JP4201934B2 - 頭部保護エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装備される頭部保護エアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
頭部保護エアバッグ装置の一つとして、車室内の側部にてカーテン状に膨張展開するエアバッグがその後部に後席用膨張部とガス導入部を備えて少なくとも車体のクォーターピラーとルーフサイドレールに沿って組付けられ、前記ガス導入部が前記後席用膨張部の上方にて後方に突出して前記クォーターピラーに組付けたインフレータに接続されるようにしたものがあり、例えばドイツ特許DE29806200号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記した形式の頭部保護エアバッグ装置において、エアバッグの後席用膨張部が上下方向に折り畳まれて収納され、この収納された後席用膨張部がルーフヘッドライニングの側部後方周縁部によって覆われるとともに、ガス導入部の後方突出部がクォーターピラーガーニッシュの上部(ルーフヘッドライニングの周縁部に一部を重ねて接合される部位)によって覆われることがある。
【0004】
かかる場合には、インフレータからエアバッグ内にガスが供給されて、エアバッグがルーフヘッドライニングの周縁部を車室内に向けて変形させて下方に展開し車室内の側部にてカーテン状に膨張展開する際に、エアバッグの後席用膨張部がクォーターピラーガーニッシュの上部と干渉して、後席用膨張部の展開がクォーターピラーガーニッシュによって妨げられたり、後席用膨張部の展開によってクォーターピラーガーニッシュがクォーターピラーから外されるおそれがある。
【0005】
かかる対策として、ルーフヘッドライニングとクォーターピラーガーニッシュとの見切り(接合縁)を大きく湾曲した特殊な形状としたり、クォーターピラーガーニッシュの上部にエアバッグの展開時に車室内に向けて変形する特殊な構造を採用すること等がなされ得るが、製作上の制約や外観上の制約等によって十分な対策がとれない場合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した問題に対処すべくなされたものであり、上記した形式の頭部保護エアバッグ装置において、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記後席用膨張部がルーフヘッドライニングの側部後方周縁部のみにて覆われ、前記ガス導入部の後方突出部がクォーターピラーガーニッシュの上部によって覆われるようにし、前記ガス導入部から前記後席用膨張部への後席用ガス流入路を、前記クォーターピラーガーニッシュと前記ルーフヘッドライニングとの見切りよりも車両前方の部位に設定してなり、前記エアバッグの前記ガス導入部と前記後席用膨張部間には、切欠が形成されていること(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0007】
この場合(請求項1に係る発明)において、前記エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記前席用膨張部が前記ルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、前記ガス導入部から前記前席用膨張部への前席用ガス流入路を、センターピラーガーニッシュの配設位置よりも車両後方の部位に設定すること(請求項2に係る発明)が望ましく、更に、前席用ガス流入路の流入部に、前記前席用膨張部における下方の前席用膨張室に向けてガスを導くガス導入ガイド部を設けること(請求項3に係る発明)が望ましい。
【0008】
また、この場合(請求項1に係る発明)において、前記エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記前席用膨張部が前記ルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、前記後席用ガス流入路を前記エアバッグの下縁部にまで下方に向けて延設するとともに、この後席用ガス流入路から前記前席用膨張部への前席用ガス流入路を前記後席用ガス流入路の下端から前記エアバッグの下縁に沿って前方に向けて延設すること(請求項4に係る発明)が望ましい。
【0009】
【発明の作用・効果】
本発明(請求項1に係る発明)による頭部保護エアバッグ装置においては、折り畳まれて収納されているエアバッグ内にインフレータからガス導入部を通してガスが供給されると、エアバッグがルーフヘッドライニングの周縁部を車室内に向けて変形させて下方に展開し車室内の側部にてカーテン状に膨張展開する。この際、エアバッグはガス導入部から後席用膨張部への後席用ガス流入路が設定されている部位を展開開始点として下方に膨張展開する。
