本発明は、プリンタや複写機などの電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、AIOカートリッジや中間転写ベルトなどの像担持体上に画像を形成して転写材に転写する画像形成装置に関する。
従来の電子写真方式の画像形成装置では、中間転写ベルトとして中抵抗あるいは高抵抗の無端ベルトを使用する。無端ベルトを、互いに並行に配置された複数のローラに張架する。ローラを回転駆動させることにより、中間転写ベルトを走行させる。この中間転写ベルトを用いた画像形成装置では、ジャム発生時の回復処理の際に、転写紙との摩擦などにより、中間転写ベルトの表面に傷がつくことがある。また、中間転写ベルトに接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードに付着した異物などによって、傷がついてしまうこともある。そのため、転写紙に転写される画像にも傷がついてしまい、画像不良を起こす。
また、画像形成装置をしばらくの間使用しない場合、中間転写体を張架するローラによって、中間転写ベルトにカール癖がつくことがある。また、経年変化によりひび割れが発生して、抵抗値が他の部分と異なる欠陥部が生じたりすることもある。このような中間転写ベルトの変形や欠陥により、色合いが不正常になる転写不良を起こす。また、中間転写ベルト上に検査画像パターンを形成し、検査画像パターンにより、各色の色合わせや濃度補正を行う装置においては、傷上に検査画像パターンを形成してしまうことで、正常な補正結果が得られないことがある。
このような問題を克服するために、種々の対策がとられている。例えば、中間転写ベルト上の基準となる位置に基準パターンを設ける。その基準位置から傷などの欠陥位置までの相対的な位置関係を把握する。欠陥位置を避けて画像を形成するか、欠陥による影響が小さくなるように画像を形成する。以下に、これに関連する従来技術の例をあげる。
特許文献1に開示された「画像形成装置」は、中間転写体の欠陥位置以外の領域を使用することで、長期間にわたって低コストで高品質の画像形成ができるようにしたものである。あらかじめ、欠陥位置情報を入力しておく。静電潜像をトナー像化し、異なる色のトナー像を順次重ね合わせて、中間転写体に中間転写する際に、中間転写体の基準位置を検出する。それを基準として、静電潜像に対する中間転写体の相対位置を、欠陥位置情報に従って制御する。
特許第3689205号公報(特開平10-115966号公報)
しかし、検査画像パターンを形成して色合わせ処理や濃度調整処理を行う従来の方法では、次のような問題がある。欠陥が検査画像パターンに入ってしまうタイミングでは、中間転写ベルト上に検査画像パターンを形成できないので、欠陥が転写位置を通過するまで待たなければならない。また、欠陥が複数ある場合、中間転写ベルト上に検査画像パターンを形成できるエリアが限られてしまう。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、画像形成装置において、中間転写体上の傷などの特徴点の情報を記憶し、その特徴点上に重なるように検査画像パターンを形成することで、中間転写体の状態が悪くても影響を受けないようにすることである。すなわち、全ての特徴点を除去するか回避するか中間転写体のエラーとすることで、調整処理の精度を高め、調整処理時間を短縮し、画質の低下を防止することである。
上記の課題を解決するために、本発明では、潜像担持体と、前記潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像して可視画像を形成する現像手段と、前記可視画像を中間転写体に転写する中間転写手段と、前記中間転写体の位置を判断する中間転写位置検知手段と、前記中間転写体上にレーザー光を照射した反射光により前記中間転写体上の表面情報を検知する表面情報検知手段と、前記表面情報検知手段で前記中間転写体上の特徴点を検知して得た特徴点情報を記憶する特徴点記憶手段とを具備する画像形成装置において、前記中間転写位置検知手段に、前記中間転写体の位置を判断するための検査画像パターンを形成する検査画像パターン形成手段と、前記検査画像パターンを前記特徴点上に形成することにより、前記特徴点を前記表面情報検知手段で検知できないようにして前記特徴点を実効的に除去できるか否かを判断する特徴点除去判断手段と、実効的に除去できると判断されたことに応じて前記検査画像パターンを形成して前記特徴点を除去するように形成タイミングを制御する形成制御手段とを備える構成とした。
さらに、前記検査画像パターン形成手段に、前記検査画像パターンを複数色で形成する手段を備え、前記特徴点除去判断手段に、前記特徴点情報に基づいて前記特徴点を最も効果的に除去できる色を判断する手段を備える。前記特徴点除去判断手段に、前記特徴点を最も効果的に除去できる色でも前記特徴点を除去できない場合には、前記中間転写体が使用不可能であると判断する手段を備える。前記特徴点除去判断手段に、1つの検査画像パターンで複数の特徴点が除去できるか否かを判断する手段を備え、前記形成制御手段に、除去可能との判断に応じて全ての特徴点に前記検査画像パターンを重ねるように制御する手段と、除去不可能との判断に応じて全ての特徴点を回避するように前記検査画像パターンを形成する手段とを備える。前記形成制御手段に、除去可能との判断に応じて全ての特徴点に重なるように前記検査画像パターンの間隔を変更して全ての特徴点上に前記検査画像パターンを形成するように制御する手段を備える。
