JP5199011B2 - 研磨材 - Google Patents

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本発明は、傷の発生が少なく、研削、研磨特性に優れた材料に関する。詳しくは、ガラス、セラミックス、金属等の加工において、加工物の平坦度及び面粗度を整えて所定の形状及び寸法に仕上げる研削(ラップ)工程と、研削された加工物をナノメーターレベルで要求される精度に研磨する工程で用いられる研削・研磨材に関する。
従来から、ガラス、セラミックス、金属等の研削(ラップ)には、遊離砥粒として研磨砂、固定砥粒としてダイヤモンド工具が、研磨(ポリッシング)には、遊離砥粒として酸化セリウム、コロイダルシリカ等が用いられ、その他の加工形態として研磨パッドが使用されている。
精密機器分野において、ガラス、セラミックス及び金属は様々な用途に用いられている。例えば、結晶化ガラス、アモルファスガラス、アルミニウム等はハードディスク基板として、合成石英ガラス、青板ガラス等はフォトマスク基板として、サファイア、窒化ガリウム(GaN)、炭化シリコン(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)等は発光ダイオード基板(LED基板)としてLEDバックライト使用の信号機、表示板、照明等に、ノンアルカリガラスはフラットパネルとして液晶テレビに、青板ガラス、高歪み点ガラス等はディスプレイガラス基板(PDPガラス基板)としてプラズマテレビ、携帯電話、ゲーム機、パソコン等に、水晶、PZT、チタン酸バリウウム、ニオブ酸リチウム等は振動子として通信機、携帯電話、時計等に、光学ガラス、クラウンガラス、フリントガラス等はレンズとして一眼レフカメラ、デジタルカメラ、天体望遠鏡、光学ドライブ用ピックアップ、眼鏡等に使用されているが、これらガラス、セラミックス及び金属の精密加工は両面機によるラップ・ポリッシング工程により行われている。
しかしながら、コストダウンの要求に伴い生産性を向上させるといった観点から、加工性に優れた研削・研磨素材が求められている。近年ダイヤモンドの優れた硬さが加工性に優れ、生産性を上げることが認められてきた。幸いなことに爆射法によって得られたダイヤモンドは、一次粒子で4〜7 nm及び二次粒子で50〜200 nmとナノメーター大きさの粒径を有し、加工性に優れ、極めて生産性が高く、かつ近年益々要求されるようになった高品質の加工面(高い平坦度及び面粗度)を得ることができる素材として注目されている。
ところが、硬くて加工性に優れ、生産性の高いナノメーター大きさのナノサイズダイヤモンドを研削・研磨素材として用いた場合、近年要求される高度の平坦度及び面粗度に対して、しばしば発生するいわゆるスクラッチと呼ばれる幅広の深い傷が問題であった。原因は、ナノメーター大きさのナノサイズダイヤモンドの中に残存する、ナノメーター大きさに較べて極めて大きいミクロン大きさの微量の粗大粒子である。ダイヤモンドの特徴である硬さが逆に災いして、微量のミクロン大きさの粗大ダイヤモンドが存在することでスクラッチの原因となる。これらの粗大粒子を除去する工夫が続けられてきたが、工業生産レベルでは完全に除去することができていない。
従って、本発明の目的は、ガラス、セラミックス及び金属の研削及び研磨加工において、加工性(生産性)に優れ、高度な平坦度及び面粗度を達成でき、かつスクラッチ傷の発生の少ない研磨素材を提供することである。
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるナノメーター大きさの粒子、又は前記ナノメーター大きさの粒子にナノサイズダイヤモンドを添加した混合粒子を用いることにより、ガラス、セラミックス等の加工性、加工面の平坦度及び面粗度を劣化させないで、スクラッチ傷の発生を著しく低減できることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の研磨材は、グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン径が30〜250 nmで、比重が2.63〜3.38 g/cm3である粒子を有することを特徴とする。
前記比重は2.75〜3.25 g/cm3であるのが好ましい。
本発明のもう一つの研磨材は、グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン径が30〜250 nmの粒子、及びナノサイズダイヤモンドからなるメジアン径が30〜250 nmの粒子からなる混合粒子を有し、前記混合粒子の平均比重が2.63〜3.38 g/cm3であることを特徴とする。
前記平均比重は2.75〜3.25 g/cm3であるのが好ましい。
本発明の研磨材は、ガラス、セラミックス及びアルミニウムの研磨に用いるのが好ましい。
