JP5177183B2 - 非水系二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents

非水系二次電池用負極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水系二次電池に関するものであり、特に、非水系二次電池用活物質に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコンといった幅広い分野で用いられている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極と負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をLiイオンが移動することによって動作する。
二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。そのなかでも、活物質を形成する活物質材料の研究開発が活発に行われている。たとえば、負極活物質として、一酸化珪素(SiO:nは0.5≦n≦1.5程度)の使用が検討されている。SiOは熱処理されると、SiとSiOとに分解することが知られている。これは不均化反応といい、SiとOとの比が概ね1:1の均質な固体の一酸化珪素SiOであれば、固体の内部反応によりSi相とSiO相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、SiOをSiとSiOとに分解してなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。
しかし、負極活物質にSiOが含まれると、初期充放電効率が悪くなることが知られている。これは、SiOがたとえばリチウムイオンを吸蔵した場合に、安定な化合物(LiSiO、LiO、など)を形成し、リチウムイオンが放出されにくくなり、不可逆容量となるためである。
特許文献1では、酸化珪素(SiOまたはSiO)、アルミニウムおよび酸化リチウムをミリングして得られる負極活物質が記載されている。この負極活物質は、酸化珪素がアルミニウムにより還元された微細なSi相粒子と、Si相粒子を取り囲むアルミニウムの酸化物と、からなる複合体を含む。
特開2007−500421号公報
特許文献1では、酸化珪素をアルミニウムにより還元することで、Si相が生成される。つまり、負極活物質中に酸化珪素は実質的に含まれないため、酸化珪素の存在により生じる不可逆容量は低減されるが、電解液の分解抑制効果は期待できない。その結果、初期充放電効率は向上しても、サイクル特性が悪化する可能性がある。つまり、酸化珪素を含む負極活物質においては、初期充放電効率とサイクル特性とは相反する性質であって、両立させることは困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑み、酸化珪素を含む負極活物質であっても、初期充放電効率およびサイクル特性を両立する新規の非水系二次電池用負極活物質およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の非水系二次電池用負極活物質は、酸化珪素を含有する酸化珪素系粉末および鉄を含有する鉄系粉末をミリングして複合化した複合粉末を含む非水系二次電池用負極活物質であって、
前記複合粉末は、前記酸化珪素系粉末由来の酸化珪素と、前記鉄系粉末由来の鉄および/または該鉄系粉末由来の鉄を含む鉄化合物と、を含むことを特徴とする。
なお、本発明の非水系二次電池用負極活物質は、少なくともミリングを経て複合化された複合粉末が含まれていればよく、ミリングを行う前および/またはミリングを行った後に熱処理などの他の処理が施されていてもよい。
また、本発明の非水系二次電池用負極活物質の製造方法は、上記本発明の非水系二次電池用負極活物質の製造方法であって、
酸化珪素を含有する酸化珪素系粉末および鉄を含有する鉄系粉末を含む原料粉末に不活性雰囲気中でミリングを施して該酸化珪素系粉末および該鉄系粉末を複合化するミリング工程を含むことを特徴とする。
本発明の負極活物質は酸化珪素を含むため、酸化珪素による電解液の分解抑制効果が発揮され、サイクル特性が高く維持される。
