JP5179780B2 - 電極塗工剤、電極及び二次電池 - Google Patents

電極塗工剤、電極及び二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、二次電池用として好適に使用可能な電極及び電極塗工剤等に関する。
リチウムイオン電池等の二次電池電極は、電極活物質及び必要に応じて導電剤等が、結着剤により金属箔等の集電体に担持されて形成されている。例えば、特許文献1、2には、スチレンブタジエンゴムラテックス(結着剤樹脂)と、カルボキシメチルセルロース等の増粘性を有する水溶性高分子と、電極活物質とを含む水性スラリーを塗工、乾燥して製造された電極が記載されている。また、特許文献3、4には、スチレンブタジエンゴムラテックス(結着剤樹脂)と、一定の転移温度(T℃)で親水性と疎水性が可逆的に変化するビニル重合体系熱可逆性増粘性を有する水溶性高分子と、電極活物質とを含む水性スラリーを塗工、熱風乾燥して製造された電極が記載されている。
特開平4−342966号公報 特開平5−74461号公報 特開2002−256129号公報 特開2003−331848号公報
しかしながら、結着剤樹脂とカルボキシメチルセルロース等の水溶性増粘剤とを含む従来の塗工剤を用いた場合、塗膜の乾燥工程において結着剤樹脂が局在化し、均一な乾燥皮膜が得られ難い場合がある。特に、高速で乾燥するために高温環境下で乾燥を行うと、結着剤樹脂の局在化が大きくなる傾向があり、不均一性が増す結果、集電体との密着性が良好な電極を得ることが困難な場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、集電体との密着性が良好な電極を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するため鋭意検討の結果、電極活物質、水溶性高分子、結着剤樹脂、及び水を含み、粘度が特定の温度依存性を有する電極塗工剤が、乾燥工程における結着剤樹脂の局在化を抑制し、集電体との密着性が良好な電極を実現し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1) 電極活物質、水溶性高分子、結着剤樹脂及び水を含む電極塗工剤であって、60℃における粘度が30℃における粘度の5倍以上である、電極塗工剤。
(2) 前記水溶性高分子は、メチルセルロースである、上記(1)記載の電極塗工剤。
(3) 前記メチルセルロースは、2質量%水溶液の溶液粘度(20℃)が1000mPa・s以上400000mPa・s以下である、上記(2)記載の電極塗工剤。
(4) 前記メチルセルロースは、グルコース環単位あたりメトキシル基で置換された水酸基の平均個数(DS)が1.4〜2.4である、上記(2)又は(3)に記載の電極塗工剤。
(5) 前記結着剤樹脂は、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス樹脂、アクリルラテックス樹脂、及びフッ素系樹脂よりなる群から選択される1種又は2種以上である、上記(1)〜(4)のいずれか記載の電極塗工剤。
(6) 前記水溶性高分子と水との比は、(水溶性高分子)/(水)(質量比)として0.3/99.7〜3.0/97.0である、上記(1)〜(5)のいずれか記載の電極塗工剤。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれか記載の電極塗工剤を用いて製造された電極。
(8) 上記(7)記載の電極を備えた二次電池。
本発明によれば、乾燥工程における結着剤樹脂の局在化が抑制されるため、塗膜を高速乾燥条件下で乾燥した場合であっても、集電体との密着性が良好な電極を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本実施の形態の電極塗工剤は、少なくとも電極材料となる電極活物質と、活物質を結着する結着剤樹脂が、水溶性高分子及び水を含む溶剤に分散又は溶解したものであり、塗工剤の60℃における粘度が30℃における粘度の5倍以上となることが重要である。電極塗工剤の粘度が上記範囲内であることにより、乾燥工程における結着剤樹脂の局在化が抑制されるため、塗膜を高速乾燥条件下で乾燥した場合であっても、集電体との密着性が良好な電極を得ることが可能となる。電極塗工剤の60℃における粘度は30℃における粘度の、好ましくは10倍以上、より好ましくは20倍以上である。
