以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
パチンコ遊技機1は、機枠(外枠)2の前面に、大きな矩形状開口を有する略額縁状の前面枠(内枠)3を開閉可能に軸着し、この前面枠3のベースとなる前面枠本体4に矩形状の遊技盤5を前方から収納可能とし、遊技盤5の表面には遊技領域6を区画形成している。また、前面枠3の前側には、一側(図1中、左側)が軸着された透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域6をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の下方には、一側(図1中、左側)が前面枠3に軸着された上皿ユニット11を開閉(回動)可能に設け、該上皿ユニット11の下方には、下皿ユニット12を上皿ユニット11に対して左右方向にずれた位置に配置している。そして、下皿ユニット12の側部(図1中、右側部)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)14を備えている。
また、図2に示すように、前面枠本体4の裏面側には裏機構盤18を形成し、該裏機構盤18に略矩形状の開口窓部19を開設し、前面枠本体4に遊技盤5を前方から交換可能な状態で取り付けるとともに、遊技盤5の後部(裏面側部)を開口窓部19から後方へ臨ませている。さらに、裏機構盤18には一連の裏機構部品を設けている。具体的に説明すると、裏機構盤18の上部には球排出機構20を取り付け、下部には従属制御装置の一種である排出制御装置21、電源装置22、中継基板23等をそれぞれ取り付けている。球排出機構20は、上流側から順に、球導出シュートを下部に備えた球タンク24、球タンク24の球導出シュートから遊技球を案内する案内流路25、案内流路25の下端に接続された球排出装置26、球排出装置26から流下した遊技球を上皿ユニット11へ送る球流下路27等を並べて構成されており、排出制御装置21からの制御信号に基づいて遊技球の排出を実行するように構成されている。
そして、遊技盤5の裏面のうち、裏機構盤18の開口窓部19から臨む部分に、略矩形状の大きな遊技盤カバー28を備えた裏側ベース29と横長な装着ベース30とを上下に並べた状態で配置し、上側の裏側ベース29の内部には、従属制御装置の一種である演出制御装置(図示せず)を装着し、下側の装着ベース30の裏面側には、主制御装置である遊技制御装置32を着脱可能な状態で装着している。
次に、遊技制御装置32について説明する。
遊技制御装置32は、図3(a)に示すように、遊技盤5の左右方向に沿って延在する薄い箱状のユニットであり、透光性を有して内部を透視可能な樹脂製(例えば無色透明な樹脂製)の基板ボックス34と、該基板ボックス34内に収容された矩形状の制御基板35と、当該遊技制御装置32を識別するための電子タグシール36と、該電子タグシール36を保護する保護カバー部材37と、基板ボックス34と電子タグシール36との間に貼着されるボックス側セキュリティシール38と、電子タグシール36と保護カバー部材37との間に貼着されるカバー側セキュリティシール39とを備えて構成されており、制御基板35にはCPU等からなる遊技制御実行用の電子部品35aや配線接続用の配線コネクタ35bを実装している(図3(b)参照)。
基板ボックス34は、装着ベース30に装着された状態で当該基板ボックス34の表側(遊技盤5の前寄り)に配置される第1ケース部材(ベース部材)41と、当該基板ボックス34の裏側(遊技盤5の後寄り)に配置されて第1ケース部材41に重合する第2ケース部材(蓋部材)42とから構成されており、両ケース部材41,42を重合して閉じた状態(重合状態または閉状態)で当該基板ボックス34の内部に制御基板35を収納可能としている。さらに、図3(a)に示すように、基板ボックス34の上下両縁部には、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で係合する係合機構44を備え、基板ボックス34の左右両側部、言い換えると基板ボックス34の長手方向の両端部には、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で封止し、且つ破壊しない限り基板ボックス34の封止を解除不能とする封止機構45を、第1ケース部材41と第2ケース部材42との境界に跨る状態で設けている。なお、封止機構45については、後で詳細に説明する。
そして、基板ボックス34の裏面側の下部の中央部分、言い換えると基板ボックス34の長手方向の一端と他端との間に位置する箇所には、電子タグシール36を貼着するための貼着部46を電子タグシール36よりも僅かに広く設定された状態で備え、該貼着部46には、電子タグシール36を基板ボックス34の裏面側から被覆して保護する保護カバー部材37をワンウェイねじ等のカバー止着具37aにより止着し、さらには、保護カバー部材37に止着具キャップ37dを溶着してカバー止着具37aの頭部を被覆している。また、第2ケース部材42には、配線コネクタ35bを露出させるためのコネクタ開口47を開設し、第1ケース部材41の下部には、横長な突出部48を第2ケース部材42側へ向けて突出している。
係合機構44は、第1ケース部材41の上下両端部に設けられた係合溝部50(図4参照)と、第2ケース部材42の上下両端部から延設された係合片51(図5参照)とから構成されており、係合溝部50を基板ボックス34の横向き延在方向(言い換えると遊技盤5の左右方向)に沿って延在するとともに、基板ボックス34の中央側へ向けて開放して、係合片51を係合溝部50の延在方向に沿って摺動可能としている。また、図4に示すように、係合溝部50の裏側を区画する裏側壁部の側部(図4中、右側部)を後方の第2ケース部材42側へ向けて開放して嵌脱部52を形成し、該嵌脱部52を介して係合片51を係合溝部50へ嵌脱できるように構成されている。
このような構成の係合機構44を備えた第1ケース部材41と第2ケース部材42とを取り付けるには、まず、第2ケース部材42を重合方向(図3(b)中、矢印Aで示す方向)へ移動して第1ケース部材41へ裏側から近づけ、嵌脱部52に係合片51を通して第1ケース部材41と第2ケース部材42とを重合する(図6(a)参照)。さらに、第2ケース部材42を第1ケース部材41の一側寄り(図6(a)中、左寄り)へ向かう係合方向(図6(a)中、矢印Bで示す方向)へスライドして係合片51を係合溝部50の一側部(図6(a)中、左側部)へ摺動する。すると、係合片51が基板ボックス34の裏方向へ移動することを係合溝部50の裏側壁部により規制され、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを取り付けて閉じた状態(係合状態)にすることができる。一方、第1ケース部材41から第2ケース部材42を外す(分離する)には、第2ケース部材42を第1ケース部材41の他側寄り(図6(a)中、右寄り)へ向かう係合解除方向(図6(a)中、矢印Cで示す方向)へスライドして係合片51を嵌脱部52へ臨ませ(図6(a)参照)、この状態で第2ケース部材42を基板ボックス34の裏方向へ向かう離間方向(図3(b)中、矢印Dで示す方向)へ移動して第1ケース部材41から離間する。したがって、第2ケース部材42は、基板ボックス34の重合方向Aへ移動した後に係合方向Bへスライドして第1ケース部材41へ係合される。一方、第1ケース部材41への係合状態から係合解除方向Cへスライドした後に離間方向Dへ移動すれば、第1ケース部材41から離間する。
貼着部46は、図3〜図5に示すように、第1ケース部材41に形成された第1貼着部57と、第2ケース部材42に形成された第2貼着部59とからなり、電子タグシール36を第1ケース部材41と第2ケース部材42とに跨って貼着可能としている。さらに、第1貼着部57と第2貼着部59とを、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを取付・分離するための移動方向(重合方向A、係合方向B、係合解除方向C、離間方向D)に沿って移動して当該貼着部46を形成したり分割したりできるように構成されている。詳しくは、第1ケース部材41の突出部48の先端(突出端)および下面部に第1貼着部57を設け、第2ケース部材42の裏面側(言い換えるとパチンコ遊技機1の後方に露出する側)の下部には、第2貼着部59を起立矩形状で形成し、該第2貼着部59の下端と第1貼着部57の上端とを接続して、貼着部46の下部が基板ボックス34の表側(言い換えると装着ベース30に対向する側)へ向けて屈曲した状態となるように構成されている。なお、第2貼着部59の上方には、保護カバー部材37の上部に設けられたカバー取付部37bを嵌合可能なカバー取付受部61を設け(図3(a)参照)、第1貼着部57の下部の前縁部(遊技盤5の前寄りに位置する縁部)には、保護カバー部材37の下部に設けられたカバー係合片37cを係合可能なカバー係合受部62を設けている(図3(a)および図10(b)参照)。
