JP5170817B2 - ガラスの溶融方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスの溶融方法に関し、特に、各種セラミックパッケージ、磁気ヘッド等の電子部品の封着、各種表示デバイスの封着、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁、魔法瓶の金属二重容器の封止および各種光学ガラスに好適なガラスの溶融方法に関するものである。
セラミックパッケージ、磁気ヘッド等の電子部品や表示デバイスに使用される封着材料には、ICや水晶振動子等の素子に悪影響を及ぼさないように低温で封着できることや、熱膨張係数が被封着物のそれに整合していることが要求される。
これまで、これらの特性を満足する封着材料として、PbO−B23系ガラス、或いはこれらのガラスに耐火性フィラーを添加してなる複合材料が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、最近、環境的観点から、環境負荷物質である鉛をガラスから除くことが求められており、PbO−B23系ガラスの代替材料として、SnO−P25系ガラスが提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
ところで、通常、PbO−B23系ガラスは、耐熱性と耐食性に優れた白金製溶融容器内でガラス原料を溶融することによって作製される。一般に、PbO−B23系ガラスは、溶融温度が低いため、溶融後の白金製溶融容器の浸食量が少なく、溶融容器の破損等の問題は生じない。
一方、SnO−P25系ガラスは、溶融時に白金製溶融容器を浸食しやすく、白金製溶融容器にクラックが発生することがあるため、長期間にわたって白金製溶融容器を使用できないという問題がある。また、白金は非常に高価な金属であり、白金製溶融容器を短期間で取り替えると、溶融コストの高騰を招くことになる。
このような事情から、特許文献4〜6に記載されている通り、SnO−P25系ガラスの溶融には、高価なシリカ(石英)製溶融容器が使用されている。
特開平2−229738号公報 特開平11−292564号公報 特開2001−48579号公報 特許第2628007号公報 特公平7−25567号公報 特開平9−235136号公報
特許文献4〜6に記載されているシリカ製溶融容器は、熱膨張係数が小さいため、溶融されたガラスを流し出した後に、シリカ製溶融容器内に残存するガラスと熱膨張係数が整合し難い。両者の熱膨張係数が不整合であると、シリカ製溶融容器が熱膨張係数差によって割れやすくなり、長期間にわたって溶融容器を使用することができない。
また、溶融容器として、耐熱性を有するインコネル系金属製溶融容器を使用することも考えられる。しかし、インコネル系金属は、金属中にCrを含むため、溶融時にガラス中に多量のCrが溶け出してガラスを着色させるとともに、溶け出したCrがガラスを不安定にするという問題がある。
そこで、本発明の技術的課題は、白金製溶融容器を腐食させやすいSnO−P25系ガラス等を長期間にわたって繰り返し溶融できるとともに、溶融時に溶融容器の構成成分が溶融ガラス中に溶出した場合であっても、溶出成分がガラスを変質させることがないガラスの溶融方法およびガラスを提供することである。
本発明者等は、上記技術的課題を解決すべく、種々の実験を繰り返した結果、溶融容器として、ジルコニウムまたはジルコニウム合金からなる溶融容器を用いると、腐食性の強いSnO−P系ガラス等を溶融しても、溶融容器が侵食されにくいとともに、溶融容器が破損しにくく、しかも溶融時に溶融容器の構成成分がガラス中に溶出した場合であっても、溶出成分がガラスを変質させないことを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラスの溶融方法は、調合したガラス原料を溶融容器内で溶融するガラスの溶融方法において、ガラスが、ガラス組成として、モル%で、SnO 20〜70%、P 10〜50%、B 0〜30%含有し、溶融容器がジルコニウムまたはジルコニウム合金から作製されていることを特徴とする。