また、電極塗工剤の粘度は、40〜60℃、好ましくは50℃〜60℃の範囲で上昇するのが好ましい。40℃未満での粘度上昇は室温での安定した塗工が困難となるおそれがある。なお、60℃を超えて粘度上昇が始まる塗工剤では、加熱乾燥初期における粘度上昇が不十分であり好ましくない。
上記粘度は、E型粘度計を用いて、電極塗工剤を所定の温度に調整して測定した値を意味する。
上記温度範囲で粘度上昇する電極塗工剤は、例えば、電極活物質及び結着剤樹脂が溶解又は分散した水溶液に、加熱により相分離、及び/又はゲル化を起こすような水溶性高分子を分散又は溶解することにより調製することができる。
水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース等のアルキルセルロース類、ポリ−N−エチルアクリルアミド等のポリ−N−アクリルアミド類を用いることができる。また、一定の転移温度(T℃)で親水性と疎水性が可逆的に変化するビニル重合体系熱可逆性増粘剤として、環状アミンのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル、炭素数5以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステル、N−アルキルもしくはアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−アルキルもしくはジ−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド、及びN−(メタ)アクリロイル複素環アミンからなる群から選ばれる含窒素アクリル系単量体の少なくとも1種を必須単量体とする(共)重合体を用いることもできる。上記水溶性高分子の中でも、電極性能を低下させない少量の添加であっても電極塗工剤への増粘効果が大きく、かつ、加熱による粘度上昇の効果が大きいためメチルセルロースを用いるのが好ましい。
ここで、メチルセルロースとは、セルロースの水酸基の一部をメトキシル基で置換した化合物であり、グルコース環単位あたりメトキシル基で置換された水酸基の平均個数(DS)が1.4〜2.4であるものを用いるのが好ましい。DSが1.4以上であると、水への溶解性と、加熱による電極塗工剤の増粘効果が良好となる傾向にあり、DSが2.4以下であると、溶媒である水への分散性又は溶解性に優れ、かつ、加熱による電極塗工剤の増粘効果が良好となる傾向にある。メトキシル基で置換されていない水酸基の一部は、本発明の目的を損なわない範囲で、アルコキシル基、ヒドロキシアルコキシル基等の置換基で置換されていてもよいが、その際の置換度は、加熱による塗工剤の増粘効果を保つため、0.5以下であることが好ましい。なお、上記DSは、Zeisel−gas chromatography法(R.U.Lemieux and C.B.Purves, Can J Res.,B−25,485(1947)や、J.G.Cobler,E.P.Samsel,and G.H.Beaver,Talanta,9,473(1962)等を参照)により測定した値を意味する。
また、水溶性高分子としてメチルセルロースを使用する場合、使用するメチルセルロースの2質量%水溶液の20℃における溶液粘度は1000mPa・s〜400000mPa・sであることが好ましい。溶液粘度が1000mPa・s以上であると、加熱による塗工剤の粘度上昇が顕著となり、良好な塗膜特性が達成される傾向にある。また、溶液粘度が400000mPa・s以下であると、電極活物質等の分散性又は溶解性が良好となり、塗工剤の調製が容易となる傾向にある。
上記粘度は、B型粘度計を用いて、2%水溶液を20℃に調整して測定した値を意味する。
また、上記メチルセルロースは、異なるDS、溶液粘度のものを2種以上混合して用いてもよい。その場合、混合物の平均のDS及び溶液粘度は、上記の好適範囲内となるのが好ましい。
水溶性高分子としてメチルセルロースを用いる場合、目的とする粘度変化を示す電極塗工剤を得るためには、メチルセルロース/水の重量比が0.3/99.7〜3.0/97.0、好ましくは0.7/99.3〜2.5/97.5となるように調整するのが好ましい。メチルセルロースの重量比が0.3以上であると、加熱による粘度上昇が顕著になる傾向にあり、3.0以下であると、塗工時の粘度が適度に低く、塗工が容易となる傾向にある。なお、水が電極塗工剤中に占める割合としては、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは40〜70質量%である。
