JP6037686B2 - 筒状経編物からなる衣料及びその製造方法 - Google Patents

筒状経編物からなる衣料及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2列の針床を有する経編機により、一部が筒状に編成される筒状経編物からなる衣料及びその製造方法に関するものである。
近年、2列の針床を有し、2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機等の経編機により、少なくとも一部を筒状に編成した筒状経編物からなる衣料として、身体に対するフィット性のよいパンツ、ショーツ、ガードル、シャツ、アウター等の多くのアイテムが採用されている。最近は、衣料の編糸に弾性糸を使用してその伸縮効果を利用して、体型補整や筋肉サポート機能の向上(緊締力の向上)などを図った機能商品が多く展開されてきている。
この際、2列のジャカードガイドバーで導糸する編糸に、ポリウレタン糸をポリエステル糸又はナイロン糸等でカバーリングした所謂カバーリング糸を使用し、地組織にはポリエステル糸や各種の加工糸を使用することで多様な機能要求に対応している。例えば、股間部を有するパンツの場合、ヒップ部の膨らみについては、筒状に編成する場合の開口部の大きさの大小を組合せ配置することで、長さや形状を調整したり、弾性糸の特徴を活かして長さ調整ができるように編成している。
しかし、股間部を有するパンツの場合、前身頃側の腹部上端から股間部までと、後身頃側のヒップ部上端から両骨盤に掛けては、着用者によって筋肉等の付き方や大きさ、長さ、形状等の違いのある膨らみがあり、身体の体型は様々である。そのため、従来からの手法をそのまま利用するのでは、身体の体型に沿った形状、大きさや長さ等は一体型筒状編地では作成できない。
例えば、特許文献1では、ショーツ等の衣料を編成する場合において、衣料を左右一方から見立てたパターンで、前身頃側の腹部上端から股間部まで、及び、後身頃側もヒップ部上端から股間部までのパターン形状センターラインを、それぞれ表裏編地を接結編成し、また股間部から足部までは表裏編地を接結せずに編成し、パターンの切除後に、股間部から足先部までの接結されていない表裏編地を縫製しで円筒状にし足部を形成する技術が開示されている。
しかし、この技術だけでは、前身頃側及び後身頃側の前後股上ラインの形状や長さは同じとなり、着用時、身体の前後左右の曲げ運動、屈伸運動等の動きにより、後身頃側のヒップ辺部で下部方向に引っ張られてズレ下がることがあり、満足する着用感が得られないものとなる。
そこで、身体の動き(運動)に対し、身体の全体又は一部分に窮屈(圧迫)感や、つっぱり感等を与えにくくてフィット感のある筒状経編物からなる衣料が求められている。
特開2010−196185号公報
本発明は、2列の針床を有する経編機により一部が筒編されて構成される筒状経編物からなる衣料として、着用者の体型に合わせたパターン形状にして容易に製造でき、着用者に窮屈(圧迫)感や、つっぱり感を与えることがなく、またズレ下がり等を抑制でき、身体に対するフィット性のよい筒状経編物からなる衣料を提供するものであり、さらにはその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記課題を解決するものであり、2列の針床を有する経編機により編成され、股間部を有する衣料の左右一方の側面から見立てたパターンで表裏編地の一部が筒状に編成されてなる筒状経編物であって、前記パターンにおける前後股間部に相当する部位に、それぞれ股上ラインと足部のパターンラインとをつなぐラインより外方へ拡張した拡張編地部が設けられてなり、前記パターンにおける後股上ラインが外側に膨らんだ湾曲状を有してなることを特徴とする。
これにより、前後股間部に相当する部位に外方への拡張編地部を有することにより、縫製された衣料において前後股間部よりなる股下部は身体に合わせて調整することができ、窮屈感を緩和できる。また、後股上ラインに膨らみをつけることで、衣料のヒップ部に余裕ができて、ズレ下がり防止の効果があり、着用状態での前後の屈伸運動等の動きに対して、後身頃側のズレ下がりを小さくすることができる。
前記の筒状経編物からなる衣料は、前記パターンにおける前後股間部より上部の前股上ラインと後股上ラインにおいて表裏編地が接結編されて表裏編地の上部が筒編の胴部として形成されてなるものとする。