また、前述の通り、酸化珪素が含まれる負極活物質では、たとえば酸化珪素がリチウムイオンを吸蔵した場合に、LiSiO、LiO、などの安定な化合物を形成する。そのため、負極活物質からリチウムイオンが放出されにくくなり、不可逆容量が生じる。しかし、酸化珪素系粉末と鉄系粉末とを複合化した複合粉末を含む本発明の非水系二次電池用負極活物質は、酸化珪素に起因する不可逆容量が低減されて初期充放電効率が向上することがわかった。このメカニズムは、次のように考えられる。複合粉末には鉄および/または鉄化合物が含まれる。酸化珪素がリチウムイオン吸蔵後に安定な化合物を形成しても、鉄および/または鉄化合物が触媒作用を示すことで、吸蔵されたリチウムイオンの放出が促進されるものと推測される。具体的には、鉄シリサイド、酸化鉄などの鉄化合物が、リチウム二次電池の充電においてリチウムイオンと反応して、鉄(単体)とリチウムシリサイドとに分解することで、単体の鉄(純鉄)が触媒作用を示すものと考えられる。その結果、安定な化合物は、再びリチウムイオンを吸蔵可能な状態の酸化珪素に戻るので、不可逆容量は低減される。
本発明の非水系二次電池用負極活物質は、酸化珪素を含む負極活物質であっても、非水系二次電池の初期充放電効率およびサイクル特性を両立する。
本発明の非水系二次電池用負極活物質およびその製造方法を説明する模式図である。 実施例および比較例の非水系二次電池用負極活物質を用いたリチウム二次電池の充放電曲線を示す。 実施例および比較例の非水系二次電池用負極活物質を用いたリチウム二次電池の、各サイクル数における電容量を示すグラフである。 実施例および比較例の非水系二次電池用負極活物質を用いたリチウム二次電池の、各サイクル数における容量維持率を示すグラフである。 実施例の非水系二次電池用負極活物質の製造において原料粉末として使用した熱処理SiO粉末のX線回折図形である。 実施例の非水系二次電池用負極活物質の製造において原料粉末として使用したFeSi2粉末のX線回折図形である。 各実施例の複合粉末のX線回折図形を、熱処理SiO粉末およびFeSi2粉末のX線回折図形とともに示す。
以下に、本発明の非水系二次電池用負極活物質(以下「本発明の負極活物質」と略記)およびその製造方法を実施するための最良の形態を説明する。なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x〜y」は、下限xおよび上限yをその範囲に含む。また、その数値範囲内において、本明細書に記載した数値を任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。
本発明の負極活物質は、酸化珪素を含有する酸化珪素系粉末および鉄を含有する鉄系粉末をミリングして複合化した複合粉末を含む。
酸化珪素系粉末は、組成式SiO(0.1≦m≦2)で示される酸化珪素を含むとよい。具体的には、一酸化珪素、二酸化珪素、SiOおよびSiOからわずかにずれた組成の酸化珪素などが挙げられる。一酸化珪素粉末を不均化反応させて得られる珪素相(Si相)と二酸化珪素相(SiO相)との二相を含む粒子を含む粉末も使用可能である。
鉄系粉末は、鉄(Fe)を含有すれば特に限定はない。鉄系粉末は、純鉄粒子、鉄合金粒子および鉄化合物粒子のうちの一種以上を含む粉末であるとよい。これらの粒子とともに、珪素系粉末、コバルト系粉末、マンガン系粉末などをさらに含んでもよい。
鉄系粉末は、FeとともにSiを含むのが望ましく、特に、FeとSiとを含む合金および/または化合物を含む鉄系粉末を使用するのが望ましい。鉄系粉末にSiが含まれることで、後述のミリング工程により酸化珪素系粉末と鉄系粉末との界面で酸化珪素が生成し、サイクル特性がさらに向上するためである。
FeとSiとを含む合金および化合物は、三元系以上であってもよい。具体的には、FeSi粒子、FeSi粒子、FeSi粒子、FeSi粒子およびFeSi粒子等のFe−Si系化合物粒子、Fe−Si二元系合金粒子、TiFeSi粒子、TiFeSi粒子、TiFeSi粒子、TiFeSi粒子等のFe−Si−Ti系化合物粒子、Fe−Si−Ti三元系合金粒子、MnFeSi粒子、MnFeSi粒子、MnFeSi粒子、MnFeSi粒子、MnFeSi粒子等のFe−Si−Mn系化合物粒子、Fe−Si−Mn三元系合金粒子、FeCoSi粒子、FeCoSi粒子等のFe−Co−Si系化合物粒子、Fe−Co−Si三元系合金粒子、FeNiSi粒子等のFe−Ni−Si系化合物粒子、Fe−Ni−Si三元系合金粒子、FeAlSi粒子、FeAlSi粒子、FeAlSi粒子、FeAlSi粒子、FeAlSi粒子等のFe−Al−Si系化合物粒子、Fe−Al−Si三元系合金粒子、などが挙げられる。鉄合金粒子および鉄化合物粒子として、これらのうちの一種あるいは二種以上を用いることができる。
