JP5185639B2 - 衣料 - Google Patents

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Description

本願発明は、少なくとも身体の肩部から腹部及び背部にかけての部分を覆う衣料に関するものである。
従来から、少なくとも身体の肩部から腹部及び背部にかけての部分を覆う衣料として、例えば肌着の後身頃の生地に、弾性糸を織り又は編み込み、且つ肌着の下端に、肌着のずり上がり防止用の止め具を設けた姿勢補正具付肌着が提案されている(特許文献1)。
実開平2−121020号公報
しかしながら、上記特許文献1のものにおいては、肌着の後身頃のほぼ全体に、伸長応力が均一になるように弾性糸を織り又は編み込んでいるため、上半身の全体の動きが規制されてしまう。その結果、上半身を動かせ難く、違和感のあるものになってしまうという問題点がある。
又、上記特許文献1のものにおいて、肌着の下端に止め具を、編み工程とは別途に設けなければならず、製造工程が増えると共に、製造コストが高くついてしまう。
本願発明は、上半身を動かせ易く、しかも、上半身を姿勢の良い状態にできる衣料を提供することを目的とする。
又、本願発明は、製造工程が従来に比して増えることがなく、低コストで製作できる衣料を提供することを目的とする。
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、少なくとも身体の肩部から腹部及び背部にかけての部分を覆う衣料であって、前記肩部から背部における少なくとも左右夫々の肩甲骨を覆うように配設された第1の強緊迫部と、この第1の強緊迫部から下方側に突設された突設部と、前記第1の強緊迫部の下方側、且つ、この突設部の左右の両側方側の夫々に配設された弱緊迫部とを備え、前記第1の強緊迫部と突設部とは、前記弱緊迫部よりも伸長応力が強くなるように構成され、前記突設部は、上下方向の長さが前記第1の強緊迫部よりも長く、且つ、上下方向の伸長応力が前記第1の強緊迫部よりも強くなるように構成されていることを特徴とする衣料である。
又、請求項2記載の発明は、前記第1の強緊迫部は、第1コース〜第8コースの8コース分の糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられてフロート編みのコースとプレーン編みのコースとが交互になるように編まれており、前記第1コース及び第5コースには、綿糸と、ウーリーナイロン糸とが用いられ、前記第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースには、シングルカバードヤーンと、前記ウーリーナイロン糸とが用いられ、前記第3コース及び第7コースには、前記ウーリーナイロン糸が用いられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記第1の強緊迫部が、左肩甲骨を覆うように配設された左片と、右肩甲骨を覆うように配設された右片とを備え、それらの左片と右片とは、互いの間に間隙が形成されるように配設され、前記間隙に、それらの左片及び右片よりも伸長応力の弱い間隙被覆部が設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記衣料が、身体の左右夫々のバストを包み込むバスト包み込み部と、これらのバスト包み込み部夫々の全周部に配設された第2の強緊迫部と、それらのバスト包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設されたバスト受け部とを、更に備え、前記第2の強緊迫部は、その上端が前記第1の強緊迫部の上端に連結され、前記バスト受け部は、前記バスト包み込み部よりも伸長応力が強く、前記第2の強緊迫部よりも伸長応力が弱くなるように構成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記衣料が、身体の腹部に当たるように配設された第3の強緊迫部を、更に備え、前記弱緊迫部は、前記突設部に連結されるとともに、その突設部から前方側に回されて第3の強緊迫部に連結され、前記第3の強緊迫部は、前記弱緊迫部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記弱緊迫部の下方側に、その弱緊迫部よりも伸長応力の強い第4の強緊迫部が設けられていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記弱緊迫部が、前記第1の強緊迫部、前記突設部、前記第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成され、前記バスト受け部と第2の強緊迫部とバスト包み込み部とは、夫々、異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成されていることを特徴とする。
