JP4541134B2 - 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法 - Google Patents

小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4541134B2
JP4541134B2 JP2004375287A JP2004375287A JP4541134B2 JP 4541134 B2 JP4541134 B2 JP 4541134B2 JP 2004375287 A JP2004375287 A JP 2004375287A JP 2004375287 A JP2004375287 A JP 2004375287A JP 4541134 B2 JP4541134 B2 JP 4541134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
small
lubricating layer
entry board
board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004375287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006181658A (ja
Inventor
広治 大倉
新吾 鏑木
能和 宇田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Packaging Co Ltd
Original Assignee
Showa Denko Packaging Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko Packaging Co Ltd filed Critical Showa Denko Packaging Co Ltd
Priority to JP2004375287A priority Critical patent/JP4541134B2/ja
Publication of JP2006181658A publication Critical patent/JP2006181658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4541134B2 publication Critical patent/JP4541134B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • Drilling And Boring (AREA)

Description

この発明は、プリント配線板におけるスルーホール等、被加工物に小口径の孔を形成する際の当て板として用いるエントリーボードと、このエントリーボードを用いた小口径孔あけ加工方法に関する。
この明細書において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。また、「板」という語には、箔を含むものとする。
近年、通信機器、OA機器、家電製品等の急速な高性能化に伴い、これら機器の制御中枢を担うプリント配線板においては、配線パターンの微細化、高密度化、多層化が進行すると共に、スルーホールの小口径化と位置精度の向上が要求されている。
従来、プリント配線板のスルーホールの孔あけ加工では、その加工能率を高めるために、すて板上に複数枚のプリント配線用素板を積み重ね、その最上位の素板上にアルミニウム製のエントリーボードを配し、この状態でドリルによって上方から該エントリーボードを貫通してプリント配線用素板の孔あけを行うことにより、積み重ねた全部の素板に一挙にスルーホールを形成する方法が採用されている。しかして、エントリーボードは、当て板として、ドリルの食いつきをよくすると共に、素板表面の加工時の損傷や孔周縁でのバリやカエリの発生を防止する目的で使用される。
ところが、スルーホールの小口径化によって孔あけのドリル径が小さくなるが、特に径0.3mm以下の小径ドリルによる孔あけ加工では、エントリーボードに単なるアルミニウム板を用いた場合、ドリルがエントリーボード表面で横滑りすることから、孔あけの位置精度が悪化すると共に、ドリルの折損が多発し、しかも孔の内周面の荒れを生じることに加え、ドリルの折損を抑える上でプリント配線用素板の積み重ね枚数を多くできず、加工能率を充分に高められないという問題があった。
そこで、エントリーボードとして、アルミニウム製基板の少なくとも片面に、ポリエチレングリコールを主成分とする潤滑層を設けたものを用いることが提案されている。例えば、特許文献1で提示された潤滑層は、平均分子量20000〜50000のポリエチレングリコールと、平均分子量100000以上のポリエチレングリコールと、トリメチロールプロパンと、ポリビニルピロリドン又はポリ酢酸ビニルの部分ケン化物とからなるものとしている。また、特許文献2で提示された潤滑層は、平均分子量1000以上15000未満のものと、平均分子量15000以上50000未満のものと、平均分子量50000以上200000以下のものとの3種のポリエチレングリコールと、要すれば任意成分のトリメチロールプロパンとを含む樹脂組成物からなるものとしている。更に、特許文献3で提示された潤滑層は、平均分子量3000以上で10000未満のポリエチレングリコールと、平均分子量10000以上のポリエチレングリコールと、トリメチロールプロパンとの混合物からなるものとしている。
