JP5171322B2 - オーブンの扉の開度調整機構 - Google Patents

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本発明は、オーブンの扉の開度調整機構に関するものであり、更に詳しくは、炉内の湿度を調整するために扉の開状態が維持できるように構成した、オーブンの扉の開度調整機構に関するものである。
従来、この種のオーブンの扉の開度調整機構としては、図7(イ)(ロ)に示す構成のものが知られている。この扉の開度調整機構は、扉1の側部に回転自在に設けた開度調整板2と、オーブン本体3の開口端に設けた係留用ピン4とから構成される(特許文献1参照)。
扉1は、下端部の軸部5に設けた巻きバネ6によって閉方向に付勢されている。また、開度調整板2は、ピン7を中心にして回転自在に形成されると共に、周縁部に3箇所の切欠部2a、2b、2cが形成されている。それぞれの切欠部2a、2b、2cは、係留用ピン4からの距離が異なり、また、係留用ピン4と係合するように構成されている。
このような構成のオーブンの扉の開度調整機構は、一方の手で把手8を把持して扉1を半開にした状態で、他方の手で開度調整板2を回転させて位置決めし、さらに扉1を閉めながら、所望位置の切欠部2a、2b、2cと係留用ピン4とを係合させて、扉1を所定開度に維持するのである。
特開2002−162042号公報
この従来のオーブンの扉の開度調整機構においては、扉1を閉める動作と、開度調整板2の位置決めをする動作とを同時におこないながら、所望位置の切欠部2a、2b、2cと係留用ピン4とを係合させる動作をおこなう必要がある。つまり、これら3つの動作を両手を使って同時におこなう作業は結構煩雑であり、作業性が悪いという欠点を有している。
また、このような煩雑な作業の下では、切欠部の2a、2b、2cの係合位置を間違えて係留用ピン4に係合させるミスが生じやすく、また、開度調整板2と係留用ピン4との間に誤って指を挟む事故を起こしやすいという欠点がある。
従って、従来例におけるオーブンの扉の開度調整機構においては、開度調整の作業性を良好にすることと、作業ミスを防止して作業が安全におこなえるようにすることとに解決しなければならない課題を有している。
前記従来例の課題を解決する具体的手段として本発明は、オーブン本体と、該オーブン本体の開口部に開閉し且つ閉方向に付勢された扉とを備えるオーブンの扉の開度調整機構であって、前記扉の両端部にはブラケットが設けられ、少なくとも一方のブラケットには複数の小孔が形成され、該小孔に取外し自在に取付ける扉ストッパーを備え、前記小孔に前記扉ストッパーを取付け、該扉ストッパーを前記オーブン本体の正面板に当接させて前記扉の開状態を所要幅に維持することを特徴とするオーブンの扉の開度調整機構を提供するものである。
また、前記各小孔は、前記正面板からの距離がそれぞれ異なる位置に形成されている構成としたものであり、そして、前記扉ストッパーは、一端に軸部を有し他端に鍔部を有する軸本体と、前記軸部の基部に嵌着するリング状の磁石部材と、該磁石部材及び前記軸本体に嵌着するリング状のストッパー用ゴムとからなる構成としたものである。
本発明に係るオーブンの扉の開度調整機構は、オーブン本体と、該オーブン本体の開口部に開閉し且つ閉方向に付勢された扉とを備えるオーブンの扉の開度調整機構であって、前記扉の両端部にはブラケットが設けられ、少なくとも一方のブラケットには複数の小孔が形成され、該小孔に取外し自在に取付ける扉ストッパーを備え、前記小孔に前記扉ストッパーを取付け、該扉ストッパーを前記オーブン本体の正面板に当接させて前記扉の開状態を所要幅に維持することによって、扉の開度調整が速やかにおこなえて、その作業性が極めて良好である。
即ち、扉ストッパーを所望位置の小孔に取付けて扉を閉めれば、扉の開状態が所要幅に維持できるので、従来例のような煩雑な動作を必要としないという優れた効果を奏する。
また、各小孔は、前記正面板からの距離がそれぞれ異なる位置に形成されていることによって、扉ストッパーを取付ける小孔の位置の違いにより、扉ストッパーが正面板と当接したときに扉の開度が異なることとなる。従って、扉ストッパーを取付ける小孔を適宜に選択することによって、扉の開度を小幅、中幅、大幅などの種々の幅に設定できるという優れた効果を奏する。
そして、前記扉ストッパーは、一端に軸部を有し他端に鍔部を有する軸本体と、前記軸部の基部に嵌着するリング状の磁石部材と、該磁石部材及び前記軸本体に嵌着するリング状のストッパー用ゴムとからなることによって、軸部を小孔に挿入した時に磁石部材がブラケットに吸着するので、扉ストッパーの取付状態が安定する。
また、扉ストッパーがオーブン本体の正面板に当接する時にストッパー用ゴムがクッションの役割を果たすので、当接音が静かでソフトに当接するという種々の優れた効果を奏する。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、図1及び図2において、符号11はオーブンの扉の開度調整機構を示し、この扉の開度調整機構11は、ブラケット12に設けられる複数の小孔12a、12b、12c、12dと、この小孔に取外し自在に取付ける扉ストッパー13とを備え、所望位置の小孔12a、12b、12cに取付けた扉ストッパー13が、オーブン本体15のサイドカバー(正面板)15aに当接して扉17の開状態が所要幅に維持できるように構成される。
オーブン14は、オーブン本体15と、このオーブン本体15の開口部16に開閉し且つ閉方向に付勢された扉17とを備える。また、開口部16の両側には、サイドカバー(正面板)15aが設けられている。
扉17の下部には、図3に示すように、回動軸18が設けられており、この回動軸18の両端部が、軸受け19、軸受け19で回動自在に支持されている。
回動軸18の一端部とその上部との間には、扉スプリング機構20が設けられている。扉スプリング機構20は、図4に示すように、回動軸18の一端部に固着されたスプリングアーム21と、このスプリングアーム21に接続するチェン22と、このチェン22の上端部がフック23aを介して接続する扉スプリング本体23と、この扉スプリング本体23の上部が保持されるスプリング止め金具24とからなる。
このように、回動軸18の一端部に扉スプリング機構20が接続されていることによって、扉17の開閉時において開閉力又は制動力を回動軸18に付与して扉17の開閉操作がスムーズになると共に、扉17が閉方向に付勢される。なお、扉17を全開にしたときには、扉スプリング機構20の付勢力よりも扉17の自重が勝るので、扉17は全開状態が維持される。
ブラケット12は、ステンレス等の金属製材料で形成されている。また、図5(イ)及び図2に示すように、L字状に形成されており、基部12eが扉17の端部にビス25で固着されている。このブラケット12は、図3に示すように、扉17の両方の端部に設けられており、これらブラケット12、12の間に渡って把手26が設けられている。把手26は、その両端部26aがブラケット12の先端部にビス27で固着されている。
少なくとも一方のブラケット12には、図5(ロ)に示すように、複数の小孔12a、12b、12c、12dが貫通した状態で設けられている。所望位置の小孔12a、12b、12c、12dに、扉ストッパー13の軸部28を挿入して、扉ストッパー13をブラケット12に取付けることができる。
各小孔12a、12b、12c、12dは、サイドカバー(正面板)15aからの距離がそれぞれ異なる位置に形成されている。従って、扉ストッパー13を取付ける小孔12a、12b、12cの位置の違いにより、扉ストッパー13がサイドカバー15aと当接したときに扉17の開度が異なることとなる。即ち、扉ストッパー13を取付ける小孔12a、12b、12cを適宜に選択することによって、扉17の開度を小幅、中幅、大幅などの種々の幅に設定できるのである(図1参照)。
なお、小孔12dは、そこに取付けた扉ストッパー13がサイドカバー15aと当接せず、扉17が全閉となる。扉17を開状態に維持する必要がないときは、扉ストッパー13を小孔12dに取付けておくことが望ましい。
