JP5198305B2 - 基板保護ケースの封印構造 - Google Patents
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Description
ROMの不正な取り換えは、工場から出荷された遊技機が遊技場に設置される以前の段階、或いは設置後に行われる可能性が高い。
このような不正行為に対する対策として特許文献1には、制御基板上のROMを包囲するケース体とカバー体とを分離不能な結合手段によって結合することにより、結合手段を破壊した場合にはその痕跡が必ず残るようにした技術が提案されている。
しかし、不正行為者の手口が日々巧妙化することにより、結合手段を破壊してROMを交換した後で、形跡が残らないように新たな結合手段を組み付ける可能性がある。
特許文献2にも不正防止のための装置構成が開示されているが、特許文献1の場合と同様の欠点を有している。
即ち、特許文献3には、識別情報を記憶したRFID(非接触型記憶媒体)を組み込んだ封印シールを基板保護ケースを構成するケース本体とケース蓋とに跨って接着することにより、基板保護ケースが不正に開放された場合にRFIDが破断、断線して識別情報の読取りが不可能となるようにした技術が開示されている。これによれば、読み取り装置を用いてRFIDに記憶された識別情報を読取ることができない場合に、不正に基板保護ケースが開放されたことを知ることができる。
特許文献4、5にも、ICタグやテープ型のインレットを用いた同様の不正発見のための技術が開示されている。
封印シール110は一面に接着層を有した紙等の破断し易い材質から成る接着シート111と、接着シートに固定されたRFID(例えば、ICタグ)112と、を備えている。RFID112は、電力生成回路、変復調回路、記憶回路、制御回路を含むチップ113と、チップから反対方向に延びる二本の導体パターン(アンテナ部)114と、を有している。図示しない読み取り装置からRFID112に向けて読み取り用の電磁波を照射すると、チップ内の電力生成回路が電磁誘導作用により起電力を生成し、この起電力により作動する制御回路によって記憶回路内に記憶された識別情報を読み出してアンテナ部114から読み取り装置へ送信することにより識別情報を読取ることができる。
RFID112を構成する導体パターン114は接着シート111の対角線方向へ延びており、導体パターン114が突き合わせ部103と交差するように封印シールを接着しておくことにより、基板保護ケースが不正に開放された場合に導体パターンの一部が断線して記憶情報の読み出しを不可能とすることができる。
特に、直線的に延びる突き合わせ部103に沿ってカッタによって封印シール110を切断する過程で導体パターンを一箇所切断した場合には、後の修復作業によって導体パターンを再導通させることが比較的容易となる。
要するに封印シールが基板保護ケースの外面に接着されている限り、カッタによる切断、剥離液による剥離等による不正行為を確実に防止することができない
一方、封印シールを基板保護ケース内に配置して外部からのアクセスを防止する構造を採用することも考えられるが、例えば封印シールを両ケース片の内壁間、或いは制御基板と一方のケース片の内壁との間に接着することは、組立手順に困難性をもたらすことがあきらかである。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、封印シールをケース外面に接着した場合に発生し得る封印シールの切断、剥離による不正開封の可能性を排除するために、封印シールを内部に配置して露出部位をなくした基板保護ケースを提供するものである。しかも、作業性を低下させることなく、ケース内の任意の位置に確実に封印シールを接着することができる基板保護ケースの封印構造を提供するものである。
特に、封印シールを基板保護ケース内部に配置する構成を採用した場合に、基板保護ケースの組立工程において封印シールを制御基板と基板保護ケース内壁とに跨って接着する作業を効率化することを目的としている。
2つのケース片の間に制御基板を収容した構造の基板保護ケースにおいて、制御基板と一つのケース片との間に跨って封印シールを接着したので、基板保護ケースを不正に開放して電子部品を交換等する過程で制御基板と一つのケース片を分離させる場合に、封印シールを破断させることができる。このため、封印部に接着した封印シールが著しく破損されることとなり、復旧不能となる。また、封印シールの破断箇所がケース内部となるため、不正行為者が封印シールの破断部を修復しつつ再組立しようとしてもケース片が作業の障害となって修復が困難となる。
