JP5651937B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにこれを用いた非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにこれを用いた非水系電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにこれを用いた非水系電解質二次電池に関し、特に、結晶構造的特徴として層状構造を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池用正極活物質に関する。
従来、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの携帯機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型、軽量な二次電池が必要とされている。このような用途に好適な電池として、リチウムイオン二次電池があり、研究開発が盛んに行なわれている。
また、自動車の分野でも、資源、環境問題から電気自動車に対する要望が高まり、電気自動車用やハイブリット自動車用の電源として、小型、軽量で放電容量が大きく、サイクル特性が良好なリチウムイオン二次電池が求められている。特に、自動車用の電源においては、出力特性が重要であり、出力特性が良好なリチウムイオン二次電池が求められている。
リチウム含有複合酸化物、特に合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。そして、この種のリチウムコバルト複合酸化物を用いたリチウムイオン二次電池では、優れた初期容量特性やサイクル特性を得るための開発がこれまで数多く行なわれてきており、すでにさまざまな成果が得られている。
しかし、リチウムコバルト複合酸化物は、原料に高価なコバルト化合物を用いるため、活物質さらには電池のコストアップの原因となり、活物質の改良が望まれている。このリチウムコバルト複合酸化物を用いる電池の容量あたりの単価は、ニッケル水素電池より大幅に高いため、適用される用途がかなり限定されている。したがって、現在普及している携帯機器用の小型二次電池についてだけではなく、電力貯蔵用や電気自動車用などの大型二次電池についても、活物質のコストを下げ、より安価なリチウムイオン二次電池の製造を可能とすることに対する期待は大きく、その実現は、工業的に大きな意義があるといえる。
ここで、リチウムイオン二次電池用正極活物質の新たなる材料として、リチウムコバルト複合酸化物よりも安価な4V級正極活物質、すなわち、ニッケル、コバルトおよびマンガンの原子比が実質的に1:1:1であるLi[Ni1/3Co1/3Mn1/3]O2なる組成を有するリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が、注目されている。リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、安価であるばかりか、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池よりも高い熱安定性を示すことから、開発が盛んに行なわれており、以下に述べるような種々の提案がなされている。しかしながら、いずれの提案においても高密度の材料が得られないという問題がある。
たとえば、特許文献1には、不活性ガス雰囲気中または還元剤存在下、コバルト塩およびマンガン塩を含むニッケル塩水溶液、錯化剤、ならびにアルカリ金属水酸化物を連続供給することで、反応槽内の塩濃度、錯化剤濃度、pH、温度を一定範囲内に維持し、具体的には、所定量のヒドラジンを添加すると共に、pHを10.9〜12.6、温度を50℃に保持して、タップ密度が1.5g/cm3以上である高密度コバルトマンガン共沈水酸化ニッケルを得ることが提案されている。得られる共沈水酸化ニッケルは、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の原料として用いることが可能であるが、この共沈水酸化ニッケルは、実施例によれば、タップ密度が1.71〜1.91g/cm3と、2.0g/cm3未満であることから十分に高密度であるとはいえない。よって、この共沈水酸化ニッケルを原料としても、高密度のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物は得られない。
また、特許文献2には、錯化剤の存在下で、溶液のpHを9〜13、液温を50℃に保持し、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液を不活性ガス雰囲気下でアルカリ溶液と反応、共沈殿させてニッケルコバルトマンガン複合水酸化物および/またはニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得て、この複合水酸化物および/または複合酸化物とリチウム化合物との混合物を700〜1000℃で焼成することにより、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることが提案されている。この提案においても、得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物のタップ密度は1.95g/cm3(pH:10.9)であり、2.0g/cm3未満であることから十分に高密度であるとはいえない。また、不活性ガス雰囲気下で製造することは、装置が複雑となりコスト面でも不利である。
さらに、特許文献3では、空気雰囲気中または酸化剤存在下、コバルト(2+)塩およびマンガン(2+)塩を含むニッケル(2+)塩水溶液、錯化剤、ならびにアルカリ金属水酸化物を連続供給し、ニッケルマンガンコバルト複合酸化物を製造することが提案されている。この提案においても、得られる複合酸化物のタップ密度は1.05g/cm3程度であることから高密度とはいえず、この複合酸化物を原料としても、高密度のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が得られない。
リチウムイオン二次電池の容量は電池内に充填される活物質の質量で決まるため、従来と比べてより高密度のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができれば、限られた容積の電池内に多くの量の活物質を充填でき、電気容量の大きい電池を得ることができる。特に、携帯機器用の小型二次電池ではスペースが限られるためより有利となる。
また、現在、ハイブリット自動車用や電気自動車用の電源としてエネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池が期待されている。自動車用の電源として用いる場合、安全性や出力特性もさることながら、コンパクトな電池を作るためには粉体特性も重要となる。
以上のように、優れた熱安定性を示すリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物においても、さらなる高密度化が求められている。
さらに、自動車用の電源においては、出力特性が良好なリチウムイオン二次電池が要求され、出力特性改善のため、電池内の抵抗を低減することができる正極活物質が求められている。しかしながら、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が用いられた正極における抵抗、すなわち、正極抵抗の低減に関する報告はほとんどなく、高密度化とともに重要な課題となっている。
特開2002−201028号公報 特開2003−59490号公報 特開2007−70205号公報
本発明は、熱安定性に優れながら、粉体特性を向上させ、2.0g/cm3以上という高密度であるとともに、電池に用いた場合に正極抵抗を低減することが可能な非水系電解質二次電池用正極活物質、あるいは、2.5g/cm3以上という非常に高密度である非水系電解質二次電池用正極活物質を、工業的な製造方法で提供すること、および、このような高密度の正極活物質を用いることにより、電気特性に優れた非水系電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の粉体特性および電池の正極抵抗に対する影響について鋭意研究したところ、非還元性錯化剤の存在下で特定の条件でニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を晶析させること、得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を特定条件で熱処理として大気乾燥または酸化焙焼した後、特定の比率でリチウム化合物とニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を混合し焼成することで、粉体特性に優れ、電池に用いた場合に測定される正極抵抗を低減できるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、あるいは、非常に高密度であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物が得られるとの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
本発明は、一般式:Li1+uNiCoMn2(−0.05≦u≦0.15、x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表され、かつ、層状構造を有する六方晶系リチウム含有複合酸化物により構成されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
具体的には、本発明の特徴は、(1)大気雰囲気中で、かつ、非還元性錯化剤の存在下で、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の温度を40℃〜50℃に保持し、該混合水溶液のpHが11〜12の範囲に保持されるようにアルカリ溶液を添加して、共沈殿させ、得られた沈殿物を濾過し、水洗して、タップ密度が2.0g/cm3以上であるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得る工程と、(2)該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を100℃以上800℃未満の温度で熱処理する工程と、(3)前記熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物または前記熱処理により得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物に、リチウム化合物を、ニッケルとコバルトとマンガンとの原子数の和に対するリチウムの原子数の比が0.95以上1.15以下となるように混合し、酸化性雰囲気中、800℃以上1000℃以下の温度で焼成して、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る工程とを有する点にある。
かかる製法により得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、タップ密度が2.0g/cm3以上、比表面積が1.0m2/g以下、平均粒子径が15μm以下であり、該正極活物質を正極に用いた非水系電解質二次電池において、10Ω以下の正極抵抗、かつ、150mAh/g以上の初期放電容量が達成される。
また、本発明の他の態様では、前記焼成工程において、50容量%以上の酸素を含有する酸素雰囲気において、1000℃未満の温度で焼成することにより、タップ密度が2.5g/cm3以上という非常に高密度なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができる。