前記の筒状経編物からなる衣料において、前記パターンにおける表裏編地の上端のパターンラインが、前記パターンの前身頃側から後身頃側にかけて漸次高くなるようにウエストラインに対し傾斜した形状をなしているものとすることができる。これにより着用時の身体の動きによる後身頃側のズレ下がりを防止できる。
また、前記の筒状経編物からなる衣料において、前記パターンにおけるウエストラインと、前後股間部の前記拡張編地部を含む足部付け根ラインとの長さの比率が、1:1.05〜1:1.3とするのが好ましい。
また、本発明は、前記の筒状経編物からなる衣料において、前記パターンにおける前股上ラインと後股上ラインとの長さの比率が、1:1.1〜1:1.5であるものとするのが好ましい。
さらに、本発明の筒状経編物からなる衣料の製造方法は、2列の針床を有する経編機により、股間部を有する衣料の左右一方の側面から見立てたパターンで表裏編地をそれぞれ編成してなり、前記パターンにおける後股間部より上部の後股上ラインを外側に膨らんだ湾曲状とし、前記パターンにおける股間部より上部の前股上ラインと前記後股上ラインにおいて接結編することにより、表裏編地の上部を筒編の胴部として形成するとともに、前記パターンにおける前後股間部に相当する部位に、それぞれ股上ラインと足部のパターンラインとをつなぐラインより外方へ拡張した拡張編地部を形成するように編成し、編成後にパターンの外形線に沿って切断し、前後股間部を含む必要個所を縫製して衣料にすることを特徴とする。
本発明の筒状経編物からなる衣料及びその製造方法によれば、例えばパンツ、ショーツ、ガードル等の股間部を有する衣料を、身体に合った一体の筒状経編物により構成でき、製造が容易である上、編地により過度に圧追されることを軽減し、つっぱり(しめつけ)感も小さくなり、着用感がよくなる。また、しっかりと体型を保持することも可能となる。従って、違和感のない着心地感とフィット感を得ることができるほか、一体成型経編であるため、縫製箇所を少なくすることが可能となり、低コストな製品を提供できることになる。また、衣料のヒップ部に余裕ができて、ズレ下がり防止の効果があり、着用状態での前後の屈伸運動等の動きに対して、後身頃側のズレ下がりを小さくすることができる。
本発明の衣料の編成に用いる経編機要部の概略説明図である。 本発明の実施例の衣料の編成上のパターンを示す略示平面図である。 同上の衣料の裁断後の略示斜視図である。 同上の衣料の縫製前の略示斜視図(a)と略示平面図(b)である。 同上の衣料の縫製後の略示正面図(a)と略示側面図(b)と略示平面図(c)である。 表裏編地の編組織の1例を示す組織図である。 同上の表裏編地を接結編成する場合の編組織の1例を示す組織図である。
以下、本発明の筒状経編物からなる衣料と製造方法について、図面に示す実施例を参照して具体的に説明する。
本発明の筒状経編物からなる衣料は、パンツ、ショーツ、ガードル等の股間部を有する衣料(図はパンツの場合を示す)であり、後述するように、図1に示す2列の針床を有する経編機、好ましくはジャカード機構により制御される2列のジャカードガイドバーを備える経編機により、例えば図2のパターンで編成される。
図2は、股間部を有する図5に示すパンツ等の衣料10の編成上の製品パターン1を示している。このパターン1は、特に編成対象となる衣料10の左右一方の側面から見立てたパターンであり、経編機の2列の針床により表裏編地a1,a2が、それぞれ製品の左右に相当する部分が前記パターン1で編成されるとともに、前記パターン1における表裏編地a1,a2の一部が接結編され筒状に編成される。通常、前記パターンaにおける前後股間部2a,2bより上部の前股上ライン3(前身頃側の端縁)と後股上ライン4(後身頃側の端縁)において表裏編地a1,a2が接結編されることにより、パターン上部を筒編の胴部11として形成するように編成され、前後股間部2a,2b及びこれより下部では表裏編地a1,a2が非接結状態で編成され、後述するように編成後の縫製により、衣料10の股間部12及び左右の足部13を形成する。
本発明の衣料10の場合は、前記パターン1における表裏編地a1,a2の前後股間部2a,2bに相当する部位、すなわち足部の付け根の前後部に相当する部位に、それぞれ外方へ略三角山状に突出し拡張された拡張編地部5a,5bが設けられており、縫製後の製品である衣料10において、股間部12の下部、つまりは股下部にゆとり(余裕)をもたせて窮屈感を緩和するようにしている。