特に、制御基板と一つのケース片との間に封印シールを確実に接着させた後で、封印シールに対して外部からアクセスできないように基板保護ケースを封止する構成を採用したため、基板保護ケースの組立時における封印シール接着作業を容易化、効率化して生産性を高めることができる。
封印シールの破断箇所は、常に2つのケース片の内部に位置するため、ROM交換後に2つのケース片により制御基板を挟んだ状態に復旧する際に、封印シールの破断箇所を修復することは極めて困難な作業となる。
特に、透明なケース片を通して外観上視認しやすい封印シールの特定部位に開放、破断した形跡を明確に残すように構成したので、基板保護ケースを分解したり、読み取り装置を使用せずに外観から不正行為の形跡を確認することが可能となる。従って、RFIDを有しないタイプの封印シールを用いた場合にも不正行為を発見することが容易となる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る封印構造を備えた基板保護ケースの外観構成を示す斜視図(透視図)であり、図2はその分解斜視図であり、図3は蓋部材及び封印シールを分離した状態を示す斜視図であり、図4(a)及び(b)は開放部に対して蓋部材を組み付ける手順を示す斜視図であり、図5(a)(b)及び(c)は開放部に対して蓋部材を組み付ける手順を示す平面図であり、図6(a)乃至(e)は開放部を蓋部材により閉止した状態を示す断面図である。
基板保護ケース1は、ROM51を搭載した制御基板(プリント基板)50を間に挟んだ状態で内部に収容する透明な樹脂製の2つのケース片(下ケース片10、上ケース片20)から構成されている。上ケース片20は制御基板50を間に挟んで下ケース片10と嵌合した状態でカシメピンを用いてカシメ締結部3により下ケース片10に対して固定される。
基板保護ケース1の端縁に沿った適所には、図示しないカシメピンを用いたカシメ締結部3が配置され、締結穴3a内にカシメピンを打ち込むことにより両ケース片10、20は閉止状態でロックされる。締結穴3に打ち込まれたカシメピンを除去することによって両ケース片10、20は開閉、着脱可能な状態となる。
なお、台座95は、遊技機本体の背面側に設けた遊技機の背面90に対して基板保護ケース1を取り付けるための連結手段であり、下ケース片10に設けたフック部11を台座95に設けた軸部96に係合させることにより、基板保護ケース1は軸部96を中心として上下方向へ回動する。即ち、基板保護ケース1の下ケース片10がこの台座95により保持されるため、基板保護ケース1は遊技機側の軸部96を中心として上下方向へ回動する。
封印シール30は、図3中に示すように一面に接着層を有した紙等の破断し易い材質から成る接着シート31と、接着シート31の一面に固定されたRFID(例えば、ICタグ等の非接触型の電波による識別手段)35と、を備えている。RFID35は、電力生成回路、変復調回路、記憶回路、制御回路を含むチップ36と、チップ36から反対方向に延びる二本の導体パターン(アンテナ)37と、を有している。本例の封印シール30は矩形の接着シート31の略中心部にチップ36を配置すると共に、チップ36から略対角線方向へ向けて各導体パターン37を引き出している。
RFIDを構成する線状の導体パターン37は接着シート31の略対角線方向へ延びており、上ケース片と制御基板を離間させた際に導体パターン37が破断するように封印シール30を接着しておくことにより、基板保護ケースが不正に開放されて上ケース片と制御基板とが分離された場合に導体パターンの一部が断線して記憶情報の読み出しを不可能とすることができる。
即ち、基板保護ケース1を開放して制御基板50上面の電子部品を露出させるためにはまず両ケース片10、20を開放する過程で制御基板50と上ケース片20とを離間させる必要があるが、下ケース片10側に組み付けられた制御基板を上ケース片から離脱させようとすると、両端部を制御基板と上ケース片20との間に固定された封印シール30は制御基板50に接着された部位と、上ケース片20に接着された部位に破断、分離される。このため、接着シート31と共にRFID35の一部(チップ部36や導体パターン37)が破断(断線)して、RFIDの通信機能が喪失される。RFIDの通信機能が喪失されると、読み取り装置から電磁波を供給してもRFIDが作動せず、記憶された識別情報を読み出すことができなくなるため、基板保護ケースが不正に開放されたことを知ることができる。
なお、封印シールの接着面は、制御基板50上の配線パターン等が存在しない接着可能領域に接着することが好ましい。
但し、封印シールを基板保護ケース内に配置した場合、下ケース片10により支持された制御基板50の上面に封印シールの一端寄り接着面を接着することはできるが、封印シールの他端寄り接着面を上ケース片20の内壁に接着しつつ上ケース片20を下ケース片10に組み付ける作業が容易ではない。
即ち、本発明に係る基板保護ケースの封印構造は、電子部品を搭載した制御基板50を間に挟んで収容する開閉可能、且つ2つのケース片10、20を有した基板保護ケースと、制御基板50の一面に設けた封印シール接着領域55と、上ケース片20の内部(内壁、突片)に夫々設けた封印シール接着領域60との間に跨って接着され制御基板と上ケース片とを分離する際に破断する封印シール30と、を備え、上ケース片20には、各封印シール接着領域55、60を露出させるための開放部21が設けられており、各封印シール接着領域55、60に跨って封印シール30を接着した状態で開放部21に組み付けられてこれを閉止した状態で固定されることにより開放部を外部から開放不能とする蓋部材70を備えた構成が特徴的である。
開放部21から露出した制御基板50と突片22に対して、両部材に跨るように封印シール30を接着した後で、蓋部材70の外周縁が開放部21の内周縁に整合するように位置決めしてから接着剤等を用いて接着することにより、上ケース片20と蓋部材70との接合が完了する。
なお、本実施形態に係る蓋部材70は、開放部21を閉止した時に上ケース片20の天板20aと連続した面を形成する天板71aと、上ケース片20の側壁20bと連続した面を形成する側壁71bと、突片22の封印シール接着領域60との間で封印シールを挟圧するように天板71aの端縁から屈曲形成された押え部材71cと、から成る断面形状略コ字状の板材である。図6(a)に示すように突片22と押え部材71cとの間で封印シールを挟圧保持することにより、封印シールの剥離等を確実に防止することができる。
上ケース片の天井面から下向きに突出した突片22の長さは、その下端縁が制御基板50の上面に近接する位置まで突出させてもよい。
押え部材71cの長さ及び幅は、突片22と同等である必要はなく、種々の変形が可能である。
なお、押え部材71cにより封印シールを挟圧する構成は必須ではなく、突片22だけを設け、突片に封印シールの端部を接着しただけの構造であってもよい。
或いは、開放部21を、上ケース片の天板20aのみに設けた開口部とし、蓋部材はこの開口部を閉止する板部材としてもよい。つまり、開放部21の形状、これを閉止する蓋部材の形状は任意である。
なお、図6(c)に示すように上ケース片20の天井面に突片22を設けずに、天井面に直接封印シール30の接着面を接着するようにしてもよい。つまり、突片22は必須ではなく、封印シール30の他端寄り接着面は上ケース片20の内部(天井面、側壁、突片)のどの部位に接着してもよい。また、突片22は、上ケース片20の天井面から突設する場合に限らず、内側壁から突設してもよい。
或いは、図6(d)に示すように突片22をL字状、或いは階段状に屈曲させたり、(e)のように突片22の封印シール接着領域60を階段状に構成する等の変形が考えられる。これらの変形例においては、針金、薄板等を用いた封印シールの不正な剥離を防止できるメリットを得られる。要するに、突片22はフラットな板状である必要はなく、その縦断面形状としては種々の形態を想定できる。突片22の形状に応じてこれと整合する押え部材71cの形状もフラットな板状とはならない。
その後、蓋部材70を図4(a)(b)、図5(a)(b)(c)に示した如き手順により開放部21に装着する。上ケース片20と蓋部材70は、PC等の樹脂材料から構成し、両者の接合面に接着剤(溶剤)を塗布してもよいし、装着してから両者の接合面に接着剤を充填できるように構成してもよい。
