JP5192819B2 - カーテンエアバッグ - Google Patents
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Description
上記構成の従来のカーテンエアバッグは、滑らかにフロントピラーからルーフサイドレールにつながっている普通の乗用車に多くは装着されるものである(上記公報の図1参照)。この種の普通の乗用車においては、あまり明確にフロントピラーとルーフサイドレールを区別できない構成であるが、ピックアップトラックや少し頑丈な感じのするタイプのSUV等のフロントピラーがトラック様式の車両(特開2005−212732号公報の図4参照)は、フロントピラーが水平方向に対して急角度で立ち上がって設けられているので、フロントピラーとルーフサイドレールとは明確に区別できる。
これに対応して、Aピラー部にまで延長するように普通の乗用車用のカーテンエアバッグを設けると、ルーフサイドレール長手方向のカーテンエアバッグの長さを確保することはできるが、それだけでは前述のようにAピラー近傍の張力が不足する場合があり、また加えて、Aピラー上部のエアバッグを取り付けるタブ(#1タブ)が展開時に車両後方に引張り張力を受けて破損する場合があることが判明した。
本発明は、これらの課題を解消するものであり、フロントピラーが水平方向に対して急角度で立ち上がって設けられ、フロントピラーとルーフサイドレールとは明確に区別できるタイプのピックアップトラックやSUV等のフロントピラーがトラック様式の車両に適したカーテンエアバッグであって、展開膨張時に乗員の頭部等を保護するとともに、乗員の車外放出を確実に防止することができるカーテンエアバッグを提供することを目的とする。
そのために本発明のカーテンエアバッグは、フロントピラーがトラック様式の車両で、フロントピラー長手方向の中心線がルーフサイドレール長手方向の中心線に対して屈折するように配置された車両において、
前記ルーフサイドレールから前記フロントピラーにかけて折り畳まれて格納され、展開膨張時にインフレーターから膨張用ガスが導入されて車内側に膨張することで乗員の頭部を保護するカーテンエアバッグであって、
前記カーテンエアバッグは、その上方で前記車両の前後方向に延びるクッションダクト、前記クッションダクトから下方に向けて膨張用ガスが導入される複数のチャンバー、および前記クッションダクトの延長線上に延設された行き止まりのエンドダクトを備え、
前記カーテンエアバッグを前記ルーフサイドレールに取り付けるために形成された複数のタブのうち、最もフロントピラー寄りの#1タブが、前記フロントピラーの上部付近に配置され、
前記#1タブの下部にエンドダクトが配置されることを特徴とする。
なお、展開膨張時の前記カーテンエアバッグのプロテクションエリアの外側で、かつ前記#1タブの下部にテンションチャンバーが配置され、
前記#1タブと前記テンションチャンバーとの間にエンドダクトが配置されることを特徴とすることが好ましい。フロントピラーがトラック様式の車両とは、フロントピラーが水平線にたいして急角度で立ち上がって設けられ、フロントピラー長手方向の中心線とルーフサイドレールの長手方向の中心線とが屈折するような状態の車両をいう。具体的には水平線に対してフロントピラーが約50〜80度の角度で立ち上がって設けられているような車両をいう。
そして、前記クッションダクトは直線状であることが好ましい。
本発明のカーテンエアバッグは、最もフロントピラー寄りの#1タブが、前記フロントピラーの上部付近に配置され、前記#1タブの下部にエンドダクトが配置されるので、展開時に大きな負荷がかかりやすい#1タブであるが、エンドダクトがフロントピラー(Aピラー)付近まで延長されているので、エンドダクト上部での車両前後方向のクッションダクトの収縮を防止し、#1タブへの水平方向への引張り張力を軽減することができ、#1タブの破断を防止できる。
また、展開膨張時のカーテンエアバッグのプロテクションエリアの外側で、かつ最もフロントピラー寄りの#1タブの下部にテンションチャンバーが配置されることにより、展開時のエアバッグの収縮量を利用し、車外放出防止性能に重要なストラップテンションを得ることができる。そして、カーテンエアバッグのクッションダクトは前記エンドダクトを含み、直線状のダクトにすることにより#1タブの破断の防止や車外放出防止性能をより確実なものとすることができる。特にエンドダクトとの連係においては、直線状のダクトの効果が大きい。
具体的には、フロントピラーとルーフサイドレールとの屈折部周辺において、フロントピラー(Aピラー)とエアバッグの間よりφ130mm(子供の頭の外径に相当)がすり抜けないことが確認された。
