JP5190668B2 - 粘着付与剤、粘・接着剤組成物および粘・接着フィルムラベル - Google Patents

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Description

本発明は、粘着付与剤、粘・接着剤組成物および粘・接着フィルムラベルに関する。
従来、ロジン類とアルコールの反応生成物、いわゆるロジンエステルは、粘・接着剤用の粘着付与樹脂、ゴム類や各種プラスチック、ポリマー類の改質剤、チューイングガム基材などの各種用途に使用されている。しかし、一般にロジンエステルは色調が悪く、黄色ないしは黄褐色に着色している。また加熱や日光照射による酸化に起因する色調の悪化に対する安定性(以下、安定性という)に欠けており、他にも臭気等の点で満足し得るものではなかった。
ロジンエステルを合成する際に用いるロジン類として、安定性に優れた不均化ロジンや水素化ロジンを使用することで上記欠点をある程度解決したロジンエステルが市販されているが、これらの色調、安定性は満足し得るものではない。
安定性に優れたロジンエステルの製造法として、蒸留精製した不均化ロジンとアルコールをエステル化する方法が提案されている。(特許文献1参照)しかし、この方法で得られるロジンエステルは従来のロジンエステルと比べると安定性が比較的良好であるが、満足し得るものではなく、さらに、エステル化工程における加熱時にロジンエステルが着色するといった問題があった。
また、安定性、かつ色調に優れたロジンエステルの製造方法として、蒸留精製した不均化ロジン化合物とアルコールを、不均化能力と淡色化能力を併せ持つ特定の有機硫黄化合物の存在下においてエステル化する方法も提案されている(特許文献2参照)。しかし、当該方法で得られるロジンエステルも安定性の点で未だ改善の余地があり、しかも加熱時に有機硫黄化合物に起因する硫黄臭がするといった問題もあった。
ところで、色調を改良することを目的として、ロジンまたは不均化ロジンを精製した後にエステル化、および水素化することにより無色ロジンエステルの誘導体を製造する方法が提案されている(特許文献3参照)が、具体的なロジンの水素化率の記載はなく、各種のべースポリマーへの適合性や、水素化率の最適範囲などについては全く記載されていない。
さらに、不均化ロジンを精製したのちにエステル化し、脱水素する淡色ロジンエステルの製造方法も提案されている(特許文献4参照)が、水素化を経ていないためか、その色調などは水素化工程を経たロジンエステルに比較して劣っていた。
また、これらの特許文献には、粘着付与樹脂として使用する場合の組成面からの検討は行なわれておらず、また、それらの利用、特に粘・接着フィルムラベルへの応用についての検討もなされていなかった。
特開昭55−9605号公報 特開昭59−230072号公報 特開昭63−186783号公報 特開平5−171112号公報
本発明は、淡色で、臭気がなく、安定性に優れ、粘着剤等に用いられる各種ベースポリマーとの相溶性に優れる粘着付与剤、特に粘・接着フィルムラベルに適した粘着付与剤を提供することを目的とする。また、粘着特性等に優れた粘・接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、精製ロジン類とアルコール類を反応させて得られるある特定の分光学的性質、特定の範囲の水酸基価を有する反応生成物を用いることにより前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、デヒドロアビエチン酸を35〜70重量%、ジヒドロアビエチン酸を15〜40重量%、テトラヒドロアビエチン酸を10〜35重量%含有し、アビエチン酸の含有量が0.1重量%以下であって、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸の含有量の合計が90重量%以上である精製ロジン類(A)とアルコール類(B)を反応させて得られる、紫外線(UV)吸光光度法の276nmにおける吸光度A(1% 1cm)が2.7以上16.0未満であって、H−NMRにおいて5.4〜6.6ppmにピークを有さず、更に水酸基価が30mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下である反応生成物を含有することを特徴とする粘着付与剤;前記粘着付与剤を含有する粘・接着剤組成物;前記粘着付与剤を含有する粘・接着フィルムラベルに関する。
本発明の粘着付与剤は、淡色で臭気がなく良好な安定性を示すうえ、粘着剤等に用いられる各種アクリルポリマーとの相溶性に優れる。そのため、本発明の粘着付与剤を用いて得られる粘・接着剤は良好な粘・接着特性を発揮することができ、粘・接着フィルムラベルの製造に有用である。
本発明の粘着付与剤は、精製ロジン類(A)(以下、(A)成分という)とアルコール類(B)(以下、(B)成分という)を反応させて得られる、紫外線(UV)吸光光度法の276nmにおける吸光度A(1% 1cm)が2.7以上16.0未満であって、H−NMRにおける5.4〜6.6ppmにピークを有さず、更に水酸基価が30mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下である反応生成物を含有することを特徴とする。UV吸光光度法の276nmにおける吸光度A(1% 1cm)が2.7を下回ると、粘着剤等に用いられるアクリルポリマー等との相溶性が劣るため好ましくなく、UV吸光光度法の276nmにおける吸光度A(1% 1cm)が16.0以上となると、安定性が劣るうえ、ブロックゴム系粘着剤に使用した場合は、粘着性能(保持力)の低下を招き好ましくない。また、H−NMRにおいて5.4〜6.6ppmの領域にピークを有するということは、不安定な二重結合(非芳香族)、すなわち酸化を受けやすいようなオレフィン性二重結合(4置換オレフィンを除く)を有することを意味し、安定性が悪くなるため好ましくない。また、水酸基価が、30mgKOH/gを下回ると、低極性被着体に対するタックが低下するため好ましくなく、60mgKOH/gを超えると、低温(5℃程度)での初期粘着力が低下し、低温で短時間軽圧着した場合の接着力が低下するため好ましくない。なお、本明細書において水酸基価は、JIS規格(JIS K 0700)に準ずる水酸基価測定法で測定した化合物1gあたりの水酸基の数を意味する。