【0010】
ところで、本発明(請求項1に係る発明)においては、エアバッグの後席用ガス流入路が、クォーターピラーガーニッシュとルーフヘッドライニングとの見切りよりも車両前方の部位、すなわちクォーターピラーガーニッシュによってルーフヘッドライニングの周縁部が剛性を高められていない部位(ルーフヘッドライニングの変形しやすい部位)に設定されていて、エアバッグは後席用ガス流入路の設定部位を起点として下方への膨張展開を開始する。しかも、エアバッグのガス導入部と後席用膨張部間には、切欠が形成されている。
【0011】
したがって、エアバッグにおける後席用膨張部の膨張展開がクォーターピラーガーニッシュによって阻害され難くい。このため、エアバッグにおける後席用膨張部の展開性を向上させることができるとともに、エアバッグにおける後席用膨張部の膨張展開によるクォーターピラーガーニッシュへの負荷を低減することができて、クォーターピラーガーニッシュの外れ防止を図ることができる。
【0012】
また、本発明(請求項1に係る発明)の実施に際して、エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前席用膨張部がルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、ガス導入部から前席用膨張部への前席用ガス流入路を、センターピラーガーニッシュの配設位置よりも車両後方の部位に設定した場合(請求項2に係る発明の場合)には、上記した作用効果(後席用膨張部の展開性向上およびクォーターピラーガーニッシュへの負荷の低減)に加えて、前席用ガス流入路の設定部位においても、同様の作用が得られる。
【0013】
したがって、エアバッグにおける前席用膨張部の下方への膨張展開がセンターピラーガーニッシュによって阻害され難くい。このため、エアバッグにおける前席用膨張部の展開性を向上させることができるとともに、エアバッグにおける前席用膨張部の膨張展開によるセンターピラーガーニッシュへの負荷を低減することができて、センターピラーガーニッシュの外れ防止を図ることができる。
【0014】
また、本発明(請求項2に係る発明)の実施に際して、前席用ガス流入路の流入部に、前席用膨張部における下方の前席用膨張室に向けてガスを導くガス導入ガイド部を設けた場合(請求項3に係る発明の場合)には、前席用ガス流入路を通して前席用膨張部における下方の前席用膨張室に積極的にガスを導入することができる。したがって、エアバッグにおける前席用膨張部を速やかに下方へ膨張展開させることができる。
【0015】
また、本発明(請求項1に係る発明)の実施に際して、エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前席用膨張部がルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、後席用ガス流入路をエアバッグの下縁部にまで下方に向けて延設するとともに、この後席用ガス流入路から前席用膨張部への前席用ガス流入路を前記後席用ガス流入路の下端からエアバッグの下縁に沿って前方に向けて延設した場合(請求項4に係る発明の場合)には、上記した作用効果(後席用膨張部の展開性向上およびクォーターピラーガーニッシュへの負荷の低減)に加えて、後席用ガス流入路を通してエアバッグの下縁部にまでガスを素早く流入させることができて、エアバッグをその下縁部まで素早く展開させてカーテン状とすることができる。また、カーテン状に展開したエアバッグにおいて、前席用ガス流入路を通して前席用膨張部にガスをスムーズに流入させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明の第1実施形態を示していて、この第1実施形態においては、頭部保護エアバッグ装置10が、車室内の側部にてカーテン状に膨張展開して前席乗員の頭部Hfと後席乗員の頭部Hrを保護するエアバッグ11と、このエアバッグ11にガスを供給するインフレータ12と、エアバッグ11全体に張りを与えるテンションベルト13等を備えている。
【0017】
エアバッグ11は、中央非膨張部11aを挟んで前後に前席用膨張部11bと後席用膨張部11cを備え、後方上部にガス導入部11dを備え、前方下部に前方非膨張部11eを備え、上縁部に複数個の取付片11fを備えている。このエアバッグ11は、各取付片11fにて、図3に例示したように、L字プレート41とともにボルト42とナット43を用いて、車体のフロントピラー21とルーフサイドレール22とクォーターピラー23に組付けられている。
【0018】
