JP5565230B2 - 光学フィルムロール及び光学フィルムロールの製造方法 - Google Patents

光学フィルムロール及び光学フィルムロールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルムロール及び光学フィルムロールの製造方法に関する。
液晶表示装置、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの各種ディスプレイにおいては、各種の光学フィルムが使用されている。これらの各種ディスプレイにおいては、大画面化、薄型化、低価格化および省電力化などに伴い、光学フィルムの欠陥に対する要求が高度になっている。特にディスプレイの薄型化および低価格化への対応で光学フィルムの広幅化及び薄膜化が進んでおり、これに伴って、光学フィルムをロール状に巻回した場合の光学フィルムロールの外観(以下、適宜「巻き姿」という)、巻取り後の保存安定性、光学フィルムと保護フィルムとを貼り合わせた場合のフィルム間への空気の挟み込み(以下、この現象を適宜「泡噛み」という)、並びに、保護フィルムの粗面形状の光学フィルムへの転写(以下、この現象を適宜「シボ転写」という。)などの改善が課題となってきている。
これらの課題を解決するために、特許文献1では、巻取りコアの剛性を上げることが提案されている。また、特許文献2では、巻取り時にフィルム間へ挟み込まれる空気量を、張力やニップ圧でコントロールすることが提案されている。さらに、特許文献3及び特許文献4では、光学フィルムの表面または保護フィルムの粗面の算術平均粗さを制御して、ブロッキング抑制および摩擦係数のコントロールなどを行うことが提案されている。
また、特許文献5のような技術も知られている。
特開2001−106438号公報 特開平08−091646号公報 特開平07−186335号公報 特開2008−080626号公報 特開2009−090647号公報
しかし、従来の技術では、平滑性が高く、厚みの薄い光学フィルムにおいては改善が十分ではなかった。特に、光学フィルムの内でも脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムは、すべり性及び弾性率が低いという性質があるため、変形が生じ易く、従来の技術では光学フィルムロールの外観を良好に保つことは難しい。
例えば、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムが幅広であると、その光学フィルムを巻回して光学フィルムロールにした場合に、光学フィルムが盛り上がって光学フィルムロールの周方向に延在する凸部(以下、適宜「バンド」という。)が形成されることがある。このようなバンドが形成されると、光学フィルムロールの幅方向において光学フィルムロール表面に凹凸が生じることとなり、外観が悪化する。
また、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムは弾性率が低く柔らかいため、長期保存により光学フィルムロールの外観が変形したり、ヒートショックなどでシワ等が生じたりし易い。また、光学フィルムが柔らかいことにより、保護フィルムと貼り合わせて巻回する際、保護フィルム表面の凹凸形状の当該光学フィルムへの転写(シボ転写)が容易に生じる。
さらに、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムは、光学フィルムと保護フィルムとを貼り合せる場合に、光学フィルムと保護フィルムとの間に空気が容易に挟みこまれ、泡噛みが生じ易い。
前記のようなバンド、シボ転写、泡噛み等が生じると、光学フィルムの形状も変形して光学欠陥が生じるおそれがある。また、現実の商取引においては光学フィルムロールの外観が損なわれると、例え性能上の損失が無くても当該外観を理由として製品価値を低く評価されることがある。このため、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムのように柔らかく変形し易い光学フィルムロールにおいても、前記のバンド、シボ転写、泡噛み等の発生を抑制して光学フィルムロールの外観を良好に保つ技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる光学フィルムロール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムと、前記光学フィルムから剥離可能な保護フィルムとを貼り合わせた複層フィルムをロール状に巻回してなる光学フィルムロールにおいて、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面の算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smを適切に設定することにより、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる光学フィルムロールを実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の〔1〕〜〔6〕を要旨とする。
〔1〕 脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムと、該光学フィルムから剥離可能な保護フィルムとを貼り合わせた複層フィルムをロール状に巻回してなる光学フィルムロールであって、
前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、算術平均粗さRaが0.2μm以上0.5μm以下であり、かつ、凹凸の平均間隔Smが200μm以上500μm以下である、光学フィルムロール。
〔2〕 前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、前記算術平均粗さRaおよび前記凹凸の平均間隔Smが、下式(1)の関係を満たす、〔1〕記載の光学フィルムロール。
Figure 0005565230
(ただし、式(1)の積分は、sinカーブ1周期分について行う。)
〔3〕 前記保護フィルムがポリオレフィン系重合体を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の光学フィルムロール。
〔4〕 前記光学フィルムの前記保護フィルムとは反対側の面の静摩擦係数が0.7以上である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の光学フィルムロール。
〔5〕 前記光学フィルムの前記保護フィルムとは反対側の面の算術平均粗さRaが0.05μm以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の光学フィルムロール。
〔6〕 脂環式構造含有重合体を溶融押し出しして光学フィルムを得る工程、
該光学フィルムから剥離可能な保護フィルムを該光学フィルムと貼り合わせて複層フィルムを得る工程、
該複層フィルムをロール状に巻回する工程、を含む光学フィルムロールの製造方法であって、
前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、算術平均粗さRaが0.2μm以上0.5μm以下であり、かつ、凹凸の平均間隔Smが200μm以上500μm以下である、光学フィルムロールの製造方法。
本発明の光学フィルムロールは、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる。
本発明の光学フィルムロールの製造方法によれば、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる光学フィルムロールを製造できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムロールを模式的に示す図である。 図2は、複層フィルムをロール状に巻回する構成の一例を模式的に示す図である。 図3は、複層フィルムを巻回している途中の光学フィルムロールにおいて、最も外側の複層フィルムを、光学フィルムロールの軸方向及び径方向に平行な平面で切った様子を模式的に示す図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムロールにおける複層フィルムのうち、巻き重ねられた内側及び外側の複層フィルムを、光学フィルムロールの周方向及び径方向に平行な平面で切った断面を模式的に示す図である。 図5は、式(1)の左辺で表される面積について説明するための図である。 図6は、一対の貼り合せロール間において光学フィルムと保護フィルムとを貼り合せる構成において、光学フィルム及び保護フィルムを複層フィルムの幅方向及び厚み方向に平行な平面で切った様子を模式的に示す図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
[1.概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムロールを模式的に示す図である。図1に示すように、光学フィルムロール100は、光学フィルム10と、光学フィルム10から剥離可能な保護フィルム20とを貼り合わせた複層フィルム30をロール状に巻回してなるロールである。この光学フィルムロール100においては、保護フィルム20の光学フィルム10とは反対側の面(以下、適宜「粗面」という。)20Uに、所定の条件を満たす凹凸を設けることにより、バンド、シボ転写及び泡噛みの抑制、並びに、保存安定性の向上を実現している。
[2.光学フィルム]
光学フィルムとしては、長尺の光学フィルムを用いる。ここで、長尺とは、フィルムの幅に対して、少なくとも200倍程度以上の長さを有するものをいい、好ましくは300倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管又は運搬される程度の長さを有するものをいう。なお、長尺のフィルムにおいては、通常は、当該フィルムの長尺方向はMD方向に一致し、当該フィルムの幅方向はTD方向に一致する。
光学フィルムは、脂環式構造含有重合体を含む。通常、脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムはすべり性が低いので保護フィルムとの貼り合わせ時及びフィルム巻回時に容易に応力集中を生じ、また、弾性率が低いために応力が緩和し難いために、容易に変形等を生じる傾向がある。本発明の光学フィルムロールは、このように変形等を生じ易い脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムであっても、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる点で意義がある。
脂環式構造含有重合体とは、主鎖及び側鎖の一方又は両方に脂環式構造を有する重合体である。中でも、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有する重合体が好ましい。
脂環式構造としては、例えば、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。中でも、機械的強度および耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が好ましく、シクロアルカン構造が特に好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、一つの脂環式構造あたり、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上であり、好ましくは30個以下、より好ましくは20個以下、特に好ましくは15個以下の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び成形性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、光学フィルムの用途に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下する可能性がある。なお、脂環式構造含有重合体中における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、光学フィルムの使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン環構造を有する単量体(以下、「ノルボルネン系単量体」という。)の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィンの重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエンの重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素単量体の重合体及びビニル脂環式炭化水素単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物がさらに好ましい。
なお、脂環式構造含有重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、光学フィルムは、本発明の効果を著しく損なわない限り、脂環式構造含有重合体以外の成分を含んでいてもよい。脂環式構造含有重合体以外の成分の例を挙げると、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、強化剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、および抗菌剤、ならびに脂環式構造含有重合体以外の重合体、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤などが挙げられる。なお、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、光学フィルムに含まれる脂環式構造含有重合体以外の成分の量は本発明の効果を損なわない範囲であり、脂環式構造含有重合体100重量部に対して、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。なお、下限はゼロである。
また、光学フィルムは、一層のみを備える単層構造のフィルムであってもよく、2層以上の層を備える複層構造のフィルムであってもよい。この際、光学フィルムが単層構造のフィルムであれば、当該層が脂環式構造含有重合体を含んでいればよい。また、光学フィルムが複層構造のフィルムであれば、少なくとも一層が脂環式構造含有重合体を含んでいればよく、保護フィルムとは反対側の面を形成する層が脂環式構造含有重合体を含むことが好ましい。ただし、単層構造の光学フィルムを用いることが好ましい。
光学フィルムの保護フィルムとは反対側の面の静摩擦係数は、通常0.7以上、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上である。本発明の光学フィルムロールにおいては、このように静摩擦係数が高いために滑り難い光学フィルムであっても、保護フィルムが適切なすべり性を発揮するため、ロール状に巻き取る際の光学フィルムの傷つきを抑制できる。なお、前記の静摩擦係数の上限は、通常3.0以下、好ましくは2.0以下である。また、通常は、光学フィルムの保護フィルム側の面も、保護フィルムとは反対側の面と同範囲の静摩擦係数を有する。
光学フィルムの表面の静摩擦係数は、インテスコ社製「精密万能材料試験機2005型」を用いて、試験速度:150mm/min、試験荷重:200g(ゴム付き荷重)、スリップ面:フィルム対金属(クロムメッキ鉄板)、試験方向:MD方向、試験温度:23℃、試験数:5回で、測定すればよい。
光学フィルムの保護フィルムとは反対側の面の算術平均粗さRaは、通常0.05μm以下、好ましくは0.03μm以下、より好ましくは0.01μm以下である。このように表面が高度に平滑な光学フィルムは光学特性に優れるが、その高度な平滑さが損なわれると光学特性も変化する可能性がある。しかし、本発明の光学フィルムロールは、光学フィルムが変形し易くてもバンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れるので、光学フィルムの高度な平滑さを長期にわたって維持できる。なお、前記の算術平均粗さRaの下限は、理想的にはゼロである。また、通常は、光学フィルムの保護フィルム側の面も、保護フィルムとは反対側の面と同範囲の算術平均粗さRaを有する。
光学フィルムの表面の算術平均粗さRaは、ザイゴ社製「New View5000」を用いて、対物レンズ:10倍、測定領域:358μm×268μmにて、測定すればよい。
光学フィルムのMD方向の引張弾性率は、通常1000MPa以上、好ましくは1500MPa以上、より好ましくは2000MPa以上であり、通常4000MPa以下、好ましくは3500MPa以下であり、より好ましくは3000MPa以下である。引張り弾性率が前記の範囲ある光学フィルムは、溶融押出にて容易に製造することができる。
なお、引張弾性率は、東洋ボールドウィーン社製「テンシロン UTM−10T−PL」を用いて、引張速度:500mm/min、荷重:ロードセル50kgf、試料形状:幅10mm×長さ50mm、試験数:5回で測定すればよい。
光学フィルムの厚みは、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは100μm以下である。このように厚みが薄い光学フィルムは柔らかく変形を生じ易いが、本発明の光学フィルムロールにおいては、このように変形等を生じ易い光学フィルムであっても、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる点で意義がある。
光学フィルムは、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。延伸の有無は光学フィルムの用途に応じて決定すればよいが、光学フィルムの厚みは延伸により薄くなるとの観点からは延伸フィルムであることが好ましい。
光学フィルムは、通常、高い透明性を有する。具体的には、光学フィルムの全光線透過率は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。なお、上限は理想的には100%である。ここで、全光線透過率は、JIS K7361−1997に準拠して測定すればよい。
光学フィルムは、用途にもよるが、通常はヘイズが小さい。具体的には、光学フィルムのヘイズは、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である。なお、下限値は理想的にはゼロであるが、通常は0.1%以上である。ここで、ヘイズは、JIS K7361−1997に準拠して測定すればよい。
光学フィルムの製造方法に特に制限は無く、例えば、溶融成形法、溶液流延法のいずれを用いることもできる。溶融成形法は、さらに詳細に、押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの方法の中でも、機械強度、表面精度等に優れた光学フィルムを得るために、押出成形法、インフレーション成形法又はプレス成形法が好ましく、中でも位相差の発現をより確実に抑制しながらも効率よく簡単に光学フィルムを製造できる観点から、押出成形法が特に好ましい。
また、光学フィルムを積層フィルムとして製造する場合、例えば、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出成形方法;ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法;ある層に対してそれ以外の層を構成する樹脂溶液をコーティングするようなコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率が良く、光学フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、共押出成形方法が好ましい。共押出成形法の中でも、共押出Tダイ法が好ましい。さらに共押出Tダイ法にはフィードブロック方式、マルチマニホールド方式が挙げられるが、層の厚さのばらつきを少なくできる点でマルチマニホールド方式がさらに好ましい。
さらに、光学フィルムの製造方法においては、必要に応じて、光学フィルムを延伸する延伸工程などを行うようにしてもよい。
[3.保護フィルム]
保護フィルムは、光学フィルムを保護するため、光学フィルムに貼り合わせられる長尺のフィルムである。通常、保護フィルムは、接着層等の他の層を介さずに、光学フィルムの表面に直接に貼り合わせられる。
保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面は、所定の算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smを有するように、凹凸を有する面となっている。具体的には、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の算術平均粗さRaは、通常0.2μm以上であり、通常0.5μm以下である。また、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の凹凸の平均間隔Smは、通常200μm以上であり、通常500μm以下である。
なお、「算術平均粗さRa」及び「凹凸の平均間隔Sm」は、JIS B0601−1994に規定された表面粗さを表す指標である。保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smは、ULVAC社製「DEKTAK 6M 触針式表面形状測定器」を用いて、測定長さ:10mm、触針の先端半径:2.5μm、触針の荷重:10mgにて測定すればよい。
以下、図面を示して、前記の保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の表面粗さの意義を説明する。
図2は、複層フィルム30をロール状に巻回する構成の一例を模式的に示す図である。また、図3は、図2に示すように複層フィルム30を巻回している途中の光学フィルムロール100において、最も外側の複層フィルム30を、光学フィルムロール100の軸方向X及び径方向Zに平行な平面で切った様子を模式的に示す図である。なお、光学フィルムロール100の軸方向Xは複層フィルム30の幅方向に一致し、光学フィルムの径方向Zは複層フィルム30の厚み方向に一致する。
図2に示すように、通常は、複層フィルム30を巻き芯40にロール状に巻回することによって、光学フィルムロール100が製造される。複層フィルム30を巻回する際、巻回される複層フィルム30が光学フィルムロール100の外周面110と接触する部分IIにおいて、巻回される複層フィルム30と光学フィルムロール100の外周面110との間には、空気A1が浸入することがある。浸入した空気A1は、通常、複層フィルム30と光学フィルムロール100の外周面110との間に空気層(図示せず。)を形成するが、前記のように浸入する空気A1の量は少量であるので前記の空気層は厚みが薄く、浸入した空気A1は光学フィルムロール100の外部へと速やかに排出される。
しかし、従来の技術では、何らかの理由によって空気A1が排出されず、図3に示すように、複層フィルム30と光学フィルムロール100の外周面110との間に空気120が残留することがあった。空気120が残留した部分130では光学フィルムロール100の外径が部分的に大きくなる。したがって、空気120が残留したままの状態で複層フィルム30の巻回を続けていくと、空気120が残留した部分130が盛り上がり、光学フィルムロール100にバンドが形成されていた。
これに対し、本発明の光学フィルムロール100では、例えば図4に示すように、空気120(図4では図示せず。)が残留しないようになっている。ここで、図4は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムロール100における複層フィルム30のうち、巻き重ねられた内側及び外側の複層フィルムを、光学フィルムロール100の周方向Y及び径方向Zに平行な平面で切った断面を模式的に示す図である。なお、図4においては、内側の複層フィルムを符号「31」で示し、外側の複層フィルムを符号「32」で示す。さらに、内側の複層フィルム31の光学フィルムは符号「11」、内側の複層フィルム31の保護フィルムは符号「21」、外側の複層フィルム32の光学フィルムは符号「12」、外側の複層フィルム32の保護フィルムは符号「22」で、それぞれ示す。また、光学フィルムロール100の周方向Yは、複層フィルム31,32の長尺方向に一致する。
図4に示すように、光学フィルムロール100においては複層フィルム31,32が巻回されることにより、複層フィルム31,32が何重にもわたって巻き重ねられることになる。この際、ある複層フィルム31と、その一層外側の複層フィルム32とに着目すると、内側の複層フィルム31の外側の面と、外側の複層フィルム32の内側の面とが接触することになる。図4の例においては、複層フィルム31,32は光学フィルム11,12を内側にして巻回されているため、内側の複層フィルム31の保護フィルム21の光学フィルム11とは反対側の粗面21Uが内側の複層フィルム31の外側の面となり、外側の複層フィルム32の光学フィルム12の保護フィルム22とは反対側の面12Dが外側の複層フィルム32の内側の面となる。このため、以下の説明では、内側の複層フィルム31の保護フィルム21の光学フィル11とは反対側の粗面と、内側の複層フィルム31の外側の面とを共通の符号「21U」で示し、外側の複層フィルム32の光学フィルム12の保護フィルム22とは反対側の面と、外側の複層フィルム32の内側の面とを共通の符号「12D」で示す。
本発明においては、保護フィルム21の粗面21Uには、上述した表面粗さを有するように凹凸21Xが形成されているので、内側の複層フィルム31の外側の面21Uは、前記の凹凸21Xに応じた凹部21A及び凸部21Bを有する。したがって、内側の複層フィルム31と外側の複層フィルム32との間には、保護フィルム21の粗面21Uの凹部21A及び凸部21B並びに光学フィルム12の面12Dで囲まれた空隙50が形成される。この空隙50は、内側の複層フィルム31と外側の複層フィルム32との間に浸入した空気が光学フィルムロール100の軸方向X(即ち、複層フィルム31,32の幅方向)へ抜けるための流路として機能する。したがって、複層フィルム31を長尺方向Y及び厚み方向Zに平行な平面で前記の空隙50を切った断面の大きさが大きければ、前記の空隙50を通って空気が排出され易くなるので、従来のような残留空気120によるバンドを防止できる。
算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smの定義から分かるように、保護フィルム21の粗面21Uにおいて、その算術平均粗さRaは前記空隙50の断面の高さの平均値に相当し、その凹凸の平均間隔Smは前記空隙50の断面の幅に相当する。そのため、前記の算術平均粗さRaを0.2μm以上とすること、及び、凹凸の平均間隔Smを200μm以上とすることには、前記空隙50の断面積を充分に大きくして、空隙50を通じた空気の速やかに排出を可能にし、空気120によるバンドの発生を防止できるようにする点で、技術的意義がある。
これに関し、本発明者は、前述のように空気120を速やかに排出してバンドの防止をする観点から、前記の空隙50の望まれる断面積の大きさを検討した。具体的には、図1に示すように、保護フィルム20の粗面20Uについて、複層フィルム30の粗さ曲線を測定し、その粗さ曲線から前記空隙50(図4参照)の平均断面積を求めた。また、前記のように、保護フィルム20の粗面20Uにおいて、その算術平均粗さRaが前記空隙50の断面の高さと相関し、その凹凸の平均間隔Smが前記空隙50の断面の幅と相関することを利用して、前記の空隙50の平均断面積を、粗面20Uの算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smを用いて表すことを試みた。さらに、前記空隙50の平均断面積がどれだけ大きい場合にバンドの発生を防止できるかを検討した。
前記の検討により、粗面20Uの粗さ曲線をsinカーブで近似した場合に、前記空隙50の断面積の平均値が下記式(1)の左辺により求められること、並びに、式(1)の左辺により求められた空隙50の断面積の平均値が50μm以上となることにより残留空気120(図3参照)によるバンドの発生を防止できることを見出した。したがって、保護フィルム20の粗面20Uの算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smは、式(1)の関係を満たすことが好ましい。
Figure 0005565230
ただし、式(1)において、xは、算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smの測定方向における粗面20U上の位置を表し、式(1)の左辺の積分は、sinカーブ1周期分について行う。
図5は、式(1)の左辺で表される面積について説明するための図である。式(1)の左辺で積分される関数は図5に示すsinカーブで表される関数に当たり、式(1)の左辺で表される面積は図5において斜線で表した部分の面積に当たる。また、式(1)の左辺で積分される関数において、第一項は保護フィルム20の粗面20Uの粗さ曲線から求められた関数であって、保護フィルム20の粗面20Uの粗さ曲線を近似的に表す関数である。さらに、第二項はsinカーブの1周期分の面積を算出するに当たって、その計算値が正弦関数の性質上ゼロとならないように補正するための項であって、図5の例で言えばsinカーブを1振幅分だけ図中上方に移動させるための項である。
ここで、式(1)の左辺において「1.575」及び「6.3」との係数は、本発明者が実験を繰り返すことにより求めた係数である。すなわち、粗面20Uの粗さ曲線を周波数解析(フーリエ変換)することにより、複数のsinカーブが合成された曲線を描くことができる。周波数解析は、マイクロソフト社製の「Microsoft Excel」を用いて行うことができる。この複数のsinカーブが合成された曲線を算術平均粗さRaおよび凹凸の平均間隔Smを用いて1つのsinカーブに近似することにより、式(1)の左辺を導くことができる。これらの係数は、後述する多数の実施例及び比較例において結果との整合性を有していることから、信頼性が高い。
保護フィルム20の粗面20Uの凹凸の平均間隔Smが500μmを上回ると、保護フィルム20の粗面20Uにおいて隣り合う凹部同士又は凸部同士の間隔が大きくなりすぎるために保護フィルム20及び複層フィルム30の搬送中に蛇行が生じ、光学フィルムロール100の外観を損なう可能性がある。このため、保護フィルム20の粗面20Uの凹凸の平均間隔Smには、通常500μm以下という上限が設けられる。
また、図4に示すように、保護フィルム21の粗面21Uの算術平均粗さRaが大きくなるについて、保護フィルム21の粗面21Uの凸部21Bの高さが高くなり、凸部21Bの先端がより鋭角に尖った形状となる傾向がある。凸部21Bの先端が尖ると、応力集中により、対向する光学フィルム12の面12Dに凸部21Bの形状が転写され易くなり、シボ転写が生じ易くなる。このため、保護フィルム21の粗面21Uの算術平均粗さRaは、前記の転写を防止できる程度に小さいことが好ましく、具体的には算術平均粗さRaが0.5μm以下であることが好ましい。
さらに、前記のシボ転写を防止する観点からは、保護フィルム21の粗面21Uの凹凸の平均間隔Smが大きいことが好ましい。保護フィルム21の粗面21Uの凹凸の平均間隔Smが大きければ、凸部21Bの先端の尖り具合がなだらかになるので、光学フィルム12の面12Dへの凸部21Bの形状転写を防止できるためである。保護フィルム21の粗面21Uの算術平均粗さRaが前記の範囲にある場合、凹凸の平均間隔Smが200μm以上であれば充分にシボ転写を防止できるので、前記の凹凸の平均間隔Smには、保護フィルム21の凹凸21Xの光学フィルムへの形状転写(即ち、シボ転写)を防止できるようにする点でも、技術的意義がある。
なお、図4においては光学フィルム11,12を内側にして複層フィルム31,32を巻回した光学フィルムロール100の構成を例示して説明したが、逆に、保護フィルム21,22を内側にして複層フィルム31,32を巻回した光学フィルムロール100においても同様にして、バンド及びシボ転写を防止することが可能である。
図6は、一対の貼り合せロール61,62間において光学フィルム10と保護フィルム20とを貼り合せる構成において、光学フィルム10及び保護フィルム20を複層フィルム30の幅方向X及び厚み方向Zに平行な平面で切った様子を模式的に示す図である。図6に示すように、光学フィルム10と保護フィルム20とは、通常、対向する一対の貼り合せロール61と貼り合せロール62との間に挟みこまれて貼り合わせられる。この際、保護フィルム20の光学フィルム10とは反対側の粗面20Uに凹凸20Xが形成されている場合には、一般に、貼り合せロール61から保護フィルム20へ与えられる押圧力は、凹部20Aでは矢印A2で示すように小さくなり、凸部20Bでは矢印A3で示すように大きくなる。
ここで、保護フィルム20の粗面20Uの算術平均粗さRaが大きすぎると、粗面20Uに形成される凹凸20Xの凹部20Aと凸部20Bとの高さの差が大きくなり、これに伴って、貼り合せロール61から保護フィルム20の凹部20Aに与えられる圧力と凸部20Bに与えられる圧力との差も大きくなる。このため、光学フィルム10と保護フィルム20とを貼り合わせた境界面20Dにおいて、保護フィルム20の凹部20Aの裏側(光学フィルム10側)の部分に空気120が挟み込まれ、泡噛みが生じることがある。前記の泡噛みは、保護フィルム20の凹部20Aの裏側の部分に与えられる圧力が周囲よりも相対的に小さかったため、圧力が小さい部分に周辺の空気120が集中し、光学フィルム10と保護フィルム20との間に残留したために生じたものと推察される。したがって、前記の泡噛みを抑制する観点からは、凹凸20Xの凹部20Aと凸部20Bとに貼り合せロール61から与えられる圧力の差が小さくなるように、保護フィルム20の粗面20Uの算術平均粗さRaを小さくすることが好ましく、具体的には、通常0.5μm以下、好ましくは0.4μm以下にする。さらに、保護フィルム20の粗面20Uの凹凸の平均間隔Smが大きいほど凹部20Aと凸部20Bとに貼り合せロール61から与えられる圧力の差も小さくなることから、前記凹凸の平均間隔Smは、好ましくは250μm以上であり、より好ましくは300μm以上である。
従来は、保護フィルムのすべり性を制御するために、保護フィルムの表面の算術平均粗さRaを調整する技術は知られていたが、凹凸の平均間隔Smを調整する技術は知られていなかった。また、算術平均粗さRaと凹凸の平均間隔Smとは、表面粗さの指標値である点では共通しているものの、両者は互いに独立した指標であり、例えば算術平均粗さRaが大きいほど凹凸の平均間隔Smが大きかったり小さかったりするなどという事情は無い。このため、本発明のように、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の表面粗さを制御する際、算術平均粗さRaと凹凸の平均間隔Smとを組み合わせて特性の範囲にすることによって、バンド、シボ転写及び泡噛みを抑制することは、従来とは異なる顕著な意義を有するものである。
さらに、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の表面粗さRaおよび凹凸の平均間隔Smを前記範囲にすることで、保存時に複層フィルムがずれて、光学フィルムロールに端面ズレが生じたり、経時的にロール形状が変形したりすることを防止できるので、保存安定性を向上させることが可能である。
また、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の粗面の表面粗さを前記の範囲にすれば、保護フィルム及び複層フィルムの滑り性を向上させて取り扱い性を向上させることもできる。また、保護フィルム及び複層フィルムを巻回する際の空気の巻き込みに起因する巻きズレを防止できる。さらに、前記の粗面によれば、粗面に塵埃等の異物が付着したり、保護フィルム内部もしくは光学フィルム内部に異物が混在したとしても、その異物が粗面の凹部に収まるため、光学フィルムに異物の形状が転写されることを防止できる。
また、保護フィルムは通常、巻回されてロールとして保存、運搬され、使用時にはロールから引き出して使用される。この際、保護フィルムが前記の粗面を有すると、ロールからの保護フィルムの引き出しが容易である。これは、粗面を有していることにより、保護フィルムの粘着層(後述する。)と粗面とが接着しにくくなるためである。
前記のように保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面の算術平均粗さRaおよび凹凸の平均間隔Smを制御するためには、例えば、賦型ロールの表面の算術平均粗さRaおよび凹凸の平均間隔Smを、形成しようとする保護フィルムの表面粗さに対応して調整すればよい。
光学フィルムと保護フィルムとの剥離のし易さの程度は任意に設定すればよいが、光学フィルムと保護フィルムとの剥離力は、通常0.0025N/cm以上であり、通常0.25N/cm以下、好ましくは0.010N/cm以下とする。剥離が容易であるほど好ましいが、あまり容易に剥離できると複層フィルムの巻回時及び引き出し時の剥離を起こすおそれがあるからである。なお、光学フィルムと保護フィルムとの粘着力は、通常は光学フィルムの表面粗さに左右され、一般に光学フィルムの表面粗さが粗いほど、密着力は低下する。
保護フィルムの厚みは、光学フィルムの厚み及び光学フィルムの要求品質レベルにより異なるが、成形性及びハンドリング性の観点から、通常は20μm以上であり、通常100μm以下である。
また、保護フィルムの長さ及び幅は、通常、光学フィルムと同様にする。
保護フィルムの組成及び層構成は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、保護フィルムは、ポリオレフィン系重合体を含むことが好ましい。また、保護フィルムは、一層のみを備える単層構造のフィルムであってもよく、2層以上の層を備える複層構造のフィルムであってもよい。この際、保護フィルムが単層構造のフィルムであれば、当該層がポリオレフィン系重合体を含むことが好ましい。また、保護フィルムが複層構造のフィルムであれば、少なくとも一層がポリオレフィン系重合体を含むことが好ましい。ポリオレフィン系重合体を用いることにより、共押出しによる成形が可能となり、生産性に優れる。
保護フィルムは、通常は2層以上の層を備える複層構造のフィルムである。保護フィルムの好適な例を挙げると、粘着層及び背面層を備えるフィルム、粘着層、中間層及び背面層をこの順で備えるフィルムなどが挙げられる。以下、保護フィルムの好適な例について説明する。
・粘着層
粘着層は保護フィルムの光学フィルム側の表面に位置し、光学フィルムに粘着する層である。粘着層は粘着剤を含んで形成され、粘着剤による粘着力によって保護フィルムが光学フィルムに対して固定されるようになっている。
粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを挙げることができる。なお、粘着剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
粘着剤の中でも、一般式A−B−Aもしくは一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、これらの式中、Aはスチレン系重合体ブロックを表し、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、及びこれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックからなる群より選ばれる重合体ブロックを表す。)を含有するゴム系粘着剤;アクリル系粘着剤が好ましい。
前記の一般式A−B−Aもしくは一般式A−Bで表されるブロック共重合体において、スチレン系重合体ブロックAは、重量平均分子量が12,000以上100,000以下、ガラス転移点が20℃以上のものが好ましい。また、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、及びこれらを水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックからなる群より選ばれる重合体ブロックBは、重量平均分子量が10,000以上300,000以下、ガラス転移点が−20℃以下のものが好ましい。さらに、上記A成分とB成分の重量比(A成分/B成分)が、好ましくは5/95以上、より好ましくは10/90以上であり、好ましくは50/50以下、より好ましくは30/70以下である。
上記一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体の例としては、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体、およびそれらの水素添加体を挙げることができ、一般式A−Bで表されるブロック共重合体の例としては、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン共重合体およびそれらの水素添加体を挙げることができる。
アクリル系粘着剤の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルアセテート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルアルキルエーテル類、等の単独重合体もしくは共重合体などを挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートのことを意味し、(メタ)アクリルとはアクリル及びメタクリルのことを意味する。
アクリル系粘着剤には、好ましくは官能基を有するアクリル系単量体が共重合されて用いられる。官能基を有するアクリル系単量体の例としては、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸などを挙げることができる。なお、官能基を有するアクリル系単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
アクリル系粘着剤には、必要に応じて架橋剤を含ませてもよい。前記の架橋剤は、共重合体に存在する官能基と熱架橋反応し、最終的には三次元網状構造を有する粘着層とするための化合物である。架橋剤を含ませることにより、粘着層と保護フィルムにおいて接する他の層(中間層、背面層等)との密着性、保護フィルムの強靱性、耐溶剤性、耐水性等を向上させることができる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、尿素系化合物、エポキシ系化合物、アミノ系化合物、アミド系化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、シランカップリング剤等、また、それらの変性体を適宜使用することができる。なお、架橋剤は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
粘着層の架橋性及び強靱性等の観点から、架橋剤としては、イソシアネート系化合物およびその変性体を使用することが好ましい。イソシアネート系化合物とは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物であり、芳香族系と脂肪族系の化合物に大別される。芳香族系のイソシアネート系化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂肪族系のイソシアネート系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。さらに、これらのイソシアネート系化合物の変性体としては、例えば、イソシアネート系化合物のビゥレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンアダクト体等が挙げられる。
架橋剤を使用する場合、架橋反応を促進させるために、例えば、ジブチルスズラウレート等の架橋触媒を、粘着剤に含ませるようにしてもよい。
粘着層には、必要に応じて、粘着付与性重合体を含ませてもよい。粘着付与性重合体としては、例えば、芳香族炭化水素重合体、脂肪族炭化水素重合体、テルペン重合体、テルペンフェノール重合体、芳香族炭化水素変性テルペン重合体、クロマン・インデン重合体、スチレン系重合体、ロジン系重合体、フェノール系重合体、キシレン重合体等が挙げられ、中でも低密度ポリエチレン等の脂肪族炭化水素重合体が好ましい。ただし、具体的な粘着付与性重合体の種類は、前記のブロック共重合体との相溶性、樹脂の融点、および粘着層の粘着力の点から、適宜選択される。また、粘着付与性重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
粘着付与性重合体の量としては、例えば前記のブロック共重合体100重量部に対しては、好ましくは5重量部以上であり、好ましくは200重量部以下、より好ましくは100重量部以下である。粘着付与性重合体の量が少なすぎると光学フィルムと貼り合わせた場合に保護フィルムの浮きや剥がれが発生する可能性があり、量が多すぎると繰り出し張力が高くなり、光学フィルムとの貼り合わせの際にしわや傷が生じたり、粘着付与重合体のブリードアウトが発生して粘着力が低下しやすくなったりする可能性がある。
粘着層には、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、充填剤、着色剤(染料または顔料など)などの添加剤を含ませてもよい。なお、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤などが挙げられる。
充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、および酸化チタンなどが挙げられる。
粘着層の粘着力は、保護フィルムにおいて接する他の層(中間層、背面層等)に対して、0.4N/cm以上が好ましく、0.6N/cm以上がより好ましく、6N/cm以下が好ましく、4N/cm以下がより好ましい。粘着力が低すぎると光学フィルムに貼り合わせた際に保護フィルムの浮きや剥がれが発生する可能性があり、粘着力が高すぎると繰り出し張力が高くなり、光学フィルムとの貼り合わせの際にしわや傷が生じやすくなる可能性がある。
粘着層の厚みは、通常1.0μm以上、好ましくは2.0μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは30μm以下である。粘着層が薄すぎると粘着力が低くなって保護フィルムの浮きや剥がれが発生する可能性がある。また、粘着層が厚すぎると粘着力が過度に高くなって繰り出し張力が高くなり、光学フィルムとの貼り合わせの際にしわや傷が生じやすくなる可能性がある。また、保護フィルムのコシが強くなって取り扱い性が悪くなる可能性がある。
・背面層
背面層は、粘着層に対して光学フィルムとは反対側に位置し、通常は保護フィルムの光学フィルムとは反対側の表面に位置する層であり、光学フィルムとは粘着しない層である。通常、この背面層の露出面に粗面が形成される。
通常、背面層は樹脂により形成される。背面層を形成する樹脂に含まれる重合体は、単独重合体でもよく、共重合体でもよい。好適な例を挙げると、ポリオレフィン系重合体が挙げられる。
ポリオレフィン系重合体は、鎖状オレフィンの単独重合体もしくは共重合体、または鎖状オレフィンと、これと共重合可能な単量体との共重合体である。その例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。ここで、ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。また、エチレン−プロピレン共重合体としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。さらに、α−オレフィンとしては、例えば、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、ペンテン−1、ヘプテン−1等が挙げられる。
上述したポリオレフィン系重合体の中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれる重合体が好ましく、エチレン−プロピレン共重合体およびプロピレン−αオレフィン共重合体(以下、まとめて「プロピレン系共重合体」という。)がより好ましく、エチレン−プロピレン共重合体が特に好ましい。
上述した重合体は、1種類を単独で用いてもよいが、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。中でも、エチレン−プロピレン共重合体等のプロピレン系共重合体と、低密度ポリエチレンとを組み合わせて用いることが好ましい。この際、プロピレン系共重合体60重量%〜90重量%と、低密度ポリエチレン40重量%〜10重量%とを組み合わせることが特に好ましい。エチレン含有量が多くなる程、エチレン−プロピレン共重合体の融点を低下させることができる。このため、共押出の容易さ、及び、低温押出を可能にする観点から、コモノマであるエチレン含有量としては3モル%〜7モル%の範囲が好ましい。なお、背面層に耐熱性を付加したい場合は、エチレン含有量を少なくし、所望の耐熱性を得られるよう適宜選定してもよい。
プロピレン系共重合体の230℃におけるメルトフローレート(以下、適宜「MFR」という。)は5g/10分〜40g/10分の範囲が好ましい。特に、MFRが20g/10分〜40g/10分の範囲のものは、低温押出が可能であり、低密度ポリエチレンと組み合わせることで背面層の表面を粗面化し易いことから、より好ましい。
また、背面層を構成する低密度ポリエチレンは、190℃におけるMFRが0.5g/10分〜5g/10分であることが好ましい。
さらに、低密度ポリエチレンは、密度が0.910g/cm〜0.929g/cmであることが好ましい。低密度ポリエチレンの密度が高すぎると搬送に用いるロール(例えば、金属ロール、ゴムロール等)との擦過により保護フィルムから樹脂が脱離して白粉発生の要因となる可能性がある。また、低密度ポリエチレンの密度が低すぎると、背面層の表面を粗面にすることが難しくなる可能性がある。
背面層に含まれる重合体(例えば、プロピレン系共重合体及び低密度ポリエチレン)は、粘着層に含まれる重合体と異なるものであってもよいが、同一の重合体を用いることが好ましい。
なお、背面層を形成する樹脂には、本発明の効果を著しく損なわない限り、例えば、タルク、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等の充填剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、核剤などの添加剤を含ませてもよい。なお、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
背面層の厚さは、粘着層の厚さとの比(粘着層/背面層)で、通常1/40以上、好ましくは1/20以上であり、通常1/1以下、好ましくは1/2以下である。背面層の厚さが粘着層に比較して薄すぎると成膜性が悪くなってフィッシュアイが多く生じる可能性があり、厚すぎると繰り出し張力が高くなり、保護フィルムを光学フィルムと貼り合わせる際にしわや傷が生じやすくなる可能性がある。
・中間層
粘着層と背面層との間には、必要に応じて中間層を設けてもよい。中間層は通常は樹脂により形成されるが、中でも、ポリオレフィン系重合体を含む樹脂によって形成することが好ましい。
中間層に含まれるポリオレフィン系重合体としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダム共重合体及び/又はブロック共重合体)、α−オレフィン−プロピレン共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−n−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なお、ポリオレフィン系重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ただし、中間層に含まれるポリオレフィン系重合体は、前記粘着層及び背面層に含まれる重合体とは異なる種類のポリオレフィン系重合体であることが好ましい。
中間層には、必要に応じて、粘着層を形成する材料、及び、背面層を形成する材料を含ませてもよい。通常、共押出成形法で保護フィルムを製造した場合には、端部の厚み不均一な部分はスリット工程等でスリットされ、除却されるが、このようにして除去された部分を中間層の原料として用いることで、使用原料の量を低減できる。
中間層には、本発明の効果を著しく損なわない限り、例えば、タルク、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウム等の充填剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、造核剤等の添加剤を含ませてもよい。なお、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
中間層の厚みは、通常13μm〜70μmである。
・保護フィルムの製造方法
保護フィルムの製造方法に制限はなく、上述した保護フィルムが得られる限り任意の方法を採用できる。保護フィルムの製造方法の例を挙げると、(i)粘着層の材料及び背面層の材料、並びに必要に応じて中間層の材料を共押し出しする方法、(ii)背面層又は中間層を用意し、用意した層に粘着剤を塗布して粘着層を形成する方法、などが挙げられる。また、(iii)粘着層及び背面層、並びに必要に応じて中間層を別々に用意し、用意した各層を貼り合わせて一体化する方法、を採用してもよい。
例示した製造方法のうち、共押出成形法による製造方法(i)は、粘着層と背面層又は中間層とが強固に密着しており、光学フィルムへの糊残り(保護フィルムの剥離後に光学フィルムに粘着剤が残留する現象)が起こり難い点、製造工程が簡素化されるためにコストが安価である点、などの利点を有し、特に好ましい。製造方法(i)により製造される保護フィルムでは、背面層として、分岐状低密度ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレフィン重合体が用いられることが多い。一方、粘着層には、通常は、酢酸ビニル、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレンなどが使用される。中でも、糊残り及び経時での密着力の増加などを避ける観点からは、酢酸ビニル系よりも直鎖状低密度ポリエチレン系の粘着剤を使用する場合が多い。
また、塗布法による製造方法(ii)により製造される保護フィルムでは、背面層として、通常、ポリエチレンテレフタレート及びポリオレフィン重合体が用いられることが多く、粘着層にはゴム系粘着剤及びアクリル系粘着剤が用いられることが多い。中でも、保護フィルム中の異物を懸念する場合には背面層にポリオレフィン重合体よりもポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。また、製造方法(ii)では、クリーンルームで製造を行なうと異物の無い高品質の保護フィルムが得られる。
保護フィルムに上述した表面粗さを有する粗面を形成するためには、例えば、背面層の表面を変形させることにより、所定の表面粗さを有する凹凸を保護層の光学フィルムとは反対側の面に形成するようにすればよい。例えば、凹凸を有する賦型ロールを用いて、共押出成形法において得られた押出直後の保護フィルムを押圧して背面層の表面に凹凸を転写するニップ成形法;保護フィルムを、凹凸を有する離型フィルムで挟圧して離型フィルムの凹凸を転写した後、離型フィルムを剥離する方法;保護フィルムの背面層の表面に微粒子を噴射して保護フィルムの背面層の表面を切削する方法;などが挙げられる。また、背面層の表面を変形させる工程は、背面層と粘着層とを貼り合わせる前でもよく、後でもよい。
さらに、背面層の組成を調整することで背面層の表面に凹凸を形成することも可能である。例えば、背面層に所定の粒径の微粒子を含有させて背面層に凹凸を形成させる方法;背面層を形成する樹脂等の材料の配合比を調整して背面層に凹凸を形成させる方法、などが挙げられる。
上述した中でも、凹凸の転写ムラのない保護フィルムを広幅で得られる事から、凹凸を有する賦型ロールを用いたニップ形成法が好ましく、鏡面ロールと凹凸を有する賦型ロールとを用いて保護フィルムを挟圧する方法が特に好ましい。
それぞれの鏡面ロール及び賦型ロールの表面材質は、例えば、金属、ゴム、樹脂などが挙げられる。これらは保護フィルムの背面層の表面に目的とする凹凸形状が転写できるように適宜選ばれる。ただし、賦型ロールの硬さは、鏡面ロールの硬さ以上であることが好ましい。また、例えば、鏡面ロールと同等の表面性を持ち、賦型ロールより軟らかい樹脂フィルムなどを介して保護フィルムを狭圧させてもよい。
鏡面ロール及び賦型ロールは、それぞれ独立に温度調節ができるものが好ましい。鏡面ロールの温度は、40℃以上160℃以下あることが好ましく、かつ、賦型ロールの温度は、60℃以上200℃以下であることが好ましい。鏡面ロールの温度は、60℃以上130℃以下がさらに好ましく、賦型ロールの温度は、80℃以上180℃以下がさらに好ましい。鏡面ロールまたは賦型ロールの温度が前記範囲の上限温度を越えると保護フィルムが鏡面ロールまたは賦型ロールに巻きつくおそれがある。また、鏡面ロールまたは賦型ロールの温度が前記範囲の下限温度を下回ると保護フィルムの背面層の表面で凹凸の転写ムラが生じる傾向がある。
ニップ形成法において、保護フィルムの粗面の粗さは、挟圧時における保護フィルム、鏡面ロール及び賦型ロールの温度、ロール速度、保護フィルムを挟圧する際の圧力、並びに鏡面ロール及び賦型ロールの表面の材質を、保護フィルムを形成する材料の特性に合わせて、適宜選定することで調整することができる。通常、鏡面ロールおよび賦型ロール温度は、背面層を形成する樹脂のガラス転移温度(Tg)に対して、(Tg−60)〜(Tg+20)℃とするのが好ましい。
例えば、アクリル樹脂で形成された背面層を備える保護フィルムの場合、好ましい圧力は、5kN/m〜13kN/mである。保護フィルムに加える圧力が上記範囲の上限値を超えると、保護フィルムが破断するおそれがある。保護フィルムに加える圧力が上記範囲の下限値を下回ると、保護フィルムの幅方向において凹凸の転写ムラが発生する傾向がある。
鏡面ロール及び賦型ロールのロール速度は20m/分以下であることが好ましい。ロール速度がこれ以上であると、保護フィルムの粗面で凹凸の転写ムラが生じる傾向がある。
保護フィルムの粗面には、必要に応じて、表面改質処理を施してもよい。表面改質処理としては、例えば、エネルギー線照射処理や薬品処理などが挙げられる。
また、保護フィルムの粗面には、必要に応じ印刷を行なってもよい。
[4.複層フィルム]
複層フィルムは、上述した長尺の光学フィルムと長尺の保護フィルムとを貼り合わせた長尺のフィルムである。この複層フィルムにおいて、光学フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを備えていればよいため、光学フィルムの両面に保護フィルムを備えていてもよい。ただし、通常は、光学フィルムの片面に保護フィルムを貼り合せる。
また、複層フィルムは前記の光学フィルム及び保護フィルムの一方又は両方を2層以上有する合計3層以上の層を備えた複層フィルムであってもよい。ただし、通常は、複層フィルムは、光学フィルム及び保護フィルムをそれぞれ1層有する、合計2層の層を備えた複層フィルムである。
複層フィルムは、本発明の効果を著しく損なわない限り、光学フィルム及び保護フィルム以外にその他の層を有していてもよい。なお、その他の層は、1層でもよく、2層以上であってもよい。また、各層は同じでもよく、異なる層であってもよい。また、その他の層の位置は任意に設定できる。ただし、通常は、複層フィルムは光学フィルム及び保護フィルムのみを有する。
複層フィルムの製造方法に制限は無いが、通常、別々に用意した光学フィルムと保護フィルムとを貼り合わせて複層フィルムを製造する。貼り合わせ時には、通常、光学フィルム及び保護フィルムの皺及び弛みをなくすため、所定の大きさの張力を光学フィルム及び保護フィルムにかけながら貼り合わせを行なう。
[5.光学フィルムロール]
本発明の光学フィルムロールは、前記の長尺の複層フィルムをロール状に巻回してなるものである。
光学フィルムロールにおいて、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面は上述したような所定の表面粗さを有する粗面となっているので、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性にも優れる。
光学フィルムロールの巻回数に制限は無いが、通常40回以上、好ましくは60回以上であり、通常27000回以下、好ましくは13000回以下である。
また、光学フィルムロールの外径に制限はないが、通常160mm以上、好ましくは190mm以上であり、通常2300mm以下、好ましくは1200mm以下である。
本発明の光学フィルムロールは、例えば、少なくとも、脂環式構造含有重合体を溶融押し出しして光学フィルムを得る工程と、光学フィルムから剥離可能な保護フィルムを光学フィルムと貼り合わせて複層フィルムを得る工程と、複層フィルムをロール状に巻回する工程とを行うことにより製造できる。この際、巻回に際しては必要に応じて適切な巻き芯を用いてもよい。
また、巻回速度に制限はないが、巻回速度が速すぎると空気の巻き込みを生じやすくなり、また巻回速度が遅すぎると製造効率が低下するため、通常5m/分以上、好ましくは10m/分以上であり、通常150m/分以下、好ましくは100m/分以下、より好ましくは80m/分以下である。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施してもよい。なお、以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、特に断らない限り重量基準である。また、以下の説明において温度及び圧力について特に断らない限り、操作は常温常圧の環境において行った。
[評価方法]
〔ロール外観の評価〕
巻取り直後のフィルムロールを、目視と触診にて評価した。目視と触診でバンド等の凹凸が無いものは「A」、目視では凹凸が無いが触診で凹凸があるものは「B」、目視でも触診でも凹凸があるものは「C」とした。
〔保存安定性の評価〕
温度10℃、湿度80%で24時間放置し、さらに温度40℃、湿度80%で24時間放置した後で、前記の〔ロール外観の評価〕と同様にしてロール外観を評価した。
〔保護フィルム表面の凹凸形状の光学フィルムへの転写(シボ転写)の評価〕
前記の〔保存安定性の評価〕を実施したロールから任意の場所で光学フィルムを切り出し、その光学フィルムを介した蛍光灯の反射光を目視評価した。蛍光灯の形状に変化が無ければ「A」、蛍光灯のエッジが乱れるものは「B」、蛍光灯が全体的に歪むものは「C」とした。
〔貼り合わせ時の泡噛みの評価〕
日本分光社製「V−550 紫外可視分光光度計」を用いて、入射角度5°にて全光線反射率を測定した。サンプルは光学フィルムと保護フィルムを貼合した複層フィルムを用いて、保護フィルムの背面層側の表面を#320のエメリー研磨紙にて研磨した。泡噛みにより貼り合せ界面に空気層が生じていれば空気界面の数が増えることにより全光線反射率は高くなるので、測定される全光線反射率が小さいほど泡噛みが少ないことを表す。具体的には、全光線反射率が8.0%未満であれば泡噛みはほとんど無く、全光線反射率が8.0%以上であると泡噛みが目視でも確認できる。
〔保護フィルムの粗面の表面形状の評価〕
ULVAC社製「DEKTAK 6M 触針式表面形状測定器」を用いて、測定長さ:10mm、触針の先端半径:2.5μm、触針の荷重:10mgにて、保護フィルムの背面層側の表面のMD方向において算術平均粗さRaおよび凹凸の平均間隔Smを測定した。
〔引張弾性率の測定〕
東洋ボールドウィーン社製「テンシロン UTM−10T−PL」を用いて、引張速度:500mm/min、荷重:ロードセル50kgf、試料形状:幅10mm×長さ50mm、試験数:5回で、長尺の光学フィルムのMD方向の引張弾性率を測定した。
〔静摩擦係数(ASTM D1894準拠)の測定〕
インテスコ社製「精密万能材料試験機2005型」を用いて、試験速度:150mm/min、試験荷重:200g(ゴム付き荷重)、スリップ面:フィルム対金属(クロムメッキ鉄板)、試験方向:MD方向、試験温度:23℃、試験数:5回で、フィルム表面の静摩擦係数を測定した。
〔光学フィルムの表面形状の評価〕
ザイゴ社製「New View5000」を用いて、対物レンズ:10倍、測定領域:358μm×268μmにて、算術平均粗さRaを測定した。
[実施例1]
(原反フィルムの製造)
脂環式構造含有重合体樹脂[日本ゼオン社製「ZEONOR1420」]のペレットを100℃で5時間乾燥した。該ペレットを押出機に供給し、押出機内で溶融させ、ポリマーパイプ及びポリマーフィルターを経て、Tダイからキャスティングドラム上にシート状に押出し、冷却し、厚さ80μm、幅1650mmの長尺の未延伸フィルムを得た。
(フィルムの延伸)
得られた未延伸フィルムを、延伸温度135℃でMD方向に延伸倍率1.15倍で延伸し、更に、延伸温度140℃でTD方向に延伸倍率1.45倍に延伸して、光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの引張弾性率は2150MPa、厚さは52μmであった。また、光学フィルムの静摩擦係数は両面とも1.02であり、算術平均粗さRaは両面とも0.01μmであった。
(保護フィルムの製造)
オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶ブロックポリマー(CEBC)[JSR社製「DYNARON6200P」]を80重量%と、エチレン−プロピレン・コポリマ[230℃以下MFR30g/10分、エチレン含有量5重量%]を16重量%と、低密度ポリエチレン[190℃以下MFR2g/10分、密度0.92g/cm]を4重量%とを、ヘンシェルミキサーにより均一に混合し、粘着層の材料として粘着層樹脂を用意した。
エチレン−プロピレン・コポリマー[230℃以下MFR30g/10分、エチレン含有量5重量%]を75重量%と、低密度ポリエチレン[190℃以下MFR2g/10分、密度0.92g/cm]を2重量%と、水素化スチレンブタジエンラバー(HSBR)[JSR社製「DYNARON1320P」]を23重量%とを、ヘンシェルミキサーにより均一に混合し、背面層の材料として背面層樹脂を用意した。
2種2層の多層共押出装置を使用して、粘着層樹脂と背面層樹脂とを押出温度230℃で、それぞれ、3.8kg/時間及び3.8kg/時間の押出量でT型ダイスより吐出させてフィルムを成形した。このフィルムを、ダイスから吐出直後に、表面に凹凸が形成された賦型ロールと表面が鏡面に形成された鏡面ロールとで、賦型ロールが背面層側となるようにニップし、賦型ロールの凹凸をフィルムに転写した後、冷却を行い、長さ4500m、幅1380mmの2層構成の保護フィルムを得た。ニップ時の条件は、線圧12kN/m、ロール速度20m/分、賦型ロールの表面温度70℃、鏡面ロールの表面温度70℃とした。また、賦型ロールの表面の凹凸の平均間隔Smは200μmであった。
得られた保護フィルムを構成する各層の厚みは、凹凸が形成された側の背面層の厚みが15μm、凹凸が形成されていない側の粘着層の厚みが15μmであり、保護フィルムの総厚は30μmであった。
得られた保護フィルムの凹凸が形成された背面層側の表面は、算術平均粗さRaが0.2μm、凹凸の平均間隔Smが200μmの粗面であった。
(保護フィルムの貼合)
ニップ圧:0.5MPaで、保護フィルムの粘着層を光学フィルムに貼り合せることにより、保護フィルムを光学フィルムに貼り合わせた。
(巻き取り)
張力:100N/m、テーパ:20%、速度:30m/min、幅:1330mm、長さ:3900mでロール状に巻き取り、光学フィルムロールを得た。
得られた光学フィルムロールについて、上述した要領で、ロール外観、保存安定性、保護フィルム表面の凹凸形状の光学フィルムへの転写、および貼り合わせ時の泡噛みを評価した。ロール外観および保存安定性の評価結果は表2に示す。なお、表2において、各欄の評価結果のうち、左側の評価結果は巻き取り直後の評価結果を表し、右側の評価結果は保存後の評価結果を表す。また、保護フィルム表面の凹凸形状の光学フィルムへの転写の評価結果は表3に示し、貼り合わせ時の泡噛みの評価結果は表4に示す。
[実施例2〜16、比較例1〜20]
賦型ロールとして表面形状が異なるものを用いることにより、保護フィルムの背面層側の表面の凹凸形状を変えたこと以外は実施例1と同様にして、光学フィルムロールを製造した。なお、保護フィルムの背面層側の表面の算術平均粗さRa及び凹凸の平均間隔Smの値は、下記表1の通りである。得られた光学フィルムロールそれぞれについて、上述した要領で、ロール外観、保存安定性、保護フィルム表面の凹凸形状の光学フィルムへの転写、および貼り合わせ時の泡噛みを評価した。結果を表2〜表4に示す。
Figure 0005565230
Figure 0005565230
Figure 0005565230
Figure 0005565230
表1〜4から、保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面(すなわち、保護フィルムの背面層側の表面)の算術平均粗さRaが0.2μm以上0.5μm以下であり、かつ、凹凸の平均間隔Smが200μm以上500μm以下である場合に、バンド、シボ転写及び泡噛みの発生を抑制でき、保存安定性に優れる光学フィルムロールを実現できることが確認された。
本発明の光学フィルムロール及びその製造方法は、脂環式構造含有重合体を含む任意の光学フィルムに適用でき、例えば、位相差フィルム、偏光フィルム、輝度向上フィルム、光拡散フィルム、集光フィルム、反射フィルム等に好ましく適用できる。
10 光学フィルム
11 光学フィルム
12 光学フィルム
12D 光学フィルムの保護フィルムとは反対側の面
20 保護フィルム
20A 凹部
20B 凸部
20D 光学フィルムと保護フィルムとを貼り合わせた境界面
20U 保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面(粗面)
20X 凹凸
21 保護フィルム
21A 凹部
21B 凸部
21U 保護フィルムの光学フィルムとは反対側の面(粗面)
21X 凹凸
22 保護フィルム
30 複層フィルム
31 複層フィルム
32 複層フィルム
40 巻き芯
50 空隙
61 貼り合せロール
62 貼り合せロール
100 光学フィルムロール
110 光学フィルムロールの外周面
120 空気
130 空気が残留した部分

Claims (5)

  1. 脂環式構造含有重合体を含む光学フィルムと、該光学フィルムから剥離可能な保護フィルムとを貼り合わせた複層フィルムをロール状に巻回してなる光学フィルムロールであって、
    前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、算術平均粗さRaが0.2μm以上0.5μm以下であり、かつ、凹凸の平均間隔Smが200μm以上500μm以下である、光学フィルムロール。
  2. 前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、前記算術平均粗さRaおよび前記凹凸の平均間隔Smが、下式(1)の関係を満たす、請求項1記載の光学フィルムロール。
    Figure 0005565230
    (ただし、式(1)の積分は、sinカーブ1周期分について行う。)
  3. 前記保護フィルムがポリオレフィン系重合体を含む、請求項1又は2に記載の光学フィルムロール。
  4. 前記光学フィルムの前記保護フィルムとは反対側の面の算術平均粗さRaが0.05μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の光学フィルムロール。
  5. 脂環式構造含有重合体を溶融押し出しして光学フィルムを得る工程、
    該光学フィルムから剥離可能な保護フィルムを該光学フィルムと貼り合わせて複層フィルムを得る工程、
    該複層フィルムをロール状に巻回する工程、を含む光学フィルムロールの製造方法であって、
    前記保護フィルムの前記光学フィルムとは反対側の面の、算術平均粗さRaが0.2μm以上0.5μm以下であり、かつ、凹凸の平均間隔Smが200μm以上500μm以下である、光学フィルムロールの製造方法。
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