JP5195404B2 - ドリル孔明け用エントリーシートの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、水溶性樹脂組成物の塗布後、乾燥と固化時に生じる水溶性樹脂組成物層内部で、直径30μm以上の気泡の数が100mm×100mmの範囲内に20個以下であることにより、発泡により生じる悪影響を防止できることを見出したことに基づき、上記要件を達成できる孔位置精度に優れたプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートおよび該エントリーシートの製造方法を提供することにある。
本発明はさらに、金属箔の少なくとも片面に多層水溶性樹脂組成物層を形成したプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートであって、形成された多層水溶性樹脂組成物層の厚みが50μm以上でありかつ多層水溶性樹脂組成物層内の直径30μm以上の気泡の数が100mm×100mmの範囲内に20個以下であるプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートおよび該シートの製造方法を提供する。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の水溶性樹脂組成物溶液を調製し、ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に80μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度9m/minにて乾燥、固化して厚み40μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたシートA(樹脂組成物/アルミ箔=40μm/100μm)を得た。再度、同じ水溶性樹脂組成物溶液を、前記で得られたシートAの水溶性樹脂組成物層の上面に同様のダイコーターにて、乾燥、固化後の該水溶性樹脂組成物層厚みを40μmにするため、該水溶性樹脂組成物溶液を厚み80μmになるよう塗布し、平均温度120℃の乾燥機にてライン速度7m/minで乾燥させ、ドリル孔明け用エントリーシートB(樹脂組成物/アルミ箔=80μm/100μm)を得た。この得られたドリル孔明け用エントリーシートBの多層水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(倍率:100倍)にて観察し、孔位置精度に悪影響を及ぼす30μm以上の気泡の数を数えた。観察範囲はドリル孔明け用エントリーシートBの多層水溶性樹脂組成物層表面の100mmx100mmの範囲である。結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートBを、厚さ0.2mmの銅張積層板(CCL-HL832HS、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 4枚重ねた上に、該水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.15mmφ、回転数:150,000rpm、チップロード:12μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、20本のドリル孔明け加工を行い、孔位置精度の評価を行った結果を表1に示した。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の該水溶性樹脂組成物溶液を調製し、ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に100μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度9m/minにて乾燥、固化して厚み50μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたシートC(樹脂組成物/アルミ箔=50μm/100μm)を得た。再度、同じ水溶性樹脂組成物溶液を、前記で得られたシートCの水溶性樹脂組成物層の上面に同様のダイコーターにて、100μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度5m/minにて乾燥、固化して厚み50μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたドリル孔明け用エントリーシートD(樹脂組成物/アルミ箔=100μm/100μm)を得た。この得られたドリル孔明け用エントリーシートDの多層水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(倍率:100倍)にて観察し、孔位置精度に悪影響を及ぼす30μm以上の気泡の数を数えた。観察範囲はドリル孔明け用エントリーシートDの多層水溶性樹脂組成物層表面の100mmx100mmの範囲である。結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートDを、厚さ0.2mmの銅張積層板(CCL-HL832HS、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 4枚重ねた上に、該多層水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.15mmφ、回転数:150,000rpm、チップロード:12μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、20本のドリル孔明け加工を行い、孔位置精度の評価を行った結果を表1に示した。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の該水溶性樹脂組成物溶液を調製し、ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み 100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に100μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度9m/minにて乾燥、固化して厚み50μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたシートE(樹脂組成物/アルミ箔=50μm/100μm)を得た。再度、同じ水溶性樹脂組成物溶液を、前記で得られたシートEの水溶性樹脂組成物層の上面に同様のダイコーターにて、100μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度5m/minにて乾燥、固化して厚み50μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたシートF(樹脂組成物/アルミ箔=100μm/100μm)を得た。再度、同じ水溶性樹脂組成物溶液を、前記で得られたシートFの水溶性樹脂組成物層の上面に同様のダイコーターにて、100μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度5m/minにて乾燥、固化して厚み50μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたドリル孔明け用エントリーシートG(樹脂組成物/アルミ箔=150μm/100μm)を得た。この得られたドリル孔明け用エントリーシートGの多層水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(倍率:100倍)にて観察し、孔位置精度に悪影響を及ぼす30μm以上の気泡の数を数えた。観察範囲はドリル孔明け用エントリーシートGの多層水溶性樹脂組成物層表面の100mmx100mmの範囲である。