L字プレート41は、エアバッグ11の展開方向を車室内側に規制することにより、センターピラー24とこれに組付けられる硬質材料(曲げ弾性率の大きな素材)からなるセンターピラーガーニッシュ34との間およびクォーターピラー23とこれに組付けられる硬質材料からなるクォーターピラーガーニッシュ33との間に形成される空間に展開途中のエアバッグ11が入り込むことを防止するためのものである。したがって、L字プレート41は、センターピラー24とクォーターピラー23にラップする部位にのみ設定されている。
【0019】
また、エアバッグ11は、折り畳んだ状態にてフロントピラー21とルーフサイドレール22とクォーターピラー23に沿って収納されて、下縁部が弾性変形可能なフロントピラーガーニッシュ31と、軟質材料(上記した硬質材料より曲げ弾性率の小さい素材)からなるルーフヘッドライニング32の周縁部と、クォーターピラーガーニッシュ33により覆われるようになっている。
【0020】
また、エアバッグ11は、インフレータ12の前端部に接続される開口を後端に有して前方に向けて斜め下方に延びるガス導入路Paを有するとともに、このガス導入路Paの前端に連通して後方に延びる上方の前席用膨張室Pbと、ガス導入路Paの前端および中間部前方に連通して前後方向に延びる下方の前席用膨張室Pcと、ガス導入路Paの中間部後方に後席用ガス流入路Pdを通して連通し後方に延びる上下一対の後席用膨張室Pe,Pfを有している。
【0021】
エアバッグ11の前席用膨張部11bは、主としてガス導入路Paの前方部分と上下一対の前席用膨張室Pb,Pcによって構成されている。また、エアバッグ11の後席用膨張部11cは、主としてガス導入路Paの後方部位と上下一対の後席用膨張室Pe,Pfによって構成されている。なお、上方の前席用膨張室Pbの前方には、前方に延びる膨張室Pgが連続的に形成されていて、この膨張室Pgによって前席乗員の頭部Hfがフロントピラー21に当接する際の衝撃を緩和するようになっている。また、膨張室Pgの基部下方には、窪み11gが形成されていて、膨張室Pgのフロントピラー21への形状追従性の向上が図られている。
【0022】
インフレータ12は、車両の側突時等にガスをエアバッグ11に向けて噴出するものであり、クォーターピラー23に沿って傾斜して配設されていて、中央に設けたブラケット12aにてボルト51を用いてクォーターピラー23に組付けられており、その前端部はエアバッグ11のガス導入部11d内に気密的に嵌合している。また、インフレータ12は、エアバッグ11におけるガス導入部11dの後端部とともに、クォーターピラーガーニッシュ33によって覆われるようになっている。
【0023】
テンションベルト13は、折り畳み易くて延び難い素材で構成されていて、一端13aをエアバッグ11の前方非膨張部11eにおける上方位置に縫合によって固着され、中間部をエアバッグ11の前方非膨張部11eにおける下方位置にに設けた通孔(スリット)11hに移動可能に挿通され、他端13bをフロントピラー21の下部にボルト等の固定具(図示省略)を用いて固着されている。また、テンションベルト13は、一端13aから中間部間にて前席用膨張部11bの前縁に沿って延在しており、前席用膨張部11bの膨張変形によって所定の張力が発生するように構成(エアバッグ11が図1に示したように膨張展開したときに所定の張力が発生するようにベルト長を設定)されている。なお、テンションベルト13は、エアバッグ11が折り畳まれた状態にてフロントピラー21とルーフサイドレール22とクォーターピラー23に沿って収納されているとき、フロントピラー21に沿って収納されて、フロントピラーガーニッシュ31により覆われるようになっている。
【0024】
また、この第1実施形態においては、エアバッグ11のガス導入部11dから後席用膨張部11cへの後席用ガス流入路Pdが、クォーターピラーガーニッシュ33とルーフヘッドライニング32との見切りAよりも車両前方の部位に設定(配設)されている。また、エアバッグ11のガス導入部11dから下方の前席用膨張室Pcへの前席用ガス流入路Phが、センターピラーガーニッシュ34の配設位置よりも車両後方の部位に設定(配設)されている。また、前席用ガス流入路Phの流入部には、下方の前席用膨張室Pcに向けてガスを積極的に導くためのガス導入ガイド部11iが設けられている。また、エアバッグ11のガス導入部11dと後席用膨張部11c間には、エアバッグ11の膨張展開時において後席用膨張部11cがクォーターピラーガーニッシュ33に引っ掛からないようにするための切欠11jが形成されている。
【0025】
