JP5189617B2 - ゴム組成物およびタイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物に関し、とりわけ、均一な架橋点間距離を有し、引張特性、耐摩耗性などのゴム物性の優れたゴム組成物およびタイヤの製造方法に関する。
従来、ジエン系重合体の架橋は硫黄系の加硫剤による方法が主流であった。硫黄を用いた架橋以外には、過酸化物や樹脂加硫剤を用いた例も知られている。これらの架橋剤を用いた架橋では、架橋剤の分散の程度や重合体に対する架橋速度の差などによって不均一になっているのが現状である。
たとえば、一つの重合体内では、重合体の架橋点間距離(硫黄系の場合、1つの重合体内の2点を橋かけする硫黄の数)にばらつきを生じたり、重合体間では、重合体間の架橋点間距離(硫黄系の場合、重合体間を橋かけする硫黄の数)に分布があるといわれている。また、もう少しマクロ的に見ると、硫黄などの架橋剤の不充分な分散により架橋密度の高い部分と低い部分が混在するともいわれている。異種ゴムのブレンド系では、このような傾向はさらに強く、架橋剤の溶解度差や架橋速度の差によりゴム特性に大きな影響を与えてしまう。
一般的に、均一な架橋点間距離を形成することができればゴム特性は飛躍的に向上するといわれている。この目的でいくつかの架橋剤が提案されてきたが充分な効果は得られていない。
本発明の目的は、均一な架橋点間距離を有し、引張特性、耐摩耗性などのゴム特性の優れたゴム組成物を提供することにある。
ゴムの架橋は、架橋剤を混合してジエン系ゴムの二重結合の一部を架橋することにより行なうが、架橋剤が架橋反応を起こす前駆体を生成した段階で、ジエン系ゴム側の架橋点を生成し得る点である二重結合は系内に過剰に存在するので、架橋反応は、架橋反応中のジエン系ゴムの運動や架橋剤の分散および分配の影響を受けやすくなる。そこで、あらかじめ、ジエン系ゴムの一部に二重結合とは別に架橋点を生成できる点をつくっておき、二官能性の化合物でそこだけ架橋をさせる手法をとれば架橋点間距離の分布のばらつきが少なくなることに着目し検討したところ、前記課題を解決できることがわかった。
すなわち、本発明は、ジエン系ゴムをアミノ基を有する化合物と反応させて得られる主鎖変性ジエン系重合体を、カルボキシル基を2個有する化合物で架橋したゴム成分を含むことを特徴とするゴム組成物に関する。
本発明のゴム組成物は、ポリマー内の架橋点間距離や、ポリマー間の架橋点間距離の分布が均一(シャープ)になることで、ゴム組成物の破壊特性が飛躍的に向上する。
また、酸−塩基反応による架橋点だけで作製した本発明のゴム組成物は、架橋結合を別の酸、塩基によって解裂させることが可能であるので、リサイクル可能なゴム組成物である。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴムをアミノ基を有する化合物と反応させて得られる主鎖変性ジエン系重合体を、カルボキシル基を2個有する化合物で架橋したゴム成分を含む。
前記ジエン系ゴムとしては、たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などの共重合体ゴム、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)などの単独重合体ゴムなどがあげられる。SBRを用いる場合、スチレン単位量は、10〜60重量%が好ましい。スチレン単位量が10重量%未満ではグリップ性能が劣る傾向があり、60重量%をこえると発熱性が極度に増大する傾向がある。
前記アミノ基を有する化合物としては、アミノ基を2個または1個有する化合物を用いることができる。
アミノ基を2個有する化合物としては、たとえば、脂肪族系ジアミン、安息香酸系ジアミンがあげられる。
脂肪族系ジアミンとしては、たとえば、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,7−ジアミノヘプタン、2,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンなどがあげられる。これらのなかでも、反応が容易であり使用量が少なくてよい点で、1,3−プロパンジアミン、1,4−ジアミノブタンが好ましい。
安息香酸系ジアミンとしては、2,3−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸があげられる。これらのなかでも、反応が容易であり使用量が少なくてよい点で、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸が好ましい。
アミノ基を1個有する化合物としては、たとえば、システンアミンなどのメルカプト基を有するアミノ化合物、1−アミノナフチル−5−スルホニルクロライドなどのクロロスルホニル基を有するアミノ化合物などがあげられる。
これらのアミノ基を有する化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ジエン系ゴムを前記アミノ基を有する化合物と反応させて主鎖変性ジエン系重合体を得る方法としては、ジエン系ゴムをアミノ基を有する化合物と有機溶媒中で接触・変性反応させる方法、ジエン系ゴムの重合溶液に直接アミノ基を有する化合物を添加する方法がある。また、そのほかの方法としては、押出混練機などにより直接混練変性する方法が可能である。