前記の前股間部2aと後股間部2bの拡張編地部5a,5bの形状は、編成後のパターン外方の不要部分を切除し縫製した衣料10における股下部の窮屈感を緩和するために考慮した形状とする。例えば、略三角山状に拡がる拡張編地部5a,5bの先端側の拡がり角度α3は、30度〜150度の範囲で競技用、運動用、カジュアル用などの用途に合わせ、又は身体に合わせて適宜に選択すればよい。
前記先端部の拡がり角度α3が30度より小さいと、先端部の面積が小さくなり、股下部で窮屈感を生ずることになる。逆に、前記拡がり角度α3が150度を越えると、股下部に余裕はできるが、たるみを生じることになる。
前記拡張編地部5a,5bの形状や先端部の大きさは、特に限定されるものではなく、歪みと縫製上の作業効率等を考慮して設定すればよいが、図示のように略三角山状にするのが、縫製の際に、縫合作業が容易になり、かつ歪みを生じにくいため好ましい。
前記パターン1において、表裏編地a1,a2の上端、つまり筒編による胴部11の上端の形状をなすパターンライン6は、従来の水平の横直線ではなく、前記パターン1の前身頃側から後身頃側にかけて漸次高くなるように水平をなすウエストライン7に対して所定の傾斜角度α1で傾斜した形状をなしている。前記傾斜角度α1は、適宜設定できるが、通常は0度より大きく、30度までに設定するのが好ましく、さらに好ましくは3〜25度の範囲である。前記角度α1が0度以下であると、前股上ライン3と後股上ライン4の長さが同じ、又は後股上ライン4の長さが短くなるため、前後の屈伸運動の際、後身頃側がヒップの下部方向に引っ張られて下がり、腰部周辺が露出してしまう虞ある。また、前記角度α1が30度を越えると 後身頃側での余裕はできるが、長すぎてヒップ周辺でだぶつき、しわ、ゆがみ、たるみを生ずる虞がある。
また、前記パターン1におけるウエストライン7と、前後股間部2a,2bの拡張編地部5a,5bを含む足部付け根ライン(わたりが設定されるライン)8のそれぞれの長さL1,L2は、衣類のサイズや着用者の体型に合わせて適宜に設定すればよいが、その長さの比率(L1:L2)は1:1.05〜1:1.3であるのが好ましい。すなわち、前記ウエストライン7の長さL1を1とするとき、前記足部付け根ライン8の長さL2を1.05〜1.3の範囲に設定するのが好ましく、さらに好ましくは1.05〜1.2の範囲である。
前記のように、ウエストライン7と、拡張編地部5a,5bを含む足部付け根ライン8の長さを設定することにより、編成後の前後股間部2a,2bの縫製の際に、股間部2の長さの調整が可能となり、前部股間部2aから後部股間部2bのヒップ下部にかけて余裕ができ、着用時に股下の窮屈(圧迫)感が軽減される。
前記ウエストライン7と足部付け根ライン8との長さの比率が1:1.05未満であると、前後股間部2a,2bの拡張編地部5a,5bによる余裕が殆どなくなり、着用時に股下で窮屈(圧迫)感があり違和感を感ずる。また、前記ウエストライン7と足部付け根ライン8との長さの比率が1:1.3より大きいと、前記拡張編地部5a,5bにより股下に余裕はできるが、その余裕部分にだぶつき、たるみを生じる虞がある。従って、前記長さの比率を前記範囲に設定するのが好ましい。
また、前記パターン1における前股上ライン3と後股上ライン4との長さの比率は、前股上ライン3の長さを1とした場合に後股上ライン4の長さが1.1〜1.5の範囲であるのが好ましい。すなわち、前記長さの比率が1.1より小さくなると、前後の屈伸運動の際に後身頃がズレ下がる虞があり、前記長さの比率が1.5を越えると、ヒップ周辺部の形が変形しシワやだぶつきを生じ見栄えが悪くなるばかりか 着用感も損なわれる。
また、前記パターン1において、後身頃側のヒップ上部からヒップ下部にかけての端縁である後股上ライン4が外側に膨らんだ湾曲状を有するものとし、該後股上ライン4の上端からの膨らみ角度α2を、60度以下、すなわち0度より大きく60度までの範囲の角度とするのが好ましい。さらに好ましい膨らみ角度α2は10〜30度である。なお、前記の膨らみ角度α2は、前記後股上ライン4の上端からウエストライン7への垂線と、後股上ライン4の上端と該後股上ライン上のウエストラインとの交点を結ぶ直線(補助直線)とにより挟まれた角度とする。この膨らみ角度α2は、着用者の体型に合わせて適宜に設定できるが、角度が0度以下であると、ヒップ周辺に圧迫感を感じ、ズレ下がりが生じる虞がある。逆に、前記膨らみ角度α2が60度より大きくなると、ヒップ周辺部に余裕ができるが、だぶつき、たるみを生じ、かえって見栄えが悪くなる虞がある。