また、前記特徴点除去判断手段に、前記特徴点間の距離が除去可能である程度に短いか否かを判断する手段を備え、前記形成制御手段に、除去可能である程度に短いと判断されたことに応じて前記検査画像パターンの幅を広くして全ての特徴点上に前記検査画像パターンを形成するように制御する手段を備える。前記特徴点除去判断手段に、前記特徴点間の距離が前記検査画像パターンの幅より長いが除去可能である程度の長さであるか否かを判断する手段を備え、前記形成制御手段に、除去可能である程度の長さであると判断されたことに応じて前記検査画像パターンの幅を広くして全ての特徴点上に前記検査画像パターンを形成するように制御する手段を備える。
上記のように構成したことにより、画像形成装置の中間転写体の全ての特徴点を、実効的に確実に除去または回避できるので、各調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮でき、画質の低下を防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例1は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンを特徴点に重なるように形成して特徴点を実効的に除去する画像形成装置である。
図1は、本発明の実施例1における画像形成装置の基本的な構成を示す概念図である。画像形成装置の基本的な構成は、従来の装置と同じである。検査画像パターンを形成する手段が、従来の装置と異なる。図1において、シート104は、印刷用紙である。中間転写ベルト105は、回転駆動される二次転写駆動ローラと転写ベルトテンションローラとに巻回されたエンドレスのベルトである。AIOカートリッジ106は、各色の画像を形成する画像形成部である。二次転写駆動ローラ107は、駆動モータにより回転駆動され、中間転写ベルトを駆動する手段である。転写ベルトテンションローラ108は、中間転写ベルトの補助駆動手段である。感光体109は、静電潜像が形成されるドラムである。
帯電器110は、感光体を帯電させる手段である。露光器111は、感光体にレーザー光を当てる手段である。現像器112は、静電潜像をトナーで可視像化する手段である。クリーナーブレード113は、残留した不要なトナーを払拭する手段である。レーザー光114は、画像に応じた強さの光である。一次転写ローラ115は、感光体上のトナー画像を中間転写ベルトに転写する手段である。二次転写ローラ116は、中間転写ベルト上のトナー画像をシートに転写する手段である。TMセンサ117は、中間転写ベルトの表面情報を取得するセンサである。
図2は、基準位置調整に関係する部分の機能ブロック図と、検査画像パターンの説明図である。図2において、ROM200は、制御プログラムなどを格納した固定メモリである。RAM201は、処理途中のデータなどを記憶する一時メモリである。EEPROM202は、パラメータなどを記憶する書換可能不揮発メモリである。表面情報検知センサ203は、中間転写ベルトの表面情報を取得するTMセンサである。一次転写バイアス204は、トナー画像を中間転写ベルトに転写するためのバイアスである。ポリゴンモータ205は、レーザー光を偏向させるミラーを駆動するモータである。レーザー206は、潜像を形成するレーザー光を発生する手段である。現像バイアス207は、潜像をトナーで可視化するためのバイアスである。中間転写位置検知センサ208は、中間転写ベルトの位置を検出するセンサである。
図3は、画像形成装置の中間転写ベルトの表面情報の記憶制御手順を示す流れ図である。図4は、色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を示す流れ図である。
上記のように構成された本発明の実施例1における画像形成装置の機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、タンデム方式の画像形成装置の基本的な動作を説明する。画像形成装置の基本的な動作は、従来の装置と同じである。後述する色合わせ調整処理の動作が、従来の装置と異なる。中間転写ベルト105に沿って、各色のAIOカートリッジ(106Bk、106M、106C、106Y)が並べられている。中間転写ベルト105は、反時計回りに回転する。回転方向の上流側から順に、複数のAIOカートリッジ(電子写真プロセス部)106Bk、106M、106C、106Yが配列されている。これら複数のAIOカートリッジ106Bk、106M、106C、106Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。AIOカートリッジ106Bkはブラックの画像を、AIOカートリッジ106Mはマゼンタの画像を、AIOカートリッジ106Cはシアンの画像を、AIOカートリッジ106Yはイエローの画像をそれぞれ形成する。