しかるに、これら潤滑層を有するエントリーボードを用いた孔あけ加工においても、同一ドリルによる孔あけ回数を多くすると、プリント配線用素板の削りカスやエントリーボード基板のアルミニウムの切り屑等がドリルビットに巻き付き、これによってドリルの芯振れが起こって孔位置精度の低下を招いたり、ドリル折損頻度が上がるという問題があった。
特開2001−47307号公報 特開2004−9193号公報 特表2004−516149号公報
この発明は、上述の事情に鑑みて、潤滑層付きのエントリーボードを利用する小口径孔あけ加工において、同一ドリルによる孔あけ回数を多くしても、ドリルビットへの削りカスや切り屑の巻き付きを生じにくく、ドリルの芯振れによる孔位置精度の低下やドリル折損を防止できる手段を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードは、アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、前記潤滑層、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜70質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール25〜90質量%と、キレート剤0.01〜5質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなることを特徴としている。
請求項2の発明に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードは、アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、前記潤滑層は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜70質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール25〜90質量%と、キレート剤0.01〜5質量%と、アルギン酸プロピレングリコールエステル0.1〜5質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなることを特徴とする。
請求項の発明では、上記請求項1または2の小口径孔あけ加工用エントリーボードにおける潤滑層の前記キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤及びホスホン酸系キレート剤より選ばれる少なくとも一種からなる構成としている。
また、請求項の発明は、上記請求項1〜のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードの潤滑層の厚さが10〜100μmである構成としている。
更に、請求項の発明は、上記請求項1〜のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードにおけるアルミニウム基板と前記潤滑層の間に、ポリビニルアルコールのケン化物を含有する下塗り層が介在してなる構成を採用している。
一方、この発明の請求項に係る小口径孔あけ加工方法は、積み重ねた複数枚のプリント配線用素板の上に、請求項1〜のいずれか1項に記載のエントリーボードを配置し、この状態でドリルを用いて上方から該エントリーボード及びプリント配線用素板に口径0.3mm以下の孔を形成することを特徴としている。
請求項1の発明によれば、小口径孔あけ加工用エントリーボードの潤滑層に、数平均分子量の異なる2種のポリエチレングリコール及びトリメチロールプロパンと共に、キレート剤が混合されていることから、該エントリーボードを用いた孔あけ加工の際、同一ドリルによる孔あけ回数を多くしても、被加工物及びエントリーボード基板の切削屑がドリルビットに巻き付きにくくなり、この巻き付きに起因したドリルの芯振れによる孔位置精度の低下やドリル折損が防止される。更に、前記エントリーボードの潤滑層を構成する各成分の比率が特定範囲に設定されるため、前記キレート剤による切削屑のドリルビットへの巻き付き防止作用が確実に発揮されると共に、潤滑層の膜強度、均一性、水溶性等がいずれも良好になる。
