JP2016070026A - 自閉式引き戸の閉動作抑制構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の開放位置で所定時間の間だけ引き戸を一時停止させ、その後に自動的に閉鎖する自閉式引き戸の提供。【解決手段】第二の付勢手段は、リンク部材の揺動軸24cをギヤ部材23の回転軸側に付勢し、引き戸の開方向への付勢が解除されるとき、ギヤ部材23が第一の付勢手段により閉方向に回転し、これに伴ってリンク部材が、第二の付勢手段の付勢力に抗して一時停止または低速で揺動し、さらにリンク部材が揺動して、リンクギヤ24bの揺動軸24cがリンク部材の揺動軸24cと反対側に移動してリンクギヤ24bが固定ギヤ部から解放されて、リンクギヤ24bが自由に回転するように、自閉式引き戸の閉動作抑制構造を構成する。【選択図】図6

Description

本発明は、開口部に開閉可能に支持された引き戸を閉鎖位置に付勢する自閉式引き戸に関し、特に任意の開放位置での引き戸の一時停止または低速閉鎖動作の機能を備えた自閉式引き戸の閉動作抑制構造に関するものである。
従来、住宅の各室間の出入り口等の開口部を開閉するために引き戸が使用されることがある。
このような引き戸は、例えば開口部の上縁に沿って設けられたガイドレールに沿って走行するガイド部材を含む閉動作抑制構造により支持される。
引き戸は、ガイドレールに沿ってガイド部材が走行して開口部の一側または両側に向かって移動することにより、開口部を開放し、または閉鎖する。
そして、引き戸の開閉時に、操作性を向上させるために、開放された引き戸を自動的に閉鎖位置まで移動させる自閉手段を備えた自閉式引き戸が知られている。
このような自閉式引き戸は、例えばゼンマイを利用したり、あるいはガイドレールを閉鎖位置側で低くなるように傾斜して設置したりすることにより、外部からエネルギーを供給することなく、引き戸の自閉を実現することができる。
ところで、このような自閉式引き戸においては、引き戸を開放したとき、即座に引き戸が自閉手段により閉鎖方向に移動することになるため、例えば人が引き戸を開けて開口部を通過しようとするとき、開口部を完全に通過するまでの間、引き戸を手で抑えておく必要があり、特に例えば車椅子等を使用している場合には、操作性の点で問題があった。
これに対して、引き戸を全開位置で停止させるようにした引き戸も既に知られている。
このような一時停止機能を備えた引き戸によれば、引き戸を全開することにより、引き戸が全開位置にロックされるので、人が開口部を通過する際に、引き戸を抑えておく必要がなく、安心してゆっくりと開口部を通過することが可能になる。
しかしながら、引き戸は全開位置でのみロックされるので、開放時に引き戸をロックさせたい場合には、常に引き戸を全開位置まで開放しなければならず、操作が煩雑になると共に、閉鎖時には、引き戸を一旦閉鎖方向に操作しなければ、自閉手段による引き戸の閉鎖が開始されない、という問題があった。
また、特許文献1には、任意の開放位置で引き戸を停止させるようにした自閉式引き戸用ユニットが開示されている。
この自閉式引き戸用ユニットによれば、自閉手段の自閉力に抗して引き戸を開放操作して任意の開放位置で途中停止させると、自閉力が発生して途中停止位置にガイド部材が変移することにより、引き戸が途中位置に停止され、この途中停止が維持される。
しかしながら、特許文献1による自閉式引き戸用ユニットにおいては、途中停止した引き戸は、その途中停止がそのまま維持されることになる。従って、引き戸を閉鎖する場合には、引き戸を一旦閉鎖方向に操作して、ガイド部材を途中停止位置からずらして、引き戸が自閉手段により閉鎖方向に移動し得るようにする必要があり、操作が煩雑になってしまう。
これに対して、本出願人による特許文献2には、任意の開放位置での引き戸の一時停止の機能を備えた引き戸用閉動作抑制構造が開示されている。
この引き戸用閉動作抑制構造によれば、引き戸が開放されるとき、引き戸が任意の開放位置で開放側への付勢を解除されると、引き戸は、フリーローラがギヤ部材とベース部材に挟持されることによって、逆方向の抵抗力を受けて、閉方向への移動速度が低速となり、見かけ上一時停止しているように視認される。その後、フリーローラが第二の規制ローラに乗り上げて、フリーローラが自由に回転し得るようになると、上述した抵抗力が消滅して、引き戸は、第一の付勢手段の付勢力によって閉方向に高速で移動する。
これにより、人が引き戸を開けて開口部を通過する際に、引き戸を全開せずに任意の開放位置まで引き戸を開けると、引き戸はその任意の開放位置で実質的に一時停止し、その後第一の付勢手段により自動的に閉鎖する。従って、引き戸を任意の開放位置まで開放した後、実質的に所定時間の間だけ引き戸が任意の開放位置で一時停止しているので、引き戸を任意の開放位置に手で抑えておく必要がなく、容易に開口部を通過することができると共に、その後引き戸が自動的に閉鎖位置まで移動するので、引き戸の開閉操作が容易に行なわれ得ることになる。
特開2005−054483号 特願2012−253767号
しかしながら、特許文献2による引き戸用閉動作抑制構造においては、引き戸の一時停止のために、ギヤ部材の周面に当接するベース部材,フリーローラ,第一及び第二の規制ローラと第二の付勢部材が設けられており、部品点数が多くなると共に、これらの相互の位置関係に精度が必要であることから、各部品の工作精度や相互の位置決め精度を高くする必要がある。このため、各部品の製造コストが高くなると共に、組立に時間がかかってしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成により、部品コスト及び組立コストを低く抑えることが可能で、任意の開放位置で所定時間の間だけ引き戸を一時停止させ、その後に引き戸を自動的に閉鎖することができるようにした自閉式引き戸の閉動作抑制機構を提供することを目的としている。
上記目的は、本発明の構成によれば、戸枠または戸板の一方の上縁または下縁に設けられたガイドレールに沿ってガイド部材により長手方向に摺動可能に支持された引き戸の前記戸枠または戸板の他方の上端または下端に固定されるユニット部材と、前記ガイドレールに並行して設けられたラック部材と、を有し、前記ユニット部材は、ケース部材と、前記ケース部材に回転可能に支持され、前記ラック部材に噛合するギヤ部材と、前記ケース部材を閉方向に付勢する第一の付勢手段と、前記ケース部材内で前記ギヤ部材と係合するリンク部材と、を有しており、前記リンク部材は、前記ケース部材の壁面において前記ギヤ部材の回転軸に対して半径方向に延びる第一スロット内にその揺動軸が摺動可能に枢支されていると共に、その先端に前記ギヤ部材と噛合するリンクギヤと、前記リンク部材の揺動軸を前記ギヤ部材の回転軸に向かって付勢する第二の付勢手段と、を備え、前記リンクギヤは、前記リンク部材内で前記揺動軸から前記ギヤ部材に向かって延びる第二スロット内に枢支されていて、前記リンク部材の揺動軸側に移動したとき、前記リンク部材に設けられた固定ギヤ部に噛合し、前記リンク部材の揺動軸と反対側に移動したとき、前記固定ギヤ部から解放され、引き戸が開方向に付勢されるとき、前記ギヤ部材が前記ラック部材により開方向に回転することにより、前記リンクギヤが回転し、前記リンク部材がリンクギヤの回転方向に揺動し、引き戸の開方向への付勢が解除されるとき、前記ギヤ部材が前記第一の付勢手段の付勢力に基づいて閉方向に回転して、これに伴って前記リンク部材が、前記第二の付勢手段により発生する付勢力に抗して一時停止または低速で揺動し、前記リンクギヤは、引き戸の閉方向側への移動に伴ってさらに前記リンク部材が揺動すると、前記第二スロット内を前記リンク部材の揺動軸と反対側に移動することにより前記固定ギヤ部から解放されて、自由に回転可能となる、ことを特徴とする、自閉式引き戸の閉動作抑制構造により、達成される。
上記構成によれば、引き戸の戸板は、戸枠に対して、その上部または下部において、ガイド部材がガイドレールに係合することにより、開閉可能に吊り下げられており、引き戸は、第一の付勢手段により、ユニット部材が閉方向に付勢されることによって、自動的に閉鎖位置に移動して停止し、開口部が自動的に閉鎖される。
ここで、引き戸を開放しようと、人が引き戸を開方向に付勢すると、ギヤ部材がガイドレールに並行して設けられたラック部材により開方向に回転する。ギヤ部材の回転により、リンクギヤがギヤ部材と係合状態を維持しながら、リンク部材が揺動軸の周りに揺動する。そして、リンク部材が所定角度以上揺動すると、リンクギヤがリンク部材のスロットを先端側に移動し固定ギヤから外れて自由に回転し得ることになり、引き戸が第一の付勢手段の付勢力に抗して、開方向に移動する。
その後、任意の開放位置で、引き戸の開方向への付勢が解除されると、ギヤ部材が第一の付勢手段の付勢力に基づいて閉方向に回転する。これにより、ギヤ部材が開放時とは逆方向に回転し、これに伴って、リンク部材が揺動して、リンクギヤがリンク部材の固定ギヤと噛合する。このとき、リンクギヤは、第二の付勢手段によってギヤ部材に対して押圧されることになり、この押圧力によって、リンクギヤ及びギヤ部材の回転が抑制されるので、引き戸が閉方向に低速移動する。このときの引き戸の移動速度は非常に小さく設定されることにより、見かけ上、引き戸が一時停止しているように視認され得る。
そして、リンク部材が揺動して、反対側に所定角度以上揺動すると、リンクギヤの揺動軸がリンク部材のスロットを先端側に移動し、リンクギヤが固定ギヤから外れて自由に回転し得ることになる。従って、上述した押圧力が消滅することによって、引き戸が閉方向に高速で移動する。
このようにして、引き戸が開放されるとき、引き戸が任意の開放位置で、開放側への付勢を解除されると、引き戸は、第一の付勢手段による付勢力が、リンク部材を介してギヤ部材に付与される第二の付勢手段による押圧力によって抑制されることになり、引き戸の閉方向への移動速度が低速となり、見かけ上一時停止しているように視認される。
その後、リンク部材が所定角度以上に揺動して、リンクギヤが固定ギヤから外れることにより、リンクギヤが自由に回転し得ることになるので、上述した抵抗力が消滅し、引き戸は第一の付勢手段の付勢力によって閉方向に高速で移動する。
これにより、人が引き戸を開けて開口部を通過する際に、引き戸を全開せずに任意の開放位置まで引き戸を開けると、引き戸はその任意の開放位置で実質的に一時停止し、その後第一の付勢手段により自動的に閉鎖する。従って、引き戸を任意の開放位置まで開放した後、実質的に所定時間の間だけ引き戸が任意の開放位置で一時停止しているので、引き戸を任意の開放位置に手で抑えておく必要がなく、容易に開口部を通過することができると共に、その後引き戸が自動的に閉鎖位置まで移動するので、引き戸の開閉操作が容易に行なわれ得ることとなる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、第二の付勢手段が、リンク部材の揺動軸に対して斜めに延びるテーパ面を備えた押圧部材を介して、リンク部材の揺動軸をギヤ部材の揺動軸に向かって付勢する。
第二の付勢手段による押圧方向が押圧部材を介して変換されるので、全体の構成が上下方向に関して小型に構成されることになる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、第二の付勢手段がバネである。この構成によれば、リンク部材の揺動に伴って、バネの弾性変形による付勢力が増大することになり、開放動作を行う途中で、一度ドアの操作を止めると、引き戸の閉動作が抑制され、ドアがその位置で一時停止する。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、第二の付勢手段がダンパーである。この構成によれば、リンク部材の揺動に伴う揺動軸の移動自体がダンパーにより抑制されることになり、閉時に引き戸が微小に閉動作したあとに、一旦停止することになる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、リンク部材は、その揺動軸から両側に張り出した突起部を備えており、この突起部がケース部材の底面に当接することにより、その揺動範囲が規制される。
この構成によれば、リンク部材の揺動範囲が突起部のケース部材底面との当接によって規制されることになる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、リンク部材の揺動軸のギヤ部材の回転軸側への移動を規制する規制部材を備えている。
この構成によれば、リンク部材の揺動に伴って、リンク部材の揺動軸がギヤ部材の回転軸側に移動するが、この移動量が規制部材によって規制されるので、第二の付勢手段による付勢力が低減されることになり、ギヤ部材の減速時間が短縮される。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、規制部材は、ケース部材に揺動可能に枢支されたリンクであって、その第一のアームがリンク部材の揺動軸に対して、ギヤ部材の回転軸側に当接すると共に、第二のアームが、ケース部材の上面を越えて延びている。
この構成によれば、簡単な構成により、リンク部材の揺動軸の移動を規制することができる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、規制部材は、リンク部材の揺動軸に対する規制位置を調整する調整手段を備えている。
この構成によれば、調整手段によって、規制部材によるリンク部材の揺動軸に対する規制位置が変更されるので、ギヤ部材の減速時間そして引き戸の一旦停止時間も調整され得ることになる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造は、好ましくは、規制部材は、リンク部材の揺動軸をスロット内でギヤ部材の回転軸と反対側の端部付近で規制することにより、引き戸の開方向への付勢が解除されるときの引き戸の一時停止または低速閉動作を解除する。
この構成によれば、規制部材が調整手段等によって調整されて、スロット内でのリンク部材の揺動軸のギヤ部材の回転軸側への移動を阻止することにより、引き戸の閉鎖時における一時停止または低速閉動作を解除することができる。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、任意の閉鎖位置で所定時間の間だけ引き戸を一時停止させ、所定時間経過後に引き戸を自動的に閉鎖することができるようにした自閉式引き戸の閉動作抑制構造を提供することができる。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造の一実施形態を組み込んだ自閉式引き戸の全体構成を示す概略正面図である。 図1の自閉式引き戸に組み込まれた自閉式引き戸の閉動作抑制構造の構成を示す部分拡大正面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造の左側面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造を示す斜視図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造を示す正面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造を示す断面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造における内部構成を示す分解斜視図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造におけるリンク部材の(A)正面左上部から見た斜視図及び(B)背面左上部から見た斜視図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造における調整機構を示し、(A)一時停止機能の作動状態及び(B)一時停止機能の解除状態を示す概略正面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造の一時停止機能作動時の動作を順次に示す断面図である。 図2の自閉式引き戸の閉動作抑制構造におけるカバー部材の変形例を示す概略斜視図である。
図1は、本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造の一実施形態を自閉式引き戸に組み込んだ状態を示している。
図1において、自閉式引き戸の閉動作抑制構造10は、建物等に設けられた開口部の戸枠11の上縁に設けられたガイドレール12に沿って長手方向(X方向)に移動可能に支持された引き戸(戸板)13の上縁に取り付けられたユニット部材20により、構成されている。
ここで、引き戸13は、その上縁両端付近に取り付けられたガイドローラ等のガイド部材14,14がガイドレール12に沿って走行することにより、ガイドレール12に沿って長手方向に移動する。
ここで、ガイドレール12は、図2及び図3に示すように、断面が中空の四角形として例えば長尺のアルミニウム材から構成されており、Z方向下方が開放していると共に、図3に示すように、長手方向に垂直な横方向(Y方向)の両側の下縁が内側に折り返されることにより、その先端が上方を向いたレール部12aを形成している。
ガイドレール12は、図3に示すように、前側(図3にて右側)のレール部12aの下面に沿って長手方向に延びるラック部材15を備えている。
ラック部材15は、図1に示すガイドレール12のほぼ全長に亘って配置されており、その下縁には所定ピッチのラック歯15aが形成されている。
ガイド部材14は、公知の構成であって、引き戸13の上縁両端付近に固定される本体と、本体上端から上方に延びる支持部に回転可能に取り付けられる一対の車輪と、から構成されている。
車輪の回転軸は、ガイドレール12の両側に延びるように配置されていて、各車輪は、それぞれガイドレール12内で対応するレール部12aに乗ることにより、レール部12a上を転動する。
ユニット部材20は、図2及び図3に示すように、引き戸13の上縁に設けられた凹陥部13a内に取り付けられており、その上側がカバー部材20aにより覆われている。
このカバー部材20aは、後述するギヤ部材23の第一の歯部23bとラック部材15のラック歯15aとの噛合のため、ギヤ部材23の上端部分の露出を可能にする切欠き部20bを備えている。
ユニット部材20は、図2〜図5に示すように、取付部材21,ケース部材22,ギヤ部材23,リンク部材24,第二の付勢手段としての付勢機構25及び調整部材26を有している。
取付部材21は、引き戸13の上端に設けられた凹陥部13aの一側(図2にて左側)に配置されており、図4〜図7に示すように、ブラケット21a及びブラケットホルダー21bから構成されている。
ブラケットホルダー21bは、その底面が凹陥部13aの底面に当接した状態で、取付ネジ21cにより引き戸13に対して固定される。
ブラケット21aは、その下端がブラケットホルダー21bに入れ子状に係合すると共に、上端から一側(図2にて左側)に突出した張出部21dが、取付ネジ21eにより引き戸13に対して固定される。
ここで、張出部21dは、引き戸13の凹陥部13aの一側に設けられた段部13b内に収容される。
また、ブラケット21aは、その他側に突出した支持部21fを備えており、この支持部21fには、Y方向に貫通した軸孔21gが形成されている。
さらに、ブラケット21aは、その下端付近にて引き戸開方向X2に向かって突出した凸部21hを備えている。
ケース部材22は、図4〜図7に示すように、底部及び長手方向両側に位置する両側壁を有しており、これら両側壁により画成される空間内に、ギヤ部材23及びリンク部材24を受容する。
ここで、ケース部材22は、その引き戸閉方向X1の端部上方に設けられたY方向に延びる回転軸22aが取付部材20のブラケット21aに設けられた軸孔21gに挿通されることにより、固定部材21に対して回転軸22aの周りに揺動可能に支持されている。
そして、ケース部材22は、その引き戸閉方向X1の端部下方に取り付けられたマガジン27と取付部材21のブラケット21aとの間に介装された圧縮バネ28及びダンパー29により、引き戸開方向X2に向かって付勢されている。これにより、ケース部材22が回転軸22aの周りに揺動して、ケース部材22全体がZ方向上方に向かって付勢される。
マガジン27は、図6に詳細に示すように、ケース部材22の底面と平行に延びる中空部27aを有しており、この中空部27a内にダンパー29が挿入されると共に、中空部27a内に設けられた段部27bに圧縮バネ28の一端(図6にて右端)が係合している。
また、圧縮バネ28の他端(図6にて左端)は、マガジンの中空部27aから引き戸閉方向X1に突出し、取付部材21のブラケット21aに設けられた凸部21hの周囲で、その端面に当接している。
ダンパー29は、公知の構成であって、中空部27a内で、一端(図6にて右端)が中空部27aの閉鎖端に当接すると共に、他端(図6にて左端)が、ブラケット21aの凸部21hに当接している。
なお、マガジン27は、ケース部材22の所定箇所に配置された状態で、Y方向に延びるマガジン軸27bが挿通されることにより、ケース部材22に対して固定されている。
ギヤ部材23は、図6及び図7に示すように、ケース部材22の長手方向中央付近の上部において、Y方向に延びる軸体23aの周りに回転可能に支持されており、Y方向一側(図7にて手前側)に第一の歯部23bを、また第一の歯部23bに隣接して第二の歯部23cを有している。ここで、第二の歯部23cは、第一の歯部23bより小径に且つ一体化されて構成されている。
そして、第一の歯部23bは、ガイドレール12に取り付けられたラック部材15のラック歯15aと噛合しており、ユニット部材20の長手方向Xの移動に伴って、ギヤ部材32が回転する。
ギヤ部材23は、ケース部材22が圧縮バネ28の作用によってZ方向上方に付勢されていることにより、ガイドレール12のラック部材14に対して押圧される。
これにより、ギヤ部材23の第一の歯部23bは、ラック部材15に歪みや組み付け誤差等による位置ずれがあったとしても、常に確実にラック部材15のラック歯15aと噛合することになる。
なお、ギヤ部材23に対して下方への負荷が加わると、ギヤ部材23及びケース部材22がZ方向下方に向かって押動され、圧縮バネ28の張力に抗してケース部材22が回転軸21gの周りに揺動するが、その際、ダンパー29の作用により、ケース部材22の揺動が減速され、ケース部材22の急激な揺動が抑制されるようになっている。
さらに、ギヤ部材23には、一体にゼンマイケース23dが取り付けられている。ゼンマイケース23d内には、ゼンマイ(図示せず)が内蔵されており、引き戸が開方向X2(図2参照)に移動されて、ラック部材14に沿ってギヤ部材23が回転移動することにより、ギヤ部材23の回転によりゼンマイが巻き上げられ、このゼンマイの復元力によってギヤ部材23が逆回転されることにより、引き戸13がガイドレール12に沿って自動的に引き戸閉方向X1(図2参照)に移動する。すなわち、このゼンマイが第一の付勢手段に相当する。
ここで、ゼンマイケース23dは、外形が軸体23aを中心とする偏平な円筒状に形成されている。
なお、ギヤ部材23の軸体23aは、ギヤ部材23に固定されていると共に、ケース部材22の両側壁に対して軸受されている。そして、軸体23aは、その軸中央付近が正多角形、例えば正六角形の断面形状を有しており、ナット23eを介してクリップ部材23fにより挟持されている。
そして、軸体23aは、クリップ部材23fの挟持力によって、前述したゼンマイの復元力のみによっては空転しないようになっている。
ここで、ギヤ部材23の軸体23aは、その先端がケース部材22への取付の際に、ケース部材22の手前側の側壁外側に備えられるゼンマイ調整プーリ23gと係合して、取付ネジ23hにより連結されている。
これにより、取付ネジ23hを緩めた状態で、ケース部材22の外側に露出しているゼンマイ調整プーリ23gを軸体23aに対して回転調整することにより、ギヤ部材23に対するゼンマイの取付位置を調整し、ゼンマイの復元力による引き戸13の閉方向への移動を調整することが可能である。
また、ギヤ部材23は、その第一の歯部23bと反対側に、全周に亘ってフランジ部23iを備えている。
フランジ部23iは、第二の歯部23cより大径の円板状に形成されており、第一の歯部23bのラック歯15aからの脱落、そして後述するリンク部材24のリンクギヤの第二の歯部23cからの脱落を防止する。
リンク部材24は、リンク本体24a及びリンクギヤ24bから構成されている。
リンク本体24aは、その両面から垂直に突出した揺動軸24cが、ギヤ部材23の下方においてケース部材22の両側壁に設けられたスロット22b内で摺動可能に支持されていると共に、揺動軸24cから上側に延びており、その長手方向の先端にリンクギヤ24bを備えている。
ここで、揺動軸24cには、ローラ24dが被嵌されており、揺動軸24cの周面は、このローラ24dを介して後述する押圧部材25aの斜面25cに接触している。これにより、押圧部材25aの押圧によって、揺動軸24cが円滑にスロット22b内を摺動し得るようになっている。
また、スロット22bは、揺動軸24cからギヤ部材23の軸体23aの回転中心へと延びている。
リンクギヤ24bは、図8に詳細に示すように、その回転軸24eが、リンク本体24aの先端領域に設けられた長手方向Pに延びるスロット(図示せず、第二スロット)内に摺動可能に支持されている共に、リンク本体24aの揺動軸24cの周りに一体的に形成された円弧状の固定ギヤ部24fと噛合している。
なお、回転軸24eは、リンク本体24aの先端側に向かって図示しない付勢手段により付勢されている。
これにより、リンク部材24の揺動に伴って、リンクギヤ24bの回転軸24dがリンク部材24の回転中心(24c)とギヤ部材23の回転中心(23a)を結ぶ線上の位置(中間位置)からずれると、リンク部材24の揺動によるリンクギヤ24bの回転中心の軌跡がギヤ部材23の第二の歯部23cの歯先円から徐々に離れることになり、これに伴って、リンクギヤ24bは、ギヤ部材23の第二の歯部23cと噛合しながら、リンク本体24aのスロット内を先端側に移動して、リンク本体24aの固定歯部24fから外れることになる。
さらに、リンク部材24は、そのリンク本体24aから両側に張り出した突起部24g及び24hを有している。
リンク部材24が揺動軸24cの周りに揺動する際に、これらの突起部24gまたは24hがケース部材22の底面に当接することにより、リンク部材24の揺動が両回転方向に関して規制される。
即ち、図6において、引き戸開放時のギヤ部材23の反時計回りの回転に伴って、リンク部材24が時計回りに揺動するとき、突起部24gがケース部材22の底面に当接して、リンク部材24の時計回りの揺動が規制される。
また、引き戸閉鎖時のギヤ部材23の時計周りに回転に伴って、リンク部材24が反時計回りに揺動するとき、突起部24hがケース部材22の底面に当接して、リンク部材24の反時計回りの揺動が規制される。
付勢機構25(第二の付勢手段)は、リンク本体24aの揺動軸24cに対して、引き戸閉方向X1側に設けられており、揺動軸24cを上方に向かって付勢する。
付勢機構25は、図6に詳細に示すように、押動部材25aと、付勢バネ25bと、から構成されている。
押動部材25aは、ケース部材22の底面に沿って摺動可能に配置されていると共に、その引き戸開方向X2側の先端に上向きに斜めに形成された斜面25cを有している。
図示の場合、押動部材25aは、その引き戸開方向X2側で上方が開放して形成されており、斜面25cはY方向に関して両側に配置されている。
付勢バネ25bは、中空円筒部材25d内に収容されており、この中空円筒部材25dは、マガジン27の下端付近に設けられた第二の中空部27c内に配置されている。
ここで、中空円筒部材25dは、前述した圧縮バネ28及びダンパー29と平行に、即ちケース部材22の底面と平行に配置されている。
付勢バネ25bは、中空円筒部材25d内に収容された状態において、その一端が中空円筒部材25dの閉じた右端面に当接すると共に、その他端がマガジン27の第二の中空部27cの閉じた左端面に当接している。
なお、マガジン27の第二の中空部27cは、その左端付近に螺合した端部材27dにより閉鎖されており、この端部材27dは、中心軸の周りに回動されることにより、軸方向に進退可能に構成されている。これにより、付勢バネ25bの押動部材25aに対する付勢力が調整可能になっている。
調整部材26は、図4及び図9(A)に示すように、ケース部材22の両側壁の外側に延びる一対の板状部分と、これらの板状部分を上端で互いに連結する連結部と、から構成されている。これらの一対の板状部分及び連結部は、好ましくは、例えば折り曲げ加工により金属板材等から一体に構成されている。
一対の板状部分は、それぞれケース部材22の両側壁の中央付近に設けられたY方向に延びる回転軸22cの周りに揺動可能に支持されており、回転軸22cから引き戸開方向X2側に向かって斜め下方に延びる第一のアーム部26aがケース部材22のスロット22bからY方向外側に突出している揺動軸24cの上側に位置している。
また、回転軸22cから引き戸閉方向X1に向かって斜め上方に延びる第二のアーム部26bが、ケース22の上面から上方に突出し、ケース部材の上側で連結部26cにより互いに連結されている。
ここで、連結部26cには、ネジ孔が形成されており、このネジ孔には調整ネジ26dが螺合している。
これに対して、ケース部材22の中央上部には、係合部22dが形成されている。この係合部22dは、例えばケース部材22の一方の側壁をプレス加工等により折り曲げることにより、ケース部材22と一体に形成されている。
リンク部材24の揺動軸24cが付勢機構25の付勢力に基づいて、スロット22cの上側に位置しており、これに伴って、調整部材26の第一のアーム部26aは、図9(A)に示すように、揺動軸24cにより上方に押動されている。
この状態から、調整ネジ26dがねじ込まれると、調整ネジ26dの先端がケース部材22の係合部22dに当接していることから、調整部材26の連結部26c及び第二のアーム部26bが上方に持ち上げられる。これにより、調整部材26が、図6にて時計回りに揺動して、第二のアーム部26aが揺動軸24cを下方に押し下げる。これにより、付勢機構25の揺動軸24cに作用する付勢力が調整されることになる。
さらに、調整ネジ26dがねじ込まれることにより、図9(B)に示すように、調整部材26がさらに時計周りに揺動して、揺動軸24cをスロット22cの最下位置まで押し下げると、付勢機構25の付勢力がリンク部材24の揺動軸24cに作用しなくなる。これにより、リンク部材24によるギヤ部材23そして引き戸13の閉鎖時における一時停止が解除される。
本発明による自閉式引き戸の閉動作抑制構造10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
まず、引き戸13が任意位置まで開放される場合には、引き戸13の開放動作により、ギヤ部材23が反時計回りに回転し、ゼンマイケース23d内のゼンマイが巻き上げられると共に、リンク部材24のリンクギヤ24bが時計回りに回転しつつリンク部材24のリンク本体24aも時計周りに回転する。さらにギヤ部材23が反時計回りに回転すると、図10(A)に示すように、リンクギヤ24bもさらに時計周りに回転することにより、リンクギヤ24bの回転軸24dがリンク本体24aに設けられたスロット22b内で先端方向に移動し、リンクギヤ24bがリンク部材24の固定ギヤ部24fから外れて、自由に回転可能となる。
このとき、リンク本体24aがギヤ部材23から大きな角度で揺動することにより、リンクギヤ24bがフリーとなり、開放動作が円滑に行なわれ得ることになる。
そして、さらにリンクギヤ24bが時計周りに回転すると、リンク本体24aの突出部24gがケース部材22の底面に当接することにより、その回転が抑止される。
このようにして引き戸13が開放された後、操作者が引き戸13の開方向への移動を停止して手を離すと、ゼンマイケース23d内のゼンマイの復元力によって、ギヤ部材23が時計回りに回転しようとするが、その際、ギヤ部材23が時計周りに回転し始めると、ギヤ部材23の第二の歯部23cと噛合するリンクギヤ24bが反時計周りに回転する。
このとき、リンク部材24もリンクギヤ24bの回転に連動して反時計周りに揺動し、これに伴ってリンクギヤ24bの回転軸がスロット内を揺動軸24c側に移動して、図10(B)に示すように、リンクギヤ24bが固定ギヤ部24fと噛合する。
これにより、リンク本体24aはリンクギヤ24bと一体的に揺動軸24cの周りに反時計回りに揺動し、揺動軸24cが下方に移動する。従って、揺動軸24cは、押圧部材25aの斜面25cに対して下方に向かって押圧し、付勢機構25の付勢力に抗して、押圧部材25aをX1方向に押動する。
その際、揺動軸24cの下方移動は、付勢機構25の付勢力によって減速されるので、リンク部材24そしてギヤ部材23の回転が減速されることになる。これにより、引き戸13の閉動作も低速となり、見かけ上、一時停止しているように視認される。
さらに、リンク部材24が反時計回りに揺動して、図10(C)に示す中間位置(リンクギヤ24bの回転軸24dが揺動軸24cと軸体23aの中心を結ぶ線上に位置する)に達するまでの間は、上述した付勢機構25の付勢力によって、リンク部材24の揺動が抑制される。
その後、この中間位置を越えてリンク部材24が反時計回りに揺動すると、リンク部材24の揺動軸24cは、図10(D)に示すように、スロット22bをギヤ部材23側に向かって移動することになり、付勢機構25の付勢力によって加速されることになる。
リンク部材24がさらに反時計回りに揺動して、その揺動軸24cがスロット22b内で先端方向に移動し、リンクギヤ24bがリンク部材24の固定ギヤ部24fから外れて、自由に回転可能となる。
これにより、引き戸13は、本閉動作抑制構造10によって減速されることなく、ゼンマイの復元力によって高速で閉方向に移動される。
さらに、リンク部材24が反時計回りに揺動すると、図10(E)に示すように、リンク本体24aの突出部24hがケース部材22の底面に当接することにより、その回転が抑止される。