本願発明の請求項1によれば、肩部から背部における少なくとも左右夫々の肩甲骨を覆うように配設された第1の強緊迫部を、身体の背部における左右両側の肩甲骨及びその近傍に当てることができ、例えば僧帽筋に当てることができる。これにより、例えば僧帽筋を伸ばして背部を丸めると、第1の強緊迫部の伸長応力によってその伸ばした僧帽筋に元の状態に戻すような力をかけることができ、姿勢の良い状態に戻すことができる。
又、その際、突設部によって、第1の強緊迫部がずり上がって肩甲骨の位置からずれ僧帽筋に当たらないようになることを防止できる。また、突設部の左右の両側方側の夫々に弱緊迫部を配設しているため、身体にフィットさせることができ、違和感のないものにできるとともに、他の動きが規制されるようなことがなく、上半身を円滑に動かせることができる。
請求項によれば、第1の強緊迫部の左片と右片との間に、それらの左片及び右片よりも伸長応力の弱い間隙被覆部が設けられているため、身体にフィットさせ易いものにでき、より一層、姿勢を良くできるとともに、第1の強緊迫部が位置ずれし難いものにできる。又、上半身をより一層、動かせ易いものにできる。
請求項によれば、バスト包み込み部と、バスト包み込み部の周部に配設された第2の強緊迫部と、バスト受け部とを備えたものとし、そのバスト受け部は、バスト包み込み部よりも伸長応力が強く、第2の強緊迫部よりも伸長応力が弱くなるように構成されているため、第2の強緊迫部によってバストを全周部から押圧するようにしてバスト包み込み部に押し入れることができる。又、その押し入れたバストを、バスト受け部によって下方側からバスト包み込み部に押し上げるようにして受けることができる。これにより、バストをきれいな形に補正できる。
又、第2の強緊迫部を第1の強緊迫部に連結させているため、第1の強緊迫部と相まって、丸めた背部を伸ばすように作用し、より一層、姿勢の良い状態にし易くできる。
請求項によれば、身体の腹部に当たるように配設された第3の強緊迫部によって、腹部を押さえることができ、きれいな体型にできるとともに、姿勢を良くできる。又、その際、第3の強緊迫部を弱緊迫部に連結しているため、第3の強緊迫部によって動き難くなるようなことを防止できるとともに、身体にフィットさせることができ、第3の強緊迫部の腹部に対する位置ずれを防止できる。
請求項によれば、弱緊迫部の下方側に、その弱緊迫部よりも伸長応力の強い第4の強
緊迫部が設けられているため、突設部と相まって、第1の強緊迫部のずり上がりを、より一層、効果的に防止できる。又、第4の強緊迫部によって、下方側からめくり上がるのを防止できる。
請求項によれば、弱緊迫部は、前記第1の強緊迫部、前記突設部、前記第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成されることにより、それらよりも伸長応力が弱いものに形成でき、製作容易なものにできる。又、バスト受け部と第2の強緊迫部とバスト包み込み部とは、夫々、異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成されることにより、バスト受け部を、第2の強緊迫部よりも伸長応力が弱く、バスト包み込み部よりも伸長応力が強いものに形成でき、製作容易なものにできる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本願発明の衣料の一実施の形態のタンクトップを後方側から見た斜視図、図2は、そのタンクトップの正面図、図3は、そのタンクトップの背面図、図4は、そのタンクトップの側面図である。
この実施形態のタンクトップは、図1、図3に示すように、後面側に第1の強緊迫部1を備えている。この第1の強緊迫部1は、左片11と、左片11と同構成を採り左片11とで左右一対をなす右片12とを備えている。
左片11は、肩部から左肩甲骨のほぼ全体を覆い左肩甲骨のほぼ全体に当たるような位置に配設されている。又、右片12は、肩部から右肩甲骨のほぼ全体を覆い右肩甲骨のほぼ全体に当たるような位置に配設されており、これらによって、着用に際して身体の背部における左右両側の僧帽筋の下部側のほぼ全体に当たるようになっている。
この実施形態の左片11及び右片12は、夫々、次のようにして編まれている。まず、使用する糸は、図5に示すように、第1コース及び第5コースには、綿糸と、ウーリーナイロン糸とが用いられている。
第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースには、シングルカバードヤーンと、上記ウーリーナイロン糸とが用いられている。又、第3コース及び第7コースには、ウーリーナイロン糸が用いられている。