前記のように、後股上ライン4に膨らみをつけることで、衣料10のヒップ部に余裕ができて、ズレ下がり防止の効果があり、着用状態での前後の屈伸運動等の動きに対して、後身頃側のズレ下がりを小さくすることができる。
上記のパターン1の筒状経編物からなる衣料10は、例えば図1に示す2列の針床を有し、かつ2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッシェル機などの経編機により、筒編を主体として編成される。この際、編機ゲージは14〜32ゲージの範囲で衣料製品に合わせて適宜に選択することができる。
前記衣料10に使用する編糸は、22〜440dtexの範囲で目的に応じ適宜に選択をすればよく、編糸の材質については、特に限定されるものではなく、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン等の合成繊維糸、綿やウールなどの天然紡績糸、割繊維機能糸など商品に合わせ適宜に選択をすればよい。また、ポリウレタン弾性糸、ナイロンなどの合撚糸、カバーリング糸などを使用しても良い。
前記衣料に使用する編地の編密度は、14〜100コース/インチ、14〜80ウエル/インチの範囲で、用途に応じて適宜に設定することができる。
図1の経編機は、2列の針床を有し、2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製のRDPJ6/2N)の略図である。
図1において、N1,N2はそれぞれ編機幅方向に並列する前後の編針、T1,T2は前後の針釜(トリックプレート)を示し 、Y1〜Y6は各ガイドバーL−1〜L−6のガイド部G1〜G6に通糸される編糸を示している。B1〜B6は各編糸のビームを示す。編機のビームB1,B2から供給される編糸Y1,Y2がガイドバーL−1,L−2のガイドG1,G2に通糸されて、前側編針N1で編成され前側編地の地組織(表編地a1)となる。また、ビームB5,B6から供給される編糸Y5,Y6がガイドバーL−5,L−6のガイドG5,G6に通糸されて、後側編針N2で編成され後側編地の地組織(裏編地a2)となる。ビームB3,B4から供給される編糸Y3,Y4はジャカード機構を有するジャカードガイドバーL−3,L−4のガイドG3,G4に通糸されて、前側編地(表編地)と後側編地(裏編地)に対して、ジャカート編組織の編成を行い、所望の意匠柄を付与する編成を行うとともに、製造対象の衣料10のパターン1の外形線に沿って必要個所で接結編、つまり前後両編地(表裏編地a1,a2)を接結するように編成する。製造対象の衣料10の編地組織、すなわち前記両編地(表裏編地a1,a2)の組織によっては、前記ガイドバーL−1及びL−6を使用せずに編成する場合もある。
図6は、前後両編地(表裏編地となる)を接結しない編地部分の編組織を示しており、ガイドバーL−2及びL−5の鎖編に対し、ジャカードガイドバーL−3,L−4により地組織の一部をなすようにデンビ編を基準にしたジャカード組織を組み合わせて、前後両編地の地組織を編成する。図7は、前後両編地(表裏編地)を接結する編組織の1例を示しており、前記のジャカードガイドバーL−3,L−4により、図6と同様に、デンビ編を基準にしたジャカード組織を編成しながら、所要のコースの位置で前後一方の編針の側から他方の編針の側に掛け渡して前後両編地を接結するように編成する。図6及び図7において、Fは前側の編針で編成するコースを、Bは後側の編針で編成するコースを示している。
本発明の場合は、上記したように、製造対象のパンツ等の衣料10を左右一方の側面から見立てた図2のパターン1において、前身頃側の上端から前股間部2aまでの前股上ライン3の部分で表裏編地を接結編し、同時に後身頃側の上端(ヒップ上端)からヒップ下の後股間部2bまでの後股上ライン4を接結編して、前後股間部2a,2bより上部を筒状の胴部11を構成するように編成する。この際、製品としての衣料10の上部開口に相当する上端のパターンライン6の部分は接結しないで編成する。また、前後股間部2a,2bに相当する部位における拡張編地部5a,5bから足部13に相当する下部を所定のパターン1の形状に沿って先端まで表裏編地a1,a2を接結しないで編成する。
なお、上記の説明では、便宜的に図2に基づいて単一のパターン1について説明しているが、実際の製造においては、前記と同一のパターン1が、編幅方向に1つもしくは複数を並べて編方向に所定間隔毎に連続して編成される。また、パターン1の外方の編地部分において、パターンの外形線に沿う編地部分を、編成後の切断が容易な編組織にしておくのが好ましい。
