JP6528890B1 - 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源および還元剤を混合し、得られた混合物を高温高圧の条件下にて反応させてオリビン系電極材料を含む反応物を得て、この反応物をオリビン系電極材料と未反応のリチウムイオンを含む溶液に分離し、未反応のLiを含む溶液とリン酸を反応させてリン酸リチウムとした後、このリン酸リチウムを再利用することにより、上記のオリビン系電極材料を得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
(1)Feだけではなく、Mn、Co、Niも同時に分離する必要があり、従来の方法では全ての不純物成分を充分に除去することができず、この不純物成分の一部が水熱合成時にオリビン系電極材料に取り込まれて、リチウムイオン二次電池の耐久性が劣化する。
(2)未反応のリチウムイオンと不純物成分を含むろ液に添加するアルカリに、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムが含まれる場合、リチウムイオン回収液にカルシウムが残存し、このカルシウムの一部が水熱合成時にオリビン系電極材料に取り込まれて、リチウムイオン二次電池の耐久性が劣化する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の電極材料の製造方法は、LixFe1−y−zAyMzPO4(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を生成する工程Bと、粗生成物を、LixFe1−y−zAyMzPO4を主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて工程A以降を行い、再度、主生成物を得る方法である。
上記のLixFe1−y−zAyMzPO4で表される電極材料を、従来の反応系に過剰のLiを添加する水熱合成法により作製する場合、例えば、Li源を水酸化リチウム(LiOH)、Fe源を塩化第一鉄(FeCl2)、A源を塩化マンガン(MnCl2)、M源を塩化亜鉛(ZnCl2)、リン酸源をリン酸(H3PO4)とし、これらを水に加える際に、モル比で、Fe源を0.25、A源を0.7、M源を0.05、リン酸源を1とし、Li源を1+x(1<x≦2)として過剰に加え、得られた混合物を水熱合成すると、下記の化学反応式(1)に示す化学反応が生じる。
本実施形態の電極材料の製造方法は、以上のような考えに基づいてなされたものである。
まず、水を主成分とする溶媒にLi源およびリン酸源を投入し、これらLi源およびリン酸源を反応させてリン酸リチウム(Li3PO4)を生成させ、リン酸リチウムスラリーとする(SP1)。
このLi源の最大粒径は、500μm以下であることが好ましい。ここで、Li源の最大粒径を500μm以下と限定した理由は、最大粒径が500μm以下であれば、LixFe1−y−zAyMzPO4粒子が粗大化することを防止できるからである。
Li3PO4の最大粒径を500μm以下と限定することで、粒径が0.01μm(10nm)以上かつ1μm以下のLixFe1−y−zAyMzPO4微粒子が得られる。
純水が好ましい理由は、純水は安価であり、しかも、温度、圧力の操作により容易に各物質に対する溶解度等の溶媒物性を制御することができるからである。
ここで、還元剤を原料スラリーに投入してもよい。還元剤を添加することで、Fe源およびA源の酸化を抑制することができ、高純度のLixFe1−y−zAyMzPO4を得ることができる。還元剤としては、二酸化硫黄(SO2)、亜硫酸(H2SO3)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、亜硫酸アンモニウム((NH4)2SO3)、亜リン酸(H2PHO3)およびアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
M源としては、マグネシウム化合物からなるMg源、カルシウム化合物からなるCa源、ストロンチウム化合物からなるSr源、バリウム化合物からなるBa源、チタン化合物からなるTi源、亜鉛化合物からなるZn源、ホウ素化合物からなるB源、アルミニウム化合物からなるAl源、ガリウム化合物からなるGa源、インジウム化合物からなるIn源、ケイ素化合物からなるSi源、ゲルマニウム化合物からなるGe源および希土類元素の化合物からなる希土類元素源からなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。
Li源のリチウムイオンは、Fe源の鉄イオン(鉄(II)イオン、鉄(III)イオン)とA源のAイオンとM源のMイオンとの合計1モルに対して、2モル以上かつ4モル以下であることが好ましく、2.5モル以上かつ3.5モル以下であることがより好ましい。
リン酸源のリン酸イオンは、鉄イオン(鉄(II)イオン、鉄(III)イオン)とA源のAイオンとM源のMイオンとの合計1モルに対して、0.9モル以上かつ1.1モル以下であることが好ましく、0.98モル以上かつ1.02モル以下であることがより好ましい。
工程Aで調製した原料スラリー(懸濁液)を高温高圧の条件下にて反応(水熱合成)させ、LixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を生成する(SP3)。
高温高圧の条件は、LixFe1−y−zAyMzPO4が生成する温度、圧力および時間の範囲であればよい。特に、平均粒径が1μm以下のLixFe1−y−zAyMzPO4粒子を得るためには、反応温度は120℃以上かつ250℃以下であることが好ましく、150℃以上かつ220℃以下であることがより好ましい。また、反応時の圧力は0.2MPa以上であることが好ましく、0.4MPa以上であることがより好ましい。また、反応時間は、反応温度にもよるが、1時間以上かつ24時間以下であることが好ましく、2時間以上かつ12時間以下であることがより好ましい。
LixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を、純水を用いて洗浄し、ろ過等により、LixFe1−y−zAyMzPO4を主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する(SP4)。第1の溶液は、Li含有廃液(未反応のLiを含む溶液)である。
工程Cで分離した第1の溶液に、第1のアルカリを添加し、攪拌することで、第1の溶液に含まれるFe成分、A成分、M成分、PO4成分等の不純物成分を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる(SP6)。
次いで、第1の溶液中のFe成分、A成分、M成分、PO4成分からなる固体(固化物)をろ過等の処理にて除去することにより、精製された第2の溶液を得る(SP7)。第2の溶液は、Li含有溶液(不純物が除去された溶液)である。ここで、除去されたFe成分、A成分、M成分、PO4成分等の不純物は、廃棄処分される。
pHを10.5以上に調整することで、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を充分に生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、pHを11.8以下に調整することで、必要以上の過剰な第1のアルカリの添加を抑制することができ、製造コストを低減することができ、かつ環境負荷を低減できる。