なお、開放部21の開放寸法(縦横寸法)は、例えば封印シールを変形させることなく内部に差し入れて各封印シール接着領域に接着できるように十分な広さに設定するのが好ましい。開放部内に露出する制御基板面には、封印シール接着領域55の他にスペース的な余裕があれば、電子部品を搭載しても差し支えはない。
或いは、上ケース片20を下ケース片10と組み付ける前に、制御基板50上の封印シール接着領域55に封印シールの一端寄りの接着面だけを接着しておき、封印シールの他の接着面には剥離紙を貼っておく。その後、上ケース片20を下ケース片に組み付けてから開放部21から指を入れて剥離紙を剥離した上で、新たな接着面を突片22に接着する手順であってもよい。
即ち、図7乃至図9は係止機構によりケース片と蓋部材とを結合させる本発明の実施形態(第2の実施形態)に係る基板保護ケースの封印構造の説明図であり、図7は蓋部材を装着する手順を示す斜視図であり、図8(a)(b)(c)は蓋部材の組付け手順を説明する要部斜視図であり、図9(a)(b)(c)は蓋部材の組付け手順を説明する平面図である。
本実施形態では、上ケース片20の開放部21と、蓋部材70とを、外部から開放することができない係止機構80によって結合、固定した構成が特徴的である。
この係止機構80は、樹脂製の上ケース片20の内壁から突設した突片22に設けた係止部81と、樹脂製の蓋部材に設けた被係止部82と、から構成されている。
係止部81は、上ケース片20の内壁面から突設された突片22の面内に設けた係止穴24であり、被係止部82は係止穴24内に圧入される係止爪73である。係止穴24は、突片の面上の封印シール接着領域60を回避した位置に形成する。
係止穴24の直近位置にある突片の面内に係止穴の弾性的な拡開を許容するスリット24aを並行に形成しておくことにより、係止爪圧入時の係止穴24の弾性的な拡幅が容易となる。
このような構成の係止機構80を有した基板保護ケースにおいて、開放部21に対して蓋部材70を組付け、固定する際には、図7、図9に示すように蓋部材70を制御基板面と平行な方向から開放部内に差込めばよい。この差込み過程で、係止爪73が係止穴24に圧入して係止が完了する。
一旦、蓋部材70が開放部21に装着されると、係止機構80を外部から解除操作することができなくなるため、上ケース等に対する破壊等の不正行為の形跡を残さずに、係止機構を解除して封印シールを剥離する等の不正行為を実施することができなくなる。
なお、所轄行政機関による検査のために、正規の管理者がカシメ締結部3を解除して上ケースを下ケースから取り外した場合には、封印シールが破断することとなるが、両ケース片を開放した状態では、治具を用いれば係止爪73を破壊せずに係止穴24から離脱させることができるため、蓋部材70を上ケース片から取り外すことができる。そして、検査終了後に新たな封印シールを貼付してから、上ケース片の装着、未使用のカシメ締結部を利用したカシメ締結、蓋部材の装着という手順を実施することにより、この基板保護ケースを再度使用することが可能となる。このような本発明の利点は、係止機構80を採用している以下の他の実施形態においても同様に当てはまる。
本実施形態では、上ケース片20の開放部21と、蓋部材70とを、外部から開放することができない係止機構80によって結合、固定した構成が特徴的である。
この係止機構80は、樹脂製の上ケース片20の内壁から突設した突片22に設けた係止部81と、樹脂製の蓋部材に設けた被係止部82と、から構成されている。
係止部81は、上ケース片20の対向する2つの端縁に形成した係止凹所25であり、被係止部82は係止凹所25内に圧入固定(圧接)される係止爪74である。係止凹所25は、突片の面上の封印シール接着領域60を回避した位置に形成する。
このような構成の係止機構80を有した基板保護ケースにおいて、開放部21に対して蓋部材70を組付け、固定する際には、図10、図12に示すように蓋部材70を制御基板面と平行な方向から開放部内に差込めばよい。この差込み過程で、係止爪74が係止凹所25の内壁に圧接して係止が完了する。係止凹所25の下側の凸部25aが係止爪の下方への脱落を防止する。
一旦、蓋部材70が開放部21に装着されると、係止機構80を外部から解除操作することができないため、上ケース等に対する破壊等の不正行為の形跡を残さずに、係止機構を解除して封印シールを剥離する等の不正行為を実施することができなくなる。
本実施形態では、上ケース片20の開放部21と、蓋部材70とを、外部から開放することができない係止機構80によって結合、固定した構成が特徴的である。
この係止機構80は、樹脂製の上ケース片20の内壁から突設した突片22に設けた係止部81と、樹脂製の蓋部材に設けた被係止部82と、から構成されている。
係止部81は、上ケース片20の面に形成した係止穴26であり、被係止部82は係止穴26内に圧入固定(圧接)される係止爪75である。係止穴26は、突片の面上の封印シール接着領域60を回避した位置に形成する。
このような構成の係止機構80を有した基板保護ケースにおいて、開放部21に対して蓋部材70を組付け、固定する際には、図13、図15に示すように蓋部材70を制御基板面と平行な方向から開放部内に差込めばよい。この差込み過程で、係止爪75が係止穴26の内壁に圧接して係止が完了する。
一旦、蓋部材70が開放部21に装着されると、係止機構80を外部から解除操作することができないため、上ケース等に対する破壊等の不正行為の形跡を残さずに、係止機構を解除して封印シールを剥離する等の不正行為を実施することができなくなる。
本実施形態に係る基板保護ケース1の封印構造は、蓋部材70が、開放部21の端縁に設けたヒンジ部85により上ケース20に対して開閉自在に連結されている点が特徴的である。両ケース片10、20を組み付けた状態において、蓋部材70が図16、図17(b)のように開放状態にあるときには開放部21内の各封印シール接着領域55、60が露出状態となるため、開放部21からの作業により封印シール30を基板保護ケース内に接着することができる。接着完了後に図17(a)、図18(a)のようにヒンジ部85を中心として蓋部材70を閉じることにより開放部21が閉止される。
ヒンジ部85は、樹脂製の上ケースの一部(上ケース片の天板と蓋部材との境界線)を薄肉化するなどにより変形容易に構成すればよい。
蓋部材70を閉止した際に、その周縁部を開放部21の周縁部に固定する手段としては、第1の実施形態の如く接着剤(溶剤)を利用することができる。
また、図18中に破線で示すように蓋部材70の天井面に突起状の押え部材76を設けて、上ケース片20の内壁から突設した突片22との間で封印シール30を挟圧するようにしてもよい。
ヒンジ部85を用いた蓋部材70の開閉機構を有した基板保護ケースにおいて、開放部21に対して蓋部材70を組付け、固定する際には、図17に示すように開放位置にある蓋部材70をヒンジ部を中心として閉じればよい。蓋部材を開放部21の周縁部に接着剤により固定する場合には接着剤を接合箇所に塗布する。係止機構80を設けた場合には、蓋部材を閉じるだけで係止部81と被係止部82との係止が行われ、閉止が完了する。
一旦、蓋部材70が開放部21に装着されると、接着部や係止機構80を外部から不正に解除操作することができないため、上ケース等に対する破壊等の不正行為の形跡を残さずに、係止機構を解除して封印シールを剥離する等の不正行為を実施することができなくなる。
本実施形態に係る基板保護ケース1の封印構造は、上ケース片20の開放部21の内周縁の少なくとも一部と、蓋部材の外周縁の少なくとも一部に、互いに整合し合うL字状、又は階段形状の段差部23、72を設けて互いに整合するように構成することにより、不正行為者が両端縁間に隙間から針金、薄板等を差し入れて封印シールを剥離する行為を防止できるようにしている。
即ち、開放部21に対して蓋部材70を閉止したときに段差部23、72同士が密着するように構成することにより、開放部21の内周縁と蓋部材70の外周縁との接触面の縦断面形状が非直線状となるので、当該隙間から針金、薄板等を差し入れて封印シールを剥離することが困難となる。
また、蓋部材70の外周縁部の段差部72を開放部21の段差部23により内側から支持しているため、蓋部材70を上から押圧したとしても段差部23により支持された蓋部材の外周縁部は十分な強度を維持することができ、蓋部材が変形、破損することがない。
なお、この実施形態に係る段差部の構成は、上記第1の実施形態のみならず、第2乃至第5の実施形態にも適用することができる。
本実施形態においては、制御基板50の面上には、搭載されたROM(電子部品)51を覆うROMカバー(電子部品カバー)52が固定されており、封印シール30の一部を電子部品カバー52の適所に接着している。