本発明の粘着付与剤の製造に用いられる(A)成分とは、ロジン類を後述する方法によって精製したものである。当該(A)成分を用いない場合には、色調、臭気、安定性等諸性能を満足した本発明の粘着付与剤は得られない。
ロジン類としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の原料ロジンおよびこれら原料ロジンの水素化物、不均化物などが挙げられる。一般に、ロジン類には、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等の樹脂酸が含まれている。
(A)成分は、未精製のロジン類から樹脂酸の過酸化物から生起したと考えられる高分子量物や、未精製のロジン類に含まれていた不ケン化物を除去することにより得られる。精製方法は特に限定されず、公知の各種精製方法を適宜選択できる。具体的には蒸留、再結晶、抽出等の方法が挙げられる。工業的には蒸留による精製を行なうことが好ましい。蒸留は、通常、200〜300℃程度、100〜1500Pa程度の範囲から蒸留時間を考慮して適宜選択される。再結晶は、例えば、未精製ロジンを良溶媒に溶解し、ついで溶媒を留去して濃厚な溶液とし、この溶液に貧溶媒を添加することにより行なう。良溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロホルムなどの塩素化炭化水素類、低級アルコール等のアルコール類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどの酢酸エステル類等が挙げられ、貧溶媒としてはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。抽出は、例えば、アルカリ水を用いて未精製のロジンをアルカリ水溶液となし、これに含まれる不溶性の不ケン化物を、有機溶媒を用いて抽出したのち、水層を中和することで(A)成分を得る方法である。(A)成分中に含まれるアビエチン酸の含有量は0.1重量%以下、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸の含有量の合計は90重量%以上とし、98重量%以上とすることが特に好ましい。また、(A)成分中に含まれるデヒドロアビエチン酸の含有量は、35〜70重量%とする。デヒドロアビエチン酸量を35重量%以上とすることにより、芳香族を有する成分が増加するために各種ポリマーとの相溶性が良好となる。一方、70重量%以下とすることにより、本発明の粘着付与剤の結晶性を抑制でき、その取り扱い性が良好となるため好ましい。なお、デヒドロアビエチン酸の含有量は40〜60重量%とすることが特に好ましい。(A)成分中に含まれるジヒドロアビエチン酸の含有量は、15〜40重量%とする。ジヒドロアビエチン酸量を15重量%以上とすることにより、粘着付与剤の自動酸化を抑制することができるため好ましい。一方、40重量%以下とすることにより、本発明の各種ポリマーとの相溶性が良好となるため好ましい。なお、ジヒドロアビエチン酸の含有量は20〜35重量%とすることが特に好ましい。(A)成分中に含まれるテトラヒドロアビエチン酸の含有量は、10〜35重量%とする。テトラヒドロアビエチン酸量を10重量%以上とすることにより、粘着付与剤の自動酸化を抑制する。一方、35重量%以下とすることにより、各種ポリマーとの相溶性が良好となる。なお、テトラヒドロアビエチン酸の含有量は15〜25重量%とすることが特に好ましい。なお、(A)成分の組成を、前記組成にするためには、例えば、蒸留したロジン類に不均化、水素化等の各操作を単独でまたは組み合わせて行なってもよいが、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸等を調製し、これらを混合してもよい。なお、テトラヒドロアビエチン酸は、例えば、J. Org. Chem. 31, 4128(1966) 、J. Org. Chem. 34, 1550(1969)に記載の方法で、ジヒドロアビエチン酸は、例えば、特開昭51−149256に記載の方法で、デヒドロアビエチン酸は、例えば、米国特許第3,737,453号、J. Org. Chem. 31, 4246−4248 (1966)に記載の方法などで得ることができる。
本発明の粘着付与剤の製造に用いられる(B)成分の具体例としては、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール等の1価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等の2価アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコールなどが挙げられ、これらのうちいずれか一種を単独でまたは二種以上を混合して用いることができる。なお、1価アルコールを用いる場合には、2価以上の多価アルコール類と併用する必要があり、1価アルコールを用いる場合には、水酸基価が前述の範囲になるように使用量を調整する必要がある。なお、(B)成分としては、カルボン酸と反応してエステルとなることができる、グリシジルエーテル類や、グリシドールなどを用いてもよい。