気体の流入速度が0.5hr−1以上であると、第1の溶液中の溶存酸素量を充分に高めることができ、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度が速くなるので、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、気体の流入速度が10.0hr−1を超えても、第1の溶液中の溶存酸素量は大きく変わらず、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度も大きくは変わらないので、工業的観点から気体の流入速度は10.0hr−1以下であるのが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第2の溶液にリン酸源を添加し、LiおよびPO4含有溶液とする(SP8)。このリン酸源の添加量は、工程Aにおけるリン酸源の添加量と等モル量とすることが好ましい。
ここで、第2の溶液に、工程Aにおけるリン酸源の添加量と等モル量のリン酸源を添加することとした理由は、後工程で化学量論的組成からなるLixFe1−y−zAyMzPO4が得られるからである。
これにより、リン酸リチウム(Li3PO4)を含む溶液が生成される(SP9)。次いで、このLi3PO4を含む溶液を静置させて、溶液中のLi3PO4を沈降させる。
LixFe1−y−zAyMzPO4の平均粒径が0.01μm以上であれば、Liの挿入・脱離に伴う構造変化により粒子が破壊することがない。また、LixFe1−y−zAyMzPO4を正極活物質として用いた場合、比表面積が大きくなり過ぎることがなく、接合剤を過剰に必要とすることもないため、正極の充填密度が低下することもなく、導電率が大きく低下する等の問題が生じない。一方、LixFe1−y−zAyMzPO4の平均粒径が1μm以下であれば、正極活物質の内部抵抗が高くなることがなく、リチウムイオンの移動も遅延することがないため、利用率が低下する等の問題が生じない。
なお、より高出力を可能にするためには、正極活物質の内部抵抗への影響が小さい0.5μm以下の粒子を用いることが好ましい。
本実施形態のリン酸リチウムの回収方法は、Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、第2の溶液からリン酸リチウムを回収する工程cと、を備える方法である。
Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリを添加し、攪拌することで、第1の溶液に含まれるFe成分、A成分、M成分、PO4成分等の不純物成分を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる(SP11)。
Liを含む第1の溶液は、例えば、LixFe1−y−zAyMzPO4(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造過程において生成した、LixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を、純水を用いて洗浄し、ろ過等により、LixFe1−y−zAyMzPO4を主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離して得られたものである。
pHを10.5以上に調整することで、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を充分に生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、pHを12.0以下に調整することで、必要以上の過剰な第1のアルカリの添加を抑制することができ、製造コストを低減することができ、かつ環境負荷を低減できる。
気体の流入速度が0.5hr−1以上であると、第1の溶液中の溶存酸素量を充分に高めることができ、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度が速くなるので、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、気体の流入速度が10.0hr−1を超えても、第1の溶液中の溶存酸素量は大きく変わらず、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度も大きくは変わらないので、工業的観点から気体の流入速度は10.0hr−1以下であるのが好ましい。
第2の溶液にリン酸源を添加し、LiおよびPO4含有溶液とする(SP13)。このリン酸源の添加量は、第2の溶液中のリチウム元素に対してリン元素がモル比(Li/P)で3以下とすることが好ましい。第2の溶液中のリチウム元素に対してリン元素がモル比(Li/P)で3以下となるようにリン酸源の添加量を調整することで、次の手順でLi源を添加する際にLiとPの組成比(Li:P)がモル比で3:1となるように調整することができる。
これにより、リン酸リチウム(Li3PO4)を含む溶液が生成される(SP14)。次いで、このLi3PO4を含む溶液を静置させて、溶液中のLi3PO4を沈降させる。
次いで、このLi3PO4が沈降した溶液を、純水を用いて洗浄し、その後、ろ過等を用いて、この溶液をLi3PO4と廃液とに分離し、Li3PO4を回収する(SP15)。ここで分離された廃液は、所定の処理が施されて清浄化され、放流される。
そこで、このLi3PO4を純水に分散させてリン酸リチウムスラリーとし、上述の電極材料の製造方法に用いることができる。
(工程A)
純水1Lに水酸化リチウム(LiOH)3molおよびオルトリン酸(H3PO4)1molを加えて撹拌し、リン酸リチウムスラリーを得た。
次いで、このリン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl2)0.3mol、塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1を調製した。
次いで、この原料液A−1を耐圧密閉容器に投入し、密閉状態で140℃にて2時間加熱し、水熱合成した。
次いで、得られた反応液を耐圧密閉容器から取り出し、純水6Lを用いて洗浄した後にろ過し、粉体とろ液とに分離した。その後、この粉体を乾燥し、試料B−1を得た。
次いで、上記のろ液に水酸化リチウム(LiOH)をpHが10.5となるまで加えた後、ろ液に対して大気を注入(バブリング)しながら4時間攪拌することで沈殿物を析出させた。この時、大気の流入速度は2.5hr−1になるよう調整した。
次いで、このろ液から沈殿物を除去し、Li含有溶液を得た。
次いで、このLi含有溶液にオルトリン酸(H3PO4)2/3molを加えて撹拌し、その後、アンモニア水(NH4OH)2molを加え、白色の沈殿物を得た。
この白色の沈殿物を、純水2Lを用いて洗浄し、その後、乾燥し、白色試料C−1を得た。
次いで、白色試料C−1のうち115.8gを純水0.5Lに投入し撹拌して、リン酸リチウムスラリーを得た。
次いで、このリン酸リチウムスラリーに塩化鉄(II)(FeCl2)0.3molおよび塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、上記の原料液A−1と同一の組成の原料液A−2を作製した。
次いで、この原料液A−2を耐圧密閉容器に投入し、密閉状態で140℃にて2時間加熱し、水熱合成した。
次いで、得られた反応液を耐圧密閉容器から取り出し、純水6Lを用いて洗浄した後にろ過し、粉体とろ液とに分離した。その後、この粉体を乾燥し、試料B−2を得た。
次いで、上記のろ液に水酸化リチウム(LiOH)をpHが10.5となるまで加えた後、ろ液に対して大気を注入(バブリング)しながら4時間攪拌することで沈殿物を析出させた。この時、大気の流入速度は2.5hr−1になるよう調整した。