ROMカバー52は、ROMを不正に交換する行為を防ぐために制御基板面上に螺子等により固定される。本例では、封印シール30の一部を制御基板面に接着すると共に、他部を上ケース片20の内部(突片22)に接着する第1乃至第6の各実施形態において、制御基板面に接着する封印シールの一部をROMカバー52の一部に接着することにより、封印シールを破断することなくROMカバー52を開放することができないように構成している。仮に、不正行為者が何らかの手段を用いて両ケース片を開放した際に封印シールが破断することを阻止し得たとしても(破断後の修復に成功したとしても)、ROMカバーを開放する際に封印シールが破断することにより修復が更に困難となり、不正行為の形跡が残されることとなる。
なお、本実施形態では両ケース片10、20は、図1中に(イ)(ロ)で示した基板面と平行な逆方向へスライド(移動)させることにより開閉するように構成されているが、開閉方向はどのような方向であってもよい。例えば、制御基板面と略直交する方向へ開閉するようにしてもよいし、或いは一方のケース片の一端端部に設けたヒンジ部(回動軸)を中心として他方のケース片を開閉自在に構成した場合にも本発明の封印構造は適用することができる。
また、封印シールを貼る位置は、上記各実施形態では制御基板の長辺に沿った位置としたが、短辺に沿った位置であってもよく、要するに貼着位置に制限はない。
なお、使用する封印シールの形状、面積、接着シール上におけるRFIDの位置、形状等は、接着対象物となる制御基板のレイアウト、各ケース片の形状等に応じて種々選定可能である。
RFID35を組み込んだ封印シール30を用いた場合には、封印された基板保護ケースが不正に開放されたことによって封印シールに含まれるRFIDが破断、断線するので、封印シールを修復しようとしてもRFIDの通信機能の回復を困難化することができる。
即ち、本発明では、基板保護ケースを不正に開放して電子部品を交換等する過程で制御基板と一つのケース片を分離させる場合に、封印シールを破断させることができる。このため、封印部に接着した封印シールが著しく破損されることとなり、復旧不能となり、且つ透明なケース片を通して外部から目視によって封印シールの破損の有無を知ることができる。また、封印シールの破断箇所がケース内部となるため、不正行為者が封印シールの破断部を修復しつつ再組立しようとしてもケース片が作業の障害となって修復が困難となる。このように封印シールの破断部分が両ケース片を閉止した際に両ケース片によって隠蔽される位置となるため、不正行為者が両ケース片を閉止する際に破断部を修復しようとしてもケース片が邪魔となって修復作業を実施することが困難となる。
電子部品カバーにも封印シールの一部を接着することにより、基板保護ケースを開放した際のみならず、電子部品カバーを開放した際にも破断部が形成されることとなり、封印シールの修復がより困難となる。
不正行為の対象となる電子部品にも封印シールの一部を接着することにより、基板保護ケースを開放した際のみならず、電子部品を交換した際にも破断部が形成されることとなり、封印シールの修復がより困難となる。
本発明に係る基板保護ケースは、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機に装備される制御基板を収容する手段として利用可能である。
Claims (1)
- 電子部品を搭載した制御基板を間に挟んで収容する開閉可能な2つのケース片を有した基板保護ケースと、前記制御基板と何れか一つのケース片の内部に夫々設けた封印シール接着領域の間に跨って接着され該制御基板と該一つのケース片とを分離する際に破断する封印シールと、を備えた基板保護ケースの封印構造であって、
前記一つのケース片には、前記各封印シール接着領域を露出させるための開放部が設けられており、
前記各封印シール接着領域に跨って前記封印シールを接着した状態で前記開放部を閉止することにより外部から開放不能となる蓋部材を備えたことを特徴とする基板保護ケースの封印構造。
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JP2010178845A (ja) | 2010-08-19 |
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