請求項2の発明によれば、小口径孔あけ加工用エントリーボードの潤滑層に、数平均分子量の異なる2種のポリエチレングリコール及びトリメチロールプロパンと共に、キレート剤が混合されていることから、該エントリーボードを用いた孔あけ加工の際、同一ドリルによる孔あけ回数を多くしても、被加工物及びエントリーボード基板の切削屑がドリルビットに巻き付きにくくなり、この巻き付きに起因したドリルの芯振れによる孔位置精度の低下やドリル折損が防止される。更に、前記エントリーボードの潤滑層を構成する各成分の比率が特定範囲にあるため、前記キレート剤による切削屑のドリルビットへの巻き付き防止作用が確実に発揮され、潤滑層の膜強度、均一性、水溶性等も良好になる上、該潤滑層に含まれるアルギン酸プロピレングリコールエステルの増粘作用により、切削の摩擦熱による潤滑成分の粘度低下が抑えられ、切削部位からの潤滑成分の逸散がなく安定した潤滑作用を発揮でき、潤滑不良によるドリルの折損や孔位置精度の低下が抑えられると共に、潤滑成分の垂れ落ちによる被加工物の汚れも防止される。
請求項の発明によれば、潤滑層の前記キレート剤として特定の化合物が使用されるから、切削屑のドリルビットへの巻き付き防止作用がより確実に発揮される。
請求項の発明によれば、前記潤滑層が特定範囲の厚さを有するから、充分な潤滑性を発揮できると共に、良好な塗工性を確保して生産性の低下を回避できる。
請求項の発明によれば、前記アルミニウム製基板と前記潤滑層との間に特定の下塗り層が介在するから、潤滑層の剥離や割れが防止されることに加え、その構成成分が孔あけ加工時に潤滑成分中に混ざり込み、切削の摩擦熱による潤滑成分の粘度低下を抑制するため、良好な潤滑作用が得られると共に、ドリルからの潤滑成分の垂れ落ちもより生じにくくなる。
請求項の発明に係る小口径孔あけ加工方法によれば、積み重ねた複数枚のプリント配線用素板に対し、口径0.3mm以下の小口径孔を一挙に形成する際、ドリルの折損を生じにくく、且つ孔の位置精度を高く設定できる。
図1は、この発明に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードの一実施形態を示す。このエントリーボード1は、アルミニウム製基板2の片面に、下塗り層3を介して潤滑層4が形成されたものである。
このエントリーボード1のアルミニウム製基板2としては、例えばJIS A1100−H18材、JIS A1N30−H18材、JIS A1050−H18材、JIS A3003−H18材、JIS A3004−H18材等よりなる厚さ0.1〜0.25mm程度のアルミニウム単板、もしくはビッカーズ硬さ(Hv)が20〜50で厚さ5〜100μmの軟質アルミニウム板とビッカーズ硬さ(Hv)が50〜140で厚さ30〜200μmの硬質アルミニウム板とを貼り合わせたものが好適に用いられる。なお、後者の軟硬質アルミニウム板を貼り合わせたものを用いる場合は、その軟質アルミニウム板側の面に下塗り層3を介して潤滑層4を形成する。
下塗り層3は、ケン化度15〜90モル%で重合度100〜800程度のポリビニルアルコールからなり、厚さが0.1〜5.0μm程度に設定されている。
潤滑層4は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール、キレート剤、トリメチロールプロパン、及び任意成分としてのアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有する混合組成物からなり、その厚さが10〜100μm程度に設定されている。
このエントリーボード1を用いて例えばプリント配線用素板にスルーホールの孔あけ加工を施す場合、まずすて板上に複数枚のプリント配線用素板を積み重ね、この積み重ねた最上部にエントリーボード1を潤滑層4側が上向きになるように配置する。そして、この状態で、上方からドリルによって該エントリーボード1からすて板に達する孔あけを行い、もって一度の穿孔作業で積み重ねた全部のプリント配線用素板に一挙にスルーホールを形成する。
このような孔あけ加工では、プリント配線用素板を積み重ねた状態で最上位に配したエントリーボード1を通して孔開けを行うため、各プリント配線用素板のスルーホールの孔縁にはバリやカエリが発生せず、これら素板の後加工が容易になると共に、これら素板から作製されるプリント配線の金属層のバリやカエリに起因した損傷が未然に防止される。また、一度の孔あけ加工時に積み重ねる素板の枚数を多くして、プリント配線板の生産性を高めることができる。
しかも、このエントリーボード1を使用した場合、径0.3mm以下といった小口径の孔あけ加工を同一ドリルで複数回行っても、素板及びエントリーボード1の穿孔に伴う樹脂やアルミニウム等の金属の切削屑のドリルビットへの付着が防止されるため、ドリルの芯振れが防止され、孔位置精度が向上すると共に、ドリル折損の減少によってドリル寿命が延びる。
また、このエントリーボード1では、潤滑層4を構成する潤滑成分が水に対する溶解性に優れるため、孔あけ加工によってプリント配線用素板に付着した潤滑成分を水洗によって簡単に除去することが可能となる。更に、潤滑層4にアルギン酸プロピレングリコールエステルを含有する場合は、該潤滑層4の潤滑成分が加工時の摩擦熱で溶融しても、潤滑成分の粘度低下が抑えられ、切削部位へ潤滑成分が終始途切れなく供給されて、安定した良好な潤滑作用が持続すると共に、ドリルに付着堆積した潤滑成分の垂れ落ちを生じにくく、この垂れ落ちによる素板の汚れが回避される。