図2(A)は図1のカーテンエアバッグにおける非膨張時の展開状態を示す正面図、(B)はチャンバーC1〜C6の膨張時の模式断面図、(C)は従来のカーテンエアバッグのチャンバーC2′〜C6′の膨張時の模式断面図である。
図1において、車両1はフロントピラー(Aピラー)2が水平線HLに対して約70度の角度で立ち上がって設けられ、フロントピラー2の長手方向の中心線FLがルーフサイドレール3の長手方向の中心線RLに対して屈折(図1の例では約130度に屈折)するように配置され、フロントピラー2とルーフサイドレール3とが明確に区別できるタイプの車両であり、例えば、ピックアップトラックやSUV等の様にフロント座席のサイドウインドウ4が比較的大きい車両である。
カーテンエアバッグ10は、前記ルーフサイドレール3から前記フロンとピラー2にかけて折り畳まれて格納され、展開膨張時にインフレーター5から膨張用ガスが導入されて、車室側面に沿って車内側にカーテン状に展開膨張し、車内のフロント座席及びリア座席の乗員の頭部を受けとめて頭部を保護し、あるいはサイドウインドウ4が開口して乗員が車外に投げ出されることを防止する。
前記エアバッグ10は、展開膨張完了時に車室側面と車室内とにそれぞれ面する内側シートと外側シートを重ね合わせ、これらシートを線状結合部及び環状結合部によって結合することにより、その上方長手(車両の前後)方向に延びる略直線状のクッションダクト20、前記クッションダクト20から下方に向けて膨張用ガスが導入される複数のチャンバーC1〜C9がフロントピラーからリア座席方向にかけて順に9個所形成され、(フロント座席とリア座席の間に位置する)Bピラー6近傍に非膨張部N1が形成される。
前記クッションダクト20のガス導入口21は、前記エアバッグ10上方のBピラー6近傍に形成され、前記インフレーター5に接続される。なお前記インフレーター5は前記ルーフサイドレール3の前記Bピラー6近傍に固定される。また、後述する下周縁部51のフロントピラー側にはストラップ54が固着され、このストラップ54は前記フロンとピラー2に取り付けられている。
図2に示すように線状結合部11は、前記エアバッグ10を略周回するように配設される。前記線状結合部11を囲むように膨張用ガスを流入させない上周縁部50と下周縁部51を有する。前記上周縁部50の上縁側には、前記エアバッグ10を前記ルーフサイドレール3に取り付けるためのタブT1〜T8がフロントピラーからリア座席方向にかけて順に8個形成されている。
線状結合部12は前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部11とともに#1チャンバーC1を形成し、その端部は環状結合部12aに連なっており、環状結合部12aは線状結合部12の端部を補強している。
前記線状結合部12に隣接して線状結合部13が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部12とともに#2チャンバーC2を形成し、前記線状結合部13の端部は環状結合部13aに連なっており、環状結合部13aは線状結合部13の端部を補強している。
前記線状結合部13に隣接して線状結合部14が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部13とともに#3チャンバーC3を形成し、前記線状結合部14の端部は環状結合部14aに連なっており、環状結合部14aは線状結合部14の端部を補強している。
前記線状結合部14に隣接して線状結合部15が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、略「ク」字形をなし、前記線状結合部14とともに#4チャンバーC4を形成し、「ク」字の内側に#5チャンバーC5を形成する。前記線状結合部15のクッションダクト20側には環状結合部15aが形成され、環状結合部15aは線状結合部15のクッションダクト20側部分を補強している。
略「ロ」字形の線状結合部16は前記線状結合部15に連なり、前記線状結合部16の内側には非膨張部N1が形成され、前記線状結合部16のクッションダクト20側には環状結合部16aが形成される。そして、前記線状結合部16に隣接して線状結合部17が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部16とともに略凹字形の#6チャンバーC6を形成し、前記線状結合部17の端部は環状結合部17aに連なっており、環状結合部17aは線状結合部17の端部を補強している。
