JPH10330777A - プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤、プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法 - Google Patents

プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤、プリント配線板の孔明け加工用当て板及びプリント配線板の孔明け加工法

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JPH10330777A
JPH10330777A JP14278897A JP14278897A JPH10330777A JP H10330777 A JPH10330777 A JP H10330777A JP 14278897 A JP14278897 A JP 14278897A JP 14278897 A JP14278897 A JP 14278897A JP H10330777 A JPH10330777 A JP H10330777A
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water
film
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solid lubricant
wiring board
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JP14278897A
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Masashi Kato
正志 加藤
Tsuyoshi Katsumata
堅 勝又
Chihiro Masago
千弘 眞砂
Tomoko Tsujikawa
智子 辻川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoeisha Chemical Co Ltd
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Kyoeisha Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ト゛リルヒ゛ットの位置決め性、ト゛リル発熱防止効果及
び削りカスの排出性が良好なうえ、耐熱性及び耐湿性とテー
フ゜接着性が良好で、ヘ゛タツキがなく、ハント゛リンク゛性が良好
で、積層体に配置する作業が容易で、安価であるという
特性を備えた孔明け加工用当て板とこれに用いる水溶性
固体潤滑剤の製造方法の提供。 【解決手段】 アルミニウム合金単板2の片面あるいは
両面に、プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑
剤を塗布、焼き付けて、該水溶性固体潤滑剤中の一般式
(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有する共重
合体からなる成膜性樹脂(イ)と一般式(III)で示さ
れる潤滑性付与剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜3
が設けられてなるプリント配線板の孔明け加工用当て
板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁体に金属箔が
接着された積層体に表裏導通用の孔明け加工を施す際に
好適に用いられるプリント配線板の孔明け加工用水溶性
固体潤滑剤、プリント配線板の孔明け加工用当て板及び
プリント配線板の孔明け加工法に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁体に金属箔が接着された積層体に表
裏導通用のドリル孔明け加工を積層体の片面あるいは両
面に水溶性滑剤を配置して行う方法がUSP−4,78
1,495及びUSP−4,929,370に開示され
ており、これらの方法においては固形の水溶性滑剤とし
てジエチレングリコールやジプロピレングリコールなど
のグリコール類と脂肪酸などの合成ワックス、非イオン
系界面活性剤との混合物を紙などの多孔質シートに含浸
したシートが用いられている。ところで、孔明け加工に
用いられるシートに要求される性能としては、ドリルビ
ットの位置決め性が良好であること、ドリルビットが破
損しにくく、削りカスの排出性が良好で、プリント配線
板の孔明け部内壁(切削面)にスミヤ(焼き付き)の発
生がなく、切削面がきれいであることである。しかしな
がら、前述の孔明け加工法においては、積層体に形成す
る孔径が0.35mm未満、特に0.25mm以下程度
と小さくなると、ドリル発熱防止効果が不十分でプリン
ト配線板の孔明け部内壁にスミヤが発生したり、あるい
はドリルビットが折れたり、さらに前記混合物の多孔質
シートへの含浸性が劣ったり、ベタツキがあるなどとい
う問題があった。
【0003】また、特定の水溶性滑剤を配置してドリル
孔明けをする方法が、特開平4−92488、同4−9
2489、同4−92490、同4−92491、同4
−92492、同4−92493号公報に開示されてお
り、これらの方法では水溶性滑剤として分子量600〜
9,000のポリエチレングリコール、ポリオキシエチ
レンのモノエーテル、ポリオキシエチレンのエステル、
ポリオキシエチレンソルビタンのモノエステル、ポリオ
キシエチレンプロピレンブロックポリマーが用いられ
る。ところがこれらの方法においては、改良されたもの
のドリル発熱防止効果において不満があった。また、特
開平4−92494号公報には、水溶性滑剤シートとし
て分子量10,000以上のポリエチレングリコール2
0〜90重量%と水溶性滑剤80〜10重量%との混合
物から形成したものを用いる方法が開示されている。と
ころがこの方法においては、ドリル発熱防止効果は改善
されたものの、シートが割れ易く、ハンドリング性が悪
いという問題があった。
【0004】そこで、前述のような問題を解決する手段