これらの中では、4価のアルコールおよび/または3価のアルコールを用いることが、得られる(A)成分と(B)成分の反応生成物の軟化点を所望の温度とすることができるため好ましい。なお、(A)成分および(B)成分の使用量は、得られる反応生成物の水酸基価が前述の範囲になるように選択すればよい。通常は、(A)成分中のカルボン酸基と(B)成分中の水酸基のモル比(OH/COOH)を0.5〜2程度とすることが好ましい。
(A)成分と(B)成分の反応は、公知のエステル化方法で行うことができる。具体的には、150〜300℃程度の高温条件において、生成する水を系外に除去しながら行われる。また、エステル化反応中に空気が混入すると生成するエステル化物が着色するおそれがあるため、反応は窒素やヘリウム、アルゴン等の不活性ガス下で行なうことが好ましい。なお、反応に際しては、必ずしもエステル化触媒を必要としないが、反応時間の短縮のために酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒、水酸化カルシウム等のアルカリ金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物等を使用することもできる。
このようにして得られた(A)成分と(B)成分の反応生成物の軟化点(環球法)は、50〜120℃程度とすることが好ましい。軟化点を50℃以上とすることで、粘着付与剤の取り扱いが容易になるため好ましい。なお、軟化点が、120℃を超えた反応生成物を得るためには、ロジン類を、例えば、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和酸で変性等する必要があるが、これらの酸を用いて変性をすると分子量分布が広くなり、粘着剤等を調製する際に用いるベース樹脂との相溶性が悪化する場合がある。また、得られる(A)成分と(B)成分との反応生成物は、(A)成分と4価アルコールのテトラエステルを10〜40重量%程度含有することが好ましい。テトラエステル体の量を10重量%以上とすることで、反応生成物の軟化点を高く維持することができる。また、40重量%を超えるまでエステル化反応を進行させるには長時間必要となるため、工業的に好ましくない。また、(A)成分とアルコールの反応生成物の色調は、通常、150ハーゼン(JIS K 0071−1)以下の無色透明である。
本発明の粘着付与剤は前記(A)成分と(B)成分の反応物からなるが、必要に応じて、酸化防止剤等の各種添加剤を含有していてもよい。
本発明の粘・接着剤は、前述の粘着付与剤を用いて得ることができる。粘・接着剤としては、例えば、アクリル系感圧接着剤組成物、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘着剤組成物、エチレン系ホットメルト接着剤などが挙げられる。
アクリル系感圧接着剤は、ベースポリマーであるアクリル系重合体に粘着付与剤を配合することによって得られる。
アクリル系重合体は、特に制限はなく、アクリル系感圧接着剤として使用されている各種公知の単独重合体もしくは共重合体をそのまま使用することができる。アクリル系重合体に使用される単量体としては、各種(メタ)アクリル酸エステル(なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいい、以下(メタ)とは同様の意味である)を使用できる。かかる(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等を例示でき、これらを単独もしくは組合せて使用できる。また、得られるアクリル系重合体に極性を付与するために前記(メタ)アクリル酸エステルの一部に代えて(メタ)アクリル酸を少量使用することもできる。さらに、架橋性単量体として(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等も併用しうる。更に所望により、(メタ)アクリル酸エステル重合体の粘着特性を損なわない程度において他の共重合可能な単量体、たとえば酢酸ビニル、スチレン等を併用しうる。
これら(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体のガラス転移温度は特に制限はされないが通常は−90〜0℃程度、好ましくは−80〜−10℃の範囲とするのがよい。ガラス転移温度が0℃よりもあまりにも高い場合にはタックが低下し、−90℃よりもあまりにも低い場合には接着力が低下する傾向がある。また、分子量は特に限定されないが、通常、重量平均分子量(ゲルパーメーションクロマトグラフィー法によるポリスチレン換算値)が20万〜100万程度であり、30万〜90万程度であることが好ましい。分子量をこの範囲とすることにより、粘・接着性能が良好となる。
なお、該アクリル系重合体の製造方法は、各種公知の方法を採用すればよく、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜85℃程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。また、アクリル系重合体の溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等の極性溶剤が用いられ、溶液濃度は通常40〜60重量%程度とされる。
本発明のアクリル系感圧接着剤組成物の組成比は、アクリル系重合体100重量部に対して、前記粘着付与樹脂1〜40重量部程度、好ましくは5〜30重量部を配合して使用する。粘着付与樹脂の添加量が1重量部に満たない場合には十分な粘着特性を付与することが困難となり、40重量部を超える場合には相溶性の低下のみならず接着剤組成物が固くなり接着力及びタックも低下するため好ましくない。