そして、このようにして第1コース〜第8コースに用いられた8コース分の糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられている。なお、この糸使いは、後述するタンクトップの全ての部分において同じである。従って、以下の各部の説明において糸使いの説明は省略する。
又、編み方は、第1コースから第11コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。又、第12コースから第23コースは、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。以下、これらが下方側に順次繰り返されるようにして編まれている。
又、これらの左片11と右片12とは、図1、図3に示すように、互いの間に、間隙31が形成されるように配設されている。そして、その間隙31に、第1の強緊迫部1を構成した左片11及び右片12よりも伸長応力の弱い間隙被覆部4が設けられている。この実施形態の間隙被覆部4は、下方側に行くに従って漸次、左右の幅が狭くなるほぼ逆三角形状を呈している。
又、この間隙被覆部4は、図9に示すように、第1コース、第3コース、第5コース及び第7コースが、フロート編みを3回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。
第2コース、第4コース、第6コース及び第8コースは、プレーン編みを2回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
又、図3に示すように、上記第1の強緊迫部1を構成した左片11及び右片12の下方側には、突設部2が設けられている。この突設部2は、身体に対する第1の強緊迫部1の位置を保持させるためのもので、第1の強緊迫部1を構成した左片11及び右片12の下端夫々に連結されているとともに、第1の強緊迫部1から所定長さで下方側に延ばされている。
この実施形態では、突設部2は、帯状片から構成されており、後面のほぼ左右方向の中央に、30mm〜50mm程度の幅で、上下方向に沿って背骨に沿ようにして、後述の裾部まで(全長250mm程度)延ばされている。
又、この実施形態の突設部2は、図7に示すように第1コース〜第6コース、及び第8コースは、フロート編みから開始されフロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。第7コースは、プレーン編みから開始されプレーン編みとフロート編みとが交互になるように編まれている。そして、これらの第1コース〜第8コースまでの8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
また、図1、図3に示すように、この突設部2の左右の両側方には、夫々、上記第1の強緊迫部1及び突設部2よりも伸長応力の弱い弱緊迫部3が配設されている。この弱緊迫部3は、図12に示すように、例えば第1コースが全てプレーン編みで編まれ、第2コースがプレーン編みを12回繰り返してフロート編みを1回入れるようにして編まれる等、プレーン編みとフロート編みとを所定の割合にして順次下方側に編まれている。
又、後面における上記弱緊迫部3夫々の上方側には、図1、図3に示すように、第2の強緊迫部5が設けられている。第2の強緊迫部5は、上記間隙被覆部4と同じ編み構成を採っている。なお、この第2の強緊迫部5については更に後述する。
また、後面における第2の強緊迫部5と左片11、右片12との間には、夫々、挟用弱緊迫部6が設けられている。この挟用弱緊迫部6は、上記の弱緊迫部3と同じ編み構成を採っており、後述するように第2の強緊迫部5よりも伸長応力が弱い。
このようにして挟用弱緊迫部6が設けられることにより、左片11及び右片12が、挟用弱緊迫部6と間隙被覆部4とによって挟まれているとともに、第2の強緊迫部5は、挟用弱緊迫部6と弱緊迫部3とによって挟まれている。
又、図3に示すように、後面から側部における上記弱緊迫部3の下方側には、第4の強緊迫部としての捲り上がり防止部7が配設されているとともに、この捲り上がり防止部7の下方側に裾部8が配設されている。捲り上がり防止部7は、第2の強緊迫部5と同じ編み構成を採っている。
裾部8は、図8に示すように、第1コース、第3コース、第5コース、及び第7コースは、全てプレーン編みで編まれている。又、第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースは、フロート編みを2回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
一方、このタンクトップの前面側における上部側には、図2に示すように、バスト包み込み部10と、バスト受け部22とが設けられている。
バスト包み込み部10は、身体の左右両側夫々のバストを受容して包み込む部分で、前方側にほぼ半球状に突出した袋状のものから構成されている。このバスト包み込み部10は、図10に示すように、全てプレーン編みで編まれている。
又、このバスト包み込み部10の全周部に、上記第2の強緊迫部5が配設されている。詳しくは、第2の強緊迫部5は、突設部2の左右夫々の側端部に連結されているとともに、突設部2から前方側に回されるようにして、バスト包み込み部10を除く前面側の上部全体に配設されているとともに、上端が、上記第1の強緊迫部1を構成した左片11及び右片12夫々の上端に連結されている。
バスト受け部22は、バストを下方側から受ける部分で、バスト包み込み部10の下端と第2の強緊迫部5との間に配設されている。このバスト受け部22は、図11に示すように、第1コース、第3コース、第5コース、及び第7コースは、フロート編みとプレーン編みとが交互になるように編まれている。又、第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
又、図2に示すように、前面側の下部側における左右中央部には、身体の腹部に当たるように配設された第3の強緊迫部21が設けられている。この第3の強緊迫部21の上端は、第2の強緊迫部5に連結され、左右の両側方から下部にかけての周部は、弱緊迫部3に連結されている。
この第3の強緊迫部21は、図6に示すように、第1コース、第3コース、第5コース、及び第7コースは、フロート編みを3回繰り返してプレーン編みを1回入れるようにして編まれている。又、第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースは、全てプレーン編みで編まれている。そして、上記8コース分の編み方を1組とし、順次下方側に繰り返して編まれている。
次に、以上のように構成されたタンクトップの各部の伸長応力について、図13、図14を参照して以下に説明する。図13は、タンクトップの後述する部分を左右方向(周方向、図13のX−X方向)に30%伸ばした際の伸長応力(30%時伸長応力)についての測定データを示しており、図14は、後述する部分を上下方向(図14のY−Y方向)に30%伸ばした際の伸長応力についての測定データを示したものである。
又、測定部は、第1の強緊迫部1の右片12、突設部2、間隙被覆部4、第2の強緊迫部5、弱緊迫部3、捲り上がり防止部7、バスト包み込み部10、及び第3の強緊迫部21である。なお、図13、図14では、測定部を、上記符号を用いて明記している。
又、測定に際して、テストスピード(試験片を伸長する際の速度)を300mm/minとし、試験片幅を25mmとした。また、試験片の掴み間隔は、製作した試験片の都合により、左右方向の伸長応力(図13に示すもの)の測定に際して、第3の強緊迫部21が80mm、バスト包み込み部10が60mm、弱緊迫部3が100mm、突設部2が40mm、第2の強緊迫部5が40mm、第1の強緊迫部1の右片12が40mm、間隙被覆部4が40mm、及び捲り上がり防止部7が100mmとし、上下方向の伸長応力(図14に示すもの)の測定に際して、第3の強緊迫部21が100mm、バスト包み込み部10が80mm、弱緊迫部3が80mm、突設部2が100mm、第2の強緊迫部5が30mm、第1の強緊迫部1の右片12が80mm、間隙被覆部4が80mm、及び捲り上がり防止部7が60mmとした。
左右方向の伸長応力は、図13に示すように、第1の強緊迫部1の右片12が最も強く、以下、第3の強緊迫部21、突設部2、第2の強緊迫部5、捲り上がり防止部7、間隙被覆部4、バスト包み込み部10、弱緊迫部3の順になっている。
又、上下方向の伸長応力は、図14に示すように、突設部2が最も強く、以下、第1の強緊迫部1の右片12、捲り上がり防止部7、第3の強緊迫部21と第2の強緊迫部5、、間隙被覆部4、弱緊迫部3、バスト包み込み部10の順になっている。
又、この測定データとして図13、14に記載していないが、バスト受け部22の左右方向及び上下方向の伸長応力は、第2の強緊迫部5のそれらよりも弱く、バスト包み込み部10のそれらよりも強かった。
次に、この実施形態のタンクトップの作用について説明する。この実施形態のタンクトップは、第1の強緊迫部1によって、例えば身体の背部の僧帽筋を伸ばして背部を丸めると、その伸ばした僧帽筋に元の状態に戻すような力をかけることができ、姿勢の良い状態に戻すことができる。
又、その際、突設部2によって、第1の強緊迫部1がずり上がって肩甲骨の位置からずれて僧帽筋に当たらないようになるのを防止できる。また、突設部2の左右の両側方側の夫々に弱緊迫部3を配設しているため、身体にフィットさせることができ、違和感のないものにできるとともに、より姿勢を良くできる。しかも、他の動きが規制されることがなく、上半身を円滑に動かせることができる。
