[第1の実施形態]
<特徴>
本画像形成装置では、連続する複数枚の記録媒体上に形成された画像を検出し、対応する元画像データと比較して画像データと差異のある部分である周期画像の情報を抽出する。記憶手段(図5参照)には、周期画像の特徴ごとに、画像形成手段の部位(原因ユニット)、現象、形状、周期画像の他の特徴、対策、が記憶されている。ここで、画像形成手段としては、感光体ドラム、中間転写ベルト等が含まれる。
そして、抽出した情報は、記憶手段の情報を基に、複数枚の記録媒体上の異なる位置に形成された周期画像の発生周期、形状が判定される。また、本画像形成装置では、検出された発生周期と一致する周期を抽出して周期画像の発生原因となった部位を特定することができる。
更に、一致した発生周期の周期画像の発生原因となった部位は、周期画像の発生領域が一致する周期画像の発生原因を抽出することによって周期画像の原因を特定することができる。また、特定した周期画像の原因を解消するための対策を得ることができる。そのため、本画像形成装置では、大型の感光体ドラムまたは中間転写ベルトに起因するような一見しただけではその周期性を見出すことが困難な周期画像の発生原因を特定することができる。例えば、周期画像の発生原因が感光体ドラムの表面キズであれば、感光体ドラムの交換をするようにユーザに知らせることができ、周期画像の発生原因が感光体ドラムの帯電ムラであれば帯電ムラを解消するような処理をすることもできる。
以下、図面を参照し、本実施形態の画像形成装置について詳細に説明する。
<画像形成装置の構成例:図1>
図1は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す断面図であり、複数の画像形成部(画像形成ステーション)を並設してなるカラー画像形成装置である。
カラー画像形成装置は、画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40及び不図示の制御ユニットで構成されている画像出力部1Pが設けられている。画像形成部10には、4つのステーションa,b,c,dが並設されており、その構成は同一である。以下、各ユニットについて説明する。
画像形成部10は、図示する矢印方向に回転駆動される像担持体としての感光ドラム11a,11b,11c,11dがその中心で軸支される。そして、各感光ドラム11a〜11dの外周面には、その回転方向に一次帯電器12a,12b,12c,12d、光学系13a,13b,13c,13d、現像部14a,14b,14c,14dが配置される。
一次帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に均一な帯電量の電荷を与える。次いで、光学系13a〜13dは、記録画像信号に応じて変調した例えばレーザービーム等の光線を感光ドラム11a〜11d上に露光し、感光ドラム11a〜11d上に静電潜像を形成する。そして、各静電潜像はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の現像剤(トナー)をそれぞれ収納した現像部14a〜14dによってトナー画像として顕像化される。
顕像化されたトナー画像は一次転写領域Ta,Tb,Tc,Tdで中間転写ベルト31に転写される。中間転写ベルト31に転写されないで感光ドラム11a〜11d上に残されたトナーはクリーニング部15a,15b,15c,15dによって掻き落とされて清掃される。以上に示したプロセスを経て各トナーによる画像形成が順次行われる。
一方、給紙ユニット20は、記録材Pを収納するためのカセット21a,21b及び手差しトレイ27を有する。また、記録材Pを1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a,22b,26を有する。また、記録材Pをレジストローラ25a,25bまで搬送するための給紙ローラ対23及び給紙ガイド24を有する。レジストローラ25a,25bは画像形成部10での画像形成タイミングに合わせて記録材Pを二次転写領域Teへ送り出す。
また、中間転写ユニット30は、中間転写体としての中間転写ベルト31を有している。中間転写ベルト31は、これに駆動力を伝達する駆動ローラ32と、レジマーク検出センサ61に対向して設けられたバックアップローラ62とによって巻回される。さらに、中間転写ベルト31は、不図示のばねの付勢力によって適度な張力を与えるテンションローラ33と、二次転写領域Teに対向する二次転写内ローラ34とによって巻回される。尚、中間転写ベルト31の材質としては、例えば、PI[ポリイミド]やPVdF[ポリフッ化ビニリデン]等が選定される。
上記の駆動ローラ32とバックアップローラ62の間には一次転写平面Aが形成される。駆動ローラ32は金属ローラの表面に数mm厚のゴム(ウレタン又はクロロプレン)をコーティングして中間転写ベルト31とのスリップを防止している。尚、この駆動ローラ32は不図示のパルスモータによって回転駆動される。
各感光ドラム11a〜11dと中間転写ベルト31が対向する一次転写領域Ta〜Tdには、中間転写ベルト31の裏に一次転写部35a〜35dが配置される。そして、二次転写領域Teには二次転写内ローラ34に対向して二次転写部36が配置される。又、中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング部50が配置される。クリーニング部50は、クリーナブレード51と廃トナーを収納する廃トナーボックス52で構成される。尚、クリーナブレード51の材質としてはポリウレタンゴム等が用いられる。
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を備えた定着ローラ41aと定着ローラ41aに加圧される加圧ローラ41b(加圧ローラ41bにも熱源を備える場合もある)を有する。更に、定着ユニット40は、定着ローラ41aと加圧ローラ41bのニップ部へ記録材Pを導くためのガイド43、排出されてきた記録材Pを装置外部に導き出すための内排紙ローラ44、外排紙ローラ45等を有する。
又、制御ユニットは、上記各ユニット内の機構の動作を制御するための制御基板(制御部)80や不図示のモータドライブ基板等で構成される。
次に、本カラー画像形成装置の動作について説明する。
図1において、画像形成動作開始信号が発せられると、先ず、ピックアップローラ22aによってカセット21aから記録材Pが1枚ずつ送り出される。そして、給紙ローラ対23によって記録材Pが給紙ガイド24の間を案内されてレジストローラ25a,25bまで搬送される。このとき、レジストローラ25a,25bは停止しており、記録材Pの先端がニップ部に突き当たる。その後、レジストローラ25a,25bは、画像形成部10が画像の形成を開始するタイミングに合わせて回転を開始する。レジストローラ25a,25bの回転時期は、記録材Pと、画像形成部10より中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域Teにおいて一致するようにそのタイミングが設定される。
一方、画像形成部10では、画像形成動作の開始信号が発せられると、前述したプロセスを経て中間転写ベルト31の回転方向において一番上流にある感光ドラム11d上にトナー画像が形成される。続いて、形成されたトナー画像は、高電圧が印加された一次転写用帯電器35dによって、一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。
そして、中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー画像は次の一次転写領域Tcまで搬送される。そこでは画像形成部10の間をトナー画像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて次のトナー画像が転写される。以下も同様の工程が繰り返され、4色のトナー画像が中間転写ベルト31上に一次転写される。
その後、二次転写部36は、記録材Pが二次転写領域Teに進入するタイミングに合わせ高電圧を印加する。そして、前述したプロセスによって中間転写ベルト31上に形成された4色のトナー画像が記録材Pの表面に転写される。トナー画像が転写された記録材Pは搬送ガイド43によって定着ユニット40の定着ローラ41aと加圧ローラ41bのニップ部まで案内される。そして、定着ユニット40のローラ対41a,41bの熱及びニップの圧力によってトナー画像が記録材Pの表面に定着される。トナー画像が定着された記録材Pは内排紙ローラ44と外排紙ローラ45によって機外に排出される。
(検品センサの例:図2)