もしくは、焼成後に得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を、質量比で0.5〜1.0の水に投入してスラリーとし、水洗し、その後、濾過および乾燥する工程をさらに追加することによっても、タップ密度が2.5g/cm3以上という非常に高密度なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができる。なお、この場合、前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の水洗に際して、前記スラリーを30分間〜60分間撹拌することがさらに好ましい。これにより、タップ密度のさらなる高密度化が図られる。
なお、これらの態様は、得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物において、これを用いた非水系電解質二次電池の正極抵抗を10Ω以下とすることができるが、タップ密度が2.5g/cm3以上とならない場合に、特に好適に適用されうる。
前記熱処理は、300℃以上700℃以下の温度で行い、前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を酸化焙焼し、前記ニッケルコバルトマンガン複合酸化物とすることが好ましい。
この際、前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を酸化焙焼させる熱処理を行う前に、予め前記酸化焙焼における温度より低く、かつ、300℃以上500℃以下の温度で仮焼を行うことが好ましい。
また、前記焼成に際して、予め350℃以上780℃以下の温度で仮焼を行うことが好ましい。
本発明に係る製造方法において、前記リチウム化合物として、水酸化リチウムまたは炭酸リチウム、もしくはそれらの混合物を用いることが好ましい。
さらに、前記ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の塩濃度を、各塩の合計で1mol/L〜2.2mol/Lとすることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法により、球状で、タップ密度が2.0g/cm3以上と高密度であり、正極抵抗を低減でき、かつ、熱安定性に優れた非水系電解質二次電池用正極活物質を工業的に得ることができる。また、焼成雰囲気と温度を選択したり、得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物をさらに水洗処理したりすることにより、タップ密度が2.5g/cm3以上とさらに高密度なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができ、いずれも非水系電解質二次電池用正極活物質として好適である。さらに、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた非水系電解質二次電池は、熱安定性に優れ、高容量であり、かつ、電池抵抗を低減することにより出力特性を改善できるなど、極めて電池特性にも優れており、工業的価値が非常に高いものといえる。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子)を示す説明図である。 電池評価に用いたコイン電池の断面図である。 交流インピーダンス測定によって得られるプロットを用いたコイン電池の内部抵抗に関する説明図である。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩とを混合した水溶液に、特定の温度およびpH値を維持しつつ、アルカリ金属水酸化物を連続的に供給して反応させて結晶を生成させる。反応溶液を特定の温度かつpH値になるように制御して共沈殿させることによって、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の結晶が成長し、球状で、かつ、高密度であって、ニッケルとコバルトとマンガンが原子レベルで均一に分散した該複合水酸化物の粒子が得られる。
また、このニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を特定の温度で熱処理した後、ニッケルとコバルトとマンガンとの原子数の和とリチウムの原子数との比を所定の割合となるように、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物または熱処理(酸化焙焼)により得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物とリチウム化合物とを混合し、特定の温度で、焼成することにより、高密度を維持したまま、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる焼成物とすることができる。
特に、本発明では、非水系電解質二次電池用正極活物質であるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物における組成比を適切に制御したり、共沈殿工程、熱処理工程、および焼成工程における製造条件を適切に規制したりすることにより、高密度で、さらには正極抵抗が低い、高容量の非水系電解質二次電池用正極活物質を得る点に特徴がある。
具体的には、2.0g/cm3以上のタップ密度を有し、かつ、非水系電解質二次電池の正極活物質として用いた場合に、該二次電池の初期放電容量が150mAh/g以上となり、かつ、正極抵抗が10Ω以下となる特性を有する非水系電解質二次電池用正極活物質を提供しうる点に特徴がある。
もしくは、2.5g/cm3以上という高いタップ密度を有し、かつ、非水系電解質二次電池の正極活物質として用いた場合に、該二次電池の初期放電容量が150mAh/g以上となる特性を有する非水系電解質二次電池用正極活物質を提供しうる点に特徴がある。
以下、本発明を工程ごとに詳細に説明する。
(1)非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
(1−a)共沈殿工程
一般式:NiCoMnz(OH)2(x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表されるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得る共沈殿工程は、大気雰囲気中で、かつ、非還元性錯化剤の存在下で、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の温度を40℃〜50℃に保持し、水溶液のpHが11〜12の範囲となるようアルカリ溶液を添加して、該複合水酸化物粒子を共沈殿させ、濾過、水洗するものである。
共沈殿工程において、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の温度を40℃〜50℃に保持することによって、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の結晶が成長する。混合水溶液の温度が40℃未満では、混合水溶液における塩の溶解度が低く塩濃度が低いため、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の結晶が十分に成長しない。また、混合水溶液の温度が50℃を超えると、結晶核の発生が多く微細な粒子が多くなるため、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒子が高密度とならない。
また、共沈殿工程では、混合水溶液のpHを11〜12の範囲に制御する。pHが11未満では、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒子が粗大になり、その平均粒子径が15μmを超えてしまう上に、反応後、液中にニッケルが残留し、ニッケルのロスが発生してしまう。また、pHが12を超えると、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の晶析速度が速くなり、微細な粒子が多くなってしまう。微細な粒子が多過ぎると、これらが焼結して凝集粉を生ずるという問題がある。なお、pHを11.5以上とすることが特に好ましい。
混合水溶液のpHは、アルカリ溶液を添加することにより制御することができる。アルカリ溶液は、特に限定されるものではなく、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液を用いることができる。アルカリ金属水酸化物を、直接、混合水溶液に添加することもできるが、pH制御の容易さから、水溶液として添加することが好ましい。アルカリ溶液の添加方法も特に限定されるものではなく、混合水溶液を十分に攪拌しながら、定量ポンプなどの流量制御が可能なポンプで、pHが11〜12の範囲となるように添加すればよい。
さらに、共沈殿工程では、共沈殿によるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子の生成を大気雰囲気中で行わせる。不活性雰囲気あるいは還元剤の存在下で行うと、マンガンが酸化せず、本発明の温度およびpHの条件では、混合溶液中におけるマンガンの溶解度が大きくなり過ぎ、板状の一次粒子が発達し、球状の二次粒子が成長せず、高いタップ密度のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子が得られない。
共沈殿工程によって、微粉が少な過ぎたり多過ぎたりすることなく、タップ密度が2.0g/cm3以上であるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子が得られる。なお、微粉が少ないと、粒子径が均一になり、タップ密度が低下する傾向があり、逆に微粉が多いと、微粉が焼結し凝集粉となる傾向がある。また、平均粒子径が15μmを超えると、タップ密度が2.0g/cm3より小さくなる傾向がある。
共沈殿工程において得られるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物は、一般式:NiCoMnz(OH)2(x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表されるものであり、ニッケル、コバルト、マンガンの原子比は、上記一般式の範囲を採ることが可能である。
ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の塩濃度は、各塩の合計で1mol/L〜2.2mol/Lとすることが好ましい。1mol/L未満であると、塩濃度が低く、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の結晶が十分に成長しない。一方、2.2mol/Lを超えると、常温での飽和濃度を超えるため、結晶が再析出して配管を詰まらせるなどの危険がある上、結晶核の発生が多く微細な粒子が多くなってしまう。
ここで使用可能なニッケル塩は、水溶液中で生成するニッケルイオンが非還元性錯化剤と錯体を形成可能なものであればよく、特に限定されるものではない。錯体とは、金属または金属類似元素の原子・イオンの周囲に配位子と呼ばれる原子・イオンまたは原子団が方向性を持って立体的に結合し、一つの原子集団を作っているものをいう。使用可能なニッケル塩の具体例としては、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルおよび塩化ニッケルが挙げられる。
また、使用可能なコバルト塩は、水溶液中で生成するコバルトイオンが非還元性錯化剤と錯体を形成可能なものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には硫酸コバルト、硝酸コバルトおよび塩化コバルトなどが挙げられる。
また、使用可能なマンガン塩も特に限定されるものではなく、水溶液中で生成するマンガンイオンが非還元性錯化剤と錯体を形成可能なものであればよい。具体的には硫酸マンガン、硝酸マンガンおよび塩化マンガンなどが挙げられる。