本実施の形態で用いる結着剤樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス、メチルメタクリレートブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、カルボキシ変性スチレンブタジエンゴムラテックス及び変性ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックス等の合成ゴム系ラテックスや、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとするアクリル系重合体ラテックス、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。用いる結着剤樹脂の量は、電極活物質100重量部に対して、好ましくは0.2〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部である。
本実施の形態で用いる、電極塗工剤に分散された電極活物質としては、特に限定されず、各種電池において公知のものを用いることができる。例えば、リチウムイオン二次電池の負極に用いられる負極活物質としては、通常使用されるものであれば特に制限されず、例えば、アモルファスカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、MCMB、ピッチ系炭素繊維等の炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、通常使用されるものであれば特に制限されず、例えば、LiCoO2等のリチウムコバルト酸化物、LiMnO2、LiMn24等のリチウムマンガン酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル酸化物、LixMO2(MはNi、Mn、Co、Al及びMgから選ばれる2種以上の元素を示し、xは0.9<x<1.2の数を示す)で表されるリチウム含有複合金属酸化物等やLiFePO4で表されるリン酸鉄オリビンなどが挙げられる。
本実施の形態の電極塗工剤には、更に、アセチレンブラック、カーボンブラック等の導電助剤が含まれていてもよい。
電極の製造
本実施の形態の電極は、上記電極活物質、水溶性高分子、結着剤樹脂及び水を含む電極塗工剤を集電材料に塗工し、次いで加熱乾燥することにより製造することができる。
電極塗工剤を塗工する集電材料としては、特に限定されず、目的に応じて、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔等を用いることができる。
電極塗工剤の塗工方法としては、従来公知の方法が用いることができ、例えば、ドクターブレード、ナイフ、ロール、カーテン、ファウンテン、ダイ、グラビアロール等のコーターを用いることができる。
塗工後の塗膜の乾燥は、塗工面の背面側から高温媒体により伝導加熱する方法、塗工面側から遠赤外線により輻射加熱する方法、あるいは両方法を併用して行うのが好ましい。乾燥初期に上記の加熱乾燥法を実施することにより、塗膜全体が厚み方向にも均一に昇温されるため膜の粘度が全体にわたって上昇し、結着剤樹脂の局在化が抑制される。従って、その後熱風を用いて乾燥を促進しても、結着剤樹脂の移行がほとんど起こらず、結着剤樹脂が均一に分散された乾燥皮膜を得ることが可能となる。
また、上記輻射による加熱の場合、用いる赤外線は波長1μm以上30μm以下の範囲にピークを有するのが、塗膜への吸収、加熱が効率的になされ、塗膜全体の昇温、粘度上昇が進み易いため好ましい。
また、塗膜の乾燥は、その初期において熱風を用いず加熱を行うのが好ましい。乾燥の初期から熱風による乾燥を行うと、塗膜全体の温度が上昇しないまま塗膜表面のみ乾燥が進み、結着剤樹脂の移行が促進される傾向にあるため好ましくない。
