JP3693787B2 - プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法 - Google Patents

プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用の孔明け加工を施す際に好適に用いられるプリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のドリル孔明け加工を積層体の片面あるいは両面に水溶性滑剤を配置して行う方法がUSP−4,781,495及びUSP−4,929,370に開示されており、これらの方法においては固形の水溶性滑剤としてジエチレングリコールやジプロピレングリコールなどのグリコール類と脂肪酸などの合成ワックス、非イオン系界面活性剤との混合物を紙などの多孔質シートに含浸したシートが用いられている。
ところで、孔明け加工に用いられるシートに要求される性能としては、ドリルビットの位置決め性が良好であること、ドリルビットが破損しにくく、削りカスの排出性が良好で、プリント配線板の孔明け部内壁(切削面)にスミヤ(焼き付き)の発生がなく、切削面がきれいであることである。
しかしながら、前述の孔明け加工法においては、積層体に形成する孔径が0.35mm未満、特に0.25mm以下程度と小さくなると、ドリル発熱防止効果が不十分でプリント配線板の孔明け部内壁にスミヤが発生したりあるいはドリルビットが折れたり、さらに前記混合物の多孔質シートへの含浸性が劣ったり、ベタツキがあるなどという問題があった。
【0003】
また、特定の水溶性滑剤を配置してドリル孔明けをする方法が、特開平4−92488、同4−92489、同4−92490、同4−92491、同4−92492、同4−92493号公報に開示されており、これらの方法では水溶性滑剤として分子量600〜9,000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンのモノエーテル、ポリオキシエチレンのエステル、ポリオキシエチレンソルビタンのモノエステル、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーが用いられる。ところがこれらの方法においては、改良されたもののドリル発熱防止効果において不満があった。
また、特開平4−92494号公報には、水溶性滑剤シートとして分子量10,000以上のポリエチレングリコール20〜90重量%と水溶性滑剤80〜10重量%との混合物から形成したものを用いる方法が開示されている。
ところがこの方法においては、ドリル発熱防止効果は改善されたものの、シートが割れ易く、ハンドリング性が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、前述のような問題を解決する手段として、特開平8−197496号公報に水溶性滑剤シートとしてポリエチレンポリプロピレングリコールトリレンジイソシアネートコポリマー20〜90重量%と水溶性滑剤80〜10重量%との混合物から形成したものを用いる方法が開示されており、この方法では水溶性滑剤として分子量600〜9,000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンのモノエーテル、ポリオキシエチレンのエステル、ポリオキシエチレンソルビタンのモノエステル、ポリグリセリンモノステアレート及びポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーからなる群れから選択された1種あるいは2種以上のものが用いられる。
そして、このような構成の水溶性滑剤シートを用いて銅張積層板に孔明け加工をする場合、例えば、図4に示すように積層された複数枚の銅張積層板51を、上面に水溶性滑剤シート55が重ねられたアルミ箔からなる当て板52と、紙フェノールからなる捨て板53とで挾んで積層し、さらにこの当て板52の上面に水溶性滑剤シート55を張り合わせ、この積層状態でNCドリル56で孔明けを行っていた。
【0005】
しかしながらこの方法においては、当て板52に重ね合した水溶性滑剤シート55がカールしてしまうため、銅張積層板51上に配置する作業がし難いうえ、また、水溶性滑剤シート55を当て板52に重ね合わせた後にビニールテープにより固定する際、テープ接着性が悪いため、テープ固定が困難であった。また、孔明け加工を繰り返すとドリルビット先端に、水溶性滑剤、アルミニウム、銅、ガラス繊維などが付着してドリルビット移動中に積層物上にぼた落ちしたりあるいは周りに飛び散ってしまうことがあり、さらに、ドリルビット先端に付着した付着物がぼた落ちした箇所にドリリングにいくと、ドリルビットが曲ってしまうことがあった。また、この水溶性滑剤シート55は耐熱性および耐湿性が劣るため雰囲気温度30℃以下で保管しなければならず、また、一旦吸湿してしまうと、表面のベタツキが強くなり、テープの接着性が悪くなり、また前述のような付着物のぼた落ちも起りやすくなるという欠点があった。さらに、このこの水溶性滑剤シート55は、高価であるため、孔明け加工コストがかかってしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ドリルビットの位置決め性、ドリル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好なうえ、耐熱性及び耐湿性とテープ接着性が良好であり、ベタツキがなく、ハンドリング性が良好で、積層体に配置する作業が容易で、しかも安価なプリント配線板の孔明け加工用当て板とこれを用いたプリント配線板の孔明け加工法の提供を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、アルミニウム合金芯材の片面あるいは両面にアルミニウムおよび不可避不純物からなる純アルミニウム皮材を被覆した複合アルミニウム箔から構成されるクラッド材の少なくとも一方の皮材の表面に、下記一般式(I)又は(II)