内排紙ローラ44と外排紙ローラ45の間には、検品センサ70が記録材Pに対向して設けられる。検品センサ70は、例えば、図2に示すように、LED等の光源71と短焦点結像レンズ72および光電変換素子(以下、素子と称す)73で構成される検出部を複数有している。この検出部は、記録材Pの搬送方向に直交する方向(長手方向)に対して、記録材Pの全域に発生した周期画像を検出できるよう(少なくとも1ライン分)に配置される。素子73は長手方向に概ね0.5mmピッチ以下で配列することで高い分解能で検出できる。そして記録材P上の画像が読み取られ、読み取られた画像は電気信号に変換されて制御基板80に伝送される。また、素子73による検出サンプリング周期は1ライン毎に、検出サンプリング周期を短くすれば、搬送方向の分解能をより高めることができる。検品センサ70は例えばコンタクトイメージセンサでもよい。かかる検品センサ70を含む画像読み取りの構成が、読取手段の一例である。
(画像形成装置の制御構成例:図3A)
次に、上記説明した画像形成装置の制御構成について、図3Aを用いて説明する。
制御部80はCPU81,ROM82,RAM83などから構成される。制御部80は、画像形成部10、給紙ユニット20,中間転写ユニット30,定着ユニット40,クリーニング部50,検品センサ70を含むセンサ類60、表示部90、入力部95などの各部を制御する。すなわち、制御部80のCPU81はROM82に記憶されている制御プログラムと原因テーブルに基づいてRAM83を作業領域に用いて、記録材Pに発生した周期画像の原因を特定したり、周期画像の原因を解消するための対策を表示したりする。
(ROM/RAMの構成例:図3B)
図3Bに、ROM82,RAM83の構成の一例を示す。ROM82,RAM83には、システムプログラム181、周期画像制御プログラム182、原因テーブル183、原因・対策表示画面用データ184、用紙サイズ、サンプル用紙サイズ、紙間間隔185が記憶されている。また、画像データ186,検出された画像のデータ187、周期画像の発生間隔を示す周長と周期188、周期画像の発生時間・位置・形状189、周期画像の原因・対策情報190、画像データ枚数191、枚数カウンタ192が記憶されている。更に、プログラムロード領域193、周期画像を検出したことを示すフラグ情報194が記憶される。
<本実施形態の周期画像の原因の特定方法>
次に、上記説明した本画像形成装置を用いて、大型の感光体ドラムまたは中間転写ベルトに起因するような一見しただけではその周期性を見出すことが困難な出力物に発生した周期画像の原因を特定する方法について、図4〜図7を用いて説明する。
(周期画像の原因を特定する構成例:図4)
まず、本画像形成装置を用いて上記説明した周期画像の原因を特定する構成について説明する。
図4は、本画像形成装置における周期画像の検出、周期画像の原因特定、周期画像の原因の除去または周期画像の回避策を表示する処理の構成を示す。制御部80は、CPU81が、ROM82に記憶された制御プログラムに基づいてRAM83を作業領域に用いながら検品センサ70、感光ドラム11、光学系13などを制御して記録材(出力物)P上に発生した周期画像の原因を特定する。そして、特定した原因を除去する処理または周期画像を回避する対策(清掃、部品の交換)を表示する処理を行う。
すなわち、CPU81は、光学系13によって画像データに応じて変調したレーザービームを感光ドラム11上に露光させて静電潜像を形成し、現像剤を用いて顕像化し、記録材P上に転写後、定着するように制御する。次に、CPU81は、検品センサ70が連続する複数枚の記録材P上に形成された画像を検出するように制御する。次に、CPU81は、検出画像(V−Out)を元画像データ(V−Video)と比較して周期画像の位置情報を抽出する。そして、位置情報に基づいて複数枚の記録材P上の異なる位置に形成された周期画像の発生間隔を示す発生周期(または発生周長)を検出する。
次に、CPU81は、検出された周期画像部分の発生周期を用いて、ROM82に記憶されている原因テーブルから画像形成手段による周期画像の発生原因を特定する。ここで、原因テーブルには、画像形成手段による周期画像の発生原因、周期画像の発生周期、発生場所、周期画像を解消する対策などが記憶されている。そして、算出された発生周期と一致する発生周期を見つけだすことによって、複数枚の記録材P上の異なる位置に形成された周期画像の原因を特定することができる。
その結果、本画像形成装置では、大型の感光体ドラムまたは中間転写ベルトに起因するような一見しただけではその周期性を見出すことが困難な出力物に発生した周期画像の原因を特定して、周期画像の原因を解消するための対策を立てることができる。
(原因テーブルの構成例:図5)
図5は、ROM82に記憶されている原因テーブルの一例を示す。
すなわち、図5には、周期画像を起こす原因ごとに、その発生場所である原因ユニット、現象、周期画像の形状、周期画像の周期・周長、対策などがテーブルとして記載されている。なお、本実施形態で使用する感光ドラム11の直径はφ116mmであり、その周長L3は約364mmである。したがって、感光ドラム11に起因する周期画像が発生した場合には、約364mmの周期で存在することになる。また、転写ローラ35の周長L1は約88mm、中間転写ベルト31の周長L4は約2262mm、定着ローラ41の周長L2は約220mmである。
例えば、周期画像を起こす原因が「帯電異常」の場合は、原因ユニットは感光ドラムである。この場合には、発生する現象は画像流れであり、記録材の全域で発生し、発生周期は364mmである。周期画像を解消するための対策としては、空回転モードにして感光ドラムを空回転することが推奨されている。同様に、周期画像を起こす原因として、例えば、感光ドラムの表面キズや中間転写ベルト上の付着物の場合についても記載されている。
(周期画像の発生原因となる部位の特定方法の一例:図6,図7)
次に、図4で説明したCPU81が原因テーブル(図5)を用いて周期画像の発生原因となる部位を特定する方法について、図6,図7を用いて具体的に説明する。かかる周期画像の発生原因である部位の特定が、本発明の第1の特定に相当する。
図6,図7は、素子73−1〜73−nで検出された画像の画像情報を電気信号に変換した検出画像(V−Out)を元画像データ(V−Video)と比較した結果である。
図6,図7において、TABLE1は転写ローラ35の周期、TABLE2は定着ローラ41の周期、TABLE3は感光ドラム11の周期、TABLE4は中間転写ベルト31の周期をそれぞれ示したスケールである。すなわち、TABLE1のL1は転写ローラの周長、TABLE2のL2は定着転写ローラの周長、TABLE3のL3は感光ドラムの周長、TABLE4のL4は中間転写体ベルトの周長である。
図6において、まず、スケールの始点は検品中の記録材Pnに発生した周期画像105aの位置に合わす。すると、記録材Pn+1枚目に発生している周期画像105bの位置と、TABLE3の2番目のピーク115bが一致する。同様に、記録材Pn+4枚目に発生している周期画像105dの位置とTABLE3の4番目のピーク115dが、さらに記録材Pn+5枚目に発生している周期画像105eの位置とTABLE3の5番目のピーク115eが、一致する。しかしながら、これらの周期画像の位置は、TABLE1,2,4に示されたピークの何れとも一致していない。したがって、着目している周期画像は、感光ドラム11の1周分の周期364mm間隔で発生していることが特定され、その原因が感光ドラム11に起因していることが推測される。
図7も同様に、スケールの始点は、検品中の記録材Pn枚目に発生した周期画像106aに合わす。すると、記録材Pn+1枚目に発生している周期画像106bの位置と、TABLE3の2番目のピーク116bが一致する。同様に、記録材Pn+4枚目に発生している周期画像106dの位置とTABLE3の4番目のピーク116dが、さらに記録材Pn+5枚目に発生している周期画像106eの位置とTABLE3の5番目のピーク116eが、一致する。
一方、これらの周期画像の位置は、TABLE1,2,4に示されたピークの何れとも一致していない。したがって、着目している周期画像は、感光ドラム11の1周分の周期364mm間隔で発生していることが特定され、その原因が感光ドラム11に起因していることが推測される。
ここで、周期画像を識別する他の方法としては、検品センサ70に色を認識可能なカラーセンサを用いれば、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの何れの色で周期画像が発生しているかを容易に識別できる。そのため、感光ドラム11a〜dのうちどのドラムに起因するものかを特定できる。
従って、本画像形成装置では、上記説明した方法により、複数の頁の異なる位置に形成される複雑な発生パターンで生ずる周期画像の発生周期を特定し、更に、その原因となる原因ユニットの特定も可能である。
<特定されたユニットの周期画像の発生原因の具体的な特定例>
次に、特定されたユニットの具体的な周期画像の発生原因を特定する手法について述べる。かかる周期画像の発生原因である部位の特定が、本発明の第2の特定に相当する。
(表面キズの特定:図6)
最初に、表面キズの特定方法について説明する。
図5の原因テーブルには、所定の現象に伴い発生する周期画像の形状に関する情報も格納されている。例えば、周期画像が感光ドラムの「表面キズ」に起因する場合には、長手方向のうちキズに相当する一部分のみに周期画像が発生し、画像データとは無関係にキズに相当した形状でトナー像が形成される。