そして、基板ボックス34は、貼着部46および該貼着部46が重合する箇所に、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止する機構を備えている。具体的に説明すると、第2ケース部材42を本発明における止着受側ケース部材とし、図5に示すように、第2ケース部材42の下部のうち第2貼着部59の下方に位置する箇所、言い換えると突出部48が当接し得る箇所には止着受部64を設け、該止着受部64には螺合孔(めねじ孔)64aを基板ボックス34の前後方向(重合方向Aまたは離間方向D)に沿って開設している。さらに、第1ケース部材41を本発明における挿通側ケース部材とするとともに、第1貼着部57を本発明における挿通側貼着部とし、図4に示すように、第1貼着部(挿通側貼着部)57のうち起立姿勢で形成された上部(第2貼着部59へ接続され得る箇所)には挿通孔65を基板ボックス34の前後方向(重合方向Aまたは離間方向D)に沿って開設し、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態(係合状態)で挿通孔65と螺合孔64aとを連通可能としている。さらに、連通状態の挿通孔65および螺合孔64aにビス等の止着部材66(図10(b)参照)を通し、止着部材66を止着受部64へ止着(螺合)するとともに、止着状態の止着部材66を挿通孔65へ挿通して、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止できるように構成されている。そして、第1貼着部(挿通側貼着部)57の上部のうち挿通孔65から係合解除方向Cへずれた位置(図4中、右側へずれた位置)には、止着受部64が重合方向Aまたは離間方向Dへ移動して通過可能な通過開口68を開設し、該通過開口68および挿通孔65から重合方向Aへずれた位置には、通過開口68および挿通孔65に連通する移動空間部69を係合方向Bまたは係合解除方向Cに沿って延在する状態で設け、止着受部64が移動空間部69内を係合方向Bまたは係合解除方向Cへ移動できるように構成されている。
次に、電子タグシール36について説明する。
電子タグシール36は、図7に示すように、不透明なシート材で形成された矩形状のベースシート71(本発明における不透明部に相当)と、該ベースシート71の裏面側に貼着された長尺な電子タグ72とを備えて構成されている。また、該電子タグ72には、遊技制御装置32に関する固有の識別情報(例えば、識別ID)が予め記憶されたチップ部(ICチップ)73と、識別情報を発信可能なアンテナ部74とを備え(図7(b),(c)参照)、アンテナ部74から発信された識別情報を外部読取装置(図示せず)により読み取って、遊技制御装置32が正規品であるか否かを確認可能としている。また、図7(b)に示すように、矩形状のベースシート71の裏面側の対角線に沿って長尺なアンテナ部74を直線状に配置し、該アンテナ部74の中央部分にチップ部73を配置し、電子タグシール36を貼着部46へ貼着すると、チップ部73が第1貼着部57上に位置し、且つチップ部73の一側方に位置するアンテナ部74が第1貼着部57と第2貼着部59との境界BLに交差するように設定されている(図10(b)参照)。言い換えると、電子タグ72が第1ケース部材41と第2ケース部材42との境界に交差して跨るように設定されている。
そして、図7(a)に示すように、電子タグシール36の表面(ベースシート71の表面)、詳しくは、貼着部46へ貼着した状態で遊技盤5の裏面側に位置する面には「開封禁止」の文字を印刷し、電子タグ72(チップ部73およびアンテナ部74)を含む電子タグシール36の裏面全体、詳しくは、貼着部46に対向する面の全体には粘着層75を設け、該粘着層75を介して電子タグシール36を貼着部46へ貼着可能としている。なお、アンテナ部74は、ベースシート71の対角線上に一直線に配置することが望ましいが、ベースシート71の対角線に平行な状態、あるいは多少傾斜した状態で配置してもよい。また、ベースシート71は、シール剥がし等の溶剤が付着したり、あるいは粘着層75の粘度が十分に低下する温度(例えば60度)まで加熱されたりした場合には変色するように構成されている。したがって、不正行為者が不正に電子タグシール36を貼着部46から剥がそうとしたことをベースシート71の変色により把握することができる。
次に、ボックス側セキュリティシール38およびカバー側セキュリティシール39について説明する。
ボックス側セキュリティシール38は、第2貼着部59の上下幅よりも広い一辺寸法を呈する正方形状のシールであり、電子タグシール36よりも小さく形成されている。具体的には、図8に示すように、透明樹脂製フィルム等で形成された矩形シート状のボックス側基材38aを備え、該ボックス側基材38aのうち貼着部46側に位置する裏面には、ボックス側セキュリティシール38の表面側(電子タグシール36側)からボックス側基材38aを通して視認可能なボックス側表示層(ボックス側印刷層)38b(本発明におけるボックス側セキュリティシールの分離層に相当)をインクで印刷する等して形成している。そして、ボックス側表示層38bを、文字(例えば、「OPEN」)として認識可能な輪郭形状のボックス側転着部38cと、該ボックス側転着部38c以外の部分(文字の背景に相当する部分)を形成するボックス側非転着部38dとから構成し、ボックス側転着部38cとボックス側基材38aとの間にのみ剥離剤を介在させる等してボックス側転着部38cをボックス側非転着部38dよりもボックス側基材38aから分離し易いようにしている。また、転着部(文字部分)38cを白色にする一方、非転着部(背景部分)38dを銀色にする等して、ボックス側転着部38cの色とボックス側非転着部38dの色とを異ならせている。さらに、ボックス側表示層38bの裏面側(貼着部46側)にはボックス側粘着層38eを積層してボックス側セキュリティシール38の粘着面を形成し、ボックス側セキュリティシール38の粘着面側(ボックス側粘着層38e側)の縁部、詳しくは縁部のうちボックス側基材38aの四隅部分に位置する箇所には、ボックス側粘着層38eの積層を避けてボックス側非粘着領域38fを形成し、このボックス側非粘着領域38fが貼着部46に密着不能となるように構成されている。
カバー側セキュリティシール39は、第2貼着部59の上下幅よりも広い一辺寸法を呈する正方形状のシールであり、電子タグシール36よりも小さく、且つボックス側セキュリティシール38と同じ大きさで形成されている。そして、図9に示すように、透明樹脂製フィルム等で形成された矩形シート状のカバー側基材39aを備え、該カバー側基材39aのうち保護カバー部材37に対向する表面側には、保護カバー部材37にカバー側セキュリティシール39を貼着するための第1カバー側粘着層39bをカバー側基材39aの表面全体に亘って積層してカバー側セキュリティシール39の第1粘着面を形成している。また、カバー側基材39aのうち電子タグシール36側に位置する裏面には、カバー側セキュリティシール39の表面側(保護カバー部材37側)からカバー側基材39aおよび第1カバー側粘着層39bを通して視認可能なカバー側表示層(カバー側印刷層)39c(本発明におけるカバー側セキュリティシールの分離層に相当)をインクで印刷する等して形成している。そして、カバー側表示層39cを、文字(例えば、「OPEN」)として認識可能な輪郭形状のカバー側転着部39dと、該カバー側転着部39d以外の部分(文字の背景に相当する部分)を形成するカバー側非転着部39eとから構成し、カバー側転着部39dとカバー側基材39aとの間にのみ剥離剤を介在させる等してカバー側転着部39dをカバー側非転着部39eよりもカバー側基材39aから分離し易いようにしている。また、カバー側転着部(文字部分)39dを白色にする一方、カバー側非転着部(背景部分)39eを銀色にする等して、カバー側転着部39dの色とカバー側非転着部39eの色とを異ならせている。さらに、カバー側表示層39cの裏面側(電子タグシール36側)には第2カバー側粘着層39fを積層してカバー側セキュリティシール39の第2粘着面を形成し、カバー側セキュリティシール39の第2粘着面側(第2カバー側粘着層39f側)の縁部、詳しくは縁部のうちカバー側基材39aの四隅部分に位置する箇所には、第2カバー側粘着層39fの積層を避けてカバー側非粘着領域39gを形成し、このカバー側非粘着領域39gが電子タグシール36に密着不能となるように構成されている。