共沈殿工程においては、非還元性錯化剤を用いることが必要である。還元性のある錯化剤を用いると、前述のように混合水溶液中でのマンガンの溶解度が大きくなり過ぎ、高いタップ密度のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子が得られない。共沈殿工程において用いられる非還元性錯化剤は、特に限定されるものではなく、水溶液中でニッケルイオン、コバルトイオンおよびマンガンイオンと結合して錯体を形成可能なものであればよい。たとえば、アンモニウムイオン供給体(アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなど)、エチレンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、ウラシル二酢酸およびグリシンが挙げられる。
非還元性錯化剤の添加量は、混合水溶液中のニッケルイオン、コバルトイオンおよびマンガンイオンと結合して錯体を形成するのに十分な量であればよく、混合水溶液の塩濃度が1mol/L〜2.2mol/Lの場合には、反応後液中の濃度で5g/L〜20g/Lとすることが好ましい。
共沈殿工程における反応方式は、特に限定されるものではなく、バッチ方式を採ってもよいが、オーバーフローパイプを備えた反応槽に原料を供給して連続的に生成粒子を採取できる連続方式を採ることが、生産性、安定性の面から好ましい。
連続方式の場合、温度を一定に保持しながら、混合水溶液と錯化剤を反応槽に一定量供給するとともに、アルカリ溶液を添加してpHを制御し、反応槽内が定常状態になった後、オーバーフローパイプより生成粒子を連続的に採取することが好ましい。また、混合水溶液と錯化剤を予め混合してから反応槽に供給することも可能であるが、錯化剤との混合時に、混合水溶液中にニッケルコバルトマンガン複合水酸化物が生成することを防止するため、混合水溶液と錯化剤は、個別に反応槽に供給することが好ましい。
いずれの反応方式を用いる場合においても、共沈殿中は均一な反応を維持するために、十分に攪拌することが好ましい。しかしながら、過度に撹拌すると、大気雰囲気を多量に巻き込み、水溶液中の塩が酸化することがあるので、反応を十分均一に維持できる程度に撹拌することが好ましい。また、共沈殿工程に用いる水は、不純物混入防止のため、純水などの可能な限り不純物含有量が少ない水を用いることが好ましい。
共沈殿させることによって得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物は、濾過した後、水洗、乾燥される。濾過は、通常用いられる方法でよく、たとえば、遠心機、吸引濾過機が用いられる。また、水洗は、通常行なわれる方法でよく、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物に含まれる余剰の塩基、非還元性錯化剤を除去できればよい。水洗で用いる水は、不純物混入防止のため、可能な限り不純物含有量が少ない水を用いることが好ましい。
以上のような条件で共沈殿工程を行なうことにより得られるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子は、タップ密度が2.0g/cm3以上である。ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子のタップ密度が2.0g/cm3未満では、本発明の製造方法に従った場合においても、最終的に得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子のタップ密度も2.0g/cm3未満となり、高密度化が困難となる。ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子のタップ密度の上限は、特に限定されるものではないが、通常の製造条件での上限は、3g/cm3程度である。
(1−b)熱処理工程
熱処理工程は、共沈殿工程で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を、好ましくは大気気流中において、100℃以上800℃未満の温度で熱処理する、好ましくは300℃以上、さらに好ましくは700℃以下の温度で熱処理し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を酸化焙焼させる。かかる熱処理は、空気気流中において行なうことが好ましい。
熱処理工程の主な目的は、残留水分により後工程の焼成で発生する水蒸気の影響によるLi/M比の変動を排除するため、かかる残留水分を除去することにある。
熱処理温度が300℃未満であっても、最終的に得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の特性は良好な結果が得られるが、300℃以上とすることで水酸化物から酸化物への転換を十分にでき、特性がばらつく原因を除くことができることから工業的に好ましい。熱処理温度が100℃未満であると、水酸化物中の残留水分が多くなり、特性がばらつく原因となることがある。
熱処理(酸化焙焼)時間は、少なくとも1時間以上が好ましく、より好ましくは、5〜15時間である。1時間未満では、残留水分の除去、あるいは水酸化物から酸化物への転換が十分に行われない場合がある。
なお、熱処理温度が100℃以上280℃未満の場合、共沈殿工程における乾燥温度を前記温度範囲とすることで、熱処理工程に変えることができる。この場合の熱処理時間については、残留水分が十分に除去される時間を温度に応じて設定すればよい。たとえば、100℃の温度での熱処理の場合、24時間程度熱処理を行えば十分である。
一方、800℃以上の場合、最終的に得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子において、タップ密度を2.0g/cm3以上、かつ、正極抵抗の値を10Ω以下とする、または、タップ密度を2.5g/cm3以上とすることのいずれかが達成できないこととなる。
なお、上記の乾燥工程と酸化焙焼工程との両方を実施することについては何らの問題もない。
また、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物をニッケルコバルトマンガン複合酸化物まで酸化焙焼させる工程において、予め、酸化焙焼の温度より低く、かつ、300℃以上500℃以下の範囲内の温度で、1時間〜5時間程度、保持することにより仮焼し、引き続いて酸化焙焼することが好ましい。仮焼することで付着水分がより良好に除去でき、水酸化物から酸化物への転換を十分に行なうことができる。ただし、発生する水分を効果的に排出することができれば、仮焼工程を省略することができる。なお、仮焼温度が300℃未満では、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物中の付着水分の除去が十分でなく、仮焼温度が500℃を超えると、付着水分の除去と同時にニッケルコバルトマンガン複合水酸化物からニッケルコバルトマンガン複合酸化物への転換が行なわれ、仮焼の効果が十分でなくなるので、いずれの場合も好ましくない。
熱処理に用いられる炉は、特に限定されるものではなく、空気気流中で加熱できるものであれば良いが、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式あるいは連続式の炉が好適に使用できる。
(1−c)焼成工程
焼成工程は、熱処理工程で得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子と、リチウム化合物とを混合し、得られた混合物を酸化性雰囲気中で所定の温度範囲で焼成して、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得るものである。
リチウム化合物との混合は、得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物中のニッケル、コバルトおよびマンガンの原子数の和(M)に対するリチウムの原子数(Li)の比(Li/M)が、0.95以上1.15以下(−0.05≦u≦0.15)となるように混合する。
Li/Mが0.95未満であると、得られる正極活物質を用いた非水系電解質二次電池における正極の反応抵抗が大きくなるため、電池の出力が低下してしまう。一方、Li/Mが1.15を超えると、正極活物質の初期放電容量が低下するとともに、正極の反応抵抗も増加してしまう。よって、いずれの場合でも、非常に高密度なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、あるいは、高密度であると共に正極抵抗の低減可能なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物のいずれもが得られないこととなる。
なお、焼成後に水洗しない場合は、焼成前後でLi/Mはほぼ同じであり、得ようとするLi/Mで混合すればよい。また、焼成後に水洗する場合は、水洗によりLi/Mが若干低下するため、その量、たとえば、0.02程度を見込んで混合することにより、最終的に得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子中のLi/Mを上記範囲内とすることができる。
本発明に係る非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法において使用可能なリチウム化合物は、特に限定されるものではないが、水酸化リチウム、炭酸リチウムのいずれかもしくはその混合物を好適に使用することができる。取り扱いの容易さ、品質の安定性から炭酸リチウムを用いることがより好ましい。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子とリチウム化合物を混合して焼成する前に、これらを十分混合しておくことが好ましい。混合には、一般的な混合機を使用することができ、たとえば、シェーカーミキサーやレーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどを用いてニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の形骸が破壊されない程度でリチウム化合物と十分に混合してやればよい。
焼成に用いられる炉は、特に限定されるものではなく、大気ないし酸素気流中で加熱できるものであればよいが、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式あるいは連続式の炉が用いられる。
焼成工程における焼成温度は、800℃以上1000℃以下の範囲とするが、800℃以上950℃以下の範囲で行うことがより好ましい。
焼成温度が800℃未満であると、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子中へのリチウムの拡散が十分でなく、余剰のリチウムと未反応のニッケルコバルトマンガン複合酸化物が残り、好ましくない。また、1000℃を超えるとリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子間で焼結が生じて粒子が粗大となる上、一次粒子も粗大化し、球状二次粒子の形態を保持できなくなり、タップ密度が低下してしまう。さらに、本発明の温度範囲以外のいずれの条件で焼成を行なった場合でも、電池容量が低下するばかりか、正極抵抗も高くなってしまう。
焼成時間は、少なくとも1時間以上とすることが好ましく、より好ましくは、5時間〜15時間である。1時間未満では、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の生成が十分に行われないことがある。
焼成工程では、焼成に際して、最初に350℃以上780℃以下の温度に1時間〜10時間程度、保持して仮焼し、引き続いて800℃以上1000℃以下の温度で焼成することが好ましい。これは水酸化リチウムもしくは炭酸リチウムの融点付近で保持することにより、リチウムの拡散を十分に行ない、均一なリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができるからである。
焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気とするが、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気とすることが好ましい。すなわち、大気雰囲気ないし酸素雰囲気(気流中)で行なうことが好ましい。コスト面を考慮すると、空気気流中で行なうことが、特に好ましい。酸素濃度が18容量%未満であると、酸化が十分でなく、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の結晶性が十分でない場合がある。
酸素濃度が50容量%以上、特に100容量%の高濃度の酸素雰囲気を採用することにより、得られるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物のタップ密度を2.5g/cm3以上とすることが可能となる。ただし、この場合、焼成温度が1000℃であると、タップ密度が2.5g/cm3以上とならないため、焼成温度を1000℃未満とする必要がある。
(1−d)水洗工程
水洗工程は、焼成工程で得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を、質量比で0.5〜1.0の水に投入してスラリーとし、水洗し、濾過、乾燥するものである。焼成工程で得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、非水系電解質二次電池用正極活物質として用いることができるが、かかる水洗工程により、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子の表面に存在するリチウムが除去されることで、タップ密度がさらに高くなる。特に、焼成工程により得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物において、その他の諸特性は良好であるが、そのタップ密度が2.0g/cm3以上にはなるが、2.5g/cm3以上とはならない場合に、かかる水洗工程を経ることにより、他の特性を低下させることなく、そのタップ密度を2.5g/cm3以上とさらに高くすることができ、非水系電解質二次電池用正極活物質としてより好ましいものとなる。
水が質量比で0.5(投入量の半分)未満であると、スラリーの粘度が高すぎて、均一撹拌が難しくなる。一方、水が質量比で1.0(投入量と等量)を超えると、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子から過剰にリチウムが溶出し、非水系電解質二次電池用正極活物質の性能が悪化してしまうことがある。
かかる水洗として、前記スラリーを30分間〜60分間撹拌することが好ましい。撹拌時間は、30分間より短いと、撹拌が均一にならないことがあり、60分間より長くても、リチウム溶出はある程度で飽和するため、無駄に長時間を要することになるだけである。
(2)非水系電解質二次電池用正極活物質
上記製造工程を経て得られた本発明に係る非水系電解質二次電池用正極活物質は、いずれも該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池において、150mAh/g以上の高い初期放電容量を達成でき、高容量の二次電池を提供できるという特質を有する。
さらに、タップ密度が2.0g/cm3以上、比表面積が1.0m2/g以下、平均粒子径が15μm以下であり、かつ、非水系電解質二次電池の正極活物質として用いた場合に測定される正極抵抗の値が10Ω以下となる、非水系電解質二次電池用正極活物質が得られる。
さらに、焼成工程において、酸素濃度が50容量%以上の高濃度酸素雰囲気とした場合において、焼成温度を800℃以上1000℃未満とした場合には、タップ密度が2.5g/cm3以上、比表面積が1.0m2/g以下、平均粒子径が15μm以下であり、好ましくは、非水系電解質二次電池の正極活物質として用いた場合に測定される正極抵抗の値が10Ω以下となる、非水系電解質二次電池用正極活物質が得られる。
本発明の正極活物質は、いずれも球状で、かつ、高密度のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子であって、ニッケルとコバルトとマンガンが原子レベルで均一に分散している。組成は、種々の金属分析方法(たとえば、ICP法)により正確に測定することができる。
本発明に係る非水系電解質二次電池用正極活物質では、タップ密度を2.0g/cm3以上とすることによって、容積当たりの充填重量を多くすることが可能となり、小型でありながら高電気容量の非水系電解質二次電池を得ることができる。高密度化の観点からは、タップ密度を2.5g/cm3以上とすることが好ましく、特に高密度化を優先する場合には、かかる特性を得るための焼成雰囲気などの製造条件を本発明の範囲内で適切に選択することが好ましい。タップ密度が2.0g/cm3未満では、容積当たりの充填重量が少なく、同容量の電池を得ようとした場合に容積が大きくなり過ぎてしまい、搭載場所の制約を受けるため不利である。タップ密度の上限は特に限定されるものではないが、通常の製造条件での上限は、3g/cm3程度である。
また、比表面積が1.0m2/gを超えると、平均粒子径が小さくなり過ぎ、タップ密度が2.0g/cm3以上の粒子が得られなくなる。比表面積の下限は特に限定されるものではないが、0.2m2/g以上とすることが好ましい。比表面積が0.2m2/g未満になると、本発明に係る正極活物質を非水系電解質二次電池に用いたときに、電解質との接触が少なく電池容量が低下する場合がある。
さらに、平均粒子径が15μmを超えると、本発明に係る正極活物質を非水系電解質二次電池に用いたときに、正極活物質間の接点が少なく、正極の抵抗が上昇して、電池容量が低下する。平均粒子径の下限は特に限定されるものではないが、5μm以上とすることが好ましい。平均粒子径が5μm未満になると、タップ密度が2.0g/cm3以上の粒子が得られない場合があるため好ましくない。
(3)非水系電解質二次電池
本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極および非水系電解液などからなり、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素により構成される。なお、以下に説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(3−a)正極
前述のように得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いて、たとえば、以下のようにして、非水系電解質二次電池の正極を作製する。
まず、粉末状の正極活物質、導電材および結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整などの目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。その際、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比も、非水系電解質二次電池の性能を決定する重要な要素となる。溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60〜95質量部とし、導電材の含有量を1〜20質量部とし、結着剤の含有量を1〜20質量部とすることが望ましい。
得られた正極合材ペーストを、たとえば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して、溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべく、ロールプレスなどにより加圧することもある。このようにして、シート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断などをして、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法によってもよい。
正極の作製に当たって、導電材としては、たとえば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛および膨張黒鉛など)や、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料を用いることができる。
結着剤は、活物質粒子をつなぎ止める役割を果たすもので、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂およびポリアクリル酸を用いることができる。
必要に応じ、正極活物質、導電材および活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。溶剤としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には、電気二重層容量を増加させるために、活性炭を添加することができる。
(3−b)負極
負極には、金属リチウムやリチウム合金など、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛およびフェノール樹脂などの有機化合物焼成体、およびコークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDFなどの含フッ素樹脂を用いることができ、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
(3−c)セパレータ
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
(3−d)非水系電解液
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiN(CF3SO22 、およびそれらの複合塩などを用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤などを含んでいてもよい。
(3−e)電池の形状、構成
以上のように説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明の非水系電解質二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リードなどを用いて接続し、電池ケースに密閉して、非水系電解質二次電池を完成させる。
(3−f)特性
本発明の正極活物質を用いた非水系電解質二次電池は、150mAh/g以上の高い初期放電容量が得られ、さらには10Ω以下の低い正極抵抗が得られ、高容量で高出力である。また、従来のリチウムコバルト系酸化物あるいはリチウムニッケル系酸化物の正極活物質との比較においても熱安定性が高く、安全性においても優れているといえる。
本実施形態では、高密度で熱安定性に優れた非水系電解質二次電池用正極活物質を工業的な製造方法で得ることができる。この非水系電解質二次電池は、常に高容量を要求される小型携帯電子機器(ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末など)の電源に好適である。
また、電気自動車用の電池は大型化すると安全性の確保が困難になり高価な保護回路が必要不可欠である。これに対して、本発明の非水系電解質二次電池は、電池が大型化することなく優れた安全性を有しているため、安全性の確保が容易になるばかりでなく、高価な保護回路を簡略化し、より低コストにできる。そのため、電気自動車用電源としても好適である。さらに、小型化、高出力化が可能であることから、搭載スペースに制約を受ける電気自動車用電源として好適である。
