JP6528890B1 - 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法 - Google Patents

電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6528890B1
JP6528890B1 JP2018176202A JP2018176202A JP6528890B1 JP 6528890 B1 JP6528890 B1 JP 6528890B1 JP 2018176202 A JP2018176202 A JP 2018176202A JP 2018176202 A JP2018176202 A JP 2018176202A JP 6528890 B1 JP6528890 B1 JP 6528890B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
source
lithium
compound
phosphate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018176202A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020047514A (ja
Inventor
将隆 小山
将隆 小山
暁 忍足
暁 忍足
竜太 山屋
竜太 山屋
哲也 中別府
哲也 中別府
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP2018176202A priority Critical patent/JP6528890B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6528890B1 publication Critical patent/JP6528890B1/ja
Publication of JP2020047514A publication Critical patent/JP2020047514A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】製造過程で生成するLiイオンを高純度のLi3PO4として効率的に回収できる電極材料の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の電極材料の製造方法はLi3PO4、Fe源、A源及びM源を含む懸濁液を調製する工程Aと、懸濁液を高温高圧条件下で反応させLixFe1−y−zAyMzPO4を含む粗生成物を生成する工程Bと、粗生成物をLixFe1−y−zAyMzPO4を含む主生成物と他の生成物を含む第1の溶液に分離する工程Cと、第1の溶液にpHが10.5〜11.8となるまで第1のアルカリを添加して第2の溶液を得る工程Dと、第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して第2の溶液中のLiとPの組成比がモル比で3:1になるように調整し、第2の溶液に第2のアルカリを添加してLi3PO4を生成させる工程Eとを備え、工程Eにて得られたLi3PO4をLi源及びリン酸源として用いて工程A以降を行い再度主生成物を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、電極材料の製造方法およびリン酸リチウムの回収方法に関する。
近年、携帯用電子機器やハイブリット自動車等の二次電池としては、リチウム二次電池が用いられている。リチウム二次電池の中でも、リチウムイオン二次電池は、小型化、軽量化、高容量化が可能であり、しかも、高出力、高エネルギー密度を有していることから、多く用いられている。
このリチウムイオン二次電池の電極活物質としては、様々なリチウム(Li)化合物が提案されている。リチウム化合物の中でも、資源的に豊富で安価な鉄(Fe)を含むLiFePOで表されるオリビン結晶型リン酸化合物が、低い毒性、高い安全性、優れたサイクル特性等の点で注目されている。オリビン結晶型リン酸化合物は、車載用リチウムイオン二次電池や定置用リチウムイオン二次電池に採用されている。
最近では、LiFePOのFeの一部をMn、Co、Ni等に置換することで、充放電電位を高め、エネルギー密度を向上する試みが行われている。また、LiFePOのFeの一部をMgやZn等の遷移金属以外の元素で置換することで、リチウムイオンの脱挿入に伴う格子歪みを抑制し、入出力特性を向上する試みも行われている。
従来、LiFePOのFeをMn、Co、Ni等の他の元素に置換したオリビン結晶型リン酸化合物(以下、「オリビン系電極材料」と言う。)の合成法としては、固相法が知られている。この固相法では、原料を混合した後、原料の混合物を高温にて長時間焼成することから、粒径が1μm以上に粗大化し易く、単分散性に優れたオリビン系電極材料を合成することが難しいという課題があった。この粗大粒子は、ボールミル等で粉砕することもできるものの、充分に小さな粒径にまで粉砕することが難しく、また、粉砕時に掛かる応力により歪みや割れが生じ、結晶性が低下するという課題があった。また、原料の混合物を高温にて長時間焼成することから、大量のエネルギーを必要とするという課題もあった。
一方、水熱合成法は、原料を水の存在下、高圧にて加熱することにより、オリビン系電極材料微粒子を合成する方法であるから、固相法と比べて低温で、しかも単分散性に優れたオリビン系電極材料微粒子を得ることができる。
ところで、オリビン系電極材料微粒子を水熱合成法で合成する際に、反応溶液中に酢酸イオン(CHCOO)、硫酸イオン(SO 2−)、塩素イオン(Cl)等が含まれている場合、過剰のリチウム(Li)を添加すると単相のオリビン系電極材料微粒子が得られる。過剰のLiを添加すると、原料コストの増大につながるため、水熱合成法は、必ずしも安価な製造方法ではない。そこで、合成後の液相中に残存するリチウムイオンを回収、再利用する方法、例えば、Li塩の溶液をpH調整した後、炭酸ナトリウム(NaCO)を加える等により、リチウムイオンを炭酸リチウム(LiCO)等として回収する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、炭酸リチウム(LiCO)が水に可溶(25℃における溶解度:0.8g)なことから溶液中に残ってしまい、リチウムイオンを完全に回収することができないという課題があった。また、この方法では、回収した炭酸リチウム(LiCO)から不純物を除去する目的で、炭酸リチウム(LiCO)を水洗すると、炭酸リチウム(LiCO)自体が徐々に水に溶けてしまう。従って、この方法は、必ずしも効率のよい回収方法ではない。
リチウムイオンの回収効率を上げる方法としては、例えば、次のような方法が知られている。
(1)Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源および還元剤を混合し、得られた混合物を高温高圧の条件下にて反応させてオリビン系電極材料を含む反応物を得て、この反応物をオリビン系電極材料と未反応のリチウムイオンを含む溶液に分離し、未反応のLiを含む溶液とリン酸を反応させてリン酸リチウムとした後、このリン酸リチウムを再利用することにより、上記のオリビン系電極材料を得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
(2)鉄(Fe)を含むリン酸塩の懸濁液に、塩基性リチウム源を加えて沈澱生成物を生成し、この沈澱生成物をリチウム鉄リン酸塩に変えて、リチウムイオンを含む残留溶液を生成し、この残留溶液に塩基性リン酸源を加え、リン酸リチウムを沈澱させて分離する方法(例えば、特許文献3参照)。
一般的に、水熱合成法でオリビン系電極材料を合成する場合、収率は100%にはならない。従って、水熱合成後に、オリビン系電極材料を含む溶液をろ過して、オリビン系電極材料を分離した場合、ろ液にリチウムイオンとともに原料由来の不要な不純物成分が残ってしまう。よって、ろ液からリチウムイオンを回収するためには、ろ液に含まれている不要な不純物成分を分離する必要がある。
しかしながら、特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている方法では、不要な不純物成分を分離せずにリチウムイオンを回収している。そのため、余剰の未反応の不純物成分が電極材料の製造工程に繰り返し供給され、回収されオリビン系電極材料に未反応の不純物成分が蓄積される。その結果、回収されたオリビン系電極材料の物性に再現性が得られなくなるという課題があった。その理由は、Fe、Mn、Co、Ni等の遷移金属は、元来2価であるが、製造工程を繰り返し経るうちに、3価のオキシ水酸化物や酸化物に変わってしまい、水熱合成反応を阻害するからであると考えられる。
上述の問題点を解決する技術としては、例えば、未反応のリチウムイオンと不純物成分を含むろ液にアルカリを添加し、未反応の不純物を分離する方法が知られている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
特許第6151386号公報 特開2018−41683号公報 特表2008−532910号公報 特許第4767798号公報 特許第5636688号公報
LiFePOを水熱合成した際に生じる未反応のリチウムイオンを回収する場合においては、特許文献4および特許文献5に記載されている方法により、未反応のFeを充分に分離することができる。その結果、高純度なリチウムイオン回収液を得ることができ、優れたリチウムイオン電池特性を有する電極材料を得ることができる。
一方、Fe以外の金属を含有するオリビン系電極材料を水熱合成した際に生じる未反応のリチウムイオン含有溶液から不純物を分離する場合、特許文献4や特許文献5に記載されている方法では、未反応のリチウムイオンと不純物成分を含むろ液にアルカリを添加し、不純物成分を分離する工程において、次のような課題があった。