このようにして、引き戸13が開放停止されたとき、リンク部材24の揺動に伴う揺動軸24cの下方移動が、付勢機構25の付勢力によって減速されることにより、リンクギヤ24b及びギヤ部材23も低速で回転するので、引き戸13は、見かけ上、開放停止位置で一時停止しているように観察される。
従って、操作者は、引き戸13を全開せずに、引き戸13を任意の途中開放位置まで開放して、引き戸13から手を離しても、引き戸13は、その途中の開放位置で見かけ上一時停止するので、操作者は、引き戸13を押さえることなく、両手を自由に使用しながら引き戸13が設置された開口部をゆっくりと通過することができる。
その後、所定時間が経過して、リンク部材24が中間位置を越えると、付勢機構25の付勢力が揺動軸24cの上方移動を加速することになり、リンクギヤ24bが固定ギヤ部24fから外れると、ギヤ部材23は、ゼンマイの復元力により高速で回転するので、引き戸13は、自動的に即ち操作者が何ら操作をすることなく、ガイドレール12に沿って高速で閉方向に移動する。
ここで、戸枠11が設置される開口部の建付精度によっては、引き戸13を戸枠11に取り付けた場合に、引き戸13の上縁と戸枠11の下縁との間の間隙あるいはラック部材15のラック歯15aの取付位置が変動することがある。
前述したように、ユニット部材20を構成するケース部材22が、取付部材21に対して揺動可能に支持されることにより、ケース部材22が上下方向に調整可能である。
これにより、ケース部材22が圧縮バネ28の張力に基づいて上方に付勢されているので、ギヤ部材23の第一の歯部23bが常に確実にラック部材15のラック歯15aと噛合する。
ここで、調整部材26(規制部材)の調整に付いて説明する。
図9(A)に示す状態においては、調整部材26の第一のアーム部26aは、ケース部材22bの上側に位置しており、リンク部材24の揺動軸24cのスロット22b内での移動を規制しない。従って、リンク部材24の揺動軸24cは、スロット22b内の全移動範囲において、付勢機構25による付勢力を受けることになる。
これに対して、図9(A)の状態から、調整部材26の調整ネジ26dがねじ込まれると、調整部材26が回転軸22cの周りに時計周りに揺動し、その第一のアーム部26aが下方に移動する。これにより、リンク部材24の揺動軸24cは、スロット22b内の上端領域への移動が規制されることになる。
従って、前述した引き戸13の開放停止位置から閉位置までゼンマイの復元力によって引き戸が移動し始めるときに、揺動軸24cが付勢機構25から受ける付勢力が低減されることになり、付勢力の低減分だけ、揺動軸24cの減速が緩和されて、リンクギヤ24b及びギヤ部材23の回転がより高速となる。これにより、任意開放位置における引き戸13の見かけ上の一時停止時間が短くなる。
また、図9(A)の状態から、調整部材26の調整ネジ26dがねじ込まれて、図9(B)に示す状態まで、調整部材26が揺動され、その第一のアーム部26aがリンク部材24の揺動軸24cをスロット22bの最下位置に押し下げると、付勢手段25の付勢力が、リンク部材24の全揺動範囲で、揺動軸24cに作用しなくなる。
従って、本自閉式引き戸の閉動作抑制構造10による引き戸13の任意開放位置での一時停止機能が解除されることになる。
図11は、図2〜図7に示した自閉式引き戸の閉動作抑制構造のユニット部材におけるカバー部材の変形例を示している。
図11において、カバー部材31は、ユニット部材20におけるカバー部材20a(図4参照)と比較して、ギヤ部材23の周辺に近い領域のみを備えている。
カバー部材20aでは、ユニット部材20を引き戸13に取り付けた状態においては、調整部材26の調整ネジ26dを操作することが困難である。
これに対して、カバー部材31は、調整部材26の周囲を包囲する部分がないことから、ユニット部材20を引き戸13に取り付けた状態においても、容易に調整ネジ26dを操作することが可能である。従って、ユニット部材20を引き戸13に取り付けた後に、調整部材26のより良好な調整を行なうことができると共に、使用に伴って調整部材26の再調整が必要になった場合でも、ユニット部材20を引き戸13から取り外すことなく、調整部材26の再調整を行なうことができる。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、付勢機構25は、付勢力を発生させる付勢手段として、バネ25bを備えているが、これに限らず、バネ25bの代わりにダンパーを備えていてもよい。
この場合、ダンパーは、リンク部材24の揺動軸24cのスロット22b内での下方移動を抑制し、リンクギヤ24b及びギヤ部材23の回転を抑制する。
上述した実施形態においては、ケース部材22は、取付部材21に対して揺動可能に支持されているが、これに限らず、全体が並進可能に支持されていて、上方に向かって付勢されていてもよい。
上述した実施形態においては、引き戸13は、ギヤ部材23に組み込まれたゼンマイの復元力によって、閉方向に付勢されているが、これに限らず、引き戸13は、他の付勢手段によって閉方向に付勢されていてもよい。
また、上述した実施形態においては、戸枠11の上縁にガイドレール及びラック部材が取り付けられて、引き戸13の上端にガイド部材及びユニット部材が取り付けられているが、これに限らず、戸枠11の下縁にガイドレール及びラック部材が取り付けられて、引き戸13の下端にガイド部材及びユニット部材が取り付けられていてもよい。
さらに、上述した実施形態においては、戸枠側にガイドレール及びラック部材が取り付けられ、引き戸側にガイド部材及びユニット部材が取り付けられているが、これに限らず、引き戸側にガイドレール及びラック部材が取り付けられ、戸枠側にガイド部材及びユニット部材が取り付けられていてもよい。