扉ストッパー13は、図6(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示すように、一端に軸部28を有し他端に鍔部29を有する軸本体30と、軸部28の基部に嵌着するリング状の磁石部材31と、この磁石部材31及び軸本体30に嵌着するリング状のストッパー用ゴム32とからなる。
扉ストッパー13の鍔部29側には、ボールチェン33の一端部がビス34で固着されており、ボールチェン33の他端部は、ブラケット12の先端部にビス27で固着されている(図2参照)。
このような構成の扉ストッパー13は、上述のように、軸部28を所望位置の小孔12a、12b、12c、12dに挿入してブラケット12に取付ける。この時、磁石部材31がブラケット12に吸着するので、扉ストッパー13の取付状態が安定する。
また、扉17を閉方向に移動させて、扉ストッパー13がオーブン本体15のサイドカバー15aと当接する時には、ストッパー用ゴム32がクッションの役割を果たすので、当接音が静かでソフトに当接する。
以上のような構成のオーブンの扉の開度調整機構11は、所望位置の小孔12a、12b、12cに軸部28を挿入して、扉ストッパー13をブラケット12に取付ける。そして、扉17を閉方向に移動させれば、ストッパー用ゴム32がオーブン本体15のサイドカバー15aと当接して扉17の開状態が所要幅に維持できる。このように、扉17の開度調整が速やかにおこなえてその作業性が極めて良好である。
本発明に係るオーブンの扉の開度調整機構11を説明する、一部を省略したオーブン14の側面図である。 本発明に係るオーブンの扉の開度調整機構11を説明する、要部の平面図である。 扉17の構造を説明する、一部を省略したオーブン14の正面図である。 扉スプリング機構20を説明する、要部の側面図である。 (イ)ブラケット12の平面図である。(ロ)ブラケット12の側面図である。 (イ)扉ストッパー13の縦断面図である。(ロ)軸本体30の正面図である。(ハ)磁石部材31の縦断面図である。(ニ)ストッパー用ゴム32の縦断面図である。 (イ)(ロ)従来例に係るオーブンの扉の開度調整機構を説明する、オーブンの側面図である。
符号の説明
1 扉
2 開度調整板
2a、2b、2c切欠部
3 オーブン本体
4 係留用ピン
5 軸部
6 巻きバネ
7 ピン
8 把手
11 オーブンの扉の開度調整機構
12 ブラケット
12a、12b、12c、12d小孔
12e基部
13 扉ストッパー
14 オーブン
15 オーブン本体
15aサイドカバー(正面板)
16 開口部
17 扉
18 回動軸
19 軸受け
20 扉スプリング機構
21 スプリングアーム
22 チェン
23 扉スプリング本体
23aフック
24 スプリング止め金具
25 ビス
26 把手
26a端部
27 ビス
28 軸部
29 鍔部
30 軸本体
31 磁石部材
32 ストッパー用ゴム
33 ボールチェン
34 ビス

Claims (3)

  1. オーブン本体と、該オーブン本体の開口部に開閉し且つ閉方向に付勢された扉とを備えるオーブンの扉の開度調整機構であって、
    前記扉の両端部にはブラケットが設けられ、少なくとも一方のブラケットには複数の小孔が形成され、該小孔に取外し自在に取付ける扉ストッパーを備え、
    前記小孔に前記扉ストッパーを取付け、該扉ストッパーを前記オーブン本体の正面板に当接させて前記扉の開状態を所要幅に維持することを特徴とするオーブンの扉の開度調整機構。
  2. 前記各小孔は、前記正面板からの距離がそれぞれ異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオーブンの扉の開度調整機構。
  3. 前記扉ストッパーは、一端に軸部を有し他端に鍔部を有する軸本体と、前記軸部の基部に嵌着するリング状の磁石部材と、該磁石部材及び前記軸本体に嵌着するリング状のストッパー用ゴムとからなることを特徴とする請求項1に記載のオーブンの扉の開度調整機構。
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