次いで、このろ液から沈殿物を除去し、Li含有溶液を得た。
次いで、このLi含有溶液にオルトリン酸(H3PO4)2/3molを加えて撹拌し、その後、アンモニア水(NH4OH)2molを加え、白色の沈殿物を得た。
この白色の沈殿物を、純水を用いて洗浄し、その後、乾燥し、白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例2の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.5となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例3の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.8となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例4の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例5の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例6の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例3に準じて、実施例7の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例4の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例4に準じて、実施例8の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例9の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例10の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例3に準じて、実施例11の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例4の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例4に準じて、実施例12の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに炭酸リチウム(Li2CO3)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例13の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに炭酸リチウム(Li2CO3)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例14の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例1に準じて、実施例15の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例2の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例2に準じて、実施例16の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例3に準じて、実施例17の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例4の工程Dおよび工程D’にて、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例4に準じて、実施例18の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl2)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7mol、塩化マグネシウム(MgCl2)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例19の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl2)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7mol、塩化コバルト(CoCl2)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例20の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl2)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7mol、塩化ニッケル(NiCl2)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例21の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl2)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl2)0.7mol、塩化亜鉛(ZnCl2)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(H2SO3)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例22の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、比較例1の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例5の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えたこと以外は、実施例5に準じて、比較例2の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例9の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化カリウム(KOH)を加えたこと以外は、実施例9に準じて、比較例3の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例13の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に炭酸リチウム(Li2CO3)を加えたこと以外は、実施例13に準じて、比較例4の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例15の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例15に準じて、比較例5の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例19の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例19に準じて、比較例6の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例20の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例20に準じて、比較例7の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例21の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例21に準じて、比較例8の試料B−2および白色試料C−2を得た。