なお、本発明のアクリル系感圧接着剤組成物は、前記アクリル系重合体および粘着付与樹脂に、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の架橋剤を加えることにより、凝集力、耐熱性を更に向上させることもできる。これら架橋剤のなかでも、特にポリイソシアネート化合物を使用するのが好ましく、その具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の各種公知のものがあげられる。さらに本発明のアクリル系感圧接着剤組成物は必要に応じて充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を適宜使用しうる。また、本発明のアクリル系感圧接着剤組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で各種公知の粘着付与樹脂を併用することもできる。
本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘着剤組成物は、前記粘着付与剤、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体およびオイルを配合したものである。
スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体とは、スチレン、メチルスチレン等のスチレン類と、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類を、使用目的に応じて適宜に選択して共重合したブロック共重合体である。通常、スチレン類/共役ジエン類の重量比は、10/90〜50/50である。このようなブロック共重合体の好ましい具体例としては、たとえばスチレン類(S)/ブダジエン(B)の重量比が、10/90〜50/50の範囲にあるSBS型ブロック共重合体、スチレン類(S)/イソプレン(I)の重量比が、10/90〜30/70の範囲にあるSIS型ブロック共重合体等があげられる。また、本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体には、前記ブロック共重合体の共役ジエン成分を水素化したものも含まれる。水素化したものの具体例としては、いわゆるSEBS型ブロック共重合体、SEPS型ブロック共重合体などがあげられる。
また、オイルとしては、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルや、芳香族系オイル等の可塑化オイルがあげられる。凝集力の低下が少ない点からすれば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイルが好ましい。具体的には、ナフテン系プロセス油、パラフィン系プロセス油、液状ポリブテン等があげられる。
各成分の使用量としては、例えば、粘着付与剤15〜210重量部、スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体4〜200重量部およびオイル4〜200重量部を含有してなるものである。
スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体が4重量部未満の場合には、保持力が不十分であり、200重量部を超える場合には得られる粘着剤組成物の溶融粘度が高くなりいずれも好ましくない。また、オイルが4重量部未満の場合には、粘着剤組成物の溶融粘度が高くなり、200重量部を超える場合には保持力が不十分になる場合がある。
なお、本発明のスチレン−共役ジエン系ブロック共重合体粘着剤組成物には、さらに、必要に応じて、充填剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
このようにして得られた粘・接着剤組成物を、各種プラスチックフィルム基材、紙基材等に塗布後乾燥させることより、また、離型紙上に一旦粘・接着剤組成物を塗布後乾燥した後に、フィルム基材、紙基材等に転写して、各種粘着ラベル、シール、テープ等を得ることができる。
本発明のエチレン系ホットメルト接着剤組成物は、エチレン系共重合物に前記粘着付与剤を配合することによって得られる。
エチレン系共重合物とは、エチレンと、エチレンと共重合可能な単量体との共重合物であり、従来、ホットメルト接着剤に使用されていたものを使用できる。エチレンと共重合可能な単量体とは、たとえば酢酸ビニル等があげられる。酢酸ビニル含有量は通常20〜45重量%程度である。なお、分子量は、メルトインデックス(190℃、荷重2160g、10分間)が10〜400g/10分程度のものが好ましい。
ワックスとしては、ホットメルト接着剤において用いられるものを使用でき、具体的にはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、フィシャー・トロプシュワックス、低分子量ポリエチレンワックスなどの合成ワックスがあげられる。
本発明のエチレン系ホットメルト接着剤は、エチレン系共重合物100重量部、前記本発明の粘着付与剤50〜150重量部およびワックス10〜100重量部を含有してなるものである。
粘着付与剤が50重量部未満の場合には十分な接着力を得られず、また150重量部を超える場合は十分な保持力が得られない場合がある。また、ワックスが10重量部未満の場合には、得られる接着剤組成物の溶融粘度が高くなりすぎ、また100重量部を超える場合には、十分な保持力が得られないため好ましくない。なお、本発明のエチレン系ホットメルト接着剤には、さらに、必要に応じて、充填剤、酸化防止剤等の添加剤を加えることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されないことはもとよりである。なお、実施例中%は重量%を示す。なお、精製ロジンの樹脂酸組成の同定と定量は下記の方法による。
