JP6296107B2 - 積層フィルム、積層フィルムの製造方法、偏光性積層フィルムの製造方法、偏光板の製造方法 - Google Patents

積層フィルム、積層フィルムの製造方法、偏光性積層フィルムの製造方法、偏光板の製造方法 Download PDF

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本発明は、積層フィルム、積層フィルムの製造方法、偏光性積層フィルムの製造方法、偏光板の製造方法に関する。
従来の偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルム(通常、厚み30〜75μm程度)を延伸、染色して製造されており、延伸後のフィルムの厚みは、通常12〜30μm程度である。薄膜化のために、ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルムとして30μm以下のものを使用すると、延伸時のフィルムが破断し易くなる等の生産性の問題があった。
そこで、昨今の偏光板の薄肉化に対応するために、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液をコーティングする方式が提案されている。この方式では、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液をコーティングすることでポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成して積層フィルムを得た後、この積層フィルムに対して延伸及び染色処理を施すことによってポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層に偏光機能を付与して偏光子層を得ている(特許文献1および2)。
上記基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液をコーティングする方式から得られる偏光板においては、偏光板に光学的なスジムラが発生するという問題がある。ポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルムから得られる偏光板においても同様の問題があり、その原因がポリビニルアルコール系樹脂の原反フィルムの厚みムラであることは判明している(特許文献3)。
しかしながら、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液をコーティングする方式において、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みは、以下の2つの方法により測定されており、正確なポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚み測定はもとより、厚みムラの測定は困難であった。そのため、光学的なスジムラの原因を見出すこと及び、その原因を制御する方法を見出すことはできなかった。
(方法1)基材フィルムからポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を剥離して、剥離したポリビニルアルコール系樹脂層の厚みを測定する方法。この方法においては、剥離時にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が延伸されてしまうことがあった。
(方法2)ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を剥離する前の積層フィルムの厚みと、剥離後の基材フィルムの厚みとを測定し、その差分からポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みを算出する方法。この方法においては、測定位置がずれてしまうことがあった。
特開2011−150313号公報 特開2012−159778号公報 特開2002−28941号公報
本発明は、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムであって、偏光板に組み込んだときに光学的なスジムラが発生しない積層フィルム、かかる積層フィルムの製造方法、かかる積層フィルムから偏光性積層フィルムを製造する方法、及びかかる積層フィルムから偏光板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は下記のものを含む。
[1]長尺状の基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムであって、
前記樹脂層の幅方向の厚みの最大振幅が2.0μm以下である積層フィルム。
[2]樹脂層の幅方向における膜厚分布の周期強度が0.09以下であることを特徴とする[1]に記載の積層フィルム。
[3]樹脂層の幅方向の厚みの平均値が10μm以下である[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4]以下の工程(1−1)及び工程(2−1)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
工程(1−1) 基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程
工程(2−1) 塗工層を有する基材フィルムを乾燥ゾーンへ搬送し、乾燥ゾーンにおいては、少なくとも1本のガイドロールにより塗工層を有する基材フィルムを支持しながら、塗工層を乾燥させてポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程
[5]以下の工程(1−2)及び工程(2−2)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
工程(1−2) 基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程工程(2−2) 塗工層を有する基材フィルムをフローティング方式で乾燥ゾーンへ搬送することにより、塗工層を乾燥させて、厚みが10μm以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程であって、
前記乾燥ゾーンにおける雰囲気の露点が、50℃以下である乾燥工程
[6]以下の工程(3)及び工程(4)を含む偏光性積層フィルムの製造方法。
工程(3) [1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルムを一軸延伸し延伸積層フィルムを得る延伸工程
工程(4) 延伸積層フィルムを染色し、偏光子層及び基材フィルムを有する偏光性積層フィルムを得る染色工程
[7]以下の工程(3)〜工程(6)を含む偏光板の製造方法。
工程(3) [1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルムを一軸延伸し延伸積層フィルムを得る延伸工程
工程(4) 延伸積層フィルムを染色し、偏光子層及び基材フィルムを有する偏光性積層フィルムを得る染色工程
工程(5) 偏光性積層フィルムにおける偏光子層上に透明保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る貼合工程
工程(6) 多層フィルムから基材フィルムを剥離して、偏光子及び透明保護フィルムを有する偏光板を得る剥離工程
[8]以下の工程(7)を含む偏光板の枚葉体の製造方法。
工程(7) [7]に記載の偏光板を矩形に裁断することにより、偏光板の枚葉体を得る裁断工程
本発明の積層フィルムによれば、光学的なスジムラのない偏光板を得ることができる。
ガイドロールにより塗工層を有する基材フィルムを支持する方法の一例を示す概略図である。 ガイドロールにより塗工層を有する基材フィルムを支持する方法の一例を示す概略図である。 ガイドロールにより塗工層を有する基材フィルムを支持する方法の一例を示す概略図である。 空中に浮いた状態で塗工層を有する基材フィルムを支持する方法の一例を示す概略図である。
本発明者らは、干渉膜厚計によりポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の膜厚を測定することで、光学的なスジムラの原因が、長尺状のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅が、2.0μmより大きいことであると見出した。干渉膜厚計による厚みの測定においては、従来のように基材フィルムからポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を剥離する必要がなく、測定位置がずれてしまうこともない。このため、正確にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みを測定することができる。
したがって、本発明の積層フィルムが有するポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の最大振幅は、2.0μm以下である。光学的なスジムラをより抑制できるという点で、最大振幅は1.7μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1.3μm以下であることがさらに好ましい。通常、最大振幅は0.2μm以上である。
本明細書において、幅方向とは、長尺状の積層フィルムの長さ方向に垂直であって、積層フィルム面に平行な方向のことをいう。積層フィルムをロール・トゥー・ロール方式により製造する場合、幅方向は積層フィルムの搬送方向(MD方向)に垂直であって、積層フィルム面に平行な方向、すなわちTD方向に一致する。当然ながら、長さ方向はMD方向に一致する。また本発明の積層フィルムに対して、延伸処理及び染色処理を含む処理を施し、偏光性積層フィルムを得た場合、通常延伸方向は、積層フィルムの長さ方向に一致し、偏光性積層フィルムの吸収軸方向は、積層フィルムの長さ方向に一致する。この関係は、偏光性積層フィルムに透明保護フィルムを貼合し、基材フィルムを剥離した偏光板においても同じであり、偏光板が所定の大きさに切り出された枚葉体であっても同じである。
本明細書において最大振幅とは、以下の方法により測定される値のことをいう。まず、積層フィルムの幅方向の厚みを、測定間隔が0.05mm以上2mm以下となるように、干渉膜厚計により測定する。上記測定間隔であれば、光学的なスジムラの原因となる厚み振幅の差を正確に検出することができる。厚み測定は、積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の幅方向の全幅にわたって測定する。ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の幅方向の一部分だけ厚みの測定をした場合、光学的なスジムラの原因となる厚み振幅の差を検出できないおそれがある。このようにして得られた幅方向の厚みプロファイルにおける、最も大きな山と最も大きな谷との差の大きさのことを最大振幅という。
また、光学的なスジムラをより抑制できるという点で、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層は、幅方向の厚みのプロファイルに周期構造を持たないことが好ましい。したがって本発明の積層フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の幅方向における膜厚分布の周期強度が0.09以下であることが好ましく、0.065以下であることがより好ましく、0.050以下であることがさらに好ましい。通常幅方向における膜厚分布の周期強度は、0.00以上である。本発明において、膜厚分布の周期強度とは、以下の方法により求められる値のことをいう。まず、上記のようにして得られた幅方向の厚みプロファイルを高速フーリエ変換する。このようにして得られる波数スペクトルのうち、膜厚分布の周期強度とは、周期が30〜70mmの領域における最大の振幅の値のことをいう。
以下、本発明の積層フィルムの製造方法、偏光性積層フィルムの製造方法、及び偏光板の製造方法について説明する。
本発明の積層フィルムは、以下の工程(1−1)及び工程(2−1)、又は工程(1−2)及び工程(2−2)を含む工程により製造することができる。以下、各工程について説明する。なお本明細書において工程(1−1)と工程(1−2)とをまとめて工程(1)ということがある。また本明細書において工程(2−1)と工程(2−2)とをまとめて工程(2)ということがある。
工程(1−1) 基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程
工程(2−1) 塗工層を有する基材フィルムを乾燥ゾーンへ搬送することにより、塗工層を乾燥させてポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程であって、前記乾燥ゾーンにおいて、塗工層を有する基材フィルムは、少なくとも1本のガイドロールにより搬送される乾燥工程
工程(1−2) 基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程
工程(2−2) 塗工層を有する基材フィルムをフローティング方式で乾燥ゾーンへ搬送することにより、塗工層を乾燥させて、厚みが10μm以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程であって、前記乾燥ゾーンにおける露点が、50℃以下である乾燥工程
[工程(1)]
工程(1)では、基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工する。特に工程(1−2)では、基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を、工程(2−2)を経たときの厚みが10μm以下となるように塗工する。
[基材フィルム]
基材フィルムを構成する樹脂としては、透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられ、それらのガラス転移温度(Tg)または融点(Tm)に応じて、適切な樹脂を選択できる。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)、(メタ)アクリル系樹脂、セルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、およびこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
基材フィルムは、上述の樹脂1種類のみを用いた単層フィルムであってもよいし、2種類以上の樹脂をブレンドしたものであってもよい。もちろん、単層フィルムでなく多層フィルムを形成していてもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレンやプロピレンの如き鎖状オレフィンを主要なモノマーとする重合体である。また、プロピレンにエチレンを共重合することで得られるプロピレン−エチレン共重合体なども用いることができる。共重合は、エチレン以外のモノマーでも可能であり、プロピレンに共重合可能な他種のモノマーとしては、たとえば、α−オレフィンを挙げることができる。プロピレンに共重合されるα−オレフィンは、炭素数4以上のものであり、好ましくは炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例を挙げると、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンの如き直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンの如き分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどがある。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有量は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトルの測定により求めることができる。ポリオレフィン系樹脂は、安定的に高倍率に延伸しやすいことから、本発明における基材フィルムとして好ましく用いられる。
ポリオレフィン系樹脂の中でもプロピレン系樹脂が好ましく、その例として、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体などが挙げられる。
プロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチックまたはシンジオタクチックの立体規則性を有するプロピレン系樹脂からなるフィルムは、その取扱い性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する重合体であり、具体的には多価カルボン酸と多価アルコールの重縮合体で構成されることが多い。ここで用いられる多価カルボン酸は、主にジカルボン酸、すなわち2価のカルボン酸、またはその低級アルキルエステルであり、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。また、用いられる多価アルコールも、主にジオール、すなわち2価のアルコールであり、たとえば、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは結晶性の樹脂であるが、結晶化処理する前の状態のものの方が、延伸などの処理を施しやすい。必要であれば、延伸時、または延伸後の熱処理などによって結晶化処理することができる。
また、ポリエチレンテレフタレートの骨格にさらに他種のモノマーを共重合することで、結晶性を下げた(もしくは、非晶性とした)共重合ポリエステルも好適に用いられる。このような樹脂の例として、例えば、シクロヘキサンジメタノールやイソフタル酸を共重合させたものなどが挙げられる。これらの樹脂も、延伸性に優れるので、好適に用いることができる。
ポリエチレンテレフタレートおよびその共重合体以外の具体的なポリエステル系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートなどが挙げられる。これらのブレンド樹脂や共重合体も、用いることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを主な構成モノマーとする重合体の総称であり、たとえば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報などに記載されている樹脂が挙げられる。具体例を挙げると、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレンまたはプロピレンの如きα−オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、これらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、それらの水素化物などがある。環状オレフィンの具体例としては、ノルボルネン系モノマーが挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂として、特にノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては種々の製品が市販されている。具体例を挙げると、TOPAS(Topas Advanced Polymers GmbH製)、アートン(登録商標)(JSR株式会社製)、ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、アペル(登録商標)(三井化学株式会社製)などがある。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする重合体である。たとえば、ポリメタクリル酸メチルの如きポリメタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂と呼ばれるものなど)、メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(たとえば、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。好ましくは、ポリメタクリル酸メチルの如き、メタクリル酸のC1−C6アルキルエステルを主成分とする重合体が挙げられる。(メタ)アクリル系樹脂のより好ましい例として、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂を挙げることができる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸のエステルである。このようなセルロースエステル系樹脂の具体例としては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートなどが挙げられる。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものなども挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテートが特に好ましい。セルローストリアセテートフィルムは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。セルローストリアセテートフィルムの市販品の例を挙げると、フジタック(登録商標)TD80(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD80UF(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD80UZ(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD40UZ(富士フイルム株式会社製)、KC8UX2M(コニカミノルタ株式会社製)、KC4UY(コニカミノルタ株式会社製)などがある。
ポリカーボネート系樹脂は、主鎖にカーボネート結合(−O−CO−O−)を有する重合体である。エンジニアリングプラスチックの一種であって、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性を有する樹脂である。また、高い透明性を有することから、光学用途でも好適に用いられる。光学用途では、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネートなども市販されており、好適に用いることができる。このようなポリカーボネート系樹脂は広く市販されており、たとえば、パンライト(登録商標)(帝人化成株式会社製)、ユーピロン(登録商標)(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製)、SDポリカ(登録商標)(住化スタイロン ポリカーボネート株式会社製)、カリバー(登録商標)(住化スタイロン ポリカーボネート株式会社製)などがある。
基材フィルムには、上記の熱可塑性樹脂の他に、任意の適切な添加剤が添加されていてもよい。このような添加剤としては、たとえば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤などが挙げられる。
基材フィルム中で上に例示した熱可塑性樹脂の占める割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。基材フィルム中の熱可塑性樹脂の割合が50重量%未満になると、熱可塑性樹脂が本来有する高透明性等が十分に発現されないおそれがあるからである。
基材フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱い性など、作業性の観点から、1〜500μmであるのが好ましく、さらには1〜300μm、とりわけ5〜200μmであるのがより好ましい。さらに、5〜150μmの範囲の厚さを有する基材フィルムが最も好ましい。
基材フィルムの幅は、50cm以上であることが好ましく、通常5m以下である。基材フィルムの幅が5mを超えると、搬送経路において弛みが生じやすく、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工したときに、基材フィルム上のポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の分布が不均一になる恐れがある。このため、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅が大きくなりやすい。また基材フィルムの幅が50cm未満であると、生産性が悪化することがある。
基材フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層との密着性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂層が形成される側の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などが施されていてもよい。
80℃における基材フィルムの引張弾性率は、180MPa以上であることが好ましく、200MPa以上であることがより好ましい。基材フィルムの高温時の引張弾性率は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液(塗工液)を基材フィルム上に塗布したときの塗工層の膜厚分布に影響を与える。80℃における引張弾性率が180MPa以上である基材フィルムを用いることで、塗工後に塗工層を乾燥させるとき(工程(2))のフィルムの幅方向の弛みを生じにくくすることができる。そのため幅方向のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の膜厚の変動が小さくなり、より光学的なスジムラを抑制することができる。
[プライマー層]
ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を基材フィルム上に塗工するのに先んじて、基材フィルム上にプライマー層が形成されていてもよい。プライマー層は、基材フィルムとポリビニルアルコール樹脂からなる樹脂層との両方にある程度強い密着力を発揮する材料で形成すればよい。たとえば、透明性、熱安定性、延伸性などに優れる熱可塑樹脂が用いられる。具体的には、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などが挙げられる。
プライマー層を形成する樹脂は、溶媒に溶解した状態で基材フィルム上に塗工してもよい。環境への影響を考慮すると、水を溶媒とするプライマー層形成用塗工液からプライマー層を形成するのが好ましい。プライマー層形成用塗工液は、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、ジアルデヒド系架橋剤、金属系架橋剤などが挙げられる。
プライマー層を形成するために用いる熱可塑性樹脂と架橋剤の割合は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、架橋剤0.1〜100重量部程度の範囲から、熱可塑性樹脂の種類や架橋剤の種類などに応じて適宜決定すればよく、とりわけ0.1〜50重量部程度の範囲から選択するのが好ましい。また、プライマー層形成用塗工液は、その固形分濃度が1〜25重量%程度となるようにするのが好ましい。なお本明細書において、固形分とは、溶剤を除く成分の合計のことをいう。
プライマー層の厚みは、0.05〜1μm程度の範囲にあるのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.4μmである。プライマー層の厚みは、0.05〜1μmであると、基材フィルムとポリビニルアルコール系樹脂層との密着力と、偏光板の薄肉化とを両立することができる。
プライマー層の形成にあたり、使用する塗工方式は特に制限されるものでなく、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティングやグラビアコーティングの如きロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法など、公知の方法から適宜選択すればよい。
[ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液]
ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂及びその誘導体が挙げられる。ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタールなどの他、ポリビニルアルコール樹脂をエチレン、プロピレンのようなオレフィン類で変性したもの;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸のような不飽和カルボン酸類で変性したもの;不飽和カルボン酸のアルキルエステルで変性したもの;アクリルアミドで変性したものなどが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましい。30モル%以上の変性を行った場合には、二色性色素を吸着しにくくなり、偏光性能が低くなってしまう不具合を生じ得る。
上述のポリビニルアルコール系樹脂の中でも、ポリビニルアルコール樹脂を使用することが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、100〜10000の範囲にあることが好ましく、1000〜10000の範囲にあることがより好ましく、1500〜8000の範囲にあることがさらに好ましく、2000〜5000の範囲にあることが最も好ましい。平均重合度は、JIS K 6726−1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。平均重合度が100未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超では溶媒への溶解性が悪化し、ポリビニルアルコール系樹脂層の形成が困難になってしまう。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂のケン化品であることが好ましい。ケン化度の範囲は、80モル%以上、さらには90モル%以上、とりわけ94モル%以上であることが好ましい。ケン化度が低すぎると、偏光性積層フィルムや偏光板にしたときの耐水性や耐湿熱性が十分でなくなる可能性がある。また、完全ケン化品(ケン化度が100モル%のもの)であってもよいが、ケン化度が高すぎると、染色速度が遅くなって、十分な偏光性能を与えるためには製造時間が長くなったり、場合によっては十分な偏光性能を有する偏光子が得られなかったりすることがある。そこで、そのケン化度は99.5モル%以下、さらに99.0モル%以下であるのが好ましい。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH)がケン化処理により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=〔(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)〕×100
で定義される。
ケン化度が高いほど、水酸基の割合が多いことを意味し、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が少ないことを意味する。ケン化度は、JIS K 6726−1994「ポリビニルアルコール試験方法」に規定される方法によって求めることができる。
ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
好適に使用できるポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、いずれも商品名で、株式会社クラレ製の「PVA124」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA117」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「PVA117H」(ケン化度:99.5モル%以上)、「PVA624」(ケン化度:95.0〜96.0モル%)、「PVA617」(ケン化度:94.5〜95.5モル%);日本合成化学工業株式会社製の「AH−26」(ケン化度:97.0〜98.8モル%)、「AH−22」(ケン化度:97.5〜98.5モル%)、「NH−18」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「N−300」(ケン化度:98.0〜99.0モル%);日本酢ビ・ポバール株式会社製の「JC−33」(ケン化度:99.0モル%以上)、「JM−33」(ケン化度:93.5〜95.5モル%)、「JM−26」(ケン化度:95.5〜97.5モル%)、「JP−45」(ケン化度:86.5〜89.5モル%)、「JF−17」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−17L」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)、「JF−20」(ケン化度:98.0〜99.0モル%)などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液は必要に応じて、可塑剤、界面活性剤などの添加剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ポリオール又はその縮合物などが挙げられ、具体的にはグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが例示される。添加剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の20重量%以下とするのが好適である。
ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を基材フィルム上に塗工する方法としては、プライマー層形成用塗工液を塗工する方法と同様の方法が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液は基材フィルムの全幅方向に渡って塗工してもよいし、幅方向の一部分のみに塗工してもよい。幅方向の一部分のみに塗工する方法としては、基材フィルムの両端部に未塗工部を残す方法が挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液は基材フィルムの全幅に対して、70%以上塗工することが好ましく、90%以上塗工することがより好ましく、95%以上塗工することがさらに好ましい。
塗工層の厚みは、乾燥後の目標とする厚みとポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の固形分により決定される。塗工層の厚みは、145μm以下であることが好ましく、140μm以下であることがより好ましい。塗工層を145μm以下とすることにより、工程(2)を実施するまでの間に、基材フィルム上で塗工液の流動性を抑え、膜厚の分布をより均一にすることができ、特に工程(2)を経た後の最大振幅を2μm以下とするのが容易である。塗工層の厚みは、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の固形分で乾燥後の厚みを除すことにより求めることができる。
[工程(2−1)]
工程(2−1)では、工程(1)で得られた塗工層を有する基材フィルムを乾燥ゾーンへ搬送することにより、塗工層を乾燥させる。塗工層を乾燥させることで、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成することができる。工程(2−1)では、前記乾燥ゾーンにおいて、塗工層を有する基材フィルムは、少なくとも1本のガイドロールにより搬送される。ただし、後述のように乾燥ゾーンが2以上あるときは、少なくとも1つの乾燥ゾーンにおいて、塗工層を有する基材フィルムがガイドロールにより支持されていればよい。
また、工程(2−1)における最後の乾燥ゾーンを通過する時点で、塗工層が固化し、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層となっていることが好ましい。工程(2−1)において、塗工層の固化を完了させることにより、積層フィルムを後工程へ搬送するとき、又は積層フィルムをロールに巻き取るときに、積層フィルム同士の汚染及び周囲の装置への汚染を防ぐことができ、さらにポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の分布が基材フィルム上で不均一になるのを抑制することができる。なお指で塗工層に触れて湿り気を感じなければ、固化が完了したと考えてよい。
本明細書において、加熱や送風などのような塗工層を乾燥させる機能を有するゾーンを乾燥ゾーンという。乾燥ゾーンとしては、熱ロール、乾燥炉、及び送風が上げられる。乾燥ゾーンが熱ロールである場合、熱ロール自体が乾燥ゾーンであり、乾燥ゾーンが乾燥炉である場合、乾燥炉内が乾燥ゾーンであり、乾燥ゾーンが送風である場合、風が吹き付けられている場所が乾燥ゾーンである。
工程(2−1)における乾燥ゾーンとしては、上記の熱ロール、乾燥炉、及び送風のいずれも採用することができる。工程(2−1)における乾燥ゾーンとしては、好ましくは乾燥炉であり、より好ましくはロールサポート方式の乾燥炉である。乾燥ゾーンは搬送経路に2以上設けてもよい。さらに2種類以上の乾燥ゾーンを設けてもよい。この場合の形態としては、熱ロールと乾燥炉とを組み合わせる形態、乾燥炉と送風とを組み合わせる形態、熱ロールと送風とを組み合わせる形態などが挙げられる。
熱ロールによる乾燥は、基材フィルムに熱ロールを接触させて、塗工層を加熱することで達成され、熱ロールがガイドロールを兼ねている。熱ロールにより乾燥するときの乾燥温度は80〜140℃であることが好ましく、90〜120℃であることがより好ましい。乾燥温度を80℃以上とすることにより、乾燥時間を短縮し、生産性を向上することができる。なお熱ロールにより乾燥するときの乾燥温度とは、熱ロールの表面温度のことをいう。熱ロールにより乾燥するときの乾燥時間は30〜1000秒であることが好ましく、30〜300秒であることがより好ましい。なお熱ロールにより乾燥するときの乾燥時間とは、搬送されるフィルムが熱ロールに接触している時間のことをいう。
送風による乾燥は、基材フィルム上の塗工層へ風を吹き付けることで達成される。このとき塗工層を有する基材フィルムにおける、風が吹き付けられる部分はガイドロールにより支持されている。送風により乾燥するときの乾燥温度は50〜150℃であることが好ましく、60〜140℃であることがより好ましい。乾燥温度を50℃以上とすることにより、乾燥時間を短縮し、生産性を向上することができる。なお送風により乾燥するときの乾燥温度とは、塗工層へ吹き付けられる空気の温度のことをいう。風速は0.5〜20m/sであることが好ましく、1.0〜15m/sであることがより好ましい。風速が0.5〜20m/sであると、塗工層を有する基材フィルムがばたつきを抑えると共に、乾燥時間を短縮することができるため、幅方向の膜厚分布をより均一にしつつ、生産性を向上させることができる。送風により乾燥するときの乾燥時間は30〜1500秒であることが好ましく、180〜1000秒であることがより好ましく、360〜600秒であることがさらに好ましい。なお送風により乾燥するときの乾燥時間とは、搬送されるフィルムに風が吹き付けられている時間の合計のことをいう。
乾燥炉による乾燥は、乾燥炉内へ塗工層を有する基材フィルムを搬送することにより達成される。このとき乾燥炉内で塗工層を有する基材フィルムは、少なくとも1本のガイドロールにより支持されている。乾燥炉により塗工層を乾燥するときの、乾燥炉内の雰囲気温度は、40〜130℃であることが好ましく、50〜120℃であることがより好ましい。乾燥温度を40℃以上とすることにより、乾燥時間を短縮し、生産性を向上することができる。また乾燥炉内の露点は、50℃以下であることが好ましく、47℃以下とすることがより好ましい。通常乾燥炉内の露点は0℃以上である。露点を50℃以下とすることにより乾燥効率を一段と向上させ、塗工液の流動を効果的に抑制することができる。乾燥炉により乾燥するときの乾燥時間は30〜1500秒であることが好ましく、180〜1000秒であることがより好ましく、360〜600秒であることがさらに好ましい。
なお乾燥炉により乾燥するときの乾燥時間とは、搬送されるフィルムが乾燥炉に滞在している時間の合計のことをいう。
工程(2−1)では、上記乾燥ゾーンにおいて塗工層を有する基材フィルムは少なくとも一本のガイドロールにより支持されている。塗工層を有する基材フィルムは、基材フィルムがガイドロールに接して支持されていることが好ましい。乾燥ゾーンにおける塗工層を有する基材フィルムを支持するガイドロールは、2本以上であることが好ましく、7本以上であることがより好ましい。乾燥ゾーンにおいて塗工層を有する基材フィルムを少なくとも1本のガイドロールにより支持することで、塗工層を有する基材フィルムに弛みが生じにくくなり、基材フィルム上のポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の分布を均一にすることができる。このため、ポリビニルアルコール系樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅を小さくしやすい。
以下、図を参照してガイドロールによる塗工層を有する基材フィルムの支持方法について説明する。ただし、本発明はこれら図示した例に限定されることはない。
図1では、乾燥ゾーンにおいて1本のガイドロール1により塗工層を有する基材フィルム2が支持されている。この場合乾燥ゾーンは、乾燥炉であってもよいし、送風であってもよいし、熱ロールであってもよい。乾燥ゾーンが熱ロールである場合、ガイドロール1が熱ロールを兼ねてもよい。図1に示すように、乾燥ゾーンにおいて1本のガイドロール1により、塗工層を有する基材フィルム2を支持する場合は、塗工層を有する基材フィルム2はガイドロール1に抱かれて支持されることが好ましい。換言すれば、塗工層を有する基材フィルム2とガイドロール1との接触している部分は、ガイドロール1の側周部の表面積の5%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、通常50%以下である。このように、塗工層を有する基材フィルム2がガイドロール1に抱かれて支持されることにより、塗工層を有する基材フィルム2に弛みが生じることなく安定した状態で搬送できるので、ポリビニルアルコール系樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅を小さくしやすい。なお矢印3は、ガイドロールの回転方向を表す。
さらに、図1に示すように1本のガイドロール1により、塗工層を有する基材フィルム2を支持する場合は、ガイドロール1の直径を大きくすることが好ましい。ガイドロール1の直径は、5〜100cmであることが好ましく、5〜50cmであることが好ましい。
塗工層を有する基材フィルム2の搬送速度にもよるが、ガイドロール1の直径が5cm以上であると、塗工層を有する基材フィルム2が、ガイドロール1に接している時間を長くすることができる。このため、塗工層を有する基材フィルム2に弛みが生じることなく安定した状態で塗工層を有する基材フィルム2を搬送できるので、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅を小さくしやすい。
図2(a)では、乾燥ゾーンにおいて3本のガイドロール11、12、13により塗工層を有する基材フィルム2が支持されており、3本のガイドロールが一直線上に設置されている。この形態では、塗工層を有する基材フィルム2が複数のガイドロールにより支持されているので、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅を小さくしやすい。3本のガイドロールを同じ高さに設置して、塗工層を有する基材フィルム2が地面に対して水平に搬送されるようにしてもよい。また、ガイドロール11、12、13の順に設置高さが高くなるように配置したり、ガイドロール11、12、13の順に設置高さが低くなるように配置したりして、塗工層を有する基材フィルム2が地面に対して斜めに搬送されるようにしてもよい。
図2(b)では、乾燥ゾーンにおいて3本のガイドロール11、12、13により塗工層を有する基材フィルム2が支持されており、中央部のガイドロール12は、他のガイドロール11及び13に比して高い位置に設置されている。すなわち、中央部のガイドロール12が頂点となるようなアーチ状に、ガイドロールが配置されている。このため、乾燥ゾーンにおいて、塗工層を有する基材フィルム2へ適度な張力を加えることができ、塗工層を有する基材フィルム2に弛みが生じることなく安定した状態で塗工層を有する基材フィルム2を搬送できるので、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅を小さくしやすい。もちろん図2(c)に示すように、乾燥ゾーンにおいて3本のガイドロール11、12、13により塗工層を有する基材フィルム2を支持し、中央部のガイドロール12を、他のガイドロール11及び13に比して低い位置に設置することにより、塗工層を有する基材フィルム2へ張力をかけることも可能であるが、ガイドロール11、12、13が接する面を、基材フィルムにおける塗工層が積層された面とは反対側の面とすることができるので、図2(b)に示す方法が好ましい。
図3では、乾燥ゾーンにおいて5本のガイドロール14、15、16、17、18により塗工層を有する基材フィルム2が支持されており、中央部のガイドロール15、16、17が他のガイドロール14、18よりも高い位置に設置されており、さらに中央のガイドロール16が、ガイドロール15、17よりも高い位置に設置されている。図3に示すような方法を採用することにより、図2(b)に示す態様よりもガイドロールの本数が多く、ガイドロール間の距離を小さくすることができるので、塗工層を有する基材フィルム2に弛みが生じることなく、より安定した状態で塗工層を有する基材フィルム2を搬送できる。このためポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層における幅方向の厚みの最大振幅をより小さくしやすい。このような観点から、ガイドロール間の距離は、20〜150cmであることが好ましく、30〜100cmであることがより好ましい。ガイドロール間の距離が150cm超であると、塗工層を有する基材フィルム2に弛みが生じやすくなってしまったり、弛みを防ぐために大きな張力をかけて塗工層を有する基材フィルム2が延伸されてしまったりする恐れがある。
図2及び3に示す方法の他に、塗工層を有する基材フィルムへ適度な張力をかける方法としては、ガイドロールの前後で基材フィルムの端部にのみニップローラーを配置して端部を拘束する方法、ピンチロール方式を組み合わせる方法が挙げられる。またサクションロールを使用し、吸引力により塗工層を有する基材フィルムを拘束する方法も好ましい。
上記工程(2−1)を経て得られる積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みは、好ましくは2〜10μmであり、より好ましくは4〜10μmである。ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みが2〜10μmであれば、後工程で得られる偏光子層の偏光性能および耐久性が良好になるので好ましい。
[工程(2−2)]
工程(2−2)では、塗工層を有する基材フィルムをフローティング方式で乾燥ゾーンへ搬送する。塗工層を乾燥させることで、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成することができる。このとき前記乾燥ゾーンにおける雰囲気の露点は50℃以下であり、好ましくは47℃以下であり、より好ましくは20℃以下である。また通常露点は0℃以上である。露点を50℃以下とすることにより、乾燥時間を短縮することができ、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の分布が基材フィルム上で不均一になるのをより抑制することができる。
さらに、工程(2−2)における最後の乾燥ゾーンを通過する時点で、塗工層が固化し、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層となっていることが好ましい。工程(2−2)において、塗工層の固化を完了させることにより、積層フィルムを後工程へ搬送するとき、又は積層フィルムをロールに巻き取るときに、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の分布が基材フィルム上で不均一になるのを抑制することができる。なお指で塗工層に触れて湿り気を感じなければ、固化が完了したと考えてよい。
フローティング方式とは、図4に示すように塗工層を有する基材フィルム2の上下に設置されたノズル4から風を吹付けて、塗工層を有する基材フィルムが空中に浮いた状態で、塗工層を有する基材フィルムを搬送する方式である。なお矢印5は吹き付けられる風の方向を表す。工程(2−2)において、乾燥ゾーンとしては、熱ロール、乾燥炉、及び送風が挙げられる。乾燥ゾーンは搬送経路に2以上設けてもよい。2種類以上の乾燥ゾーンを設けてもよい。この場合の形態としては、乾燥炉と送風とを組み合わせる形態が挙げられる。
送風による乾燥は、塗工層を有する基材フィルムの上下に設置されたノズルから風を吹付ける風を温風とすることにより達成される。送風により乾燥するときの乾燥温度は50〜150℃であることが好ましく、60〜140℃であることがより好ましい。乾燥温度を50℃以上とすることにより、乾燥時間を短縮し、生産性を向上することができる。なお送風により乾燥するときの乾燥温度とは、塗工層へ吹き付けられる空気の温度のことをいう。風速は0.5〜20m/sであることが好ましく、1.0〜15m/sであることがより好ましい。風速が0.5〜20m/sであると、塗工層を有する基材フィルムのばたつきを抑えると共に、乾燥時間を短縮することができるため、幅方向の膜厚分布をより均一にしつつ、生産性を向上させることができる。送風により乾燥するときの乾燥時間は30〜1500秒であることが好ましく、180〜1000秒であることがより好ましく、360〜600秒であることが好ましい。なお送風により乾燥するときの乾燥時間とは、搬送されるフィルムに風が吹き付けられている時間のことをいう。
乾燥炉による乾燥は、乾燥炉内へフローティング方式により塗工層を有する基材フィルムを搬送することにより達成される。乾燥炉により乾燥するときの、乾燥炉内の雰囲気温度は、40〜130℃であることが好ましく、50〜120℃であることがより好ましい。乾燥温度を40℃以上とすることにより、乾燥時間を短縮し、生産性を向上することができる。乾燥炉により乾燥するときの乾燥時間は30〜1500秒であることが好ましく、180〜1000秒であることがより好ましく、360〜600秒であることがさらに好ましい。なお乾燥炉により乾燥するときの乾燥時間とは、搬送されるフィルムが乾燥炉に滞在している時間の合計のことをいう。
上記工程(2−2)を経て得られる積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みは、上述のとおり10μm以下である。またポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは4μm以上である。ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みが2μm以上であると、良好な偏光性能及び耐久性を有する偏光子層を得ることができるので好ましい。
上記工程(1−1)及び工程(2−1)、又は工程(1−2)及び工程(2−2)を含む工程により、本発明の積層フィルムを製造することができる。本発明の積層フィルムから、偏光性積層フィルム又は偏光板を製造する場合、本発明の積層フィルムに対してさらに以下の工程(3)及び工程(4)又は工程(3)〜工程(6)をそれぞれ施せばよい。
ロール・トゥー・ロール方式により本発明の積層フィルムを製造する場合、工程(2−1)又は工程(2−2)を経た段階で、一度ロールに巻き取り積層フィルムロールとしてもよいし、巻き取らずにそのまま後工程へ搬送してもよい。本発明の積層フィルムをロールに巻き取った積層フィルムロールは、幅方向の膜厚分布が均一であるため、積層フィルムロール端部の巻締まりが起こりづらく、後工程である工程(3)〜工程(6)における歩留まりを改善することができる。また、巻き取らずにそのまま後工程へ搬送した場合、ロールに巻き取る工程を省略することができるので、生産性が向上する。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの片面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成されていればよいが、もちろん基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成されていてもよい。基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成する方法としては、まず基材フィルムの片面に樹脂層を形成した後、基材フィルムにおける樹脂層が形成されていない面に対して、上記工程(1−1)及び工程(2−1)、又は工程(1−2)及び工程(2−2)を含む工程を施せばよい。本明細書において、基材フィルムの片面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムを片面積層品と呼ぶことがあり、基材フィルムの両面にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムを両面積層品と呼ぶことがある。両面積層品は、1枚の基材フィルムに2枚のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成できるので、生産性の点で有利である。
工程(3) 積層フィルムを一軸延伸し延伸積層フィルムを得る延伸工程
工程(4) 延伸積層フィルムを染色し、偏光子層及び基材フィルムを有する偏光性積層フィルムを得る染色工程
工程(5) 偏光性積層フィルムにおける偏光子層上に透明保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る貼合工程
工程(6) 多層フィルムから基材フィルムを剥離して、偏光子及び透明保護フィルムを有する偏光板を得る剥離工程
[工程(3)]
工程(3)では、基材フィルムおよびポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を有する積層フィルムを一軸延伸して、延伸積層フィルムを得る。好ましくは、5倍超かつ17倍以下の延伸倍率となるように一軸延伸する。さらに好ましい延伸倍率は、5倍超かつ8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が十分に配向しないため、結果として、偏光子層の偏光度が十分に高くならない不具合を生じることがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時に積層フィルムの破断を生じやすくなるとともに、延伸積層フィルムが必要以上に薄くなり、後工程での加工性やハンドリング性を低下させるおそれがある。工程(3)における延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく、多段で行うこともできる。この場合、二段階目以降の延伸工程は、工程(3)の中で行ってもよいが、工程(4)における染色処理や架橋処理と同時に行ってもよい。このように多段で延伸を行う場合は、延伸処理の全段を合わせて5倍超の延伸倍率となるように延伸処理を行う。工程(3)以外の工程で延伸を行う場合は、工程(3)における延伸倍率を1倍超3.5倍以下とすることができる。
工程(3)においては、積層フィルムの長さ方向に対して行なう縦延伸や、幅方向に対して延伸する横延伸などが採用できる。縦延伸を採用する場合、その方式としては、ロール間延伸方法、圧縮延伸方法などが挙げられ、横延伸を採用する場合、その方式としては、テンター法などが挙げられる。
また、延伸処理は、湿潤式延伸方法と乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が、積層フィルムを延伸するときの温度を広い範囲から選択できる点で、好ましい。
[工程(4)]
工程(4)では、延伸積層フィルムの樹脂層を、二色性色素で染色する。二色性色素として、具体的にはヨウ素または二色性有機染料が用いられる。二色性有機染料としては、たとえば、レッドBR、レッドLR、レッドR、ピンクLB、ルビンBL、ボルドーGS、スカイブルーLG、レモンイエロー、ブルーBR、ブルー2R、ネイビーRY、グリーンLG、バイオレットLB、バイオレットB、ブラックH、ブラックB、ブラックGSP、イエロー3G、イエローR、オレンジLR、オレンジ3R、スカーレットGL、スカーレットKGL、コンゴーレッド、ブリリアントバイオレットBK、スプラブルーG、スプラブルーGL、スプラオレンジGL、ダイレクトスカイブルー、ダイレクトファーストオレンジS、ファーストブラックなどがある。これらの二色性有機染料は、市場から入手できる。二色性色素は、1種類だけを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
工程(4)は、たとえば、上記二色性色素を含有する溶液(染色溶液)に、延伸フィルムを浸漬することにより行なわれる。染色溶液としては、上記二色性色素を溶媒に溶解した溶液が使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色溶液における二色性色素の濃度は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.02〜7重量%であることがより好ましく、0.025〜5重量%であることが特に好ましい。
二色性色素としてヨウ素を使用する場合、染色効率をより一層向上できることから、さらにヨウ化物を添加することが好ましい。そのために用いるヨウ化物は、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどでありうる。