JP5157786B2 - 光学シート保護用粘着フィルム及びその製造法 - Google Patents

光学シート保護用粘着フィルム及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、各種ディスプレイに使用される偏光板、位相差板、レンズシート、アンチリフレクション(AR)シート、アンチグレア(AG)シート等といった光学シートの切断加工時、組み立て時、検査時、輸送時等における汚れの付着や傷の防止等に使用される光学シート保護用粘着フィルム及びその製造法に関する。
各種ディスプレイに使用される偏光板、位相差板、レンズシート、アンチリフレクション(AR)シート、アンチグレア(AG)シート等の光学シートは、表面に汚れや傷が付くと製品特性を損なうため、組み立て時や各種加工時、検査時、輸送時には表面に粘着フィルムを貼り、汚れや傷を防止することが一般に行われている。このような粘着フィルムには、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリエステルといったプラスチックフィルムに粘着剤を塗工したフィルム(以下、粘着フィルムと称す)(例えば、特許文献1参照)、または、ポリエチレン、ポリプロピレンといったプラスチックフィルムにエチレン酢酸ビニル共重合樹脂やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体といった粘着剤を共押出し法により積層したフィルム(以下、共押出しフィルムと称す)が使用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、近年のディスプレイ表示精度の向上により光学シートの汚れや傷に対する要求精度が高くなっており、また、製品のコストダウン要求も高くなっていることから、光学シート保護用粘着フィルムには厳しい外観品質、コスト低減が求められている。
特に粘着フィルムの場合、製品巻き取りの際に混入した巻き込み気泡によって粘着剤表面に跡が付いてしまい、光学シートに貼り付けたままで外観検査する際に光学シートの欠点と間違えたり、光学シートのキズや異物が発見し難くなったりするなどの問題があった。
これらの対策として、粘着フィルムの粘着剤面の上に離型処理したプラスチックフィルムをさらに積層したものや、粘着フィルムの製造時の巻き取りに際し、巻き込み気泡が入らないよう粘着フィルムにロールを圧着させる脱泡巻を行うことで粘着剤表面の跡を防いだ製品が既に上市されている。しかし、離型処理したプラスチックフィルムを積層した場合、コストが高くなるという問題があり、また、粘着フィルム貼付け時に離型処理したプラスチックフィルムは剥離されるため廃棄物増加等の問題がある。また、脱泡巻では、厚み精度が比較的小さいオレフィン系基材フィルムや粘着剤の厚みバラツキ等によりロールの圧着均一化が難しく、安定して気泡を除くことができないという問題があった。
粘着フィルムの製造時の巻き取りに際し、気泡を抜けやすくする方法として基材フィルムの表面を粗くすることが考えられる。表面粗さを大きくする方法として、基材フィルムの非粘着剤積層面にエンボス処理を施し方法が考えられるが、エンボス処理には、余分な工程と加工費を要する。また、基材フィルムに微粒子を含有した樹脂を塗布する方法も考がえらるが、同様に余分な工程と加工費を要する。
特開2002−173650号公報 特開平8−143832号公報
本発明は、粘着フィルムに関するこれらの欠点を解消し、容易に効率よく基材フィルムの表面粗さを大きくすることができ、粘着剤表面の巻き込み気泡跡がなく、フィルム外観が良好な光学シート保護用粘着フィルム及びその製造法を提供することを目的とする。
本発明は、次のものに関する。
1. プロピレン系重合体55〜80重量%
及び
エチレン系重合体を45〜20重量%
を含み、上記プロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(以下MFRとする)をエチレン系重合体のMFRで割った値が、5.0以上30.0以下である樹脂組成物を基材層とし、その片面に粘着剤層が積層されてなる光学シート保護用粘着フィルム。
2. 基材層の粘着剤層が積層されている面と反対側の面は、マシンディレクション(MD)の十点平均粗さが4.0μm以上15.0μm以下である項1記載の光学シート保護用粘着フィルム。
3. ロール状に巻き取られている項1又は2のいずれかに記載の光学シート保護用粘着フィルム。
4. 基材フィルムの片面に粘着剤層を形成する工程、片面に粘着剤層が形成されている基材フィルムをロール状に巻き取る工程を含む光学シート保護用粘着フィルムの製造法において、上記基材フィルムが、
プロピレン系重合体55〜80重量%
及び
エチレン系重合体を45〜20重量%
を含み、上記プロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(以下MFRとする)をエチレン系重合体のMFRで割った値が、5.0以上30.0以下である樹脂組成物からなることを特徴とする光学シート保護用粘着フィルムの製造法。
5. 基材層の粘着剤層が積層されている面と反対側の面は、マシンディレクション(MD)の十点平均粗さが4.0μm以上15.0μm以下である項4記載の光学シート保護用粘着フィルムの製造法。
本発明に係る光学シート保護用粘着フィルムは、光学シートの保護性能に優れ、粘着剤表面に巻き込み気泡跡が発生なく、本発明に係る光学シート保護用粘着フィルムの製造法によれば、このような光学シート保護用粘着フィルムを容易に得ることが可能である。
基材フィルムの非粘着剤面(粘着剤層が形成されていない面)の表面を適度に粗くすることで、ロール状に巻き取ったときに基材フィルムの非粘着剤面と粘着剤層の間に隙間ができ、巻き込んだ空気が気泡にならないようその空気を隙間から抜くことができる。このため、巻取り工程でロール圧着しなくても巻き込み気泡が混入しない粘着フィルムを得ることができる。
本発明の粘着フィルムの支持体である基材フィルムは、エチレン系重合体とプロピレン系重合体を混合した単層または2層以上に積層されたプラスチックフィルムである。
これに使用されるエチレン系重合体としては、ポリエチレンホモポリマー又はエチレン共重合体(例えば、エチレン−ビニルアセテート共重合体等)が用いられるが、エチレン共重合体としては、エチレンが60重量%以上含まれるものであり、80重量%以上含まれるものが好ましい。フィルム基材用途のエチレン系重合体としては、低密度ポリエチレン(LDPE)又はエチレン−ビニルアセテート共重合体が好ましい。
エチレン系重合体のMFRは、JIS K 6922に準拠した測定値で0.3〜2.0g/10分であることが好ましい。MFRが2.0g/10分より大きい場合、プロピレン系重合体に混合しやすくなり所望の表面粗さが得られなくなる。MFRが0.3g/10分より小さいものは、一般的に製造されていない。また、エチレン−ビニルアセテート共重合体は、ビニルアセテート含有量が4〜20重量%であることが望ましい。含有量が20重量%より多い場合は、軟らかくなりすぎて保護フィルムとして使いにくくなる。含有量4重量%より小さいものは、一般的に製造されていない。
本発明おけるプロピレン系重合体とは、プロピレンホモポリマー、プロピレンとエチレン等のコモノマーとの共重合体を意味する。この共重合体のプロピレンの比率は好ましくは85モル%以上とされ、88%以上が特に好ましい。
プロピレン系重合体のMFRは、JIS K 6921に準拠した測定値で1.5〜30g/10分であることが望ましい。MFRが30g/10分より大きい場合、軟らかくなりすぎて保護フィルムとして使いにくくなる。MFRが1.5g/10分より小さい場合は、押出工程でスジなどの外観不良が発生しやすくなり生産効率が低下してしまう。
上記基材フィルムは、プロピレン系重合体55〜80重量%に対しエチレン系重合体を45〜20重量%の割合で含むことが好ましい。さらに好ましいのは、プロピレン系重合体65〜80重量%に対しエチレン系重合体を35〜20重量%の割合で含む場合である。プロピレン系重合体の量が55重量%より少ない場合は耐熱性の低いポリエチレンが、押出機等によるこれらの溶融混練中に劣化する量が多くなり、得られるフィルムにピンホールが発生しやすくなり、プロピレン系重合体の量が80重量%より多い場合、所望の十点平均粗さが得られにくくなる。
本発明における基材フィルムの非粘着剤面のマシンディレクション(MD)の十点平均表面粗さは、4.0μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることが更に好ましい。十点平均表面粗さが小さすぎるとフィッシュアイによる凹凸が目立ちやすくなり欠陥の少ない粘着フィルムが得られにくくなり、また、表面粗さが小さいと、混入した巻き込み気泡の抜け道を粘着剤でふさいでしまうため、気泡混入防止効果も得られにくくなる傾向がある。また、エチレン系重合体とプロピレン系重合体を混合した組成物からなるフィルムでは、15.0μmより大きい十点平均粗さを得るのは非常に困難に成る傾向があるため、上記十点平均粗さは15.0μm以下であることが好ましく、12.0μm以下であることが更に好ましい。
本発明におけるプロピレン系重合体のMFRをエチレン系重合体のMFRで割った値(以下、「MRF比」という)は、30以下が好ましい。MRF比が30より大きい場合は、エチレン系重合体とプロピレン系重合体の相溶性が悪くなりすぎて、フィッシュアイ(未溶融物に原因すると考えられる)が多く観察されるようになり、また、フィルムにスジが発生しやすくなる傾向がある。また、MRF比が小さくなりすぎるとエチレン系重合体とプロピレン系重合体の相溶性が高くなり、所望の十点平均粗さが得られにくくなる傾向があるため、MRF比は5.0以上であることが好ましい。
基材フィルムの厚さとしては、5〜200μmが好ましく用いられる。更に好ましくは、10〜100μmである。5μm未満ではフィルム強度が不足し、十分な保護性能が得られにくく、剥離時にフィルムが破れる等の問題が発生する。また200μmを超えて厚いとフィルム自体が高価になる等の問題が発生する。
本発明おける基材フィルムはインフレーション方式、又はTダイ方式の押出機で製膜することができ、エチレン系重合体とプロピレン系重合体は一般的なスクリュー式押出機で溶融及び混練を行う。エチレン系重合体とプロピレン系重合体の割合及びMFR比が、前記したとおりであれば、このような一般的な方法により基材フィルムを作製することにより、所望の表面粗さを有する基材フィルムが得られる。
本発明の粘着剤としては、アクリル樹脂、スチレン−オレフィン共重合体等のスチレン系樹脂、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、脂環族飽和炭化水素樹脂等が挙げられ、これらの単独あるいは2つ以上の混合物が用いられる。また、目的により粘着剤に粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤等を添加しても使用できる。粘着剤に使用される架橋剤としては、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等公知の架橋剤を用いることができる。
本発明における粘着剤層の厚みは、通常1〜30μmとすることが適当である。ここでの粘着剤層の形成方法としては、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤を塗布する方法、粘着剤を溶解し塗布する方法や水に分散し塗布する方法、熱可塑性粘着剤の場合は基材フィルムと共押出する方法等の公知の方法を用いることができるが、有機溶剤に溶解し粘度を調整した粘着剤を塗布する方法が一般的である。
また、粘着フィルムの巻出し性を調整する目的で粘着フィルムの背面(基材フィルムの粘着剤層を積層した面と反対の面)に背面処理剤を塗布しても良い。背面処理剤としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アルキル基を有する樹脂等の単体や変性体、混合物が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(粘着剤の調整)
スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(クレイトンポリマージャパン(株)製、クレイトンG1657)100重量部と脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業(株)製、アルコンP−100)30重量部を配合した粘着剤を濃度30重量%のトルエン希釈溶液に調整した。
(背面処理剤の調整)
長鎖アルキル樹脂(一方社油脂工業(株)製、ピーロイル1010S)を濃度0.5重量%のトルエン希釈溶液に調整した。
(試験サンプルの作成)
プロピレン系重合体としてエチレン−プロピレンランダム共重合体((株)プライムポリマー製F227D、MFR7.0g/10分、共重合体のプロピレン成分含有量85モル%以上)60重量部と低密度ポリエチレン(LDPE、住友化学工業(株)製F102−0、MFR0.4g/10分)40重量部を混合し、ラボプラストミル押出機(東洋精機製作所製)を用いて厚さ40μmの無延伸フィルムを得た。作製したフィルムの引張弾性率を測定したところ416MPa(MD)、383MPa(トランスバースディレクション(TD))であった。このフィルムの片面に乾燥時の厚さが0.5μmになるよう上記背面処理剤を塗布乾燥し、もう一方の面に乾燥時の厚さが5μmになるように上記粘着剤を塗工乾燥し、外径90mmの紙管に未脱泡巻によって100m連続でロールに巻取り、粘着フィルムを製造した。この粘着フィルムを、室温で1週間放置し十分にエージングを行ったあと試験に使用した。
尚、プロピレン系重合体のMFRはJIS K 6921に準拠し、LDPEのMFRはJIS K 6922に準拠した測定値である。これらは、以下も同様である。
エチレン−プロピレンランダム共重合体とLDPEの使用量をそれぞれ70重量部と30重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ70重量部と30重量部にしたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用い、LDPEとして日本ポリエチレン(株)製LF443(MFR1.5g/10分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
LDPEの代わりにエチレン−ビニルアセテート共重合体(東ソー(株)製ペトロセン291R、MFR0.4g/10分、ビニルアセテート含有率5重量%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例1
エチレン−プロピレンランダム共重合体とLDPEの使用量を各々50重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例2
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ90重量部と10重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例3
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)、LDPE(日本ポリエチレン製LF443、MFR1.5g/10分)とし、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量を各々50重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例4
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)サンアロマ製PM802A、MFR20g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量を各々50重量部としたこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例5
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)サンアロマ製PM802A、MFR20g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ60重量部と40重量部にした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例6
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)サンアロマ製PM802A、MFR20g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ70重量部と30重量部にした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例7
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用い、LDPEとして住友化学工業(株)製F−200(MFR2.0g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ60重量部と40重量部にした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例8
エチレン−プロピレンランダム共重合体の代わりにプロピレンホモポリマー((株)プライムポリマ製F−704NT、MFR8g/10分)を用い、LDPEとして住友化学工業(株)製F−200(MFR2.0g/10分)を用い、プロピレンホモポリマーとLDPEの使用量をそれぞれ70重量部と30重量部にした以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
比較例9
基材フィルムにエチレン−プロピレンブロック共重合体を主成分とした無延伸フィルム(サン・トックス株式会社製、R072、厚み40μm)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして粘着フィルムを作製した。
以上の実施例及び比較例で用いたプロピレン系重合体(PP等)とエチレン系重合体(PE等)の配合量、及びPP等のMFRをPE等のMFRで割った値(MFR比という)を表1に示す。
Figure 0005157786
前記の実施例および比較例の粘着フィルムの特性値を次の方法で測定した。それぞれの結果を表2に示す。
(1)基材フィルム表面粗さ
作製した粘着フィルムの粘着剤層とは反対の面の十点平均表面粗さ(JIS B 0601−1994に準拠)を、接触式表面粗さ計(株式会社小坂研究所、SE−3C、触針先端半径2μm)で測定した。
(2)巻き込み気泡
作製した粘着フィルムを巻き出して、下から3波長蛍光灯の光を当てた状態で粘着剤面に巻き込み気泡跡がついているか目視にて確認した。評価は次の通りとした。
○:気泡跡無し、
△:少し気泡跡がついている(保護フィルムとして使用可能)、
×:はっきり気泡跡がついている(保護フィルムとして使用不可)
(3)フィルム外観
作製した粘着フィルムを巻き出して、下から3波長蛍光灯の光を当てた状態で10m目視にて確認した。直径0.1mm以上のフィシュアイ(FE)の数、およびフィルム外観(スジ、ピンホール等の使用上問題のある外観)について確認した。評価は次の通りとした。
(a)フィッシュアイ(FE)の数:目視にて確認できた個数を測定
(b)フィルム外観:
○:フィルム外観に問題なし。
×:フィルム外観にスジなどの問題あり。
(c)外観判定
○:FEの数が10個/m以下で、フィルム外観に問題なし。
×:FEの数が11個/m以上、またはフィルム外観に問題あり。
(4)総合判定
総合判定は以下の基準で判定した。
○:巻き込み気泡跡の評価が○又は△であり、外観判定が○である。
×:巻き込み気泡跡と外観判定のどちらか、又は両方に×がある。
Figure 0005157786
表2に示すように、実施例1〜6では巻き込み気泡跡や外観異常も無く良好であった。これに対し、比較例1、3、4では耐熱性が低いPE等の割合が高いため、大きいフィッシュアイ(FE)が発生しやすくなり、場所によりピンホールが発生してしまった。また、比較例2、9では、実施例では発見できなかったような微小なFEの凹凸も見えるようになり、FEの個数が多くなってしまった(これは基材フィルムの表面粗さが小さくなったためと考えられる)。比較例5、6では、PP等とPE等のMFRの差が大きいため押出機内部での流動性が悪くなり、スジが発生してしまった。比較例7、8では、PP等とPE等のMFRの差が小さいため所望の表面粗さが得られなかった。

Claims (5)

  1. プロピレン系重合体55〜70重量%
    及び
    エチレン系重合体を45〜30重量%
    を含み、上記プロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(以下MFRとする)をエチレン系重合体のMFRで割った値が、5.0以上30.0以下である樹脂組成物を基材層とし、その片面に粘着剤層が積層されてなる光学シート保護用粘着フィルム。
  2. 基材層の粘着剤層が積層されている面と反対側の面は、マシンディレクション(MD)の十点平均粗さが4.0μm以上15.0μm以下である請求項1記載の光学シート保護用粘着フィルム。
  3. ロール状に巻き取られている請求項1又は2のいずれかに記載の光学シート保護用粘着フィルム。
  4. 基材フィルムの片面に粘着剤層を形成する工程、片面に粘着剤層が形成されている基材フィルムをロール状に巻き取る工程を含む光学シート保護用粘着フィルムの製造法において、上記基材フィルムが、
    プロピレン系重合体55〜70重量%
    及び
    エチレン系重合体を45〜30重量%
    を含み、上記プロピレン系重合体のメルトマスフローレイト(以下MFRとする)をエチレン系重合体のMFRで割った値が、5.0以上30.0以下である樹脂組成物からなることを特徴とする光学シート保護用粘着フィルムの製造法。
  5. 基材層の粘着剤層が積層されている面と反対側の面は、マシンディレクション(MD)の十点平均粗さが4.0μm以上15.0μm以下である請求項4記載の光学シート保護用粘着フィルムの製造法。
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