なお、本発明は、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車用の電源のみならず、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃焼機関と併用するいわゆるハイブリッド車用の電源としても用いることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(共沈殿工程)
攪拌機とオーバーフローパイプを備えた34Lの円筒形反応槽(ステンレス製円筒容器改造品)に水を30L程度入れた後、pHが11.3になるまで25%水酸化ナトリウム溶液(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)を加え、温度を40℃に保持し、一定速度にて攪拌を行った。次に、Ni:Co:Mnの原子比が1:1:1となり、合計の塩濃度で2mol/Lとなるように混合した硫酸ニッケル溶液(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)、硫酸コバルト溶液(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)、および硫酸マンガン溶液(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)の混合液を30cm3/分の流量にて添加し、同時に非還元性錯化剤として25%アンモニア溶液(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)を3cm3/分の流量にて反応槽に添加した。さらに、反応溶液のpHが11.0〜12.0、好ましくは11.5〜12.0になるように25%水酸化ナトリウムを断続的に加えて制御し、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を形成した。
反応槽内が定常状態になった後、オーバーフローパイプよりニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を連続的に採取し、水洗、濾過した後、105℃にて24時間大気乾燥してニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。反応後の水溶液のpHを測定した結果、11.85であった。
得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子の組成比は、Ni:Co:Mn=33.3:33.4:33.3であり、平均粒子径は10.52μmであり、比表面積は4.67m2/gであり、タップ密度は2.18g/cm3であり、二次粒子の形状はほぼ球状であった。
(熱処理工程)
次に、得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を大気雰囲気中にて、300℃で2時間、仮焼した後、500℃にて10時間、酸化焙焼して、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を得た。
得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が10.13μmであり、比表面積が47.0m2/gであり、タップ密度が2.11g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
(焼成工程)
さらに、得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子に対して原子比でLi/M=1.05となるように、水酸化リチウム一水和物(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)を秤量し、該複合酸化物粒子をシェーカーミキサー装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて十分に混合し、混合物を得た。この混合物を空気(酸素:21容量%)気流中にて、500℃で2時間、仮焼した後、900℃にて10時間、焼成し、さらに、粉砕して非水系電解質二次電池用正極活物質を得た。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.91μmであり、比表面積が0.32m2/gであり、タップ密度が2.50g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。得られた正極活物質のSEM(日本電子株式会社製走査電子顕微鏡JSM−6360LA)観察結果を図1に示す。図1のSEM写真から、粒子は実質的に球状であることがわかる。得られた正極活物質をCu−Kα線による粉末X線回折で分析したところ、六方晶の層状結晶リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
なお、平均粒子径測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)により行ない、比表面積は、窒素吸着式BET法測定機(ユアサアイオニックス社製、カンタソーブQS−10)により測定した。また、タップ密度測定は、JIS R 1628により測定し、X線回折測定は、X線回折装置(リガク電機株式会社製、RINT−1400)を用いて行なった。
(電池評価)
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質の評価は、以下のように電池を作製し、充放電容量を測定することで行なった。非水系電解質二次電池用正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、およびポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力で直径11mm、厚さ100μmにプレス成形し、図2に示す正極(評価用電極)(1)を作製した。作製した正極(1)を真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。そして、この正極(1)を用いて2032型コイン電池(B)を、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。負極(2)には、直径17mm、厚さ1mmのLi金属を用い、電解液には、1MのLiClO4を支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。セパレータ(3)には膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。また、コイン電池(B)は、ガスケット(4)を有し、正極缶(5)と負極缶(6)とでコイン状の電池に組み立てられている。
作製したコイン電池(B)は、組立てから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cm2としてカットオフ電圧が4.3Vとなるまで充電して、1時間の休止後、カットオフ電圧が3.0Vになるまで放電したときの放電容量を測定する充放電試験を行なった。充放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いた。
充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は154.8mAh/gであった。
また、充電電位4.1Vで充電したコイン電池(B)を用いて、交流インピーダンス法により抵抗値を測定した。測定には、周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製)を使用し、図3に示すナイキストプロットが得られる。プロットは、溶液抵抗、負極抵抗と容量、および、正極抵抗と容量を示す特性曲線の和として表れているため、等価回路を用いてフィッティング計算し、正極抵抗の値を計算する。本実施例において、正極抵抗の値は、6.3Ωであった。
(実施例2)
水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウム(試薬特級、和光純薬工業株式会社製)を使用したことと、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物との混合物を、750℃で10時間、仮焼した以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.92μmであり、比表面積が0.38m2/gであり、タップ密度が2.14g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は150.6mAh/gであり、正極抵抗の値は5.4Ωであった。
(実施例3)
450℃で2時間、仮焼した後、700℃で10時間、酸化焙焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が10.08μmであり、比表面積が6.79m2/gであり、タップ密度が2.14g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.81μmであり、比表面積が0.34m2/gであり、タップ密度が2.55g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は154.3mAh/gであり、正極抵抗の値は7.9Ωであった。
(実施例4)
水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、この炭酸リチウムを、Li/M=1.10となるように、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物に混合したこと、該混合物を750℃で10時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.95μmであり、比表面積が0.31m2/gであり、タップ密度が2.41g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は152.4mAh/gであり、正極抵抗の値は5.8Ωであった。
(実施例5)
水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、この炭酸リチウムを、Li/M=1.15となるように、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物に混合したこと、該混合物を750℃で10時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が0.32m2/gであり、タップ密度が2.33g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は150.1mAh/gであり、正極抵抗の値は5.4であった。
(実施例6)
仮焼せず、300℃で10時間、酸化焙焼したこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、この炭酸リチウムとニッケルコバルトマンガン複合酸化物との混合物を、750℃で5時間、仮焼した後、1000℃にて10時間、焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.99μmであり、比表面積が84m2/gであり、タップ密度が2.22g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が14.6μmであり、比表面積が0.26m2/gであり、タップ密度が2.00g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は152.6mAh/gであり、正極抵抗の値は5.8Ωであった。
(実施例7)