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により、任意の開放位置で所定時間の間だけ引き戸を実質的に一時停止させ、その後に引き戸を自動的に閉鎖することができるようにした、極めて優れた自閉式引き戸の閉動作抑制構造が提供される。また、本構成においては、リンクギヤ24bに対して、常に動摩擦がかかっている状態ではなく、固定ギヤ部24fとの係合が解除されると、回転に係る摩擦のみとなるため、ドアの開放動作時における操作荷重を減らすことができるようになる。
10 自閉式引き戸の閉動作抑制構造
11 戸枠
12 ガイドレール
13 引き戸(戸板)
14 ガイド部材
15 ラック部材
15a ラック歯
20 ユニット部材
21 取付部材
22 ケース部材
23 ギヤ部材
23b 第一の歯部
23c 第二の歯部
24 リンク部材
24a リンク本体
24b リンクギヤ
24c 揺動軸
24f 固定ギヤ部
25 付勢機構
25a 押動部材
25b 付勢バネ
25c 斜面
26 調整部材
26a 第一のアーム部
26b 第二のアーム部
26d 調整ネジ
27 マガジン
28 圧縮バネ
29 ダンパー

Claims (9)

  1. 戸枠または戸板の一方の上縁または下縁に設けられたガイドレールに沿ってガイド部材により長手方向に摺動可能に支持された引き戸の前記戸枠または戸板の他方の上端または下端に固定されるユニット部材と、前記ガイドレールに並行して設けられたラック部材と、を有し、
    前記ユニット部材は、
    ケース部材と、
    前記ケース部材に回転可能に支持され、前記ラック部材に噛合するギヤ部材と、
    前記ケース部材を閉方向に付勢する第一の付勢手段と、
    前記ケース部材内で前記ギヤ部材と係合するリンク部材と、を有しており、
    前記リンク部材は、前記ケース部材の壁面において前記ギヤ部材の回転軸に対して半径方向に延びる第一スロット内にその揺動軸が摺動可能に枢支されていると共に、
    その先端に前記ギヤ部材と噛合するリンクギヤと、
    前記リンク部材の揺動軸を前記ギヤ部材の回転軸に向かって付勢する第二の付勢手段と、
    を備え、
    前記リンクギヤは、前記リンク部材内で前記揺動軸から前記ギヤ部材に向かって延びる第二スロット内に枢支されていて、前記リンク部材の揺動軸側に移動したとき、前記リンク部材に設けられた固定ギヤ部に噛合し、前記リンク部材の揺動軸と反対側に移動したとき、前記固定ギヤ部から解放され、
    引き戸が開方向に付勢されるとき、前記ギヤ部材が前記ラック部材により開方向に回転することにより、前記リンクギヤが回転し、前記リンク部材がリンクギヤの回転方向に揺動し、
    引き戸の開方向への付勢が解除されるとき、前記ギヤ部材が前記第一の付勢手段の付勢力に基づいて閉方向に回転して、これに伴って前記リンク部材が、前記第二の付勢手段により発生する付勢力に抗して一時停止または低速で揺動し、
    前記リンクギヤは、引き戸の閉方向側への移動に伴ってさらに前記リンク部材が揺動すると、前記第二スロット内を前記リンク部材の揺動軸と反対側に移動することにより前記固定ギヤ部から解放されて、自由に回転可能となる、
    ことを特徴とする、自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  2. 前記第二の付勢手段が、前記リンク部材の揺動軸に対して斜めに延びるテーパ面を備えた押圧部材を介して、前記リンク部材の揺動軸を前記ギヤ部材の揺動軸に向かって付勢する、請求項1に記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  3. 前記第二の付勢手段がバネである、請求項2に記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  4. 前記第二の付勢手段がダンパーである、請求項2に記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  5. 前記リンク部材は、その揺動軸から両側に張り出した突起部を備えており、この突起部が前記ケース部材の底面に当接することにより、その揺動範囲が規制されることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  6. 前記リンク部材の揺動軸の前記ギヤ部材の回転軸側への移動を規制する規制部材を備えていることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  7. 前記規制部材は、前記ケース部材に揺動可能に枢支されたリンクであって、その第一のアームが前記リンク部材の揺動軸に対して、前記ギヤ部材の回転軸側に当接すると共に、第二のアームが、前記ケース部材の上面を越えて延びていることを特徴とする、請求項6に記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  8. 前記規制部材は、前記リンク部材の揺動軸に対する規制位置を調整する調整手段を備えていることを特徴とする、請求項6または7に記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
  9. 前記規制部材は、前記リンク部材の揺動軸を前記スロット内で前記ギヤ部材の回転軸と反対側の端部付近で規制することにより、前記引き戸の開方向への付勢が解除されるときの引き戸の一時停止または低速閉動作を解除することを特徴とする、請求項6から8の何れかに記載の自閉式引き戸の閉動作抑制構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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