本発明のグラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるナノメーター大きさの粒子、又は前記ナノメーター大きさの粒子にナノサイズダイヤモンドを添加した混合粒子を有する研磨材は、ガラス、セラミックス、金属等の加工性に優れ、高度の平坦度及び面粗度を有する加工面が得られ、かつスクラッチ傷の発生が少ないので、結晶化ガラス、アモルファスガラス、アルミニウム(Ni-P薄膜付き)等のハードディスク基板、合成石英ガラス、青板ガラス等のフォトマスク基板、ノンアルカリガラスのフラットパネル(液晶テレビ)、発光ダイオード基板(LED基板)、青板ガラス、高歪み点ガラス等のディスプレイガラス基板(PDPガラス基板:プラズマテレビ、携帯電話、ゲーム機、パソコン他に使用)の研削及び研磨に好適に用いられる。
[1] 研磨材
(1) グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるナノメーター大きさの粒子
グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるナノメーター大きさの粒子(以下「グラファイト-ダイヤモンド粒子」とも言う。)は爆射法で製造される。この粒子は、ダイヤモンドの表面をグラファイト系炭素が覆ったコア/シェル構造を有していると考えられ、グラファイト系炭素の表面には-COOH、-OH等の親水性官能基が多数存在し、水、アルコール、エチレングリコール等の-OH基を有する溶媒との親和性が極めて良好であり、これらの溶媒にすみやかに分散する。中でも水に対する分散性が最も良い。
グラファイト-ダイヤモンド粒子は、0.001〜0.1質量%程度の濃度の水分散液として用いるのが好ましい。この水分散液を、両面機によるラップ・ポリッシング工程で不織布等に滴下しながら、ガラス、セラミックス、アルミニウム(Ni-P薄膜付き)等の表面の精密研磨加工を行う。
グラファイト-ダイヤモンド粒子は、比重が2.63〜3.38 g/cm3である場合に加工性が良くかつスクラッチの発生が抑えられる。グラファイト-ダイヤモンド粒子の比重は、好ましくは2.75〜3.25 g/cm3である。ダイヤモンドの比重を3.50 g/cm3、グラファイトの比重を2.25 g/cm3として、ダイヤモンドとグラファイトの割合を計算すると、比重2.63 g/cm3はダイヤモンド30容積%及びグラファイト70容積%の組成を有する粒子に相当し、比重3.38 g/cm3はダイヤモンド90容積%及びグラファイト10容積%の組成を有する粒子に相当する。同様に比重が2.75 g/cm3はダイヤモンド40容積%及びグラファイト60容積%の、比重3.25 g/cm3はダイヤモンド80容積%及びグラファイト20容積%の組成を有する粒子に相当する。なお比重2.87 g/cm3はダイヤモンド50容積%及びグラファイト50容積%の組成を有する粒子に相当する。比重が2.63 g/cm3未満であると、スクラッチはほとんど発生しないが、ダイヤモンド量が少ないため加工性に劣る。また、比重が3.38 g/cm3を越えると、加工性は極めて良いが、スクラッチが多く発生する。
グラファイト-ダイヤモンド粒子は、メジアン径が30〜250 nmであると加工性が良好で、かつスクラッチの発生も抑えられる。
(2) ナノサイズダイヤモンド
ナノサイズダイヤモンドは、前記グラファイト-ダイヤモンド粒子を更に精製し、グラファイトを除去したものであり、比重が3.38 g/cm3より大きいものである。ナノサイズダイヤモンドの比重は、好ましくは3.45 g/cm3以下である。ナノサイズダイヤモンドのメジアン径は30〜250 nmであるのが好ましく、50〜150 nmであるのがより好ましい。
ナノサイズダイヤモンドを単独で用いるとスクラッチが問題となるため、混合粒子の平均比重が2.63〜3.38 g/cm3となるように、グラファイト-ダイヤモンド粒子とナノサイズダイヤモンド粒子とを混合して用いる。混合粒子の平均比重は、好ましくは2.75〜3.25 g/cm3である。ナノサイズダイヤモンド粒子の使用量は、グラファイト-ダイヤモンド粒子との混合粒子の平均比重が前記の範囲にあればどのような量でも良いが、グラファイト-ダイヤモンド粒子に対して、0〜100容量%であるのが好ましく、0〜50容量%であるのがさらに好ましく、0〜10容量%であるのが最も好ましい。
(3) 用途
グラファイト-ダイヤモンド粒子、又はグラファイト-ダイヤモンド粒子にナノサイズダイヤモンドを添加した混合粒子を含む研磨材は、ガラス、セラミックス、金属等の研磨に好ましく用いられ、特に結晶化ガラス、アモルファスガラス、アルミニウム(Ni-P薄膜付き)等のハードディスク基板、合成石英ガラス、青板ガラス等のフォトマスク基板、ノンアルカリガラスのフラットパネル(液晶テレビ)、発光ダイオード基板(LED基板)、青板ガラス、高歪み点ガラス等のディスプレイガラス基板(PDPガラス基板)の研磨に好適に用いられる。