として、特開平8−197496号公報に水溶性滑剤シ
ートとしてポリエチレンポリプロピレングリコールトリ
レンジイソシアネートコポリマー20〜90重量%と水
溶性滑剤80〜10重量%との混合物から形成したもの
を用いる方法が開示されており、この方法では水溶性滑
剤として分子量600〜9,000のポリエチレングリ
コール、ポリオキシエチレンのモノエーテル、ポリオキ
シエチレンのエステル、ポリオキシエチレンソルビタン
のモノエステル、ポリグリセリンモノステアレート及び
ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーからな
る群れから選択された1種あるいは2種以上のものが用
いられる。そして、このような構成の水溶性滑剤シート
を用いて銅張積層板に孔明け加工をする場合、例えば、
図4に示すように積層された複数枚の銅張積層板51
を、上面に水溶性滑剤シート55が重ねられたアルミ箔
からなる当て板52と、紙フェノールからなる捨て板5
3とで挾んで積層し、さらにこの当て板52の上面に水
溶性滑剤シート55を張り合わせ、この積層状態でNC
ドリル56で孔明けを行っていた。
【0005】しかしながらこの方法においては、当て板
52に重ね合した水溶性滑剤シート55がカールしてし
まうため、銅張積層板51上に配置する作業がし難いう
え、また、水溶性滑剤シート55を当て板52に重ね合
わせた後にビニールテープにより固定する際、テープ接
着性が悪いため、テープ固定が困難であった。また、孔
明け加工を繰り返すとドリルビット先端に、水溶性滑
剤、アルミニウム、銅、ガラス繊維などが付着してドリ
ルビット移動中に積層物上にぼた落ちしたりあるいは周
りに飛び散ってしまうことがあり、さらに、ドリルビッ
ト先端に付着した付着物がぼた落ちした箇所にドリリン
グにいくと、ドリルビットが曲ってしまうことがあっ
た。また、この水溶性滑剤シート55は耐熱性および耐
湿性が劣るため雰囲気温度30℃以下で保管しなければ
ならず、また、一旦吸湿してしまうと表面のベタツキが
強くなり、テープの接着性が悪くなり、また、前述のよ
うな付着物のぼた落ちも起りやすくなるという欠点があ
った。さらに、この水溶性滑剤シート55は、高価であ
るため、孔明け加工コストがかかってしまうという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、ドリルビットの位置決め性、ド
リル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好なう
え、耐熱性及び耐湿性とテープ接着性が良好であり、ベ
タツキがなく、ハンドリング性が良好で、積層体に配置
する作業が容易で、しかも安価なプリント配線板の孔明
け加工用当て板とこれを用いたプリント配線板の孔明け
加工法の提供と、このような特性を備えたプリント配線
板の孔明け加工用当て板に用いる水溶性固体潤滑剤とそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
下記一般式(I)又は(II)
【0008】
【化3】
【0009】で示される繰り返し単位を有する共重合体
からなる成膜性樹脂(イ)と、下記一般式(III)
【0010】
【化4】
【0011】で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有す
ることを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用水溶
性固体潤滑剤を前記課題の解決手段とした。
【0012】請求項2記載の発明は、前記成膜性樹脂
(イ)の平均分子量が200,000〜2,000,0
00であることを特徴とする請求項1記載のプリント配
線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を前記課題の解決
手段とした。請求項3記載の発明は、前記潤滑性付与剤
(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)w
−)の部分の平均分子量が2,000〜10,000で
あることを特徴とする請求項1又は2記載のプリント配
線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を前記課題の解決
手段とした。
【0013】請求項4記載の発明は、成膜性樹脂(イ)
と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率が、固形分換算の重量
比で100:20〜200であることを特徴とする請求
項1、2又は3記載のプリント配線板の孔明け加工用水
溶性固体潤滑剤を前記課題の解決手段とした。請求項5
記載の発明は、前記成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤
(ロ)の水素イオン濃度がそれぞれpH4〜9であるこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリン
ト配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を前記課題の
解決手段とした。
【0014】請求項6記載の発明は、アクリロニトリル
(a)、ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役
系単量体(b)、カルボキシル基を有する共役系単量体
(c)、炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のア
ルキル基を有する共役系単量体(d)を共重合させて得
られた共重合体(A)の酸基を有機アミン系化合物
(e)で中和して前記一般式(I)又は(II)で示され
る繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂
(イ)を合成する工程と、ポリエチレングリコール
(g)と有機二塩基性酸素酸(h)を反応させて得られ
たジエステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を有機アミン
系化合物(f)で中和して前記一般式(III)で示され
る潤滑性付与剤(ロ)を合成する工程と、合成した成膜
性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)を混合する工程を備
えることを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用水
溶性固体潤滑剤の製造方法を前記課題の解決手段とし
た。
【0015】請求項7記載の発明は、アクリロニトリル
(a)と、ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共
役系単量体(b)と、カルボキシル基を有する共役系単
量体(c)と、炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側
鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)の使用比率
が、重量比で10〜20:5〜15:3〜15:55〜
82であることを特徴とする請求項6記載のプリント配
線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤の製造方法を前記
課題の解決手段とした。請求項8記載の発明は、アルミ
ニウム合金単板の片面あるいは両面に、請求項1〜5の
いずれかに記載のプリント配線板の孔明け加工用水溶性
固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、該水溶性固体潤滑剤中
の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とを反応させ
て成膜した皮膜が設けられてなることを特徴とするプリ
ント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解決手段
とした。
【0016】請求項9記載の発明は、前記プリント配線
板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤からなる皮膜の厚み
が1〜100μmであることを特徴とする請求項8記載
のプリント配線板の孔明け加工用当て板を前記課題の解
決手段とした。請求項10記載の発明は、前記アルミニ
ウム合金単板の厚みが、80μm〜300μmであるこ
とを特徴とする請求項8又9記載のプリント配線板の孔
明け加工用当て板を前記課題の解決手段とした。請求項
11記載の発明は、絶縁体に金属箔が接着された積層体
に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるい
は両面に請求項8、9又は10記載のプリント配線板の
孔明け加工用当て板を配置して行うことを特徴とするプ
リント配線板の孔明け加工法を前記課題の解決手段とし
た。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て詳しく説明する。本発明のプリント配線板の孔明け加
工用水溶性固体潤滑剤(以下、水溶性固体潤滑剤と略記
する。)は、前記一般式(I)又は(II)で示される繰
り返し単位を有する共重合体からなる成膜性樹脂(イ)
と、前記一般式(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)
とを含有するものである。
【0018】前記成膜性樹脂(イ)の平均分子量として
は、200,000〜2,000,000、好ましくは
500,000〜1,800,000、より好ましくは
800,000〜1,400,000である。成膜性樹
脂(イ)の平均分子量が200,000未満であるとこ
の水溶性固体潤滑剤をアルミニウム合金単板の片面ある
いは両面に塗布して得られる孔明け加工用当て板が高湿
度下でベタツキが生じてしまい、平均分子量が2,00
0,000を越えるとドリル発熱防止効果が不十分で、
耐焼き付き性が低下してしまうからである。前記潤滑性
付与剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2
O)w−)の部分の平均分子量としては2,000〜1
0,000、好ましくは3,000〜8,000、より
好ましくは4,000〜6,000である。潤滑性付与
剤(ロ)のポリオキシエチレン基(−(CH2CH2O)
w−)の部分の平均分子量が2,000未満であるとこ
の水溶性固体潤滑剤をアルミニウム合金単板の片面ある
いは両面に塗布して得られる孔明け加工用当て板が高湿
度下でベタツキが生じてしまい、平均分子量が10,0
00を越えるとドリル発熱防止効果が不十分で、耐焼き
付き性が低下してしまうからである。
【0019】前記成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤
(ロ)の水素イオン濃度がそれぞれpH4〜9、好まし
くはpH6〜7.5である。成膜性樹脂(イ)のpHが
4未満であるとアルミニウム合金単板に腐蝕クレームを
生じさせることがあり、pHが9を越えるとアルミニウ
ム合金単板の表面に塗布された水溶性固体潤滑剤からな
る膜(潤滑膜)の乾燥不良を引き起こすからである。ま
た、潤滑性付与剤(ロ)のpHが4未満であると、成膜
性樹脂(イ)との反応性の低下によってベタツキが残
り、pHが9を越えると乾燥不良や潤滑膜の着色が生じ
てしまうからである。
【0020】この水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂
(イ)と潤滑性付与剤(ロ)の配合比率は、固形分換算
の重量比で100:20〜200、好ましくは100:
50〜160、より好ましくは100:90〜130で
ある。成膜性樹脂(イ)100重量部に対する潤滑性付
与剤(ロ)の割合が20重量部未満であると、ドリル発
熱防止効果が不十分で、耐焼き付き性が低下してしま
う。潤滑性付与剤(ロ)の割合が200重量部を越える
と、高湿度下でベタツキが生じてしまうからである。ま
た、一般式(I)または(II)で示される成膜性樹脂