実施例、比較例内に示す樹脂酸の組成と定量は、ガスクロマトグラフィーで実施した。樹脂酸0.1gをn−ヘキサノール2.0gに溶解する。この溶液0.1gとオンカラムメチル化剤(フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド(PTHA)0.2モルメタノール溶液、ジーエルサイエンス(株))0.4gを均一混合し、1μlをガスクロマトグラフィーに打ち込み組成分析と定量をおこなった。
ガスクロマトグラフィー:GC−14A (株)島津製作所
カラム:Advance−DS 信和化工(株)
製造例1(デヒドロアビエチン酸の製造)
不均化ロジン(酸価167、軟化点77℃、荒川化学工業(株)製)をアルゴン気流中でメルト後、133Paの減圧下で加熱し、195〜200℃の留分を得た。この精製不均化ロジンは酸価180、軟化点93℃であった。この精製不均化ロジン200gをエタノール480gに加熱溶解し、これにモノエタノールアミン40gを加えて1時間還流下で反応させた後、水500gを加えた。得られたデヒドロアビエチン酸モノエタノールアミン塩をイソオクタン200mlで2回抽出し、不けん化物およびジヒドロアビエチン酸塩を除いた。一晩放置後、結晶をろ過し、さらにエタノール250gで3回再結晶をおこない、十分デヒドロアビエチン酸の純度をあげてから塩酸でアミン塩を分解しろ過した。この結晶をエーテルに溶解し十分に水洗したのちに完固、再度エタノール中で再結晶した。得られたデヒドロアビエチン酸の酸価は186、融点178℃、ガスクロマトグラフィー純度は96%であった。
製造例2(テトラヒドロアビエチン酸の製造)
市販のアビエチン酸300g(関東化学 融点172〜175℃)およびシクロヘキサン500g、触媒としてニッケルけいそう土触媒N−113(日揮化学(株))15gをオートクレーブに仕込み、水素置換後10MPaまで昇圧し250℃で5時間反応させた。反応終了後冷却し水素をブローした後に、ろ過により触媒を除去した。得られたクルードなテトラヒドロアビエチン酸を濃縮し、アセトン中で2回再結晶をおこない減圧下で乾燥した。得られたテトラヒドロアビエチン酸の酸価は194、融点170℃、ガスクロマトグラフィー純度は97%であった。
製造例3(ジヒドロアビエチン酸の製造)
オートクレーブに未精製中国産ガムロジン100gとミネラルターペン100g、水素化触媒としてラネーニッケル触媒5gを仕込み、水素置換後10MPaまで昇圧し110℃で5時間反応させた。触媒は窒素雰囲気下でろ過し、半水添ロジンのミネラルターペン溶液を得た。この溶液100gにパラトルエンスルホン酸0.2gを加え、反応温度150℃で2時間異性化させたのち、引き続き減圧蒸留にてミネラルターペン、パラトルエンスルホン酸を留去し、粗結晶化した。この粗結晶をアセトン中で4回再結晶をおこなうことにより、目的のジヒドロアビエチン酸を得た。得られたテトラヒドロアビエチン酸の酸価は194、融点182℃、ガスクロマトグラフィー純度は98%であった。
製造例4(溶剤型アクリル系重合体の製造)
攪拌装置、冷却管、2基の滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に酢酸エチル50部、トルエン30部を仕込んだ後、窒素気流下に系内温度が約75℃となるまで昇温した。次いで、あらかじめアクリル酸ブチル48.5部、アクリル酸2−エチルヘキシル48.5部、アクリル酸3部を混合して仕込んだ滴下ロートと、アゾビスイソブチロニトリル0.1部および酢酸エチル10部を仕込んだ滴下ロートから約3時間を要して系内に滴下し、更に5時間同温度に保って重合反応を完結させた。酢酸エチルを追加して固形分を約50%に調整し、アクリル系重合体を含有する組成物を得た。
実施例1
製造例1で得たデヒドロアビエチン酸35g、製造例2で得たテトラヒドロアビエチン酸25g、製造例3で得たジヒドロアビエチン酸40gを4つ口フラスコにとり、アルゴンシール下で180℃に昇温し溶融攪拌下200℃でトリメチロールプロパン1g、次いでジグリセリン17gを加えた。その後、280℃で12時間反応させた。エステル化により発生した水は分縮器を介して、系外に排出し、エステル化を進行させ、軟化点95℃、酸価10、色調100H(ハーゼン)のロジンエステル樹脂を103g得た。
実施例2
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸40g、テトラヒドロアビエチン酸20g、ジヒドロアビエチン酸40g、ジグリセリン18gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸49g、テトラヒドロアビエチン酸19g、ジヒドロアビエチン酸32g、ジグリセリン19gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を101g得た。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸57g、テトラヒドロアビエチン酸14g、ジヒドロアビエチン酸29g、ジグリセリン20gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸62g、テトラヒドロアビエチン酸13g、ジヒドロアビエチン酸25g、ジグリセリン21gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を103g得た。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸65g、テトラヒドロアビエチン酸12g、ジヒドロアビエチン酸23g、ジグリセリン23gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を103g得た。