[2]製造方法
グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなる粒子(グラファイト-ダイヤモンド粒子)は、爆射法によって合成された粗ダイヤモンド(以下、「ブレンドダイヤモンド」又は「BD」とも云う)を精製することによって得られる。ナノサイズダイヤモンド[以下UDD(Ultra Dispersed Diamonds:超分散ダイヤモンド)と言うこともある。]は、前記粗ダイヤモンドをさらに精製することによって得られる。爆射法としては、Science,Vol.133,No.3467(1961), pp1821-1822、特開平1-234311号、特開平2-141414号、Bull.Soc. Chim.Fr.Vol.134(1997).pp875-890、Diamond and Related materials Vol.9(2000),pp861-865、Chemical Physics Letters,222(1994) pp343-346、Carbon,Vol.33, No.12(1995), pp1663-1671、Physics of the Solid State,Vol.42,No.8(2000),PP1575-1578、Carbon Vol.33, No.12(1995), pp1663-1671、K.Xu.Z.Jin,F.Wei and T.Jiang,Energetic Materials, 1,19(1993)(in Chinese)、特開昭63-303806号、特開昭56-26711号、英国特許第1154633号、特開平3-271109号、特表平6-505694号(WO93/13016号)、炭素,第22巻,No.2,189〜191頁(1984)、Van Thiei. M. & Rec.,F. H., J. Appl. Phys. 62, pp. 1761〜1767(1987)、特表平7-505831号(WO94/18123号)及び米国特許第5861349号等に記載の方法を用いることができる。グラファイト-ダイヤモンド粒子の比重は、爆射条件及びBDの精製度を調節することにより調節することができる。
(1) 爆射条件によるグラフアイトとダイヤモンドの比率の制御
炭素原子をグラフアイト構造からダイヤモンド構造に変換するためには、高温及び高圧状態が必要である。爆薬の爆射は、反応系内に置かれた炭素原料をダイヤモンド構造に変換するのに必要な高圧及び高温状態を容易に発生させる。ダイヤモンド合成操作で、印加されていた圧力が瞬時に開放されたときに、熱(温度)が残存していると生成したダイヤモンド構造をグラフアイト構造に戻してしまう。反応系中の生成済みダイヤモンド構造がグラフアイト構造に戻る温度は、高圧が解除された場合、例えば典型的には常圧では約2000℃であるため、すみやかにこの温度以下に冷却する必要がある。
爆薬の爆射による衝撃波の伝播速度は通常0.8〜12 km/sec程度であるため、通常の大きさの反応系が高圧に維持される時間はたかだか10-5〜10-6secの短時間であり、極小反応単位が高圧に維持される時間は10-8〜10-9 secにすぎない。生成したダイヤモンド構造を保持するためには、反応系の密閉状態を瞬時に開放して、ダイヤモンド構造がグラフアイト構造に変換される温度(約2000℃)以下に急冷する必要があるが、このような短時間で精度良く温度を制御することは困難である。従って、爆射条件のみを制御して工業レベルでグラファイト系炭素とダイヤモンドの割合を適宜変えたグラファイト-ダイヤモンド粒子を製造することは困難である。
爆射後の反応容器内を急速に冷却しグラファイト量を調節する技術が、特表平7-505831号(WO94/18123号)に記載されている。特表平7-505831号(WO94/18123号)には、トリニトロトルエン(TNT)/シクロトリメチレントリニトロアミン(RDX)=60/40を爆薬として用いた場合の爆発温度(3500〜4000 K)から、爆発の後に生成物を7000度/分の程度の速度で350 Kまで冷した場合、炭素相は70〜80質量%の立方晶相(ダイヤモンド)を含んで生成し、反対に冷却速度が200度/分より低い場合、生成物は二酸化炭素と水蒸気と反応して完全にCOに変わってしまうと記載されている。つまり爆射による反応後の容器内のガスの冷却速度を調節することにより、ブレンドダイヤモンド中のグラファイトとダイヤモンドの組成比を制御することができる。冷却速度は、異なるガス放出条件を用い、爆発容積と爆発チャンバー容積を変えること、及び反応容器中の氷量又は水量を変えることによって調節することができる。
更には、グラファイト-ダイヤモンド粒子のグラファイト系炭素とダイヤモンドの割合を制御する方法としては、特許公開2003-146637号に記載の方法で得られた最終工程の精製UDD(超分散ダイヤモンド)を部分的にグラファイトに変える方法がある。窒素などの不活性ガス下、酸素雰囲気下、又は真空下で、700〜1200℃で、1〜30分加熱することによって、ダイヤモンド表面を覆うグラファイト量を変えたグラファイト-ダイヤモンド粒子を得ることができる。
しかし特表平7-505831号(WO94/18123号)や特許公開2003-146637号に記載の方法は、原理的には可能であるが、工業レベルで行うには品質の安定性の確保が難しく、生産コストも高い。本発明はこれらの方法によってもグラファイト量の調節が可能であるが、これらの方法に限定されず、後述の爆射合成後のBD精製時にグラファイト量調節する方法が好ましい。
(2)精製条件によるグラフアイトとダイヤモンドの比率の制御
爆射法で得られたBDは、数10〜数100 nmの径を有するUDD(超分散ダイヤモンド)及び非グラフアイトからなり、1.7〜7 nm径の極小さなナノクラスター大きさのダイヤモンド単位(ナノメーター大きさのダイヤモンド)が強固に凝集した凝集体である。つまり最低4個、通常十数個〜数百個の、場合によっては数千個のナノメーター大きさのダイヤモンドの強固な凝集体である。BDは極少量の微小(1.5 nm以下)アモルファスダイヤモンド、グラフアイト及び非グラファイト炭素超微粒子を含有する。
BDの不純物は、(i)水溶性電解質(ionized)、(ii)ダイヤモンド表面に化学結合した加水分解性の基及びイオン性の物質(官能性表面基の塩等)、(iii)水不溶性の物質(表面に付着した不純物、不溶性塩、不溶性酸化物)、(iv)揮発性物質、(v)ダイヤモンド結晶格子中に包含されるか又はカプセル化された物質に分けることがでる。
前記(i)の水溶性電解質は水洗により除去できるが、より効果的に除去するにはイオン交換樹脂で処理するのが好ましい。前記(iii)の水不溶性の不純物は、金属、金属酸化物、金属カーバイド、金属塩(硫酸塩、シリケート、カーボネート)のような分離したミクロ粒子、分離できない表面塩、表面金属酸化物等からなる。これらを除去するには、酸によって可溶性の形に変換するのが好ましい。前記(iv)の揮発性不純物は、通常0.01 Pa程度の真空中で、250〜400℃で熱処理することにより除去することができる。
本発明で用いるグラファイト-ダイヤモンド粒子は、必ずしも不純物を完全に除去する必要はないが、前記(i)〜(iii)の不純物を40〜95%除去するのが好ましい。グラファイトとダイヤモンドとの比率は、前記爆射法の条件を変更すること、及び/又はBDの精製条件を変更することによって調節することができる。
グラファイト-ダイヤモンド粒子の製造工程の一例を図1に模式的に示すが、これらの方法に限定されるものではない。この例におけるグラファイト-ダイヤモンド粒子の製造方法は、(A)爆薬の爆射によりで爆射式初期BDを製造する工程、(B)生成した初期BDを回収して酸化性分解により電気雷管等の混入金属、炭素等の夾雑物を分解する酸化性分解処理工程、(C)酸化性分解処理により精製したBDを酸化性エッチング処理して主にBD表面を被覆する硬質炭素を除去しグラファイト-ダイヤモンド粒子とする酸化性エッチング処理工程、(D)酸化性エッチング処理してなるグラファイト-ダイヤモンド粒子を含む硝酸水溶液に、それ自身揮発性の又はその分解反応生成物が揮発性の塩基性材料を加えて中和し、二次凝集体であるグラファイト-ダイヤモンド凝集体を一次粒子である個々のグラファイト-ダイヤモンド粒子にする中和反応工程、(E)中和反応工程を経て生成したグラファイト-ダイヤモンド粒子の反応懸濁液を水により充分にデカンテーションする傾斜工程、(F)傾斜工程を経たグラファイト-ダイヤモンド粒子懸濁液に硝酸を加え洗浄して静置し、得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子を含む下層懸濁液を上層排液から抜き取る洗浄工程、(G)洗浄されたグラファイト-ダイヤモンド粒子懸濁液を遠心分離する工程、及び(H)遠心分離されたグラファイト-ダイヤモンド粒子分散液を所望pH及び所望濃度に調製する工程からなる。グラファイト-ダイヤモンド粒子の分散液は、通常4〜10のpH、好ましくは5〜8のpH、より好ましくは6.0〜7.5のpHを有する。

(A) 爆射式初期BD製造工程
水と多量の氷1を満たした純チタン製の耐圧容器2に、電気雷管6を装着した爆薬5[この例ではTNT(トリニトロトルエン)/HMX(シクロテトラメチレンテトラニトラミン)=50/50を使用]を胴内に収納せる片面プラグ付き鋼鉄製パイプ4を水平に沈め、この鋼鉄製パイプ4に鋼鉄製のヘルメット3を被覆して、爆薬5を爆裂させ、反応生成物としての初期BDを容器2中の水及び氷中から回収する。
(B) BD酸化性分解処理工程
回収した初期BDを55〜56質量%の濃HNO3と共に、例えば14気圧150〜180℃のオートクレーブ7中で、10〜30分間酸化性分解処理し、炭素系夾雑物、無機夾雑物、残存金属等の不純物を分解する。
(C) 酸化性エッチング処理工程
酸化性エッチング処理は、酸化性分解処理したBD表面を被覆する硬質炭素をできるだけ除去するため、一般に酸化性分解処理よりもさらに厳しい条件(通常、18気圧、200〜240℃)で行う。このような条件で10〜30分処理すると、BD表面を被覆する硬質炭素、すなわちグラファイトを徹底的に除去することができる。本発明では、BD表面を被覆するグラファイトを徹底的に除去することが目的ではなく、残存グラファイト量を調節することが目的であるため、温度及び圧力の処理条件を緩和させて行う。例えば13気圧、120〜150℃、0.5〜3時間処理の条件で酸化性エッチング処理することで、硬質炭素を除去する速度を遅くして、非ダイヤモンド炭素(グラファイト)量を適宜調整したグラファイト-ダイヤモンド粒子を作製することができる。酸化性エッチング処理後の液は、通常pH2〜6.95の酸性である。
前記BD酸化性分解処理の条件(14気圧、150〜180℃、10〜30分)や、前記酸化性エッチング処理の条件(13気圧、120〜150℃、0.5〜3時間)は限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。酸化性エッチング処理の条件は、温度、圧力、時間の組み合わせによっては変わりうるので、特に限定されないが、12〜18気圧、120〜150℃、0.5〜3時間であるのが好ましい。
(D) 中和反応工程
中和反応工程は、従来法にない特徴的操作の1つである。酸化性エッチング処理をされたグラファイト-ダイヤモンド粒子を含む硝酸水溶液に、それ自身揮発性の又はその分解反応生成物が揮発性の塩基性物質を加えて、例えば、200〜220℃、20気圧の条件で
10〜30分間還流し中和反応させる。塩基性物質の添加により、被処理液はpHが2〜6.95から7.05〜12に上昇する。この中和反応は、凝集したグラファイト-ダイヤモンド粒子内にカチオン(アニオンより一般的にイオン半径が小さい)が浸透して、粒子内に残存する硝酸を攻撃することにより、小爆発を伴う激しい中和反応、分解反応、不純物脱離溶解反応、ガス生成反応及び表面官能基生成反応を生起し、その結果ガスの発生及び昇圧昇温によりグラファイト-ダイヤモンド凝集体を個々のグラファイト-ダイヤモンド粒子に解体する。この工程で、グラファイト-ダイヤモンド粒子の大きな比表面積及び孔部吸着空間が形成されるものと思われる。
塩基性材料としては、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、アリルアミン、アニリン、N,N-ジメチルアニリン、ジイソプロピルアミン、ジエチレントリアミンやテトラエチレンペンタミンのようなポリアルキレンポリアミン、2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペリジン、ホルムアミド、N,N-メチルホルムアミド、尿素等を挙げることができる。例えば、塩基性材料をしてアンモニアを使用した場合、硝酸と以下のような各種ガス発生反応が進行する。
HNO3 + NH3 → NH4NO3 → N2O + 2H2O N2O → N2 + (O) 3HNO3 + NH3→NH4NO2 + N2O3 + H2O + O2+ (O) NH4NO2 → N2 + 2H2O N2O3+ NH3 → 2N2 + 3H2O N2O3→ N2 + O2 + (O) NH4NO2 + 2NH3→2N2 + H2O + 3H2 H2 + (O)→ H2O HCl + NaOH → Na + Cl + H2O HCl + NH3→ NH4 + Cl NH4 →NH3+ H H2SO4 + 2NH3→N2O + SO2 + NO2
発生したN2、O2、N2O、H2O、H2、SO2ガスは系外に放出されるので、残存物による系に対する影響はほとんどなくなる。
(E) 傾斜工程
前記中和反応工程を経て生成されたグラファイト-ダイヤモンド粒子の反応懸濁液に水を加えてデカンテーションを必要回数(例えば3回以上)繰り返し行う。
(F) 洗浄工程
前記傾斜工程を経たグラファイト-ダイヤモンド粒子懸濁液に硝酸を加え撹拌(例えば、メカニカルマグネチックスターラーを使用)し洗浄して静置し、上層排液と下層懸濁液に分け、グラファイト-ダイヤモンド粒子を含む下層懸濁液を抜き取る。例えば、グラファイト-ダイヤモンド粒子含有液1 kgに対して水50 kg加えた場合、上層排液と下層懸濁液とは明瞭に層分離しないが、グラファイト-ダイヤモンド粒子を含む下層懸濁液の容量は、上層排液の容量のほぼ1/4程度である。