(イ)を構成する共重合体中における下記構造式(a−
1)
【0021】
【化5】
【0022】で示される構造単位の含有量は、10〜2
0重量%、好ましくは13〜18重量%である。
【0023】このような水溶性固体潤滑剤の製造方法と
しては、例えば、アクリロニトリル(a)、ヒドロキシ
基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)、カ
ルボキシル基を有する共役系単量体(c)、炭素数1〜
6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共
役系単量体(d)を共重させて得られた共重合体(A)
の酸基を有機アミン系化合物(e)で中和して前記一般
式(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有する共
重合体からなる成膜性樹脂(イ)を合成し、一方、ポリ
エチレングリコール(g)と有機二塩基性酸素酸(h)
を反応させて得られたジエステル二塩基性酸素酸(B)
の酸基を有機アミン系化合物(f)で中和して前記一般
式(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)を合成し、つ
いで合成した成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)を
前述の範囲の重量比で混合することにより製造すること
ができる。
【0024】共重合体(A)の合成に用いられるヒドロ
キシ基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)
としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルなどが用いら
れる。カルボキシル基を有する共役系単量体(c)とし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、イタコン酸などが用いられる。炭素数
1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有す
る共役系単量体(d)としては、例えば、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、n−ブチルアクリレート、アミルメタクリレー
ト、アミルアクリレートなどが用いられる。前記共重合
体(A)の酸基を中和する有機アミン系化合物(e)と
しては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノール
アミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン、及びアンモニアなどが用いられる。
【0025】前記共重合体(A)の合成に用いられる各
単量体の使用比率(重量比)は、アクリロニトリル
(a):ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役
系単量体(b):カルボキシル基を有する共役系単量体
(c):炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のア
ルキル基を有する共役系単量体(d)=10〜20:5
〜15:3〜15:55〜82である。アクリロニトリ
ル(a)の使用比率が10未満であるとアルミニウム合
金板との密着性が悪くなり、20を越えると成膜性樹脂
(イ)自体のガラス転移温度(Tg)の値が上昇して潤
滑皮膜が硬くなって脆くなるからである。ヒドロキシ基
を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)の使用
比率が5未満であると、アルミニウム合金単板との密着
性が悪くなったり、潤滑性付与剤(ロ)との相溶性が悪
くなり、15を越えるとアルミニウム合金単板に塗布さ
れた潤滑膜にベタツキが残るためである。カルボキシル
基を有する共役系単量体(c)の使用比率が3未満であ
ると、潤滑性付与剤(ロ)との反応性が悪くなったり、
アルミニウム合金単板との密着性が悪くなり、15を越
えると成膜性樹脂(イ)自体のTg値が上昇して脆い樹
脂になるからである。炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/
又は側鎖のアルキル基を有する共役系単量体(d)の使
用比率が55未満であると、成膜性樹脂(イ)自体の樹
脂的性能、即ち、成膜性が劣り、82を越えると密着性
不良、反応性不良等が生じるからである。
【0026】ジエステル二塩基性酸素酸(B)の合成に
用いられるポリエチレングリコール(g)としては、例
えば、平均分子量が2,000〜10,000のポリエ
チレングリコールが好適に用いられる。有機二塩基性酸
素酸(h)としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、セバシン酸などが用いられる。ここで合成
されるジエステル二塩基性酸素酸(B)は、下記一般式
(IV)
【0027】
【化6】
【0028】で示されるものである。ジエステル二塩基
性酸素酸(B)の酸基を中和する有機アミン系化合物
(f)としては、例えば、アンモニア、又はトリエチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミンなどが用いられる。共重合体
(A)の酸基を有機アミン系化合物(e)で中和すると
き、得られる成膜性樹脂(イ)の中和の程度が水素イオ
ン濃度がpH4〜9になるまで行われる。また、前記ジ
エステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を有機アミン系化
合物(f)で中和するとき得られる潤滑性付与剤(ロ)
の中和の程度が水素イオン濃度がpH4〜9になるまで
行われる。
【0029】つぎに、本発明のプリント配線板の孔明け
加工用当て板の一実施形態について説明する。図1は、
本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て板の第一の