また、第1の強緊迫部1の左片11と右片12との間に、それらの左片11及び右片12よりも伸長応力の弱い間隙被覆部4が設けられているため、身体にフィットさせ易いものにでき、より一層、第1の強緊迫部1の左片11と右片12とが位置ずれし難いものにできる。又、上半身をより一層、動かせ易いものにできる。
更には、第1の強緊迫部1の左片11及び右片12夫々の両側に、それらよりも伸長応力の弱い間隙被覆部4と挟用弱緊迫部6とを配設することによって、より一層、身体にフィットさせ易いものにでき、第1の強緊迫部1の左片11と右片12とが位置ずれし難いものにできる。
又、挟用弱緊迫部6と弱緊迫部3との間に、第2の強緊迫部5を配設することによって、皺が発生し難いものにでき、身体にフィットさせた状態を維持させ易いものにでき、第1の強緊迫部1の左片11と右片12とが位置ずれし難いものにできる。
一方、第2の強緊迫部5によってバストを周部から押圧するようにしてバスト包み込み部10に押し入れることができる。又、その押し入れたバストを、バスト受け部22によって下方側から受け、バスト包み込み部に押し上げるように保持させることができる。これにより、バストをきれいな形に補正できる。
又、第2の強緊迫部5を第1の強緊迫部1に連結させているため、第1の強緊迫部1と相まって、丸めた背部を伸ばすように作用し、より一層、姿勢の良い状態にし易くできる。
また、第3の強緊迫部21によって、腹部を押さえることができ、例えば垂れ下がりぎみに出っ張った腹部でも出っ張りを抑えてきれいな体型にできるとともに、姿勢を良くできる。又、その際、第3の強緊迫部21を弱緊迫部3に連結しているため、第3の強緊迫部21によって動き難くなるようなことを防止できるとともに、身体にフィットさせることができ、第3の強緊迫部21の腹部に対する位置ずれを防止できる。
更に、弱緊迫部3の下方側に、その弱緊迫部3よりも伸長応力の強い捲り上がり防止部7が設けられているため、突設部2と相まって、第1の強緊迫部1のずり上がりを、より一層、効果的に防止できる。又、捲り上がり防止部7が、弱緊迫部3と裾部8との間に、50mm〜80mm程度の幅で、後面側に配設されることによって、裾部8からの捲り上がりを確実に防止できる。
又、この実施形態では、弱緊迫部は、第1の強緊迫部、突設部、第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部と異なる編み方で編まれることにより、それらよりも伸長応力が弱いものに形成でき、製作容易なものにできる。又、バスト受け部と第2の強緊迫部とバスト包み込み部とは、夫々、異なる編み方で編まれ、これにより、バスト受け部を、第2の強緊迫部よりも伸長応力が弱く、バスト包み込み部よりも伸長応力が強いものに形成でき、製作容易なものにできる。
尚、上記実施形態では、第1の強緊迫部1と突設部2とは、弱緊迫部3よりも、左右方向及び上下方向の伸長応力が強くなるように構成されているが、この形態のものに限らず、第1の強緊迫部1と突設部2とを、弱緊迫部3よりも、少なくとも上下方向の伸長応力が強くなるように構成しておけば良く、適宜変更できる。
また、突設部2は、長尺状の帯状片から構成される形態のものに限らず、例えば三角形等に形成したものから構成しても良く、適宜変更できる。又、突設部2は、1つのものから構成される形態のものに限らず、例えば2以上の長尺状の帯状片から構成しても良く、適宜変更できる。
又、上記実施形態では、弱緊迫部を、第1の強緊迫部、突設部、第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部と異なる編み方で編み、又、バスト受け部と第2の強緊迫部とバスト包み込み部とを、夫々、異なる編み方で編んでいるが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
例えば、弱緊迫部を、伸長応力の弱い糸を用い、第1の強緊迫部、突設部、第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部を、それよりも伸長応力の強い糸を用いることによって弱緊迫部よりも伸長応力の強いものに形成し、或いは、使用する糸と編み方とによって、第1の強緊迫部、突設部、第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部を、弱緊迫部よりも伸長応力の強いものに形成しても良い。
又、上記実施形態では、フロート編みとプレーン編みとを所定の割合にして編んでいるが、フロート編みとプレーン編みとから構成する形態のものに限らず、適宜変更できる。又、フロート編みとプレーン編みとで編む場合において、両者の割合は、上記実施形態のものに限らず、適宜変更できる。