(1)Feだけではなく、Mn、Co、Niも同時に分離する必要があり、従来の方法では全ての不純物成分を充分に除去することができず、この不純物成分の一部が水熱合成時にオリビン系電極材料に取り込まれて、リチウムイオン二次電池の耐久性が劣化する。
(2)未反応のリチウムイオンと不純物成分を含むろ液に添加するアルカリに、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムが含まれる場合、リチウムイオン回収液にカルシウムが残存し、このカルシウムの一部が水熱合成時にオリビン系電極材料に取り込まれて、リチウムイオン二次電池の耐久性が劣化する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、オリビン系電極材料を製造する際に課題となっていた、製造過程で生成するリチウムイオンを高純度のリン酸リチウムとして効率的に回収することができる、電極材料の製造方法およびリン酸リチウムの回収方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される化合物を含む粗生成物を、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む溶液とに分離し、他の生成物を含む第1の溶液に、第1のアルカリを第1の溶液のpHが10.5以上かつ11.8以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得て、この不純物が除去された第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させれば、この不純物が除去された第2の溶液から得られるリン酸リチウムは、未反応の不純物成分を含まず高純度であり、このリン酸リチウムを原料に用いて水熱合成したLiFe1−y−zPOで表される電極材料の耐久性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電極材料の製造方法は、LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、前記懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を生成する工程Bと、前記粗生成物を、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、前記他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、前記工程Dにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に、前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入し、前記工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて前記工程A以降を行い、再度、前記主生成物を得ることを特徴とする。
本発明のリン酸リチウムの回収方法は、Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、前記第2の溶液から前記リン酸リチウムを回収する工程cと、を備え、前記工程aにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入することを特徴とする。
本発明の電極材料の製造方法によれば、LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、前記懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を生成する工程Bと、前記粗生成物を、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、前記他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、前記工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて前記工程A以降を行い、再度、前記主生成物を得るため、水熱合成後の反応物中に含まれる未反応のLiを高純度のリン酸リチウムとして、効率よく回収し、再利用することができる。
本発明のリチウムの回収方法によれば、Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、前記第2の溶液から前記リン酸リチウムを回収する工程cと、を備えるため、溶液に含まれるLiを高純度のリン酸リチウムとして、効率よく回収することができる。
本発明の一実施形態の電極材料の製造方法を示す流れ図である。 本発明の一実施形態のリン酸リチウムの回収方法を示す流れ図である。
本発明の電極材料の製造方法およびリン酸リチウムの回収方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[電極材料の製造方法]
本実施形態の電極材料の製造方法は、LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を生成する工程Bと、粗生成物を、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて工程A以降を行い、再度、主生成物を得る方法である。
ここで、本実施形態の電極材料の製造方法を提案するに至った経緯を説明する。
上記のLiFe1−y−zPOで表される電極材料を、従来の反応系に過剰のLiを添加する水熱合成法により作製する場合、例えば、Li源を水酸化リチウム(LiOH)、Fe源を塩化第一鉄(FeCl)、A源を塩化マンガン(MnCl)、M源を塩化亜鉛(ZnCl)、リン酸源をリン酸(HPO)とし、これらを水に加える際に、モル比で、Fe源を0.25、A源を0.7、M源を0.05、リン酸源を1とし、Li源を1+x(1<x≦2)として過剰に加え、得られた混合物を水熱合成すると、下記の化学反応式(1)に示す化学反応が生じる。
Figure 0006528890
上記の化学反応式(1)に示すような理想的な化学反応が生じた場合、LiFe0.25Mn0.7Zn0.05POが固体として沈殿し、LiClおよびHClは溶液中に残る。しかしながら、実際には反応率が100%となることはなく、LiFe0.25Mn0.7Zn0.05PO以外の微量のFe成分、Mn成分、Zn成分、PO成分も溶液中に残る。
次いで、上記の沈殿物(LiFe0.25Mn0.7Zn0.05PO)を含む溶液を純水で洗浄すると、過剰のLi成分であるLiClや、原料由来の未反応物であるFeCl、MnCl、ZnClは水溶性であるために洗浄水に溶け込み、廃液として回収される。従って、この廃液に含まれるLiを再利用するためには、廃液中に存在する塩化物イオン(Cl)、鉄(II)イオン(Fe2+)、鉄(III)イオン(Fe3+)、マンガンイオン(Mn2+)、亜鉛イオン(Zn2+)を除去する必要がある。
鉄(II)イオン(Fe2+)、鉄(III)イオン(Fe3+)、マンガンイオン(Mn2+)、亜鉛イオン(Zn2+)を除去するためには、廃液にアルカリ性の化合物を添加して、鉄(II)イオン(Fe2+)、鉄(III)イオン(Fe3+)、マンガンイオン(Mn2+)、亜鉛イオン(Zn2+)を水酸化物、またはリン酸塩として沈降させる。その後、この水酸化物またはリン酸塩を含む廃液をろ過し、さらに、ろ過した水酸化物またはリン酸塩を純水で洗浄することで、リチウムイオン(Li)および塩化物イオン(Cl)を廃液として回収する。
次いで、リチウムイオン(Li)および塩化物イオン(Cl)を含む廃液に、リン酸(HPO)を添加して強酸性の溶液とした後、その溶液に中和剤を添加して、その溶液を中性〜アルカリ性とする。これにより、その溶液中のリチウムイオン(Li)とリン酸イオン(PO 3−)を反応させて、難溶性のリン酸リチウム(LiPO)として析出させる。その後、このLiPOを含む溶液をろ過し、さらに、ろ過したLiPOを純水で洗浄することで、LiをLiPOとして高効率にて回収する。
さらに、LiFe0.25Mn0.7Zn0.05POを生成する際に消費されたLiについては、廃液に必要量のリン酸(HPO)等のリン酸源およびLi源を補充して、合成時と回収時のLiの収支を一致させることにより、LiFe0.25Mn0.7Zn0.05POの合成、回収のサイクルが形成される。その結果、LiFe0.25Mn0.7Zn0.05POを、より効率よくかつ低コストにて合成し、回収することができる。
本実施形態の電極材料の製造方法は、以上のような考えに基づいてなされたものである。
次に、本実施形態の電極材料の製造方法について、図1に基づき、より具体的に説明する。
「工程A」
まず、水を主成分とする溶媒にLi源およびリン酸源を投入し、これらLi源およびリン酸源を反応させてリン酸リチウム(LiPO)を生成させ、リン酸リチウムスラリーとする(SP1)。
Li源としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、リン酸リチウム(LiPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
このLi源の最大粒径は、500μm以下であることが好ましい。ここで、Li源の最大粒径を500μm以下と限定した理由は、最大粒径が500μm以下であれば、LiFe1−y−zPO粒子が粗大化することを防止できるからである。