前記線状結合部17に隣接して線状結合部18が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部17とともに#7チャンバーC7を形成し、前記線状結合部18の端部は環状結合部18aに連なっており、環状結合部18aは線状結合部18の端部を補強している。
前記線状結合部18に隣接して線状結合部19が前記線状結合部11下方から上方向に延設され、前記線状結合部18とともに#8チャンバーC8を形成し、前記線状結合部19の端部は環状結合部19aに連なっており、環状結合部19aは線状結合部19の端部を補強している。また、前記線状結合部19は前記線状結合部11とともに#9チャンバーC9を形成している。
各線状結合部11〜19及び各環状結合部12a〜19aは、前記内側シートと外側シート同士を気密に結合し、なおかつ前記エアバッグ10の内圧が設計上限圧力まで上昇しても前記内側シートと外側シート同士が離反しないような強固な結合手段(例えば、強度の高い縫糸による縫合や、接着力の高い接着剤による接着、あるいは溶着)により形成される。
最もフロントピラー寄りの前記#1タブT1が、前記フロントピラー2の上部付近に配置され、前記#1タブT1の下部にエンドダクト22が配置される。エンドダクト22は前記略直線状のクッションダクト20に当該直線の延長線上に延設された行き止まりのダクトであり、図2の実施形態ではそのダクト長Lは100mm程度と長めにとるようにする。これは、Bピラー方向のテンションが前記#1タブT1にかかった時に、前記#1タブT1の破断を防ぐためである。
また、展開膨張時のカーテンエアバッグ10のプロテクションエリアPA(図2参照)の外側の領域(図1では#2タブT2よりやや左側)で、かつ前記#1タブT1の下部にテンションチャンバー(=#1チャンバーC1)が配置される。図2(B)に示すように、このテンションチャンバーC1を追加したことにより、展開時のエアバッグが車両の前後方向に収縮しても、前記#2チャンバーC2〜#6チャンバーC6により、プロテクションエリアPA(図2(C))をほぼカバーすることができるとともに、ストラップ54(又は54′)及び#1チャンバーC1により車外放出防止性能に重要なストラップテンションを得ることができる。
具体的には、前記フロントピラー2と前記ルーフサイドレール3との屈折部周辺において、フロントピラー(Aピラー)2とエアバッグ10の間よりφ130mm(子供の頭の外径に相当)がすり抜けないことが確認された。
このように構成されたカーテンエアバッグ10は、車両が側面衝突すると、インフレーター5が作動して膨張用ガスが前記クッションダクト20のガス導入口21から#1チャンバーC1〜#9チャンバーC9及びエンドダクト22に供給され、エアバッグ10の上縁側が膨張する。そして、エアバッグ10は、車内の側面に沿ってカーテン状に下方へ広がり、車両の乗員と車室側面との間に膨張する。#2チャンバーC2〜#9チャンバーC9の膨張により側面衝突時に、乗員の頭部がピラーやサイドウインドウに強打されることが防止され、#1チャンバーC1によりフロントピラー(Aピラー)2とエアバッグ10の間よりφ130mm(子供の頭の外径に相当)がすり抜けないのに十分なストラップテンションを得ることができ乗員の車外放出も防止できる。同時に#1タブの破壊も防止できる。
Claims (3)
- フロントピラーがトラック様式の車両でフロントピラー長手方向の中心線がルーフサイドレール長手方向の中心線に対して屈折するように配置された車両において、
前記ルーフサイドレールから前記フロントピラーにかけて折り畳まれて格納され、展開膨張時にインフレーターから膨張用ガスが導入されて車内側に膨張することで乗員の頭部を保護するカーテンエアバッグであって、
前記カーテンエアバッグは、その上方で前記車両の前後方向に延びるクッションダクト、前記クッションダクトから下方に向けて膨張用ガスが導入される複数のチャンバー、および前記クッションダクトの延長線上に延設された行き止まりのエンドダクトを備え、
前記カーテンエアバッグを前記ルーフサイドレールに取り付けるために形成された複数のタブのうち、最もフロントピラー寄りの#1タブが、前記フロントピラーの上部付近に配置され、
前記#1タブの下部にエンドダクトが配置されることを特徴とするカーテンエアバッグ。 - 展開膨張時の前記カーテンエアバッグのプロテクションエリアの外側で、かつ前記#1タブの下部にテンションチャンバーが配置され、
前記#1タブと前記テンションチャンバーとの間にエンドダクトが配置されることを特徴とする請求項1に記載のカーテンエアバッグ。 - 前記クッションダクトは直線状であることを特徴とする請求項1または2に記載のカーテンエアバッグ。
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