なお、ボックス側セキュリティシール38の貼着位置、およびカバー側セキュリティシール39の貼着位置については、後で詳細に説明する。
次に、封止機構(かしめ機構)45について説明する。
封止機構45は、図3に示すように、基板ボックス34のうち遊技盤5の裏側から見て左端部(図3(a)中、左端部)に位置する左側封止機構(言い換えると基板ボックス34の中央部分から係合方向Bの先に位置する一側封止機構)45Lと、基板ボックス34のうち遊技盤5の裏側から見て右端部(図3(a)中、右端部)に位置する右側封止機構(言い換えると基板ボックス34の中央部分から係合解除方向Cの先に位置する他側封止機構)45Rとから構成されている。
左側封止機構45Lは、図3(a)に示すように、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で固着して封止するための左側主封止機構77(本発明における主封止機構の一種)と、該左側主封止機構77の破壊後に第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で再固着して再封止するための左側副封止機構78(本発明における副封止機構の一種)とを上下に並んだ状態で備え、左側主封止機構77を基板ボックス34の下寄りに配置するとともに左側副封止機構78を基板ボックス34の上寄りに配置している。
左側主封止機構77は、図3(a)および(b)に示すように、基板ボックス34の一側(図3(a)中、左側)に接続された左側主封止部80(本発明における主封止部の一種)と、ワンウェイねじ等の左側主封止具81(本発明における主封止具の一種)と、左側主封止具81を被覆する左側主封止カバー82とを備えている。左側主封止部80は、第1ケース部材41に設けられた左側主封止受部83(本発明における主封止受部の一種)と、第2ケース部材42に設けられた左側主封止体84(本発明における主封止体の一種)とから構成されている。具体的に説明すると、図4および図12に示すように、左側主封止受部83を中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、左側主封止受部83の側面から左側主封止受ブラケット83aを突設して第1ケース部材41の一側面(図4中、左側面)へ接続している。また、図5および図13に示すように、左側主封止体84を左側主封止受部83よりもひと回り大きく、且つ中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、左側主封止体84には、左側主封止具81を挿入するための左側主封止挿入口84aを離間方向Dへ向けて開放し、左側主封止挿入口84aを左側主封止カバー82で閉塞可能としている(図3(b)参照)。さらに、左側主封止体84の側面から左側主封止ブラケット84bを突設して第2ケース部材42の一側面(図5中、左側面)へ接続し、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを重合して閉じると、左側主封止受部83と左側主封止体84とが重合方向Aまたは離間方向Dに沿って並んで位置するように構成されている。そして、この状態で左側主封止具81を左側主封止挿入口84aから挿入して締め込むと、左側主封止具81が左側主封止体84と左側主封止受部83とを固着し、且つこの固着状態を解除不能とするように構成されている。
左側副封止機構78は、図3(a)および(b)に示すように、基板ボックス34の一側(図3(a)中、左側)に接続された左側副封止部87(本発明における副封止部の一種)と、ワンウェイねじ等の左側副封止具88(本発明における副封止具の一種)とを備えている。左側副封止部87は、第1ケース部材41に設けられた左側副封止受部90(本発明における副封止受部の一種)と、第2ケース部材42に設けられた左側副封止体91(本発明における副封止体の一種)とから構成されている。具体的に説明すると、図4および図12に示すように、左側副封止受部90を中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、左側副封止受部90の側面から左側副封止受ブラケット90aを突設して第1ケース部材41の一側面(図4中、左側面)のうち左側主封止受ブラケット83aよりも上方の位置に接続し、さらには左側副封止受ブラケット90aと左側主封止受ブラケット83aとを上下に連結している。また、図5および図13に示すように、左側副封止体91を左側副封止受部90よりもひと回り大きく、且つ中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、左側副封止体91には、左側副封止具88を挿入するための左側副封止挿入口91aを離間方向Dへ向けて開放している。さらに、左側副封止体91の側面から左側副封止ブラケット91bを突設して第2ケース部材42の一側面(図5中、左側面)のうち左側主封止ブラケット84bよりも上方の位置へ接続している。そして、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを重合して閉じると、左側副封止受部90と左側副封止体91とが重合方向Aまたは離間方向Dに沿って並んで位置するように構成されている。また、この状態で左側副封止具88を左側副封止挿入口91aから挿入して締め込むと、左側副封止具88が左側副封止体91と左側副封止受部90とを固着し、且つこの固着状態を解除不能とするように構成されている。
右側封止機構45Rは、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で固着して封止するための右側主封止機構97(本発明における主封止機構の一種)と、該右側主封止機構97の破壊後に第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉状態で再固着して再封止するための右側副封止機構98(本発明における副封止機構の一種)とを上下に並んだ状態で備え、右側主封止機構97を基板ボックス34の上寄りに配置するとともに右側副封止機構98を基板ボックス34の下寄りに配置している。
右側主封止機構97は、図3(a)および(b)に示すように、基板ボックス34の他側(図3(a)中、右側)に接続された右側主封止部100(本発明における主封止部の一種)と、ワンウェイねじ等の右側主封止具101(本発明における主封止具の一種)と、右側主封止具101を被覆する右側主封止カバー102とを備えている。右側主封止部100は、第1ケース部材41に設けられた右側主封止受部103(本発明における主封止受部の一種)と、第2ケース部材42に設けられた右側主封止体104(本発明における主封止体の一種)とから構成されている。具体的に説明すると、図4および図14に示すように、右側主封止受部103を中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、右側主封止受部103の側面から右側主封止受ブラケット103aを突設して第1ケース部材41の他側面(図4中、右側面)へ接続している。また、図5および図15に示すように、右側主封止体104を右側主封止受部103よりもひと回り大きく、且つ中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、右側主封止体104には、右側主封止具101を挿入するための右側主封止挿入口104aを離間方向Dへ向けて開放し、右側主封止挿入口104aを右側主封止カバー102で閉塞可能としている(図3(b)参照)。そして、右側主封止体104のうち右側主封止受部103側の端部には円弧状の主係合ストッパー104bを設け(図15(b)参照)、右側主封止体104が係合方向Bに沿って移動すると、主係合ストッパー104bが右側主封止受部103へ係合して、右側主封止体104と右側主封止受部103とが中心軸を揃えて位置決めできるように構成されている。さらに、右側主封止体104の側面から右側主封止ブラケット104cを突設して第2ケース部材42の他側面(図5中、右側面)へ接続し、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを重合して閉じると、右側主封止受部103と右側主封止体104とが重合方向Aまたは離間方向Dに沿って並んで位置するように構成されている。そして、この状態で右側主封止具101を右側主封止挿入口104aから挿入して締め込むと、右側主封止具101が右側主封止体104と右側主封止受部103とを固着し、且つこの固着状態を解除不能とするように構成されている。