酸化珪素系粉末および鉄系金属粉末は、各種アトマイズ法や粉砕法などにより得られる一般的な粉末を使用するのが望ましい。これらの粉末は、後に詳説するが、ミリング工程に先立ち分級して用いるとよい。
複合粉末は、酸化珪素系粉末および鉄系粉末を少なくともミリングして複合化してなり、少なくとも、酸化珪素と、鉄および/または鉄化合物と、を含む。酸化珪素は酸化珪素系粉末に由来し、鉄および/または鉄化合物は鉄系粉末に由来する。ミリングは、原料粉末を混合するだけでなく、粒子を微細化するとともに固相界面における化学的な原子拡散が生ずると言われている。そのため、ミリングにより得られる複合粉末は、単なる混合粉末とは異なる形態を呈する。これ以下、図1を用いて複合粉末およびその製造方法を説明する。図1の〔1〕〜〔4〕は、複合粉末に含まれる代表的な複合粒子の模式図である。
酸化珪素系粉末と鉄系粉末とがミリングされることで、酸化珪素系粒子の表面に鉄系粒子が付着した状態にあると考えられる。そして、ミリングによる機械的なエネルギーによって酸化珪素系粉末と鉄系粉末との間で化学的な原子拡散が生じると考えられる。こうして得られる複合粉末には、少なくとも酸化珪素と鉄および/または鉄化合物とが存在し、初期充放電効率およびサイクル特性が両立する。
複合粉末は、酸化珪素系粉末に由来の酸化珪素(SiO:0.1≦m≦2)を含む。また、複合粉末は、酸化珪素系粉末に由来の珪素を含んでもよい。珪素は、結晶性であっても非結晶性であってもよいが、結晶性の珪素を含む負極活物質は、高い初期充放電効率を示すため好ましい。
複合粉末は、鉄系粉末に由来の鉄および/または鉄系粉末に由来の鉄を含む鉄化合物を含む。このような鉄および/または鉄化合物としては、鉄系粉末としてそもそも存在する純鉄、鉄化合物、鉄合金、鉄系粉末から生成され鉄系粉末が含有する鉄の少なくとも一部を含む純鉄および鉄化合物のうちの一種以上が挙げられる。ミリングによる固相界面における原子拡散により鉄系粉末から生成された鉄化合物として、酸化鉄が挙げられる。
さらに、複合粉末は、ミリングによる固相界面における原子拡散の結果として生成した酸化珪素を含んでもよい。なお、このような酸化珪素は、主として、鉄系粉末に由来する珪素を含むと考えられる。つまり、複合粉末が、鉄と珪素とを含有する場合である。
なお、図1に示した複合粒子は、説明のために粒子の構成を単純に図示しているが、使用する酸化珪素系粉末および鉄系粉末の粒子径、混合比、によっては言うまでもなく、図示した通りの配置にならないこともある。また、製造条件によっては、SiOとSiとともにSiOを含む場合、鉄系粉末がそのままの状態で残存しない場合、複数種類の反応生成物を含む場合、などもある。
また、ミリング後にはFeSiOなどの複合酸化物は生成しないと考えられる。すなわち、複合粉末にはFeSiOなどの複合酸化物が実質的に含まれないと考えられる。これは、反応式:SiO+FeSi→2.5Si+0.5FeSiOについて行った第一原理計算により求めた生成エネルギー(ΔH)が380kJ/mol・Oであったことから明白である。生成エネルギーがΔH<0であれば反応式に従った反応が起こるが、ΔH>0となる反応は理論的に起こらないからである。
次に、これらの複合粉末を含む本発明の負極活物質の製造方法を説明する。
ミリングに供される酸化珪素系粉末および鉄系粉末は、既に説明した通りである。これらの粉末は、ミリングに先立ち、酸化珪素系粉末は50μm以下さらには35μm以下、鉄系粉末は30μm以下さらには20μm以下に分級(篩い分け)するとよい。酸化珪素系粉末の方が鉄系粉末よりも大きい粒子を含むように分級することで、酸化珪素系粒子を覆うように該粒子の表面に鉄系粉末が付着する形態となりやすいため望ましい。したがって、平均粒径で表すのであれば、(酸化珪素系粉末の平均粒径)>(鉄系粉末の平均粒径)の関係とするとよい。