上記のように構成した第1実施形態においては、車両の側突時等においてインフレータ12からガスが噴出し、このガスがエアバッグ11のガス導入部11dを経て折り畳まれて収納されているエアバッグ11内に供給されると、エアバッグ11がフロントピラーガーニッシュ31とルーフヘッドライニング32の周縁部とを車室内に向けて変形させて下方に展開し、図1に示したように車室内の側部にてカーテン状に膨張展開する。この際、エアバッグ11の後席用膨張部11cは後席用ガス流入路Pdが設定されている部位を展開開始点として下方に膨張展開し、またエアバッグ11の前席用膨張部11bは前席用ガス流入路Phが設定されている部位を展開開始点として下方に膨張展開する。
【0026】
ところで、エアバッグ11の後席用ガス流入路Pdは、クォーターピラーガーニッシュ33とルーフヘッドライニング32との見切りAよりも車両前方の部位、すなわちクォーターピラーガーニッシュ33によってルーフヘッドライニング32の周縁部が剛性を高められていない部位(ルーフヘッドライニング32の変形しやすい部位)に設定されていて、エアバッグ11は後席用ガス流入路Pdの設定部位を起点として膨張展開を開始する。しかも、エアバッグ11のガス導入部11dと後席用膨張部11c間には、上記した切欠11jが形成されている。
【0027】
したがって、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開がクォーターピラーガーニッシュ33によって阻害され難くい。このため、エアバッグ11における後席用膨張部11cの展開性を向上させることができるとともに、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開によるクォーターピラーガーニッシュ33への負荷を低減することができて、クォーターピラーガーニッシュ33のクォーターピラー23からの外れ防止を図ることができる。
【0028】
また、この第1実施形態においては、エアバッグ11がその前部に前席用膨張部11bを備えていて、前席用ガス流入路Phがセンターピラーガーニッシュ34の配設位置よりも車両後方の部位に設定されているため、前席用ガス流入路Phの設定部位においても、後席用ガス流入路Pdの設定部位と同様の作用が得られる。
【0029】
したがって、エアバッグ11における前席用膨張部11bの膨張展開がセンターピラーガーニッシュ34によって阻害され難くい。このため、エアバッグ11における前席用膨張部11bの展開性を向上させることができるとともに、エアバッグ11における前席用膨張部11bの膨張展開によるセンターピラーガーニッシュ34への負荷を低減することができて、センターピラーガーニッシュ34のセンターピラー24からの外れ防止を図ることができる。
【0030】
また、この第1実施形態においては、前席用ガス流入路Phの流入部に、ガス導入ガイド部11iを設けたため、前席用ガス流入路Phを通して下方の前席用膨張室Pcに積極的にガスを導入することができる。したがって、エアバッグ11における前席用膨張部11bの特に下方部位を速やかに膨張展開させることができる。
【0031】
また、この第1実施形態においては、エアバッグ11のガス導入路Paが後方のガス導入部11dから略直線状に前方へ延びているため、エアバッグ11の展開初期においてガス導入路Paにガスを素早く流入させることができる。また、エアバッグ11の前方部位にて、ガス導入路Paの前端部に流れたガスの慣性力によって同ガスを上下に分流させて、上下の前席用膨張室Pb,Pcにガスを素早く流入させることができる。したがって、エアバッグ11の展開初期から前席用膨張部11bを素早く膨張させることができ、エアバッグ11の膨張展開完了前に前席乗員を拘束可能なエリアを素早く広く確保することができる。
【0032】
また、この第1実施形態においては、後席用膨張部11cの後方部位が、前後方向に沿った上下の膨張室Pe,Pfとガス導入路Paにより上下方向にて実質的に3個の膨張室を構成する。これら3個の膨張室は、エアバッグ11内にガスが供給されると、それぞれ膨張し、これに伴って後席用膨張部11cの後方部位が上方に縮む。
【0033】
これに対して、後席用膨張部11cの前方部位においては、両膨張室Pe,Pfの先端部が、後席用ガス導入路Pdによってガス導入路Paに連通されているため、上下方向にて実質的に1個の膨張室を構成する。この膨張室は、エアバッグ11内にガスが供給されて膨張しても上方に縮まない。
【0034】
この結果、エアバッグ11が図1に示したように膨張展開状態になると、エアバッグ11の後端部が上方に縮むとともに、斜め後方に回動する。したがって、図1に示したように後席用ガス導入路Pdを後席用膨張部11cの前方部位に設定すれば、エアバッグ11の膨張展開時においてエアバッグ下縁の張力をアップさせることができる。
【0035】