実施例4と同様の工程を経て得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を解砕した後、さらに解砕物を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーにし、30分間撹拌後、濾過、乾燥して非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質をICP装置(セイコーインスツルメンツ製)により測定したところ、Li/Mは、原子比で1.079であった。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.20μmであり、比表面積が0.81m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は158.3mAh/gであり、正極抵抗の値は6.4Ωであった。
(実施例8)
実施例5と同様の工程を経て得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を解砕した後、さらに解砕物を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーにし、30分間撹拌後、濾過、乾燥して非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質をICP装置により測定したところ、Li/Mは、原子比で1.12であった。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.37μmであり、比表面積が0.84m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は153.7mAh/gであり、正極抵抗の値は5.4Ωであった。
(実施例9)
Ni:Co:Mnの原子比を3:1:1とした以外は、実施例1と同様に連続的に、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。
得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子には、共沈殿工程における、100℃で24時間行った大気乾燥工程を熱処理工程とすることで、酸化焙焼を目的とする熱処理工程については施さなかった。
得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子のニッケル、コバルト、マンガンの組成比は、Ni:Co:Mn=60.0:19.8:20.2であり、平均粒子径は7.60μmであり、比表面積は10.2m2/gであり、タップ密度は2.03g/cm3であった。かかるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を、炭酸リチウムと混合し、焼成に供した以外は、実施例1と同様にして、仮焼、焼成を行った。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が7.51μmであり、比表面積が0.51m2/gであり、タップ密度が2.08g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は175.4mAh/gであり、正極抵抗の値は3.9Ωであった。
(実施例10)
実施例9と同様にして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を用いたこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を熱処理せずに、Li/M=1.10となるように炭酸リチウムと混合し、750℃で5時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.23μmであり、比表面積が0.46m2/gであり、タップ密度が2.08g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は171.3mAh/gであり、正極抵抗の値は5.4Ωであった。
(実施例11)
実施例9と同様にして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を用いたこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を熱処理せずに、Li/M=1.00となるように炭酸リチウムと混合し、750℃で5時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が7.24μmであり、比表面積が0.40m2/gであり、タップ密度が2.03g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は174.9mAh/gであり、正極抵抗の値は7.0Ωであった。
(実施例12)
実施例9と同様にして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を用いたこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を熱処理せずに、Li/M=1.07となるように炭酸リチウムと混合し、仮焼せず、850℃で10時間、焼成したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が7.66μmであり、比表面積が0.41m2/gであり、タップ密度が2.01g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は174.6mAh/gであり、正極抵抗の値は3.7Ωであった。
(実施例13)
リチウム化合物との混合比率をLi/M=1.01となるように、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物と混合したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.83μmであり、比表面積が0.37m2/gであり、タップ密度が2.58g/cm3であった。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は151.2mAh/gであり、正極抵抗の値は9.4Ωであった。
(比較例1)
450℃で2時間、仮焼した後、800℃で10時間、酸化焙焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が2.07m2/gであり、タップ密度が2.26g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.51μmであり、比表面積が0.41m2/gであり、タップ密度が2.14g/cm3であった。また、電池評価の結果、得られた正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は150.2mAh/gであり、正極抵抗の値は20.2Ωであった。
(比較例2)
450℃で2時間、仮焼した後、800℃で10時間、酸化焙焼したこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、この炭酸リチウムとニッケルコバルトマンガン複合酸化物との混合物を、750℃で10時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が2.07m2/gであり、タップ密度が2.26g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
また、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.18μmであり、比表面積が0.34m2/gであり、タップ密度が2.31g/cm3であった。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は145.8mAh/gであり、正極抵抗の値は24.7Ωであった。
(比較例3)
焼成温度を1050℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が19.86μmであり、比表面積が0.19m2/gであり、タップ密度が2.11g/cm3であった。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は139.2mAh/gであり、正極抵抗の値は13.1Ωであった。
(比較例4)
水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、この炭酸リチウムとの混合比率がLi/M=1.20となるように、ニッケルコバルトマンガン複合酸化物と混合したこと、該混合物を750℃で10時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.46μmであり、比表面積が0.29m2/gであり、タップ密度が2.12g/cm3であった。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は139.2mAh/gであり、正極抵抗の値は6.4Ωであった。
(比較例5)
実施例9と同様にして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を用いたこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を熱処理せずに、Li/M=0.93となるように炭酸リチウムと混合し、750℃で5時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が7.12μmであり、比表面積が0.42m2/gであり、タップ密度が2.00g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は158.6mAh/gであり、正極抵抗の値は10.8Ωであった。
(比較例6)
実施例9と同様にして得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を用いたこと、水酸化リチウム一水和物に代えて炭酸リチウムを使用したこと、該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を熱処理せずに、Li/M=1.18となるように炭酸リチウムと混合し、750℃で5時間、仮焼したこと以外は、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.86μmであり、比表面積が0.45m2/gであり、タップ密度が2.01g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は144.8mAh/gであり、正極抵抗の値は5.7Ωであった。
実施例1〜13、および、比較例1〜6に関する、共沈殿工程、熱処理工程および焼成工程の各条件、ニッケルとコバルトとマンガン(M)の組成比、Mの原子数の和に対するリチウムの原子数の比(Li/M)、得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子または酸化物粒子、焼成により得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(非水系電解質二次電池用正極用活物質)の各特性について、表1および表2に示す。
本発明の実施例1〜13では、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質のタップ密度は2.0g/cm3以上であり、高密度であるとともに、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の正極抵抗の値が10Ω以下、初期放電容量が150mAh/gを超える高容量のものが得られている。
また、実施例7および8では、得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物に対して水洗処理を施すことにより、諸特性に影響を与えることなく、タップ密度を2.5g/cm3以上という高密度化が達成されている。
(実施例14)