酸化珪素系粉末および鉄系粉末の混合割合は、酸化珪素系粉末および鉄系粉末の種類に応じた所定の化学量論比を目安に混合すればよい。ただし、ミリング後の複合粉末に酸化珪素が残存することを見越して、鉄系粉末に含まれるFeよりも酸化珪素系粉末に含まれるSiを原子比で多く含むように混合するとよい。具体的には、鉄系粉末に含まれるFeと、酸化珪素系粉末に含まれるSiと、の原子比がFe:Si=1:3.5〜1:20、1:5〜1:10さらには1:6.5〜1:7.5であるとよい。
一酸化珪素粒子を含む粉末を使用する場合には、一酸化珪素粒子を含む粉末をそのままミリングに供してもよいし、一酸化珪素粒子を含む粉末を原料酸化珪素粉末として用いSiO相とSi相との二相を含む酸化珪素系粉末を製造してもよい。すなわち、本発明の負極活物質の製造方法は、ミリング工程の前に行われ、一酸化珪素粉末を含む原料酸化珪素粉末の一酸化珪素をSiO相とSi相とに不均化して酸化珪素系粉末を得る不均化工程を含んでもよい。不均化工程では、SiとOとの原子比が概ね1:1の均質な固体である一酸化珪素(SiO:nは0.5≦n≦1.5)が固体内部の反応によりSi相とSiO相との二相に分離する不均化反応が進行する。すなわち、この不均化工程後に得られる酸化珪素系粉末は、Si相およびSiO相を含む酸化珪素系粒子を含む。一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべての一酸化珪素が不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性の一酸化珪素粉末を含む原料酸化珪素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO相および結晶性のSi相の二相を含む酸化珪素系粉末が得られる。
本発明の負極活物質の製造方法は、酸化珪素系粉末および鉄系粉末を含む原料粉末に不活性雰囲気中でミリングを施すミリング工程を含む。酸化珪素系粉末および鉄系粉末は、ミリングにより機械的なエネルギーが加えられて微細化され、場合によっては原料粉末に含まれる結晶が非晶質化する。酸化珪素系粉末に結晶性のSi相が含まれていても、ミリングの機械的エネルギーの一部がSi相の非晶質化に寄与した結果、結晶性のSi相は、ミリング後には非晶質になるものと推測される。さらに、ミリングの機械的エネルギーの一部は、酸化珪素系粉末と鉄系粉末との固相界面における化学的な原子拡散に寄与し、鉄化合物、場合によっては珪素化合物などを生成する。つまり、図1の〔1〕または〔4〕に示す複合粒子を含む複合粉末は、ミリング工程、および必要に応じてミリング工程前の不均化工程を経て得られる。
ミリングは、原料粉末の酸化や予期せぬ反応を抑制するために、アルゴンガス中などの不活性雰囲気中で行う。また、ミリング中の原料粉末を加熱することで拡散が促進されると考えられるが、特に加熱する必要はなく、室温でミリングを行えばよい。
ミリング工程では、ボールミル、アトライタ、ジェットミル等を使用するとよい。ボールミリング装置を用いるのであれば、原料粉末とともに投入されるボールは、ジルコニア製が望ましく、直径が3〜20mmの略球形であるとよい。また、ミリング条件は、ミリングされる原料粉末の量、種類、などに応じて適宜選択すべきである。しかし、ミリングの程度を敢えて規定するのであれば、不均化反応により生成した結晶性のSi相を含む酸化珪素系粉末をX線回折測定したときに、少なくとも結晶性Siの明確な回折ピークが検出できない程度に非晶質化されるまでミリングを行うのが望ましい。具体的に規定するのであれば、ボールミリング装置の容器の回転数を500rpm以上さらには700〜800rpmとし、混合時間を10〜50時間とするとよい。
結晶性のSi相を含む複合粉末(たとえば、図1〔2〕および〔3〕)を得たい場合には、ミリング工程後にさらに、熱処理等を施す必要がある。たとえば、非晶質Si相を結晶化させる結晶化工程をさらに含むとよい。結晶化工程は、800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行う工程であるとよい。800℃以上で熱処理を行うことで、非晶質Si相は容易に結晶化する。また、結晶化工程は、複合粉末の酸化や予期せぬ反応を抑制するために、真空中またはアルゴンガス中などの不活性雰囲気中で行うとよい。