上記第1実施形態においては、後端から前方に向けて斜め下方に延びるガス導入路Paを有するエアバッグ11を備えた頭部保護エアバッグ装置10に本発明を実施したが、本発明(請求項1に係る発明)は、図4に示したように、上縁部に後端から前端に向けて直線状に延びるガス導入路P1を有するエアバッグ11を備えた頭部保護エアバッグ装置にも同様に実施し得るものである。
【0036】
図4に示した第2実施形態においては、エアバッグ11の前席用膨張部11bが上下方向に延びる4個の前席用膨張室P2a,P2b,P2c,P2dによって構成され、エアバッグ11の後席用膨張部11cが上下方向に延びる3個の後席用膨張室P3a,P3b,P3cによって構成されている。各前席用膨張室P2a,P2b,P2c,P2dは、下端にて互いに連通していて、上端にてそれぞれガス導入路P1に連通している。一方、各後席用膨張室P3a,P3b,P3cは、下端にて互いに連通しているものの、前方の後席用膨張室P3aの上端のみにて後席用ガス流入路P4を通してガス導入路P1に連通している。
【0037】
ところで、後席用ガス流入路P4は、上記第1実施形態の後席用ガス流入路Pdと同様に、クォーターピラーガーニッシュ33とルーフヘッドライニング32との見切りAよりも車両前方の部位に設定(配設)されている。したがって、この第2実施形態においても、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開がクォーターピラーガーニッシュ33によって阻害され難くい。このため、エアバッグ11における後席用膨張部11cの展開性を向上させることができるとともに、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開によるクォーターピラーガーニッシュ33への負荷を低減することができて、クォーターピラーガーニッシュ33のクォーターピラー23からの外れ防止を図ることができる。
【0038】
なお、図4に示した第2実施形態のエアバッグ11においても、上記第1実施形態のエアバッグ11と同様に、中央非膨張部11a、ガス導入部11d、前方非膨張部11e、取付片11f、通孔(スリット)11hを有するとともに、膨張室P5(上記第1実施形態の膨張室Pgに相当するもの)を有している。
【0039】
また、上記第1実施形態においては、ガス導入路Paを通して前席用膨張部11bの各膨張室Pb,Pc等にガスが供給され、ガス導入路Paから後席用ガス流入路Pdを通して後席用膨張部11cの各膨張室Pe,Pfにガスが供給されるようにしたエアバッグ11を備えた頭部保護エアバッグ装置10に本発明を実施したが、図5に示したように、ガス導入路P11から後席用ガス流入路P12を通して後席用膨張部11cの各膨張室P13,P14にガスが供給され、更に前席用ガス流入路P15を通して前席用膨張部11bの各膨張室P16,P17,P18と前方の膨張室P19にガスが供給されるようにしたエアバッグ11を備えた頭部保護エアバッグ装置にも実施し得るものである。
【0040】
図5に示した第3実施形態においては、エアバッグ11の前席用膨張部11bが前後方向に延びる3個の前席用膨張室P16,P17,P18によって構成され、エアバッグ11の後席用膨張部11cがガス導入路P11の前方部分と前後方向に延びる2個の後席用膨張室P13,P14によって構成されている。各前席用膨張室P16,P17,P18は、前端にて互いに連通していて、両前席用膨張室P16,P17の後端にてそれぞれ前席用ガス流入路P15に連通している。一方、各後席用膨張室P13,P14は、前端にてそれぞれ後席用ガス流入路P12に連通している。
【0041】
ところで、後席用ガス流入路P12は、上記第1実施形態の後席用ガス流入路Pdと同様に、クォーターピラーガーニッシュ33とルーフヘッドライニング32との見切りAよりも車両前方の部位に設定(配設)されている。したがって、この第3実施形態においても、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開がクォーターピラーガーニッシュ33によって阻害され難くい。このため、エアバッグ11における後席用膨張部11cの展開性を向上させることができるとともに、エアバッグ11における後席用膨張部11cの膨張展開によるクォーターピラーガーニッシュ33への負荷を低減することができて、クォーターピラーガーニッシュ33のクォーターピラー23からの外れ防止を図ることができる。
【0042】