右側副封止機構98は、図3(a)および(b)に示すように、基板ボックス34の他側(図3(a)中、右側)に接続された右側副封止部107(本発明における副封止部の一種)と、ワンウェイねじ等の右側副封止具108(本発明における副封止具の一種)とを備えている。右側副封止部107は、第1ケース部材41に設けられた右側副封止受部110(本発明における副封止受部の一種)と、第2ケース部材42に設けられた右側副封止体111(本発明における副封止体の一種)とから構成されている。具体的に説明すると、図4および図14に示すように、右側副封止受部110を中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成し、右側副封止受部110の側面から右側副封止受ブラケット110aを突設して第1ケース部材41の他側面(図4中、右側面)のうち右側主封止受ブラケット103aよりも下方の位置に接続し、さらには右側副封止受ブラケット110aと右側主封止受ブラケット103aとを上下に連結している。また、図5および図15に示すように、右側副封止体111を右側副封止受部110よりもひと回り大きく、且つ中心軸が重合方向Aまたは離間方向Dに沿う円筒状に形成して設け、右側副封止体111には、右側副封止具108を挿入するための右側副封止挿入口111aを離間方向Dへ向けて開放している。そして、右側副封止体111のうち右側副封止受部110側の端部には円弧状の副係合ストッパー111bを設け(図15(b)参照)、右側副封止体111が係合方向Bに沿って移動すると、副係合ストッパー111bが右側副封止受部110へ係合して、右側副封止体111と右側副封止受部110とが中心軸を揃えて位置決めできるように構成されている。さらに、右側副封止体111の側面から右側副封止ブラケット111cを突設して第2ケース部材42の他側面(図5中、右側面)のうち右側主封止ブラケット104cよりも下方の位置へ接続している。そして、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを重合して閉じると、右側副封止受部110と右側副封止体111とが重合方向Aまたは離間方向Dに沿って並んで位置するように構成されている。また、この状態で右側副封止具108を右側副封止挿入口111aから挿入して締め込むと、右側副封止具108が右側副封止体111と右側副封止受部110とを固着し、且つこの固着状態を解除不能とするように構成されている。
そして、封止機構45は、左側副封止部87の剛性を左側主封止部80の剛性よりも強く設定して、左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成とし、さらには、右側副封止部107の剛性を右側主封止部100の剛性よりも強く設定して、右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成にしている。詳しくは、基板ボックス34の中央部分から見て係合解除方向Cの上流側に位置する左側封止機構45Lにおいては、図13に示すように、左側主封止部80のうち左側主封止体84を支持する左側主封止ブラケット84bを、左側主封止体84側から第1ケース部材41側へ向かうにつれて上下幅が次第に縮幅する形状とし、左側主封止ブラケット84bの裏面(左側主封止受部83側に臨ませた面)には支持リブを1つ立設している。一方、左側副封止部87のうち左側副封止体91を支持する左側副封止ブラケット91bの上下幅を、左側副封止体91側から第1ケース部材41側に亘って均一であり、且つ左側主封止ブラケット84bの上下幅よりも広い寸法に設定している。また、左側主封止ブラケット84bの裏面(左側主封止受部83側に臨ませた面)には支持リブを3つ立設している。このような構成を備えることにより、左側副封止ブラケット91bの断面積を左側主封止ブラケット84bの断面積よりも広くして、左側副封止ブラケット91bを左側主封止ブラケット84bよりも破断し難い構成とし、左側副封止部87の剛性を左側主封止部80の剛性よりも強く設定している。この結果、左側封止機構45Lは、左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成、言い換えると、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で封止する機能を失い難く、基板ボックス34の開放を許容し難い構成に設定している。
また、基板ボックス34の中央部分から見て係合解除方向Cの下流側に位置する右側封止機構45Rにおいては、右側主封止部100のうち右側主封止受部103を支持する右側主封止受ブラケット103aを、上下方向の中間部分に開口が開設された中空形状としている。一方、右側副封止部107のうち右側副封止受部110を支持する右側副封止受ブラケット110aを開口が開設されていない中実形状としている。このような構成を備えることにより、右側副封止受ブラケット110aの断面積を右側主封止受ブラケット103aの断面積よりも広くして、右側副封止受ブラケット110aを右側主封止受ブラケット103aよりも破断し難い構成とし、右側副封止部107の剛性を右側主封止部100の剛性よりも強く設定している。この結果、右側封止機構45Rは、右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成、言い換えると、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で封止する機能を失い難く、基板ボックス34の開放を許容し難い構成に設定している。
上記構成を備えた遊技制御装置32を組み立てるには、まず、制御基板35を第2ケース部材42の内側へ止着して配線コネクタ35bをコネクタ開口47に臨ませ、この状態で第2ケース部材42を制御基板35と第1ケース部材41の内側とが対向する姿勢に設定する。第2ケース部材42の姿勢を設定したならば、図6(a)に示すように、第2ケース部材42を重合方向Aに沿って移動して第1ケース部材41へ重合させるとともに、係合片51を嵌脱部52へ通す。また、止着受部64を通過開口68へ通して移動空間部69内へ進入させ、第2ケース部材42の下部を突出部48の上面へ当接(または載置)する。そして、第2ケース部材42を係合方向Bへスライドして係合片51を係合溝部50へ係合させて第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係合状態(閉じた状態)にする。すると、基板ボックス34は、止着受部64を移動空間部69内で係合方向Bへスライドして挿通孔65に重合する位置(図6(b)中、二点鎖線で示す位置)へ移動し、挿通孔65と螺合孔64aとを連通する。また、第1貼着部57と第2貼着部59とを左右両縁部がそれぞれ揃う状態で接続し、左側主封止体84と左側主封止受部83、左側副封止体91と左側副封止受部90、右側主封止体104と右側主封止受部103、右側副封止体111と右側副封止受部110をそれぞれ重合する。
第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係合して閉じたならば、電子タグシール36、ボックス側セキュリティシール38、カバー側セキュリティシール39を貼着する前に、止着部材66を挿通孔65へ挿通するとともに止着受部64へ止着(詳しくは螺合孔64aへ螺合)して第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止する。また、左側主封止体84と左側主封止受部83とを左側主封止具81で固着するとともに、右側主封止体104と右側主封止受部103とを右側主封止具101で固着して、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で封止する。さらに、左側主封止挿入口84aに左側主封止カバー82を溶着する等して閉塞して左側主封止体84内の左側主封止具81の頭部を被覆する一方、右側主封止挿入口104aに右側主封止カバー102を溶着する等して閉塞して右側主封止体104内の右側主封止具101の頭部を被覆する。なお、左側副封止体91には左側副封止具88を左側副封止挿入口91aから挿入するが、左側副封止具88の先端を左側副封止受部90に到達させずに左側副封止体91内で留まる状態(仮止め状態)とし、左側副封止体91と左側副封止受部90とを固着しない。また、右側副封止体111には右側副封止具108を右側副封止挿入口111aから挿入するが、右側副封止具108の先端を右側副封止受部110に到達させずに右側副封止体111内で留まる状態(仮止め状態)とし、右側副封止体111と右側副封止受部110とを固着しない。