結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートGを、厚さ0.8mmの銅張積層板(CCL-HL830、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 3枚重ねた上に、該水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.25mmφ、回転数:120,000rpm、チップロード:20μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、5本のドリル孔明け加工を行い、内壁状態の評価を行った結果を表1に示した。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の該水溶性樹脂組成物溶液を調製し、ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み 100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に160μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度5m/minにて乾燥、固化して厚み80μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたドリル孔明け用エントリーシートH(樹脂組成物/アルミ箔=80μm/100μm)を得た。この得られたドリル孔明け用エントリーシートHの水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(倍率:100倍)にて観察し、孔位置精度に悪影響を及ぼす30μm以上の気泡の数を数えた。観察範囲はドリル孔明け用エントリーシートH水溶性樹脂組成物層表面の100mmx100mmの範囲である。結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートHを、厚さ0.2mmの銅張積層板(CCL-HL832HS、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 4枚重ねた上に、該水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.15mmφ、回転数:150,000rpm、チップロード:12μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、20本のドリル孔明け加工を行い、孔位置精度の評価を行った結果を表1に示した。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の該水溶性樹脂組成物溶液を調製し、ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み 100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に200μmの厚みで塗布し、平均温度120℃の乾燥機でライン速度5m/minにて乾燥、固化して厚み100μmの水溶性樹脂組成物層が形成されたドリル孔明け用エントリーシートI(樹脂組成物/アルミ箔=100μm/100μm)を得た。この得られたドリル孔明け用エントリーシートIの水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(倍率:100倍)にて観察し、孔位置精度に悪影響を及ぼす30μm以上の気泡の数を数えた。観察範囲はドリル孔明け用エントリーシートI水溶性樹脂組成物層表面の100mmx100mmの範囲である。結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートIを、厚さ0.2mmの銅張積層板(CCL-HL832HS、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 4枚重ねた上に、該水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.15mmφ、回転数:150,000rpm、チップロード:12μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、20本のドリル孔明け加工を行い、孔位置精度の評価を行った結果を表1に示した。またこのドリル孔明け用エントリーシートIを、厚さ0.8mmの銅張積層板(CCL-HL830、銅箔両面 12μm、三菱ガス化学製)を 3枚重ねた上に、該水溶性樹脂組成物層を上にして配置し、重ねた銅張積層板の下側には当て板(ベーク板)を配置してドリルビット:0.25mmφ、回転数:120,000rpm、チップロード:20μm/rev.の条件でドリルビット1本につき3,000hitで、5本のドリル孔明け加工を行い、内壁状態の評価を行った結果を表1に示した。
ポリエチレングリコール・ジメチルテレフタレート重縮合物(パオゲンPP-15、第一工業製薬株式会社製) 50重量部と数平均分子量 20,000のポリエチレングリコール(PEG20000、三洋化成工業株式会社製) 50重量部を、1t攪拌釜で温水に溶解させ、固形分濃度50%の該水溶性樹脂組成物溶液を調製した。ダイコーター(康井精機株式会社製)にて、厚み100μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質3004)の片面に300μmの厚みで塗布したが、均一な300μmの厚みを得ることができなかった。そのため、一度で水溶性樹脂組成物層厚み150μmを形成するドリル孔明け用エントリーシートは製造できなかった。
1)気泡の数:ドリル孔明け用エントリーシートの水溶性樹脂組成物層表面を金属顕微鏡(株式会社NIKON製)で、倍率100倍で100mmx100mmの範囲内に存在する直径30μm以上の気泡の個数を数えた。
2)孔位置精度:ドリルビット1本あたりの、重ねた銅張積層板の最下板の裏面における3,000hitの孔位置と指定座標とのズレの距離をホールアナライザー(日立ビアメカニクス株式会社製)にて測定して平均値および標準偏差(σ)を求め、平均+3σと最大値を算出し、ドリル孔明け加工20回分の平均値を表記。
3)内壁粗さ:ドリル孔明け加工後の重ねの1番上の銅張積層版を加工孔の中心を通る断面で切断して研磨し、孔壁の1側面での最大凸部から最深凹部までの距離を測定した。測定箇所は、ドリル1本ごとに2996孔から3000孔目の加工孔側面10箇所であり、ドリル5本の計50箇所の平均値を内壁粗さの平均値とした。また最大値の平均値とは、ドリル1本ごとの最大値のドリル5本分での平均である。
Claims (3)
- 金属箔の少なくとも片面に多層水溶性樹脂組成物層を形成したプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートの製造方法において、水溶性樹脂組成物の水溶液を金属箔に塗布、乾燥、固化させて水溶性樹脂組成物の層を形成し、その上に水溶性樹脂組成物の水溶液を塗布、乾燥、固化して水溶性樹脂組成物の層を形成し、該層の形成を複数回重ねて形成した多層水溶性樹脂組成物の層の合計厚みが50μm以上であり、多層水溶性樹脂組成物層内の直径30μm以上の気泡の数が100mm×100mmの範囲内に20個以下であることを特徴とするプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートの製造方法。
- 一度に塗布、乾燥、固化させて形成される水溶性樹脂組成物の層の厚みが、10〜50μmの範囲である請求項1に記載のプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートの製造方法。
- 金属箔の少なくとも片面に多層水溶性樹脂組成物層を形成したプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシートであって、形成された多層水溶性樹脂組成物の層の合計厚みが50μm以上であり、かつ多層水溶性樹脂組成物層内の直径30μm以上の気泡の数が100mm×100mmの範囲内に20個以下であるプリント配線板材料用のドリル孔明け用エントリーシート。
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