JP7338239B2 - 画像形成装置および画像形成装置の制御方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成装置の制御方法に関する。
画像形成装置は、用紙ジャムや故障発生時、あるいは停電により、印刷中に緊急停止することがある。緊急停止によって、加熱部の温度がオーバーシュートし、定着ベルトの温度が上昇して、定着ベルトが凹凸に変形する場合がある。
定着ベルトの変形は、トナーの溶融ムラの原因になる。トナーの溶融ムラは、形成された画像の光沢や濃度、色のムラなどといった画像ムラの原因になる。そして、ユーザーは、緊急停止からの印刷再開後、それら画像ムラに気付かず、不良画像を多数枚印刷して、無駄紙を多く発生させてしまうという問題があった。
従来、このような緊急停止に対応する技術としては、加熱ローラーを冷却するファンを備えた画像形成装置がある。この従来の画像形成装置では、用紙ジャムによる停止時に加熱ローラーを冷却することで、オーバーシュートを抑制している。
特開2001-343857号公報
しかしながら、従来技術は、用紙ジャム時に冷却ファンを動作させることで定着器を速やかに冷却することとしているが、蓄熱された状態で停止した定着ベルトの変形を完全に抑えることは難しい。また、従来技術は、故障発生時や停電時などにおいては冷却ファンを駆動できなくなるため、定着ベルトを冷却できない。
このため、従来技術では、緊急停止後、印刷(画像形成)が再開された際に、定着ベルトの変形を起因とした画像ムラの発生に気が付かず、無駄紙を発生させてしまうという問題を解決できていない。
そこで、本発明の目的は、緊急停止後の画像形成再開時に、定着ベルトの変形を起因とした画像ムラによる無駄紙の発生を抑えることができる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)用紙上に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、
加熱源、前記加熱源の熱を伝達する定着部材、および前記定着部材との間で定着ニップを形成する加圧部材を有し、前記定着ニップで前記用紙を挟持搬送して、前記未定着トナー画像を前記用紙に定着する定着部と、
定着後の画像を光学的に検知する画像検知部と、
画像形成途中で緊急停止された後の画像形成再開時に画像ムラ検知モードとして、画像を形成させて、前記画像検知部に定着後の画像を検知させ、検知結果を基に画像ムラの有無を判定する制御部と、
を有し、
前記制御部は、緊急停止したときに実行されていたジョブの画像形成速度が所定の速度以上、かつ、緊急停止したときに実行されていたジョブの定着温度が所定の温度以上の場合に、前記画像ムラ検知モードを実施する、画像形成装置。
(2)前記定着部材は、
前記加熱源を備えた加熱ローラーと、
前記加熱ローラーに接して移動する定着ベルトと、
前記定着ベルトに接し、前記定着ベルトを定着ニップ方向へ加圧する上加圧ローラーと、を有し、
前記加圧部材は、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する下加圧ローラーを有する、上記(1)記載の画像形成装置。
(3)前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、通常の画像形成時よりも定着温度を下げる、上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記画像検知部は、濃度センサーを有し、
前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、2色以上のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(5)前記画像検知部は、光沢度センサーを有し、
前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、黒色のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(6)前記画像検知部は、測色センサーを有し、
前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、2色以上のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(7)緊急停止時は、定着部の搬送停止と前記加熱源の通電停止が同時である、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
(8)緊急停止は、用紙ジャム発生時、故障発生時、停電時のいずれかである、上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
)前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおいて検知された画像ムラが、前記定着部材の周長に相当する間隔で検知された場合に、定着部材起因による画像ムラと判定する、上記(1)~()のいずれか1つに記載の画像形成装置。
10)前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおいて検知された画像ムラの形状が所定形状の場合に、定着部材起因による画像ムラと判定する、上記(1)~()のいずれか1つに記載の画像形成装置。
11)前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおける検知結果に基づき、定着部材起因による画像ムラと判定した場合、その旨を告知する上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の画像形成装置。
12)前記告知は、前記定着部材の交換を促す内容を含む、上記(11)に記載の画像形成装置。
13)用紙上に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、