リン酸源としては、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)、およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの中でも、比較的純度が高く、組成制御が行い易いことから、オルトリン酸、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウムが好適である。
リン酸リチウムスラリーにおけるリン酸リチウム(LiPO)の最大粒径は、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
LiPOの最大粒径を500μm以下と限定することで、粒径が0.01μm(10nm)以上かつ1μm以下のLiFe1−y−zPO微粒子が得られる。
また、水を主成分とする溶媒としては、純水、水−アルコール溶液、水−ケトン溶液、水−エーテル溶液等が挙げられる。これらの中でも、純水が好ましい。
純水が好ましい理由は、純水は安価であり、しかも、温度、圧力の操作により容易に各物質に対する溶解度等の溶媒物性を制御することができるからである。
次いで、リン酸リチウムに、Fe源、A源およびM源を、水を主成分とする溶媒に投入し、攪拌してLiFe1−y−zPOの前駆体を含む原料スラリー(懸濁液)を調製する(SP2)。
ここで、還元剤を原料スラリーに投入してもよい。還元剤を添加することで、Fe源およびA源の酸化を抑制することができ、高純度のLiFe1−y−zPOを得ることができる。還元剤としては、二酸化硫黄(SO)、亜硫酸(HSO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO)、亜硫酸アンモニウム((NHSO)、亜リン酸(HPHO)およびアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Fe源としては、2価のFe化合物である塩化鉄(II)(FeCl)、硫酸鉄(II)(FeSO)、酢酸鉄(II)(Fe(CHCOO))等の鉄化合物またはその水和物等が用いられ、3価のFe化合物であるリン酸鉄リチウム(III)(FePO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO)、塩化鉄(III)(FeCl)、クエン酸鉄(III)(FeC)等の鉄化合物またはその水和物等が用いられる。
A源としては、マンガン化合物からなるMn源、コバルト化合物からなるCo源およびニッケル化合物からなるNi源からなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。
M源としては、マグネシウム化合物からなるMg源、カルシウム化合物からなるCa源、ストロンチウム化合物からなるSr源、バリウム化合物からなるBa源、チタン化合物からなるTi源、亜鉛化合物からなるZn源、ホウ素化合物からなるB源、アルミニウム化合物からなるAl源、ガリウム化合物からなるGa源、インジウム化合物からなるIn源、ケイ素化合物からなるSi源、ゲルマニウム化合物からなるGe源および希土類元素の化合物からなる希土類元素源からなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。
Mn源としては、Mn塩が好ましく、例えば、塩化マンガン(II)(MnCl)、硫酸マンガン(II)(MnSO)、硝酸マンガン(II)(Mn(NO)、酢酸マンガン(II)(Mn(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Mn源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Co源としては、Co塩が好ましく、例えば、塩化コバルト(II)(CoCl)、硫酸コバルト(II)(CoSO)、硝酸コバルト(II)(Co(NO)、酢酸コバルト(II)(Co(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Co源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ni源としては、Ni塩が好ましく、例えば、塩化ニッケル(II)(NiCl)、硫酸ニッケル(II)(NiSO)、硝酸ニッケル(II)(Ni(NO)、酢酸ニッケル(II)(Ni(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Ni源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Mg源としては、Mg塩が好ましく、例えば、塩化マグネシウム(II)(MgCl)、硫酸マグネシウム(II)(MgSO)、硝酸マグネシウム(II)(Mg(NO)、酢酸マグネシウム(II)(Mg(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Mg源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ca源としては、Ca塩が好ましく、例えば、塩化カルシウム(II)(CaCl)、硫酸カルシウム(II)(CaSO)、硝酸カルシウム(II)(Ca(NO)、酢酸カルシウム(II)(Ca(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Ca源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Sr源としては、Sr塩が好ましく、例えば、炭酸ストロンチウム(SrCo)、硫酸ストロンチウム(SrSO)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH))が挙げられる。Sr源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ba源としては、Ba塩が好ましく、例えば、塩化バリウム(II)(BaCl)、硫酸バリウム(II)(BaSO)、硝酸バリウム(II)(Ba(NO)、酢酸バリウム(II)(Ba(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Ba源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Zn源としては、Zn塩が好ましく、例えば、塩化亜鉛(II)(ZnCl)、硫酸亜鉛(II)(ZnSO)、硝酸亜鉛(II)(Zn(NO)、酢酸亜鉛(II)(Zn(CHCOO))、および、これらの水和物が挙げられる。Zn源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ti源としては、Ti塩が好ましく、例えば、塩化チタン(TiCl、TiCl、TiCl)、酸化チタン(TiO)、および、これらの水和物が挙げられる。Ti源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
B源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物、酸化物等のホウ素化合物が挙げられる。B源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Al源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物等のアルミニウム化合物が挙げられる。Al源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ga源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物等のガリウム化合物が挙げられる。Ga源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
In源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物等のインジウム化合物が挙げられる。In源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Si源としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、四塩化珪素(SiCl)、ケイ酸塩、有機ケイ素化合物等が挙げられる。Si源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
Ge源としては、例えば、塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物、酸化物等のゲルマニウム化合物が挙げられる。Ge源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
希土類元素源としては、例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuの塩化物、硫酸化物、硝酸化物、酢酸化物、水酸化物、酸化物等が挙げられる。希土類元素源としては、これらの化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
これらLi源、Fe源、A源、M源およびリン酸源の混合比は、後述する水熱合成時に不純物が生成しない限り限定されない。
Li源のリチウムイオンは、Fe源の鉄イオン(鉄(II)イオン、鉄(III)イオン)とA源のAイオンとM源のMイオンとの合計1モルに対して、2モル以上かつ4モル以下であることが好ましく、2.5モル以上かつ3.5モル以下であることがより好ましい。
リン酸源のリン酸イオンは、鉄イオン(鉄(II)イオン、鉄(III)イオン)とA源のAイオンとM源のMイオンとの合計1モルに対して、0.9モル以上かつ1.1モル以下であることが好ましく、0.98モル以上かつ1.02モル以下であることがより好ましい。