また、この第3実施形態においては、後席用ガス流入路P12がエアバッグ11の下縁部にまで下方に向けて延設されるとともに、前席用ガス流入路P15が後席用ガス流入路P12の下端からエアバッグ11の下縁に沿って前方に向けて延設されている。このため、後席用ガス流入路P12を通してエアバッグ11の下縁部にまでガスを素早く流入させることができて、エアバッグ11をその下縁部まで素早く展開させてカーテン状とすることができる。また、カーテン状に展開したエアバッグ11において、前席用ガス流入路P15を通して前席用膨張部11bの各前席用膨張室P16,P17,P18にガスをスムーズに流入させることができる。
【0043】
なお、図5に示した第3実施形態のエアバッグ11においても、上記第1実施形態のエアバッグ11と同様に、中央非膨張部11a、ガス導入部11d、前方非膨張部11e、取付片11f、通孔(スリット)11h、窪み11g、切欠11jを有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による頭部保護エアバッグ装置の第1実施形態を示した側面図である。
【図2】 図1に示したエアバッグを単に展開した状態の側面図である。
【図3】 図1に示したエアバッグが収納されている状態での図1の3−3線に沿った断面図である。
【図4】 頭部保護エアバッグ装置の第2実施形態を示す図2相当図である。
【図5】 頭部保護エアバッグ装置の第3実施形態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
10…頭部保護エアバッグ装置、11…エアバッグ、11a…中央非膨張部、11b…前席用膨張部、11c…後席用膨張部、11d…ガス導入部、11e…前方非膨張部、11f…取付片、11i…ガス導入ガイド部、11j…切欠、Pa…ガス導入路、Pb,Pc…前席用膨張室、Pd…後席用ガス流入路、Pe,Pf…後席用膨張室、Ph…前席用ガス流入路、Hf…前席乗員の頭部、Hr…後席乗員の頭部、12…インフレータ、13…テンションベルト、21…フロントピラー、22…ルーフサイドレール、23…クォーターピラー、24…センターピラー、31…フロントピラーガーニッシュ、32…ルーフヘッドライニング、33…クォーターピラーガーニッシュ、34…センターピラーガーニッシュ、A…クォーターピラーガーニッシュとルーフヘッドライニングとの見切り。
Claims (4)
- 車室内の側部にてカーテン状に膨張展開するエアバッグがその後部に後席用膨張部とガス導入部を備えて少なくとも車体のクォーターピラーとルーフサイドレールに沿って組付けられ、前記ガス導入部が前記後席用膨張部の上方にて後方に突出して前記クォーターピラーに組付けたインフレータに接続されるようにした頭部保護エアバッグ装置において、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記後席用膨張部がルーフヘッドライニングの側部後方周縁部のみにて覆われ、前記ガス導入部の後方突出部がクォーターピラーガーニッシュの上部によって覆われるようにし、前記ガス導入部から前記後席用膨張部への後席用ガス流入路を、前記クォーターピラーガーニッシュと前記ルーフヘッドライニングとの見切りよりも車両前方の部位に設定してなり、前記エアバッグの前記ガス導入部と前記後席用膨張部間には、切欠が形成されていることを特徴とする頭部保護エアバッグ装置。
- 前記エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記前席用膨張部が前記ルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、前記ガス導入部から前記前席用膨張部への前席用ガス流入路を、センターピラーガーニッシュの配設位置よりも車両後方の部位に設定したことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
- 前記前席用ガス流入路の流入部に、前記前席用膨張部における下方の前席用膨張室に向けてガスを導くガス導入ガイド部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の頭部保護エアバッグ装置。
- 前記エアバッグがその前部に前席用膨張部を備えていて、前記エアバッグが上下方向に折り畳まれて収納された状態では、前記前席用膨張部が前記ルーフヘッドライニングの側部前方周縁部にて覆われるようにし、前記後席用ガス流入路を前記エアバッグの下縁部にまで下方に向けて延設するとともに、この後席用ガス流入路から前記前席用膨張部への前席用ガス流入路を前記後席用ガス流入路の下端から前記エアバッグの下縁に沿って前方に向けて延設したことを特徴とする請求項1に記載の頭部保護エアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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