ここで、エントリーボード1の潤滑層4に用いるキレート剤は、孔あけに伴う樹脂やアルミニウム等の金属の切削屑のドリルビットへの付着を防止する機能を果たすものである。しかして、このようなキレート剤としては、例えばエチレンジアミン4酢酸塩(EDTA)やニトリロ三酢酸塩(NTA)等のアミノカルボン酸系キレート剤と、ヒドロキシエチリデン2ホスホン酸やアミノトリアルキレンスルホン酸等のホスホン酸系キレート剤とから選ばれる少なくとも一種が好適に使用される。
しかして、キレート剤の配合量は、このキレート剤と前記の数平均分子量が異なる2種のポリエチレングリコールと要すればアルギン酸プロピレングリコールエステルとをベース組成物として、該ベース組成物の0.01〜5質量%を占める範囲が好適であり、0.01質量%未満では使用効果が得られず、逆に5質量%を越えると潤滑層4が硬化してひび割れを生じると共にコストアップに繋がる。
また、潤滑層4に用いる数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコールは、潤滑性と潤滑層の水溶性を向上させると共に、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコールとトリメチロールプロパンとの相溶性を向上させる機能を果たす。この低分子量のポリエチレングリコールの配合量は、前記ベース組成物の5〜70質量%を占める範囲が好適であり、5質量%未満では前記機能が不充分になり、70質量%を越えると潤滑層4にべたつきを生じることになる。
更に、潤滑層4に用いる数平均分子量10000以上のポリエチレングリコールは、潤滑層4の膜強度を高める機能を持つが、その配合量が前記ベース組成物の25質量%未満であると該機能を充分に発揮できず、同90質量%を越えると潤滑層4が硬く脆いものになる。従って、この高分子量ポリエチレングリコールの配合量は、前記ベース組成物の25〜90質量%を占める範囲とするのがよい。なお、この高分子量ポリエチレングリコールの数平均分子量の上限は100000程度である。
一方、潤滑層4に用いる任意成分のアルギン酸プロピレングリコールエステルは、その増粘作用によって孔あけ時の潤滑性低下を防止する機能を果たす。すなわち、潤滑層4に用いる数平均分子量の異なる2種のポリエチレングリコールの融点が60℃以下であるが、このアルギン酸プロピレングリコールエステルを配合した潤滑層では、孔あけ時の摩擦熱で溶融した潤滑成分の粘度がさほど低下せず、潤滑成分の流動性過多による逸散が防止される。
このようなアルギン酸プロピレングリコールエステルの配合量は、このアルギン酸プロピレングリコールエステルを含む前記ベース組成物の0.1〜5質量%を占める範囲が好適である。この配合量が、ベース組成物の0.1質量%未満になると上記増粘作用が充分に発現せず、逆に5質量%を越える場合はポリエチレングリコールとの相溶性が得られず、潤滑層4の品質が低下すると共に、塗工性も低下してエントリーボードの生産能率が落ちることになる。
トリメチロールプロパンは、潤滑層4の水に対する溶解性を高め、もって孔あけ加工後の洗浄を水洗で行うことを可能にするものである。しかして、このトリメチロールプロパンの配合量は、前記の数平均分子量が異なる2種のポリエチレングリコールとキレート剤と要すれば任意成分のアルギン酸プロピレングリコールエステルとからなるベース組成物100質量部に対し、0.5〜20質量部の範囲が好適であり、少な過ぎては前記溶解性を充分に高められず、逆に多過ぎては潤滑層4にべたつきを生じることになる。
なお、潤滑層4の厚みは、10μm未満では充分な潤滑性が得られず、100μmを越える場合は塗工性の低下で生産能率が悪化すると共に材料コストも高くなる。
また、下塗り層3は、アルミニウム製基板2に対する潤滑層4の密着性を高め、もって該潤滑層4の剥離や割れを防止する機能を果たす。しかして、この下塗り層3を構成するポリビニルアルコールのケン化物は、一部が孔あけ加工時に潤滑成分中に混ざりこむことになるが、ポリエチレングリコールの融点が60℃以下であるのに対し、180〜190℃という高融点であるため、切削の摩擦熱による潤滑成分の粘度低下を抑制し、もって良好な潤滑作用の持続に寄与すると共に、ドリルからの潤滑成分の垂れ落ちをより生じにくくする。また、ポリビニルアルコールのケン化物は水溶性であるため、孔あけで切削された一部が潤滑成分と共に被加工物に付着しても、水洗で簡単に除去できるという利点がある。
この発明の小口径孔あけ加工用エントリーボードは、アルミニウム製基板2の両面に潤滑層4を設けた構成、下塗り層がポリビニルアルコールのケン化物以外の樹脂成分からなる構成、潤滑層4を下塗り層3を介さずにアルミニウム製基板2の表面に直接に形成した構成のいずれをも包含するが、特に前記実施形態のようにアルミニウム製基板2の片面にポリビニルアルコールのケン化物からなる下塗り層3を介して潤滑層4を設けたものが性能及びコストの両面から最も好適である。また、この発明のエントリーボードは、種々の被加工物に対する小口径孔あけ加工に適用できるが、この発明の小口径孔あけ加工方法のように、プリント配線用素板に対する孔あけ加工に最適である。