そして、貼着部46の左右方向の中央部分にボックス側セキュリティシール38を貼着する。このとき、図10(b),図11(a)および(b)に示すように、ボックス側セキュリティシール38の上縁部を貼着部46の上縁部から下方へ離間し、ボックス側セキュリティシール38の下部で第1貼着部57と第2貼着部59との境界BLの一部、および通過開口68の一部を被覆する。また、ボックス側セキュリティシール38の粘着面側(ボックス側粘着層38e側)の四隅部分においては、ボックス側非粘着領域38fを形成しているため貼着部46に密着しない。さらに、ボックス側セキュリティシール38の表面と貼着部46(詳しくは、貼着部46のうち電子タグシール36が重合していない箇所)とに電子タグシール36を貼着し、電子タグシール36の上縁部をボックス側セキュリティシール38の上縁部と貼着部46の上縁部との間に位置させるとともに、電子タグシール36の側縁部を貼着部46の側縁部から離間する。すると、電子タグシール36は、当該電子タグシール36の下部を折り曲げて第1貼着部57の下部へ貼着し、図10(b)に示すように、不透明なベースシート71で挿通孔65、止着部材66、通過開口68を被覆するとともに、ボックス側セキュリティシール38の全体を覆い隠して第2ケース部材42側から視認不能とし、粘着層75で電子タグシール36の裏面(貼着部46に対向する面)とボックス側セキュリティシール38の表面全体(電子タグシール36に対向する面全体)とを密着させる。また、アンテナ部74を係合方向Bへ向けて上り傾斜した姿勢に設定して、アンテナ部74の延在方向と係合方向Bおよび係合解除方向Cとを交差させ、さらには、第1貼着部57と第2貼着部59との境界BLにアンテナ部74のうちチップ部73の近傍に位置する箇所を交差させ、電子タグ72のうちチップ部73が含まれる部分をボックス側セキュリティシール38に重合する(図11(b)参照)。
貼着部46に電子タグシール36を貼着したならば、電子タグシール36の側部寄り(図10(a)中、右寄り)にカバー側セキュリティシール39を重ねて貼着する。具体的には、カバー側セキュリティシール39の第1カバー側粘着層(第1粘着面)39bを剥離紙(図示せず)で被覆して保護しておき、第2カバー側粘着層(第2粘着面)39fが第2粘着対象となる電子タグシール36に対向する姿勢とし、この姿勢で第2カバー側粘着層39fを電子タグシール36に密着させてカバー側セキュリティシール39を貼着する。このとき、カバー側セキュリティシール39の側縁部を電子タグシール36の側縁部と貼着部46の側縁部との間に位置させ、カバー側セキュリティシール39の側部を貼着部46のうち電子タグシール36で被覆されていない側部へ貼着する。また、カバー側セキュリティシール39の第2粘着面側(第2カバー側粘着層39f側)の四隅部分においては、カバー側非粘着領域39gを形成しているため、貼着部46および電子タグシール36に密着しない。
そして、カバー側セキュリティシール39上の剥離紙を剥がして第1カバー側粘着層39bを露出し、貼着部46に保護カバー部材37を近づけ、カバー取付部37bをカバー取付受部61へ嵌合するとともに、カバー係合片37cをカバー係合受部62へ係合し、この状態でカバー取付部37bとカバー取付受部61とをカバー止着具37aで止着して保護カバー部材37を装着し、電子タグシール36を被覆する(図10(a)参照)。すると、カバー側セキュリティシール39は、保護カバー部材37と電子タグシール36との間に位置し、第1貼着対象となる保護カバー部材37に第1粘着面の全体、詳しくは全周縁部を含む全体を密着する。この結果、カバー側セキュリティシール39が保護カバー部材37と電子タグシール36との両方に貼着される。さらに、カバー取付部37bに止着具キャップ37dを溶着してカバー止着具37aを被覆し、遊技制御装置32を組み立てたならば、遊技制御装置32を第1ケース部材41が装着ベース30に対向する姿勢に設定し、この状態で装着ベース30へ装着する。このとき、貼着部46には保護カバー部材37を装着しているので、電子タグシール36が不用意に傷ついたりして識別情報を発信不能となる不都合を未然に防ぐことができる。
また、基板ボックス34の長手方向の両端部には、左側主封止機構77と右側主封止機構97とを第1ケース部材41と第2ケース部材42との境界に跨る状態でそれぞれ設け、基板ボックス34の長手方向の一端と他端との間には電子タグシール36を第1ケース部材41と第2ケース部材42との境界に跨る状態で貼付するので、基板ボックス34を撓ませると第1ケース部材41と第2ケース部材42との間に隙間が形成されてしまう不都合、ひいてはこの隙間から不正部材が侵入して制御基板35に対する不正行為が実行される不都合を阻止することができる。さらに、左側封止機構45Lにおいては基板ボックス34の下寄りに位置する箇所を固着し、右側封止機構45Rにおいては基板ボックス34の上寄りに位置する箇所を固着しているので、基板ボックス34がねじれ荷重を受けても変形し難い。
このようにして組み立てられた遊技制御装置32において、電子タグシール36を剥がさずに基板ボックス34を不正に開放しようとすると、次にようになる。まず、遊技制御装置32を装着ベース30から外し、カバー取付部37bを切断する等して保護カバー部材37と基板ボックス34との止着状態を解除し、保護カバー部材37を基板ボックス34から離す。このとき、カバー側セキュリティシール39が第1粘着面側の全周縁部を保護カバー部材37に貼着する一方、第2粘着面側のカバー側非粘着領域39gを電子タグシール36および貼着部46に密着していないため、カバー側セキュリティシール39の第1粘着面の全体は保護カバー部材37に貼着し続けるが、カバー側非粘着領域39gは電子タグシール36または貼着部46から浮き始める。さらに保護カバー部材37を離すと、カバー側非粘着領域39gと第2カバー側粘着層39fとの境目に応力が集中し、カバー側セキュリティシール39の第2粘着面(第2カバー側粘着層39f)が電子タグシール36または貼着部46から剥離する。そして、カバー側セキュリティシール39が電子タグシール36から剥離される剥離方向に外力を受けることで、カバー側転着部(カバー側視認部)39dが電子タグシール36または貼着部46から剥がれずにカバー側セキュリティシール39から脱離し、電子タグシール36上または貼着部46上に転着されて視認可能な痕跡として残る。引き続き保護カバー部材37を離すと、保護カバー部材37がカバー側セキュリティシール39を貼着した状態で基板ボックス34から取り外される。
このようにして、保護カバー部材37を基板ボックス34から外せば、カバー側セキュリティシール39からカバー側転着部39dを脱離させて電子タグシール36または貼着部46に残すことができる。したがって、電子タグシール36および基板ボックス34が新品同様の状態で部品取りされることを阻止することができ、不正行為者が基板ボックス34や電子タグシール36を別個に寄せ集めて不正な制御基板を収納しようとする行為、ひいては不正な制御基板が収納された基板ボックス34をパチンコ遊技機1へ不正に装着しようとする行為を阻止することができる。また、カバー側セキュリティシール39の第2粘着面側の縁部にカバー側非粘着領域39gを形成することにより、保護カバー部材37の取り外し動作に伴ってカバー側セキュリティシール39を剥離し易くなり、電子タグシール36および貼着部46に保護カバー部材37の脱離の痕跡を確実に残すことができる。
保護カバー部材37を取り外したならば、貼着部46に貼着された電子タグシール36のうち止着部材66を被覆している箇所を切り取る等して止着部材66の頭部を露出させ、露出した止着部材66を取り外す。また、左側主封止部80の左側主封止ブラケット84bおよび右側主封止部100の右側主封止受ブラケット103aを工具(例えばニッパー)で切断して左側主封止機構77および右側主封止機構97を破壊し、第2ケース部材42が左側主封止機構77から係合解除方向Cへ離れること、および右側主封止機構97が第1ケース部材41から係合解除方向Cへ離れることを許容する。そして、第2ケース部材42を係合解除方向Cへ移動し、さらに離間方向Dへ移動する。すると、移動空間部69を移動してきた止着受部64が電子タグシール36およびボックス側セキュリティシール38の下部を突き破って通過開口68を通り、電子タグシール36のうち通過開口68を被覆していた箇所が汚く破れる(図10(c)参照)。このように、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを分離するには、電子タグシール36の一部を破って止着部材66を取り外し、さらには、止着受部64が電子タグシール36のうち止着部材66を露出させる箇所とは異なる箇所を汚く破って通過開口68を通過することになる。したがって、電子タグシール36に破れが生じているか否かを目視により確認すれば、不正行為者が第1ケース部材41と第2ケース部材42とを分離した、若しくは、第1ケース部材41と第2ケース部材42との分離を試みたことを簡単に把握することができる。
さらに、止着部材66を外し、左側主封止機構77および右側主封止機構97を破壊した状態で第2ケース部材42を係合解除方向Cへスライドすることで、遊技制御装置32は、電子タグシール36を境界BLに沿って破断し、チップ部73よりも第1貼着部57側に位置するアンテナ部74を切断して電子タグ72を破壊する。したがって、電子タグシール36の発信機能(詳しくは識別情報を発信する機能)を無効化することが可能となる。また、識別情報が発信されないことに基づいて、基板ボックス34が不正に開放されたことを把握することができる。さらに、不正行為が行われた後で電子タグシール36の発信機能が再利用される不都合を阻止することができる。
また、図11(a)に示すように、保護カバー部材37を取り外した後に電子タグシール36を破らずに剥そうとすると、次にようになる。すなわち、電子タグシール36を縁部(詳しくは隅部)から剥離していき、電子タグシール36の剥離済み部分と未剥離部分との境目がボックス側セキュリティシール38に到達する。このとき、電子タグシール36がボックス側セキュリティシール38の表面全体(詳しくは全周縁部を含む表面全体)に貼着する一方、ボックス側セキュリティシール38が粘着面側のボックス側非粘着領域38fを貼着部46へ密着していないため、ボックス側セキュリティシール38の表面全体は電子タグシール36に貼着され続けるが、ボックス側非粘着領域38fは貼着部46から浮き始める。さらに電子タグシール36を剥がしていくと、ボックス側非粘着領域38fとボックス側粘着層38eとの境目に応力が集中し、ボックス側セキュリティシール38の粘着面(ボックス側粘着層38e)が貼着部46から剥離する。そして、ボックス側セキュリティシール38が貼着部46から剥離される剥離方向に外力を受けることで、ボックス側転着部(ボックス側視認部)38cが貼着部46から剥がれずにボックス側セキュリティシール38から脱離し、貼着部46上に転着されて視認可能な痕跡として残る(図11(c)参照)。引き続き電子タグシール36を剥がすと、電子タグシール36がボックス側セキュリティシール38を貼着した状態で基板ボックス34から取り外される。
このようにして、電子タグシール36を貼着部46から剥がせば、電子タグシール36だけではなくボックス側セキュリティシール38も剥がれて、ボックス側セキュリティシール38からボックス側転着部38cを脱離させて貼着部46に残すことができる。したがって、貼着部46から剥がされた電子タグシール36およびボックス側セキュリティシール38や、電子タグシール36が剥がされた基板ボックス34が新品同様の状態で部品取りされることを阻止することができる。これにより、不正行為者が基板ボックス34や電子タグシール36等を別個に寄せ集めて不正な制御基板を収納しようとする行為、ひいては不正な制御基板が収納された基板ボックス34をパチンコ遊技機1へ不正に装着しようとする行為を阻止することができる。また、ボックス側セキュリティシール38の粘着面側の縁部にボックス側非粘着領域38fを形成することにより、ボックス側非粘着領域38fが貼着部46から浮いてボックス側セキュリティシール38が貼着部46から剥がれ易くなる。したがって、電子タグシール36とともにボックス側セキュリティシール38を貼着部46から剥がすことができ、貼着部46にボックス側転着部38cを電子タグシール36の剥離の痕跡として確実に残すことができる。さらに、電子タグシール36の不透明なベースシート71によりボックス側セキュリティシール38を覆い隠して視認不能としているので、ボックス側セキュリティシール38の貼着位置を把握し難い。したがって、不正行為者がボックス側セキュリティシール38の部品取りのために電子タグシール36を切開しようとしても切開場所を特定し難く、部品取り作業を滞らせたり、切開時にボックス側セキュリティシール38を損傷させたりすることができる。
そして、遊技制御装置32に対して不正行為が行われた可能性がある場合には、所轄の警察もしくは遊技場側の正規な作業(不正行為を伴わない作業)により、止着部材66を外すとともに左側主封止機構77および右側主封止機構97を破壊して基板ボックス34を開放し、目視等により制御基板35に不正部品が搭載されていないか否か等のチェックが行われる。このチェックの結果、遊技制御装置32に異常が認められなかった場合には、交換用の新たな遊技制御装置32が準備できるまで(例えば、メーカーから遊技場に到着するまで)の間に限り、チェック済みの遊技制御装置32を電子タグシール36が破れた状態または剥がれた状態、且つ保護カバー部材37が止着されない状態で再び組み立てて仮使用する。
遊技制御装置32の再組立について説明すると、まず、制御基板35を第2ケース部材42から外している場合には、制御基板35を第2ケース部材42の内側へ止着して配線コネクタ35bをコネクタ開口47に臨ませ、この状態で第2ケース部材42を制御基板35と第1ケース部材41の内側とが対向する姿勢に設定する。第2ケース部材42の姿勢を設定したならば、図6(a)に示すように、第2ケース部材42を重合方向Aに沿って移動して第1ケース部材41へ重合させるとともに、係合片51を嵌脱部52へ通す。また、止着受部64を通過開口68へ通して移動空間部69内へ進入させ、第2ケース部材42の下部を突出部48の上面へ当接する。そして、第2ケース部材42を係合方向Bへスライドして係合片51を係合溝部50へ係合させて第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係合状態(閉じた状態)にする。すると、基板ボックス34は、止着受部64を移動空間部69内で係合方向Bへスライドして挿通孔65に重合する位置(図6(b)中、二点鎖線で示す位置)へ移動し、挿通孔65と螺合孔64aとを連通する。さらに、左側副封止体91と左側副封止受部90、右側副封止体111と右側副封止受部110をそれぞれ重合し、左側主封止体84と左側主封止受部83とが固着された状態の左側主封止機構77を第2ケース部材42の側部へ接近させ、右側主封止体104と右側主封止受部103とが固着された状態の右側主封止機構97を第1ケース部材41の側部へ接近させる。
第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係合して閉じたならば、止着部材66を挿通孔65へ挿通するとともに止着受部64へ止着(詳しくは螺合孔64aへ螺合)して第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止する。また、予め左側副封止体91に仮止めされていた左側副封止具88を十分に締め込んで左側副封止体91と左側副封止受部90とを固着するとともに、予め右側副封止体111に仮止めされていた右側副封止具108を十分に締め込んで右側副封止体111と右側副封止受部110とを固着して、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で再封止する。このようにして、左側主封止機構77および右側主封止機構97の破壊後から新品交換までの間に基板ボックス34および制御基板35を仮使用(例えば、基板ボックス34および制御基板35に異常がないことを確認した上で一時的に使用)する場合であっても、左側副封止機構78および右側副封止機構98を用いて基板ボックス34を封止することができる。また、左側封止機構45Lにおいては基板ボックス34の上寄りに位置する箇所を固着し、右側封止機構45Rにおいては基板ボックス34の下寄りに位置する箇所を固着しているので、基板ボックス34がねじれ荷重を受けても変形し難い。そして、左側副封止機構78と右側副封止機構98とにより、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で再固着して再封止したならば、遊技制御装置32を第1ケース部材41が装着ベース30に対向する姿勢に設定し、この状態で装着ベース30へ装着する。