長手方向の表面キズに相当する一部分は、検品センサ70の長手方向の素子73−1〜73−nが周期画像を検出した検出数(長さ)を概ね2〜3mm相当の規定値と比較して、検出数が規定値より小さければ表面キズと検出する。規定値は装置固有のため予め実験または過去のデータを元に決めればよい。
したがって、図6に示すように、素子73−20〜73−25の位置のみに周期画像105a、105b、105d、105eが観測される場合には、「表面キズ」の可能性が高い。「表面キズ」の場合には、一般に高濃度のトナー像が形成され、検出画像(V−Out)において周期画像105が高い出力で観測され、その波形の立上り立下りが急峻であることが特徴である。そこで、これらの情報を元に、CPU81は、周期画像の原因が感光ドラム11の表面に発生しているキズであることを特定してもよい。
(帯電ムラの特定:図7)
次に、帯電ムラの特定方法について説明する。
例えば、装置の放置状況等の影響により感光ドラムに帯電ムラが生じ、長手方向全域に渡って帯状(すじ)の周期画像を生じさせる場合がある。図7は、このような状況における検品結果を示したものである。
長手方向全域の帯状は、検出センサ70の長手方向の素子73−1〜73−nが周期画像を検出した検出数を前述の規定値と比較して、検出数が規定値より大きい場合に帯状と検出する。また、長手方向全域の帯状は、必ずしも完全に長手方向全域で観測されるものではなく、長手方向に途切れた状態で出現する場合もある。このため、周期画像の検出数が、連続せずに概ね6割の長さに相当した場合に、連続していない周期画像が複数個所あると判定し、帯状とする。連続していない周期画像が複数個所あるという判定値は、装置固有のため予め実験または過去のデータを元に決めればよい。
図7に示すように、素子73−10〜73−30、73−40〜73−50の位置に帯状の周期画像106a、106b、106d、106eが観測される場合には、「帯電ムラ」の可能性が高い。帯電ムラの場合、正常画像に対する濃度変動が比較的なだらかで、表面キズに起因する場合に比べて検出画像(V−Out)の波形が急峻ではない。これらの情報を元に、CPU81は、周期画像の原因が感光ドラム11の帯電ムラであることを特定してもよい。
<周期画像の発生間隔および周期画像の発生原因の特定方法:図8のS1〜S8>
次に、上記説明した、記録材上に発生した周期画像の形状と発生間隔の検出、および周期画像の原因を特定する方法について、図8〜図10のフローチャートを用いて説明する。図8の処理は、制御部80のCPU81が、ROM82に記憶された制御プログラムに基づいてRAM83を作業領域に用いて各部を制御しながら実行するものである。
まず、ステップS1において、検品処理を開始すると、ステップS2に進む。ステップS2では、CPU81は、読み込んだ元画像データに応じて変調したレーザービームを感光ドラム11上に露光して静電潜像を形成し、現像剤を用いて顕像化し、記録材上に転写後、定着するように制御する。
ステップS3において、CPU81は、検品センサ70が連続する複数枚の記録材上に形成された画像を検出するように制御する。
ステップS4では、CPU81は、検出画像(V−Out)と元画像データ(V−Video)とを比較して差異のある部分、すなわち周期画像の部分があるか否かを判別する。そして、周期画像がある場合にはステップS5に進み、周期画像の情報(フラグ情報、発生時間、位置情報、形状情報)を記憶してからステップS6に進む。発生時間は、最初に検出した周期画像を起点にサンプリング周期をカウントして、順次検出した周期画像毎に、記憶される。一方、ステップS4において、周期画像が無い場合には、CPU81は、ステップS6に進むように制御する。
<周期画像の情報の記憶:S5>
次に、図9を用いてステップS5の詳細な説明をする。
ステップS51で周期画像の情報記憶と形状判定の処理を開始すると、ステップS52に進む。ステップS52では、ステップ4で判別した周期画像を検出した素子73−1〜73−nの位置と周期画像を示すフラグ情報をRAM83に記憶する。
ステップS53では、CPU81が、RAM83に記憶されている周期画像の位置を読み出し、素子73−1〜73−nが検出した周期画像の検出数と規定値を比較して、周期画像が長手方向に連続しているか判定する。
図7において、1ライン毎のサンプリング周期で素子73−10〜73−30、73−40〜73−50が周期画像106a、106b、106d、106eを検知する。CPU81は、素子73−10〜73−30、73−40〜73−50の検出数が規定値を超えているため、周期画像は連続していると判断する。この結果、ステップS54では、周期画像の形状が帯と判定し、素子73−10〜73−30、73−40〜73−50の位置情報と、発生時間と、周期画像の帯形状を、図12に示すように、RAM83に記憶する。
図12は、図7の事例において、ステップS5で記録した周期画像の形状と発生時間を示したものである。素子73−10〜73−30で検出した周期画像の波形106a、106b、106d、106eの発生時間が、周期画像の波形106aを起点に示されている。また、素子73−40〜73−50で検出した周期画像の波形106a、106b、106d、106eの発生時間が、同じ時間軸で示されている。なお、素子73−1〜73−9,素子73−31〜73−39,素子73−51〜73−nでは、周期画像の波形は検出されていない。そして先述したように、同時間に複数の周期画像の画像データが検出されたことから、これらの周期画像の波形が帯状の周期画像であると判断された結果も、合わせて記録されている。
図6において、1ライン毎のサンプリング周期で素子73−20〜73−25が周期画像の波形105a、105b、105d、105eを検出する。CPU81は、素子73−20〜73−25の検出数が規定値を超えていないため、周期画像は連続していないと判断する。ステップS55では連続していない周期画像が複数個所なければステップS56に進む。ステップS56では、周期画像の形状が点と判定し、素子73−20〜73−25の位置情報と、発生時間と、周期画像の点形状を図11に示すように、RAM83に記憶する。
図11は、図6の事例において、ステップS5で記録した周期画像の形状と発生時間を示したものである。素子73−20〜73−25で検出した周期画像の波形105a、105b、105d、105eの発生時間が、周期画像の波形105aを起点に示されている。また、素子73−1〜73−19および素子73−26〜73−nでは、周期画像の波形は検出されなかったことも示されている。そして先述したように、これらの周期画像の波形が点状の周期画像であると判断された結果も、合わせて記録されている。
一方、ステップS55では連続していない周期画像が複数個所あれば、ステップS53に進む。これは、周期画像が必ずしも完全に長手方向全域で観測されるものではなく、長手方向に途切れた状態で出現する場合もあるという特徴を有するためである。このような現象は、例えば、長手方向の手前側のみに出現する場合や、中央部のみに出現する場合がある。これは、装置の放置環境、あるいは感光ドラムとその当接物とのミスアライメントや、当接圧のアンバランスに起因するものである。したがって、ステップS55では、素子73−1〜73−nが検出した周期画像の検出数が、連続せずに概ね6割の長さに相当すると判断すると、ステップS54では、複数の周期画像の形状は帯状であると判定する。
以上説明したように、ステップS5において周期画像の形状を特定するとともに発生時間、位置を記憶する。そして、これらの情報を元に後述するステップS8において周期画像の発生周期を算出し、周期画像の原因を特定していく。
続いて、ステップS6では、CPU81は、予め設定された枚数の画像(N枚)の比較が終了したか否かを判別し、終了していない場合には、ステップS4に戻って、上記説明した処理を継続するように制御する。一方、ステップS6において、全ての画像(N枚)の比較が終了した場合には、CPU81は、ステップS7に進むように制御する。
なお、ステップS6での周期画像の検出は、予め設定された枚数(N枚)が多ければ多いほど検出の精度が向上するが、枚数が多いと検出時間が増加する。そのため、感光体ドラム、または中間転写ベルトに形成可能な画像形成枚数の整数倍、例えば、N=2〜3と設定し、周期画像の検出が最低2〜3回程度行われるようにするのが望ましい。
次に、ステップS7では、CPU81が、RAM83に周期画像を示すフラグ情報が記憶されているか否かを調べる。無い場合には、ステップS13に進み、一連の作業を終了するように制御する。一方、ステップS7において、周期画像がある場合には、CPU81は、ステップS8に進み、周期性のある周期画像における発生周期の算出、その原因ユニットと周期画像の原因の判定を行うように制御する。
<原因ユニットと周期画像の原因の判定:S8>
次に、図10を用いてステップS8の詳細な説明をする。
まず、ステップS81で、周期画像の発生周期と原因を特定する処理を開始すると、ステップS82に進む。
(図6及び図11の場合:感光ドラムの表面キズの例)
ステップS82では、周期画像の基準データとして、RAM83から、ステップS5で記憶した周期画像の最初の発生時間と形状データを読み出す。
図6及び図11において、最初に検出された周期画像105aの発生時間t-105aが基準データとなり、その周期画像の点形状という情報を読み出す。ステップS83では、周期画像の注目データとして2番目に検出された周期画像105bの発生時間t-105bと点形状という情報を読み出す。ステップS84では、注目データの原因が特定済みならステップS90に、特定済みでないならステップS85に進む。図6では周期画像105bが特定されていないため、ステップS85に進む。
ステップS85では、基準データの周期画像の形状と注目データである周期画像の形状が一致するならステップS86に、一致しないならステップS90に進む。図6では、基準データの周期画像105aと注目データの周期画像105bが、いずれも点形状のため一致し、ステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの発生時間t-105aと注目データの発生時間t-105bの時間差Δt-105abを算出する。ステップS87では、時間差Δt-105abと周期画像の点形状という情報を元に、図5の原因テーブルの各周期または各周長と一致または整数倍かを判定して、一致する項目を算出する。
例えば、時間差Δt-105abが3.64secとすると、原因テーブルに記憶されている周期が3.64secで点形状である周期画像項目は、感光ドラムのキズ画像が該当することがわかる。
また、図6において、周期画像105a、105bの距離ΔL-105abは、画像形成をする画像形成速度Psを100mm/secとして、時間差Δt-105abを用いて、次式、
(ΔL-105ab)=(Δt-105ab)×Ps
から、ΔL-105ab=L3(364mm)となる。この結果を元に、感光ドラムの周長L3(364mm)と周期画像の距離(発生間隔)が一致していると判定しても良い。換言すれば、図6におけるTABLE3のスケールと一致することになる。
ステップS88では、ステップS87で算出した結果から、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致するならステップS89に、一致しないならステップS90に進む。
ステップS89では、注目データの周期画像の原因が図11に示す周期画像毎にRAM83に記憶される。図6では周期画像105a、105bが感光ドラムのキズ画像であることをRAM83に記憶する。ステップS90では、今回の注目データが最後のデータであればステップS91に、最後の注目データでなければステップS83に進む。
図6では最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、注目データとして周期画像105dの発生時間t-105dと点形状という情報を読み出す。そして前述と同様にして、この3番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。ここでは、前述と異なる箇所のみ説明する。
ステップS86では、基準データの発生時間t-105aと注目データの発生時間t-105dの時間差Δt-105adを算出する。ステップS87では、時間差Δt-105adと周期画像の点形状という情報を元に、図5の原因テーブルの各周期とまたは各周長一致または整数倍かを判定して、一致する項目を導出する。
例えば、時間差Δt-105adが10.92secとすると、原因テーブルに記憶されている周期3.64secの3倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって点形状である周期画像項目は、感光ドラムのキズ画像が該当することがわかる。
また、図6において、周期画像105a、105dの距離ΔL-105adは、画像形成速度Psと時間差Δt-105adを用いて、次式、
(ΔL-105ad)=(Δt-105ad)×Ps
から、ΔL-105ad=L3×3(1092mm)となる。この結果を元に、感光ドラムの周長L3(364mm)の3倍と判定し、周期画像の発生間隔が一致しているとしてもよい。換言すれば、図6におけるTABLE3のスケールと一致することになる。
ステップS89では、周期画像105dも感光ドラムのキズ画像であることが図11に示す周期画像毎にRAM83に記憶される。
ステップS90では、周期画像105dが最後の注目データであったかどうかを判定する。ここでは最後の注目データではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして4番目に検出された周期画像105eの発生時間t-105eと点形状の情報を読み出す。そして、前述と同様に処理し、この4番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。ここでは、前述と異なる箇所のみ説明する。
ステップS86では、基準データの発生時間t-105aと注目データの発生時間t-105eの時間差Δt-105aeを算出する。ステップS87では、時間差Δt-105aeと周期画像の点形状という情報を元に、図5の原因テーブルの各周期または各周長と一致または整数倍かを判定して、一致する項目を導出する。
例えば、時間差Δt-105aeが14.56secとすると、原因テーブルに記憶されている周期3.64secの4倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって点形状である周期画像の原因項目は、感光ドラムのキズ画像が該当することがわかる。
また、図6において、周期画像105a、105eの距離ΔL-105aeは、画像形成速度Psと時間差Δt-105aeを用いて、次式、
(ΔL-105ae)=(Δt-105ae)×Ps
から、ΔL-105ae=L3×4(1456mm)となる。この結果を元に、感光ドラムの周長L3(364mm)の4倍と判定し、周期画像の発生間隔が一致しているとしてもよい。換言すれば、図6におけるTABLE3のスケールと一致することになる。
ステップS89では、周期画像105eも感光ドラムのキズ画像であることが図11に示す周期画像毎にRAM83に記憶される。
ステップS90では、周期画像105eが最後の注目データであったかどうかを判定する。図6では、周期画像105eが最後の注目データのため、ステップS90からステップS91に進み、次の基準データがあるか否かを判定する。図6では、周期画像105a、105b、105d、105eについて発生周期が判明し原因が特定できたので、他の発生周期に関する周期画像のデータは残されていない。したがって、ステップS92に進み、原因特定の作業を終了する。
(図7及び図12の場合:感光ドラムの帯電ムラの例)
前述した感光ドラムのキズ画像の場合と同様、帯電ムラによる周期画像の場合にも、以下のようにしてその原因が特定される。
まず、ステップS82で基準データの選択を行なう。具体的には、ステップS5で記録した周期画像の発生時間のうち、一番最初のデータを基準データとする。例えば、図7において最初に検出された周期画像の波形106aが発生した時間t-106aを基準データとし、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出しておく。
次にステップS83で、注目データとして2番目に検出された周期画像の波形106bが発生した時間t-106bと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。以降、この2番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
引き続きステップS84で、注目データである2番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の形状と注目データである周期画像の形状とが一致するか否かを判定する。いま、基準データとした周期画像の波形106aも注目データの周期画像の波形106bも、いずれも形状が帯状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-106aと注目データの時間t-106bの時間差Δt-106abを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-106abと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-106abが3.64secであったとすると、原因テーブルに記載されている周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは図7において、周期画像の波形106aの発生位置と周期画像の波形106bの発生位置との距離ΔL-106abは、プロセス速度Psと時間差Δt-106abを用いて、次式、
ΔL-106ab=Δt-106ab×Ps
で与えられることから、ΔL-106ab=L3(364mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図7におけるTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。そして、周期画像の波形106aと106bが感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、特定された原因を記憶する。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして3番目に検出された周期画像の波形106dが発生した時間t-106dと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。そして前述と同様にして、この3番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
引き続きステップS84で、注目データである3番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。ステップS85では、基準データとした周期画像の波形106aも注目データの周期画像の波形106dも、いずれも形状が帯状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-106aと注目データの時間t-106dの時間差Δt-106adを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-106adと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-106adが10.92secであったとすると、この時間は原因テーブルに記載されている周期3.64secの3倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは図7において、周期画像の波形106aの発生位置と周期画像の波形106dの発生位置との距離ΔL-106adは、プロセス速度Psと時間差Δt-106adを用いて、次式、
ΔL-106ad=Δt-106ad×Ps
で与えられることから、ΔL-106ad=L3×3(1092mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)のちょうど3倍と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図6におけるTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。そして、先の注目データの周期画像の波形106bの時と同様に、周期画像の波形106dも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
そして、再びステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして4番目に検出された周期画像の波形106eが発生した時間t-106eと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。そして前述と同様にして、この4番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。ステップS84で、注目データである4番目のデータの原因が特定済みでないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の波形106aも注目データの周期画像の波形106eも、いずれも形状が帯状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-106aと注目データの時間t-106eの時間差Δt-106aeを算出する。そして、ステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-106aeと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-106aeが14.56secであったとすると、この時間は原因テーブルに記載されている周期3.64secの4倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは図7において、周期画像の波形106aの発生位置と周期画像の波形106eの発生位置との距離ΔL-106aeは、プロセス速度Psと時間差Δt-106aeを用いて、次式、
ΔL-106ae=Δt-106ae×Ps
で与えられることから、ΔL-106ae=L3×4(1456mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)のちょうど4倍と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図7におけるTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。そして、先の注目データの周期画像の波形106dの時と同様に、周期画像の波形106eも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
いま例えば、図6に示した情報が本実施形態で行なった検品サンプリングの全てであったとすれば、周期画像の波形106eが最後のデータである。そこでステップS90からステップS91に進み、次の基準データがあるか否かを判定する。今回の事例では、周期画像の波形106a、106b、106d、106eの全てについて発生間隔が判明し原因が特定できたので、他の発生間隔について吟味すべき周期画像の波形のデータは残されていない。したがってステップS92に進み、原因特定の作業を終了する。
<特定した周期画像に対する対処方法:図8のS9〜S14>
上記説明したステップS1〜ステップS8までの処理が、周期画像を発生する原因の特定を行う処理である。以下説明するステップS9〜ステップS14は、特定した周期画像に対する対処方法の特定である。ステップS9〜ステップS14で行う処理を説明する。かかる周期画像の発生原因である部位の特定が、本発明の第3の特定に相当する。
検出した周期画像に対する対処方法は、ステップ8で処理される際に、原因テーブル(図5)から、特定した周期画像の要因ごとに、それぞれの対処方法がRAM83に記憶されている。
ステップS9では、CPU81が、特定した周期画像の要因に対応する対処方法をRAM83から読み出す。ステップS10では、画像形成装置の調整により除去できるか否かを調べる。調整できない場合は、ステップS14に進む。
例えば、感光ドラムの表面に発生した「表面キズ」が原因である場合は、該当する感光ドラム11を交換する必要がある。この場合には、ステップS14で、図13に示したように、RAM83の情報を元に、表示部90に周期画像が発生している旨を表示し、ユーザに感光ドラム11の交換を促すメッセージを表示してユーザに報知する。また、何らかの付着物が原因で周期画像が発生しているような場合には、これらの付着物の清掃作業を実施するように促す表示で報知を行なうようにしてもよい。
一方、ステップS10で、CPU81が、特定した周期画像の要因に対応する対処方法を、画像形成装置の調整で除去できる場合は、ステップS11に進む。例えば、感光ドラムの「帯電ムラ」が原因である場合には、空回転を繰り返して帯電を安定させることによって「帯電ムラ」を解消できることがある。この場合には、ステップS11で、CPU81は空回転を実施するように制御を行なうとともに、図14に示したように、表示部90に「帯電ムラ」による周期画像が発生している旨を表示し、復旧のための動作を実施していることを表示する。ステップS12では、復旧作業完了後、サンプル画像をサンプル紙上に形成し、形成したサンプル画像を検品センサで検出するように制御する。
ステップS13では、サンプル画像の周期画像があるか否かを判別する。ここで、サンプル画像に周期画像が無い場合には、調整処理が成功したとして、CPU81は何もしないでステップS15に進むように制御する。一方、ステップS13で、サンプル画像に周期画像がある場合には、調整処理では周期画像が解消できなかったとしてステップS14に進み、部品交換の対策を表示してユーザに報知してから、ステップS15に進む。ここで交換の対象とする部品は、周期画像の原因として特定済みの部品、例えば感光ドラム周期の周期画像と特定済みの場合には、感光ドラムを交換するよう対策を表示してユーザに報知する。ステップS15では、CPU81は、一連の作業を終了するように制御する。
このように、本画像形成装置では、感光体ドラムまたは中間転写ベルト等に起因する、一見しただけではその周期性を見出すことが困難な出力物に発生した周期画像の原因を特定して、その原因を解消するための対策を実行する/対策を提案することができる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態の画像形成装置は第1の実施形態の画像形成装置と類似するものである。そこで、第2の実施形態の画像形成装置についての説明は、第1の実施形態の画像形成装置と差異のある部分についてのみ説明し、共通する部分の説明は重複するので省略する。
<特徴>
第1の実施形態の画像形成装置では、検品作業は、実際のジョブに対応した出力画像を用いて行った。この検品作業は、連続する複数枚の記録材上に形成された画像を検出して、元画像データと比較し、異なる部分である周期画像の情報を抽出して、記録材上の異なる位置に形成された周期画像の発生周期および発生領域を算出することによって行った。しかしながら、検品作業は、実際のジョブに対応した出力画像に対してではなく、専用のテストサンプルに対して実施しても構わない。例えば、装置の立ち上げ直後、実際のジョブ作業を開始する前に検品モードを選択的に実施しチェックを行なうことにより、事前に周期画像の発生を検出でき、記録材のよる周期画像の発生を未然に防止することができる。本画像形成装置は、検品作業を、実際のジョブに対応した出力画像を用いる場合と、専用のテストサンプル画像を形成して用いる場合のいずれかを選択することができる点が特徴である。
<テストサンプルによる検品結果例:図15>
図15は、テストサンプルとして均一な出力画像、所謂ハーフトーン画像を記録材Pの全体に出力したときの検品結果を示したものである。
ここで記録材Pは、通紙可能な最大サイズの用紙を使用することが望ましい。そして、記録材Pの間隔が通常の画像形成よりも短いのが望ましい。これにより、搬送方向のできるだけ多くの領域に画像データを発生させることができ、周期画像が認識された場合に、より短時間で正確な発生周期判定を実施することが可能である。
図15では、感光ドラム11の「帯電ムラ」による周期画像と、中間転写ベルト31の表面に「付着物」が存在することによる転写抜けの周期画像が同時に発生している状況が示されている。
前者(「帯電ムラ」)に対してはスケールAが、後者(「付着物」)に対してはスケールBが当てられ、それぞれに第1の実施形態と同様のTABLE1〜4が含まれている。
スケールAは、周期画像108aを始点として当てられ、TABLE3と周期が一致することから第1の実施形態と同様のステップにより、周期画像の原因が感光ドラム11の「帯電ムラ」によることが特定される。
一方、スケールBは、周期画像109aを始点として当てられ、周期画像109a〜109cの発生位置がTABLE4の周期が一致することから中間転写ベルト31に起因する周期画像(「付着物」)であることが推測される。そしてさらに、検出画像V−Outの波形において、ハーフトーン画像の濃度出力よりも低いことから転写抜け(「付着物」)に起因することが特定される。
図16は、図15の事例において、ステップS5で記録した周期画像の形状と発生時下を示したものである。素子73−1〜73−19で検出した周期画像の波形108a〜108mおよび109a〜109cの発生時間が、周期画像の波形108aを起点(後述する基準データ1)に示されている。さらに、図示しないLineB、LineC、LineD上では、それぞれ周期画像の波形208a〜208m、308a〜308m、408a〜408m(いずれも図示せず)が検出されたことも示されている。そして先述したように、周期画像の波形108a〜108m、208a〜208m、308a〜308m、408a〜408mについては、同時間に複数の周期画像の画像データが検出されている。そのため、これらの周期画像の波形が帯状の周期画像であると判断された結果も、合わせて記録されている。さらに、周期画像の波形109a〜109cについては、同時間において他の箇所で周期画像の画像データが検出されなかったことから、これらの周期画像の波形が点状の周期画像であると判断された結果も、合わせて記録されている。
なお、図16には、後述する基準データ2を説明するために、周期画像の波形109aを起点とする時間軸も併記した。ただし、これは、後述するステップS8において計算されるものであって、実際にはステップS5の段階では記録されているものではない。
<原因ユニットと周期画像の原因の判定:S8>
(図15及び図16の場合:帯電ムラと転写抜けが同時に発生している例)
図15に示した例のように、帯電ムラによる周期画像と転写抜けによる周期画像が同時に発生している場合にも、以下のようにしてその原因が特定される。
まず、ステップS82で基準データの選択を行なう。具体的には、ステップS5で記録した周期画像の発生時間のうち、一番最初のデータを基準データとする。例えば、図15において最初に検出された周期画像の波形108aが発生した時間t-108aを基準データとし(図16に示した基準データ1)、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出しておく。
次にステップS83で、注目データとして2番目に検出された周期画像の波形109aが発生した時間t-109aと、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出す。引き続き、ステップS84で、注目データである2番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の形状と注目データである周期画像の形状とが一致するか否かを判定する。いま、基準データとした周期画像の波形108aの形状が帯状であったのに対し注目データの周期画像の波形109aの形状が点状であったので、ここでは形状が一致しないと判断し、そのままステップS90へ進む。
次にステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして3番目に検出された周期画像の波形108bが発生した時間t-108bと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。以降、この3番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
引き続き、ステップS84で、注目データである3番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の形状と注目データである周期画像の形状とが一致するか否かを判定する。いま、基準データとした周期画像の波形108aも注目データの周期画像の波形108bも、いずれも形状が帯状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-108aと注目データの時間t-108bの時間差Δt-108abを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-108abと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-108abが3.64secであったとすると、原因テーブルに記載されている周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは、図15において、周期画像の波形108aの発生位置と周期画像の波形108bの発生位置との距離ΔL-108abは、プロセス速度Psと時間差Δt-108abを用いて、次式、
ΔL-108ab=Δt-108ab×Ps
で与えられることから、ΔL-108ab=L3(364mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図15におけるスケールAのTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。そして、周期画像の波形108aと108bが感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、特定された原因を記憶する。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして4番目に検出された周期画像の波形108cが発生した時間t-108cと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。そして前述と同様にして、この4番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
引き続き、ステップS84で、注目データである4番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の波形108aも注目データの周期画像の波形108cも、いずれも形状が帯状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-108aと注目データの時間t-108cの時間差Δt-108acを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-108acと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-108acが7.28secであったとすると、この時間は原因テーブルに記載されている周期3.64secの2倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは図15において、周期画像の波形108aの発生位置と周期画像の波形108cの発生位置との距離ΔL-108acは、プロセス速度Psと時間差Δt-108acを用いて、次式、
ΔL-108ac=Δt-108ac×Ps
で与えられることから、ΔL-108ac=L3×2(728mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)のちょうど2倍と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図15におけるスケールAのTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。そして、先の注目データの周期画像の波形108bの時と同様に、周期画像の波形108cも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
そして、再びステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして5番目に検出された周期画像の波形108dが発生した時間t-108dと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。そして、前述と同様にして、この5番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。ステップS84で、注目データである5番目のデータの原因が特定済みでないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の波形108aも注目データの周期画像の波形108dも、いずれも形態が帯状であったので、ここでは形態が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-108aと注目データの時間t-108dの時間差Δt-108adを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-108adと周期画像の形状が帯状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-108adが10.92secであったとすると、この時間は原因テーブルに記載されている周期3.64secの3倍に相当する。したがって、発生周期が3.64secであって形状が帯状である周期画像項目として、感光ドラムの帯電ムラが該当することがわかる。
これは図15において、周期画像の波形108aの発生位置と周期画像の波形108dの発生位置との距離ΔL-108adは、プロセス速度Psと時間差Δt-108adを用いて、次式、
ΔL-108ad=Δt-108ad×Ps
で与えられることから、ΔL-108ad=L3×3(1092mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、感光ドラムの周長L3(364mm)のちょうど3倍と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図15におけるスケールAのTABLE3のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進む。ステップS89で、先の注目データの周期画像の波形108bの時と同様に、周期画像の波形108dも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
同様にして、6〜8番目の周期画像の波形108e、108f、108gも順次感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。そして、9番目の周期画像の波形109bに対し、ステップS83で、周期画像の波形109bが発生した時間t-109bと、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである9番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の形状と注目データである周期画像の形状とが一致するか否かを判定する。いま、基準データとした周期画像の波形108aの形状が帯状であったのに対し注目データの周期画像の波形109bの形状が点状であったので、ここでは形状が一致しないと判断し、そのままステップS90へ進む。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして10番目に検出された周期画像の波形108hが発生した時間t-108hと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。以降、この10番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
そして先述した例と同様にして、ステップS84からステップS88で周期画像の波形108hも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、ステップS89でこの情報が記憶される。さらに同様にして、11〜13番目の周期画像の波形108i、108j、108kも順次感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
そして、14番目の周期画像の波形109cに対し、ステップS83で、周期画像の波形109bが発生した時間t-109bと、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである9番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでは未だ特定されていないため、次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の形状と注目データである周期画像の形状とが一致するか否かを判定する。いま、基準データとした周期画像の波形108aの形状が帯状であったのに対し注目データの周期画像の波形109bの形状が点状であったので、ここでは形状が一致しないと判断し、そのままステップS90へ進む。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして15番目に検出された周期画像の波形108lが発生した時間t-108lと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。以降、この15番目のデータに注目して、周期画像の原因を特定していく。
そして、先述した例と同様にして、ステップS84からステップS88で周期画像の波形108lも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、ステップS89でこの情報が記憶される。さらに、同様にして、16番目の周期画像の波形108mも感光ドラムの帯電ムラであることが特定され、この情報が記憶される。
いま例えば、図15に示した情報が本実施形態で行なった検品サンプリングの全てであったとすれば、周期画像の波形108mが最後のデータである。そこでステップS90からステップS91に進み、次の基準データがあるか否かを判定する。今回の事例では、周期画像の波形108a〜108mの全てについては発生周期が判明し原因が特定できた。しかし、周期画像の波形109a〜109cについては周期画像の形状が点状であったので、ステップS85からステップS90に飛ばしており、周期の特定作業を行なっていない。したがって、ステップS82に戻り、次の基準データとして周期画像の波形109aが発生した時間t-109aを選択する(図16に示した基準データ2)。そして、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出しておく。
次に、ステップS83で、注目データとして3番目に検出された周期画像の波形108bが発生した時間t-108bと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである3番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここで、周期画像の波形108bは感光ドラムの帯電ムラであることが先述の作業により既に特定されているため、ステップS90に進む。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして4番目に検出された周期画像の波形108cが発生した時間t-108cと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである4番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでやはり、周期画像の波形108cは感光ドラムの帯電ムラであることが先述の作業により既に特定されているため、ステップS90に進む。
同様にして、5〜8番目の周期画像の波形108d〜108gも感光ドラムの帯電ムラであることが既に特定されているため、ステップS84からステップS90に進む。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻る。
そして次に、ステップS83で、注目データとして9番目に検出された周期画像の波形109bが発生した時間t-109bと、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである9番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここで周期画像の波形109bについては周期画像の形状が点状であったので、先述の作業ではステップS85からステップS90に飛ばしており、その周期と原因が未だ特定されていないため、再び次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の波形109aも注目データの周期画像の波形109bも、いずれも形状が点状であったので、ここでは形状が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-109aと注目データの時間t-109bの時間差Δt-109abを算出する。そしてステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-109abと周期画像の形状が点状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-109abが22.62secであったとすると、原因テーブルに記載されている周期が22.62secであって形態が点状である周期画像項目として、転写ベルトの画像抜けが該当することがわかる。
これは図15において、周期画像の波形109aの発生位置と周期画像の波形109bの発生位置との距離ΔL-109abは、プロセス速度Psと時間差Δt-109abを用いて、次式、
ΔL-109ab=Δt-109ab×Ps
で与えられることから、ΔL-109ab=L4(2262mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、転写ベルトの周長L4(2262mm)と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図15におけるスケールBのTABLE4のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進み、周期画像の波形109aと109bが転写ベルトの画像抜けであることが特定され、特定された原因を記憶する。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして10番目に検出された周期画像の波形108hが発生した時間t-108hと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。
引き続きステップS84で、注目データである10番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでやはり、周期画像の波形108hは感光ドラムの帯電ムラであることが先述の作業により既に特定されているため、ステップS90に進む。
同様にして、11〜13番目の周期画像の波形108i〜108kも感光ドラムの帯電ムラであることが既に特定されているため、ステップS84からステップS90に進む。
次に、ステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻る。
そして、次にステップS83で、注目データとして14番目に検出された周期画像の波形109cが発生した時間t-109cと、その周期画像の形状が点状であったという情報を読み出す。
引き続き、ステップS84で、注目データである14番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここで、周期画像の波形109cについては周期画像の形状が点状であったので、先述の作業ではステップS85からステップS90に飛ばしており、その周期と原因が未だ特定されていないため、再び次のステップS85に進む。
ステップS85では、基準データとした周期画像の波形109aも注目データの周期画像の波形109cも、いずれも形態が点状であったので、ここでは形態が一致すると判断しステップS86へ進む。
ステップS86では、基準データの時間t-109aと注目データの時間t-109cの時間差Δt-109acを算出する。そして、ステップS87で原因テーブルを参照し、算出した時間差Δt-109acと周期画像の形状が点状であったという結果を元に、原因テーブルに記載されている原因と一致する項目を導出する。
例えばいま、時間差Δt-109acが45.24secであったとすると、この時間は原因テーブルに記載されている周期22.62secの2倍に相当する。したがって、発生周期が22.62secであって形態が点状である周期画像項目として、転写ベルトの画像抜けが該当することがわかる。
これは図15において、周期画像の波形109aの発生位置と周期画像の波形109cの発生位置との距離ΔL-109acは、プロセス速度Psと時間差Δt-109acを用いて、次式、
ΔL-109ac=Δt-109ac×Ps
で与えられることから、ΔL-109ac=L4×2(4524mm)であることを意味している。(ここで、本実施形態の画像形成装置のプロセス速度は、Ps=100mm/secである。)すなわち、時間を距離に換算して考えれば、転写ベルトの周長L4(2262mm)のちょうど2倍と周期画像の発生間隔が一致している。換言すれば、図15におけるスケールBのTABLE4のスケールがちょうど一致することになる。
このようにして、注目データの周期画像の原因が原因テーブルの項目と一致したので、ステップS88からステップS89に進み、周期画像の波形109cも転写ベルトの画像抜けであることが特定され、特定された原因を記憶する。
次にステップS90で、今回の注目データが最後のデータであったかどうかを判定する。ここでは最後のデータではなかったので、ステップS83に戻り、今度は注目データとして15番目に検出された周期画像の波形108lが発生した時間t-108lと、その周期画像の形状が帯状であったという情報を読み出す。
引き続きステップS84で、注目データである15番目のデータの原因が特定済みであるか否かを判定する。ここでやはり、周期画像の波形108lは感光ドラムの帯電ムラであることが先述の作業により既に特定されているため、ステップS90に進む。
同様にして、16番目の周期画像の波形108mも感光ドラムの帯電ムラであることが既に特定されているため、ステップS84からステップS90に進む。
そして、図15に示した情報が本実施形態で行なった検品サンプリングの全てであったとすれば、周期画像の波形108mが最後のデータである。そこで、ステップS90からステップS91に進み、次の基準データがあるか否かを判定する。今回の事例では、周期画像の波形108a〜108mおよび109a〜108cの全てについて発生周期が判明し原因が特定できたので、他の周期について吟味すべき周期画像の波形のデータは残されていない。したがって、ステップS92に進み、原因特定の作業を終了する。
このように、全域に画像データが存在しているので、濃度が低下するような周期画像に対しても、より確実に検出が可能である。また、テストサンプルとしてのハーフトーン画像をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色について順次出力すれば、どの色の感光体ドラム11a〜dに周期画像の発生原因が存在するかを容易に特定することも可能である。
このように、テストサンプルを用いたモードでは、同時に複数種の周期画像を特定することがさらに容易である。また、中間転写ベルト周期の周期画像のように発生周期が非常に長周期であっても、画像データが存在する場所に一致する確立が高く、より短時間で発生周期の特定が可能である。
[他の実施形態]
本発明の目的は、本実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム(装置)に供給し、そのシステム(装置)のコンピュータが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。そして、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
又、自装置にセットされたCD−ROM、或いは、インターネット等の外部供給源から、前述した実施形態の機能を実現する為のプログラムデータを、自装置のメモリにダウンロードし、前述した実施形態の機能が実現されるような形状も本発明に包含される。
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることが好ましい。