ここで、Fe源の鉄イオン(鉄(II)イオン、鉄(III)イオン)とA源のAイオンとM源のMイオンとの合計1モルに対する、Li源のリチウムイオンのモル数を上記の範囲に限定した理由は、リチウムイオンが2モル以上であれば、反応に関与するリチウムイオンが、Fe源、A源およびM源に含まれる陰イオンと対イオンを形成する確率が低くなり、その結果、反応時間が長くなるという不具合が生じない。また、不純物が生成するという不具合が生じない。さらに、粒子が粗大化するという不具合が生じない。一方、リチウムイオンが4モル以下であれば、反応液のアルカリ性が弱くなるため、不純物が生成し難くなる。
「工程B」
工程Aで調製した原料スラリー(懸濁液)を高温高圧の条件下にて反応(水熱合成)させ、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を生成する(SP3)。
高温高圧の条件は、LiFe1−y−zPOが生成する温度、圧力および時間の範囲であればよい。特に、平均粒径が1μm以下のLiFe1−y−zPO粒子を得るためには、反応温度は120℃以上かつ250℃以下であることが好ましく、150℃以上かつ220℃以下であることがより好ましい。また、反応時の圧力は0.2MPa以上であることが好ましく、0.4MPa以上であることがより好ましい。また、反応時間は、反応温度にもよるが、1時間以上かつ24時間以下であることが好ましく、2時間以上かつ12時間以下であることがより好ましい。
「工程C」
LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を、純水を用いて洗浄し、ろ過等により、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する(SP4)。第1の溶液は、Li含有廃液(未反応のLiを含む溶液)である。
分離されたLiFe1−y−zPOは、乾燥器等を用いて40℃以上にて3時間以上乾燥し、その後、粉砕等を施すことにより、LiFe1−y−zPO粒子となる(SP5)。得られたLiFe1−y−zPO粒子は、平均粒径が0.01μm以上かつ1μm以下であることが好ましく、0.02μm以上かつ0.5μm以下であることがより好ましい。
「工程D」
工程Cで分離した第1の溶液に、第1のアルカリを添加し、攪拌することで、第1の溶液に含まれるFe成分、A成分、M成分、PO成分等の不純物成分を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる(SP6)。
次いで、第1の溶液中のFe成分、A成分、M成分、PO成分からなる固体(固化物)をろ過等の処理にて除去することにより、精製された第2の溶液を得る(SP7)。第2の溶液は、Li含有溶液(不純物が除去された溶液)である。ここで、除去されたFe成分、A成分、M成分、PO成分等の不純物は、廃棄処分される。
第1のアルカリの添加量は、添加後の第1の溶液のpHが10.5以上かつ11.8以下となるように調整することが好ましく、11.0以上かつ11.8以下となるように調整することがより好ましい。
pHを10.5以上に調整することで、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を充分に生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、pHを11.8以下に調整することで、必要以上の過剰な第1のアルカリの添加を抑制することができ、製造コストを低減することができ、かつ環境負荷を低減できる。
また、第1のアルカリを添加後に攪拌する際、Fe成分(Fe化合物)、A成分(A化合物)、M成分(M化合物)およびPO成分(リン酸化合物)を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に、第1の溶液中に大気等の酸素を含む気体を注入(バブリング)してもよい。第1の溶液中に大気等の酸素を含む気体を注入することで、第1の溶液中の溶存酸素量が増大し、より効率的に、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。
第1の溶液中に注入(バブリング)する大気等の酸素を含む気体の流入速度{(大気等の酸素を含む気体の流入体積/第1の溶液の体積)/hr}は0.5hr−1以上かつ10.0hr−1であることが好ましく、1.0hr−1以上かつ8.0hr−1であることがより好ましい。
気体の流入速度が0.5hr−1以上であると、第1の溶液中の溶存酸素量を充分に高めることができ、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度が速くなるので、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、気体の流入速度が10.0hr−1を超えても、第1の溶液中の溶存酸素量は大きく変わらず、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度も大きくは変わらないので、工業的観点から気体の流入速度は10.0hr−1以下であるのが好ましい。
第1のアルカリとしては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物のいずれかであり、かつ酸性側で溶解するものが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。これらのアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物としては、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、炭酸リチウム(LiCO)、水酸化バリウム(Ba(OH))等が挙げられる。これらの中でも、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、リチウム化合物である、水酸化リチウムおよび炭酸リチウムが特に好ましい。これらのアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
「工程E」
第2の溶液にリン酸源を添加し、LiおよびPO含有溶液とする(SP8)。このリン酸源の添加量は、工程Aにおけるリン酸源の添加量と等モル量とすることが好ましい。
リン酸源としては、工程Aと同様に、オルトリン酸(HPO)、メタリン酸(HPO)等のリン酸、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)、リン酸アンモニウム((NHPO)、およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
ここで、第2の溶液に、工程Aにおけるリン酸源の添加量と等モル量のリン酸源を添加することとした理由は、後工程で化学量論的組成からなるLiFe1−y−zPOが得られるからである。
次いで、このLiおよびPO含有溶液に、この溶液中のLiとPとの組成比(Li:P)がモル比で3:1となるようにLi源を添加し、さらに、第2のアルカリを添加する。
Li源としては、工程Aと同様に、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)、塩化リチウム(LiCl)、リン酸リチウム(LiPO)等のリチウム無機酸塩、酢酸リチウム(LiCHCOO)、蓚酸リチウム((COOLi))等のリチウム有機酸塩、およびこれらの水和物からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。
第2のアルカリとしては、中和時に不純物が生成し難いアルカリ、すなわち、生成する不純物が全て水に易溶であり、水で洗浄する際に、容易にリン酸リチウムと分離することができるものが好ましい。これらの中でも、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)およびアンモニア(NH)からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
これにより、リン酸リチウム(LiPO)を含む溶液が生成される(SP9)。次いで、このLiPOを含む溶液を静置させて、溶液中のLiPOを沈降させる。
次いで、このLiPOが沈降した溶液を、純水を用いて洗浄し、その後、ろ過等を用いて、この溶液をLiPOと廃液とに分離する(SP10)。ここで分離された廃液は、所定の処理が施されて清浄化され、放流される。
このようにして分離されたLiPOは、不純物となるFe成分、A成分、M成分等の含有量が極めて少ない。そこで、このLiPOを純水に分散させてリン酸リチウムスラリーとする(SP1)。
このように、工程A〜工程Eを繰り返し行うことにより、廃液として排出される余剰のLiを廃棄することなく、しかも不純物となるFe成分、A成分、M成分等の含有量が極めて少ないLiPOとして回収、再利用することができる。また、Liにかかるコストを削減し、安価にLiFe1−y−zPOを得ることが可能になる。
なお、このLiPOの粒径を500μm以下としたい場合、生成したLiPOをボールミル等の湿式法あるいはピンミル等の乾式法で粉砕することにより達成することができる。また、工程Aで溶媒にLi源およびリン酸源を投入する際に、Li源を500μm以下、好ましくは100μm以下の微粉体とし、この微粉体のLi源とリン酸源とを反応させることによっても、粒径が500μm以下のLiPO微粒子を得ることができる。
このようにして得られた電極材料は、LiFe1−y−zPOにて表される電極材料である。この電極材料は、リチウム二次電池、特にリチウムイオン二次電池に適用した場合には、正極の正極材料として好適に用いられる。
このLiFe1−y−zPOの平均粒径は、0.01μm以上かつ1μm以下であることが好ましく、0.02μm以上かつ0.5μm以下であることがより好ましい。
LiFe1−y−zPOの平均粒径が0.01μm以上であれば、Liの挿入・脱離に伴う構造変化により粒子が破壊することがない。また、LiFe1−y−zPOを正極活物質として用いた場合、比表面積が大きくなり過ぎることがなく、接合剤を過剰に必要とすることもないため、正極の充填密度が低下することもなく、導電率が大きく低下する等の問題が生じない。一方、LiFe1−y−zPOの平均粒径が1μm以下であれば、正極活物質の内部抵抗が高くなることがなく、リチウムイオンの移動も遅延することがないため、利用率が低下する等の問題が生じない。
なお、より高出力を可能にするためには、正極活物質の内部抵抗への影響が小さい0.5μm以下の粒子を用いることが好ましい。
[リン酸リチウムの回収方法]
本実施形態のリン酸リチウムの回収方法は、Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、第2の溶液からリン酸リチウムを回収する工程cと、を備える方法である。
次に、本実施形態のリン酸リチウムの回収方法について、図2に基づき、より具体的に説明する。
「工程a」
Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリを添加し、攪拌することで、第1の溶液に含まれるFe成分、A成分、M成分、PO成分等の不純物成分を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる(SP11)。
Liを含む第1の溶液は、例えば、LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造過程において生成した、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を、純水を用いて洗浄し、ろ過等により、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離して得られたものである。
次いで、第1の溶液中のFe成分、A成分、M成分、PO成分からなる固体(固化物)をろ過等の処理にて除去することにより、精製された第2の溶液を得る(SP12)。第2の溶液は、Li含有溶液(不純物が除去された溶液)である。ここで、除去されたFe成分、A成分、M成分、PO成分等の不純物は、廃棄処分される。
第1のアルカリの添加量は、添加後の第1の溶液のpHが10.5以上かつ12.0以下となるように調整することが好ましく、11.0以上かつ11.8以下となるように調整することがより好ましい。
pHを10.5以上に調整することで、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を充分に生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、pHを12.0以下に調整することで、必要以上の過剰な第1のアルカリの添加を抑制することができ、製造コストを低減することができ、かつ環境負荷を低減できる。
また、第1のアルカリを添加後に攪拌する際、Fe成分(Fe化合物)、A成分(A化合物)、M成分(M化合物)およびPO成分(リン酸化合物)を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に、第1の溶液中に大気等の酸素を含む気体を注入(バブリング)してもよい。第1の溶液中に大気等の酸素を含む気体を注入することで、第1の溶液中の溶存酸素量が増大し、より効率的に、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩を生成させることができ、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。
第1の溶液中に注入(バブリング)する大気等の酸素を含む気体の流入速度{(大気等の酸素を含む気体の流入体積/第1の溶液の体積)/hr}は0.5hr−1以上かつ10.0hr−1であることが好ましく、1.0hr−1以上かつ8.0hr−1であることがより好ましい。
気体の流入速度が0.5hr−1以上であると、第1の溶液中の溶存酸素量を充分に高めることができ、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度が速くなるので、より高純度で不純物の少ない第2の溶液を得ることができる。一方、気体の流入速度が10.0hr−1を超えても、第1の溶液中の溶存酸素量は大きく変わらず、Fe成分、A成分、M成分の水酸化物またはリン酸塩の生成速度も大きくは変わらないので、工業的観点から気体の流入速度は10.0hr−1以下であるのが好ましい。
第1のアルカリとしては、電極材料の製造方法と同様のものが用いられる。
「工程b」
第2の溶液にリン酸源を添加し、LiおよびPO含有溶液とする(SP13)。このリン酸源の添加量は、第2の溶液中のリチウム元素に対してリン元素がモル比(Li/P)で3以下とすることが好ましい。第2の溶液中のリチウム元素に対してリン元素がモル比(Li/P)で3以下となるようにリン酸源の添加量を調整することで、次の手順でLi源を添加する際にLiとPの組成比(Li:P)がモル比で3:1となるように調整することができる。
リン酸源としては、電極材料の製造方法と同様のものが用いられる。
次いで、このLiおよびPO含有溶液に、この溶液中のLiとPとの組成比(Li:P)がモル比で3:1となるようにLi源を添加し、さらに、第2のアルカリを添加する。
Li源としては、電極材料の製造方法と同様のものが用いられる。
第2のアルカリとしては、電極材料の製造方法と同様のものが用いられる。
これにより、リン酸リチウム(LiPO)を含む溶液が生成される(SP14)。次いで、このLiPOを含む溶液を静置させて、溶液中のLiPOを沈降させる。
「工程c」
次いで、このLiPOが沈降した溶液を、純水を用いて洗浄し、その後、ろ過等を用いて、この溶液をLiPOと廃液とに分離し、LiPOを回収する(SP15)。ここで分離された廃液は、所定の処理が施されて清浄化され、放流される。
このようにして分離、回収されたLiPOは、不純物となるFe成分、A成分、M成分等の含有量が極めて少ない。
そこで、このLiPOを純水に分散させてリン酸リチウムスラリーとし、上述の電極材料の製造方法に用いることができる。
このように、工程a〜工程cを行うことにより、廃液として排出される余剰のLiを廃棄することなく、しかも不純物となるFe成分、A成分、M成分等の含有量が極めて少ないLiPOとして回収、再利用することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(工程A)
純水1Lに水酸化リチウム(LiOH)3molおよびオルトリン酸(HPO)1molを加えて撹拌し、リン酸リチウムスラリーを得た。
次いで、このリン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl)0.3mol、塩化マンガン(II)(MnCl)0.7molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1を調製した。
(工程B)
次いで、この原料液A−1を耐圧密閉容器に投入し、密閉状態で140℃にて2時間加熱し、水熱合成した。
(工程C)
次いで、得られた反応液を耐圧密閉容器から取り出し、純水6Lを用いて洗浄した後にろ過し、粉体とろ液とに分離した。その後、この粉体を乾燥し、試料B−1を得た。
(工程D)
次いで、上記のろ液に水酸化リチウム(LiOH)をpHが10.5となるまで加えた後、ろ液に対して大気を注入(バブリング)しながら4時間攪拌することで沈殿物を析出させた。この時、大気の流入速度は2.5hr−1になるよう調整した。
次いで、このろ液から沈殿物を除去し、Li含有溶液を得た。
(工程E)
次いで、このLi含有溶液にオルトリン酸(HPO)2/3molを加えて撹拌し、その後、アンモニア水(NHOH)2molを加え、白色の沈殿物を得た。
この白色の沈殿物を、純水2Lを用いて洗浄し、その後、乾燥し、白色試料C−1を得た。
(工程A’)
次いで、白色試料C−1のうち115.8gを純水0.5Lに投入し撹拌して、リン酸リチウムスラリーを得た。
次いで、このリン酸リチウムスラリーに塩化鉄(II)(FeCl)0.3molおよび塩化マンガン(II)(MnCl)0.7molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、上記の原料液A−1と同一の組成の原料液A−2を作製した。
(工程B’)
次いで、この原料液A−2を耐圧密閉容器に投入し、密閉状態で140℃にて2時間加熱し、水熱合成した。
(工程C’)
次いで、得られた反応液を耐圧密閉容器から取り出し、純水6Lを用いて洗浄した後にろ過し、粉体とろ液とに分離した。その後、この粉体を乾燥し、試料B−2を得た。
(工程D’)
次いで、上記のろ液に水酸化リチウム(LiOH)をpHが10.5となるまで加えた後、ろ液に対して大気を注入(バブリング)しながら4時間攪拌することで沈殿物を析出させた。この時、大気の流入速度は2.5hr−1になるよう調整した。
次いで、このろ液から沈殿物を除去し、Li含有溶液を得た。
(工程E’)
次いで、このLi含有溶液にオルトリン酸(HPO)2/3molを加えて撹拌し、その後、アンモニア水(NHOH)2molを加え、白色の沈殿物を得た。
この白色の沈殿物を、純水を用いて洗浄し、その後、乾燥し、白色試料C−2を得た。
[実施例2]