実施例22の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例22に準じて、比較例9の試料B−2および白色試料C−2を得た。
(組成分析)
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9の白色試料C−2の不純物の分析をICP分析により行った。不純物の測定の結果を表1および表2に示す。検出下限値以下の場合はN.D.(Not Ditect)と表記した。
[カーボンコート処理]
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9で得られた各々の試料B−2を固形分換算で100gに対し、ポリエチレングリコール4g、純水100gを加え、5mm径のジルコニアビーズをメディアとしたボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを170℃の大気雰囲気中に噴霧して乾燥させ、平均粒径が約6μmの造粒体を得た。この造粒体を不活性雰囲気下、750℃にて1時間焼成し、実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、「正極材料A1」と言う。)を作製した。
上記のリチウムイオン二電池用正極活物質について、以下の処理を行い、実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池を作製した。
溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に、正極材料A1と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)とを、ペースト中の質量比で、正極材料A1:AB:PVdF=90:5:5となるように加えて、これらを混合し、正極材料ペースト(正極用)を調製した。
次いで、この正極材料ペーストを、厚さ30μmのアルミニウム箔(電極集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、アルミニウム箔の表面に正極合剤層を形成した。正極と負極の容量比が1.2(負極/正極)となるように正極合剤層の厚さを調整した。
その後、正極合剤層を、正極密度が1.6g/mLとなるように、所定の圧力にて加圧した後、成形機を用いて正極面積9cm2の円板状に打ち抜き、正極を作製した。
調製した負極材料ペースト(負極用)を、厚さ10μmの銅箔(集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、銅箔表面に負極合剤層を形成した。負極合剤層の目付量が4.4mg/cm2となるよう塗布厚を調整した。
その後、負極合剤層を、負極密度が1.42g/mLとなるように、所定の圧力にて加圧した後、成形機を用いて負極面積9.6cm2の正方形状に打ち抜き、負極を作製した。
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池の評価を、高温サイクル試験により行った。試験方法は以下のとおりである。
リチウムイオン二次電池を、環境温度60℃にて、1C電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行った後、定電圧充電に切替えて電流値が0.1Cとなった時点で充電を終了し、その後、1C電流値にて電池電圧が2.5Vになるまで定電流放電を行うまでを1サイクルとし、300サイクル実施した。1サイクル目の放電容量を分母とし、300サイクル目の放電容量を分子としたときの百分率を容量維持率とした。結果を表1および表2に示す。容量維持率70%以上を◎、65%以上かつ70%未満を〇、60%以上かつ65%未満を△、60%未満を×として電池特性を評価した。
Claims (10)
- LixFe1−y−zAyMzPO4(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、
Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、
前記懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を生成する工程Bと、
前記粗生成物を、LixFe1−y−zAyMzPO4を主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、
前記他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、
前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、
前記工程Dにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に、前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入し、
前記工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて前記工程A以降を行い、再度、前記主生成物を得ることを特徴とする電極材料の製造方法。 - 前記工程Dにおいて、pHが11.0以上かつ11.8以下となるまで前記第1のアルカリを添加することを特徴とする請求項1に記載の電極材料の製造方法。
- 前記第1のアルカリは、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極材料の製造方法。
- 前記第2のアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
- 前記工程Aにおいて、前記懸濁液に還元剤を添加することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
- 前記還元剤は、二酸化硫黄、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜リン酸およびアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の電極材料の製造方法。
- Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、
前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、
前記第2の溶液から前記リン酸リチウムを回収する工程cと、を備え、
前記工程aにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入することを特徴とするリン酸リチウムの回収方法。 - 前記工程aにおいて、pHが11.0以上かつ11.8以下となるまで前記第1のアルカリを添加することを特徴とする請求項7に記載のリン酸リチウムの回収方法。
- 前記第1のアルカリは、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載のリン酸リチウムの回収方法。
- 前記第2のアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のリン酸リチウムの回収方法。
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