また、原料粉末中の酸化珪素系粉末が一酸化珪素粉末を含む場合には、一酸化珪素をSiO相と結晶性のSi相とに不均化する不均化工程をミリング工程後に行うとよい。不均化工程は、ミリング工程前の不均化工程と同様の処理を行えばよいが、不活性雰囲気中で800〜1100℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、結晶性のSi相が生成されるため望ましい。
なお、結晶化工程および不均化工程は、結晶性のSi相の生成のみを目的として熱処理を行いさえすればよいが、所定の温度範囲であれば、複合粒子表面の表面処理などの他の処理と並行して行ってもよい。たとえば、ミリング工程後に、複合粒子の表面に炭素系皮膜を形成するCVD処理を行ってもよい。炭素系皮膜の形成は、導電性の向上が期待される。CVD処理による炭素系皮膜の形成は、酸素濃度が低減された雰囲気中で行われるとともに処理中に複合粉末がある程度高温になるため、CVD処理と同時に上記の結晶化工程または不均化工程を行うことが可能となる。
なお、結晶化工程および不均化工程の後に得られる複合粉末は、焼結されて固まっていることがあるため、粉砕して用いるとよい。粉砕することで、非水系二次電池用負極の作製に適した粒径となる。複合粉末は、20μm以下さらには5μm以下に分級してから、負極の作製に供してもよい。
〔非水系二次電池用負極〕
上記の負極活物質を用い、非水系二次電池用負極が作製される。非水系二次電池用負極は、主として、負極活物質と、導電助材と、負極活物質および導電助材を結着する結着剤と、を含む。
負極活物質は、上記の非水系二次電池用負極活物質である。なお、上記の非水系二次電池用負極活物質を主たる活物質材料とした上で、既に公知の他の負極活物質(たとえば黒鉛、Sn、Siなど)を添加して用いてもよい。
導電助材としては、リチウム二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いればよい。たとえば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック(炭素質微粒子)、炭素繊維などの導電性炭素材料を用いるのが好ましく、これらの炭素材料の他にも、導電性有機化合物などの既知の導電助剤を用いてもよい。これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を混合して用いるとよい。導電助材の配合割合は、質量比で、負極活物質:導電助材=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましい。導電助材が少なすぎると効率のよい導電パスを形成できず、また、導電助材が多すぎると電極の成形性が悪くなるとともに電極のエネルギー密度が低くなるためである。
結着剤は、特に限定されるものではなく、既に公知のものを用いればよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂など高電位においても分解しない樹脂を用いることができる。結着剤の配合割合は、質量比で、負極活物質:結着剤=1:0.05〜1:0.5であるのが好ましい。結着剤が少なすぎると電極の成形性が低下し、また、結着剤が多すぎると電極のエネルギー密度が低くなるためである。
負極活物質は、負極において活物質層として集電体に圧着された状態で用いられるのが一般的である。集電体は、金属製のメッシュや金属箔を用いることができる。たとえば、銅や銅合金などからなる集電体を用いるとよい。
負極の製造方法に特に限定はなく、一般的に実施されている非水系二次電池用電極の製造方法に従えばよい。たとえば、上記負極活物質に上記導電助材および上記結着剤を混合し、必要に応じ適量の有機溶剤を加えて、ペースト状の電極合材が得られる。この電極合材を、集電体の表面に塗布し、乾燥後、必要に応じプレス等を行い圧着させる。この製造方法によれば、作製された電極は、シート状の電極となる。このシート状の電極は、作製する非水系二次電池の仕様に応じた寸法に裁断して用いればよい。
〔非水系二次電池〕
正極と、上記の非水系二次電池用負極と、電解質材料を有機溶媒に溶解した非水電解液と、で非水系二次電池が構成される。この非水系二次電池は、一般の二次電池と同様、正極および負極の他に、正極と負極の間に挟装されるセパレータおよび非水電解液を備える。
