属の蒸気とを加熱反応させ
てAE2N粉末エレクトライドを合成することができる。上記の加熱反応を約750℃〜
850℃において約10時間〜100時間行い、さらに加熱状態から1分以内で室温に低
下する程度の冷却速度で急冷することが好ましい。
また、原料としてAE32粉末とAE金属とを1:2〜1:20の範囲のモル比で混合
し、10-2Pa以下の真空中で固相のAE32とAE金属の蒸気とを加熱反応させてAE
2N単結晶エレクトライドを合成することができる。上記の加熱反応を約750℃〜85
0℃において約10時間〜50時間行うことが好ましい。
上記の方法により作製された単結晶を結晶層間で劈開させることにより、厚さ0.5ナ
ノメートル以上、20マイクロメートル以下の薄膜エレクトライドとすることができる。
上記の合成方法において、原料に炭素を加えることにより組成式AE2Nの一部を炭素
で置換した、イオン式[Ca2(N1-xx)]+(e1-x-(x=0.05以上、0.50以
下)で表される窒化物エレクトライドを合成できる。
AE2Nの大気中での不安定性は酸素との反応により表面にAE金属の酸化物であるA
EOが生じ、又は水との反応によりAE金属の水酸化物であるAE(OH)2が生じるこ
とによる。この酸素又は水との反応性を低減するにはAE2N中のフリー電子濃度を低く
することが有効であり、原料に炭素を加えて、AE32のN3-をC4-で一部置換し、AE
2Nの窒素をモル比で0.05以上、0.50以下の炭素で置換することによってフリー
電子濃度を調整することが有効である。
本発明の窒化物エレクトライドは、例えば電子放出源に用いて電子放出素子を作成する
のに適する。
不純物含有量を低減した粉末を製造する合成方法として、AE32(Ca32、Sr3
2、又はBa32)粉末と金属AE(Ca,Sr,又はBa)粉末を混合して真空中で
高温焼成し室温まで急冷することが不純物相を低減するために効果的である。低温では、
AE2NよりもAE32が安定であるため急冷を行わないと合成した粉末中にAE32
残留してしまう。単結晶を製造する場合は、金属AEを大過剰で混合するため、AE32
が生成しにくいことと、明瞭に区別できるAE2Nを生成物から単離することができるこ
とから室温までの徐冷によって生成物の中にAE32を含まない状態とすることができる
AE2Nを取り扱う上で最も大きな問題の一つである、酸化、又は水酸化を防ぐために
、工程の全てにおいて水分濃度、及び酸素濃度が極めて低い合成雰囲気中で作業し、外部
に取り出すときには真空又はアルゴン中にシールした状態とすることが有効である。
原料の一つである金属AEの原料中の混合比率を多くし、焼成時間を長くすることによ
り、AE2N単結晶の作製ができ、これを劈開することにより、薄膜の作製が可能である
。これにより、AE2Nが本来持つ特性を正しく評価することが可能となる。
AE2Nの大気中での不安定性は酸素との反応により酸化物のAEOが生じ、又は水と
の反応により水酸化物のAE(OH)2が生じることによる。この反応性を低減するには
フリー電子濃度を低くすることが有効であり、N3-をC4-で一部置換し、電子濃度を調整
することが有効である。
本発明におけるAE2Nは室温において103S/cm以上の電気伝導度と金属的電気伝
導性を有し、窒化物エレクトライドである。また、AE2Nの窒素の一部を炭素に置換す
ることにより、大気中での安定性が向上した窒化物エレクトライドが得られる。この窒化
物エレクトライドは、2.6eV以上、3.5eV以下の低い仕事関数を有する。
Ca2Nの結晶構造を示す模式図である。 実施例1において得られたCa2N粉末のX線回折パターンを示す図である。 実施例2において得られたCa2N単結晶薄膜のX線回折パターンを示す図である。 実施例2、実施例3における単結晶Ca2N及び多結晶Ca2Nの抵抗率測定結果を示す図である。 実施例2、実施例3で得られた単結晶Ca2N及び多結晶Ca2Nの印加電圧とカットオフエネルギーとの関係を表す図である。 実施例4で得られたC無添加Ca2NとC添加Ca2Nの大気暴露による変化を示す図面代用光学顕微鏡写真である。
AE2N(AE:Ca,Sr,Baのうち少なくとも1種類)は、イオン式で(AE2+)
2(N3-)(e-)と表記され、[AE2N]+からなる層が重なり、層間に対アニオンとして
電子が二次元的に非局在化して存在する。AE元素は、物質中でAE2+となり、NはN3-
となるのが一般的である。しかし、この電荷のまま組成を構成すれば負電荷が不足するこ
とになる。すなわち何らかの形で、電荷を保証する必要がある。
以下、Ca2Nを代表例として実験に用いた合成方法を説明する。組成式CaxSry
zN(x+y+z=2,x,y,z=0〜2)で表記されるSr2NやBa2N及びCa
、Sr、Baを2種以上含む複合窒化物の場合も全く同様に取り扱うことができる。出発
原料は、粉末、又は単結晶の製造に関しては、純度99%以上のCa32粉末、純度99
.9%以上の塊状の金属Ca、純度99.9%以上のC粉末とした。いずれの試薬も純度
は高いほど望ましい。粉末の大きさは限定されないが、好ましくはCa32では平均粒径
100マイクロメートル、Cでは10マイクロメートル程度のものを使用できる。
全ての製造工程及び計測工程において原料及び生成物は、全て大気に対して気密状態で
扱う必要があり、合成反応は気密室で行う。本実施例では、Arを満たしたグローブボッ
クス中にて扱った。CaやCa2Nは容易に水分や酸素と反応するため、合成反応を行う
容器中の水分濃度は1ppm以下、酸素濃度は0.1ppm以下を保持することが望まし
い。
粉末及び単結晶の製造において、原料混合物を加熱する場合、金属Moフォイル又は金
属Taフォイルにより原料混合物を包み、片端を閉じたシリカガラス管(試験管型)内に
挿入した。Moフォイル又はTaフォイルの使用は酸化物であるシリカガラス管との接触
による反応を防ぐためである。加熱においては10-2Pa以下、望ましくは10-3Pa以
下になるようシリカガラス管の内部を真空排気する。シリカガラス管の内部を真空とする
のは本合成反応が固相のCa32とCa蒸気とによって起こるため、金属Caの蒸発を容
易にするためである。真空の保持は真空ポンプを接続したまま排気を続けても、真空排気
した状態で、シリカガラス管を溶融封止してもよい。
粉末及び単結晶の製造において、反応温度は約750℃〜850℃で行われ、約780
℃〜820℃がより好適である。750℃未満では十分なCa蒸気圧が得られないため、
反応が進行せず、850℃超では金属Caが溶融し、合成したCa2N中の不純物相であ
るCa32が多くなる。
粉末の製造においては、Ca32とCaを等モル前後、すなわち1:0.8〜1:1.
2の範囲のモル比で混合する。合成したCa2N中の不純物量を最少とするためには1:
0.95〜1:1.05の範囲のモル比とするのがより好適である。加熱時間は約10時
間〜100時間とする。10時間より短いと未反応物が残り、100時間より長いとCa
蒸気がシリカガラス管の内面上に析出し、Ca不足となる。加熱時間は約40時間〜60
時間がより好適である。また、加熱時間経過後に高温のまま炉外に取出し急冷することが
不純物となるCa32量を低減するために効果的である。急冷するには、例えば、加熱状
態から水中に投入する等の手段を採用できる。これにより加熱状態から室温まで、1分以
内で急冷することができる。作製された粉末のCa2Nを金型を用いた一軸加圧成型法等
の成型方法により固化することにより、多結晶状態のCa2Nペレットを作製することが
できる。
原料の一つである金属AEのAE2Nに対する混合比率を多くし、反応時間を十分長く
することにより、AE2N単結晶の作製ができ、このAE2N単結晶を劈開することにより
、AE2N単結晶薄膜の作製が可能である。これにより、AE2Nが本来持つ特性を正しく
評価することが可能となる。
単結晶の製造において、Ca32とCaとを1:2〜1:20の範囲のモル比で混合す
る。長時間の加熱を要するため、Ca量が少ないと、Ca蒸気の散逸によりCaが不足と
なる。多すぎると生成物からの単結晶の単離が難しくなる。1:8〜1:12の範囲のモ
ル比とするのがより好適である。加熱時間は約10時間〜50時間とし、これに引き続き
、約550℃〜650℃の範囲から選択される温度に、約200時間〜400時間をかけ
て徐冷することが大きな単結晶を作製するために有効である。徐冷後は室温まで放冷すれ
ばよい。
AE2Nの大気中での不安定性は酸素との反応により表面に酸化物(AEO)が生じ、
又は水との反応により水酸化物(AE(OH)2)が生じることによる。これらの物質は
絶縁体であるため、生成物のAE2N表面でこれらの物質が生じると生成物のAE2N全体
が絶縁体になる。この酸素又は水との反応性を低減するにはAE2N中のフリー電子濃度
を低くすることが有効であり、原料に炭素を加えて、AE32のN3-をC4-で一部置換し
、フリー電子濃度を調整することが有効である。
原料への炭素の添加は、Ca2Nの合成の場合、以下に示すイオン反応式、
((1−x)/2)Ca32+((1+3x)/2)Ca+xC → [Ca2(N1-xx
)]+(e1-x-
で、x=0.05以上、0.50以下の範囲のモル比で粉末状炭素を原料に添加する。x
=0.05未満では大気との反応に対する安定化に対する効果がみられず、0.50超で
は生成物のCa2N中に遊離した炭素粒子やCa2Cが生成してしまう。より好適にはx=
0.20以上、0.35以下である。
炭素を含むCa2Nを合成する場合、粉末、単結晶の製造ともに、(Ca32+C)と
金属Caとの混合比は、上記のCa2N製造の場合と同じであり、加熱反応条件も同じで
ある。
単結晶製造方法により得られた生成物はCa2N単結晶と金属Caとの混合物の塊であ
る。Ca2Nは板状結晶を呈し、最適な方法により長辺3ミリメートル以下、厚さは10
0マイクロメートル以下が得られている。長辺0.1ミリメートル以上の単結晶であれば
目視下又は光学顕微鏡下においてピンセットなどを用いて前記塊からの分離、すなわち単
離が可能である。単離した板状単結晶の両面を粘着テープで挟み引き剥がすことにより、
容易に結晶層間で劈開させることができる。上下に劈開される結晶の厚さ比は1:1〜1
:10程度となる。これを繰り返すことにより、結晶層2層分程度に相当する厚さ0.5
ナノメートル〜20マイクロメートル程度で、清浄表面を持つCa2N単結晶薄膜を得る
ことができる。粘着テープは一般的な文具として使用されているものでよい。これらの一
連の作業は水分と酸素とを取り除いたアルゴン雰囲気のグローブボックスなどの中で行う
ことが清浄表面を作り出す上から必須である。
合成したCa2Nは、金属的電気伝導性を示し、その電気伝導度は、室温で103S/c
m以上であり、後述の実施例では室温で1×105S/cm以上が得られた。この電気伝
導度は従来報告されている室温で1.6×10-2S/cmや2.0×10-1S/cmの電
気伝導度(非特許文献7)と比較して著しく大きな値である。また、合成したCa2Nは
、2.6eV以上、3.5eV以下の低い仕事関数を有することが分かった。合成したC
2Nの仕事関数は紫外線光電子分光測定により評価した。この際、Ca2Nの清浄表面を
観測するために、光電子分光器に試料準備室を設け、高真空下において粘着テープによる
劈開を行うことが望ましい。
次に実施例により本発明を詳細に説明する。
<Ca2N粉末の合成>
原料のCa32粉末(シグマアルドリッチ株式会社;純度99%、平均粒径100マイ
クロメートル程度)と粒子状Ca(シグマアルドリッチ株式会社;純度99.99%、原
料をニッパにより切断し、平均粒径1mm程度に加工した)とをモル比で1:1に混合し
、3gの原料混合物をMoフォイルで包んだ。これらの作業は全て水分1ppm以下、酸
素濃度0.1ppm以下を保ったAr雰囲気のグローブボックス中で行った。Moフォイ
ルに包まれた原料混合物を先端が閉じられたシリカガラス管(試験管型)に挿入し、他端
に真空ポンプを連結し、シリカガラス管内を10-3Pa以下に真空排気した。原料混合物
の挿入部分を電気炉に入れ、真空排気を行ったまま、800℃にて48時間加熱し、固相
のCa32とCa蒸気とを反応させた。48時間後、800℃の状態からシリカガラス管
ごと炉外に取出し、水中に投入することにより急冷した。
得られた試料は深緑色系の金属光沢を持つ板状結晶から構成されていた。図2に得られ
たCa2N粉末のX線回折プロファイルを示す。X線回折は試料をAr雰囲気容器中に置
き、測定した。図2には、測定値及び「測定値−計算値」を示す。計算値はリートベルト
解析により得られたもので、測定値と計算値の差が小さいことから、Ca32は、完全に
消失させることができたことが分かる。リートベルド解析により、Ca2N結晶は(00
1)面方向に優先配向し、不純物として約6mol%のCaOを含んでいることが示され
た。試料はArでシールされた容器内に保持されてX線回折測定に供されたが、微量酸素
の侵入を抑えきれないため、CaO量はX線回折測定容器中での経過時間とともに増加し
た。
<Ca2N単結晶の合成>
原料のCa32粉末と粒子状Caとをモル比で1:10とした以外は実施例1と同じ条
件で原料混合物をシリカガラス管内に挿入しシリカガラス管内を10-3Pa以下に真空排
気した。この真空を保持したままシリカガラス管のポンプ連結側を溶融封止した。このシ
リカガラス管を電気炉中に置き、800℃で24時間加熱し、固相のCa32とCa蒸気
とを反応させ、次いで、600℃まで300時間をかけて徐冷した。その後、電気炉の加
熱を停止し、室温まで電気炉中で放冷した。
Ca2Nは著しい二次元性を持つ結晶であり、結晶軸a,b方向には強いCa−N結合
ができているのに対し、c方向には弱い電子を介した結合が生じている。そのため、Ca
2Nは板状結晶として現れる。得られた試料から、広がり幅1mm程度を持つ単結晶を単
離し、粘着テープによる劈開により、清浄な結晶面を得ることができた。この粘着テープ
の接着−引き剥がしによる劈開工程を繰り返すことにより得た厚さ0.02mmの単結晶
薄膜を4端子電極に密着させて抵抗測定を行い、また、同様に6端子電極に密着させてホ
ール測定を行った。電極パターンは、表面酸化したSiウェハー上にリソグラフィー法に
よりレジスト加工を行い、金の蒸着により作成した。図3は、劈開により得られた単結晶
薄膜のX線回折パターンを示す。(003)、(006)、(009)面からの反射のみ
が観測され、単結晶であることが示されている。
実施例1により作製された粉末のCa2Nを金型を用いた一軸加圧成型法により、50
MPaの圧力で加圧成形して結晶状態のCa2Nペレットを作製した。このCa2Nペレッ
ト(2×1×0.1mm)を、銀ペーストにより、電極パターンと結線し、電気伝導度測
定に供した。
図4に、実施例2、実施例3における単結晶と多結晶Ca2Nについて、4端子法を用
いた電気伝導度測定の結果を示す。比較のために多結晶体の電気伝導度測定結果も示す。
単結晶、多結晶とも300K〜2Kの範囲の温度降下に伴い電気伝導度が増加し、金属的
電気伝導性を示した。電気伝導度は室温(20〜25℃)において単結晶で3×105
/cm、多結晶で7×103S/cm程度であり、20Kでは単結晶で106S/cm、多
結晶で105S/cm程度となった。
<仕事関数の測定>
上に記載した方法により得た単結晶試料及び多結晶試料に関し、紫外線光電子分光法に
より仕事関数を測定した。大気との反応による表面変質を避けるために、清浄表面を装置
内の高真空下(5×10-8Pa以下)で作り出して測定した。単結晶については粘着テー
プを用いた引きはがし劈開法により、作製した試料表面を、多結晶については衝撃破断法
によって作製した試料表面を用いた。
仕事関数は、光電子スペクトルの測定において試料に電圧を印加し、各印加電圧に対す
る光電子のカットオフエネルギーを求め、これを印加電圧0に外挿することにより見積も
った。図5は、印加電圧とカットオフ(cut-off)エネルギー(eV)の関係を示し、この測定
結果から仕事関数は単結晶で3.5eV、多結晶で2.6eVと見積もられる。ここで、
「high yield」と「low yield」は照射する紫外線(He I線)の強度の違いを意味し、
これが印加電圧0Vにおいて一致することから、測定の信頼性が高いことが支持される。
単結晶試料が大きな仕事関数を示すのは、単結晶では電子放出が起こりにくい結晶C面か
らの電子放出のみを観測していることに対し、多結晶では電子を全ての結晶面からの電子
放出のうち、最も放出しやすい面からの値を観測していることによる。2.6eVという
仕事関数はアルカリ金属に匹敵する小さな数値である。
<炭素添加によるCa2Nの大気との反応に対する安定化>
組成式Ca2(N1-xx)でx=0.25となるように、原料混合物にC粉末(株式会
社高純度化学研究所;99.99%、平均粒径10マイクロメートル程度)を混合した以
外は実施例1と同じ条件で合成を行った。これによりCa2(N0.750.25)粉末を得た
図6は、Cを添加したCa2Nと、無添加のCa2Nのそれぞれの粉末圧粉体を大気に暴
露した直後と、大気暴露10分後の様子を示す光学顕微鏡写真である。暴露直後において
は両試料とも深緑色(図6では黒色)を呈するが、無添加のものは明らかに白色化が素早
く進行し、10分後には表面が完全に白色化した。一方、Cを添加したCa2Nはその変
化が小さく、10分後でも深緑色(図6では黒色)を保っていた。このことは、Ca2
へのCの添加が大気との反応に対する安定化に寄与していることを示す。また、Ca2
へのCの添加によるフリー電子濃度は半分になる程度であり、金属的電気伝導性は維持さ
れていた。
本発明の窒化物エレクトライドは、優れた電気伝導度を有するので、熱電子型、電界放
出型、光電子放出型など様々な高効率電子放出源として利用が可能であり、光電管や光電
子増倍管、さらには、陰極材料として電界放出ディスプレイの実用化に寄与する。

Claims (9)

  1. 組成式AE2 N(AEは、Ca、Sr、Baから選択される少なくとも一種類の元素)
    により表記され、層状結晶構造を持ち、イオン式[AE2N]+-で表記される窒化物であ
    り、室温で103S/cm以上の電気伝導度を有し、金属的電気伝導性を示すことを特徴
    とする窒化物エレクトライド。
  2. 請求項1記載の組成式AE2NのNの一部を炭素で置換した、イオン式[AE 2(N1-x
    x)]+(e1-x-(x=0.05以上、0.50以下)で表され、大気中での安定性を有
    することを特徴とする窒化物エレクトライド。
  3. 原料としてAE32粉末とAE金属とを1:0.80〜1:1.20の範囲のモル比で
    混合し10-2Pa以下の真空中で固相のAE32とAE金属の蒸気とを750℃〜850
    ℃において加熱反応させてAE2N粉末を合成することを特徴とする、請求項1に記載さ
    れた窒化物エレクトライドの合成方法。
  4. 加熱反応を10時間〜100時間行い、室温まで急冷することを特徴とする、請求項3
    に記載された窒化物エレクトライドの合成方法。
  5. 原料としてAE32粉末とAE金属とを1:2〜1:20の範囲のモル比で混合し1
    -2Pa以下の真空中で固相のAE32とAE金属の蒸気とを750℃〜850℃におい
    て加熱反応させてAE2N単結晶を合成することを特徴とする、請求項1に記載された窒
    化物エレクト
    ライドの合成方法。
  6. 加熱反応を10時間〜50時間行い、550〜650℃の範囲から選択される温度に、
    200〜400時間をかけて徐冷し、その後室温まで放冷することを特徴とする、請求項
    5に記載された窒化物エレクトライドの合成方法。
  7. 請求項5に記載された方法により作製された単結晶を結晶層間で劈開させることにより
    、厚さ0.5ナノメートル〜20マイクロメートルの薄膜とすることを特徴とする、請求
    項1に記載された窒化物エレクトライドの合成方法。
  8. 請求項3から6のいずれかに記載される合成方法において、原料に炭素を加えることを
    特徴とする、請求項2記載の窒化物エレクトライドの合成方法。
  9. 請求項1又は2に記載された窒化物エレクトライドを電子放出源に用いたことを特徴と
    する電子放出素子。
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