前記のように所定のパターン1で編成後、各パターン1の外形線に沿って切断して、外方の不要部分を切除し、パターン1の筒状編地毎に切り離す(図3)。切り離されたパターン1の筒状編地を、図4のように、前股上ライン3及び後股上ライン4を前後身頃部分の中央に位置させるように、表裏編地a1,a2をそれぞれ幅方向中央で折り曲げる。この状態で、図5のように、前後股間部2a,2bにおける拡張編地部5a,5bの頂部より下側の表裏編地a1,a2それぞれの前後の縁部同士を筒状をなすように縫製し接結するとともに、前後股間部2a,2bより下方の足部に相当する表裏編地a1,a2をそれぞれ筒状に縫製し、足部13を形成する。そして、前股間部2aの拡張編地部5aの先端部と、後股間部2bの拡張編地部5bの先端部とを股間中央部付近で縫製し連結して前後股間部2a,2bを連続させる。また、前後股間部2a,2bにおける拡張編地部5a,5bの頂部より上側の前股上ライン3及び後股上ライン4に続く表裏編地a1,a2の縁部同士を接結するように縫製する。これにより、図5に示すように、上端のパターンライン6の部分は開口したウエスト部14となり、前股上ライン3と後股上ライン4の間が筒状の胴部11となり、その下の前後股間部2a,2bの部分が前記拡張編地部5a,5bの頂部の部分で連結された股間部12となる。
上記のようにして得られたパンツ、ショーツ、ガードル等の股間部12をする衣料10は、編成上のパターン1において、前後股間部2a,2bの部位に拡張編地部5a,5bを設けたことにより、下部に余裕が生じ、前記の縫製作業が容易になり、また衣料として、窮屈(圧迫)感を緩和でき、しめつけ感も小さく、着用感の良好なものとなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における股間部の着用感、腹部下の着用感、ヒップ部の着用感等の各評価は、男女モニター各5名が実際に着用したときの着用者の評価であり、以下の基準に従って判定した。また、後身頃のズレ下がりの有無についても着用者が判定した。10名の判定を集計し、各評価項目で過半数を越えた最も多い判定を表1にまとめた。
○ : フィット感があり、窮屈感も緩さ(だぶつき)感も感じない
△ : 若干の窮屈感、又は緩さ(だぶつき)感がある
× : 窮屈感、又は緩さ(だぶつき)感がある
〔実施例1〕
2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製 RDPJ6/2N−24E)を用いて、ガイドバーL−2,L−5に56dtex/24fの加工糸を使用し、ジャカードガイドバーL−3,L−4には、44dtex/4fのポリウレタン糸を芯糸にして、44dtex/34fのナイロン糸を600回/mでカバーリングした弾性カバーリング糸を使用し、表裏編地は図6のガイドバーL−2,L−5の鎖編と、ジャカードガイドバーL−3,L−4によるデンビ編との組み合わせによる地組織にして、ジャカート組織の変化で伸縮の強い編地と伸縮の弱い編地をコース、ウエル方向に意匠とともに付与して編成した。このとき編地の仕上り密度を60コース/40ウエルとした。
編成したパターン1における上端のパターンラインとウエストラインとの角度は10度で後部が高くなるように編成しており、ヒップ周辺に当たる膨らみ角度α2は20度とし、前股上ラインと後股上ラインの長さの比率は1:1.2で編成した。
足部付け根ラインの前後部に当たる前後股間部における拡張編地部の三角山状の先端側の拡がり角度α3は95度とし、ウエストラインと足部付け根ラインの長さの比率は、1:1.1とした。
編成後、表裏編地をパターンの外形線に沿って切断し、パターン外方の不要部分を切除した後、表裏編地をそれぞれ前股上ラインを前身頃側の中央に、後股上ラインを後身頃側の中央に位置させて、表裏編地の下部がそれぞれ左右の足部を形成するように幅方向中央で折り曲げる(図4)。この状態で、表裏編地の前後股間部の縁部を接結するように縫製し、さらに前後股間部より下部の編地部分の両側縁を縫製して、左右の足部を筒状に形成する。