実施例1
JIS A3004−H18材からなる厚さ150μmの基板の片面に、ケン化度80モル%のポリビニルアルコール70質量部とケン化度73.5モル%のポリビニルアルコール30質量部との混合物を、厚さ3μmとなるように塗工して下塗り層を形成した。次に、この下塗り層上に、数平均分子量400のポリエチレングリコール29質量部、数平均分子量20000のポリエチレングリコール70質量部、エチレンジアミン4酢酸塩1質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を、厚さ30μmとなるように塗工して潤滑層を形成し、小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例2
潤滑層の厚さを80μmとした以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例3
潤滑層形成用として、数平均分子量400のポリエチレングリコール25質量部、数平均分子量20000のポリエチレングリコール73質量部、アルギン酸プロピレングリコールエステル1質量部、エチレンジアミン4酢酸塩1質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例4
潤滑層形成用として、エチレンジアミン4酢酸塩の代わりにニトリロ3酢酸塩を1質量部を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例5
潤滑層形成用として、エチレンジアミン4酢酸塩の代わりにヒドロキシエチリデン2ホスホン酸を1質量部を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
実施例6
潤滑層形成用として、数平均分子量800のポリエチレングリコール20質量部、数平均分子量40000のポリエチレングリコール75質量部、アルギン酸プロピレングリコールエステル3質量部、エチレンジアミン4酢酸塩2質量部、及びトリメチロールプロパン5質量部の混合組成物を用いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
比較例1
潤滑層形成用の成分からエチレンジアミン4酢酸塩を除いた以外は、実施例1と同様にした小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
比較例2
潤滑層の厚さを80μmとした以外は、比較例1と同様にして小口径孔あけ加工用エントリーボードを作製した。
評価試験
厚さ1.5mmのベークライニング製のすて板上に、両面に厚さ12μmの銅板を積層した総厚0.1mmのエポキシ樹脂製プリント配線用素板を4枚積み重ね、最上位の素板上に、実施例1〜6及び比較例1〜3のいずれかの小口径孔あけ加工用エントリーボードを潤滑層側を上向きにして配置し、上方から径0.1mmのドリルにより、該エントリーボードからすて板に達する2000ヒットの孔あけ加工を行った。そして、孔あけ加工の各素板について2000ヒットの孔位置を座標測定機で測定して設定位置からのずれを調べ、また各孔あけ加工後のドリルビットに対する切削屑の付着状態と、最上位の素板上に潤滑成分の垂れ落ちの有無を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0004541134
上表の結果から明らかなように、この発明に係る実施例1〜6のエントリーボードを用いれば、ドリル径0.1mmといった極めて小口径の孔あけ加工において、同一ドリルで多数回の孔あけを行ってもドリルビットへの切削屑の付着が非常に少なく、且つ高い孔位置精度が得られる。これに対し、潤滑層にキレート剤を含まない比較例1、2のエントリーボードを用いた同様の孔あけ加工では、ドリルビットへの切削屑の付着が多く、ドリルの芯振れによって孔位置精度が悪くなることが判る。更に、加工中の潤滑成分の垂れ落ちによる汚れを生じ易いことが判る。
この発明の一実施形態に係る小口径孔あけ加工用エントリーボードの拡大断面図である。
1・・・小口径孔あけ加工用エントリーボード
2・・・アルミニウム製基板
3・・・下塗り層
4・・・潤滑層

Claims (6)

  1. アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、
    前記潤滑層、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜70質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール25〜90質量%と、キレート剤0.01〜5質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなることを特徴とする小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  2. アルミニウム製基板の少なくとも片面に潤滑層が形成され、