焼成工程における雰囲気を、酸素雰囲気(酸素:100容量%)としたことを除いて、実施例1と同様にして、非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.96μmであり、比表面積が0.38m2/gであり、タップ密度が2.61g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
また、電池評価の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は151.1mAh/gであり、正極抵抗の値は6.5Ωであった。また、充放電を1サイクルとした50サイクル時の放電維持率は91.2%であった。
(実施例15)
熱処理工程において、450℃で2時間、仮焼した後、700℃にて10時間、酸化焙焼したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が10.08μmであり、比表面積が6.79m2/gであり、タップ密度が2.14g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.13μmであり、比表面積が0.36m2/gであり、タップ密度が2.55g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は152.1mAh/gであり、正極抵抗の値は6.8Ωであった。また、充放電を1サイクルとした50サイクル時の放電維持率は91.7%であった。
(実施例16)
熱処理工程において、仮焼をせず、300℃にて10時間、酸化焙焼したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.99μmであり、比表面積が84.0m2/gであり、タップ密度が2.22g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.21μmであり、比表面積が0.30m2/gであり、タップ密度が2.50g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は152.0mAh/gであり、正極抵抗の値は6.1Ωであった。また、充放電を1サイクルとした50サイクル時の放電維持率は93.4%であった。
(実施例17)
焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を用いたこと、大気雰囲気(酸素:21容量%)中で焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を、質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.94μmであり、比表面積が0.74m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.03であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は158.0mAh/gであり、正極抵抗の値は8.0Ωであった。
(実施例18)
焼成工程において、Li/(Ni+Co+Mn)=1.1となるように炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を、質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が0.76m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.08であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は158.9mAh/gであり、正極抵抗の値は5.9Ωであった。
(実施例19)
熱処理工程において、仮焼をせず、300℃にて酸化焙焼したこと、焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.99μmであり、比表面積が84.0m2/gであり、タップ密度が2.22g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.77μmであり、比表面積が0.78m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.05であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は160.4mAh/gであり、正極抵抗の値は8.0Ωであった。
(実施例20)
熱処理工程において、仮焼をせず、300℃にて酸化焙焼したこと、焼成工程において、Li/(Ni+Co+Mn)=1.1となるように、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.99μmであり、比表面積が84.0m2/gであり、タップ密度が2.22g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.99μmであり、比表面積が0.83m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.09であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は159.0mAh/gであり、正極抵抗の値は6.5Ωであった。
(実施例21)
熱処理工程において、仮焼をせず、110℃にて12時間、熱処理して、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を焼成工程に供したこと、焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を用いて大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子は、平均粒子径が10.52μmであり、比表面積が4.67m2/gであり、タップ密度が2.18g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が9.86μmであり、比表面積が0.76m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.04であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は156.5mAh/gであり、正極抵抗の値は9.1Ωであった。
(実施例22)
熱処理工程において、仮焼をせず、110℃にて12時間、熱処理して、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を焼成工程に供したこと、焼成工程において、Li/(Ni+Co+Mn)=1.1となるように、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を用いて大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子は、平均粒子径が10.52μmであり、比表面積が4.67m2/gであり、タップ密度が2.18g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.01μmであり、比表面積が0.81m2/gであり、タップ密度が2.59g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.08であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は158.3mAh/gであり、正極抵抗の値は6.4Ωであった。
(実施例23)
焼成工程において、1000℃にて焼成したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が12.71μmであり、比表面積が0.38m2/gであり、タップ密度が2.11g/cm3であった。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は151.4mAh/gであり、正極抵抗の値は6.0Ωであった。
(実施例24)
熱処理工程において、450℃で2時間、仮焼した後、700℃にて10時間、酸化焙焼したこと、焼成工程において、1000℃にて焼成したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が12.91μmであり、比表面積が0.34m2/gであり、タップ密度が2.03g/cm3であった。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は151.7mAh/gであり、正極抵抗の値は6.2Ωであった。
(実施例25)
熱処理工程において、仮焼をせず、300℃にて10時間、酸化焙焼したこと、焼成工程において、1000℃にて焼成したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が13.52μmであり、比表面積が0.27m2/gであり、タップ密度が2.03g/cm3であった。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は150.3mAh/gであり、正極抵抗の値は6.3Ωであった。
(比較例7)
熱処理工程において、450℃で2時間、仮焼した後、800℃にて10時間、酸化焙焼したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が2.07m2/gであり、タップ密度が2.26g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が12.30μmであり、比表面積が0.51m2/gであり、タップ密度が2.11g/cm3であった。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は148.0mAh/gであり、正極抵抗の値は12.0Ωであった。
(実施例26)
焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、Li/(Ni+Co+Mn)=1.15となるように炭酸リチウム(FMC社製)を混合したこと、大気雰囲気(酸素:21容量%)中で焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を、質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.19μmであり、比表面積が0.78m2/gであり、タップ密度が2.51g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.12であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は154.2mAh/gであり、正極抵抗の値は5.3Ωであった。
(実施例27)
熱処理工程において、仮焼をせず、300℃にて酸化焙焼したこと、焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、Li/(Ni+Co+Mn)=1.15となるように炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.15μmであり、比表面積が0.81m2/gであり、タップ密度が2.50g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.14であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は154.5mAh/gであり、正極抵抗の値は5.7Ωであった。
(実施例28)