前記変性反応を行なう際に、反応速度を大きくするために触媒としてハロゲン化アルミニウムまたはハロゲン化アルキルを使用してもよい。
前記ハロゲン化アルミニウムの具体例としては、たとえば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウムなどがあげられる。また、前記ハロゲン化アルキルの具体例としては、たとえば、臭化エチル、ヨウ化エチル、塩化ブチル、臭化ブチル、ヨウ化ブチルなどの炭素数1〜6のアルキル基を有する化合物があげられる。前記触媒のうちでは、触媒としての反応性および効率の点で塩化アルミニウム、臭化エチルが好ましい。
前記触媒の使用量は、ジエン系ゴム100gに対して0.01〜100ミリモル、さらには0.05〜50ミリモル、とくには0.08〜20ミリモルが好ましい。触媒の使用量が0.01ミリモル未満では触媒量が少なく反応が充分進まない傾向があり、100ミリモルをこえると過剰の触媒がジエン系ゴムのジエン単位部分を解裂してしまう傾向がある。
前記溶媒としては、ジエン系ゴムと反応しないものであればとくに制限はないが、通常はジエン系ゴムを重合する際に用いられる重合溶媒と同じものを使用する。たとえば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリンなどの脂環式炭化水素、そのほか、塩化メチレンやテトラヒドロフランなどを使用することができる。これらのうちでも、ジエン系ゴムの溶解性がよく、沸点が高いので反応温度を高くできる点からトルエンが好ましい。
前記変性反応時の溶液温度は、0〜100℃、さらには、室温〜70℃が好ましい。温度が低すぎると変性反応の進行が遅く、温度が高すぎると主鎖変性ジエン系重合体がゲル化するおそれがある。
前記変性反応の時間は、とくに制限はないが、通常は0.5〜6時間が好ましい。変性反応の時間が短すぎると反応が充分に進行せず、長すぎると主鎖変性ジエン系重合体がゲル化するおそれがある。
前記ジエン系ゴムを有機溶媒に溶解させるときの濃度は、有機溶媒1リットルに対してジエン系ゴムの量が5〜500g、さらには20〜200g、とくには30〜100gであることが、変性反応を円滑に進める点から好ましい。
前記アミノ基を有する化合物の使用量は、ジエン系ゴム100gに対して0.01〜150ミリモル、さらには0.5〜100ミリモル、とくには1〜50ミリモルであることが好ましい。前記使用量が0.01ミリモルより少ないと、変性反応の際にジエン系ゴム中に導入されるチッ素元素の量が少なくなり、充分な変性効果が得られない傾向がある。150ミリモルより多いと、主鎖変性ジエン系重合体に残存する未反応のアミノ基を有する化合物の量が多くなるため、その除去に手間を要し、そののちの架橋反応への影響が大きくなる傾向がある。
このようにして得られた主鎖変性ジエン系重合体は、ジエン系ゴムの主鎖にアミノ基を有する化合物が結合し、チッ素含有量が100重量ppm以上、好ましくは10〜2000重量ppmという特性を有する。
前記ジエン系ゴムが主鎖変性されたことは、たとえば、SBRと1,3−プロパンジアミンとを反応させた場合には、13C−NMR測定で58ppm付近にブタジエン単位中の炭素原子にアミノ基が結合したことを示すピークが観察され、1,3−プロパンジアミン中の1位の炭素原子に結合した水素原子のピークが1H−NMR測定で4ppm付近に観測されることから確かめられる。
本発明において、前記主鎖変性ジエン系重合体は、カルボキシル基を2個有する化合物で架橋される。
カルボキシル基を2個有する化合物としては、たとえば、マレイン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの炭素環式ジカルボン酸などがあげられる。これらのなかでも、物性面より、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの飽和ジカルボン酸が好ましい。
架橋方法としては、たとえば、前記主鎖変性ジエン系重合体と前記カルボキシル基を2個有する化合物とを混練りしたあと、プレスすることにより酸−塩基反応させて架橋する方法がある。
このとき、前記カルボキシル基を2個有する化合物の配合量は、前記主鎖変性ジエン系重合体ゴム100重量部に対して、0.5〜5重量部であることが好ましく、1〜3重量部であることがより好ましい。カルボキシル基を2個有する化合物の配合量が0.5重量部未満では架橋が不充分で充分な強度が得られない傾向があり、5重量部をこえるとこれ以上添加しても架橋効果が得られない傾向がある。
架橋温度は、130〜190℃が好ましく、140〜170℃がより好ましい。架橋温度が130℃未満では反応が充分に進行しない傾向があり、190℃をこえるとジエン系ゴムの熱による劣化が顕著になる傾向がある。
本発明における架橋は、酸塩基反応によるものであり、酸塩基反応は、一般的には吸熱反応であるので、従来の硫黄などによる架橋反応よりも容易におこる。そのため、従来の硫黄などの架橋剤を併用することができる。
硫黄を併用する場合、硫黄の配合量はゴム成分100重量部に対して0.25〜5重量部であることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記ゴム成分、架橋剤のほかに、カーボンブラック、シリカなどの充填剤およびシランカップリング剤を含むことができる。
前記カーボンブラックとしては、チッ素吸着比表面積(以下、N2SA)が30〜200m2/gであり、圧縮ジブチルフタレート吸油量(以下、24M4DBP吸油量)が30〜150ml/100gであるものが好ましく使用される。N2SAが30m2/g未満または24M4DBP吸油量が30ml/100g未満では分散性改良効果や補強効果が小さい傾向がある。また、N2SAが200m2/gをこえると、または24M4DBP吸油量が150ml/100gをこえると、分散性がわるく発熱性が増大する傾向がある。
前記カーボンブラックの具体例としては、たとえば、HAF、ISAF、SAFなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
前記カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して10〜100重量部、さらには25〜80重量部であることが、補強性および低発熱性の点から好ましい。
前記シリカとしては、N2SAが50〜300m2/gのものが好ましく使用される。N2SAが50m2/g未満では、分散性改良効果や補強効果が小さくなり、300m2/gをこえると分散性がよくなく、発熱性が増大する傾向がある。
前記シリカとしては、たとえば乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあげられ、とくに制限はないが、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの好ましい例としては、デグッサ社製のウルトラジルVN3、日本シリカ(株)製ニップシールVN3 AQ(商品名)などがあげられる。
前記シリカの配合量としては、主鎖変性ジエン系重合体100重量部に対して5〜100重量部、さらには10〜85重量部であるのが、低発熱性および作業性の点から好ましい。
前記シランカップリング剤の配合量は、前記シリカに対して3〜20重量%、さらには4〜15%重量が好ましい。シランカップリング剤の配合量が3重量%未満では、前記シランカップリング剤添加の効果が充分に得られず、20重量%をこえるとコストが上がる割にはシランカップリング剤添加の効果が得られない傾向がある。
前記シランカップリング剤としては、従来からシリカ(充填剤)と併用して使用されているものを、とくに限定なく使用することができる。
前記シランカップリング剤の具体例としては、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランがシランカップリング剤を添加することによる効果が大きく、コスト面でも優位である点から好ましい。
本発明のゴム組成物には、前記カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤のほかに、必要に応じて一般にゴム組成物に使用される添加剤を一般に使用される量添加してもよい。
前記添加剤の具体例としては、たとえば、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなど)、加硫剤(硫黄、塩化硫黄化合物、有機硫黄化合物など)、加硫促進剤(グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンデート系の化合物など)、酸化防止剤および老化防止剤(ジフェニルアミン系、p−フェニレンジアミン系などのアミン誘導体、キノリン誘導体、ハイドロキノン誘導体、モノフェノール類、ジフェノール類、チオビスフェノール類、ヒンダードフェノール類、亜リン酸エステル類など)、加硫助剤(ステアリン酸、酸化亜鉛など)などがあげられる。
本発明のゴム組成物は、前記主鎖変性ジエン系重合体を単独で、または合成ゴムもしくは天然ゴムとブレンドして配合し、ついで前記のカルボキシル基を2個有する化合物、カーボンブラック、シリカなどの充填剤、シランカップリング剤、および必要に応じて使用される前記添加剤を加え、常圧により混練したあと、プレスして架橋することにより得られる。本発明のゴム組成物は、たとえば、タイヤ、ホース、ベルト、そのほかの各種工業用品などの引張特性および耐摩耗性が要求される用途に好適に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1〜2
実施例および比較例で使用した原材料を以下にまとめて示す。
SBR:日本合成ゴム(株)製のスチレン−ブタジエン共重合体(SBR1502:スチレン単位量23.5重量%)
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)
アジピン酸:和光純薬工業(株)製のアジピン酸
スベリン酸:和光純薬工業(株)製のスベリン酸
<主鎖変性ジエン系重合体Aの作製>
攪拌機および温度調節器を備えた2リットル容のガラス製セパラブルフラスコに、SBR100gとトルエン1リットルとを加えて、攪拌下で60℃に昇温し、SBRを完全に溶解させた。そこに、変性剤としてあらかじめテトラヒドロフランに溶解させておいた1,3−プロパンジアミンを1ミリモル、触媒として塩化アルミニウムを10ミリモル添加し、60℃で2時間反応させた。反応終了後、室温に冷却し、反応液を250メッシュの金網で濾過して、メタノール2リットルを加えて、主鎖変性ジエン系重合体を沈殿させた。再びトルエンでの溶解およびメタノールでの沈殿を繰り返し、反応せずに残存している変性剤を除去し、ついで、酸化防止剤を前記主鎖変性ジエン系重合体に対して1000ppm練り込んだのち、100℃で1時間真空乾燥させて主鎖変性ジエン系重合体Aを得た。主鎖変性ジエン系重合体Aのチッ素含有量は250ppmであった。
<主鎖変性ジエン系重合体Bの作製>
1,3−プロパンジアミンの添加量を10ミリモルとし、触媒として臭化アルミニウムを20ミリモル添加したほかは、主鎖変性ジエン系重合体Aと同様にして作製した。得られた主鎖変性ジエン系重合体Bのチッ素含有量は180ppmであった。
<主鎖変性ジエン系重合体の特性の評価方法>
(チッ素含有量)
JIS K0102にしたがってケルダール法により、主鎖変性ジエン系重合体のチッ素含有量を測定した。主鎖変性ジエン系重合体Aのチッ素含有量は250ppm、主鎖変性ジエン系重合体Bのチッ素含有量は180ppmであった。
<ゴム組成物の製造>
表1に示す組成にしたがって、主鎖変性ジエン系ゴム重合体AまたはB、またはSBR、およびそのほかの材料を250ccバンバリータイプの混練機を用いて混練し、供試ゴム組成物を得た。得られた供試ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫ゴムを得、以下の方法にしたがってゴム特性を評価した。
<ゴム組成物の評価方法>
(引張特性)
JIS K6301にしたがって加硫ゴムのM300(300%伸張時の引張応力)(MPa)、TB(引張強さ)(MPa)、およびEB(伸び)(%)を求めた。また、TB×EBの値も求めた。この値が大きいほど引張特性に優れる。
(転がり抵抗指数)
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターVESを用い、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で、加硫ゴムのtanδを測定した。比較例1の指数を100(基準)とし、各配合のtanδを以下の式により転がり抵抗指数として表わした。
(転がり抵抗指数)=(比較例1のtanδ)
÷(各配合のtanδ)×100
転がり抵抗指数が大きいほど転がり抵抗が低い。
(摩耗指数)
ランボーン摩耗試験機を用い、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の条件で加硫ゴムの摩耗量(容積損失量)を測定し、比較例1の容積損失量を100(基準)とし、以下の式により摩耗指数として表わした。
(摩耗指数)=(比較例1の容積損失)
÷(各配合の容積損失量)×100
摩耗指数が大きいほど耐摩耗性に優れる。
(ウェットスキッド指数)
スタンレー製のポータブルスキッドテスターを用いてASTM E303−83の方法にしたがって加硫ゴムのウェットスキッド性能(ウェットスキッドレジスタンス)を測定し、比較例1の指数を100(基準)とし、以下の式によりウェットスキッド指数として表わした。指数が大きいほどウェットスキッド性能に優れる。
(ウェットスキッド指数)=(各配合のウェットスキッドレジスタンス)
÷(比較例1のウェットスキッドレジスタンス)×100
結果を表1に示す。
Figure 0005189617
実施例1〜3のゴム組成物は、M300が15MPa以上かつEBが500%以上と引張特性に優れ、比較例1および2と比べて低発熱性、耐摩耗性、ウェットスキッド性能ともに優れることがわかる。

Claims (6)

  1. ジエン系ゴムをアミノ基を有する化合物と反応させて得られる主鎖変性ジエン系重合体とカルボキシル基を2個有する化合物とを混練りする工程、
    得られた混練物を130〜190℃でプレス加硫することによって前記アミノ基と前記カルボキシル基とを酸−塩基反応させて架橋する工程を含むタイヤの製造方法。
  2. ジエン系ゴムをアミノ基を有する化合物と反応させて得られる主鎖変性ジエン系重合体とカルボキシル基を2個有する化合物と硫黄とを混練りする工程、
    得られた混練物を130〜190℃でプレス加硫することによって前記アミノ基と前記カルボキシル基とを酸−塩基反応させて架橋するとともに硫黄架橋する工程を含むタイヤの製造方法。
  3. 請求項1記載のタイヤの製造方法で得られるタイヤ。
  4. 請求項2記載のタイヤの製造方法で得られるタイヤ。
  5. 前記ジエン系ゴムがスチレン−ブタジエンゴムである、請求項3または4記載のタイヤ。
  6. 前記カルボキシル基を2個有する化合物がアジピン酸またはスベリン酸である、請求項3または4記載のタイヤ。
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