セパレータは、正極と負極とを分離し非水電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。
非水電解液は、有機溶媒に電解質であるアルカリ金属塩を溶解させたものである。上記の非水系二次電池用負極を備える非水系二次電池で使用される非水電解液の種類に特に限定はない。非水電解液としては、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiI、LiClO、NaPF、NaBF、NaAsF、LiBOB等の有機溶媒に可溶なアルカリ金属塩を用いることができる。
負極は、既に説明した通りである。正極は、アルカリ金属イオンを挿入・脱離可能な正極活物質と、正極活物質を結着する結着剤と、を含む。さらに、導電助材を含んでもよい。正極活物質、導電助材および結着剤は、特に限定はなく、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。具体的には、正極活物質としては、LiCoO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiMnO、Sなどが挙げられる。また、集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、非水系二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。
非水系二次電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を非水電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以上、本発明の非水系二次電池用負極活物質およびその製造方法の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、本発明の非水系二次電池用負極活物質およびその製造方法の実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
<負極活物質の合成>
熱処理SiO粉末およびFeSi粉末(福田金属箔粉工業株式会社)を準備した。なお、熱処理SiO粉末は、非晶質SiO粉末を1100℃×5時間真空中で熱処理して不均化させて得た。
熱処理SiO粉末を31μm以下、FeSi粉末を15μm以下にそれぞれ分級した後、熱処理SiO粉末を3.67g、FeSi粉末を1.33g秤量し、熱処理SiO粉末とFeSi粉末とを7:1(モル比)で含む原料粉末を得た。
原料粉末5gをZrO製でφ12mmのボールが100個入ったZrO製容器(容量:45cc)に投入し、遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製P−7)を用いてミリングして、複合粉末を得た。ミリングは、アルゴンガス雰囲気において容器の回転数700rpmで10時間行った。
<リチウム二次電池用負極の作製>
ミリングして得られた複合粉末を負極活物質として用いた電極(負極)を作製した。
負極活物質(複合粉末)と、導電助剤としてのケッチェンブラック(KB)とを混合して混合粉末を得た。また、N-メチルピロリドン(NMP)に結着剤としてのポリアミドイミド−シリカハイブリッド樹脂(荒川化学工業製、溶剤組成:NMP/キシレン=4/1、硬化残分30.0%、硬化残分中のシリカ:2%(割合は全て質量比)、粘度8700mPa・S/25℃)を溶解させた。この溶液と、複合粉末とKBとの混合粉末と、を混合してスラリーを調製した。負極活物質、KBおよび結着剤(固形分)の配合比は、質量比で80.75:4.25:15であった。調製したスラリーを、厚さ18μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に負極活物質層を形成した。その後、80℃で20分間乾燥し、負極活物質層からNMPを揮発させて除去した。乾燥後、ロールプレス機により、集電体と負極活物質層を強固に密着接合させた。
これを200℃で2時間加熱硬化させて、活物質層の厚さが15μm程度の電極とした。
<リチウム二次電池の作製>