加熱源により加熱される定着部材、前記定着部材との間で定着ニップを形成する加圧部材を有し、前記定着ニップで前記用紙を挟持搬送して、前記未定着トナー画像を前記用紙に定着する定着部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
画像形成途中で緊急停止された後の画像形成再開時に画像ムラ検知モードとして、画像を形成させて、定着後の画像を検知し、検知結果を基に画像ムラの有無を判定し、
緊急停止したときに実行されていたジョブの画像形成速度が所定の速度以上、かつ、緊急停止したときに実行されていたジョブの定着温度が所定の温度以上の場合に、前記画像ムラ検知モードを実施する、画像形成装置の制御方法。
本発明は、画像形成途中で緊急停止された後の画像形成再開時に画像を形成させて、形成させた画像を画像検知部に検知させて、その検知結果を基に画像ムラの有無を判定することとした。これにより緊急停止後の画像形成再開時に画像ムラが発生しているか否かがわかるようになるので、画像ムラによる無駄紙の発生を抑えることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を説明するための概略図である。 定着部の構成を説明するための概略図である。 定着ベルトが変形した状態で印刷が再開された場合を説明する模式図である。 画像検知部の第1の例を説明するための概略側面図である。 画像検知部の第1の例を説明するための概略平面図である。 画像検知部の第2の例を説明するための概略側面図である。 画像検知部の第2の例を説明するための概略平面図である。 画像検知部の第3の例を説明するための概略側面図である。 画像検知部の第3の例を説明するための概略平面図である。 定着温度と画像濃度との関係を示すグラフである。 搬送方向に対する濃度センサーの濃度検知出力値と、定着温度との関係を示すグラフである。 画像ムラ検知のための第1の制御例の処理手順を示すフローチャートである。 画像ムラ検知のための第2の制御例の処理手順を示すフローチャートである。 画像ムラ検知のための第3の制御例の処理手順を示すフローチャートである。 判定テーブルの例を示す図である。 図12Aに示した判定テーブルに対応する定着温度を示す定着温度テーブルである。 判定テーブルの例を示す図である。 図13Aに示した判定テーブルに対応する定着温度を示す定着温度テーブルである。 ベルト長>紙長の場合における画像ムラ検知モードの印刷を説明するための模式図である。 ベルト長>紙長であるカット紙を用いて画像ムラ検知モードを実行する際における定着ベルトの移動と用紙搬送を説明するための模式図である。 ベルト長>紙長であるカット紙を用いて画像ムラ検知モードを実行する際における定着ベルトの移動と用紙搬送を説明するための模式図である。 ベルト長>紙長であるカット紙を用いて画像ムラ検知モードを実行する際における定着ベルトの移動と用紙搬送を説明するための模式図である。 ベルト長>紙長であるカット紙を用いて画像ムラ検知モードを実行する際における定着ベルトの移動と用紙搬送を説明するための模式図である。 濃度検知出力値の搬送方向の変化を示すグラフである。 定着ベルト2周分の長さを印刷した場合の濃度検知出力値の搬送方向の変化を示すグラフである。 定着ローラーよりなる定着部の構成を説明するための概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
なお、図面においては、同一の要素または同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を説明するための概略図である。
画像形成装置1は、給紙部11、画像形成部12、定着部13、画像検知部14、排紙部15、制御部16、および操作パネル18を有する。
給紙部11は、用紙100としてロール紙(連続紙)を保持し、画像形成部12へ供給する。給紙部11と画像形成部12の間には、給紙部11からの搬送速度と画像形成部12での搬送速度を調整するための給紙バッファ11aを備える。画像形成装置1には、用紙100として、カット紙を使用する場合に備えて、カット紙を収納し、画像形成部12へ供給する給紙カセット19を有する。
画像形成部12は、電子写真方式により用紙100にトナー画像を形成する。
定着部13は、画像形成部12で形成された未定着トナー画像を用紙100に定着させる。定着部13の詳細は後述する。
画像検知部14は、定着後の画像を光学的に検知する。画像検知部14の詳細は後述する。画像形成部12と画像検知部14の間には、画像形成部12の搬送速度と画像検知部14での搬送速度を調整するための排紙バッファ15aを備える。
排紙部15は、画像が形成されたロール紙を巻き取る。
制御部16は、コンピューターであり、その構成は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置と、各部と信号の通信を行う通信インターフェース(IF(Interface))などを備える。
制御部16は、記憶装置に記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで、画像形成装置1の各部を制御して、用紙100上に画像形成(印刷)させる。また、本実施形態では、緊急停止後の印刷再開時における画像ムラ検知モードの処理を実行する。
図2は、定着部13の構成を説明するための概略図である。
定着部13は、加熱ローラー31、上加圧ローラー32、下加圧ローラー33、定着ベルト34を有する。このうち、加熱ローラー31、上加圧ローラー32、および定着ベルト34は、定着部材となる。また、下加圧ローラー33は、加圧部材となる。
加熱ローラー31は、内部に、加熱源であるハロゲンヒーター35を有する。加熱ローラー31は、たとえば、アルミニウム製の芯金の表面にフッ素材料がコーティングされている。
上加圧ローラー32は、定着ベルト34を定着ニップ30の方向に加圧する。上加圧ローラー32は、たとえば、アルミニウム製あるいはステンレス製芯金の表面にシリコーンゴム層が形成されて構成されている。上加圧ローラー32に加圧されている部分の定着ベルト34と下加圧ローラー33によって定着ニップ30が形成されている。
下加圧ローラー33は、上加圧ローラー32の回転に同期して回転する。下加圧ローラー33は、たとえば、アルミニウム製あるいはステンレス製の芯金の表面にシリコーンゴム層が形成され、シリコーンゴム層の表面にフッ素材料がコーティングされて構成されている。下加圧ローラー33は、定着ニップ30を通過する用紙100を定着ベルト34方向に加圧する。上加圧ローラー32と下加圧ローラー33には、駆動源からの駆動力が伝達されており、上加圧ローラー32と下加圧ローラー33とは同期して回転する。加熱ローラー31は、上加圧ローラー32の回転に伴い移動する定着ベルト34の移動により従動回転する。
定着ベルト34は、加熱ローラー31と上加圧ローラー32に接し、張り掛けされた無端ベルトである。定着ベルト34は、たとえば、ポリイミド基材上にシリコーンゴム層が形成され、されに表層としてフッ素材料が形成されて構成されている。定着ベルト34は、加熱ローラー31によって加熱され、定着ベルト34が移動することで定着ニップ30まで熱を伝達して、定着ニップ30で挟持搬送されている用紙100を加熱して、未定着トナー画像を定着させる。
ここで、緊急停止後の印刷再開後に発生する画像ムラについて説明する。
図3は、定着ベルト34が変形した状態で印刷が再開された場合を説明する模式図である。
緊急停止時には、定着ベルト34の加熱ローラー31と接触している部分で温度がオーバーシュートにより上昇する。画像形成装置1は、たとえば、搬送系で用紙100のジャムが発生した場合、用紙詰まりによる機械ダメージを防止するために、各部の駆動を停止する。したがって、制御部16は、定着部13に対して、用紙100の搬送停止と同時に、ヒーターへの通電も停止させる。このとき、加熱ローラー31に蓄熱された熱は、定着ベルト34から用紙100に伝達されず、加熱ローラー31に接触している定着ベルト34のみを加熱することになる。このため、オーバーシュートが発生する。
緊急停止は、搬送系で用紙100のジャムが発生した場合以外にも、たとえば、画像形成装置内各部の故障などでも発生し、その場合にも定着部13の搬送停止およびヒーターへの通電停止が同時に行われる。緊急停止される故障としては、たとえば、搬送系や、画像形成部12、定着部13などの故障であり、これらの故障では、緊急停止と共に、サービスコールなど故障解消のために業者を呼ぶことを操作パネル18に表示することがある。
なお、画像形成装置内各部の故障の中には、緊急停止を要しない場合もある。緊急停止を要しない場合は、故障発生時においても、ヒーターオフの後、搬送停止となる。このようなヒーターオフの後、搬送停止となる故障としては、たとえば、通信系の故障、操作パネル18の故障など、搬送や印刷に直接関係しない故障が挙げられる。
また、緊急停止は、画像形成装置1への電力供給が断たれた場合にも発生する。電力供給が断たれた場合とは、たとえば、停電や、画像形成装置1の電源線が断線したり、抜かれたりしてしまうなどの場合に発生する。これらの場合は、当然に、定着部13の搬送停止と、ヒーターへの通電停止が同時に行われる。
定着ベルト34においては、停止している加熱ローラー31に接している部分が局所的に加熱されることになるため、ポリイミド基材層341が波打つように変形してしまう。そうなると、定着ベルト34は、ポリイミド基材層341の変形に伴い、表層のシリコーンゴム層342およびフッ素材料243も波打つように変形する。
印刷再開後、定着ベルト34が変形して図3における凹形状となった部分では、加熱ローラー31と定着ベルト34の間に隙間ができ、加熱ローラー31からの熱が伝わりにくくなる。一方、図3において凸形状となった部分では、加熱ローラー31と定着ベルト34の間に隙間がないため、凹形状の部分よりも熱が伝わりやすい。このため定着ベルト34は、温度ムラのある状態で用紙100と接する。このため、図3に示すように、定着ベルト34の高い温度の部分と接するトナー層110の部分は、温度が高くなり、逆に定着ベルト34の低い温度の部分と接するトナー層110の部分は、温度が低くなる。このため、定着後の画像には、凹凸変形に対応したムラができてしまう。
実施形態は、定着ベルト34の変形を起因とする画像ムラを画像検知部14で検知し、その後の画像形成を停止させる。以下では、画像検知部14の複数の例を説明する。
図4Aは、画像検知部14の第1の例を説明するための概略側面図であり、図4Bは画像検知部14の第1の例を説明するための概略平面図である。各図において、矢印Fは、搬送方向を示す。以下、他の図においても同様である。
画像検知部14の第1の例は、濃度センサー141を備える。濃度センサー141としては、たとえば、コンタクトラインイメージセンサー、レンズ縮小型ラインイメージセンサーなどの画像読み取りセンサーを使用することができる。これらの画像読み取りセンサーにおいては、画像を読み取るための複数の画素が直線的に並んでいる。画像読み取りセンサーにおいては、複数の画素が用紙100の搬送方向に対して直交する方向(画像幅方向という)に、全ての画像を読み取りできるように配置されている。
第1の例では、用紙100を定着ベルト34の周長以上の距離を搬送させて、濃度センサー141によって、搬送中の用紙100全体の画像が読み取られる。読み取られた画像は、制御部16へ送られる。制御部16は、定着ベルト34の周長以上に対応した画像領域全面の濃度を検知して、画素ごとの濃度値を記憶装置に記憶する。濃度を検知する際は、たとえば、2色以上のトナーを用いてベタ塗り画像を印刷することが好ましい。第1の例においては、定着ベルト34の変形を起因とした画像ムラがある場合、ベタ塗り画像を読み取ると、用紙搬送方向に濃度の変化が検知される。
図5Aは、画像検知部14の第2の例を説明するための概略側面図であり、図5Bは画像検知部14の第2の例を説明するための概略平面図である。
画像検知部14の第2の例は、光沢度センサー151を備える。光沢度センサー151は、光沢計(または光沢度計)、光沢測定センサー、光沢度判別センサーなどとも称されており、画像の光沢度を測定する。光沢度センサー151は、画像幅方向に移動して、光沢度を測定する。したがって、画像全面の光沢度を測定するためには、用紙搬送を一時停止して、光沢度センサー151を画像幅方向に移動して光沢度を測定し、用紙100を所定距離搬送して再び停止し、光沢度センサー151を画像幅方向に移動して光沢度を測定することを繰り返す必要がある。このような測定は、用紙100を定着ベルト34の周長以上の距離を搬送させ、その間の用紙100全面の光沢度を検知させることが好ましい。光沢度センサー151の測定値は制御部16へ送られる。制御部16で、受信した光沢度の値を記憶装置へ記憶する。
定着ベルト34の変形は、必ずしも用紙幅に対応する定着ベルト34の幅方向に均等に発生するものではない。このため、上記のように、搬送、停止を繰り返して、用紙幅方向を含めた画像全面の光沢を測定することが好ましい。
定着ベルト34は、幅方向の温度分布で最も高い位置で変形する。幅方向の温度分布は決まっていて、変形する位置も決まっていることが多い。このため、光沢度センサー151を用いた場合は、たとえば、幅方向の温度分布で最も温度が高い位置に固定して、光沢度センサー151を用紙幅方向へ移動させる動作を省略し、用紙100の搬送を停止させずに光沢度を連続的に計測することとしてもよい。本実施形態では、このような測定を簡易測定という。このような簡易測定においても、定着ベルト周長方向の画像ムラを検知可能である。
光沢度を検知する際は、たとえば、黒色のトナーを用いて、ベタ塗り画像を印刷して測定することが好ましい。第2の例においては、定着ベルト34の変形を起因とした画像ムラがある場合、ベタ塗り画像から光沢度を測定すると、用紙搬送方向に光沢度の変化が検知される。
図6Aは、画像検知部14の第3の例を説明するための概略側面図であり、図6Bは画像検知部14の第3の例を説明するための概略平面図である。
画像検知部14の第3の例は、測色センサー161を備える。測色センサー161は、色彩計または分光測色計などであり、画像の色を刺激値として測定する。測色センサー161は、画像幅方向に移動して、色を測定する。したがって、画像全面の色を測定するためには用紙搬送を一時停止して、測色センサー161を画像幅方向に移動して色を測定し、用紙100を所定距離搬送して再び停止し、測色センサー161を画像幅方向に移動して色を測定することを繰り返す必要がある。このような測定は、用紙100を定着ベルト34の周長以上の距離を搬送させ、その間の用紙100全面の色を検知させることが好ましい。測色センサー161の測定値は制御部16へ送られる。制御部16は、受信した色の値を記憶装置へ記憶する。
定着ベルト34の変形は、必ずしも用紙幅に対応する定着ベルト34の幅方向に均等に発生するものではない。このため、搬送、停止を繰り返して、用紙幅方向を含めた画像全面の色を測定することが好ましい。なお、測色センサー161を用いた場合も、測色センサー161を用紙幅方向へ移動させる動作を省略し、用紙100の搬送を停止させずに色を連続的に計測する、簡易検査としてもよい。
第3の例においても、色を検知する際は、たとえば、イエロー(Y)とマゼンタ(M)の重ね合わせによるレッド(R)、マゼンタ(M)とシアン(C)の重ね合わせによるブルー(B)、イエロー(Y)とシアン(C)の重ね合わせによるグリーン(G)など2色以上のトナーのベタ塗り画像を印刷して測定することが好ましい。第3の例においては、定着ベルト34の変形を起因とした画像ムラがある場合、ベタ塗り画像から色を測定すると、用紙搬送方向に色の変化、すなわち、用紙搬送方向に色差が検知される。
次に、定着温度と濃度センサー141によって検出される画像ムラとの関係を説明する。
図7は、定着温度と画像濃度との関係を示すグラフである。なお、定着温度とは、使用する用紙100やトナーに応じて定着ニップ30の温度として指定された温度である。
図7に示すように、濃度センサー141によって検出される濃度は、定着温度によって異なる。そして、定着温度が高い領域では、温度に対する濃度の変化の傾きが比較的小さい。一方、定着温度が低い領域では、温度に対する濃度の変化の傾きが大きい。通常の定着温度は、温度に対する濃度の変動を少なくするため、このグラフに示すように、温度変化に対する濃度の変化の傾きが小さい領域となるように設定されている。言い換えると、通常の定着温度としては、定着ニップ30における温度が多少変化しても、画像ムラの発生が起きない、または少なくなる温度が設定されている。
そして、このグラフから、画像ムラを検知し易くするためには、定着温度を低くすればよいことがわかる。
図8は、搬送方向に対する濃度センサー141の濃度検知出力値と、定着温度との関係を示すグラフである。
図8に示すように、通常の定着温度においては、濃度検知出力値の大きな変動は見られない。定着温度を通常の定着温度から5~20℃下げた場合は、濃度検知出力値が、通常の定着温度の場合より大きく変動している。
ここでは、図7および8と用いて、濃度センサー141による濃度検知出力値を元に定着温度と画像濃度の関係を説明したが、光沢度、色(測色値)においても、同様の関係がある。
次に、緊急停止後の印刷再開後における画像ムラ検知の制御例を説明する。以下では、3つの制御例を説明する。
(第1の制御例)
図9は、画像ムラ検知のための第1の制御例の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、この処理手順に基づいて作成されたコンピューターが実行可能なプログラムとして提供される。提供されたプログラムは、画像形成装置1の制御部16よって実行される。処理手順に基づくプログラムが制御部16によって実行されることは、他の制御例においても同様である。
第1の制御例では、まず、制御部16は、印刷指示があるか否かを判断する(S11)。ここで制御部16は、印刷指示がなければ(S11:NO)、指示があるまで待機する。
印刷指示が入力されたなら(S11:YES)、制御部16は、前回ジョブが正常に終了したか、緊急停止したか、判断する(S12)。
制御部16は、1つのジョブが正常に終了するごとに、記憶装置内の所定のアドレスにフラグを立て、印刷再開時に参照できるようにしている。S11において、制御部16は、このアドレスを参照して、フラグがあれば正常終了(S12:NO)、フラグがなければ緊急停止(S12:YES)と判断する。
制御部16は、正常終了と判断した場合(S12:NO)、そのまま印刷を開始させて(S15)、通常の印刷処理を行った後、処理を終了する。
制御部16は、S12において、緊急停止と判断した場合(S12:YES)、画像ムラ検知モードを実行する(S13)。画像ムラ検知モードについての詳細は後述するが、少なくとも、定着ベルト34の周長に相当する長さ分の用紙100に画像を形成して、画像検知部14により画像を検知させる。
続いて、制御部16は、画像ムラ検知モードを実行した結果、画像ムラありか否かを判断する(S14)。制御部16は、画像ムラがなければ(S14:NO)、そのまま印刷を開始させて(S15)、通常の印刷処理を行った後、処理を終了する。
S14において、制御部16は、画像ムラありと判断した場合(S14:YES)、画像ムラが発生したことを告知するための出力を行って(S16)、処理を終了する。画像ムラありの場合は、その後の印刷が停止される。なお、ここで検知される画像ムラは、定着ベルト34の変形起因による画像ムラのことである。
S16における画像ムラが発生したことを告知する出力は、たとえば、操作パネル18への画像ムラが発生したことの表示や、ジョブを投入したコンピューターなどへ、この画像形成装置1が使用不可であることを伝える通信出力などである。また、操作パネル18への表示や通信出力には、印刷停止や定着ベルト34の変形を伝えるだけでなく、定着ベルト34の交換を促す内容を含むことが好ましい。より具体的には、定着ベルト34の交換を促す表示や音声ガイドなどである。これにより、ユーザーは、画像ムラ解消のための具体的な処置方法がわかるようになる。
このように第1の制御例では、緊急停止後、次のジョブが投入されて印刷指示がなされたときに、画像ムラの検知が行われ、画像ムラが発生していたなら、印刷しないようにできる。したがって、第1の制御例では、緊急停止後の印刷再開時に、定着ベルト34に起因した画像ムラによる無駄紙の発生を防止できる。
(第2の制御例)
第2の制御例は、前回のジョブが所定の条件となっている場合に、画像ムラ検知モードを実行する。前回のジョブの所定の条件とは、前回ジョブにおける印刷速度と定着温度が所定の条件となっている場合である。
ここでは、まず、印刷速度および定着温度と、定着ベルト34の変形との関係を説明する。
ジョブの正常終了時は、印刷終了後にヒーターをオフにしてから、定着部13の駆動を停止する。しかし、緊急停止時は、印刷中に定着部13の駆動停止とヒーターオフがほぼ同時に行われる。そのため、既に説明したように、加熱ローラー31に接触している定着ベルト34の温度がオーバーシュートにより上昇し、定着ベルト34が熱で変形する場合がある。
オーバーシュート量(オーバーシュートで上昇する温度)は、供給熱量が多いことで大きくなる。このため、オーバーシュートで上昇する温度は、印刷速度、定着温度、用紙種類、用紙坪量によって異なる。通常の印刷においては、印刷速度、用紙坪量が大きいほど、より多くの熱量を供給する必要がある。緊急停止時においては、印刷速度、用紙坪量が大きいほど、オーバーシュート量も大きくなる。定着温度は、印刷速度が速く、用紙坪量が大きいほど、通常、高く設定される。このため、オーバーシュートが発生すると、定着ベルト34の温度は、定着温度に対してオーバーシュート分が上乗せされて高くなる。このため、緊急停止時には、もとの定着温度の高い方が、もとの定着温度が低い場合よりも、定着ベルト34に加わる温度がいっそう高くなる。このため、定着ベルト34は、緊急停止したときに実行されていたジョブにおける定着温度の高い場合の方が、低い場合よりも変形する可能性が高くなる。
そこで第2の制御例では、特に、印刷速度と定着温度に着目して、画像ムラの発生の有無を検知することとしたものである。
図10は、画像ムラ検知のための第2の制御例の処理手順を示すフローチャートである。
第2の制御例では、まず、制御部16は、第1の制御例同様に、印刷指示があれば(S11:YES)、前回ジョブが緊急停止したか否かを判断する(S12)。前回ジョブが正常終了であれば(S12:NO)、そのまま印刷を開始し(S15)、印刷が終われば、処理を終了する。
前回ジョブが緊急停止していれば(S12:YES)、制御部16は、前回のジョブの条件のうち、印刷速度と定着温度を調べる(S20)。このS12がYESと判断された前回ジョブとは、すなわち、緊急停止したときに実行されていたジョブということになる。
S20において、制御部16は、前回ジョブの印刷速度と定着温度が、速度60ppm以上、温度175℃以上ではないと判断した場合には(S20:NO)、画像ムラ検知モードを実施しないで、そのまま印刷を開始し(S15)、印刷が終われば、処理を終了する。
一方、S20において、制御部16は、前回のジョブの印刷速度および定着温度が、速度60ppm以上、温度175℃以上であると判断した場合には(S20:YES)、画像ムラ検知モードを実行する(S13)。
画像ムラ検知モードを実行後の手順は、第1の制御例と同様である。
このように第2の制御例では、前回ジョブの印刷速度および定着温度が、定着ベルト34が変形しやすい所定の条件となっている場合に、画像ムラを検知するための処理を実施する。したがって、第2の制御例では、所定の条件以外の場合は、緊急停止後であっても、そのまま印刷を開始するので、印刷開始が第1の制御例より速くなる。また、第2の制御例では、所定の条件以外の場合は、緊急停止後であっても、画像ムラを検知するための処理を行わないので、用紙100が無駄にならない。
(第3の制御例)
第3の制御例は、第2の制御例同様に、所定の条件のときに画像ムラ検知モードを実行する。ただし、第3の制御例は、所定の条件として、坪量、印刷速度、および紙質ごとに画像ムラ検知モードを実行するか否かを判定するテーブルデータを用意した。このテーブルデータを判定テーブルという。第3の制御例は、判定テーブルと、前ジョブの印刷条件とを対比して、判定テーブルの中で、画像ムラ検知モードを実行するように設定されている条件に合う場合に画像ムラ検知モードを実行する。
図11は、画像ムラ検知のための第3の制御例の処理手順を示すフローチャートである。
第3の制御例では、まず、制御部16は、第1の制御例同様に、印刷指示があれば(S11:YES)、前回ジョブが緊急停止したか否かを判断する(S12)。前回ジョブが正常終了であれば(S12:NO)、そのまま印刷を開始し(S15)、印刷が終われば、処理を終了する。
前回ジョブが緊急停止していれば(S12:YES)、制御部16は、前回のジョブの条件と記憶装置に記憶されている判定テーブルを対比する(S30)。
図12Aおよび図13Aは、判定テーブルの例を示す図である。図12Bは、図12Aに示した判定テーブルに対応する定着温度を示す定着温度テーブルを参考に示す。図13Bは、図13Aに示した判定テーブルに対応する定着温度を示す定着温度テーブルを参考に示す。
図12Aは全ての坪量で速度が60枚/分の場合の例を示し、図13Aは大きい坪量で速度を40枚/分に遅くしている場合の例を示している。図12Aおよび図12Bに示すように、速度が60枚/分では定着温度が175℃以上で画像ムラ検知モードを実施するようになっており、第2の制御例と同じになっている。図13Aおよび図13Bに示すように、速度が40枚/分では180℃以上で画像ムラ検知モードを実施するようになっている。速度が遅い分熱供給量が少なく、オーバーシュート量が小さくなるので閾値の定着温度を高くできる。また、図に示した例では、紙質によらず閾値の定着温度は同じだが、紙質でオーバーシュート量が異なり閾値の定着温度が違う場合もある。このため、判定テーブルは、速度や使用される紙によって適切に設定すればよい。
図12Aおよび図13Aに示したテーブルデータは、坪量、印刷速度、および紙質として非塗工紙の場合に普通紙とカラー紙、塗工紙の場合にグロス紙とカラー紙の違いに対応して、画像ムラ検知モードを実行するか否かを規定している。
S30において、制御部16は、前回のジョブの条件がテーブルデータの中の画像ムラ検知モードを実行する場合に当てはまらないと判断した場合には(S30:×非実施)、そのまま印刷を開始し(S15)、印刷が終われば、処理を終了する。
一方、S30において、制御部16は、前回のジョブの条件がテーブルデータの中の画像ムラ検知モードを実行する場合に当てはまると判断した場合には(S30:○実施)、画像ムラ検知モードを実行する(S13)。
画像ムラ検知モードを実行後の手順は、第1の制御例と同様である。
このように第3の制御例では、前回ジョブの坪量、印刷速度、および紙質が、定着ベルト34が変形しやすい所定の条件となっている場合に、画像ムラを検知するための処理を実施する。したがって、第3の制御例では、所定の条件以外の場合は、緊急停止後であっても、そのまま印刷を開始するので、印刷開始が第1の制御例より速くなる。また、第3の制御例では、所定の条件以外の場合は、緊急停止後であっても、画像ムラを検知するための処理を行わないので、用紙100が無駄にならない。また、第3の制御例では、所定の条件は、あらかじめテーブルデータとして記憶装置に記憶しておくこととしたので、様々な印刷条件を設定しておくことができる。このテーブルデータは、坪量、印刷速度、および紙質以外の印刷条件であってもよい。
画像ムラ検知モードについて説明する。
画像ムラ検知モードでは、少なくとも、定着ベルト34の周長(以下、ベルト長という)に相当する長さ分、用紙100を搬送して画像を形成する。図1に示したように、用紙100がロール紙の場合、またカット紙の場合でも搬送方向の長さ(以下、紙長という)が定着ベルト34の周長より長い場合は、定着ベルト34の周長は、あらかじめ分かっているので、定着ベルト34の周長の長さ(またはそれ以上の長さ)となるように、用紙100を搬送して、画像形成、定着を行う。
一方、カット紙の場合で、カット紙の長さが、定着ベルト34の長さより短い場合、すなわち、ベルト長>紙長の場合は、ベルト長分に相当する画像の長さ(以下、画像長という)となるように、複数枚のカット紙を使用して印刷する。図14は、ベルト長>紙長の場合における画像ムラ検知モードの印刷を説明するための模式図である。
ベルト長>紙長の場合の印刷は、基本的に、図14に示すように行われる。まず、1枚目の用紙を、給紙カセット19から画像形成部12へ搬送させ、印刷させる。続いて、画像間隔がベルト長になるタイミングで、2枚目の用紙を給紙カセット19から画像形成部12へ搬送させ、印刷させる。これにより、1枚目の定着が行われたベルト部分から連続したベルト部分で2枚目の画像が定着される。以下同様にして、印刷した枚数×画像長≧ベルト長となるまで行われる。なお、画像長とは、紙長から前端および後端余白長さを除いた長さである。
図15~18は、ベルト長>紙長であるカット紙を用いて画像ムラ検知モードを実行する際における定着ベルト34の移動と用紙搬送を説明するための模式図である。図15~18においては、加圧ローラーは省略した。
まず、図15に示すように、画像が形成されている1枚目用紙101が定着ニップ30に入ることで、定着が開始される。このとき、1枚目用紙101上で定着される1枚目画像101iは、定着ベルト34上の1sの位置から開始されている。定着ベルト34上の1sの位置は、1枚目画像101iの開始位置である。
その後、図16に示すように、1枚目用紙101は、定着ベルト34上の1枚目画像101iの終了位置1eの位置まで搬送される。このとき定着ベルト34上の1枚目画像101iの開始位置1sは、図16に示すように、加熱ローラー31の近くまで移動する。
その後、図17に示すように、定着ベルト34が、1枚目画像101iの終了位置1eからベルト長だけ移動される。そして、定着ベルト34上で、2枚目画像102iの開始位置2sとなるタイミングで2枚目用紙102が搬送され、定着が行われる。このとき、定着ベルト34上では、2枚目画像102iの開始位置2sと、1枚目画像101iの終了位置1eが同じになる(1e=2s)。
その後は、同様に、3枚目用紙103への3枚目画像103iの形成および定着が行われる。つまり、定着ベルト34は、2枚目画像102iの終了位置2eから、さらにベルト長だけ移動されて、3枚目用紙103に、定着ベルト34上の3枚目画像103iの開始位置3sから定着が開始される。定着ベルト34上では、3枚目画像103iの開始位置3sと、2枚目画像102iの終了位置2eが同じになる(2e=3s)。
この例では、3枚の用紙101~103に対する画像形成(印刷)で、定着ベルト34の周長全体に相当する画像を印刷できる。カット紙への画像形成は、用紙101と用紙102の間、用紙102と用紙103の間などに画像形成しない領域がある。このため本実施形態は、定着ベルト34を1枚目の用紙101への定着終了後、ベルト長だけ移動させた後、2枚目の用紙102に定着し、2枚目の用紙102への定着終了後、ベルト長だけ移動させた後、3枚目の用紙103に定着している。これにより本実施形態では、カット紙を用いた場合でも、定着ベルト34におけるベルト周方向の全ての面を使用して画像を定着させた画像を得ることができる。このため、本実施形態では、カット紙の場合でも定着ベルト34の変形を見逃さずに、検出できる。
ここでは、3枚の用紙101~103を使用した例を説明したが、使用する用紙の枚数は、ベルト長と、使用するカット紙の搬送方向長さに応じて決めればよい。
次に、画像ムラの検知の一例を、濃度センサー141を用いて行う場合で説明する。
濃度センサー141を用いた画像ムラ検知モードで印刷される画像は、2色以上のベタ塗り画像であることが好ましい。たとえばマゼンタとシアンの重ね合わせによるブルーのベタ塗り画像である。定着ベルト34が変形した場合に濃度ムラが発生しやすくかつ検知しやすい。
画像ムラ検知モードでの印刷は、通常の印刷時よりも5~20℃低い定着温度で実施される。これは、既に説明したように、定着温度を下げることで濃度ムラを発生させ易くするためである。印刷画像の搬送方向の長さは、少なくとも定着ベルト1周分の長さとする。
図19は、濃度検知出力値の搬送方向の変化を示すグラフである。
図19に示すように、濃度ムラがある場合、濃度センサー141による濃度検知出力値が所定の波高以上で変動する波形となる。本実施形態では、濃度ムラの波の形状が所定形状である場合に、定着ベルト起因の画像ムラありと判定する。具体的には、制御部16が、波の形状として、波高および波長が所定の範囲となる場合に、画像ムラありと判定する。
オーバーシュートによる定着ベルト変形の凹凸の形状は、だいたい決まっている。このため、定着ベルト起因の画像ムラは、濃度変化の周期性を見ることで判定できる。オーバーシュートによる定着ベルト変形による凹凸周期は、山から次の山までの長さである波長である。定着ベルト変形による波長は、たとえば5~10mmである。このことから、本実施形態では、図19における濃度検知出力値の波が、波長5~10mmで、周期的に発生している部分がある場合に、定着ベルト起因の画像ムラが発生していると判定される。波長と合わせて波高も条件に加え、波長5~10mmかつ波高所定値以上になった場合に、定着ベルト起因の画像ムラが発生していると判定してもよい。所定値は、あらかじめ凹凸変形しているベルトで出力した画像を測定した濃度センサー検出値から、決めればよい。
また、他の判定方法としては、たとえば、定着ベルト2周分の長さを印刷して、濃度検知出力値の変動波の周期性から判定する。この場合も、印刷は2色以上を用いたベタ塗り画像であり、定着温度は通常印刷時よりも5~20℃下げることが好ましい。
図20は、定着ベルト2周分の長さを印刷した場合の濃度検知出力値の搬送方向の変化を示すグラフである。
定着ベルト2周分の長さを印刷した場合、定着ベルト起因の画像ムラがあると、濃度検知出力値が所定の波高以上で変動している部分(図中のムラ発生部分)が2回発生する。図20に示すように、ムラ発生部分では、所定の波高以上となる波は、5~10mmで周期的に発生し、その後、一旦、波高が低くなって、再度、所定の波高以上の波が5~10mmで周期的に発生する。つまり、定着ベルト2周分の長さを印刷した場合、周期的に波高が所定以上高くなっている部分の間隔が、ベルト長と同じになる。したがって、本実施形態では、定着ベルト2周分の長さを印刷した場合に、画像ムラとして検知される部分、すなわち、5~10mmの波高で波が発生している部分同士の間隔が、ベルト長に相当する場合に、定着ベルト変形起因の画像ムラありと判定する。
このように本実施形態では、定着ベルト2周分の長さを印刷することで、より確実に定着ベルト34の変形起因の画像ムラか否かを判定できる。
(変形例)
上述した実施形態では、定着ベルト34を用いた定着部13の形態を説明したが、これに限定されず、たとえば、定着ローラーよりなる形態でもよい。図21は、定着ローラーよりなる定着部13の構成を説明するための概略図である。
定着ローラーよりなる定着部13は、定着ローラー321、加圧ローラー331を有する。定着ローラー321内には、加熱源であるハロゲンヒーター35を有する。定着ローラー321および加圧ローラー331は、定着ニップ30を形成する。定着ローラー321は、たとえば、アルミニウム製の芯金がシリコーンゴムで被覆され、シリコーンゴムの表面にフッ素材料がコーティングされている。変形例では、ハロゲンヒーター35を内蔵した定着ローラー321が定着部材となり、加圧ローラー331は加圧部材となる。
なお、変形例においては、定着部13の定着ローラー321以外の構成および動作は実施形態と同じである。
このような定着ローラーよりなる定着部13の場合は、緊急停止時に、オーバーシュートによって定着ローラー321のシリコーンゴムが芯金から剥がれる可能性がある。剥がれた部分で画像の濃度、光沢度、色が変化する。この変形例においても、上述した実施形態同様に、緊急停止後の印刷再開時に画像ムラ検知モードでの印刷を行うことで、定着ローラー321を起因とした画像ムラを検出することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではない。本発明は特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
1 画像形成装置、
11 給紙部、
12 画像形成部、
13 定着部、
14 画像検知部、
15 排紙部、
16 制御部、
18 操作パネル、
19 給紙カセット、
30 定着ニップ、
31 加熱ローラー、
32 上加圧ローラー、
33 下加圧ローラー、
34 定着ベルト、
35 ハロゲンヒーター、
100、101、102、103 用紙、
110 トナー層、
141 濃度センサー、
151 光沢度センサー、
161 測色センサー、
321 定着ローラー、
331 加圧ローラー、
341 ポリイミド基材層、
342 シリコーンゴム層、
343 フッ素材料。

Claims (13)

  1. 用紙上に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、
    加熱源、前記加熱源の熱を伝達する定着部材、および前記定着部材との間で定着ニップを形成する加圧部材を有し、前記定着ニップで前記用紙を挟持搬送して、前記未定着トナー画像を前記用紙に定着する定着部と、
    定着後の画像を光学的に検知する画像検知部と、
    画像形成途中で緊急停止された後の画像形成再開時に画像ムラ検知モードとして、画像を形成させて、前記画像検知部に定着後の画像を検知させ、検知結果を基に画像ムラの有無を判定する制御部と、を有し、
    前記制御部は、緊急停止したときに実行されていたジョブの画像形成速度が所定の速度以上、かつ、緊急停止したときに実行されていたジョブの定着温度が所定の温度以上の場合に、前記画像ムラ検知モードを実施する、画像形成装置。
  2. 前記定着部材は、
    前記加熱源を備えた加熱ローラーと、
    前記加熱ローラーに接して移動する定着ベルトと、
    前記定着ベルトに接し、前記定着ベルトを定着ニップ方向へ加圧する上加圧ローラーと、を有し、
    前記加圧部材は、前記定着ベルトとの間で前記定着ニップを形成する下加圧ローラーを有する、請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、通常の画像形成時よりも定着温度を下げる、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像検知部は、濃度センサーを有し、
    前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、2色以上のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  5. 前記画像検知部は、光沢度センサーを有し、
    前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、黒色のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  6. 前記画像検知部は、測色センサーを有し、
    前記制御部は、前記画像ムラ検知モードでは、2色以上のトナーを用いたベタ塗り画像を画像形成させる、請求項1~3のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  7. 緊急停止時は、定着部の搬送停止と前記加熱源の通電停止が同時である、請求項1~6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  8. 緊急停止は、用紙ジャム発生時、故障発生時、停電時のいずれかである、請求項1~7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおいて検知された画像ムラが、前記定着部材の周長に相当する間隔で検知された場合に、定着部材起因による画像ムラと判定する、請求項1~のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおいて検知された画像ムラの形状が所定形状の場合に、定着部材起因による画像ムラと判定する、請求項1~のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部は、前記画像ムラ検知モードにおける検知結果に基づき、定着部材起因による画像ムラと判定した場合、その旨を告知する請求項1~10のいずれか1つに記載の画像形成装置。
  12. 前記告知は、前記定着部材の交換を促す内容を含む、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 用紙上に未定着トナー画像を形成する画像形成部と、
    加熱源により加熱される定着部材、前記定着部材との間で定着ニップを形成する加圧部材を有し、前記定着ニップで前記用紙を挟持搬送して、前記未定着トナー画像を前記用紙に定着する定着部とを有する画像形成装置の制御方法であって、
    画像形成途中で緊急停止された後の画像形成再開時に画像ムラ検知モードとして、画像を形成させて、定着後の画像を検知し、検知結果を基に画像ムラの有無を判定し、
    緊急停止したときに実行されていたジョブの画像形成速度が所定の速度以上、かつ、緊急停止したときに実行されていたジョブの定着温度が所定の温度以上の場合に、前記画像ムラ検知モードを実施する、画像形成装置の制御方法。
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