    前記潤滑層は、数平均分子量100以上1000未満のポリエチレングリコール5〜70質量%と、数平均分子量10000以上のポリエチレングリコール25〜90質量%と、キレート剤0.01〜5質量%と、アルギン酸プロピレングリコールエステル0.1〜5質量%とからなるベース組成物100質量部に対し、トリメチロールプロパン0.5〜20質量部が混合された混合組成物からなることを特徴とする小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  3. 前記キレート剤が、アミノカルボン酸系キレート剤及びホスホン酸系キレート剤より選ばれる少なくとも一種からなる請求項1または2に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  4. 前記潤滑層の厚さが10〜100μmである請求項1〜のいずれか1項に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  5. 前記アルミニウム製基板と前記潤滑層の間に、ポリビニルアルコールのケン化物を含有する下塗り層が介在してなる請求項1〜のいずれか1項に記載の小口径孔あけ加工用エントリーボード。
  6. 積み重ねた複数枚のプリント配線用素板の上に、請求項1〜のいずれか1項に記載のエントリーボードを配置し、この状態でドリルを用いて上方から該エントリーボード及びプリント配線用素板に口径0.3mm以下の孔を形成することを特徴とする小口径孔あけ加工方法。
JP2004375287A 2004-12-27 2004-12-27 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法 Expired - Fee Related JP4541134B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375287A JP4541134B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004375287A JP4541134B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006181658A JP2006181658A (ja) 2006-07-13
JP4541134B2 true JP4541134B2 (ja) 2010-09-08

Family

ID=36735131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004375287A Expired - Fee Related JP4541134B2 (ja) 2004-12-27 2004-12-27 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4541134B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2191701B1 (en) * 2007-09-28 2013-03-20 Tri-Star Laminates, Inc. Entry sheet, method of manufacturing thereof and methods for drilling holes in printed circuit boards
KR100832798B1 (ko) 2008-01-21 2008-05-27 오두영 인쇄회로기판 홀 가공용 엔트리보드
KR101075458B1 (ko) * 2009-01-02 2011-10-24 오두영 인쇄회로기판 홀 가공용 엔트리 보드
JP5445524B2 (ja) * 2011-06-27 2014-03-19 三菱瓦斯化学株式会社 ドリル穴明け用エントリーシート
JP5344065B2 (ja) * 2012-04-26 2013-11-20 三菱瓦斯化学株式会社 ドリル穴明け用エントリーシート
TWI764772B (zh) * 2021-07-01 2022-05-11 鋐正科技股份有限公司 電路板鑽孔用上蓋板及其製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001047307A (ja) * 1999-06-01 2001-02-20 Showa Alum Corp 小径孔あけ加工用あて板および小径孔あけ加工方法
WO2002022329A1 (en) * 2000-09-14 2002-03-21 Ohtomo Chemical Ins., Corp. Entry boards for use in drilling small holes