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例2の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例3]
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.5となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例3の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例4]
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが11.8となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、実施例4の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例5]
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例5の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例6]
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例6の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例7]
実施例3の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例3に準じて、実施例7の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例8]
実施例4の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化ナトリウム(NaOH)を用いたこと以外は、実施例4に準じて、実施例8の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例9]
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例9の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例10]
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例10の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例11]
実施例3の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例3に準じて、実施例11の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例12]
実施例4の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに水酸化カリウム(KOH)を用いたこと以外は、実施例4に準じて、実施例12の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例13]
実施例1の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに炭酸リチウム(LiCO)を用いたこと以外は、実施例1に準じて、実施例13の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例14]
実施例2の工程Dおよび工程D’で水酸化リチウム(LiOH)の代わりに炭酸リチウム(LiCO)を用いたこと以外は、実施例2に準じて、実施例14の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例15]
実施例1の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例1に準じて、実施例15の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例16]
実施例2の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例2に準じて、実施例16の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例17]
実施例3の工程Dおよび工程D’で、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例3に準じて、実施例17の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例18]
実施例4の工程Dおよび工程D’にて、ろ液に対して大気を注入(バブリング)せずに24時間攪拌したこと以外は、実施例4に準じて、実施例18の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例19]
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl)0.7mol、塩化マグネシウム(MgCl)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例19の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例20]
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl)0.7mol、塩化コバルト(CoCl)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例20の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例21]
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl)0.7mol、塩化ニッケル(NiCl)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例21の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[実施例22]
実施例3の工程Aおよび工程A’にて、リン酸リチウムスラリーに、塩化鉄(II)(FeCl)0.25mol、塩化マンガン(II)(MnCl)0.7mol、塩化亜鉛(ZnCl)0.05molを添加し、さらに、還元剤として亜硫酸(HSO)0.01molを添加し、水を加えて総量を2Lとし、原料液A−1としたこと以外は、実施例3に準じて、実施例22の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例1]
実施例1の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例1に準じて、比較例1の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例2]
実施例5の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化ナトリウム(NaOH)を加えたこと以外は、実施例5に準じて、比較例2の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例3]
実施例9の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化カリウム(KOH)を加えたこと以外は、実施例9に準じて、比較例3の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例4]
実施例13の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に炭酸リチウム(LiCO)を加えたこと以外は、実施例13に準じて、比較例4の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例5]
実施例15の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例15に準じて、比較例5の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例6]
実施例19の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例19に準じて、比較例6の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例7]
実施例20の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例20に準じて、比較例7の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例8]
実施例21の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例21に準じて、比較例8の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[比較例9]
実施例22の工程Dおよび工程D’でpHが10.0となるまで、ろ液に水酸化リチウム(LiOH)を加えたこと以外は、実施例22に準じて、比較例9の試料B−2および白色試料C−2を得た。
[粉体試料の評価]
(組成分析)
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9の白色試料C−2の不純物の分析をICP分析により行った。不純物の測定の結果を表1および表2に示す。検出下限値以下の場合はN.D.(Not Ditect)と表記した。
(リチウムイオン二次電池の作製および評価)
[カーボンコート処理]
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9で得られた各々の試料B−2を固形分換算で100gに対し、ポリエチレングリコール4g、純水100gを加え、5mm径のジルコニアビーズをメディアとしたボールミルにて12時間粉砕・分散処理を行い、均一なスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを170℃の大気雰囲気中に噴霧して乾燥させ、平均粒径が約6μmの造粒体を得た。この造粒体を不活性雰囲気下、750℃にて1時間焼成し、実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、「正極材料A1」と言う。)を作製した。
[リチウムイオン二次電池の作製]
上記のリチウムイオン二電池用正極活物質について、以下の処理を行い、実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池を作製した。
溶媒であるN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)に、正極材料A1と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)とを、ペースト中の質量比で、正極材料A1:AB:PVdF=90:5:5となるように加えて、これらを混合し、正極材料ペースト(正極用)を調製した。
次いで、この正極材料ペーストを、厚さ30μmのアルミニウム箔(電極集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、アルミニウム箔の表面に正極合剤層を形成した。正極と負極の容量比が1.2(負極/正極)となるように正極合剤層の厚さを調整した。
その後、正極合剤層を、正極密度が1.6g/mLとなるように、所定の圧力にて加圧した後、成形機を用いて正極面積9cmの円板状に打ち抜き、正極を作製した。
次いで、溶媒である純水に、負極活物質としての天然黒鉛と、結着剤としてのスチレンブタジエンラテックス(SBR)と、粘度調整材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、ペーストの質量比で、天然黒鉛:SBR:CMC=98:1:1となるように加えて、これらを混合し、負極材料ペースト(負極用)を調製した。
調製した負極材料ペースト(負極用)を、厚さ10μmの銅箔(集電体)の表面に塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥し、銅箔表面に負極合剤層を形成した。負極合剤層の目付量が4.4mg/cmとなるよう塗布厚を調整した。
その後、負極合剤層を、負極密度が1.42g/mLとなるように、所定の圧力にて加圧した後、成形機を用いて負極面積9.6cmの正方形状に打ち抜き、負極を作製した。
作製した正極と負極とを、ポリプロピレンからなる厚さ25μmのセパレータを介して対向させ、電解液としての1mol/LのLiPF溶液0.5mLに浸漬した後、ラミネートフィルムにて封止して、リチウムイオン二次電池を作製した。LiPF溶液としては、炭酸エチレンと、炭酸エチルメチルとを、体積比で1:1となるように混合したものを用いた。
[リチウムイオン二次電池の評価]
実施例1〜実施例22および比較例1〜比較例9のリチウムイオン二次電池の評価を、高温サイクル試験により行った。試験方法は以下のとおりである。
リチウムイオン二次電池を、環境温度60℃にて、1C電流値で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行った後、定電圧充電に切替えて電流値が0.1Cとなった時点で充電を終了し、その後、1C電流値にて電池電圧が2.5Vになるまで定電流放電を行うまでを1サイクルとし、300サイクル実施した。1サイクル目の放電容量を分母とし、300サイクル目の放電容量を分子としたときの百分率を容量維持率とした。結果を表1および表2に示す。容量維持率70%以上を◎、65%以上かつ70%未満を〇、60%以上かつ65%未満を△、60%未満を×として電池特性を評価した。
Figure 0006528890
Figure 0006528890
表1および表2の結果から、実施例1〜実施例22と比較例1〜比較例9を比較すると、ろ液のpHを10.5以上かつ11.8以下に調整した実施例1〜実施例22は、比較例1〜比較例9に比べて、試料C−2の不純物量が少なく、リチウムイオン二次電池の容量維持率に優れることを確認した。また、ろ液のpHを高く調整するほど、試料C−2の不純物量が少なく、リチウムイオン二次電池の容量維持率が優れることも確認した。また、大気の注入(バブリング)を行うことで、さらに試料C−2の不純物量を低減することができ、リチウムイオン二次電池の容量維持率が向上することも確認した。
本発明の電極材料は、本発明の電極材料の製造方法により製造され、LiFe1−y−zPOにて表される電極材料であり、不純物量が少ないものである。従って、この電極材料をリチウムイオン二次電池の正極に適用した場合、その正極を備えたリチウムイオン二次電池は、容量維持率に優れるため、より高電圧、高エネルギー密度、高負荷特性および高速充放電特性が期待される次世代の二次電池に対しても適用することが可能であり、次世代の二次電池の場合、その効果は非常に大きなものである。

Claims (10)

  1. LiFe1−y−zPO(但し、AはMn、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも1種、MはMg、Ca、Sr、Ba、Ti、Zn、B、Al、Ga、In、Si、Geおよび希土類元素からなる群から選択される少なくとも1種、0.85≦x≦1.05、0.05≦y≦1.00、0.00≦z≦0.20)で表される電極材料の製造方法であって、
    Li源とリン酸源を反応させてなるリン酸リチウムスラリーに、Fe源、A源およびM源を添加して懸濁液を調製する工程Aと、
    前記懸濁液を高温高圧条件下にて反応させ、LiFe1−y−zPOを含む粗生成物を生成する工程Bと、
    前記粗生成物を、LiFe1−y−zPOを主成分とする主生成物と、他の生成物を含む第1の溶液とに分離する工程Cと、
    前記他の生成物を含む第1の溶液に、pHが10.5以上かつ11.8以下となるまで第1のアルカリを添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程Dと、
    前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(Li:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程Eと、を備え、
    前記工程Dにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に、前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入し、
    前記工程Eにて得られたリン酸リチウムをLi源およびリン酸源として用いて前記工程A以降を行い、再度、前記主生成物を得ることを特徴とする電極材料の製造方法。
  2. 前記工程Dにおいて、pHが11.0以上かつ11.8以下となるまで前記第1のアルカリを添加することを特徴とする請求項1に記載の電極材料の製造方法。
  3. 前記第1のアルカリは、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の電極材料の製造方法。
  4. 前記第2のアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
  5. 前記工程Aにおいて、前記懸濁液に還元剤を添加することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の電極材料の製造方法。
  6. 前記還元剤は、二酸化硫黄、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜リン酸およびアスコルビン酸からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の電極材料の製造方法。
  7. Liを含む第1の溶液に、第1のアルカリをpHが10.5以上かつ12.0以下となるまで添加し、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させ、その固化物を除去して、第2の溶液を得る工程aと、
    前記第2の溶液にLi源とリン酸源を添加して、前記第2の溶液中のリチウム元素とリン元素の組成比(L i:P)がモル比で3:1になるように調整し、この組成比を調整した第2の溶液に第2のアルカリを添加してリン酸リチウムを生成させる工程bと、
    前記第2の溶液から前記リン酸リチウムを回収する工程cと、を備え
    前記工程aにおいて、Fe化合物、A化合物、M化合物およびリン酸化合物を含む不純物を、水酸化物またはリン酸塩として固化させる際に前記第1の溶液に、酸素を含む気体を注入することを特徴とするリン酸リチウムの回収方法。
  8. 前記工程aにおいて、pHが11.0以上かつ11.8以下となるまで前記第1のアルカリを添加することを特徴とする請求項に記載のリン酸リチウムの回収方法。
  9. 前記第1のアルカリは、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび炭酸リチウムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載のリン酸リチウムの回収方法。
  10. 前記第2のアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよびアンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のリン酸リチウムの回収方法。
JP2018176202A 2018-09-20 2018-09-20 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法 Active JP6528890B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018176202A JP6528890B1 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018176202A JP6528890B1 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6528890B1 true JP6528890B1 (ja) 2019-06-12
JP2020047514A JP2020047514A (ja) 2020-03-26

Family

ID=66821606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018176202A Active JP6528890B1 (ja) 2018-09-20 2018-09-20 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6528890B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111740102A (zh) * 2020-06-23 2020-10-02 自贡同发荣新材料有限公司 基于低品位磷酸锂制成用作新能源电池的磷酸锂的方法
CN115072689A (zh) * 2022-08-19 2022-09-20 矿冶科技集团有限公司 一种节能高效回收铁锂的磷酸铁锂电池处理方法
CN116553510A (zh) * 2023-05-11 2023-08-08 江苏大学 一种磷酸铁锂废粉的回收再生方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000325969A (ja) * 1999-05-21 2000-11-28 Daido Steel Co Ltd 酸性廃液の中和処理方法及び装置
JP4106431B2 (ja) * 2002-10-09 2008-06-25 独立行政法人産業技術総合研究所 リチウムフェライト複合酸化物の製造方法
JP2005161188A (ja) * 2003-12-02 2005-06-23 Mitsubishi Materials Corp 排水処理装置
JP4544970B2 (ja) * 2004-11-09 2010-09-15 Jfeスチール株式会社 酸洗廃液の処理方法および酸洗廃液用処理装置
JP4767798B2 (ja) * 2006-09-05 2011-09-07 住友大阪セメント株式会社 電極材料の製造方法、リチウムの回収方法、正極材料及び電極並びに電池
JP5651937B2 (ja) * 2008-09-10 2015-01-14 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法、ならびにこれを用いた非水系電解質二次電池
JP5636688B2 (ja) * 2010-02-23 2014-12-10 住友大阪セメント株式会社 電極材料の製造方法及びリン酸リチウムの回収方法
JP5329006B1 (ja) * 2011-09-29 2013-10-30 昭和電工株式会社 リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
KR101689212B1 (ko) * 2011-12-07 2016-12-26 삼성에스디아이 주식회사 리튬 이차전지용 양극 활물질, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지
JP2018041683A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 太平洋セメント株式会社 オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111740102A (zh) * 2020-06-23 2020-10-02 自贡同发荣新材料有限公司 基于低品位磷酸锂制成用作新能源电池的磷酸锂的方法
CN115072689A (zh) * 2022-08-19 2022-09-20 矿冶科技集团有限公司 一种节能高效回收铁锂的磷酸铁锂电池处理方法
CN115072689B (zh) * 2022-08-19 2022-11-11 矿冶科技集团有限公司 一种节能高效回收铁锂的磷酸铁锂电池处理方法
CN116553510A (zh) * 2023-05-11 2023-08-08 江苏大学 一种磷酸铁锂废粉的回收再生方法
CN116553510B (zh) * 2023-05-11 2024-05-03 上饶溢骏鑫环境科技有限公司 一种磷酸铁锂废粉的回收再生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020047514A (ja) 2020-03-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4767798B2 (ja) 電極材料の製造方法、リチウムの回収方法、正極材料及び電極並びに電池
JP5472099B2 (ja) リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法、該製造方法で得られたリチウムイオン電池用正極活物質、リチウムイオン電池用電極、及びリチウムイオン電池
CN102668194B (zh) 阴极活性材料前体和活性材料,及其制造方法
JP5636688B2 (ja) 電極材料の製造方法及びリン酸リチウムの回収方法
JP6528890B1 (ja) 電極材料の製造方法、リン酸リチウムの回収方法
JP5835334B2 (ja) リン酸アンモニウムマンガン鉄とその製造方法、および該リン酸アンモニウムマンガン鉄を用いたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法
CN104039693B (zh) 含锰金属磷酸盐及其制备方法
WO2011030786A1 (ja) リン酸第二鉄含水物粒子粉末及びその製造法、オリビン型リン酸鉄リチウム粒子粉末及びその製造法、並びに非水電解質二次電池
JP5165515B2 (ja) リチウムイオン二次電池
KR20110132566A (ko) 리튬 이온 전지용 정극 활물질의 제조 방법과 리튬 이온 전지용 정극 활물질, 리튬 이온 전지용 전극 및 리튬 이온 전지
JP5004413B2 (ja) 燐酸アンモニウム鉄及びリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法、並びにリチウムイオン二次電池
JP5245084B2 (ja) オリビン型化合物超微粒子およびその製造方法
KR20190121857A (ko) 전이금속 수산화물 전구체를 제조하기 위한 질산염 공정
US11855281B2 (en) Methods for the production of cathode materials for lithium ion batteries
CN107074586B (zh) 镍锂金属复合氧化物及其制造方法和应用
US20180346334A1 (en) Phosphate compounds suitable for the production of cathodes for li-ion batteries
KR101684387B1 (ko) 올리빈형 리튬 망간-철 인산화물의 제조방법 및 그로부터 제조된 올리빈형 리튬 망간-철 인산화물
CN101209961B (zh) 一种草酸亚铁水合盐晶体的制备方法
CA3175147A1 (en) Alternative method for making lithium battery cathode materials
KR101565300B1 (ko) 올리빈형 리튬 망간 인산화물의 제조방법 및 그로부터 제조된 올리빈형 리튬 망간 인산화물
WO2024124694A1 (zh) 一种复合正极材料及其制备方法和应用
CN115458804A (zh) 一种纳米固态电解质磷酸钛铝锂及制备方法和应用
JP2016186878A (ja) リチウム二次電池正極活物質とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181115

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20181122

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190429

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6528890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350