実施形態を示す断面図である。この第一の実施形態のプ
リント配線板の孔明け加工用当て板(以下、孔明け加工
用当て板と略記する。)は、アルミニウム合金単板2の
片面に、前述の水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、
該水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与
剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜3が設けられてな
るものである。
【0030】ここで用いられるアルミニウム合金単板2
としては、純アルミ系のA/N30、Al−Mn系の3
000系合金の3003合金、3004合金、Al−M
g系の5005合金、5052合金などが好適に用いら
れる。このアルミニウム合金単板2の厚みは、50μm
〜300μm、好ましくは80〜250μm、より好ま
しくは150〜200μmである。アルミニウム合金単
板2の厚みが、50μm未満であると、ハンドリング性
が悪く、また、ドリルの位置決め性が劣化してしまう。
また、300μmを越えて厚くしても、耐焼き付き性が
低下し、また、経済的にも不利となる。
【0031】前記皮膜3は、水溶性固体潤滑剤中の成膜
性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反応して成膜性
樹脂(イ)間に潤滑性が付与剤(ロ)が架橋して網目構
造のようになっているものである。この皮膜3の厚みと
しては、1〜100μm、好ましくは5〜50μm、よ
り好ましくは10〜20μmである。皮膜3の厚みが1
μm未満であると、耐焼き付き性が低下してしまう。ま
た、100μmを超えると高湿度下で吸湿してベタツキ
が生じやすくなり、また、経済的にも不利となるからで
ある。
【0032】アルミニウム合金単板2の片面に皮膜3を
形成する方法としては、例えば、前述の構成の水溶性固
体潤滑剤をデッピング法、スプレー法、グラビアコート
法、ロールコート法などの塗布方法によりアルミニウム
合金単板2の片面に塗布し、60℃〜250℃、好まし
くは100〜200℃で、3〜60秒、好ましくは10
〜30秒焼き付けて乾燥させることにより形成すること
ができる。
【0033】第一の実施形態の孔明け加工用当て板にあ
っては、皮膜3が水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂
(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反応して成膜されたも
のであるので、ただ単に成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与
剤(ロ)とが混合されているものに比べて高温下でも表
面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿
性も少ないため、孔明け加工する際にドリルビット先端
に付く付着物がぼた落ちすることがなく、付着物のぼた
落ちに起因するドリルビットの損傷も防止することがで
きる。また、皮膜3は膜質が良好であるため、テープ接
着性が良好であり、この孔明け加工用当て板を積層体に
テープ固定することができる。また、水溶性潤滑シート
をアルミ箔からなる当て板に重ね合せる従来のものでは
水溶性潤滑シートがカールして積層体上に配置する作業
が困難であったが、この第一の実施形態の孔明け加工用
当て板では、アルミニウム合金単板2の片面に、前述の
水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、皮膜3を設けた
ものであるので、当て板が割れたりカールすることを防
止でき、ハンドリング性が良好となり、積層体に配置す
る作業が容易である。さらに、この第一の実施形態の孔
明け加工用当て板にあっては、ドリルビットの位置決め
性、ドリル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好
で、しかも安価であるという利点がある。
【0034】図2は、本発明の孔明け加工用当て板の第
二の実施形態を示すもので、図1に示した第一の実施形
態の孔明け加工用当て板と異るところは、アルミニウム
合金単板2の両面にそれぞれ皮膜3が設けられた点あ
る。この第二の実施形態の孔明け加工用当て板にあって
は、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の孔
明け加工用当て板と略同様の作用効果がある。
【0035】図3は、本発明のプリント配線板の孔明け
加工法の実施形態の一例を示す説明図である。この実施
形態のプリント配線板の孔明け加工法は、絶縁体に金属
箔が接着された積層体5に表裏導通用のドリル孔明けを
NCドリル6を用いて行うに際して、前記積層体5を複
数枚(図面では四枚)積層して積層物7とし、この積層
物7の上面に上側当て板として前述の第一または第二の
実施形態の孔明け加工用当て板10を配置し、積層物7
の下面に下側当て板11を配置して行う方法である。
【0036】ここで孔明け加工が施される積層体5とし
ては、金属箔と電気絶縁体とが一体化された種々のプリ
ント配線板用として使用される材料であり、金属箔張積
層板、内層にプリント配線網を有する多層金属箔張積層
板、金属箔張プラスチックフィルムなどが挙げられる。
下側当て板11としては、ベークライト板、紙フェノー
ル積層板などが用いられ、あるいは第一または第二の実
施形態の孔明け加工用当て板を用いてもよい。積層物7
の上面に上側当て板を配置する際、上側当て板として第
一の実施形態の孔明け加工用当て板10が用いられる場
合、皮膜3側の面がドリルビット側となるように積層物
7の上面に配置する。
【0037】孔明け加工を行う際のNCドリル6の回転
数は、ドリルビットが小口径の場合10万〜14万r.
p.m.程度であり、送り速度は1500mm/分程度
である。積層体5に形成する孔12の孔径としては、特
に限定されないが、孔径が0.35mm未満、特に0.
25mm以下である場合に、本実施形態の孔明け加工用
当て板10の効果を発揮することができる。
【0038】この実施形態のプリント配線板の孔明け加
工法にあっては、絶縁体に金属箔が接着された積層体5
に表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体5の片面ある
いは両面に第一又は第二の実施形態の孔明け加工用当て
板10を配置して行うことにより、ドリルビットの位置
ずれを防止できるのでドリルビットの位置決め性が良好
である。また、この実施形態の孔明け加工法に用いられ
る孔明け加工用当て板10は、高温下でも表面のベタツ
キが殆どなく、しかも高湿度下における吸湿性も少ない
ため、ドリルビット先端に付く付着物のぼた落ちに起因
するドリルビットの損傷も防止することができる。ま
た、ドリル発熱防止効果および削りカスの排出性が良好
であるので、孔12の内壁(切削面)にスミヤ(焼き付
き)の発生がなく、きれいな切削面が得られる。また、
用いる孔明け加工用当て板10はハンドリング性が良好
であるので、積層体5に配置する作業が容易となり、ま
た、NCドリル5が破損しにくいので、破損によるドリ
ルの交換が殆どなくなり、孔明け加工時間の短縮が可能
である。さらに、この実施形態の孔明け加工法で用いら
れる孔明け加工用当て板10は安価であるので、孔明け
加工コストの低減が可能である。
【0039】
【実施例】以下、本発明を、実施例および比較例によ
り、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。 (実験例)アクリロニトリル(a)は、アクリロニトリ
ル(以下、ANと略記する。三井東圧化学株式会社製)
を用い、ヒドロキシ基を有する共役系及び/又は非共役
系単量体(b)としてヒドロキシプロピルアクリレート
(HOPAと略記する。ライトエステルHOP、共栄社
化学株式会社製)及び/又は2−ヒドロキシエチルビニ
ルエーテル(以下、HEVEと略記する。三井東圧化学
株式会社製)を用い、カルボキシル基を有する共役系単
量体(c)としてクロトン酸(以下、CAと略記する。
試薬一級、和光純薬株式会社製)、無水マレイン酸(以
下、MAと略記する。武田薬品工業株式会社製)を用
い、炭素数1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキ
ル基を有する共役系単量体(d)としてエチルアクリレ
ート(以下、EAと略記する。東亜合成化学工業株式会
社製)及び/又はn−ブチルメタクリレート(以下、N
BMAと略記する。ライトエステルNB、共栄社化学株
式会社製)を用い、これらの単量体を下記表1〜表3に
示す配合量で共重合させて共重合体を得、この共重合体
の酸基を25%アンモニア水(試薬第一級、和光純薬株
式会社製)とジエタノールアミン(三井東圧株式会社
製)を用いて中和して成膜性樹脂(イ)を合成した。つ
いで、ポリエチレングリコール(g)としてポリエチレ
ングリコール(以下、PEGと略記する。)#2,00
0、#4,000、#6,000、#10,000(ラ
イオン株式会社製)をそれぞれ用い、有機二塩基性酸素
酸(h)としてコハク酸(以下SAと略記する。新日本
理化株式会社製)、アジピン酸(以下、AJと略記す
る。旭化成工業株式会社製)、セバシン酸(以下、SE
Aと略記する。豊国製油株式会社製)を用いて、これら
を下記表1〜表3に示す配合量で反応させて得られたジ
エステル二塩基性酸素酸(B)の酸基を25%アンモニ
ア水を用いて中和して潤滑性付与剤(ロ)を合成した。
さらに、合成した成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤
(ロ)を下記表1〜表3に示す割合で混合して水溶性固
体潤滑剤(サンプルNo.1〜50)を調製した。ま
た、表4〜表5に水溶性固体潤滑剤(サンプルNo.1
〜50)の合成に用いた成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与
剤(ロ)の特性値を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】表1〜表3中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性
付与剤(ロ)の配合比率は、成膜性樹脂(イ)の固形分1
00重量部に対する潤滑性付与剤(ロ)の固形分の割合
であり、また、表4〜表5中の分子量はポリオキシエチ
レン基(−(CH2CH2O) w−)の部分の平均分子量
である。
【0046】厚みの異る純アルミニウム系合金単板を用
い、これらアルミニウム合金単板の片面に、それぞれ水
溶性固体潤滑剤を異る塗布量でロールコート法により塗
布、150℃、20秒焼き付けして皮膜を設けることに
より、表6〜表9に示すような構造の孔明け加工用当て
板(試験片No.1〜102)を作製した。そして、厚
さ1mmの銅箔張積層板の表裏導通用のドリル孔明けを
下記条件にて行ったときのドリルビットの位置決め性、
耐焼き付け性、孔明け加工用当て板のハンドリング性、
高湿度下でのベタツキ、コストについて評価した。その
結果を表6〜表9に合わせて示す。
【0047】(孔明け加工条件) ドリルビット 0.25mmφ 回転数 100,000r.p.m. 送り速度 15m/分 ヒット数 3000ヒット (配置)ドリルビット側より 孔明け加工用当て板(皮膜側の面がドリルビット側)/
銅箔張積層板3枚の積層物/厚さ1.5mmのベークラ
イト板
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】上記表6〜表9中、ドリルビットの位置決
め性の欄において○は、3枚重ねした積層板のうち一番
下の積層板の穴位置の誤差について調査し、誤差距離の
標準偏差が15μm未満であったものであり、×は誤差
距離の標準偏差が15μm以上であったものである。ま
た、耐焼き付け性の欄において○は、焼付の程度を5段
階評価した時(1:焼付小、5:焼付多)に2以下のも
のであり、×は同様に3以上のものである。ハンドリン
グ性の欄において○は、板のカールがなく、テープの接
着が良好であり、×は板のカールが見られるものあるい
はテープの接着が悪いものである。高湿度下での吸湿性
の欄において、○は、40゜C、相対湿度80%の雰囲
気に1時間放置したときの水溶性固体潤滑剤からなる皮
膜の重量増が10%未満のものであり、×は水溶性固体
潤滑剤からなる皮膜の重量増が10%以上のものであ
る。
【0053】(比較例)ポリエチレンポリプロピレング
リコールトリレンジイソシアネートコポリマー(三洋化
成工業株式会社製 F−210)40重量%と、水溶性
滑剤60重量%とを温度80〜120℃で混練(N2
ス中)した後、押し出し機にて厚みの異なる水溶性滑剤
シート(比較例1〜21)を作製した。作製した水溶性
滑剤シート(比較例1〜21)の成分と、厚みを表10
〜表12に示す。そして、厚さ1mmの銅箔張積層板の
表裏導通用のドリル孔明けを下記条件にて行ったときの
ドリルビットの位置決め性、耐焼き付け性、孔明け加工
用当て板のハンドリング性、高湿度下でのベタツキにつ
いて上記実験例と同様にして評価した。その結果を表1
0〜表12に合わせて示す。
【0054】(孔明け加工条件) ドリルビット 0.25mmφ 回転数 100,000r.p.m. 送り速度 15m/分 ヒット数 3000ヒット (配置)ドリルビット側より 水溶性滑剤シート/150μmのアルミニウム箔/銅箔
張積層板3枚の積層物/厚さ1.5mmのベークライト
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明のプリント配
線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤にあっては、前記
一般式(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有す
る共重合体からなる成膜性樹脂(イ)と、下記一般式
(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有するも
のであるので、本発明のプリント配線板の孔明け加工用
当て板の皮膜形成用材料として好適に用いられる。
【0059】また、本発明のプリント配線板の孔明け加
工用当て板にあっては、特に、皮膜が前記水溶性固体潤
滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが反
応して成膜されたものであるので、ただ単に成膜性樹脂
(イ)と潤滑性付与剤(ロ)とが混合されているものに
比べて高温下でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高
湿度下における吸湿性も少ないため、孔明け加工する際
にドリルビット先端に付く付着物がぼた落ちすることが
なく、付着物のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷
も防止することができる。また、前記皮膜は膜質が良好
であるため、テープ接着性が良好であるので、この孔明
け加工用当て板を積層体にテープ固定することができ
る。また、水溶性潤滑シートをアルミ箔からなる当て板
に重ね合せる従来のものでは水溶性潤滑シートがカール
して積層体上に配置する作業が困難であったが、本発明
の孔明け加工用当て板では、アルミニウム合金単板の片
面又は両面に、前述のような構成の本発明の水溶性固体
潤滑剤を塗布、焼き付けて、皮膜を設けたものであるの
で、当て板が割れたりカールすることを防止でき、ハン
ドリング性が良好となり、積層体に配置する作業が容易
である。さらに、本発明の孔明け加工用当て板にあって
は、ドリルビットの位置決め性、ドリル発熱防止効果お
よび削りカスの排出性が良好で、しかも安価であるとい
う利点がある。
【0060】また、本発明のプリント配線板の孔明け加
工法にあっては、絶縁体に金属箔が接着された積層体に
表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるいは
両面に本発明の孔明け加工用当て板を配置して行うこと
により、ドリルビットの位置ずれを防止できるのでドリ
ルビットの位置決め性が良好である。また、本発明の孔
明け加工法で用いられる孔明け加工用当て板は、高温下
でも表面のベタツキが殆どなく、しかも高湿度下におけ
る吸湿性も少ないため、ドリルビット先端に付く付着物
のぼた落ちに起因するドリルビットの損傷も防止するこ
とができる。また、ドリル発熱防止効果および削りカス
の排出性が良好であるので、孔の内壁(切削面)にスミ
ヤ(焼き付き)の発生がなく、きれいな切削面が得られ
る。また、本発明の孔明け加工法で用いられる孔明け加
工用当て板は、ハンドリング性が良好であるので、積層
体に配置する作業が容易となり、また、ドリルが破損し
にくいので、破損によるドリルの交換が殆どなくなり、
孔明け加工時間の短縮が可能である。さらに、本発明の
孔明け加工法で用いられる孔明け加工用当て板は安価で
あるので、孔明け加工コストの低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て
板の第一の実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明のプリント配線板の孔明け加工用当て
板の第二の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のプリント配線板の孔明け加工法の実
施形態の一例を示す説明図である。
【図4】 水溶性滑剤シートを用いる従来のプリント配
線板の孔明け加工法の例を示す説明図である。
【符号の説明】
2・・・アルミニウム合金単板、3・・・皮膜、5・・・積層
体、6・・・NCドリル、10・・・孔明け加工用当て板、1
2・・・孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 50:08 (72)発明者 勝又 堅 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社技術開発センター内 (72)発明者 眞砂 千弘 奈良県生駒市新生駒台11−45 (72)発明者 辻川 智子 奈良県奈良市五条2丁目3−7

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)又は(II) 【化1】 で示される繰り返し単位を有する共重合体からなる成膜
    性樹脂(イ)と、下記一般式(III) 【化2】 で示される潤滑性付与剤(ロ)とを含有することを特徴
    とするプリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑
    剤。
  2. 【請求項2】 前記成膜性樹脂(イ)の平均分子量が2
    00,000〜2,000,000であることを特徴と
    する請求項1記載のプリント配線板の孔明け加工用水溶
    性固体潤滑剤。
  3. 【請求項3】 前記潤滑性付与剤(ロ)のポリオキシエ
    チレン基(−(CH 2CH2O)w−)の部分の平均分子
    量が2,000〜10,000であることを特徴とする
    請求項1又は2記載のプリント配線板の孔明け加工用水
    溶性固体潤滑剤。
  4. 【請求項4】 成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤(ロ)
    の配合比率が、固形分換算の重量比で100:20〜2
    00であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    プリント配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤。
  5. 【請求項5】 前記成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤
    (ロ)の水素イオン濃度がそれぞれpH4〜9であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリン
    ト配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤。
  6. 【請求項6】 アクリロニトリル(a)、ヒドロキシ基
    を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)、カル
    ボキシル基を有する共役系単量体(c)、炭素数1〜6
    の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有する共役
    系単量体(d)を共重合させて得られた共重合体(A)
    の酸基を有機アミン系化合物(e)で中和して前記一般
    式(I)又は(II)で示される繰り返し単位を有する共
    重合体からなる成膜性樹脂(イ)を合成する工程と、ポ
    リエチレングリコール(g)と有機二塩基性酸素酸
    (h)を反応させて得られたジエステル二塩基性酸素酸
    (B)の酸基を有機アミン系化合物(f)で中和して前
    記一般式(III)で示される潤滑性付与剤(ロ)を合成
    する工程と、合成した成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与剤
    (ロ)を混合する工程を備えることを特徴とするプリン
    ト配線板の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 アクリロニトリル(a)と、ヒドロキシ
    基を有する共役系及び/又は非共役系単量体(b)と、
    カルボキシル基を有する共役系単量体(c)と、炭素数
    1〜6の飽和の直鎖及び/又は側鎖のアルキル基を有す
    る共役系単量体(d)の使用比率が、重量比で10〜2
    0:5〜15:3〜15:55〜82であることを特徴
    とする請求項6記載のプリント配線板の孔明け加工用水
    溶性固体潤滑剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルミニウム合金単板の片面あるいは両
    面に、請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板
    の孔明け加工用水溶性固体潤滑剤を塗布、焼き付けて、
    該水溶性固体潤滑剤中の成膜性樹脂(イ)と潤滑性付与
    剤(ロ)とを反応させて成膜した皮膜が設けられてなる
    ことを特徴とするプリント配線板の孔明け加工用当て
    板。
  9. 【請求項9】 前記プリント配線板の孔明け加工用水溶
    性固体潤滑剤からなる皮膜の厚みが1〜100μmであ
    ることを特徴とする請求項8記載のプリント配線板の孔
    明け加工用当て板。
  10. 【請求項10】 前記アルミニウム合金単板の厚みが、
    80μm〜300μmであることを特徴とする請求項8
    又9記載のプリント配線板の孔明け加工用当て板。
  11. 【請求項11】 絶縁体に金属箔が接着された積層体に
    表裏導通用のドリル孔明けを、該積層体の片面あるいは
    両面に請求項8、9又は10記載のプリント配線板の孔
    明け加工用当て板を配置して行うことを特徴とするプリ
    ント配線板の孔明け加工法。
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