実施例7
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、ジグリセリンの使用量を、デヒドロアビエチン酸69g、テトラヒドロアビエチン酸10g、ジヒドロアビエチン酸21g、ジグリセリン24gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。結果を表1に示す。
実施例8
実施例1において、トリメチロールプロパンをグリセリンに、ジグリセリンをペンタエリスリトールに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。結果を表1に示す。
実施例9
市販の中国水添ロジン(軟化点73℃、色調6G、酸価163、広西梧州日成林産化工有限公司)と不均化ロジン(酸価167、軟化点77℃、荒川化学工業(株)製)を1:1で混合して、窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価172、軟化点79.5℃、色調120Hの精製混合ロジン酸を得た。この混合ロジン酸100gとトリメチロールプロパン1g、ジグリセリン21gを実施例1と同様の方法でエステル化し、軟化点101℃、酸価5、色調130H(ハーゼン)の粘着付与剤102g得た。樹脂酸組成は、得られた粘着付与剤(ロジンエステル)を定法に従って加水分解(n−ヘキサノール中、KOHを加えて、2時間還流反応させた後に、塩酸で中性とし、得られた樹脂酸を分析に用いる。)した後に、ガスクロマトグラフィーで決定した。
比較例1
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の使用量を、デヒドロアビエチン酸25g、テトラヒドロアビエチン酸70g、ジヒドロアビエチン酸5gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。
比較例2
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の使用量を、デヒドロアビエチン酸30g、テトラヒドロアビエチン酸65g、ジヒドロアビエチン酸5gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を100g得た。
比較例3
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の使用量を、デヒドロアビエチン酸80g、テトラヒドロアビエチン酸5g、ジヒドロアビエチン酸15gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。
比較例4
実施例1において、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸の使用量を、デヒドロアビエチン酸84g、ジヒドロアビエチン酸16gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。
比較例5
実施例1において、トリメチロールプロパン、ジグリセリンの使用量を、トリメチロールプロパン0.3g、次いでジグリセリン4gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を102g得た。
比較例6
実施例1において、トリメチロールプロパン、ジグリセリンの使用量を、トリメチロールプロパン2g、次いでジグリセリン34gに変えた他は、実施例1と同様にして粘着付与剤を103g得た。
比較例7
未精製中国産ガムロジン(酸価163、軟化点77℃)を窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価174、軟化点82℃、色調ガードナー250Hの精製ロジンを得た。得られた精製ロジンを実施例1と同様の方法でエステル化し、軟化点100℃、酸価6、色調260Hのロジンエステル樹脂を110g得た。このロジンエステル樹脂105g、触媒として5%Pd−カーボン触媒(エヌ・イーケムキャット(株)50%含水品)0.2gをフラスコに仕込み、アルゴン置換後常圧を保ちながら、280℃で2時間反応させた。反応終了後溶融ろ過により触媒を除去し不均化ロジンを得た。この不均化ロジンをシクロヘキサン100gに溶解し、触媒として5%Pd−カーボン触媒(エヌ・イーケムキャット(株)50%含水品)3.0gをオートクレーブに仕込み、水素置換後15MPaまで昇圧し290℃で4時間反応させた。反応終了後冷却し水素をブローした後に、ろ過により触媒を除去した。シクロヘキサンは減圧蒸留により留去して粘着付与剤97gを得た。樹脂酸組成は、得られた粘着付与剤(ロジンエステル)を定法に従って加水分解(n−ヘキサノール中KOHを加えて、2時間還流反応させた後に、塩酸で中性とし、得られた樹脂酸を分析に提供する。)した後に、ガスクロマトグラフィーで決定した。
比較例8