【0008】
【化3】
Figure 0003693787
【0009】
で示される繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂(イ)と下記一般式(III)
【0010】
【化4】
Figure 0003693787
【0011】
で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有するプリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、該水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜が設けられてなることを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)の平均分子量が200,000〜2,000,000であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。また、請求項3記載の発明は、前記水溶性固体潤滑剤中の潤滑性付与剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w−)の部分の平均分子量が2,000〜10,000であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率が、固形分換算の重量比で100:20〜200であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
また、請求項5記載の発明は、前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の水素イオン濃度がそれぞれpH4〜9であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、前記クラッド材の芯材が、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつCuを0.05〜0.25重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるもののうちから選択されるいずれか一種のアルミニウム合金からなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、前記プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の厚みが1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
また、請求項8記載の発明は、前記クラッド材の芯材の厚みが50〜300μmであり、かつ皮材の厚みが5〜50μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。
【0016】
また、請求項9記載の発明は、絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるいは両面に請求項1〜8のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を配置して行うことを特徴とするプリント配線板の孔明け加工法を前記課題の解決手段とした。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について詳しく説明する。
本発明に用いられるプリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤(以下、孔明け加工用水溶性固体潤滑剤と略記する。)は、前記一般式(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂(イ)と、前記一般式(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有するものである。
【0018】
前記成膜性樹脂(イ)の平均分子量としては、200,000〜2,000,000、好ましくは500,000〜1,800,000、より好ましくは800,000〜1,400,000である。成膜性樹脂(イ)の平均分子量が200,000未満であるとこの水溶性固体潤滑剤を後述するクラッド材の片面あるいは両面に塗布して得られる孔明け加工用当て板が高湿度下でベタツキが生じてしまい、平均分子量が2,000,000を越えるとドリル発熱防止効果が不十分で、耐焼き付き性が低下してしまうからである。
前記潤滑性付与剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w−)の部分の平均分子量としては2,000〜10,000、好ましくは3,000〜8,000、より好ましくは4,000〜6,000である。潤滑性付与剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w−)の部分の平均分子量が2,000未満であるとこの水溶性固体潤滑剤をクラッド材の片面あるいは両面に塗布して得られる孔明け加工用当て板が高湿度下でベタツキが生じてしまい、平均分子量が10,000を超えるとドリル発熱防止効果が不十分で、耐焼き付き性が低下してしまうからである。