以下の説明では、AIOカートリッジ106Bkについて具体的に説明するが、他のAIOカートリッジ106M、106C、106Yは、AIOカートリッジ106Bkと同様であるので、そのAIOカートリッジ106M、106C、106Yの各構成要素については、AIOカートリッジ106Bkの各構成要素に付したBkに代えて、M、C、Yによって区別した符号を図に表示するにとどめ、説明を省略する。中間転写ベルト105は、回転駆動される二次転写駆動ローラ107と転写ベルトテンションローラ108とに巻回されたエンドレスのベルトである。この二次転写駆動ローラ107は、不図示の駆動モータにより回転駆動させられ、この駆動モータと、二次転写駆動ローラ107と、転写ベルトテンションローラ108とが、中間転写ベルト105を移動させる駆動手段として機能する。AIOカートリッジ106Bkは、感光体としての感光体109Bk、この感光体109Bkの周囲に配置された帯電器110Bk、露光器111、現像器112Bk、クリーナーブレード113Bk等から構成されている。露光器111は、各AIOカートリッジ106Bk、106M、106C、106Yが形成する画像色に対応する露光光であるレーザー光114Bk、114M、114C、114Yを照射するように構成されている。
画像形成に際し、感光体109Bkの外周面は、暗中にて帯電器110Bkにより一様に帯電された後、露光器111からのブラック画像に対応したレーザー光114Bkにより露光され、静電潜像を形成される。現像器112Bkは、この静電潜像をブラックトナーにより可視像化し、このことにより感光体109Bk上にブラックのトナー画像が形成される。このトナー画像は、感光体109Bkと中間転写ベルト105とが接する位置(一次転写位置)で、一次転写ローラ115Bkの働きにより中間転写ベルト105上に転写される。この転写により、中間転写ベルト105上にブラックのトナーによる画像が形成される。トナー画像の転写が終了した感光体109Bkは、外周面に残留した不要なトナーをクリーナーブレード113Bkにより払拭された後、次の画像形成のために待機する。
以上のように、AIOカートリッジ106Bkでブラックのトナー画像を転写された中間転写ベルト105は、中間転写ベルト105によって次のAIOカートリッジ106Mに搬送される。AIOカートリッジ106Mでは、AIOカートリッジ106Bkでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより、感光体109M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が中間転写ベルト105上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
中間転写ベルト105は、さらに次のAIOカートリッジ106C、106Yに搬送され、同様の動作により、感光体109C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体109Y上に形成されたイエローのトナー画像とが、中間転写ベルト上に重畳されて転写される。こうして、中間転写ベルト105上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された中間転写ベルト105は、二次転写ローラ116の位置まで搬送され、中間転写ベルト105と二次転写ローラ116とが接する位置(二次転写位置)で、二次転写ローラ116の働きにより搬送されてきたシート104に転写される。なお、画像形成に際して、ブラックのみの印刷の場合は、一次転写ローラ115Mと、一次転写ローラ115Cと、一次転写ローラ115Yは、それぞれ感光体109Mと、感光体109Cと、感光体109Yから離れた位置に退避し、前述の画像形成プロセスをブラックの場合のみ行う。
次に、図2(a)を参照しながら、色合わせ調整処理の基本的な動作を説明する。色合わせ調整処理についてのみ説明するが、色合わせに限らず、濃度調整など、検査画像パターンを形成する各種調整処理に適用できる。潜像形成手段において、ポリゴンモータ205を回転させる。回転が安定するとレーザー206を照射する。続いて、現像手段において現像バイアス207を印加し、中間転写手段において一次転写バイアス204を印加することで、中間転写ベルト上に画像を形成する。この中間転写ベルト上の画像を表面情報検知手段の表面情報検知センサ203(図1のTMセンサ117)で、中間転写ベルトの位置を中間転写位置検知手段の中間転写位置検知センサ208で検知し、必要であればEEPROMへ記憶する。
次に、図2(b)を参照しながら、色合わせ調整処理時における検査画像パターンを説明する。中間転写ベルト105上の副走査方向に、Y、Bk、C、Mの順で形成された長方形パターンと斜め線パターンを組み合わせた画像パターンを1セットとする。これを検査画像パターンとする。ここで、検査画像パターンでは、各色の長方形パターンの副走査方向の長さL1(パターン幅)、各色間の距離L2(パターン間隔)、1セットの副走査方向の長さL3(全パターン長)はあらかじめ決められた値を持つこととする。この検査画像パターンを複数セット形成し、各色のスキュー量や副走査レジスト位置ずれ、主走査レジスト位置ずれなど各色のずれ量を算出し、色合わせ調整処理を行う。
次に、図2(c)を参照しながら、この検査画像パターン形成時のパターン読み取り原理と、中間転写ベルト上に欠陥などの特徴点があった場合の誤検出について説明する。まず、中間転写ベルト上にTMセンサを配置し、そのセンサ波形が一定値より高くなると、TMセンサ位置に画像パターンがあると判断する。しかし、中間転写ベルト上に特徴点T1、T2があり、そのセンサ波形が一定値T1より長くなる特徴点T2の場合、特徴点T2を画像パターンと誤認識してしまう。ここで、この特徴点T2の副走査方向の長さT2Lを特徴点幅とする。
次に、図3を参照しながら、画像形成装置の中間転写ベルト105の表面情報の記憶制御手順を説明する。ステップ100で、感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ101で、基準位置検知センサで、中間転写ベルト上にある基準位置を検出する。基準位置が検出されると、ステップ102で、TMセンサ117を用いて表面情報の取得を開始する。ステップ103で、中間転写ベルト105上に傷などの欠陥があることを検出すると、ステップ104で、その基準位置からの距離や特徴点幅の情報を特徴点情報として記憶する。ステップ105で、基準位置を再検出するまで、この特徴点検知と記憶の処理を繰り返し、中間転写ベルト105上の全特徴点を記憶する。基準位置を再検出すれば、ステップ106で、特徴点検知を終了する。
次に、図4を参照しながら、色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ200で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ201で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ202で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ、ステップ203で、1セットの検査画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ204で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点が除去可能かどうか調べる。特徴点が除去可能とは、実際に特徴点を除去するのではなく、表面情報検知センサで検知できないようにして、特徴点による妨害を実効的に無くすことである。
パターン幅の方が長ければ、特徴点上に検査画像パターンを形成することで、特徴点の除去が可能であると判断する。特徴点の除去が可能であれば、処理時間を短縮するため、ステップ205で、重ねる画像パターンの色を、画像が形成される順番が遅い色から優先させて決定する。この例では、M>C>Bk>Yの順で優先度が高い。ステップ206で、特徴点上に検査画像パターンが重なるように画像を形成する。パターン幅の方が短い場合、特徴点の除去が不可能であると判断し、ステップ207で、特徴点が通過するまで待機する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ208で繰り返す。
上記のように、本発明の実施例1では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンを特徴点に重なるように形成して特徴点を実効的に除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の実施例2は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、最も有効に特徴点を除去できる色で、検査画像パターンを特徴点に重なるように形成して、特徴点を実効的に除去する画像形成装置である。
図5は、本発明の実施例2における画像形成装置で、最も有効に特徴点を除去できる色で検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。実施例2における画像形成装置の基本的な構成は、実施例1と同じであるが、検査画像パターンの形成方法が異なる。
特徴点幅とパターン幅の差が少ない時に、特徴点上に形成した画像パターンの色によっては、特徴点が除去できないことがある。これは、TMセンサ117では、センサの反射光により中間転写ベルト表面情報を検知しているため、トナーの特性によって検出精度も変わってしまうためである。そこで、あらかじめ各色の特徴点除去の特性を記憶させておき、特徴点幅とパターン幅の差が少ない場合には、最も有効に特徴点を除去できる色の画像パターンを形成する。
図5を参照しながら、色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ300で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ301で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ302で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ、ステップ303で、1セットの検査画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ304で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点の除去が可能かどうか調べる。
パターン幅の方が長ければ、特徴点上に検査画像パターンを形成することで、特徴点の除去が可能であると判断する。除去可能であれば、ステップ305で、特徴点幅とパターン幅の差を調べる。差が小さければ、ステップ306で、最も特徴点が除去できる色が重なるように、検査画像パターンを形成する。特徴点幅とパターン幅の差が大きければ、ステップ308で、画像の形成される順番が遅い色から優先させる。また、パターン幅の方が短い場合、特徴点の除去が不可能であると判断し、ステップ309で、特徴点が通過するまで待機する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ310で繰り返す。
最も有効に特徴点を除去できる色を重ねても、特徴点を除去できない場合、高精度な色合わせ調整処理を実行できない。また、通常の印刷時においても、特徴点部分がノイズとなり、画質が低下してしまう。そこで、特徴点を除去できなければ、中間転写ベルト105は使用不能であると判断する。色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成フローは、図5と同じであるため、省略する。
上記のように、本発明の実施例2では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、最も有効に特徴点を除去できる色で、検査画像パターンを特徴点に重なるように形成して、特徴点を実効的に除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の実施例3は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように形成して、1つの検査画像パターンで特徴点を実効的に除去する画像形成装置である。
図6は、1つの検査画像パターンで全ての特徴点を除去する手順を示す流れ図である。実施例3における画像形成装置の基本的な構成は、実施例1と同じであるが、検査画像パターンの形成方法が異なる。
特徴点が複数あった場合、1つ目の特徴点は画像パターンで除去できるが、2つ目の特徴点が、1つ目の特徴点を除去するために形成した画像パターン中にあると、その特徴点は除去されない可能性がある。そこで、検査画像パターンの1セットのパターン中に入る全ての特徴点に対して、特徴点除去できるか判断し、画像パターンを形成する。
図6を参照しながら、色合わせ調整処理時の所定の画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ400で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ401で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ402で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ、ステップ403で、1セットの所定の画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ404で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点の除去が可能かどうか調べる。パターン幅の方が長ければ、特徴点上に所定の画像パターンを形成することで特徴点の除去が可能であると判断する。
除去可能であれば、ステップ405で、重ねる画像パターンの色を、画像の形成される順番が遅い色から優先させて決定する。例えば、M>C>Bk>Yの順とする。ここで、決定した色の画像パターンで特徴点除去を行ったと仮定し、ステップ406で、次の特徴点が1セットの画像パターン中に入るかどうかを調べる。入らなければ、ステップ407で、所定の画像パターンを形成する。入る場合は、ステップ408で、特徴点上にちょうど画像パターンが重なるかどうか、特徴点幅とパターン幅を比較し、特徴点の除去が可能かどうか調べる。除去可能であれば、ステップ406からの処理を繰り返す。除去ができなければ、所定の画像パターンを重ねることでの除去はできないと判断し、ステップ409で、特徴点が通過するまで待機する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ410で繰り返す。
上記のように、本発明の実施例3では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように形成して、1つの検査画像パターンで特徴点を実効的に除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の実施例4は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように、検査画像パターンの間隔を変更して特徴点を除去する画像形成装置である。
図7は、間隔を変更した検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。実施例4における画像形成装置の基本的な構成は、実施例1と同じである。検査画像パターンの形成方法が異なる。
検査画像パターンで複数の特徴点を除去できなかった場合、特徴点が中間転写体上に画像を形成する転写位置を通過するまで待たなければならないので、処理時間が長くなってしまうことがある。そこで、検査画像パターンの1セットのパターン中に入る全ての特徴点に対して、所定の画像パターン間隔を変更した画像パターンを形成することで、特徴点除去できるか判断し、画像パターンを形成する。
図7を参照しながら、色合わせ調整処理時の所定の画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ500で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ501で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ502で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ、ステップ503で、1セットの検査画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ504で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点の除去が可能かどうか調べる。パターン幅の方が長ければ、特徴点上に所定の画像パターンを形成することで特徴点の除去が可能であると判断する。除去が可能であれば、ステップ505で、重ねる画像パターンの色を画像の形成される順番が遅い色から優先させて、例えば、M>C>Bk>Yの順で決定する。
ここで、決定した色の画像パターンで特徴点除去を行ったと仮定し、ステップ506で、次の特徴点が1セットの画像パターン中に入るかどうか調べる。入らなければ、ステップ507で、検査画像パターンを形成する。入る場合は、ステップ508で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点が除去可能かどうか調べる。特徴点除去可能と判断されれば、ステップ509で、1つ目の特徴点に重ねる色として決定されている色を1つ前の色に変更し(MであればC、CであればBk、BkであればY、Yであれば変更なし)、ステップ510で、2つ目の特徴点に重なるように所定の画像パターン間隔を調整する。検査画像パターンを重ねることでの除去はできないと判断されれば、ステップ511で、特徴点が通過するまで待機する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ512で繰り返す。
上記のように、本発明の実施例4では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように、検査画像パターンの間隔を変更して特徴点を除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の実施例5は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点上に重なるように、検査画像パターンの幅を変更して特徴点を除去する画像形成装置である。
図8は、幅を変更した検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。実施例5における画像形成装置の基本的な構成は、実施例1と同じである。検査画像パターンの形成方法が異なる。
2つの特徴点間距離が近い場合、所定の画像パターン間隔を狭くすると、パターン間隔が狭くなりすぎて、正常にパターンを認識できなくなることがある。そこで、検査画像パターンの1セットのパターン中に入る全ての特徴点に対して、所定の画像パターン間隔を変更する、もしくは画像パターン幅を変更することで、特徴点除去できるか判断し、画像パターンを形成する。
図8を参照しながら、色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ600で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ601で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ602で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ、検査画像パターンの形成が可能であるので、ステップ603で、1セットの検査画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ604で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点の除去が可能かどうか調べる。
パターン幅の方が長ければ、特徴点上に所定の画像パターンを形成することで特徴点の除去が可能であると判断する。可能であれば、ステップ605で、重ねる画像パターンの色を画像の形成される順番が遅い色から優先させて決定する。例えば、M>C>Bk>Yの順とする。ここで、決定した色の画像パターンで特徴点除去を行ったと仮定し、ステップ606で、次の特徴点が1セットの画像パターン中に入るかどうか調べる。入らなければ、ステップ607で、検査画像パターンを形成する。入る場合は、ステップ608で、特徴点幅とパターン幅を比較する。特徴点除去可能と判断されれば、ステップ609で、1つ目の特徴点と2つ目の特徴点間の距離より、所定の画像パターン間隔の調整で除去可能か判断する。
除去可能と判断されれば、ステップ610で、1つ目の特徴点に重ねる色として決定されている色を1つ前の色に変更し(MであればC、CであればBk、BkであればY、Yであれば変更なし)、ステップ611で、2つ目の特徴点に重なるように、検査画像パターンの間隔を調整する。除去ができなければ、ステップ612で、2つの特徴点に重なるように検査画像パターンの幅を調整する。除去ができなければ、検査画像パターンを重ねることでの除去はできないと判断し、ステップ613で、特徴点が通過するまで待機する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ614で繰り返す。
上記のように、本発明の実施例5では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点上に重なるように、検査画像パターンの幅を変更して特徴点を除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の実施例6は、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように、検査画像パターンの幅を広くして特徴点を除去する画像形成装置である。
図9は、幅を広くした検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。実施例6における画像形成装置の基本的な構成は、実施例1と同じである。検査画像パターンの形成方法が異なる。
特徴点幅が検査画像パターン幅よりも広い場合、検査画像パターンでは特徴点を除去しきれず、調整処理の精度が低下する。そこで、特徴点幅がパターン幅より広い場合、パターン幅を変更した画像パターンを形成することで、全ての特徴点上に画像パターンを形成する。
図9を参照しながら、色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を説明する。感光体109Bk〜109Yの全感光体上に画像を形成しない状態で、ステップ700で、中間転写ベルト105の回転を開始する。ステップ701で、不図示の基準位置検知センサで、中間転写ベルト105の基準位置を検出する。基準位置を検出後、ステップ702で、次の特徴点位置までの距離と全パターン長を比較して、検査画像パターンの形成が可能かどうか調べる。全パターン長の方が短ければ可能であるので、ステップ703で、1セットの検査画像パターンを形成する。全パターン長の方が長ければ、ステップ704で、特徴点幅とパターン幅を比較して、特徴点の除去が可能かどうか調べる。
パターン幅の方が長ければ、特徴点上に検査画像パターンを形成することで、特徴点の除去が可能であると判断する。ステップ706で、特徴点上に検査画像パターンが重なるように画像を形成する。この時、処理時間を短縮するため、ステップ705で、重ねる画像パターンの色を画像の形成される順番が遅い色から優先させて決定する。例えば、M>C>Bk>Yの順とする。パターン幅の方が短い場合、特徴点幅より長くなるように、ステップ707で、パターン幅を調整する。以上の処理を、色合わせ調整処理に必要な検査画像パターンのセット数分形成するまで、ステップ708で繰り返す。
上記のように、本発明の実施例6では、画像形成装置を、中間転写ベルト上の傷などの欠陥情報をあらかじめ特徴点として記憶しておき、検査画像パターンが特徴点に重なるように、検査画像パターンの幅を広くして特徴点を除去する構成としたので、特徴点を確実に除去でき、調整処理の精度を高めて調整処理時間を短縮できる。
本発明の画像形成装置は、電子写真方式の複写機やプリンタやファクシミリなどとして最適である。
本発明の実施例1における画像形成装置の基本的な構成を示す概念図である。
本発明の実施例1における画像形成装置の基準位置調整に関係する部分の機能ブロック図と、検査画像パターンの説明図である。
本発明の実施例1における画像形成装置の中間転写ベルトの表面情報の記憶制御手順を示す流れ図である。
本発明の実施例1における画像形成装置の色合わせ調整処理時の検査画像パターン形成の手順を示す流れ図である。
本発明の実施例2における画像形成装置で、最も特徴点除去できる色で検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。
本発明の実施例3における画像形成装置で、1つの検査画像パターンで全ての特徴点を除去する手順を示す流れ図である。
本発明の実施例4における画像形成装置で、間隔を変更して検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。
本発明の実施例5における画像形成装置で、幅を変更して検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。
本発明の実施例6における画像形成装置で、幅を広くして検査画像パターンを形成する手順を示す流れ図である。
符号の説明
104・・・シート、105・・・中間転写ベルト、106・・・AIOカートリッジ、107・・・二次転写駆動ローラ、108・・・転写ベルトテンションローラ、109・・・感光体、110・・・帯電器、111・・・露光器、112・・・現像器、113・・・クリーナーブレード、114・・・レーザー光、115・・・一次転写ローラ、116・・・二次転写ローラ、117・・・TMセンサ、200・・・ROM、201・・・RAM、202・・・EEPROM、203・・・表面情報検知センサ、204・・・一次転写バイアス、205・・・ポリゴンモータ、206・・・レーザー、207・・・現像バイアス、208・・・中間転写位置検知センサ。