このとき、前後股間部の両足部に連続する基部同士を連結するようにして、図4に例示いるパンツを完成した。完成された本発明衣料のパンツについて、股間部の着用感、腹部下の着用感、ヒップ部の着用感、後身頃のズレ下がりの有無等について、評価を行った結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1の足部付け根ラインの前後部に当たる前後股間部における拡張編地部の三角山状の先端部の拡がり角度α3を30度とした以外は、実施例1と同様にして編成し、編成後、同様にパターンの外形線に沿って切除し縫製してパンツにし、上記と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1の足部付け根ラインの前後部に当たる前後股間部における拡張編地部の三角山状の先端部の拡がり角度α3を150度とした以外は、実施例1と同様にして編成し、編成後、同様にパターンの外形線に沿って切除し縫製してパンツにし、上記と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例4〕
2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製 RDPJ6/2N−24E)を用いて、ガイドバーL−2,L−5に84dtex/36fのポリエステル加工糸を使用し、ジャカードガイドバーL−3,L−4には、44dtex/4fのポリウレタン糸を芯糸にして、44dtex/34fのナイロン糸を600回/mでカバーリングした弾性カバーリング糸を使用し、表裏編地は図6のガイドバーL−2,L−5の鎖編と、ジャカードガイドバーL−3,L−4によるデンビ編との組み合わせによる地組織にして、ジャカート組織の変化で伸縮の強い編地と伸縮の弱い編地をコース、ウエル方向に意匠とともに付与して編成した。このとき編地の仕上り密度を70コース/45ウエルとした。
また、図2のパターンにおける上端のパターンラインのウエストラインに対する傾斜角度α1は20度で後部が高くなるように編成し、ヒップ周辺に当たる後股上ラインの膨らみ角度α2は45度とし、前股上と後股上の長さの比率は1:1.3で編成した。
また、前後股間部の拡張部分の突出端側の拡がり角度α3は85度とし、ウエストラインと足部付け根ラインとの長さの比率を1:1.2とした。
編成後、実施例1と同様に、パターンの外形線に沿って切除、縫製しパンツにし、上記と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例5〕
2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製 RDPJ6/2N−24E)を用いて、ガイドバーL−2,L−5に84dtex/36fのポリエステル加工糸を使用し、ジャカードガイドバーL−3,L−4には、44dtex/4fのポリウレタン糸を芯糸にして、44dtex/34fのナイロン糸を600回/mでカバーリングした弾性カバーリング糸を使用し、表裏編地は図6のガイドバーL−2,L−5の鎖編と、ジャカードガイドバーL−3,L−4によるデンビ編との組み合わせによる地組織にして、ジャカート組織の変化で伸縮の強い編地と伸縮の弱い編地をコース、ウエル方向に意匠とともに付与して編成した。仕上り密度は75コース/42ウエルとした。
図2のパターンにおける上端のパターンラインの傾斜角度α1は15度で後が高くなるように編成しており、ヒップ周辺に当たる膨らみ角度α2は30度とし、前股上ラインと後股上ラインの長さの比率は1:1.4で編成した。
前後股間部における拡張編地部の拡がり角度α3は60度とし、ウエストラインと足部付け根ラインの長さの比率は1:1.3とした。
編成後、実施例1と同様に、パターンの外形線に沿って切除、縫製しパンツにし、上記途同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔実施例6〕
2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製 RDPJ6/2N−24E)を用いて、ガイドバーL−2,L−5に84dtex/36fのポリエステル加工糸を使用し、ジャカードガイドバーL−3,L−4には、44dtex/4fのポリウレタン糸を芯糸にして、44dtex/34fのナイロン糸を600回/mでカバーリングした弾性カバーリング糸を使用し、表裏編地は図6のガイドバーL−2,L−5の鎖編と、ジャカードガイドバーL−3,L−4によるデンビ編との組み合わせによる地組織にして、ジャカート組織の変化で伸縮の強い編地と伸縮の弱い編地をコース、ウエル方向に意匠とともに付与して編成した。仕上りの密度は70コース/45ウエルとした。