【0019】
前記成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の水素イオン濃度は、それぞれpH4〜9、好ましくはpH6〜7.5である。成膜性樹脂(イ)のpHが4未満であると、クラッド材に腐蝕クレームを生じさせたり、pHが9を越えるとクラッド材の表面に塗布された水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の乾燥不良を引き起こすからである。また、潤滑性付与剤(ロ)のpHが4未満であると、成膜性樹脂(イ)との反応性の低下によってベタツキが残り、pHが9を越えると乾燥不良や潤滑膜の着色が生じるためであるからである。
【0020】
この水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率は、固形分換算の重量比で100:20〜200、好ましくは100:50〜160、より好ましくは100:90〜130である。成膜性樹脂(イ)100重量部に対する潤滑性付与剤(ロ)の割合が20重量部未満であると、ドリル発熱防止効果が不十分で、耐焼き付き性が低下してしまう。潤滑性付与剤(ロ)の割合が200重量部を越えると、高湿度下でベタツキが生じてしまうからである。また、一般式(I)または(II)で示される成膜性樹脂(イ)を構成する共重合体中における下記構造式(a−1)
【0021】
【化5】
Figure 0003693787
【0022】
で示される構造単位の含有量は、10〜20重量%、好ましくは13〜18重量%である。
【0023】
このような水溶性固体潤滑剤の製造方法としては、例えば、アクリロニトリル(a)、ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)、カルボキシル基を有する共役系単量体(c)、炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)を共重させて得られた共重合体(A)の酸基を有機アミン系化合物(e)で中和して前記一般式(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂(イ)を合成し、一方、ポリエチレングリコール(g)と有機二塩基性酸素酸(h)を反応させて得られたジエステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を有機アミン系化合物(f)で中和して前記一般式(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)を合成し、ついで合成した成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)を前述の範囲の重量比で混合することにより製造することができる。
【0024】
共重合体(A)の合成に用いられるヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどが用いられる。カルボキシル基を有する共役系単量体(c)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸などが用いられる。炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、アミルメタクリレート、アミルアクリレートなどが用いられる。
前記共重合体(A)の酸基を中和する有機アミン系化合物(e)としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びアンモニアなどが用いられる。
【0025】
前記共重合体(A)の合成に用いられる各単量体の使用比率(重量比)は、アクリロニトリル(a):ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b):カルボキシル基を有する共役系単量体(c):炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)=10〜20:5〜15:3〜15:55〜82である。アクリロニトリル(a)の使用比率が10未満であると、クラッド材との密着性が悪くなり、20を越えると成膜性樹脂(イ)自体のガラス転移温度(Tg)の値が上昇して水溶性固体潤滑剤からなる皮膜が硬くなって脆くなるからである。ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)の使用比率が5未満であると、クラッド材との密着性が悪くなったり、潤滑性付与剤(ロ)との相溶性が悪くなり、15を越えるとクラッド材に塗布された水溶性固体潤滑剤からなる皮膜にベタツキが残るためである。カルボキシル基を有する共役系単量体(c)の使用比率が3未満であると、潤滑性付与剤(ロ)との反応性が悪くなったり、クラッド材との密着性が悪くなり、15を越えると成膜性樹脂(イ)自体のTg値が上昇して脆い樹脂になるからである。炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)の使用比率が55未満であると、成膜性樹脂(イ)自体の樹脂的性能、即ち、成膜性が劣り、82を越えると密着性不良、反応性不良等が生じるからである。
【0026】
ジエステル二塩基性酸素酸(B)の合成に用いられるポリエチレングリコール(g)としては、例えば、平均分子量が2,000〜10,000のポリエチレングリコールが好適に用いられる。有機二塩基性酸素酸(h)としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などが用いられる。