乾燥は熱風を用いず、伝導及び/又は輻射加熱だけでも実施可能であるが、高速での乾燥のためには熱風乾燥を併用することが好ましい。伝導だけで高速乾燥する場合、高温の熱媒体に一定時間接触させる必要があり、その結果、塗膜(の一部)が過昇温され、膜の劣化を引き起こすおそれがある。また、遠赤外線等の輻射のみで高速乾燥する場合、表面温度を高温に設定した遠赤外線ヒーターで加熱する必要があり、その結果、乾燥後期で急激な温度上昇が起こり、塗膜及び集電体の劣化を引き起こすおそれがある。
伝導及び/又は輻射加熱後に熱風乾燥を行う場合、熱風乾燥の開始時期は特に限定されないが、結着剤樹脂の移行を抑制する観点から、初期の伝導及び/又は輻射加熱により塗工剤の温度が上昇し、粘度上昇が始まった後に開始するのが好ましい。
特に高速での乾燥を達成するためには、熱風乾燥を始めるまでの時間を40秒以内にすることが好ましい。伝導及び/又は輻射による加熱が、40秒以内である場合、粘度上昇を利用した乾燥時間短縮の効果が十分なものとなり、電極の生産性を向上させることが可能となる。さらに好ましくは、熱風乾燥開始までの時間を3〜30秒の範囲にすることが好ましい。また、伝導及び/又は輻射加熱後に熱風乾燥を行う場合、伝導のための熱媒体の温度や、遠赤外線ヒーターの表面温度を高くすることで膜全体の昇温を早め、熱風乾燥の開始時期を早めることで、全体の乾燥時間を短縮することができる。
熱風乾燥をする場合、熱風乾燥時に伝導及び/又は輻射による加熱を継続してもよく、乾燥完了まで併用する、あるいは熱風開始後一定時間併用し最後は熱風のみで乾燥を行う等、適宜選択することができ、また設定温度等の乾燥条件も適宜変更することができる。熱風乾燥の開始時期を早めるために、初期に設定した高温の伝導及び/又は輻射加熱と同一条件のまま熱風乾燥を行うと、膜の過昇温による塗膜の劣化を起こし易くなるので、伝導及び/又は輻射加熱の温度条件を変更することが好ましい。例えば、熱風使用前の乾燥初期には電極塗工剤の粘度上昇のために短時間で高温まで昇温し、熱風併用後は保温する、あるいは塗膜の過昇温を抑制するために設定温度を下げて、加熱を続けるのが好ましい。
集電体の両面に電極塗工剤を塗工する場合、乾燥初期の加熱方法としては、塗工面の過昇温を抑制するために、遠赤外線により輻射加熱するのが好ましい。
また、乾燥を行う装置の構造は特に限定されないが、例えば、電極塗工剤を塗工した集電体を搬送する領域を、非熱風初期乾燥ゾーン、熱風乾燥ゾーンに分けて連続的に乾燥することが可能な装置等が挙げられる。
上記装置を用いる場合、集電体の搬送速度と各ゾーン長の設定で乾燥時間を調整することができる。また各ゾーンは更に条件を変えた複数ゾーンに分割することが可能である。更に最後段に冷却ゾーンを設けてもよい。
二次電池の製造
上記のようにして得られた電極(正極及び/又は負極)を、所定の形状に切り出し、タブ等の取付を行う。その後、必要に応じて従来の塗工剤から製造された負極又は正極と組み合わせて、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔膜からなるセパレータと積層した後、電池缶に挿入し、電解液の注入を経て封口することによって二次電池を製造することができる。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に記載の実施例によって制限されるものではない。
[使用材料]
使用材料としては下記のものを用いた。
水溶性高分子
A−1: メチルセルロース(信越化学工業(株)社製 メトローズSM−8000) DS値:1.8 2質量%水溶液の20℃における溶液粘度:7000〜10000mPa・s
A−2: メチルセルロース(信越化学工業(株)社製 メトローズSM−1500) DS値:1.8 2質量%水溶液の20℃における溶液粘度:1200〜1800mPa・s
A−3: カルボキシメチルセルロース(第一工業製薬(株)社製 セロゲンBSH−12)
結着剤樹脂
B: 旭化成ケミカルズ(株)社製 スチレンブタジエンラテックスL−1571
電極活物質
C: 大阪ガスケミカル(株)社製 メソカーボンマイクロビーズ (平均粒径約10μm)MCMB10−28
集電体
D: 18μm厚みの銅箔
[評価方法]
(1)粘度測定
E型粘度計(東機産業社製RE100R型粘度計)を用いて電極塗工剤の溶液粘度を測定した。ローターは標準の1°34‘xR24を用いた。電極塗工剤の温度は温水循環装置を用いて調整した。
(2)膜密着性
ステンレス板の端面を一定の曲率(2.0R、1.5R、1.0R、0.5R)に加工した試験ピースを用意し、試作した片面塗工電極の非塗工面の集電体面を曲率面に沿って押し付け、200gf/cmの張力で引張りながら曲面に沿って交互に電極片を5回ずつ約2cmの距離移動させ、塗膜の剥れ、亀裂の発生の有無を目視で確認し、塗膜性能の良否を判定した。
[電極塗工剤の製造]
(電極塗工剤A:実施例1)
A−1の水溶液にCを加え、遊星混練機で充分分散混練させた後、更にBを加え、遊星混練機で再度分散させることにより、固形分換算の重量比がA−1:B:C=1.6:4.1:100であり、固形分濃度が48重量%である電極塗工剤Aを得た。該電極塗工剤の粘度の測定結果を表1に示す。
(電極塗工剤B:実施例2)
実施例1と同様の方法により、固形分換算の重量比がA−1:B:C=0.8:2.0:100であり、固形分濃度が47.5重量%である電極塗工剤Bを得、同様に粘度の測定を行った。測定結果を表1に示す。
(電極塗工剤C:実施例3)
実施例1と同様の方法により、固形分換算の重量比がA−1:B:C=0.8:4.1:100であり、固形分濃度が56.2重量%である電極塗工剤Cを得、同様に粘度の測定を行った。測定結果を表1に示す。
(電極塗工剤D:実施例4)
A−1に代わりにA−2を用いこと以外は実施例1と同様の方法により、固形分換算の重量比がA−2:B:C=0.8:2.0:100であり、固形分濃度が47.5重量%である電極塗工剤Dを得、同様に粘度の測定を行った。測定結果を表1に示す。
(電極塗工剤E:比較例1)
A−1の代わりにA−3を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により、固形分換算の重量比がA−3:B:C=0.8:4.1:100であり、固形分濃度が47.5重量%である電極塗工剤Eを得、同様に粘度の測定を行った。測定結果を表1に示す。
Figure 0005179780
[電極の製造]
(実施例5及び6)
電極塗工剤Aを集電体D上にギャップ130μmのドクターブレードで塗工した。塗工したサンプルを120℃に設定したホットプレート上に、集電体側がホットプレートに接するようにセットし、セット後5秒後(実施例5)又は10秒後(実施例6)にサンプル上面から、実験用ドライヤーにて熱風を吹きかけ乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。表中で○は膜に欠陥がみられなかったことを示し、×は剥れ、亀裂の発生したことを示す。以下、同様の評価基準を用いた。
(実施例7)
実施例5と同様の方法により電極塗工剤Aを集電体D上に塗工したサンプルを、表面温度を200℃に設定したセラミック製の遠赤外線ヒーターにより、塗膜側から50mmの距離で10分加熱乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例5と同様の方法により電極塗工剤Aを集電体D上に塗工したサンプルを、表面温度を250℃に設定したセラミック製の遠赤外線ヒーターにより、塗膜側から50mmの距離で10秒加熱し、直ぐにサンプルをヒーター下から取り出し、続けて熱風を吹き付け乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(実施例9)
遠赤外線ヒーターの表面温度を250℃から350℃に変更し、遠赤外線での加熱時間を10秒から5秒に変更した以外は実施例8と同様の方法により乾燥を行うことで電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(実施例10)
電極塗工剤Bを集電体D上にギャップ130μmのドクターブレードで塗工した。塗工したサンプルを100℃に設定したホットプレート上に、集電体側がホットプレートに接するようにセットし、セット後20秒後にサンプル上面から熱風を吹きかけ乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(実施例11)
電極塗工剤Cを集電体D上にギャップ130μmのドクターブレードで塗工した。塗工したサンプルを表面温度を200℃に設定したセラミック製の遠赤外線ヒーターにより、塗膜側から50mmの距離で20秒加熱し、直ぐにサンプルをヒーター下から取り出し、続けて熱風を吹き付け乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(実施例12)
電極塗工剤Aを集電体D上にギャップ65μmのドクターブレードで塗工した。塗工した塗膜の乾燥は遠赤外線ヒーターを備えた2槽の乾燥機を用い、第1槽の遠赤外線ヒーターの表面温度を350℃とし、ヒーター面から100mmの距離で10秒加熱後、直ぐに遠赤外線ヒーターの表面温度を250℃に設定した第2槽に移動すると同時に、熱風での乾燥も併用し、合計60秒乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。また、乾燥時の塗膜温度の変化を図2に示す。
(実施例13)
電極塗工剤Aを集電体D上にギャップ210μmのドクターブレードで塗工した。塗工した塗膜の乾燥は遠赤外線ヒーターを備えた2槽の乾燥機を用い、第1槽の遠赤外線ヒーターの表面温度を400℃とし、ヒーター面から100mmの距離で30秒加熱後、直ぐに遠赤外線ヒーターの表面温度を300℃に設定した第2槽に移動すると同時に、熱風での乾燥も併用し、合計120秒乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。また、乾燥時の塗膜温度の変化を図3に示す。
(実施例14)
電極塗工剤Bを電極塗工剤Dに代えた以外は実施例10と同様の方法により塗膜を塗工、乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性批評価結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例6と同様の方法により電極塗工剤Eを集電体Dに塗工、乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例13と同様の方法により電極塗工剤Eを集電体Dに塗工、乾燥し電極を得た。得られた電極の膜密着性の評価結果を表2に示す。
(参考例1)
実施例9と同様の方法により塗工したサンプルを350℃に設定した遠赤外線ヒーター下に投入し、5秒後に取り出さず、そのまま継続して遠赤外線による加熱を続けた。この時、集電体下面から温度を測定した。その結果を図1に示す。遠赤外線による加熱開始後5秒以内に温度は60℃を超え、粘度上昇が起こるが、約40秒後には温度は急上昇を始め、200℃以上まで過熱されてしまうことがわかる。
Figure 0005179780
表2に示した結果から明らかなように、本発明の実施例5〜14の電極は、60℃における粘度が30℃における粘度の5倍以上である電極塗工剤を用いているため、乾燥工程における結着剤樹脂の局在化が抑制され、膜密着性が良好であった。
これに対して、比較例2及び3の電極は、電極塗工剤の60℃における粘度が30℃における粘度の5倍以上となっていないため、乾燥工程において結着剤樹脂が局在化し、膜密着性に劣っていた。
参考例1で測定した、遠赤外線による加熱乾燥時の塗膜温度の時間変化を示したグラフ。 実施例12で測定した、加熱乾燥時の塗膜温度の時間変化を示したグラフ。 実施例13で測定した、加熱乾燥時の塗膜温度の時間変化を示したグラフ。

Claims (4)

  1. 電極活物質、水溶性高分子、結着剤樹脂及び水を含む電極塗工剤であって、
    前記電極塗工剤は、60℃における粘度が30℃における粘度の5倍以上であり、かつ
    30℃における粘度が110〜4360mPa・s、60℃における粘度が25600mPa・s超であり、
    前記水溶性高分子は、2質量%水溶液の溶液粘度(20℃)が1000mPa・s以上400000mPa・s以下であり、且つ、グルコース環単位あたりメトキシル基で置換された水酸基の平均個数(DS)が1.4〜2.4であるメチルセルロースであり、
    前記結着剤樹脂は、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス樹脂、アクリルラテックス樹脂、及びフッ素系樹脂よりなる群から選択される1種又は2種以上である、電極塗工剤。
  2. 前記水溶性高分子と水との比は、(水溶性高分子)/(水)(質量比)として0.3/99.7〜3.0/97.0である、請求項1に記載の電極塗工剤。
  3. 請求項1又は2記載の電極塗工剤を用いて製造された電極。
  4. 請求項3記載の電極を備えた二次電池。
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