(G) 遠心分離工程
槽の底部から回収されたグラファイト-ダイヤモンド粒子懸濁液を、例えば20,000 rpmの超遠心分離機により遠心分離する。遠心分離により濃縮されたグラファイト-ダイヤモンド粒子分散液は、所望により(H)グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液調製工程で濃度調整、又は(J)グラファイト-ダイヤモンド粒子微粉末作製工程で乾燥する。
(H)グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液調製工程
遠心分離により濃縮されたグラファイト-ダイヤモンド粒子分散液を、水等の溶媒で希釈し濃度調節する。
(J)グラファイト-ダイヤモンド粒子微粉末作製工程
遠心分離により濃縮されたグラファイト-ダイヤモンド粒子分散液を乾燥し、グラファイト-ダイヤモンド粒子微粉末を作製する。
グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液は、pH 4〜10、好ましくはpH5〜8、より好ましくはpH6〜7.5に調節する。液中に分散しているグラファイト-ダイヤモンド粒子は、ほとんどが2〜250 nmの粒径(数基準で80%以上、重量基準で70%以上が2〜250 nmの範囲にある)であって狭分散形である。分散液中のグラファイト-ダイヤモンド粒子濃度は0.05〜16%、好ましくは0.1〜12%、より好ましくは1〜10%である。
図1では便宜上、例えば(B)BD酸化性分解処理工程と(C)酸化性エッチング処理工程とを別の場所で別の容器で実行するかのように示されているが、これら各工程は、同一場所及び/又は同一容器で実行してもよい。(E)傾斜工程と(F)洗浄工程との場合も同様である。容器は耐圧容器を用いる。
[3]粒子の比重測定法
グラファイト-ダイヤモンド粒子、又はグラファイト-ダイヤモンド粒子及びナノダイヤモンド粒子の混合粒子の真比重は以下の操作により測定できる。
1.試料を比重ビンに入れ、蓋をした状態で秤量し重量を求める。
2.蒸留水を試料の少し上位まで入れ、煮沸法で気泡を完全に除去する。
3.25℃蒸留水を入れ、恒温槽(25℃)に10分間入れて、基線まで満たす。
4.恒温槽から比重ビンを取り出し、外側の水分を良く拭き取った後秤量し重量を測る。
5.比重ビンをよく洗浄し、25℃の蒸留水のみを入れ、恒温槽(25℃)に10分間入れて、基線まで満たし、4と同様に重量を測定する。
6.上記操作で得た値から以下の式(1)により真比重ρを求める。
ρ=[(W−P)・dw]/[(W1−P)−(W2−P)] ・・・(1)
ここで、
W:比重ビン+試料の重量、
W1:比重ビンに蒸留水のみを満たした時の重量、
W2:比重ビンに試料と蒸留水を満たし、完全に気泡を満たした(空気を除いた)時の重量、
P: 比重ビンの重量、及び
dw:測定時の温度における水の比重である。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
参考例1〜5及び比較例1〜2
図1に示す製造方法に従って、グラファイト-ダイヤモンド粒子を作製した。(A)の爆射は、TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメチレントリニトロアミン)を60/40の比で含む0.65kgの爆発物を3 m3の爆発チャンバー内で爆発させて生成するBDを保存するための雰囲気を形成した後、同様の条件で2回目の爆発を起こしBDを合成した。爆発生成物が膨張し熱平衡に達した後、15 mmの断面を有する超音速ラバルノズルを通して35秒間ガス混合物をチャンバーより流出させた。チャンバー壁との熱交換及びガスにより行われた仕事(断熱膨張、気化)のため、混合物の冷却速度は280℃/分であった。サイクロンで捕獲した生成物(黒色の粉末、BD)の比重は2.55 g/cm3であった。このBDは比重から計算して、76容積%のグラファイト系炭素と24容積%のダイヤモンドからなっていると推定された。
このBDを60質量%硝酸水溶液と混合し、160℃、14気圧、20分の条件で、(B)の酸化性分解処理を行った後、(C)の酸化性エッチング処理の条件のみを表1に示すように変更し、以下(D)の中和[210℃、20気圧、20分還流]、(E)の傾斜による分離、(F)の洗浄[35質量%硝酸で洗浄]、(G)の遠心分離、(H)のBD懸濁液調整は同様にして、グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなる比重の異なるナノメーター大きさのグラファイト-ダイヤモンド粒子を作製した。比較例2がナノサイズダイヤモンド(UDD)であり、他はグラファイト-ダイヤモンド粒子である。
実施例1〜3