発明のガラスの溶融方法は、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融することが好ましい。ここで、「不活性雰囲気」とは、真空環境(100Torr以下)、N、ArおよびHe等の希ガス雰囲気を指し、「還元性雰囲気」とは、常圧で酸素濃度が10体積%以下であって、水素や炭化水素等の還元性ガスを注入した雰囲気を指す。
発明のガラスの溶融方法は、ガラスが、ガラス組成として、SnOを40〜70モル%含有することが好ましい
発明のガラスの溶融方法は、ガラスが、ガラス組成として、モル%で、SnO 20〜70%、P 10〜50%、B 0〜30%含有することに特徴付けられる。
発明のガラスの溶融方法は、ジルコニウムの純度が97質量%以上であり、不純物としてHf、FeおよびCrの群から選ばれた1種または2種以上を含有することが好ましい
発明のガラスの溶融方法は、ジルコニウム合金が、ジルコニウムと、Sn、Fe、CrおよびNiの群から選ばれた1種または2種以上を含有するジルカロイ合金であることが好ましい
発明のガラスの溶融方法は、ジルコニウム合金が、ジルコニウム鉄合金、ジルコニウム銅合金、ジルコニウムアルミ合金のいずれかであることが好ましい
発明のガラスの製造方法は、ガラスが、ガラス組成として、更に、質量換算でZrOを100〜3000ppm含有することが好ましい
発明のガラスの製造方法は、ガラスが、電子部品または表示デバイスの封着に用いるガラスであることが好ましい
本発明のガラスの溶融方法は、溶融容器を腐食させやすいSnO−P25系ガラス等を長期間にわたって繰り返し溶融できるとともに、溶融時に溶融容器の構成成分がガラス中に溶出しても、ガラスを変質させにくい。
本発明のガラスの溶融方法は、溶融容器として、ジルコニウムやジルコニウム合金を使用しているため、溶融容器の耐熱性および耐腐食性を確保することができる。ジルコニウムやジルコニウム合金からなる溶融容器は、ガラスの溶融温度(例えば、700〜1000℃)で変形しないとともに、腐食性の高いSnO−P25系ガラス等を溶融しても、溶融容器が腐食しにくい利点を有している。
また、ジルコニウムやジルコニウム合金から作製される溶融容器は、溶融時にジルコニウム等がガラスに溶出したとしても、ガラスを分相させ難いことに加えて、ガラスを失透させ難い特質を有している。また、溶融時に、積極的にジルコニウム等をガラスに溶出させれば、後述の効果を享受することもできる。
さらに、ジルコニウムやジルコニウム合金は、優れた展性や加工性を有するため、様々な形状の溶融容器を作製することができる。また、ジルコニウムやジルコニウム合金は、白金に比べ、安価であり、ひいては溶融コストの低廉化を図ることもできる。
本発明のガラスの溶融方法において、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融することが好ましい。溶融温度域(例えば、700〜1000℃)において、大気中にジルコニウムまたはジルコニウム合金を放置すると、ジルコニウムまたはジルコニウム合金の表面が酸化され、その靱性が損なわれやすくなる。特に、溶融温度が900℃以上の場合、この傾向が顕著になる。その結果、熱衝撃を受けた場合や溶融容器の冷却時に、溶融容器が応力破壊しやすくなる。不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融すれば、ジルコニウムやジルコニウム合金は酸化されにくいため、溶融容器が破損しにくく、上記事態を有効に回避することができる。
なお、本発明のガラスの溶融方法は、大気中で溶融する態様を排除するものではないが、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融すれば、上記の利点に加えて、溶融容器の寿命を高めることができるため、溶融コストの低廉化を図ることもできる。
SnO含有ガラス、特にSnO−P系ガラスの場合、不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融すれば、SnOの酸化を防ぐことができる利点も享受することができるため、より好ましい。なお、SnO−P系ガラスにおいて、ガラス組成中のSnOが酸化すると、焼成時にガラスの流動性が損なわれる。ここで、SnOの含有量が20%より少ないと、ジルコニウムやジルコニウム合金からなる溶融容器を使用するメリットが乏しくなり、逆に、SnOの含有量が70%より多いと、溶融時にガラスが失透しやすくなり、ガラスの生産効率が損なわれる。よって、SnOの含有量は、モル%で、20〜70%、好ましくは20〜65%、更に好ましくは30〜60%である。
本発明のガラスの溶融方法において、ジルコニウムは、純度が97質量%以上、好ましくは99質量%以上であり、例えば、不純物としてHf、FeおよびCrからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有させることができる。Hf、FeおよびCrは、質量%表示で、Hfが3%以下、Fe+Crが0.2%以下であることが好ましい。ジルコニウムの純度が97質量%未満であると、溶融時に不純物成分が溶け出し、ガラスを変質させるおそれがあり、好ましくない。
本発明のガラスの溶融方法において、ジルコニウム合金は、Sn、Fe、CrおよびNiの群から選ばれた1種または2種以上が添加されてなるジルカロイ(ASTM R60802相当またはASTM R60804相当)やジルコニウム鉄合金、ジルコニウム銅合金、ジルコニウムアルミ合金が好ましい。これらのジルコニウム合金は、耐腐食性、耐熱性および加工性等が優れており、溶融容器として好適に使用することができる。
ジルカロイは、Sn、Fe、Cr、Niの添加量が、質量%表示でSn 1.0〜2.0%、Fe 0.05〜0.3%、Cr 0.05〜0.2%、Ni 0.02〜0.1%であることが好ましい。これらの成分を添加すれば、過度の耐食を防止できる。
本発明のガラスの溶融方法において、溶融容器の厚みは1〜5mmが好ましく、2〜3mmがより好ましい。このようにすれば、溶融容器の加工性を損なうことなく、溶融容器のクラックを防止することができる。
本発明のガラスの溶融方法において、真空雰囲気の場合、溶融温度は800〜1400℃が好適である。不活性雰囲気の場合、溶融温度は800〜1100℃が好適である。また、溶融温度を800〜1000℃にすれば、ガラスを適正に溶融することができる。溶融温度が高いと、Snの価数が2価から4価に変化しやすく、すなわちSnOが酸化しやすく、また溶融温度が低いと、溶融後にガラス原料の未溶解成分が残存しやすくなる。
本発明のガラスの溶融方法において、ジルコニウムまたはジルコニウム合金からジルコニウムを溶出させることにより、ガラス組成中のZrO2含有量を質量換算で100〜3000ppm(好ましくは200〜2000ppm、より好ましくは300〜1000ppm)とすることが望ましい。このようにすれば、耐失透性等のガラス特性に悪影響を及ぼすことなく、ガラスの耐候性や耐湿性を向上させることができる。特に、SnO−P25系ガラスの場合、ジルコニウムまたはジルコニウム合金からジルコニウムを溶出させれば、この溶出成分が還元剤として作用し、ガラス組成中のSnOが酸化される事態を抑制することができる。ZrO2の含有量が100ppmより少ないと、ガラスの耐候性や耐湿性を向上させにくくなる。ZrO2の含有量が3000ppmより多いと、ガラスの軟化点が上昇し、低温で封着し難くなる。
なお、攪拌羽やガス管等の溶融ガラスと直接接する設備は、通常、白金を用いて作製される。よって、これらの設備についてもジルコニウムまたはジルコニウム合金を用いて作製すれば、上述の溶融容器が有する利点を享受することができる。
本発明のガラスの溶融方法にて作製するガラスは、低融点特性を有するため、SnO−P系ガラスである。また、SnO−P系ガラスは、ガラス組成として、モル%で、SnO 20〜70%、P 10〜50%、B 0〜30%を有する。
SnO−P25系ガラスのガラス組成を上記のように限定した理由を下記に示す。
SnOは、ガラスを低融点化させる成分である。SnOの含有量が30%より少ないと、ガラスの粘性が高くなって、焼成温度が高くなりすぎ、低温で封着することができなくなる。SnOの含有量が70%を超えると、ガラス化し難くなる。特に、SnOが多いと、焼成時にガラスが失透しやすくなるので、焼成時にガラスの失透が許容されない場合には、SnOの含有量を60%以下とすることが好ましい。また、SnOの含有量を40%以上にすれば、ガラスの流動性を向上させることができ、電子部品等の気密信頼性を確保することができるため、より好ましい。
25は、ガラス形成酸化物であり、ガラスを安定化させる成分であり、その含有量は10〜50%、好ましくは15〜45%、より好ましくは20〜35%である。P25の含有量が10%より少ないと、ガラスの安定性が不十分となる。P25の含有量が50%より多いと、ガラスの耐湿性が悪くなる。
23は、必須成分ではないが、ガラス形成成分であり、ガラス組成中に含有させることにより、ガラスを安定化させることができる。B23の含有量は、0〜30%、好ましくは2〜15%である。B23の含有量が30%より多いと、ガラスの粘性が増大して、低温で封着し難くなる。
また、本発明に係るSnO−P25系ガラスは、ガラス組成として、上記成分に加えて、ZnO 0〜20%、MgO 0〜20%、Al23 0〜10%、SiO2 0〜15%、La23 0〜10%、R2O(R2OはLi2O、Na2O、K2Oおよび/またはCs2Oの合量) 0〜20%含有させることができる。これらの成分を上記範囲に限定した理由を以下に説明する。
ZnOは、必須成分ではないが、網目修飾酸化物であり、ガラスを安定化させる効果が大きいため、4%以上含有させることが望ましい。しかし、ZnOの含有量が20%を超えると、焼成時にガラス表面に失透が生じやすくなる。また、封着工程が長時間(例えば1時間以上)である場合、具体的にはPDPの封着工程等では、ガラス表面に失透が生じやすくなるため、ガラスをより安定化させる必要がある。このような場合、ZnOの含有量を5〜15%とすればよい。
MgOは、網目修飾酸化物であり、ガラスを安定化させる効果がある。MgOが20%を超えると、焼成時にガラス表面に失透が発生しやすくなる。MgOの含有量は0〜5%であることが望ましい。
Al23は、中間酸化物である。Al23は必須成分ではないが、ガラスを安定化させる効果があり、また熱膨張係数を低下させる効果もあるので含有させることが望ましい。但し、10%を超えると軟化温度が上昇し、焼成時のガラスの流動性が阻害される。なお、ガラスの安定性、熱膨張係数および流動性等を考慮した場合、Al23の含有量は1〜5%がより好ましい。
SiO2は、ガラス形成酸化物である。SiO2は必須成分ではないが、失透を抑制する効果があるので含有させることが望ましい。なお、15%を超えると軟化温度が上昇し、焼成時の流動性が著しく悪くなる。低融点材料としての流動性等考慮した場合、SiO2の含有量は0〜10%であることが望ましい。
2Oは、必須成分ではないが、R2O成分の内、少なくとも1種をガラス組成中に0.1%以上含有させることにより、被封着物との封着強度を高めることができる。しかし、R2Oの含有量が20%を超えると、焼成時にガラスが失透しやすくなる。なお、焼成時の耐失透性やガラスの流動性が要求される場合、R2Oの含有量を10%以下にすることが望ましい。
さらに、本発明に係るSnO−P25系ガラスは、ガラス組成として、上記成分に加えて種々の成分を添加することができる。例えば、ガラスを安定化させる目的で、WO3、MoO3、Nb25、TiO2、CuO、MnO、R’O(R’OはMgO、CaO、SrOおよび/またはBaOの合量)等を合量で0〜35%、好ましくは0〜25%含有させることができる。なお、これらの成分の合量が35%を超えると、ガラス組成のバランスを欠き、逆にガラスが不安定になって、ガラスの成形時に失透しやすくなる。また、ガラスの耐候性や耐湿性を高めるために、In23等を含有させることもできる。
上記安定化成分の含有量およびその限定理由を以下に述べる。
WO3、MoO3の含有量は、それぞれ0〜20%、特に0〜10%であることが好ましい。これらの成分が20%を超えると、ガラスの粘性が高くなりやすく、低温で封着することができなくなる。
Nb25、TiO2の含有量は、それぞれ0〜15%、特に0〜10%であることが好ましい。これらの成分が15%を超えると、ガラスの失透傾向が大きくなりやすい。
CuO、MnOの含有量は、それぞれ0〜10%、特に0〜5%が好ましい。これらの成分が10%を超えると、ガラスが不安定になりやすい。
R’Oの含有量は、合量で0〜15%、特に0〜5%であることが好ましい。R’Oが15%を超えると、ガラスが不安定になりやすい。
In23は、高度な耐候性や耐湿性を得る目的で使用することができる。In23の含有量は0〜5%であることが好ましい。In23の含有量が5%より多いと、In23が高価な原料であることから、ガラスの原料コストの高騰を招く。
なお、環境的観点から、ガラス組成中にPbOを実質的に含有させないことが好ましい。ここで、「PbOを実質的に含有しない」とは、ガラス組成中のPbOの含有量が1000ppm以下の場合を指す。
本発明に係るガラスは、ガラス組成として、モル%で、SnO 20〜70%、P 10〜50%、B 0〜30%含有する。さらに、本発明に係るガラスにおいて、質量換算でガラス組成中にZrOを100〜3000ppm含有させることが好ましく、200〜2000ppm含有させることがより好ましく、300〜1000ppm含有させることが特に好ましい。このようにすれば、ガラスの耐候性や耐湿性を向上させることができる。ZrOの含有量が100ppmより少ないと、ガラスの耐候性や耐湿性を向上させにくくなる。ZrOの含有量が3000ppmより多いと、低温で封着し難くなる。ZrOは、上記したように、ジルコニウム溶融容器等を用いて溶融することで、ガラス組成中に導入させることができる。
本発明に係るガラスは、上記ガラスの溶融方法によって、好適に作製することができる。上記ガラスの溶融方法により得られる上記ガラス組成を有するSnO−P系ガラスは、270〜380℃のガラス転移点を有し、約400〜600℃の温度範囲で良好な流動性を示す低融点のガラスである。また、これらのSnO−P系ガラスは、30〜250℃の温度範囲において90〜150×10−7/℃程度の熱膨張係数を有する。
このような特性を有するSnO−P25系ガラスは、被封着物と熱膨張係数が適合する場合、ガラス粉末とし、単独で封着材料として使用できる。
一方、被封着物と熱膨張係数が整合しない場合、例えばアルミナ(70×10-7/℃)、高歪点ガラス(85×10-7/℃)、ソーダ板ガラス(90×10-7/℃)等を封着する場合には、SnO−P25系ガラス粉末に耐火性フィラー粉末を加えて複合材料とすればよい。複合材料の熱膨張係数は、被封着物に対して5〜30×10-7/℃程度低く設計することが重要である。このようにすれば、封着層にかかる応力をコンプレッション(圧縮)側にして封着層の破壊を防ぐことができる。この場合、ガラス粉末45〜95体積%、耐火性フィラー粉末5〜55体積%となるように調製すればよい。
特に、蛍光表示管(VFD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、PDP、陰極線管(CRT)を封着する場合、封着材料の熱膨張係数を60〜100×10-7/℃程度となるように調整することが好ましい。
耐火性フィラーとして、ウイレマイト系セラミック、β−ユークリプタイト、チタン酸鉛系セラミック、コーディエライト、酸化スズ固溶体、ジルコン系セラミック、ムライト、石英ガラス、アルミナ等の各種耐火性フィラー粉末を添加してもよい。なお、熱膨張係数の調整以外にも、例えば機械的強度の向上のために、耐火性フィラー粉末を添加することもできる。なお、環境的観点から、耐火性フィラー粉末は、実質的にPbOを含まないことが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1、2は本発明の実施例(No.1〜9)を示し、表3は比較例(No.10〜12)を示すものである。
Figure 0005170817
Figure 0005170817
Figure 0005170817
表中のガラス組成になるように、各種酸化物、炭酸塩原料等を調合し、ガラス原料を作製した。このガラス原料を表中に示す溶融容器に投入し、表中の溶融雰囲気中で、表中の溶融温度で2時間溶融した。
次いで、溶融容器中の溶融ガラスを一対の回転ローラー間に流し出し、回転ローラーで溶融ガラスを急冷しながら、フィルム状のガラス試料を作製した。成形したフィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、目開き105μmの篩を通過させ、平均粒径約10μmのガラス粉末を得た。また、溶融容器中の溶融ガラスをカーボン製の型枠に流し出し、板状のガラス試料を作製した。
ガラス転移点は、示差熱分析(DTA)により、熱膨張係数は、押棒式熱膨張測定(TMA)装置により求めた。
流動径は、次のようなフローボタンテストで評価した。まず、成形したフィルム状のガラスをボールミルで粉砕した後、目開き105μmの篩を通過させ、平均粒径約10μmのガラス粉末を得た。次に、得られたガラス粉末の真比重に相当する質量の粉末を秤量し、金型を用いて、これをφ20mmのボタン状にプレスし、ボタン状の粉末成形体を得た。続いて、この粉末成形体を窓板ガラスの上に載置した後、表中の雰囲気中で焼成した。焼成条件として、焼成温度である450℃まで10℃/分の速度で昇温した上で、450℃で10分間保持した後、10℃/分で室温まで降温した。最後に、焼成後のボタンの直径をデジタルノギスで測定した。このボタンの直径は、封着材料に用いる場合には20mm以上であることが望ましい。
「溶融容器の割れ」は、溶融容器から溶融ガラスを流し出した後、常温で溶融容器を放置し、溶融容器にクラックが発生しているか否かを目視で判定し、評価した。クラックがない場合を「○」、クラックがある場合を「×」とした。
「ガラス中のZrO2の含有量」は、蛍光X線分析により、測定した。なお、表中の数値は、質量換算の数値である。
表1、2から明らかなように、実施例No.1〜9は溶融容器の割れがなく、フローボタンテストでの流動径も20mm以上あり、得られたガラス特性も良好であった。なお、ZrO2の含有量も700〜1900ppmであった。
一方、表3から明らかなように、比較例No.10、12は、溶融容器にクラック発生し、比較例No.11は、溶融ガラスが緑色に強く着色し、粉末ガラスも失透したため、流動径が18mmと流動せず、ガラス特性が損なわれた。
以上説明した通り、本発明のガラスの溶融方法で作製されるガラスは、各種セラミックパッケージ、磁気ヘッド等の電子部品の封着、各種表示デバイスの封着、PDPの隔壁、魔法瓶の金属二重容器の封止および各種光学ガラスに好適である。

Claims (8)

  1. 調合したガラス原料を溶融容器内で溶融するガラスの溶融方法において、
    ガラスが、ガラス組成として、モル%で、SnO 20〜70%、P 10〜50%、B 0〜30%含有し、
    溶融容器がジルコニウムまたはジルコニウム合金から作製されていることを特徴とするガラスの溶融方法。
  2. 不活性雰囲気または還元性雰囲気中で溶融することを特徴とする請求項1に記載のガラスの溶融方法。
  3. ガラスが、ガラス組成として、モル%で、SnOを40〜70%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のガラスの溶融方法。
  4. ガラスが、ガラス組成として、更に、質量換算でZrO を100〜3000ppm含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスの溶融方法。
  5. ジルコニウムの純度が97質量%以上であり、不純物としてHf、FeおよびCrの群から選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスの溶融方法。
  6. ジルコニウム合金が、ジルコニウムと、Sn、Fe、CrおよびNiの群から選ばれた1種または2種以上を含有するジルカロイ合金であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスの溶融方法。
  7. ジルコニウム合金が、ジルコニウム鉄合金、ジルコニウム銅合金、ジルコニウムアルミ合金のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスの溶融方法。
  8. ガラスが、電子部品または表示デバイスの封着に用いるガラスであることを特徴とする請求項のいずれかに記載のガラスの溶融方法
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