未精製中国産ガムロジン(酸価163、軟化点77℃)を窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価174、軟化点82℃、色調ガードナー250Hの精製ロジンを得た。得られた精製ロジンを実施例1と同様の方法でエステル化し、軟化点100℃、酸価6、色調260Hのロジンエステル樹脂を110g得た。このロジンエステル樹脂105g、触媒として5%Pd−カーボン触媒(エヌ・イーケムキャット(株)50%含水品)0.2gをフラスコに仕込み、アルゴン置換後常圧を保ちながら、280℃で2時間反応させた。反応終了後溶融ろ過により触媒を除去し不均化ロジンを得た。の不均化ロジンをシクロヘキサン100gに溶解し、水素化触媒としてラネーニッケル触媒5gを仕込み、水素置換後10MPaまで昇圧し110℃で5時間反応させた。反応終了後冷却し水素をブローした後に、ろ過により触媒を除去した。シクロヘキサンは減圧蒸留により留去して粘着付与剤97gを得た。樹脂酸組成は、得られた粘着付与剤(ロジンエステル)を定法に従って加水分解(n−ヘキサノール中KOHを加えて、2時間還流反応させた後に、塩酸で中性とし、得られた樹脂酸を分析に提供する。)した後に、ガスクロマトグラフィーで決定した。
比較例9
未精製中国産ガムロジン100gロジン(酸価163、軟化点77℃)を窒素シール下に400Paの減圧下で蒸留し、酸価174、軟化点82℃、色調ガードナー250Hの精製ロジンを得た。得られた精製ロジンを実施例1と同様の方法でエステル化し、軟化点100℃、酸価6、色調250Hのロジンエステル樹脂を103g得た。このロジンエステル樹脂100g、触媒として5%Pd−カーボン触媒(エヌ・イーケムキャット(株)50%含水品)0.2gをフラスコに仕込み、アルゴン置換後常圧を保ちながら、280℃で2時間反応させた。反応終了後溶融ろ過により触媒を除去し粘着付与剤97gを得た。樹脂酸組成は、得られた粘着付与剤(ロジンエステル)を定法に従って加水分解(n−ヘキサノール中KOHを加えて、2時間還流反応させた後に、塩酸で中性とし、得られた樹脂酸を分析に提供する。)した後に、ガスクロマトグラフィーで決定した。
(276nmにおける吸光度A(1% 1cm)の算出)
得られた粘着付与剤50.0mgを25mlメスフラスコに精秤し、シクロヘキサン:エタノール=1:1混合溶媒で溶解した後、25mlの秤線まで定容する。ピペットにて1mlを量りとり20mlメスフラスコへ移し、20mlの秤線まで定容し20倍希釈液とする。UV分光光度計(HITACHI u−3210 spectrophotometer)にて、セル厚1cmの石英セルを用いることにより吸光度を測定する。276nmにある極大ピークの吸光度を読み取る。得られた吸光度を100倍することにより、吸光度A(1% 1cm)を得る。結果を表1に示す。
なお、吸光度A(1% 1cm)の1%は、基質(粘着付与樹脂)濃度を表し、1w/v%=1基質重量/溶媒体積%のことを言う。1cmは測定セルの光路長が1cmであることを表す。
(NMRピークの観測)
重クロロホルム溶媒に得られた粘着付与剤を溶解し(5%溶液)、H−NMRを測定した(Varian GEMINI−300 300MHz)。0〜10ppm領域におけるプロトン積分値、5.4〜6.6ppm領域における積分値を算出し、その比を指標としてオレフィン性二重結合の存在量を下記式より数値化(%)した。結果を表1に示す。
Figure 0005190668
(耐熱性)
得られた粘着付与剤10gを試験管に採取し、200℃循風乾燥器に入れ、2時間後の色調を測定した。(ガードナーカラー表示)結果を表1に示す。
(耐候性)
60〜100メッシュに粉砕した樹脂2.0gを採取し、400W紫外線ランプを40cmの距離から15時間照射した時の照射前後の色調(50%トルエン溶液)を測定した。結果を表1に示す。
(アクリルポリマー相溶性)
製造例4で得たアクリル重合体組成物(50%酢酸エチル溶液)4.2gと、粘着付与樹脂の50%トルエン溶液1.8gを混合する。この混合液をガラス板上に塗布し、風乾ののち105℃循風乾燥機中で5分間乾燥後、取り出し室温まで冷却する。相溶性を以下の基準に基づき目視評価した。結果を表1に示す。
○ 透明 △うすく白濁 ×白濁
(SIS系ゴム相溶性)
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン系ブロックゴム(クインタック3421、日本ゼオン)の25%トルエン溶液4.0gと、粘着付与樹脂の50%トルエン溶液2.0gを混合する。この混合液をガラス板上に塗布し、風乾ののち105℃循風乾燥機中で5分間乾燥後、取り出し室温まで冷却する。相溶性を目視評価した。結果を表1に示す。
○ 透明 △うすく白濁 ×白濁
(溶剤型アクリル系粘着剤組成物の調製)
製造例4で得られた溶剤型アクリル系重合体ワニス100部に、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた、樹脂の50%トルエンワニスを20部後添加した後、架橋剤としてポリイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名「コロネートL」)1.6部を添加し、溶剤型アクリル系粘接着剤組成物を得た。得られた溶剤型アクリル系粘接着剤組成物を厚さ38μmのポリエステルフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が30μm程度となるように塗布(塗工幅25mm)し、次いで該粘接着剤組成物ワニス中の溶剤を風乾の後105℃循風乾燥機中で5分間乾燥して試料テープを作成し、後述の性能評価方法にて各種試験を行った。
(接着力)
JIS Z 0237法に従い、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるポリエチレン板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、20℃で24時間放置した。その後テンシロン引張り試験機で20℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行い幅25mmあたりの接着力(N/25mm)を測定した。結果を表2に示す。