上記の手順で作製した電極を評価極として用い、リチウム二次電池(ハーフセル)を作製した。対極は、金属リチウム箔(厚さ500μm)とした。対極をφ13mm、評価極をφ11mmに裁断し、セパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルターおよびcelgard2400)を両者の間に挟装して電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。また、電池ケースには、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解した非水電解質を注入した。電池ケースを密閉して、リチウム二次電池を得た。
〔実施例2〕
実施例1で合成した複合粉末(負極活物質)を熱処理した。熱処理は、アルゴンガス雰囲気において行い、1100℃で5時間保持した。
〔比較例1〕
実施例1の複合粉末に変えて、上記の熱処理SiO粉末を負極活物質として用い、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
〔比較例2〕
上記の熱処理SiO粉末のみを実施例1と同様のミリング条件でミリングした。ミリング後の粉末を負極活物質として用い、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
〔評価〕
<リチウム二次電池の充放電特性>
作製した三種類のリチウム二次電池に対して充放電試験を行い、初期充放電効率およびサイクル特性を評価した。
充放電試験は、25℃の温度環境のもと、金属Li基準で充電終止電圧0.01Vまで0.05mAの定電流で充電を行った後、放電終止電圧2Vまで0.05mAの定電流で放電を行った。「充電」は評価極の活物質がLiを吸蔵する方向、「放電」は評価極の活物質がLiを放出する方向、である。
充放電曲線を図2に示した。図2より、初期充電容量、1Vでの初期放電容量および2Vでの初期放電容量を読み取り、初期充放電効率を算出した。なお、初期充放電効率は、初期電容量を初期電容量で除した値の百分率((初期電容量)/(初期電容量)×100)で求められる値である。
サイクル特性は、1〜5サイクル目まで、25℃の温度環境のもと、金属Li基準で電終止電圧0.01Vまで0.05mAの定電流で充電を行った後、放電終止電圧2Vまで0.05mAの定電流で放電を行う充放電を繰り返し行った。引き続き、6〜10サイクル目は0.1mA、11〜15サイクル目までは0.2mA、として充放電を繰り返し行った。充放電の終止電圧は、いずれのサイクルも0.01〜2Vとした。
各サイクルにおける電容量を図3に、各サイクルにおける容量維持率を図4に、それぞれ示した。なお、容量維持率は、Nサイクル目の電容量を初回の電容量で除した値の百分率((Nサイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100)で求められる値である。Nは1〜15の整数である。
Figure 0005177183
実施例1のリチウム二次電池は、初期充放電効率およびサイクル特性ともに優れた。また、比較例2のリチウム二次電池よりも比較例1のリチウム二次電池の初期充放電効率およびサイクル特性が優れた。つまり、熱処理SiO粉末をミリングすると、ミリングで生じるエネルギーがLiの吸蔵放出に関わるSi相の構造に影響を及ぼすことで、初期充放電効率およびサイクル特性が低下することがわかった。
<X線回折測定>
実施例1および実施例2の複合粉末について、CuKαを使用したXRD測定を行った。また、ミリング前の原料粉末と比較するために、原料として用いた熱処理SiO粉末およびFeSi粉末についても、同様の測定を行った。結果を図5〜図7に示した。なお、図5および図6に示した▲および△は、ASTMカードに記載の面間隔dから算出したSiおよびSiO、FeSiおよびFeSi、の各ピーク位置を示す。
図5から、比較例1の熱処理SiO粉末は、不均化反応により、非晶質SiO相と微細な結晶性のSi相との二相に分解していることが確認できた。また、図6から、使用したFeSi粉末には、FeSiとともにFeSiが含まれることがわかった。