又、本願発明の衣料は、タンクトップとして実施されるものに限らず、例えば身体の肩部等の各部を直接覆ってそれらの各部に当たるシャツ等の下着、キャミソール、その他、下着の上に着てそれらの各部を間接的に覆って各部に当たるトレーニングウエア等にも適用できる。
本願発明の一実施の形態のタンクトップの斜視図である。 そのタンクトップの正面図である。 そのタンクトップの背面図である。 そのタンクトップの側面図である。 第1の強緊迫部の左片の編み略図である。 第3の強緊迫部の編み略図である。 突設部の編み略図である。 裾部の編み略図である。 間隙被覆部の編み略図である。 バスト包み込み部の編み略図である。 バスト受け部の編み略図である。 弱緊迫部の編み略図である。 各部の左右方向の伸長応力の測定データを表した図表である。 各部の上下方向の伸長応力の測定データを表した図表である。
符号の説明
1 第1の強緊迫部
2 突設部
3 弱緊迫部
4 間隙被覆部
5 第2の強緊迫部
6 挟用弱緊迫部
7 捲り上がり防止部(第4の強緊迫部)
10 バスト包み込み部
21 第3の強緊迫部
22 バスト受け部

Claims (7)

  1. 少なくとも身体の肩部から腹部及び背部にかけての部分を覆う衣料であって、
    前記肩部から背部における少なくとも左右夫々の肩甲骨を覆うように配設された第1の強緊迫部と、この第1の強緊迫部から下方側に突設された突設部と、前記第1の強緊迫部の下方側、且つ、この突設部の左右の両側方側の夫々に配設された弱緊迫部とを備え、
    前記第1の強緊迫部と突設部とは、前記弱緊迫部よりも伸長応力が強くなるように構成され
    前記突設部は、上下方向の長さが前記第1の強緊迫部よりも長く、且つ、上下方向の伸長応力が前記第1の強緊迫部よりも強くなるように構成されていることを特徴とする衣料。
  2. 前記第1の強緊迫部は、第1コース〜第8コースの8コース分の糸使いを1組とし、順次下方側に繰り返し用いられてフロート編みのコースとプレーン編みのコースとが交互になるように編まれており、
    前記第1コース及び第5コースには、綿糸と、ウーリーナイロン糸とが用いられ、
    前記第2コース、第4コース、第6コース、及び第8コースには、シングルカバードヤーンと、前記ウーリーナイロン糸とが用いられ、
    前記第3コース及び第7コースには、前記ウーリーナイロン糸が用いられていることを特徴とする請求項1記載の衣料。
  3. 前記第1の強緊迫部は、左肩甲骨を覆うように配設された左片と、右肩甲骨を覆うように配設された右片とを備え、
    それらの左片と右片とは、互いの間に間隙が形成されるように配設され、
    前記間隙に、それらの左片及び右片よりも伸長応力の弱い間隙被覆部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣料。
  4. 前記衣料は、身体の左右夫々のバストを包み込むバスト包み込み部と、これらのバスト包み込み部夫々の全周部に配設された第2の強緊迫部と、それらのバスト包み込み部の下端と第2の強緊迫部との間に配設されたバスト受け部とを、更に備え、
    前記第2の強緊迫部は、その上端が前記第1の強緊迫部の上端に連結され、
    前記バスト受け部は、前記バスト包み込み部よりも伸長応力が強く、前記第2の強緊迫部よりも伸長応力が弱くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の衣料。
  5. 前記衣料は、身体の腹部に当たるように配設された第3の強緊迫部を、更に備え、
    前記弱緊迫部は、前記突設部に連結されるとともに、その突設部から前方側に回されて第3の強緊迫部に連結され、
    前記第3の強緊迫部は、前記弱緊迫部よりも伸長応力が強くなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の衣料。
  6. 前記弱緊迫部の下方側に、その弱緊迫部よりも伸長応力の強い第4の強緊迫部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の衣料。
  7. 前記弱緊迫部は、前記第1の強緊迫部、前記突設部、前記第3の強緊迫部、及び第4の強緊迫部と異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成され、
    前記バスト受け部と第2の強緊迫部とバスト包み込み部とは、夫々、異なる編み方で編まれ、もしくは異なる素材を用い、又はそれらを組み合わせることによって構成されていることを特徴とする請求項6記載の衣料。
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