熱処理工程において、仮焼をせず、110℃にて12時間、熱処理して、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を焼成工程に供したこと、焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、Li/(Ni+Co+Mn)=1.15となるように炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、大気雰囲気中にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が10.20μmであり、比表面積が0.84m2/gであり、タップ密度が2.50g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.12であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は153.7mAh/gであり、正極抵抗の値は5.4Ωであった。
(比較例8)
熱処理工程において、450℃で2時間、仮焼した後、800℃にて10時間、酸化焙焼したこと、焼成工程において、水酸化リチウム一水和物に代えて、炭酸リチウム(FMC社製)を混合し、1000℃にて焼成したこと、焼成によって得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を質量比で1/1.5の水に投入してスラリーとし、30分間撹拌後、濾過、乾燥したこと以外は、実施例14と同様にして非水系電解質二次電池用正極活物質を得ると共に、評価した。
熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子は、平均粒子径が9.97μmであり、比表面積が2.07m2/gであり、タップ密度が2.26g/cm3であり、ほぼ球状の二次粒子を形成していた。
得られた非水系電解質二次電池用正極活物質は、平均粒子径が12.20μmであり、比表面積が0.38m2/gであり、タップ密度が2.43g/cm3であり、Li/(Ni+Co+Mn)の原子比が1.04であり、ほぼ球状の二次粒子の形状を保持していた。また、充放電試験の結果、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量は152.9mAh/gであったが、正極抵抗の値は11.2Ωであった。
(比較例9)
共沈殿工程における水溶液の保持温度を50℃としたこと、および、反応槽に窒素ガスを2L/minで吹き込んで不活性雰囲気としたこと以外は、実施例14と同様にして、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。反応後の水溶液のpHを測定した結果、11.72であった。
共沈殿工程で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子は、SEM観察により、ほぼ長球状の二次粒子であることが確認され、平均粒子径は8.07μmであり、比表面積は10.2m2/gであり、タップ密度は1.25g/cm3であった。
実施例14〜22、参考例1〜6、および、比較例7〜9に関する、共沈殿工程、熱処理工程および焼成工程の各条件、ニッケルとコバルトとマンガン(M)の組成比、Mの原子数の和に対するリチウムの原子数の比(Li/M)、得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子、熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子または酸化物粒子、焼成により得られたリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(非水系電解質二次電池用正極用活物質)の各特性について、表3および表4に示す。
本発明の実施例14〜28では、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質のタップ密度が2.0g/cm3以上と高密度であるとともに、得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた二次電池の初期放電容量が150mAh/gを超える高容量のものが得られている。特に、酸素雰囲気で、かつ、1000℃未満の温度で焼成を行った実施例14〜16では、タップ密度が2.5g/cm3以上とさらなる高密度化が達成されている。
また、実施例7および8と同様に、水洗工程を有する実施例17〜22、実施例26〜28でも、タップ密度が2.5g/cm3以上とさらなる高密度化が達成されている。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 ガスケット
5 正極缶
6 負極缶
B コイン電池

Claims (13)

  1. 一般式:Li1+uNixCoyMnz2(−0.05≦u≦0.15、x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表され、かつ、層状構造を有する六方晶系リチウム含有複合酸化物により構成されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、
    大気雰囲気中で、かつ、非還元性錯化剤の存在下で、ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の温度を40℃〜50℃に保持し、該混合水溶液のpHが11〜12の範囲に保持されるようにアルカリ溶液を添加して、共沈殿させ、得られた沈殿物を濾過し、水洗して、タップ密度が2.0g/cm3以上であるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得る工程と、
    該ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を100℃以上800℃未満の温度で熱処理する工程と、
    前記熱処理後のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物または前記熱処理により得られたニッケルコバルトマンガン複合酸化物に、リチウム化合物を、ニッケルとコバルトとマンガンとの原子数の和に対するリチウムの原子数の比が0.95以上1.15以下となるように混合し、酸化性雰囲気中、800℃以上1000℃以下の温度で焼成して、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得る工程とを有する、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記焼成における酸化性雰囲気を、18容量%〜100容量%の酸素を含有する雰囲気とする、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記焼成における酸化性雰囲気を、50容量%以上の酸素を含有する酸素雰囲気とし、かつ、焼成温度を1000℃未満とする、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を、質量比で0.5〜1.0の水に投入してスラリーとし、水洗し、その後、濾過および乾燥する工程をさらに有する、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物の水洗に際して、前記スラリーを30分間〜60分間撹拌する、請求項4に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記熱処理を300℃〜700℃の温度で行い、前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を酸化焙焼し、前記ニッケルコバルトマンガン複合酸化物とする、請求項1〜5のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物を酸化焙焼させる熱処理を行う前に、予め前記酸化焙焼における温度より低く、かつ、300℃〜500℃の温度で仮焼を行う、請求項6に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記焼成に際して、予め350℃〜780℃の温度で仮焼を行う、請求項1〜7のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 前記リチウム化合物が、水酸化リチウムまたは炭酸リチウム、もしくはそれらの混合物である、請求項1〜8のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  10. 前記ニッケル塩とコバルト塩とマンガン塩との混合水溶液の塩濃度を、各塩の合計で1mol/L〜2.2mol/Lとする、請求項1〜9のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    一般式:Li1+uNixCoyMnz2(−0.05≦u≦0.15、x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表され、かつ、層状構造を有する六方晶系リチウム含有複合酸化物により構成されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物であり、球状で、タップ密度が2.0g/cm3以上であり、比表面積が1.0m2/g以下であり、平均粒子径が15μm以下であり、
    60質量部〜95質量部の正極活物質と、1質量部〜20質量部の導電材と、1質量部〜20質量部の結着材とからなる正極合材ペーストを、集電体の表面に塗布することにより得られる正極と、金属リチウムもしくはリチウム合金など、またはリチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質からなる負極と、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの多孔質膜からなるセパレータと、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液とから構成される2032型コイン電池の正極活物質として用いた場合に測定される正極抵抗の値が10Ω以下となり、かつ、該二次電池の初期放電容量が150mAh/g以上となる、非水系電解質二次電池用正極活物質。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法により得られる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    一般式:Li1+uNixCoyMnz2(−0.05≦u≦0.15、x+y+z=1、0.3≦x≦0.8、0.1≦y≦0.4、0.1≦z≦0.4)で表され、かつ、層状構造を有する六方晶系リチウム含有複合酸化物により構成されるリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物であり、球状で、タップ密度が2.5g/cm3以上であり、比表面積が1.0m2/g以下であり、平均粒子径が15μm以下であり、
    60質量部〜95質量部の正極活物質と、1質量部〜20質量部の導電材と、1質量部〜20質量部の結着材とからなる正極合材ペーストを、集電体の表面に塗布することにより得られる正極と、金属リチウムもしくはリチウム合金など、またはリチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質からなる負極と、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの多孔質膜からなるセパレータと、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液とから構成される2032型コイン電池の正極活物質として用いた場合に測定される正極抵抗の値が10Ω以下となり、かつ、該二次電池の初期放電容量が150mAh/g以上となる、非水系電解質二次電池用正極活物質。
  13. 請求項11または12のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた正極を備える、非水系電解質二次電池。
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