図7は、実施例1および実施例2の複合粉末のXRD測定結果である。なお、下の2本は、原料粉末として用いた熱処理SiO粉末およびFeSi粉末の回折パターンである。熱処理SiO粉末および実施例2の複合粉末には、2θ=56°付近にSi相からの回折ピークが見られたが、実施例1の複合粉末には見られなかった。これは、原料粉末をミリングしたことで実施例1の複合粉末ではSi相が非晶質化しており、これをさらに熱処理したことで実施例2の複合粉末ではSi相が結晶化したためである。一方、実施例2の複合粉末では、2θ=21.7°付近に非晶質SiO相のブロードな回折線が見られ、熱処理後もSiO相は非晶質のままであった。また、実施例1では、ミリングの影響で結晶が微細化され、回折ピークの半値幅が全体的に広かった。
以上のXRD測定結果から、次のことがわかった。比較例1の熱処理SiO粉末は、非晶質SiO相と微細な結晶性のSi相とからなった。この熱処理SiO粉末およびFe−Si系粉末をミリングして複合化した実施例1の複合粉末は、熱処理SiO粉末中の結晶性のSi相が非晶質化して存在した。ミリングして得られた実施例1の複合粉末を熱処理した実施例2の複合粉末は、非晶質Si相が結晶化した結晶性Si相が存在した。
<X線光電子分光分析(ESCA)>
実施例1の複合粉末の表面分析を行った。表面分析は、ESCAを用いてFe2pおよびSi2pの光電子スペクトルを測定し、光電子強度からFeおよびSiの定量を行った。また、ミリング前の原料粉末と比較するために、原料として用いた熱処理SiO粉末およびFeSi粉末についても、同様の測定を行った。結果を表2に示した。
Figure 0005177183
なお、Feの定量結果は、試料に含まれるFeを100原子%としたときの、それぞれの化学結合状態のFeの存在比として示した。Siの定量結果は、Si2+で表される化学結合状態にあるSiについて規格化して、それぞれの化学結合状態のSiの存在比として示した。原料粉末については、熱処理SiO粉末およびFeSi粉末が単純に混合していると仮定して、熱処理SiO粉末(表記せず)、FeSi粉末、それぞれの分析結果から算出した計算値とした。
Feに関しては、FeSi粉末は、熱処理SiO粉末とミリングにより複合化されたことで、Fe1+/Fe2+の割合が減少し、Fe3+の割合が増加した。つまり、FeSiおよびFeSiが熱処理SiO粒子の表面で反応して、Feを生成したと言える。また、Siに関しては、実施例1のSi4+の割合が非常に高いことから、単なる混合物である原料粉末よりも、複合粉末にはSiOが多く存在することがわかった。つまり、複合粉末の粒子表面には、Feの生成とともに、SiOも生成していることがわかった。
<複合粉末の成分と電池特性との関係>
実施例1のリチウム二次電池では、FeSi粉末由来のFeSiおよびFeSiとともに熱処理SiO粉末由来の非晶質Si相および非晶質SiO相を含み、表層にミリングにより生成したFeSi粉末由来のFeおよびSiOを含む複合粒子を含む複合粉末を用いた。実施例1のリチウム二次電池は、初期充放電効率およびサイクル特性ともに優れることがわかった。実施例1のリチウム二次電池のサイクル特性が比較例1および比較例2よりも大きく向上したのは、複合粉末の粒子表面に生成したSiOに起因するものと推測される。
非結晶性のSi相を含む比較例2よりも、結晶性のSi相を含む比較例1のリチウム二次電池は、初期放電効率が高かった。このことから、結晶性のSi相を含む実施例2のリチウム二次電池は、実施例1が示したサイクル特性を維持しつつ実施例1よりもさらに優れた初期放電効率を示すと考えられる。

Claims (1)

  1. 酸化珪素を含有する酸化珪素系粉末および鉄を含有する鉄系粉末をミリングして複合化した、前記酸化珪素系粉末由来の酸化珪素と前記鉄系粉末由来の鉄および/または該鉄系粉末由来の鉄を含む鉄化合物とを含む複合粉末を含む非水系二次電池用負極活物質の製造方法であって、
    酸化珪素を含有する酸化珪素系粉末および鉄を含有する鉄系粉末を含む原料粉末に不活性雰囲気中でミリングを施して該酸化珪素系粉末および該鉄系粉末を複合化するミリング工程、
    前記ミリング工程の前に行われ、一酸化珪素粉末を含む原料酸化珪素粉末の一酸化珪素を二酸化珪素相と珪素相とに不均化して前記酸化珪素系粉末を得る不均化工程、
    前記ミリング工程の後に行われ、該ミリング工程で非晶質化した前記珪素相を結晶化させる結晶化工程を含むことを特徴とする非水系二次電池用負極活物質の製造方法。
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