ここで合成されるジエステル二塩基性酸素酸(B)は、下記一般式(IV)
【0027】
【化6】
Figure 0003693787
【0028】
で示されるものである。
ジエステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を中和する有機アミン系化合物(f)としては、例えば、アンモニア、又はトリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが用いられる。
共重合体(A)の酸基を有機アミン系化合物(e)で中和するとき、得られる成膜性樹脂(イ)の中和の程度が水素イオン濃度がpH4〜9になるまで行われる。また、前記ジエステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を有機アミン系化合物(f)で中和するとき得られる潤滑性付与剤(ロ)の中和の程度が水素イオン濃度がpH4〜9になるまで行われる。
【0029】
図1は、本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て板の第一の実施形態を示す断面図である。
この第一の実施形態のプリント配線板の孔明け加工用当て板(以下、孔明け加工用当て板と略記する。)は、アルミニウム合金芯材1の片面に純アルミニウム皮材2を被覆した複合アルミニウム箔から構成されるクラッド材3の皮材2の表面に、前述の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、該水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜4が設けられてなるものである。
【0030】
クラッド材3の芯材1をなす材料としては、後述する皮材2をなす材料より硬質な材料が用いられ、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつCuを0.05〜0.25重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるもののうちから選択されるいずれか一種のアルミニウム合金が好適に用いられる。
ここで用いられるアルミニウム合金の具体例としては、3003合金、3004合金などの3000系合金が挙げられる。
この芯材1の厚みは、50μm〜300μm、好ましくは80〜250μm、より好ましくは100〜180μmである。芯材1の厚みが、50μm未満であると、ハンドリング性が悪く、また、ドリルの位置決め性が劣化してしまう。また、300μmを越えて厚くすると、耐焼き付き性が低下し、経済的にも不利となる。
【0031】
クラッド材3の皮材2をなす材料としては、軟質な材料が用いられ、アルミニウムおよび不可避不純物からなる純アルミニウム系が好適に用いられ、具体例としては1000系合金が挙げられる。この皮材2の厚みは、5〜50μm、好ましくは20〜40μmである。皮材2の厚みが5μm未満であると、孔明け加工を行う際にドリルビットの位置ずれが起りやすく位置決め性が低下してしまう。また、50μmを越えて厚くすると耐焼き付き性が低下してしまう。
【0032】
前記皮膜4は、水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反応して成膜性樹脂(イ)の間に潤滑性付与剤(ロ)が架橋して網目構造のようになっているものである。
この皮膜4の厚みとしては、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜20μmである。皮膜4の厚みが1μm未満であると、耐焼き付き性が低下してしまう。また、100μmを超えると高湿度下で吸湿してベタツキが生じやすくなり、また、経済的にも不利となるからである。
皮材2の表面に皮膜4を形成する方法としては、例えば、前述の構成の水溶性固体潤滑剤をデッピング法、スプレー法、グラビアコート法、ロールコート法などの塗布方法により皮材2の表面に塗布し、60℃〜250℃、好ましくは100〜200℃で、3〜60秒、好ましくは10〜30秒焼き付けて乾燥させることにより形成することができる。
【0033】
第一の実施形態の孔明け加工用当て板にあっては、皮膜4が水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反応して成膜されたものであるので、ただ単に成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが混合されたものに比べて高温下でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿性も少ないため、孔明け加工する際にドリルビット先端に付く付着物がぼた落ちすることがなく、付着物のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷も防止することができる。また、皮膜4は膜質が良好であるため、テープ接着性が良好であり、この孔明け加工用当て板を積層体にテープ固定することができる。また、水溶性潤滑シートをアルミ箔からなる当て板に重ね合せる従来のものでは水溶性潤滑シートがカールして積層体上に配置する作業が困難であったが、この第一の実施形態の孔明け加工用当て板では、クラッド材3の皮材2の表面に、前述の水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、皮膜4を設けたものであるので、当て板が割れたりカールすることを防止でき、ハンドリング性が良好となり、積層体に配置する作業が容易である。
また、クラッド材3の皮材2が軟質な材料の純アルミニウムからなるものであるので、孔明け加工の際にドリルビットの食い付き性が良く、位置決め精度が良好で、ドリルビットの位置決め性が優れており、また、クッション性があるためドリルビットへのダメージが軽減され、ドリルビットの損傷も防止することができる。また、クラッド材3の芯材1が硬質な材料のアルミニウム合金からなるものであるので、ドリルビットの焼き付きが起り難く、ドリル発熱防止効果が良好である。
さらに、第一の実施形態の孔明け加工用当て板にあっては、削りカスの排出性が良好で、しかも安価であるという利点がある。
【0034】
図2は、本発明の孔明け加工用当て板の第二の実施形態を示すもので、図1に示した第一の実施形態の孔明け加工用当て板と異るところは、アルミニウム合金芯材1の両面に純アルミニウム皮材2を被覆したクラッド材3の各皮材2の表面にそれぞれ皮膜4が設けられた点ある。
この第二の実施形態の孔明け加工用当て板にあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の孔明け加工用当て板と略同様の作用効果がある。
【0035】
図3は、本発明のプリント配線板の孔明け加工法の実施形態の一例を示す説明図である。
この実施形態のプリント配線板の孔明け加工法は、絶縁体に金属箔が接着された積層体5に表裏導通用のドリル孔明けをNCドリル6を用いて行うに際して、前記積層体5を複数枚(図面では四枚)積層して積層物7とし、この積層物7の上面に上側当て板として前述の第一または第二の実施形態の孔明け加工用当て板10を配置し、積層物7の下面に下側当て板11を配置して行う方法である。
【0036】
ここで孔明け加工が施される積層体5としては、金属箔と電気絶縁体とが一体化された種々のプリント配線板用として使用される材料であり、金属箔張積層板、内層にプリント配線網を有する多層金属箔張積層板、金属箔張プラスチックフィルムなどが挙げられる。
下側当て板11としては、ベークライト板、紙フェノール積層板などが用いられ、あるいは前述の第一または第二の実施形態の孔明け加工用当て板を用いてもよい。
積層物7の上面に上側当て板を配置する際、上側当て板として第一の実施形態の孔明け加工用当て板10が用いられる場合、皮膜4側の面がドリルビット側となるように積層物7の上面に配置する。
【0037】
孔明け加工を行う際のNCドリル6の回転数は、ドリルビットが小口径の場合10万〜14万r.p.m.程度であり、送り速度は1500mm/分程度である。
積層体5に形成する孔12の孔径としては、特に限定されないが、孔径が0.35mm未満、特に0.25mm以下である場合に、本実施形態の孔明け加工用当て板10の効果を発揮することができる。
【0038】
この実施形態のプリント配線板の孔明け加工法にあっては、絶縁体に金属箔が接着された積層体5に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体5の片面あるいは両面に前述の第一又は第二の実施形態の孔明け加工用当て板10を配置して行うことにより、ドリルビットの食い付き性が良く、ドリルビットの位置ずれを防止できるので、ドリルビットの位置決め性が優れる。また、この実施形態の孔明け加工法に用いられる孔明け加工用当て板10は、高温下でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿性も少ないため、ドリルビット先端に付く付着物のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷も防止することができる。また、ドリル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好であるので、孔12の内壁(切削面)にスミヤ(焼き付き)の発生がなく、きれいな切削面が得られ、孔12の品質を向上させることができる。また、用いる孔明け加工用当て板10は、ハンドリング性が良好であるので積層体5に配置する作業が容易であり、また、この孔明け加工用当て板10の皮材2はクッション性があるので、NCドリル5が破損しにくく、ドリルビットの寿命が長くなるので、破損によるドリルの交換が殆どなくなり、従って孔明け加工時間の大幅な短縮が可能である。さらに、この実施形態の孔明け加工法で用いられる孔明け加工用当て板10は安価であるので、孔明け加工コストの低減が可能である。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を、実施例および比較例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実験例)
アクリロニトリル(a)は、アクリロニトリル(以下、ANと略記する。三井東圧化学株式会社製)を用い、ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)としてヒドロキシプロピルアクリレート(HOPAと略記する。ライトエステルHOP、共栄社化学株式会社製)及び/又は2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(以下、HEVEと略記する。三井東圧化学株式会社製)を用い、カルボキシル基を有する共役系単量体(c)としてクロトン酸(以下、CAと略記する。試薬一級、和光純薬株式会社製)、無水マレイン酸(以下、MAと略記する。武田薬品工業株式会社製)を用い、炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)としてエチルアクリレート(以下、EAと略記する。東亜合成化学工業株式会社製)及び/又はn−ブチルメタクリレート(以下、NBMAと略記する。ライトエステルNB、共栄社化学株式会社製)を用い、これらの単量体を下記表1〜表3に示す配合量で共重合させて共重合体を得、この共重合体の酸基を25%アンモニア水(試薬第一級、和光純薬株式会社製)とジエタノールアミン(三井東圧株式会社製)を用いて中和して成膜性樹脂(イ)を合成した。