図2のパターンにおける上端のパターンラインの傾斜角度α1は30度で後が高くなるように編成しており、ヒップ周辺に当たる膨らみ角度α2は40度とし、前股上ラインと後股上ラインの長さの比率は1:1.4で編成した。
前後股間部における拡張編地部の拡がり角度α3は160度とし、ウエストラインと足部付け根ラインの長さの比率は1:1.4とした。
編成後、実施例1と同様に、パターンの外形線に沿って切除、縫製しパンツにし、上記と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
2列のジャカードガイドバーを備えるダブルラッセル機(カールマイヤー社製 RDPJ6/2N−24E)を用いて、ガイドバーL−2,L−5に84dtex/36fのポリエステル加工糸を使用し、ジャカードガイドバーL−3,L−4には、44dtex/4fのポリウレタン糸を芯糸にして、44dtex/34fのナイロン糸を600回/mでカバーリングした弾性カバーリング糸を使用し、表裏編地は図6のガイドバーL−2,L−5の鎖編と、ジャカードガイドバーL−3,L−4によるデンビ編との組み合わせによる地組織にして、ジャカート組織の変化で伸縮の強い編地と伸縮の弱い編地をコース、ウエル方向に意匠とともに付与して編成した。仕上りの密度は60コース/40ウエルとした。
図2のパターンにおける上端のパターンラインは、傾斜角度α1が0度で前後の高さが同じとなるように編成し、ヒップ周辺に当たる膨らみ角度α2は0度で、膨らみはなく、前後股間部における拡張編地部は編成しなかった。編成後、実施例1と同様に、パターンの外形線に沿って切除、縫製してパンツにし、上記と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006037686
1…製品パターン、2a…前股間部、2b…後股間部、3…前股上ライン、4…後股上ライン、5a,5b…拡張編地部、6…パターンライン、7…ウエストライン、8…足部付け根ライン、10…衣料、11…胴部、12…股間部、13…足部、α1…傾斜角度、α2…膨らみ角度、α3…拡がり角度、a1,a2…表裏編地。

Claims (6)

  1. 2列の針床を有する経編機により編成され、股間部を有する衣料の左右一方の側面から見立てたパターンで表裏編地の一部が筒状に編成されて構成される筒状経編物からなる衣料であって、
    前記パターンにおける前後股間部に相当する部位に、それぞれ股上ラインと足部のパターンラインとをつなぐラインより外方へ拡張した拡張編地部が設けられてなり、
    前記パターンにおける後股上ラインが外側に膨らんだ湾曲状を有してなることを特徴とする筒状経編物からなる衣料。
  2. 前記パターンにおける前後股間部より上部の前股上ラインと後股上ラインにおいて表裏編地が接結編されることにより、パターン上部が筒編の胴部として形成されてなる請求項1に記載の筒状経編物からなる衣料。
  3. 前記パターンにおける表裏編地の上端のパターンラインが、前記パターンの前身頃側から後身頃側にかけて漸次高くなるようにウエストラインに対して傾斜した形状をなしている請求項1又は2に記載の筒状経編物からなる衣料。
  4. 前記パターンにおけるウエストラインと、前後股間部の前記拡張編地部を含む足部付け根ラインとの長さの比率が、1:1.05〜1:1.3である請求項1〜3のいずれか1項に記載の筒状経編物からなる衣料。
  5. 前記パターン形状における前股上ラインと後股上ラインとの長さの比率が、1:1.1〜1:1.5である請求項1〜4のいずれか1項に記載の筒状経編物からなる衣料。
  6. 2列の針床を有する経編機により、股間部を有する衣料の左右一方の側面から見立てたパターンで表裏編地をそれぞれ編成してなり、前記パターンにおける後股間部より上部の後股上ラインを外側に膨らんだ湾曲状とし、前記パターンにおける股間部より上部の前股上ラインと前記後股上ラインにおいて接結編することにより、パターン上部を筒編の胴部として形成するとともに、前記パターンにおける前後股間部に相当する部位に、それぞれ股上ラインと足部のパターンラインとをつなぐラインより外方へ拡張した拡張編地部を形成するように編成し、編成後にパターンの外形線に沿って切断し、前後股間部を含む必要個所を縫製して衣料にすることを特徴とする筒状経編物からなる衣料の製造方法。
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