また、仮使用される遊技制御装置32は、仮使用終了後においては、再封止された基板ボックス34を開放せずに(制御基板35の再チェックを行わずに)交換用の新たな遊技制御装置32に交換される。ここで、左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成にするとともに、右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成にしているので、遊技盤5(パチンコ遊技機1)から外されて交換される予定の基板ボックス34、言い換えると、仮使用終了後に開封不要な基板ボックス34において、左側副封止機構78および右側副封止機構98を無駄に破壊し易くしておかずに済み、制御基板35に対するセキュリティが不必要に弱くなる不都合を抑制することができる。さらに、左側副封止部87の剛性を左側主封止部80の剛性よりも強く設定して左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成に設定するとともに、右側副封止部107の剛性を右側主封止部100の剛性よりも強く設定して右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成に設定したので、左側副封止機構78および右側副封止機構98を無駄に破壊し易くしておかずに済む構成を、簡単に実現することができる。
ところで、上記実施形態では、封止機構45は第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で封止する機能だけを有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図16に示す第2実施形態における遊技制御装置32および装着ベース30では、基本的には第1実施形態における構成と同じであるが、左側主封止機構77に装着ベース30の一部を係合できるように構成した点で異なる。具体的に説明すると、第2実施形態における基板ボックス34の左側主封止機構77は、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態において左側主封止体84と左側主封止受部83とを離間して、左側主封止体84と左側主封止受部83との間に係合空間部115を形成している。また、装着ベース30のうち左側封止機構45L側に位置する側部には、装着突部117を遊技盤5の後方へ向けて突設し、該装着突部117よりも遊技制御装置32側(図16(a)中、右側)には、第1ケース部材41のうち左側封止機構45L側に位置する角部へ係合可能な位置決め当接部118を突設し、該位置決め当接部118に第1ケース部材41を係合して装着ベース30上に遊技制御装置32を位置決めできるように構成されている。そして、装着突部117には、係合空間部115へ係合可能な舌片状の装着係合部119を左側封止機構45L側(遊技制御装置32側)へ向けて延設(言い換えると係合方向Bに沿って延設)し、装着係合部119には左側主封止具81が挿通可能な係合挿通孔119aを開設している。
このような構成の係合空間部115および装着係合部119を備えて、遊技制御装置32を装着ベース30へ装着するには、まず、遊技制御装置32を第1実施形態における組立手順と基本的には同じ手順で組み立てるが、左側主封止具81により左側主封止体84と左側主封止受部83とを固着する作業を行わない。遊技制御装置32を左側主封止体84と左側主封止受部83とが固着されない状態で組み立てたならば、遊技制御装置32を第1ケース部材41が装着ベース30に対向する姿勢に設定し、この状態で装着ベース30に第1ケース部材41を当接し、装着係合部119と係合空間部115とが係合方向B(言い換えると装着係合部119の延在方向)に沿って並ぶ状態にする(図16(a)参照)。さらに、遊技制御装置32を係合方向Bに沿ってスライドし、第1ケース部材41を位置決め当接部118へ当接して遊技制御装置32を位置決めするとともに、装着係合部119を係合空間部115内へ係合(挿入)し、ビスなどの止着具(図示せず)で遊技制御装置32と装着ベース30とを止着する。そして、装着係合部119を係合空間部115内へ係合した状態で、左側主封止挿入口84aに左側主封止具81を挿入し、左側主封止体84と左側主封止受部83とを左側主封止具81で固着し、左側主封止挿入口84aに左側主封止カバー82を溶着する等して閉塞して左側主封止体84内の左側主封止具81の頭部を被覆する。すると、左側主封止具81が係合空間部115内の装着係合部119の係合挿通孔119aに挿通し、装着係合部119が左側主封止部80(左側主封止体84および左側主封止受部83)へ固着される。したがって、装着ベース30から基板ボックス34を取り外し難くすることができ、基板ボックス34の不正開放、ひいては制御基板35に対する不正行為を抑制することができる。なお、不正チェック作業を行う等のために、正規な作業(不正行為を伴わない作業)において遊技制御装置32を装着ベース30から取り外すには、装着係合部119を装着突部117側の根元から工具(例えばニッパー)で切断し、この後で止着具を外して遊技制御装置32を装着ベース30から離間すればよい。
ところで、上記実施形態においては、遊技制御装置32の仮使用終了後に破壊する必要がない左側副封止機構78および右側副封止機構98を基板ボックス34の側部から突出する状態で設けたが、本発明はこれに限定されない。要は、左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成とし、右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成とすれば、どのような構造であってもよい。例えば、図17および図18に示す第3実施形態においては、左側副封止機構78および右側副封止機構98を基板ボックス34の左右両端部よりも内側(基板ボックス34の中央寄り)に設けている。
詳しく説明すると、左側副封止機構78は、図17(a)および(b)に示すように、第1ケース部材41のうち左側主封止機構77が突設されている端部よりも第1ケース部材41の長手方向の中央寄りの位置、且つ左側主封止機構77よりも上方の位置に左側副封止受部90を配置し、この左側副封止受部90を第1ケース部材41から第2ケース部材42側へ向けて突出した状態とし、左側副封止受部90の突出基部側の全周を第1ケース部材41へ接続して支持している。また、図17(c)および(d)に示すように、第2ケース部材42のうち左側主封止機構77が突設されている端部よりも第2ケース部材42の長手方向の中央寄りの位置、且つ左側主封止機構77よりも上方の位置に左側副封止体91を配置し、この左側副封止体91を第2ケース部材42から第1ケース部材41側へ向けて突出した状態とし、左側副封止体91の突出基部側の全周を第2ケース部材42へ接続して支持している。
さらに、右側副封止機構98は、図18(a)および(b)に示すように、第1ケース部材41のうち右側主封止機構97が突設されている端部よりも第1ケース部材41の長手方向の中央寄りの位置、且つ右側主封止機構97よりも下方の位置に右側副封止受部110を配置し、この右側副封止受部110を第1ケース部材41から第2ケース部材42側へ向けて突出した状態とし、右側副封止受部110の突出基部側の全周を第1ケース部材41へ接続して支持している。また、図18(c)および(d)に示すように、第2ケース部材42のうち右側主封止機構97が突設されている端部よりも第2ケース部材42の長手方向の中央寄りの位置、且つ右側主封止機構97よりも下方の位置に右側副封止体111を配置し、この右側副封止体111を第2ケース部材42から第1ケース部材41側へ向けて突出した状態とし、右側副封止体111の突出基部側の全周を第2ケース部材42へ接続して支持している。
このような構成の左側副封止機構78および右側副封止機構98を設ければ、基板ボックス34と左側副封止機構78との境界、および基板ボックス34と右側副封止機構98との境界に工具を差し込み難くなる。一方、左側主封止機構77および右側主封止機構97は、基板ボックス34の端部から側方へ突出しているので、基板ボックス34との間に工具を差し込み易い。したがって、左側副封止機構78を左側主封止機構77よりも破壊し難い構成、および右側副封止機構98を右側主封止機構97よりも破壊し難い構成を実現することができる。
ところで、上記実施形態では、カバー側セキュリティシール39において、第1粘着面を保護カバー部材37へ貼着するとともに第2粘着面を電子タグシール36へ貼着し、保護カバー部材37を基板ボックス34から取り外すと、カバー側セキュリティシール39が電子タグシール36から剥がれてカバー側転着部39dを電子タグシール36上および貼着部46上に残すように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2粘着面を保護カバー部材37へ貼着するとともに第1粘着面を電子タグシール36へ貼着してもよい。言い換えると、保護カバー部材37を第2貼着対象とするとともに電子タグシール36を第1貼着対象としてもよい。この状態で保護カバー部材37を基板ボックス34から取り外せば、カバー側セキュリティシール39が保護カバー部材37から剥がれて電子タグシール36に貼着したままになり、カバー側転着部39dが保護カバー部材37上に残る。したがって、第2粘着面を保護カバー部材37へ貼着するとともに第1粘着面を電子タグシール36へ貼着した場合であっても、保護カバー部材37や電子タグシール36が新品同様の状態で部品取りされることを阻止することができ、不正行為者が基板ボックス34や電子タグシール36等を別個に寄せ集めて不正な制御基板を収納しようとする行為を阻止することができる。また、第2粘着面側の縁部にカバー側非粘着領域39gを形成することにより、保護カバー部材37の取り外し動作に伴ってカバー側セキュリティシール39を保護カバー部材37から剥離し易くなり、保護カバー部材37に脱離の痕跡を確実に残すことができる。
さらに、上記実施形態では、ボックス側セキュリティシール38が貼着部46から剥離される剥離方向に外力を受けることで、ボックス側転着部38cのみが貼着部46上に転着されて視認可能な痕跡として残るように構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、ボックス側表示層(分離層)38bの少なくとも一部が痕跡として残ればよく、例えば、ボックス側転着部38cとボックス側非転着部38dの全部または一部とが貼着部46上に残るようにしてもよいし、ボックス側非転着部38dの全部のみまたは一部のみが貼着部46上に残るようにしてもよい。また、保護カバー部材37を基板ボックス34から取り外すと、カバー側セキュリティシール39のカバー側転着部39dのみが第2貼着対象上に転着されて視認可能な痕跡として残るように構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、カバー側表示層(分離層)39cの少なくとも一部が痕跡として残ればよく、例えば、カバー側転着部39dとカバー側非転着部39eの全部または一部とが第2貼着対象上に残るようにしてもよいし、カバー側非転着部39eの全部のみまたは一部のみが第2貼着対象上に残るようにしてもよい。
また、上実施形態において、カバー側セキュリティシール39は、1枚のカバー側基材39aの両面に粘着層39b,39fを積層して形成されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、片面に粘着層が積層された1枚の基材を、粘着層が外側に位置する状態で2つ折りにしてカバー側セキュリティシールを構成し、一方に露出した粘着層を第1粘着面とし、他方に露出した粘着層を第2粘着面としてもよい。さらに、各セキュリティシール38,39は、転着部38c,39dの色と非転着部38d,39eの色とを異ならせて構成されたが、本実施形態ではこれに限定されず、例えば、転着部38c,39dの色と非転着部38d,39eの色とを同色に設定してもよい。また、電子タグシール36は、ベースシート71の全体を不透明にしてボックス側セキュリティシール38を視認不能な状態で被覆したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ベースシート71のうちボックス側セキュリティシール38に重合する箇所のみを不透明にしたり、あるいはベースシート71に別個の不透明なシート片を積層したりして不透明部を構成し、この不透明部によりボックス側セキュリティシール38を被覆してもよい。
そして、上記実施形態における各セキュリティシール38,39の形状を矩形状(正方形状)としたが、本発明はこれに限定されず、例えば、矩形状以外の多角形状であってもよいし、円形状や楕円形状であってもよい。さらに、各セキュリティシールの非粘着領域(ボックス側非粘着領域、カバー側非粘着領域)は、セキュリティシールの隅部に形成することに限定されない。要は、セキュリティシールが剥離方向に作用する外力を受け始めることが可能な箇所、具体的にはセキュリティシールの縁部に形成されていればよい。例えば、非粘着領域をセキュリティシールの全周縁に亘って形成すれば、どの向きから外力が作用しても非粘着領域をセキュリティシールの貼着対象から浮かせることができて好適である。なお、セキュリティシールを多角形状とした場合においては、セキュリティシールの縁部のうち隅部を除く箇所、例えば辺の中央部分に非粘着領域を形成してもよいが、セキュリティシールの隅部の方が辺の中央部分よりも剥離時の外力を集中して受け易いため、隅部に非粘着領域を形成した方が、非粘着領域をセキュリティシールの貼着対象から効率よく浮かせることができて好ましい。
ところで、上記実施形態では、左側主封止ブラケット84bを破断して左側主封止機構77を破壊し、右側主封止受ブラケット103aを破断して右側主封止機構97を破壊するように構成したが、本発明はこれに限定されない。要は、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを閉じた状態で封止する機能を失い、基板ボックス34の開放を許容する状態にすることができれば、左側主封止機構77および右側主封止機構97をどのように破壊してもよい。
また、上記実施形態では、第1ケース部材41の第1貼着部57に挿通孔65および通過開口68を開設し、第2ケース部材42に止着受部64を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1ケース部材41を止着受側ケース部材とし、第2ケース部材42を挿通側ケース部材とし、第2貼着部59を挿通側貼着部とし、第1ケース部材41に止着受部を設け、第2ケース部材42の第2貼着部59に挿通孔および通過開口を開設してもよい。さらに、上記実施形態では、止着部材66を挿通孔65へ挿通するとともに止着受部64へ螺合して、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止したが、本発明はこれに限定されない。要は、貼着部46に第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止する係止機構を設け、この係止機構を電子タグシール36で被覆できれば、どのような構成の係止機構であってもよい。例えば、止着部材をねじが切られていない止着ピンとし、止着受部には、止着ピンの先端を嵌合可能な止着孔を開設し、止着ピンを挿通孔および止着受部へ嵌合して、第1ケース部材41と第2ケース部材42とを係止してもよい。
さらに、上記実施形態では、左側主封止機構77と左側副封止機構78とを互いに隣り合う状態で配置し、右側主封止機構97と右側副封止機構98とを互いに隣り合う状態で配置したが、本発明はこれに限定されない。例えば、左側主封止機構77と左側副封止機構78とを十分に離れた状態(例えば、左側主封止体84の直径よりも広い間隔で離れた状態)で配置したり、右側主封止機構97と右側副封止機構98とを十分に離れた状態(例えば、右側主封止体104の直径よりも広い間隔で離れた状態)で配置したりしてもよい。
また、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、第1ケース部材と第2ケース部材とから構成され、両ケース部材を閉じた状態で内部に制御基板を収納するための基板ボックスと、予め記憶された固有の識別情報を発信可能な電子タグを有する電子タグシールと、を備え、電子タグシールを、第1ケース部材と第2ケース部材との境界に電子タグが交差する状態で貼着し、第1ケース部材と第2ケース部材とを分離して開放すると電子タグを破壊可能とした遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。