ついで、ポリエチレングリコール(g)としてポリエチレングリコール(以下、PEGと略記する。)#2,000、#4,000、#6,000、#10,000(ライオン株式会社製)をそれぞれ用い、有機二塩基性酸素酸(h)としてコハク酸(以下SAと略記する。新日本理化株式会社製)、アジピン酸(以下、AJと略記する。旭化成工業株式会社製)、セバシン酸(以下、SEAと略記する。豊国製油株式会社製)を用いて、これらを下記表1〜表3に示す配合量で反応させて得られたジエステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を25%アンモニア水を用いて中和して潤滑性付与剤(ロ)を合成した。
さらに、合成した成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)を下記表1〜表3に示す割合で混合して水溶性固体潤滑剤(サンプルNo.1〜50)を調製した。また、表4〜表5に水溶性固体潤滑剤(サンプルNo.1〜50)の合成に用いた成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の特性値を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003693787
【0041】
【表2】
Figure 0003693787
【0042】
【表3】
Figure 0003693787
【0043】
【表4】
Figure 0003693787
【0044】
【表5】
Figure 0003693787
【0045】
表1〜表3中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率は、成膜性樹脂(イ)の固形分100重量部に対する潤滑性付与剤(ロ)の固形分の割合であり、また、表4〜表5中の分子量はポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w−)の部分の平均分子量である。
【0046】
アルミニウム合金芯材の厚みと純アルミニウム皮材の厚みを変更した種々のクラッド材を用い、これらクラッド材の皮材の表面に、それぞれ水溶性固体潤滑剤を異る塗布量でロールコート法により塗布、150℃、20秒焼き付けして皮膜を設けることにより、表6〜表9に示すような構造の孔明け加工用当て板(試験片No.1〜102)を作製した。ここでの芯材をなすアルミニウム合金としては、 3004合金を用い、皮材としては1050合金を用いた。
そして、厚さ1mmの銅箔張積層板の表裏導通用のドリル孔明けを下記条件にて行ったときのドリルビットの位置決め性、耐焼き付け性、孔明け加工用当て板のハンドリング性、高湿度下でのベタツキ、コストについて評価した。その結果を表6〜表9に合わせて示す。
【0047】
(孔明け加工条件)
ドリルビット 0.25mmφ
回転数 100,000r.p.m.
送り速度 15m/分
ヒット数 3000ヒット
(配置)ドリルビット側より
孔明け加工用当て板(皮膜側の面がドリルビット側)/銅箔張積層板3枚の積層物/厚さ1.5mのベークライト板
【0048】
【表6】
Figure 0003693787
【0049】
【表7】
Figure 0003693787
【0050】
【表8】
Figure 0003693787
【0051】
【表9】
Figure 0003693787
【0052】
上記表6〜表9中、ドリルビットの位置決め性の欄において○は、3枚重ねした積層板のうち一番下の積層板の穴位置の誤差について調査し、誤差距離の標準偏差が15μm未満であったものであり、×は誤差距離の標準偏差が15μm以上であったものである。また、耐焼き付け性の欄において○は、焼付の程度を5段階評価した時(1:焼付小、5:焼付多)に2以下のものであり、×は同様に3以上のものである。ハンドリング性の欄において○は、板のカールがなく、テープの接着が良好であり、×は板のカールが見られるものあるいはテープの接着が悪いものである。高湿度下での吸湿性の欄において、○は、40゜C、相対湿度80%の雰囲気に1時間放置したときの水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の重量増が10%未満のものであり、×は水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の重量増が10%以上のものである。
【0053】
(比較例)
ポリエチレンポリプロピレングリコールトリレンジイソシアネートコポリマー(三洋化成工業株式会社製 F−210)40重量%と、水溶性滑剤60重量%とを温度80〜120℃で混練(N2ガス中)でした後、押し出し機にて厚みの異なる水溶性滑剤シート(比較例1〜21)を作製した。作製した水溶性滑剤シート(比較例1〜21)の成分と、厚みを表10〜表12に示す。
そして、厚さ1mmの銅箔張積層板の表裏導通用のドリル孔明けを下記条件にて行ったときのドリルビットの位置決め性、耐焼き付け性、孔明け加工用当て板のハンドリング性、高湿度下でのベタツキ、コストについて前記試験例と同様にして評価した。その結果を表10〜表12に合わせて示す。
【0054】
(孔明け加工条件)
ドリルビット 0.25mmφ
回転数 100,000r.p.m.
送り速度 15m/分
ヒット数 3000ヒット
(配置)ドリルビット側より
水溶性滑剤シート/150μmのアルミニウム箔/銅箔張積層板3枚の積層物/厚さ1.5mmのベークライト板
【0055】
【表10】
Figure 0003693787
【0056】
【表11】
Figure 0003693787
【0057】
【表12】
Figure 0003693787
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て板にあっては、特に、皮膜が水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反応して成膜されたものであるので、ただ単に成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが混合されたものに比べて高温下でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿性も少ないため、孔明け加工する際にドリルビット先端に付く付着物がぼた落ちすることがなく、付着物のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷も防止することができる。また、皮膜は膜質が良好であるため、テープ接着性が良好であり、この孔明け加工用当て板を積層体にテープ固定することができる。また、水溶性潤滑シートをアルミ箔からなる当て板に重ね合せる従来のものでは、水溶性潤滑シートがカールして積層体上に配置する作業が困難であったが、本発明の孔明け加工用当て板では、アルミニウム合金芯材の片面あるいは両面に純アルミニウム皮材を被覆してなるクラッド材の少なくとも一方の皮材の表面に、前述の水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、皮膜を設けたものであるので、当て板が割れたりカールすることを防止でき、ハンドリング性が良好となり、積層体に配置する作業が容易である。
【0059】
また、クラッド材の皮材が軟質な材料の純アルミニウムからなるものであるので、孔明け加工の際にドリルビットの食い付き性が良く、位置決め精度が良好で、ドリルビットの位置決め性が優れており、また、クッション性があるためドリルビットへのダメージが軽減され、ドリルビットの損傷も防止することができる。また、クラッド材の芯材が硬質な材料のアルミニウム合金からなるものであるので、ドリルビットの焼き付きが起り難く、ドリル発熱防止効果が良好である。さらに、本発明の孔明け加工用当て板にあっては、削りカスの排出性が良好で、しかも安価であるという利点がある。
【0060】
また、本発明のプリント配線板の孔明け加工法にあっては、絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるいは両面に本発明の孔明け加工用当て板を配置して行うことにより、ドリルビットの食い付き性が良く、ドリルビットの位置ずれを防止できるので、ドリルビットの位置決め性が優れる。また、本発明の孔明け加工法に用いられる孔明け加工用当て板は、高温下でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿性も少ないため、ドリルビット先端に付く付着物のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷も防止することができる。また、ドリル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好であるので、形成される孔の内壁(切削面)にスミヤ(焼き付き)の発生がなく、きれいな切削面が得られ、孔の品質を向上させることができる。また、用いる孔明け加工用当て板は、ハンドリング性が良好であるので積層体に配置する作業が容易であり、また、この孔明け加工用当て板の皮材はクッション性があるので、ドリルが破損しにくく、ドリルビットの寿命が長くなるので、破損によるドリルの交換が殆どなくなり、従って孔明け加工時間の大幅な短縮が可能である。さらに、本発明の孔明け加工法で用いられる孔明け加工用当て板は安価であるので、孔明け加工コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て板の第一の実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て板の第二の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のプリント配線板の孔明け加工法の実施形態の一例を示す説明図である。
【図4】 水溶性滑剤シートを用いる従来のプリント配線板の孔明け加工法の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・アルミニウム合金芯材、2・・・純アルミニウム皮材、3・・・クラッド材、
4・・・皮膜、5・・・積層体、6・・・NCドリル、10・・・孔明け加工用当て板、
12・・・孔。

Claims (9)

  1. アルミニウム合金芯材の片面あるいは両面にアルミニウムおよび不可避不純物からなる純アルミニウム皮材を被覆した複合アルミニウム箔から構成されるクラッド材の少なくとも一方の皮材の表面に、下記一般式(I)又は(II)
    Figure 0003693787
    で示される繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂(イ)と下記一般式(III)
    Figure 0003693787
    で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有するプリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、該水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜が設けられてなることを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  2. 前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)の平均分子量が200,000〜2,000,000であることを特徴とする請求項1記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  3. 前記水溶性固体潤滑剤中の潤滑性付与剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w−)の部分の平均分子量が2,000〜10,000であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  4. 前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率が、固形分換算の重量比で100:20〜200であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  5. 前記水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の水素イオン濃度がそれぞれpH4〜9であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  6. 前記クラッド材の芯材が、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるものと、Mnを0.3〜1.5重量%含有し、かつMgを0.1〜1.3重量%含有し、かつCuを0.05〜0.25重量%含有し、かつ残りがアルミニウムおよび不可避不純物からなるもののうちから選択されるいずれか一種のアルミニウム合金からなるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  7. 前記プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の厚みが1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  8. 前記クラッド材の芯材の厚みが50〜300μmであり、かつ皮材の厚みが5〜50μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  9. 絶縁体に金属箔が接着された積層体に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるいは両面に請求項1〜8のいずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板を配置して行うことを特徴とするプリント配線板の孔明け加工法。
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