比較例1のグラファイト-ダイヤモンド粒子及び比較例2のナノサイズダイヤモンド(UDD)を、表2に示す比(容量比)で混合した混合粒子を作製した。
<研磨試験1>
これらグラファイト-ダイヤモンド粒子の0.01質量%含有の純水分散溶液に、粒子重量に対し加工促進剤としてコハク酸を1質量%添加し、pHを5.5に調整した。この分散液を用いて、以下の方法で研削(ラップ)済みの磁気ディスク用基板を被研磨物として研磨試験を行った。
研磨条件
(a)被研磨物:φ2.5インチ結晶化ガラス・ディスク
(b)加工枚数:15枚
(c)研磨機:両面研磨機(定盤径φ700 mm)
(d)研磨パッド:BELLATRIX N0048(カネボウ株式会社製)
(e)荷重:100 g/cm2
(f)上定盤回転数:24 rpm
(g)下定盤回転数:16 rpm
(h)研磨用分散物供給量:150 cc/min.
加工時間は、比較例2の分散液を使用したときに取り代が3μm(両面)になる時間を、参考例1〜5及び比較例1に適用した。具体的には、比較例2の分散液を用いて下記方法により予め研磨速度を求めておき、取り代が一定(両面合わせてで3μm)となるよう研磨速度を設定した。
<研磨速度の測定>
研磨試験後の磁気ディスク用基板を洗浄、乾燥した後、研磨加工の前後で磁気ディスク用基板の重量を測定し、その差(重量減)と磁気ディスク用基板の面積、ならびに加工時間より研磨速度を測定した。
<スクラッチの測定>
有限会社ビジョンサイテック製の微細欠陥可視化検査装置MicroMAX(マイクロマックス)OSA6100を使用して測定した。
加工性は、比較例2のUDD(超分散ダイヤモンド。ダイヤモンドが約93容量%、グラファイトが7容量%)を使用したときの加工量を1.00とした相対値で示した。スクラッチ発生状況は、前記ハードディスク基板の両面の記録箇所に発生したスクラッチ数の1面辺りの平均値(個数)、及び5 mm以上の長いスクラッチの1面辺りの平均値(個数)を評価した。結果を表1及び表2に示す。
Figure 0005199011
注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量を1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生したスクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生した5 mm以上のスクラッチの平均値。
Figure 0005199011
注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量を1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生したスクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生した5 mm以上のスクラッチの平均値。
注(4):比較例1のグラファイト-ダイヤモンド粒子及び比較例2のナノサイズダイヤモンドの混合比
表1及び表2に示した結果を下記の基準により評価し表3に示す。併せてHORIBA LB-500測定したメジアン径を表3に示す。メジアン径(d50)は、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径を示す。ここで、品質を重要視し、加工量の1割以内の低下(◎の評価)は許容範囲とした。
加工性
◎;加工量が0.90以上 1.00以下
○;加工量が0.75以上 0.90未満
×;加工量が0.75未満
スクラッチ性
◎;スクラッチ数が50個未満
○;スクラッチ数が50個以上100個未満
×;スクラッチ数が100個以上
Figure 0005199011
グラファイト-ダイヤモンド粒子の比重が2.63〜3.38 g/cm3であると加工性が良く,かつスクラッチの発生が抑えられることが分かる。グラファイト-ダイヤモンド粒子の比重は、好ましくは2.75〜3.25 g/cm3である。比重が2.63 g/cm3未満であると、スクラッチの発生が極めて少なく非常に良好であるが、ダイヤモンド量が少なくて加工性に劣る。また比重が3.38 g/cm3を越えると、加工性は極めて良いが、スクラッチの発生が多くなり好ましくないことが理解される。また、グラファイト-ダイヤモンド粒子とナノサイズダイヤモンド粒子とからなる混合粒子を用いた研磨材も、グラファイト-ダイヤモンド粒子からなる研磨材と同様、その平均比重が2.63〜3.38 g/cm3の範囲内にあると加工性が良く,かつスクラッチの発生が抑えられることが分かる。
比較例4
(C)の酸化性エッチング処理の条件を150℃、13気圧、1時間処理、(D)の中和条件を200℃、20気圧、10分還流と前より優しい条件にした以外は、参考例1〜5及び比較例1〜2と同様にして、比重2.85 g/cm3、メジアン径(d50)が288 nmの試料を得た。2.85 g/cm3の比重は、ダイヤモンド48容積%及びグラファイト52容積%のグラファイト-ダイヤモンド粒子に相当する。
比較例3及び参考例6〜10
比較例4の試料をビーズミルで粉砕して、表4に示すように21 nm、30 nm、51 nm、107 nm、153 nm及び250 nm(それぞれ、比較例3及び参考例6〜10)の試料を作製した。
<研磨試験2>
参考例6〜10及び比較例2〜4で得られたグラファイト-ダイヤモンド粒子の0.01質量%含有の純水分散溶液に、粒子重量に対し加工促進剤としてコハク酸を1質量%添加し、pHを3.5に調整した水溶液を用い、研削(ラップ)済みの3.5インチ径の120ギガバイト用アルミニウム・ハードディスク基板(下地硬化層として、無電解Ni-Pメッキ層8μm付き。Ni:P=90:10)を被研磨物として、研磨用分散物供給量を300 cc/min.と変更した以外研磨試験1と同様にして研磨試験を行った。
研磨試験2で用いた3.5インチ径のハードディスク基板の面積は、研磨試験1で用いた2.5インチ径の基板の倍に相当するため、研磨用分散物の供給量を研磨試験1の倍の300cc/min.にして研磨を行った。また加工時間は、比較例2の分散液を使用したときに取り代が3μm(両面)になる時間を、3.5インチ径の120ギガバイト用アルミニウム・ハードディスク基板を用いて測定し、参考例6〜10及び比較例3〜4の分散液を使用した場合に適用した。
メジアン径、加工性、スクラッチ数、5 mm以上のスクラッチ数は参考例1と同様にして評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005199011
注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量を1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生したスクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生した5 mm以上のスクラッチの平均値。
表4に示した結果を下記の基準により評価した結果及びメジアン径を表5に示す。加工性は実施例1〜5及び比較例1〜2と同じ評価基準であるが、スクラッチ性は基板の面積が倍になったので、数値範囲を倍とした。
加工性
◎;加工量が0.90以上 1.00以下
○;加工量が0.75以上 0.90未満
×;加工量が0.75未満
スクラッチ性
◎;スクラッチ数が100個未満
○;スクラッチ数が100個以上200個未満
×;スクラッチ数が200個以上
Figure 0005199011
グラファイト-ダイヤモンド粒子のメジアン径(d50)が、30〜250 nmであると加工性が良くかつスクラッチの発生が抑えられることが分かった。メジアン径は好ましくは、50〜150 nmである。メジアン径(d50)が30 nm未満であると、スクラッチの発生が極めて少なく非常に良好であるが、加工性に劣る。また、メジアン径(d50)が250 nmを越えると、加工性は極めて良いが、スクラッチの発生が多くなり好ましくないことが理解される。
本発明の研磨材に用いるグラファイト-ダイヤモンド粒子の製造工程の一例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・氷+水
2・・・耐圧容器
3・・・ヘルメット
4・・・鋼鉄製パイプ
5・・・爆薬
6・・・電気雷管
7・・・オートクレーブ

Claims (4)

  1. 爆射法で得られたグラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン径が30〜250 nmの粒子、及び3.38 g/cm 3 よりも大きな比重を有するナノサイズダイヤモンドからなるメジアン径が30〜250 nmの粒子からなる混合粒子を有し、前記混合粒子の平均比重が2.63〜3.38 g/cm3であることを特徴とする研磨材。
  2. 請求項1に記載の研磨材において、前記ナノサイズダイヤモンドが爆射法で得られたグラファイト系炭素とダイヤモンドとからなる粒子を精製したものであることを特徴とする研磨材。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨材において、前記平均比重が2.75〜3.25 g/cm3であることを特徴とする研磨材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の研磨材において、ガラス、セラミックス及びアルミニウムの研磨に用いることを特徴とする研磨材。
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