JP2003225814A (ja) * 2002-02-01 2003-08-12 Nippon Shokubai Co Ltd 基板孔あけ用潤滑剤および基板孔あけ用潤滑シート
JP2003301187A (ja) * 2002-02-05 2003-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd 基板孔あけ用潤滑剤および基板孔あけ用潤滑シート

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001047307A (ja) * 1999-06-01 2001-02-20 Showa Alum Corp 小径孔あけ加工用あて板および小径孔あけ加工方法
WO2002022329A1 (en) * 2000-09-14 2002-03-21 Ohtomo Chemical Ins., Corp. Entry boards for use in drilling small holes
JP2003225814A (ja) * 2002-02-01 2003-08-12 Nippon Shokubai Co Ltd 基板孔あけ用潤滑剤および基板孔あけ用潤滑シート
JP2003301187A (ja) * 2002-02-05 2003-10-21 Nippon Shokubai Co Ltd 基板孔あけ用潤滑剤および基板孔あけ用潤滑シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006181658A (ja) 2006-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5324037B2 (ja) 孔あけ加工用当て板及び孔あけ加工方法
JP4793358B2 (ja) 小径孔あけ加工用あて板
JP4821930B2 (ja) ドリル孔明け用エントリーシート
KR100886562B1 (ko) 수지-피복 금속판 및 이 금속판을 사용하여 인쇄 배선기판을 드릴링하는 방법
JP2001047307A (ja) 小径孔あけ加工用あて板および小径孔あけ加工方法
WO2017038867A1 (ja) ドリル孔あけ用エントリーシート、及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法
JPWO2015152162A1 (ja) ドリル孔あけ用エントリーシート
JP4541134B2 (ja) 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法
JP4541133B2 (ja) 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法
KR100628611B1 (ko) 프린트 배선 기판의 천공 가공에 사용하는 수지 피복 금속판
JP5543431B2 (ja) 印刷回路基板用穿孔加工シート
JP4856511B2 (ja) 孔あけ加工用当て板及び孔あけ加工方法
JP4541132B2 (ja) 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法
KR100778989B1 (ko) 인쇄배선기판 천공용 수분산성 수지 조성물, 상기 조성물로 이루어지는 시트 및 이러한 시트를 이용한 인쇄배선기판의 천공 방법
JP5112934B2 (ja) 孔あけ加工用当て板及び孔あけ加工方法
CN108419432B (zh) 盖板、盖板的制造方法以及柔性电路板的制造方法
JP7157931B2 (ja) 微細径用ドリル孔あけ用エントリーシート、及びそれを用いたドリル孔あけ加工方法
JP4541128B2 (ja) 小口径孔あけ加工用エントリーボードと小口径孔あけ加工方法
JP2004017190A (ja) プリント配線基板の穴あけ加工に使用する樹脂被覆金属板
JP2009248274A (ja) 孔あけ加工用当て板及び孔あけ加工方法
JP4406762B2 (ja) プリント配線基板等の孔あけ加工用当て板
TWI466774B (zh) 印刷電路基板穿孔用之覆蓋薄片及其製造方法
TW201322848A (zh) 鑽孔蓋板結構及其鑽孔加工方法
JP4036283B2 (ja) プリント配線基板穿孔用樹脂組成物、該組成物よりなるシート及びかかるシートを用いたプリント配線基板の穿孔方法
JP2004119761A (ja) プリント配線板穴あけ加工用シート、およびこれを用いたプリント配線板の穴あけ加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100601

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100623

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 3

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees