JP7463050B2 - 偏光フィルムロールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光フィルムロールの製造方法に関する。
各種画像表示装置においては、画像表示のために偏光フィルムが用いられている。例えば、液晶表示装置(LCD)は、その画像形成方式から液晶パネル表面を形成するガラス基板の両側に偏光フィルムを配置することが必要不可欠である。また、有機EL表示装置では、金属電極での外光の鏡面反射を遮蔽するために、有機発光層の視認側に、偏光フィルムと1/4波長板を積層した円偏光フィルムが配置される。
前記偏光フィルムとしては、一般的には、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性材料からなる偏光子の片面又は両面に、保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤等により貼り合わせたものが用いられている。
近年、液晶表示装置等の画像表示装置の薄型化が進み、それに伴い、偏光フィルムにも薄型化が求められている。
偏光フィルムは、通常、原反ロールから原料フィルムを送り出しながら、当該原料フィルムに各種の加工を施し、得られた長尺状の偏光フィルムを巻芯に巻き取ってロールとする、いわゆるロール・トゥ・ロール方式により製造される。
上記のように、偏光フィルムはロール・トゥ・ロール方式により製造され、偏光フィルムロールとして保管されるが、偏光フィルムロールから巻き出された偏光フィルムにはスジ、凹み、又はカールなどの欠陥が生じやすいという問題があった。
例えば、特許文献1では、巻きスジ欠陥(偏光板の巻き始め端と、巻芯外周面との間に生じる高低差、すなわち段差部分に、巻回される偏光板が押し付けられることにより発生する、偏光板の幅方向に延びるスジ状の凹み欠陥)を抑制することを目的として、周方向に延びる第1凸部及び第2凸部を外周面に備える巻芯と、前記巻芯に巻回される偏光板とを含み、前記偏光板は、偏光子とその少なくとも一方の面上に積層される保護フィルムとを備えるものであり、前記偏光板は、前記保護フィルムの幅方向における一方の端部領域が前記第1凸部上に位置し、他方の端部領域が前記第2凸部上に位置するように前記巻芯に巻回される、偏光板ロールが提案されている。
また、特許文献2では、逆カールやウェーブカールの発生を防止することを目的として、透明フィルムの原料となる原料フィルムの水分含有率を調整する工程と、水分含有率を調整後の原料フィルムを偏光フィルムの片面または両面に貼合する工程とを含む、偏光板の製造方法が提案されている。
特開2016-85331号公報 特開2014-191155号公報
しかし、特許文献1の技術では、特殊構造の巻芯が必要であり、一般的な巻芯が使用できないという問題がある。また、特許文献2の技術では、原料フィルムの水分含有率を調整する必要があり、製造が煩雑になるという問題がある。
本発明は、偏光フィルム端部における巻き凹みの発生を抑制することができる偏光フィルムロールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記の偏光フィルムロールの製造方法により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、偏光フィルムを巻芯に巻き取る工程を含む偏光フィルムロールの製造方法であって、
前記偏光フィルムは、厚みが100μm以下かつ長さが500m以上4000m以下であり、
前記工程において、巻き取り量が500m以上になった時から巻き取り終了まで、下記式(1)により算出される張力yが30N以上150N以下になるように、前記張力yをかけながら偏光フィルムを巻芯に巻き取ることを特徴とする偏光フィルムロールの製造方法、に関する。
張力y=a{1-(bx/400000)} (1)
a:巻き取り開始時の張力(a>30N)
b:テーパー率(%)={(巻き取り開始時の張力-4000m巻き取り想定時の張力)/巻き取り開始時の張力}×100
x:巻き取り量(500m≦x≦4000m)
前記偏光フィルムは、長さが1000~4000mであり、巻き取り量が前記長さになった時の前記張力yが35N以上145N以下であることが好ましい。
前記偏光フィルムは、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムを有するものであることが好ましい。
また、前記偏光子の厚さは、20μm以下であることが好ましい。
偏光フィルムの厚みが100μm以下の場合、偏光フィルムの剛性が低いため、当該偏光フィルムに張力をかけて巻芯に巻き取って保管すると、巻き戻された当該偏光フィルムの端部に凹みが発生しやすい。特に、片側駆動ロール装置を用いた場合には、偏光フィルムロールの幅方向で巻き取り張力に差が発生しやすい。そして、偏光フィルムロールの保管時にその張力差を解消するために偏光フィルムロールが変形し、その結果、偏光フィルムの端部に凹みが発生すると考えられる。このような端部凹みを有する偏光フィルムは、ロール搬送性が低下したり、製品として使用できないため歩留まりが低下するという問題がある。しかし、本発明のように、巻き取り量が500m以上になった時から巻き取り終了まで、前記張力yが30N以上150N以下になるように調整しながら偏光フィルムを巻芯に巻き取ることにより、厚みが100μm以下の偏光フィルムであっても、偏光フィルム端部における巻き凹みの発生を効果的に抑制することができる。特に、本発明の偏光フィルムロールの製造方法は、片側駆動ロール装置を用いた場合に有効である。本発明の偏光フィルムロールの製造方法によれば、巻き取り時に偏光フィルムロールの幅方向における張力差を小さくすることができるため、偏光フィルム端部における巻き凹みの発生を効果的に抑制することができる。
巻きズレの評価方法を示す概略図である。 巻き凹みの評価におけるサンプルの作製方法を示す概略図である。 巻き凹みの評価における最大深さの測定方法を示す概略図である。
本発明の偏光フィルムロールの製造方法は、偏光フィルムを巻芯に巻き取る工程を含み、
前記偏光フィルムは、厚みが100μm以下かつ長さが500m以上4000m以下であり、
前記工程において、巻き取り量が500m以上になった時から巻き取り終了まで、下記式(1)により算出される張力yが30N以上150N以下になるように、前記張力yをかけながら偏光フィルムを巻芯に巻き取ることを特徴とする偏光フィルムロールの製造方法、に関する。
張力y=a{1-(bx/400000)} (1)
a:巻き取り開始時の張力(a>30N)
b:テーパー率(%)={(巻き取り開始時の張力-4000m巻き取り想定時の張力)/巻き取り開始時の張力}×100
x:巻き取り量(500m≦x≦4000m)
前記偏光フィルムは、厚みが100μm以下かつ長さが500m以上4000m以下のものであればよく、その他は特に制限されない。前記偏光フィルムは、厚みが80μm以下であることが好ましく、より好ましくは70μm以下である。前記偏光フィルムは、剛性、機械的強度、及び取り扱い性等の観点から、通常10μm以上であり、好ましくは15μm以上である。前記偏光フィルムは、長さが700m以上であることが好ましく、より好ましくは800m以上であり、さらに好ましくは1000m以上であり、さらに好ましくは1500m以上であり、さらに好ましくは2000m以上であり、さらに好ましくは2500m以上である。また、前記偏光フィルムは、幅が50~200cmであることが好ましく、より好ましくは100~150cmである。
前記偏光フィルムは、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムを有するものであることが好ましい。前記偏光フィルムは、さらに下記の機能層、易接着層、表面保護フィルム、粘着剤層、光学層、及びセパレータ等の追加層を1つ以上含んでいてもよい。
前記偏光子は公知のものを特に制限なく使用することができるが、薄型化及びクラックの発生を抑える観点から、厚みが20μm以下であることが好ましい。偏光子の厚みは、より好ましくは18μm以下、更に好ましくは16μm以下、より更に好ましくは15μm以下である。一方、偏光子の厚みは2μm以上であることが好ましく、より更に好ましくは3μm以上である。
偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂を用いたものが使用される。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、例えば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3~7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウム等の水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラ等の不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウム等の水溶液や水浴中でも延伸することができる。
偏光子はホウ酸を含有していることが延伸安定性や加湿信頼性の点から好ましい。また、偏光子に含まれるホウ酸含有量は、クラックの発生抑制の観点から、偏光子全量に対して22重量%以下であるのが好ましく、20重量%以下であるのがさらに好ましい。延伸安定性や加湿信頼性の観点から、偏光子全量に対するホウ酸含有量は10重量%以上であることが好ましく、さらには12重量%以上であることが好ましい。
薄型の偏光子としては、代表的には、
特許第4751486号明細書、
特許第4751481号明細書、
特許第4815544号明細書、
特許第5048120号明細書、
国際公開第2014/077599号パンフレット、
国際公開第2014/077636号パンフレット、
等に記載されている薄型偏光子又はこれらに記載の製造方法から得られる薄型偏光子を挙げることができる。
前記薄型偏光子としては、積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法の中でも、高倍率に延伸できて偏光性能を向上させることのできる点で、特許第4751486号明細書、特許第4751481号明細書、特許4815544号明細書に記載のあるようなホウ酸水溶液中で延伸する工程を含む製法で得られるものが好ましく、特に特許第4751481号明細書、特許4815544号明細書に記載のあるホウ酸水溶液中で延伸する前に補助的に空中延伸する工程を含む製法により得られるものが好ましい。これら薄型偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVA系樹脂ともいう)層と延伸用樹脂基材を積層体の状態で延伸する工程と染色する工程を含む製法により得ることができる。この製法であれば、PVA系樹脂層が薄くても、延伸用樹脂基材に支持されていることにより延伸による破断等の不具合なく延伸することが可能となる。
前記保護フィルムの材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー等が挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミドなどのアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または上記ポリマーのブレンド物なども上記保護フィルムを形成するポリマーの例として挙げられる。
保護フィルム中には任意の適切な添加剤が1種類以上含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などがあげられる。
保護フィルム中の上記ポリマーの含有量は、好ましくは50~100重量%、より好ましくは50~99重量%、更に好ましくは60~98重量%、より更に好ましくは70~97重量%である。保護フィルム中の上記ポリマーの含有量が50重量%未満の場合、上記ポリマーが本来有する高透明性等が十分に発現できないおそれがある。
前記保護フィルムとしては、位相差フィルム、輝度向上フィルム、拡散フィルム等も用いることができる。位相差フィルムとしては、正面位相差が40nm以上および/または、厚み方向位相差が80nm以上の位相差を有するものが挙げられる。正面位相差は、通常、40~200nmの範囲に、厚み方向位相差は、通常、80~300nmの範囲に制御される。保護フィルムとして位相差フィルムを用いる場合には、当該位相差フィルムが偏光子の保護フィルムとしても機能するため、薄型化を図ることができる。
位相差フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルムを一軸または二軸延伸処理してなる複屈折性フィルムが挙げられる。上記延伸の温度、延伸倍率等は、位相差値、フィルムの材料、厚みにより適宜に設定される。
保護フィルムの厚さは適宜に決定しうるが、強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1~50μm程度である。保護フィルムの厚さは、好ましくは5~50μm、より好ましくは10~50μm、更に好ましくは10~40μmである。
前記保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、上記ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層などの機能層は、保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途、保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
前記接着剤層は接着剤により形成される。接着剤の種類は特に制限されず、種々のものを用いることができる。前記接着剤層は光学的に透明であれば特に制限されず、接着剤としては、水系、溶剤系、ホットメルト系、活性エネルギー線硬化型等の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤または活性エネルギー線硬化型接着剤が好適である。
水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリエステル等を例示できる。水系接着剤は、通常、水溶液からなる接着剤として用いられ、通常、0.5~60重量%の固形分を含有する。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、電子線、紫外線(ラジカル硬化型、カチオン硬化型)等の活性エネルギー線により硬化が進行する接着剤であり、例えば、電子線硬化型、紫外線硬化型の態様で用いることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤は、例えば、光ラジカル硬化型接着剤を用いることができる。光ラジカル硬化型の活性エネルギー線硬化型接着剤を、紫外線硬化型として用いる場合には、当該接着剤は、ラジカル重合性化合物および光重合開始剤を含有する。
接着剤の塗工方式は、接着剤の粘度や目的とする厚みによって適宜に選択される。塗工方式の例として、例えば、リバースコーター、グラビアコーター(ダイレクト,リバースやオフセット)、バーリバースコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ロッドコーター等が挙げられる。その他、塗工には、デイッピング方式などの方式を適宜に使用することができる。
前記接着剤層の厚さは適宜に決定しうるが、0.01~5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05~3μmであり、さらに好ましくは0.05~2μmである。
なお、偏光子と保護フィルムの積層にあたって、保護フィルムと接着剤層の間には、易接着層を設けることができる。易接着層は、例えば、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、シリコーン系、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する各種樹脂により形成することができる。これらポリマー樹脂は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また易接着層の形成には他の添加剤を加えてもよい。具体的にはさらには粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤などを用いてもよい。
易接着層は、通常、保護フィルムに予め設けておき、当該保護フィルムの易接着層側と偏光子とを接着剤層により積層する。易接着層の形成は、易接着層の形成材を保護フィルム上に、公知の技術により塗工、乾燥することにより行われる。易接着層の形成材は、乾燥後の厚み、塗工の円滑性などを考慮して適当な濃度に希釈した溶液として、通常調整される。易接着層の乾燥後の厚みは、好ましくは0.01~5μm、より好ましくは0.02~2μm、さらに好ましくは0.05~1μmである。なお、易接着層は複数層設けることができるが、この場合にも、易接着層の総厚みは上記範囲になるようにするのが好ましい。
前記偏光フィルムは、粘着剤層を有していてもよい。
偏光子の両面に保護フィルムを設けた偏光フィルムの場合、一方の保護フィルムの表面に直接又は他の層を介して粘着剤層を設ける。なお、他方の保護フィルムの表面に直接又は他の層を介して表面保護フィルムを設けてもよい。
偏光子の片面にのみ保護フィルムを設けた偏光フィルムの場合、偏光子側に直接又は他の層を介して粘着剤層を設ける。なお、保護フィルム側に直接又は他の層を介して表面保護フィルムを設けてもよい。
前記他の層は特に制限されず、偏光フィルムに設けられる公知の機能層や光学層などが挙げられる。光学層としては、例えば、反射板、半透過板、位相差板(1/2や1/4などの波長板を含む)、視角補償フィルム、及び輝度向上フィルムなどが挙げられる。前記他の層は、1層設けられていてもよく、2層以上設けられていてもよい。
前記粘着剤層は、偏光フィルムを液晶セル等のセル基板に貼り合わせるために偏光フィルムの片面に設けられる。
前記粘着剤層の厚さは、例えば、1~40μm程度であり、好ましくは2~40μm、より好ましくは2~35μm、さらに好ましくは2~30μmである。
前記粘着剤層の形成には、適宜な粘着剤を用いることができ、その種類について特に制限はない。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などがあげられる。
これら粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとしてアクリル系粘着剤が好ましく使用される。
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤を剥離処理したセパレータなどに塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を形成した後に、偏光フィルムに転写する方法、または前記粘着剤を塗布し、重合溶剤などを乾燥除去して粘着剤層を偏光フィルムに形成する方法などが挙げられる。なお、粘着剤の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
剥離処理したセパレータとしては、シリコーン剥離ライナーが好ましく用いられる。このようなライナー上に粘着剤を塗布、乾燥させて粘着剤層を形成する工程において、粘着剤を乾燥させる方法としては、目的に応じて、適宜、適切な方法が採用され得る。好ましくは、上記塗布膜を過熱乾燥する方法が用いられる。加熱乾燥温度は、好ましくは40℃~200℃であり、さらに好ましくは、50℃~180℃であり、特に好ましくは70℃~170℃である。加熱温度を上記の範囲とすることによって、優れた粘着特性を有する粘着剤を得ることができる。
乾燥時間は、適宜、適切な時間が採用され得る。上記乾燥時間は、好ましくは5秒~20分、さらに好ましくは5秒~10分、特に好ましくは、10秒~5分である。
粘着剤層の形成方法としては、各種方法が用いられる。具体的には、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーターなどによる押出しコート法などの方法があげられる。
前記粘着剤層が露出する場合には、実用に供されるまで剥離処理したシート(セパレータ)で粘着剤層を保護してもよい。
セパレータの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルム、紙、布、不織布などの多孔質材料、ネット、発泡シート、金属箔、およびこれらのラミネート体などの適宜な薄葉体などをあげることができるが、表面平滑性に優れる点からプラスチックフィルムが好適に用いられる。
そのプラスチックフィルムとしては、前記粘着剤層を保護し得るフィルムであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフイルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどがあげられる。
前記セパレータには、必要に応じて、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系もしくは脂肪酸アミド系の離型剤、シリカ粉などによる離型および防汚処理や、塗布型、練り込み型、蒸着型などの帯電防止処理もすることもできる。特に、前記セパレータの表面にシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの剥離処理を適宜おこなうことにより、前記粘着剤層からの剥離性をより高めることができる。
前記表面保護フィルムは、通常、基材フィルムおよび粘着剤層を有し、当該粘着剤層を介して偏光フィルムを保護する。
前記表面保護フィルムの基材フィルムとしては、検査性や管理性などの観点から、等方性を有する又は等方性に近いフィルム材料が選択される。そのフィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂のような透明なポリマーがあげられる。これらのなかでもポリエステル系樹脂が好ましい。基材フィルムは、1種または2種以上のフィルム材料のラミネート体として用いることもでき、また前記フィルムの延伸物を用いることもできる。基材フィルムの厚さは、好ましくは10~150μmであり、より好ましくは20~150μmである。
前記表面保護フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤としては、(メタ)アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとする粘着剤を適宜に選択して用いることができる。透明性、耐候性、耐熱性などの観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。粘着剤層の厚さ(乾燥膜厚)は、好ましくは1~40μmであり、より好ましくは1~30μmである。
なお、表面保護フィルムには、基材フィルムにおける粘着剤層を設けた面の反対面に、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの低接着性材料により、剥離処理層を設けることができる。
偏光フィルムロールは、長尺状の前記偏光フィルムを巻芯に巻き取ることにより製造する。巻き取り装置としては、片側駆動ロール装置を用いてもよく、両側駆動ロール装置を用いてもよいが、片側駆動ロール装置を用いることが好ましい。
前記巻芯の外径は特に制限されないが、好ましくは100~500mmであり、より好ましくは150~400mmである。前記巻芯の幅は前記偏光フィルムの幅に応じて適宜調整すればよい。
巻き取り工程においては、巻き取り量が500m以上になった時から巻き取り終了まで、下記式(1)により算出される張力yが30N以上150N以下になるように、前記張力yをかけながら偏光フィルムを巻芯に巻き取る。
張力y=a{1-(bx/400000)} (1)
a:巻き取り開始時の張力(a>30N)
b:テーパー率(%)={(巻き取り開始時の張力-4000m巻き取り想定時の張力)/巻き取り開始時の張力}×100
x:巻き取り量(500m≦x≦4000m)
前記張力yが30N未満の場合には、巻き取りズレが発生して次回繰り出し時の搬送不良を引き起こす。一方、前記張力yが150Nを越える場合には、偏光フィルム端部に巻き凹みが発生する。
巻き取り量が500mになった時の前記張力yは、好ましくは40N以上、より好ましくは50N以上、さらに好ましくは90N以上であり、また、好ましくは130N以下、より好ましくは120N以下、さらに好ましくは110N以下である。
前記偏光フィルムの長さが1000~4000mである場合、巻き取り量が前記長さになった時(つまり、前記偏光フィルムを全て巻き取った時)の前記張力yは35N以上であることが好ましく、より好ましくは40N以上であり、さらに好ましくは45N以上であり、また、145N以下であることが好ましく、より好ましくは140N以下であり、さらに好ましくは135N以下である。
また、前記偏光フィルムの長さが2000~3000mである場合、巻き取り量が前記長さになった時(つまり、前記偏光フィルムを全て巻き取った時)の前記張力yは40N以上であることが好ましく、より好ましくは50N以上であり、さらに好ましくは60N以上であり、また、135N以下であることが好ましく、より好ましくは120N以下であり、さらに好ましくは110N以下である。
巻き取り開始時の張力は、30N超であり、好ましくは35N以上であり、また、好ましくは300N以下であり、より好ましくは280N以下であり、さらに好ましくは270N以下であり、さらに好ましくは200N以下であり、さらに好ましくは150N以下である。
テーパー率は、上記式に示すように、巻き取り開始時の張力と4000m巻き取り想定時の張力とから算出される値である。実際に巻き取る偏光フィルムの長さが4000m未満である場合でも、4000m巻き取ることを想定した時の張力を設定してテーパー率を定める。
前記テーパー率は特に制限されないが、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは20%以上であり、また、好ましくは99%以下であり、より好ましくは90%以下であり、さらに好ましくは85%以下であり、さらに好ましくは80%以下であり、さらに好ましくは75%以下であり、さらに好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは40%以下である。
偏光フィルム端部における巻き凹みの最大深さは、2.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは2.0mm未満である。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部及び%はいずれも重量基準である。
(偏光子の作製)
平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルム(PVA系樹脂フィルム)を、30℃の温水中に浸漬し、膨潤させながらPVA系樹脂フィルムの長さが元長の2.0倍となるように一軸延伸を行った。次いで、0.3重量%(重量比:ヨウ素/ヨウ化カリウム=0.5/8)の30℃のヨウ素溶液中に浸漬し、PVA系樹脂フィルムの長さが元長の3.0倍となるように一軸延伸しながら染色した。その後、6ホウ酸4重量%、ヨウ化カリウム5重量%の水溶液中で、PVA系樹脂フィルムの長さが元長の6倍となるように延伸した。さらに、ヨウ化カリウム3重量%の水溶液(ヨウ素含浸浴)でヨウ素イオン含浸処理を行った後、60℃のオーブンで4分間乾燥して、厚み12μmの偏光子を得た。
(保護フィルム)
<保護フィルム1>
HC付25μmTACフィルム:TJ25UL(富士フィルム製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー)にアクリル樹脂性ハードコートコーティングを施したもの
40μmTACフィルム:KC4UYW(コニカミノルタ製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー)
HC付37μmλ/4TAC:KC2UGR-HC(コニカミノルタ製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー)にアクリル樹脂性ハードコートコーティングを施したもの
<保護フィルム2>
25μmTACフィルム:KC2UA(コニカミノルタ製、原料:トリアセチルセルロース系ポリマー)
13μmCOPフィルム:ZF-014(日本ゼオン製、原料:シクロオレフィン系ポリマー)
30μmアクリルフィルムの製造
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた容量30Lの釜型反応器に、8,000gのメタクリル酸メチル(MMA)、2,000gの2-(ヒドロキシメチル)
アクリル酸メチル(MHMA)、10,000gの4-メチル-2-ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK)、5gのn-ドデシルメルカプタンを仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温し、還流したところで、重合開始剤として5.0gのt-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(カヤカルボンBIC-7、化薬アクゾ(株)製)を添加すると同時に、10.0gのt-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートと230gのMIBKからなる溶液を4時間かけて滴下しながら、還流下、約105~120℃で溶液重合を行い、さらに4時間かけて熟成を行った。
得られた重合体溶液に、30gのリン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(Phoslex A-18、堺化学工業(株)製)を加え、還流下、約90~120℃で5時間、環化縮合反応を行った。次いで、得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3~400hPa(10~300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で、2.0kg/hの処理速度で導入し、この押出し機内で、さらに環化縮合反応と脱揮を行い、押し出すことにより、ラクトン環含有重合体の透明なペレットを得た。
得られたラクトン環含有重合体について、ダイナミックTGの測定を行ったところ、0.17質量%の質量減少を検知した。また、このラクトン環含有重合体は、重量平均分子量が133,000、メルトフローレートが6.5g/10min、ガラス転移温度が131℃であった。
得られたペレットと、アクリロニトリル-スチレン(AS)樹脂(トーヨーAS AS20、東洋スチレン(株)製)とを、質量比90/10で、単軸押出機(スクリュー30mmφ)を用いて混練押出することにより、透明なペレットを得た。得られたペレットのガラス転移温度は127℃であった。
このペレットを、50mmφ単軸押出機を用い、400mm幅のコートハンガータイプTダイから溶融押出し、厚さ120μmのフィルムを作製した、これを、2軸延伸装置を用いて、150℃の温度条件下、2.0倍に延伸することにより、厚さ30μmのアクリルフィルムを得た。この延伸フィルムの光学特性を測定したところ、全光線透過率が93%、面内位相差Δndが0.8nm、厚み方向位相差Rthが1.5nmであった。
(水系接着剤の調製)
アセトアセチル基を含有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%、アセトアセチル化度:5モル%)を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度4%に調整して水系接着剤を得た。
実施例1
保護フィルム1(HC付25μmTACフィルム)及び保護フィルム2(25μmTACフィルム)のそれぞれの片面に、前記水系接着剤を乾燥後の接着剤層の厚みが80nmとなるように塗工して接着剤付き保護フィルム1及び2を得た。次いで、23℃の温度条件下で、前記偏光子の片面に前記接着剤付き保護フィルム1を、前記偏光子の他面に前記接着剤付き保護フィルム2をロール機で貼り合せ、その後、55℃で6分間乾燥して偏光フィルム(厚み69μm)を作製した。そして、片側駆動ロール装置を用いて、作製した偏光フィルムを巻芯に巻き取って偏光フィルムロールを作製した。なお、巻き取り時の条件は表1の通りである。
実施例2~11、比較例1~5
保護フィルム1及び2の種類、偏光フィルムの厚み及び長さ、及び巻き取り時の条件を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様の方法で偏光フィルムロールを作製した。
実施例及び比較例で作製した偏光フィルムロールについて、下記評価を行った。結果を表1に示す。
<巻きズレの評価>
実施例及び比較例で作製した偏光フィルムロールを25℃55%の環境で7日間保管した。その後、偏光フィルムロールの内周端部を基準とし、図1に示すように、内周端部1と最外周端部2との高さの差を金尺で計測し、その差を巻きズレ量とした。巻きズレ量が200mm以下の場合を〇、巻きズレ量が200mm超の場合を×と評価した。
<巻き凹みの評価>
実施例及び比較例で作製した偏光フィルムロールを25℃55%の環境下かつ軸受台車上で7日間保管した。その後、図2に示すように、偏光フィルムロール3から偏光フィルムを巻き戻し、巻き戻し開始から3~6m部分の偏光フィルム4(長さ3m)を切り取った。そして、偏光フィルム4の両端から幅200mmのサンプル5を2枚切り取った。図3に示すように、2枚のサンプル5から全ての巻き凹み部6を切り取り、そして、中心部7を通るように偏光フィルムの幅方向に巻き凹み部6を半分に切断した。そして、半分に切断した巻き凹み部6を平板上に置き、平面からの最大深さDを測定し、下記基準で評価した。なお、巻き凹み部6が複数ある場合には、最大深さDの平均値を採用した。
◎:2.0mm未満
〇:2.0~2.5mm
×:2.5mm超
表1から、本発明の偏光フィルムロールの製造方法に係る実施例1~11では、巻きズレ量が小さく、偏光フィルムの巻き凹み部の深さも小さいことがわかる。一方、比較例1~3では、巻き取り終了時の張力yが150Nを超えているため、偏光フィルムの巻き凹み部の深さが大きいことがわかる。比較例4では、テーパー率が0%であり、巻き取り終了時の張力yが150Nを超えているため、偏光フィルムの巻き凹み部の深さが大きいことがわかる。比較例5では、テーパー率が0%であり、巻き取り開始時の張力が30Nであるため、巻きズレ量が大きいことがわかる。
本発明の偏光フィルムは、これ単独で、またはこれを積層した光学フィルムとして液晶表示装置(LCD)、有機EL表示装置などの画像表示装置に用いられる。
1:内周端部
2:最外周端部
3:偏光フィルムロール
4:偏光フィルム
5:サンプル
6:巻き凹み部
7:中心部
D:最大深さ

Claims (4)

  1. 偏光フィルムを巻芯に巻き取る工程を含む偏光フィルムロールの製造方法であって、
    前記偏光フィルムは、厚みが100μm以下かつ長さが500m以上4000m以下であり、
    前記工程において、巻き取り量が500m以上になった時から巻き取り終了まで、下記式(1)により算出される張力yが30N以上150N以下になるように、前記張力yをかけながら偏光フィルムを巻芯に巻き取ることを特徴とする偏光フィルムロールの製造方法。
    張力y=a{1-(bx/400000)} (1)
    a:巻き取り開始時の張力(a>30N)
    b:テーパー率(%)={(巻き取り開始時の張力-4000m巻き取り想定時の張力)/巻き取り開始時の張力}×100、が1%以上50%以下
    x:巻き取り量(500m≦x≦4000m)
  2. 前記偏光フィルムは、長さが1000~4000mであり、巻き取り量が前記長さになった時の前記張力yが35N以上145N以下である請求項1に記載の偏光フィルムロールの製造方法。
  3. 前記偏光フィルムは、偏光子の片面又は両面に接着剤層を介して保護フィルムを有するものである請求項1又は2に記載の偏光フィルムロールの製造方法。
  4. 前記偏光子の厚さは、20μm以下である請求項3に記載の偏光フィルムロールの製造方法。
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