JP2000133278A - アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法

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Munehiro Tabata
宗弘 田端
Tamao Kojima
環生 小島
Masakazu Tanahashi
正和 棚橋
Osamu Kaita
理 貝田
Yoshiki Murakami
義樹 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増粘剤とニッケル粉末を含むスラリの塗膜を
乾燥する際に発生する金属芯材からの剥離や焼結後のニ
ッケル焼結体の剥離を無くして、ニッケル焼結体と金属
芯材との密着性が良好なアルカリ蓄電池用焼結基板の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 増粘剤を含む分散媒にニッケル粉末を均
一に混合したスラリを金属芯材に塗着する工程、塗着さ
れた塗膜を加熱乾燥する工程、および還元性雰囲気中で
焼結する工程を具備するアルカリ蓄電池用焼結基板の製
造方法において、前記乾燥工程の雰囲気中に水分を添加
して前記塗膜を乾燥する。ことを特徴とし、またその添
加量を10vol%以上にする事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
極板の活物質保持体に用いられる焼結基板の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池用焼結基板は、メ
チルセルロースなどの増粘剤を含む分散媒の水に、カー
ボニルニッケル等のニッケル粉末を均一に混合してスラ
リを形成し、このスラリをニッケルメッキした金属芯材
の両面に塗着させて乾燥した後、還元性雰囲気中で焼結
することによって製造されていた。ニッケルーカドミウ
ム蓄電池やニッケルー水素蓄電池等のアルカリ蓄電池用
電極は、この焼結基板を例えば硝酸ニッケル水溶液に浸
漬して電気化学的あるいは化学的に、焼結基板の空孔に
活物質となる水酸化ニッケルを充填することにより得ら
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法に
より焼結基板を製造する際、スラリの乾燥工程において
ニッケル粉末の塗膜が金属芯材から剥離してしまうこと
があった。また、外見上は剥離していなくても、密着性
が悪いために、焼結後に剥離したり、活物質を充填した
後に金属芯材からニッケル焼結体が脱落したりするなど
の問題があった。この現象は、季節による湿度変化によ
って発生したり、特に塗膜厚を厚くした場合に、頻発し
ていた。従来、この現象を抑えるためには、乾燥機の設
定温度を微妙に調整する以外に方法はなく、その調整の
ために多くの時間とコストを浪費していた。また、ニッ
ケル焼結体が脱落しやすくなることから、電池寿命も短
くなるという問題があった。
【0004】本発明は、スラリ乾燥後の乾燥塗膜の剥離
や焼結後の剥離がなく、ニッケル焼結体の金属芯材への
密着性が良好なアルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のアルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法は、増
粘剤を含む分散媒にニッケル粉末を均一に混合したスラ
リを金属芯材に塗着し、加熱乾燥する際に、雰囲気中に
水分を添加して乾燥させ、その後還元性雰囲気中で焼結
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、増粘剤を含む分散媒に
ニッケル粉末を均一に混合したスラリを金属芯材に塗着
する工程、塗着された塗膜を加熱乾燥する工程、および
還元性雰囲気中で焼結する工程を有するアルカリ蓄電池
用焼結基板の製造方法において、前記乾燥工程の雰囲気
中に水分を添加して前記塗膜を乾燥することを特徴とす
る。本発明によると、塗膜中の増粘剤の分布が均一にな
って乾燥膜と金属芯材との密着性を上げることができ、
スラリの塗膜厚を厚くしても剥離することはない。ま
た、乾燥膜の密着性が高いために、焼結後も金属芯材と
の密着性は高く、密着性バラツキの少ないアルカリ蓄電
池用焼結基板が得られる。さらに、乾燥時に水分を添加
することにより、増粘剤の形状が網目状に疎になって、
水分を添加しない場合と比較して多孔度が上がる。その
結果、活物質となる水酸化ニッケルを容易にかつより多
く充填することができるため、高容量の電極を得ること
ができる。
【0007】このような効果は、本発明の独特の乾燥工
程によってもたらされるのであり、その理由は次のよう
に考えられる。すなわち、塗膜の乾燥過程について説明
すると、塗膜は、外部から与えられる熱量により、室温
からある温度まで上昇するが、水分の蒸発によって塗膜
から奪われる気化熱と外部から与えられる熱量とがバラ
ンスして、ある時間ほぼ一定の温度となる。そして、水
分がほぼ蒸発すると塗膜温度は急激に上昇して塗膜は完
全に乾燥する。前記の時間的に変化しないほぼ一定の温
度は、乾燥雰囲気に水分を添加しないときにはあまり上
がらないが、乾燥雰囲気の水分量の増加とともに上昇す
る。それは、乾燥雰囲気中に水分が存在するため、塗膜
からの水分の蒸発が抑えられ、気化熱によって奪われる
熱量が減るためである。そして、塗膜中の水分はその表
面から蒸発するため、乾燥の間、膜内部の水分は表面に
移動するから、前記の時間的に変化しないほぼ一定の温
度が増粘剤のゲル化温度に達していないと、増粘剤はゲ
ル化していないので、水分の移動と共に塗膜表面に上が
っていくことになる。そのため、乾燥膜においては、増
粘剤が塗膜の表面付近に多くなり、金属芯材側の面には
少なくなる。一方、本発明では、乾燥雰囲気へ水分を添
加するから、前記の時間的に変化しないほぼ一定の温度
は増粘剤のゲル化温度以上に上げることができる。この
ため、増粘剤は水分とともに移動することなくゲル化
し、これによって乾燥膜の金属芯材との密着性が得られ
る。また、その後の温度上昇により急激にゲル化が進む
から、網目状で疎になり、従って多孔度の高い乾燥膜と
なる。
【0008】本発明に好適に用いられる増粘剤は、メチ
ルセルロースの他ヒドキシメチルセルロース、ヒドキシ
メチルエチルセルロース、ヒドキシプロピルセルロース
などの水溶性セルロース誘導体である。乾燥工程の雰囲
気中の水分量によって、前記の時間的に変化しないほぼ
一定の温度が変わる。その一定温度は、増粘剤のゲル化
温度以上とすることが好ましい。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 《実施例1》まず、増粘剤のメチルセルロースを80℃
の温水に分散させ、次に撹拌しながら冷却した。このメ
チルセルロースのゲル化開始温度は約60℃であった。
この増粘剤を含む分散媒にカーボニルニッケル粉末をデ
ィスパーミルによって均一に混合してスラリを調製し
た。次に、このスラリをアプリケータにより、ニッケル
メッキした鋼板製芯材上に500μmの厚みに塗着し
た。なお、金属芯材は通常パンチング加工などした穴あ
き板を用いるが、ここでは密着性を評価するため穴のな
い芯材を用いた。この試料を200℃に温度設定した乾
燥機に入れて乾燥した。この時、乾燥雰囲気に水分を添
加し、水分センサで乾燥機内部の水分量をモニターしな
がらその添加量を調節した。水分を添加しなかった時
と、水分の添加により水分量を10vol%から70v
ol%まで変えた時の乾燥膜の金属芯材への密着性を見
るために、JIS−K5400の碁盤目テープ法に従っ
て、カッターナイフにより乾燥膜に1mm間隔で碁盤目
状に切り傷を入れ、この碁盤目上に粘着テープを貼り、
剥がした後の塗膜の付着状態を目視によって観察した。
【0010】図2は乾燥膜の金属芯材への密着性を表す
図で、粘着テープを剥がした後の塗膜表面の写真を書き
写したものである。図中実線はカッターナイフによる切
り目を表し、島状に散在するプロットは塗膜の剥がれた
ところを表す。水分を添加しない場合(a)は、カッタ
ーナイフで碁盤目状の傷をつけた時点で全て金属芯材か
ら剥がれてしまった。図2の(b)、(c)、(d)お
よび(e)は、それぞれ水分量を10vol%、30v
ol%、50vol%および70vol%にした場合の
乾燥膜の結果である。水分量が10vol%以上の場合
は、図から明らかなように、カッターナイフで傷をつけ
たクロス点で少し剥がれる程度で、碁盤目の桝目全体が
金属芯材から剥がれる部分は発生していなかった。
【0011】水分を添加しなかった場合の乾燥膜を走査
型電子顕微鏡で観察すると、樹脂分であるメチルセルロ
ースは、表面付近に多く存在しており、金属芯材側の面
にはほとんど見られなかった。また、メチルセルロース
は、ニッケル粒子に纏わり付くように密な状態であっ
た。水分量が10vol%の時の乾燥膜を同様にして走
査型電子顕微鏡で観察すると、乾燥膜の表面、中央部、
金属芯材側の面共にメチルセルロースが均一に分布して
おり、しかも網目状で疎な形状になって広がり、金属芯
材とニッケル粒子はしっかりと密着していた。10vo
l%より水分量が多い時の試料に関しても、乾燥膜の表
面、中央部、金属芯材側の面共にメチルセルロースが均
一に分布しており、しかも網目状で疎な形状になって広
がり、金属芯材とニッケル粒子はしっかりと密着してい
た。
【0012】こうしたメチルセルロースの乾燥膜内での
分布や形状の違いの原因を調べるために、乾燥工程にお
ける塗膜温度を計測した。図3は水分量を変えた時の塗
膜温度の経時変化を比較した図である。横軸は試料を乾
燥機に投入してからの経過時間を表し、縦軸は各時間に
おける塗膜温度を表す。乾燥機に水分を添加しなかった
場合を(a)、添加により水分量を10vol%、30
vol%、50vol%、および70vol%に調節し
た場合をそれぞれ(b)、(c)、(d)および(e)
で表している。
【0013】水分を添加しなかった場合で説明すると、
塗膜温度は領域 Iで示されるように、外部から与えられ
る熱量により、室温からある温度まで上昇する。その後
領域IIに示されるように、水分の蒸発によって塗膜から
奪われる気化熱と外部から与えられる熱量とがバランス
する、ほぼ一定の温度で経過する。そして、水分がほぼ
蒸発すると領域IIIに示されるように、塗膜温度は急激
に上昇して塗膜は完全に乾燥する。この時間的に変化し
ない領域IIでの温度は、水分を添加しなかった時には
(a)に見られるように約50℃までにしか上がってい
なかった。この温度は乾燥雰囲気の水分量と共に
(b)、(c)、(d)、(e)の順に上昇していく。
それは、乾燥雰囲気中に水分が存在することで、塗膜か
らの水分の蒸発が抑えられ、気化熱によって奪われる熱
量が減るためである。塗膜からの水分は表面から蒸発す
るため、乾燥の間、膜内部の水分は表面に移動してい
く。メチルセルロースのゲル化温度は約60℃であり、
水分を添加しない場合には、領域IIでの塗膜温度が約5
0℃までにしか上がっていないので、メチルセルロース
はまだゲル化しておらず、水分の移動と共にメチルセル
ロースは表面に上がってくることになる。そのため、乾
燥膜でのメチルセルロースが表面付近に多く金属芯材側
の面には少なかったものと考えられる。
【0014】乾燥雰囲気の水分量が10vol%以上で
あると、(b)、(c)、(d)、(e)に示されるよ
うに、時間的に変化しない領域IIでの塗膜温度は60℃
を越える。塗膜温度が60℃を越えると、メチルセルロ
ースはゲル化するために、水の移動と共に動くことはで
きなくなる。従って、乾燥膜中でのメチルセルロース
は、表面、中央部、金属芯材側の面共に均一に分布し
て、しかもこの場合は塗膜温度の上昇と共に急激にゲル
化が進むために、網目状の形状に疎になって広がったと
考えられる。
【0015】次に、乾燥時の水分量を変化させた時の乾
燥膜と、その乾燥膜を水素を含む還元性雰囲気中約10
00℃で熱処理して得られた焼結膜の多孔度を調べた。
図4は乾燥膜と焼結膜の多孔度を表す。図4において、
横軸は乾燥時の水分量を表し、縦軸は多孔度を表す。水
分量が10vol%以上の時は、水分を添加しない時と
比べて乾燥膜、焼結膜共に多孔度が1%以上高くなって
いる。乾燥雰囲気に水分を添加しない場合は、表面に集
まったメチルセルロース同士が引き合って収縮し、走査
型電子顕微鏡で見られたように密になって多孔度は下が
るが、水分を添加すると急激にゲル化したメチルセルロ
ースは網目状で疎になり空隙を確保するため、高い多孔
度を保つことができる。多孔度が高いということは、そ
れだけ活物質となる水酸化ニッケルを詰められる空間が
増えるということで、正極板を高容量とすることが可能
になる。
【0016】こうして焼結した焼結膜の金属芯材への密
着性を調べるために、先端にエポキシ樹脂を塗った金属
針をエポキシ樹脂の接触面積が一定になるように焼結膜
に垂直に立てて熱硬化させた後、引張試験機によりその
金属針を引っ張って金属芯材から剥がれた時の力を測定
した。図5は乾燥時の水分量とその時の乾燥膜を焼結し
た焼結膜の金属芯材への密着性を表す。水分を添加しな
かった時には、乾燥後もしくは焼結後に金属芯材から剥
がれる部分が存在して、密着性の弱い方へのバラツキが
大きいが、水分量が10vol%以上であれば、乾燥後
や焼結後に金属芯材から剥がれることはなく、密着性は
高くなってバラツキも小さくなる。
【0017】このように、水分の添加により乾燥雰囲気
中の水分量を10vol%以上にすることで、乾燥膜お
よび焼結膜の金属芯材への密着性は上がると共に、高い
多孔度を保つこともできる。さらに、乾燥機の設定温度
を100℃〜300℃まで変化させて同様の実験を行っ
た。乾燥までの時間は、設定温度が高くなるほど短くな
る。特に、設定温度が200℃以上の高い温度の場合
は、乾燥時間が長くなるとメチルセルロースの変質が起
こるために、塗膜温度が150℃以上になった時点で試
料を取り出した。乾燥機温度やそれに伴う乾燥時間が変
化しても、すべての場合において10vol%以上の水
分量にすることで、乾燥膜およびその焼結膜と金属芯材
との密着性は良好であった。
【0018】次に、塗膜厚さを1000μmに厚くし
て、同様の実験を行った。通常、塗膜を厚くすると膜の
内部応力によって剥離を起こしやすくなるが、水分の添
加により乾燥雰囲気の水分量を10vol%以上にする
と、剥離は発生せず乾燥膜およびその焼結膜と金属芯材
との密着性は良好であった。
【0019】《実施例2》実施例1ではバッチ式であっ
たが、本実施例では連続式で焼結基板を製造する例を示
す。図1は焼結基板の製造装置の概略構成を示す。金属
芯材1はニッケルメッキを施した穿孔鋼板からなり、巻
き出しロール2から送り出され、スラリ浴4中のスラリ
3を通過する過程でその両面にスラリが付着される。こ
こで、スラリ3は実施例1と同様にして作製した。次
に、金属芯材1がスリット5を通過することにより余分
についたスラリが掻き落とされてスラリの塗着厚さが調
整される。ここでは、片面の塗膜厚さが500μmにな
るようにスリット5を調節した。こうして所定厚さにス
ラリが塗着された金属芯材は、乾燥機6に入り、塗着さ
れたスラリが乾燥される。10は水蒸気発生装置を表
す。この水蒸気発生装置からの水蒸気配管11は2つに
分岐して乾燥機に水分を供給する。乾燥機6内部の雰囲
気の水分は、水分センサ9によりモニターされ、所定の
水分量になるように水蒸気発生装置10から供給される
水蒸気量を調節する。乾燥機6で乾燥された後は、焼結
炉7に入り、水素を含む還元性雰囲気中で焼結され、焼
結基板として巻き取りロール8に巻き取られる。
【0020】水蒸気発生器10から水分を供給しなかっ
た場合は、乾燥機6の温度設定によっては乾燥段階で既
に剥離を起こす場合があった。しかし、水分量が10v
ol%以上になるように水蒸気供給量を調節すると、乾
燥機6の温度設定に依存することなく、乾燥後および焼
結後共に剥離は発生しておらず、金属芯材への密着強度
は実施例1と同様に良好であった。さらに、多孔度に関
しても実施例1に示した結果と同様に、水分量が10v
ol%以上の時は、添加しない時と比べて乾燥膜、焼結
膜共に多孔度が1%以上高くなっていた。次に、スリッ
トの幅を変えて片面での塗着厚さが1000μmになる
ように調節した。この場合も、乾燥機6の水分量を10
vol%以上になるように水蒸気発生器10から水蒸気
供給をおこなえば、乾燥膜および焼結膜共に剥離は発生
せず、金属芯材への密着強度は良好であった。
【0021】以上のように、水分の添加により乾燥雰囲
気中の水分量を10vol%以上にすることで、乾燥膜
および焼結膜の金属芯材への密着性は上がると共に、高
い多孔度を保つこともできる。また、塗膜厚さを厚くし
ても、乾燥膜および焼結膜共に剥離は発生せず、金属芯
材への密着強度を上げることができる。なお、本実施例
において乾燥機6は一体型にしたが、水蒸気が漏れない
ように、水蒸気の必要な領域だけシャッターを設置して
金属芯材の出入り口を狭くしたり、分離した乾燥機にし
てその一つに水蒸気を導入するなどの変更ないし修正も
可能である。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ニッケル
焼結体と金属芯材との密着性が良好で、高多孔度のアル
カリ蓄電池用焼結基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアルカリ蓄電池用焼
結基板の製造装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明により製造した乾燥膜の金属芯材への密
着性を表す図である。
【図3】本発明における添加する水分量を変えた時の塗
膜温度の経時変化を比較した図である。
【図4】本発明により製造した乾燥膜と焼結膜の多孔度
を表す図である。
【図5】本発明により製造した焼結膜の金属芯材への密
着性を表す図である。
【符号の説明】
1 金属芯材 2 巻き出しロール 3 スラリ 4 スラリ浴 5 スリット 6 乾燥機 7 焼結炉 8 巻き取りロール 9 水分センサ 10 水蒸気発生装置 11 水蒸気配管 12〜15 案内ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚橋 正和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 貝田 理 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 村上 義樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA07 BA04 BC13 CA09 CA44 DA14 DA31 JA25 KA38 5H017 AA02 AS10 BB01 BB04 BB09 BB12 BB14 BB17 BB19 CC05 CC27 DD05 EE04 EE09 EE10 HH01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増粘剤を含む分散媒にニッケル粉末を均
    一に混合したスラリを金属芯材に塗着する工程、塗着さ
    れた塗膜を加熱乾燥する工程、および還元性雰囲気中で
    焼結する工程を具備し、前記乾燥工程の雰囲気中に水分
    を添加して前記塗膜を乾燥することを特徴とするアルカ
    リ蓄電池用焼結基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記増粘剤がセルロース誘導体であり、
    前記乾燥工程の雰囲気中の水分量が10vol%以上で
    ある請求項1記載のアルカリ蓄電池用焼結基板の製造方
    法。
JP10308823A 1998-10-29 1998-10-29 アルカリ蓄電池用焼結基板の製造方法 Pending JP2000133278A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007502368A (ja) * 2003-09-30 2007-02-08 インコ、リミテッド ニッケル系合金を含む部品の製造方法、ならびにその方法により製造された部品
JP2008287924A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 電極塗工剤、電極及び二次電池

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