(軽度接着力)
JIS Z 0237法に従い、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるアルミニウム板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、5℃で20分放置した。その後テンシロン引張り試験機で5℃にて剥離速度300mm/分で90°剥離試験を行い幅25mmあたりの軽度接着力(N/25mm)を測定した。結果を表2に示す。
(タック)
PSTC−6法に従い、30度の角度を有する斜面から、No.14の鋼球を転がし、水平面に置いた粘着面(試料テープ)上で鋼球が転がる距離(cm)を測定した。距離(cm)が短いほどタックに優れる。測定雰囲気温度は、20℃である。結果を表2に示す。
(保持力)
PSTC−7法に従い、試料テープとステンレス鋼板を2kgのゴムローラーを用いて、接着面積25mm×25mmで圧着した後、20℃で24時間放置した。その後クリープテスターで40℃、1kg、1時間の条件で荷重をかけたときの試料テープ(ポリエステルフィルム)とステンレス鋼板とのズレ(mm)を測定した。ズレ(mm)が短いほど保持力に優れる。結果を表2に示す。
(SIS系ブロックゴム粘着剤組成物の調製)
SIS型ブロック共重合体(商品名「クインタック3421」、日本ゼオン(株)製)50g、およびパラフィン系オイル(商品名「DIプロセスPW90」、出光興産(株)製)15g、実施例1〜9、比較例1〜9で得られた樹脂50gを、115gのトルエンに溶解し、粘着剤組成物の50%ワニスを調製した。得られた粘着剤組成物ワニスを厚さ38μmのポリエステルフィルムにサイコロ型アプリケーターにて乾燥膜厚が30μm程度となるように塗布(塗工幅25mm)し、次いで該粘接着剤組成物ワニス中の溶剤を風乾の後105℃循風乾燥機中で5分間乾燥して試料テープを作成し、後述の性能評価方法にて各種試験を行った。
(接着力)
JIS Z 0237法に従い、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるポリエチレン板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、20℃で24時間放置した。その後テンシロン引張り試験機で20℃にて剥離速度300mm/分で180°剥離試験を行い幅25mmあたりの接着力(N/25mm)を測定した。結果を表3に示す。
(軽度接着力)
JIS Z 0237法に従い、上記試料テープを、2kgのゴムローラーを用いて、被着体であるアルミニウム板基材に接着面積25mm×125mmで圧着後、5℃で20分放置した。その後テンシロン引張り試験機で5℃にて剥離速度300mm/分で90°剥離試験を行い幅25mmあたりの軽度接着力(N/25mm)を測定した。結果を表2に示す。
(タック)
PSTC−6法に従い、30度の角度を有する斜面から、No.14の鋼球を転がし、水平面に置いた粘着面(試料テープ)上で鋼球が転がる距離(cm)を測定した。距離(cm)が短いほどタックに優れる。測定雰囲気温度は、20℃である。結果を表3に示す。
(保持力)
PSTC−7法に従い、試料テープとステンレス鋼板を2kgのゴムローラーを用いて、接着面積25mm×25mmで圧着した後、20℃で24時間放置した。その後クリープテスターで40℃、1kg、3時間の条件で荷重をかけたときの試料テープ(ポリエステルフィルム)とステンレス鋼板とのズレ(mm)を測定した。ズレ(mm)が短いほど保持力に優れる。結果を表3に示す。
Figure 0005190668
表中、DEAはデヒドロアビエチン酸、THAはテトラヒドロアビエチン酸、DHAはジヒドロアビエチン酸を表す。
Figure 0005190668
Figure 0005190668

Claims (7)

  1. デヒドロアビエチン酸を35〜70重量%、ジヒドロアビエチン酸を15〜40重量%、テトラヒドロアビエチン酸を10〜35重量%含有し、アビエチン酸の含有量が0.1重量%以下であって、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸の含有量の合計が90重量%以上である精製ロジン類(A)とアルコール類(B)を反応させて得られる、紫外線(UV)吸光光度法の276nmにおける吸光度A(1% 1cm)が2.7以上16.0未満であって、H−NMRにおいて5.4〜6.6ppmにピークを有さず、更に水酸基価が30mgKOH/g以上、60mgKOH/g以下である反応生成物を含有することを特徴とする粘着付与剤。
  2. 精製ロジン類(A)が、デヒドロアビエチン酸を4060重量%含有することを特徴とする請求項1記載の粘着付与剤。
  3. 反応生成物が、精製ロジン類(A)と4価アルコールのテトラエステルを10〜40重量%含有する請求項1または2に記載の粘着付与剤。
  4. アルコール類(B)が4価アルコールおよび/または3価アルコールである請求項1または2に記載の粘着付与剤。
  5. 色調が150ハーゼン以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘着付与剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の粘着付与剤を含有する粘・接着剤組成物。
  7. 請求項6に記載の粘・接着剤組成物を用いて得られる粘・接着フィルムラベル。
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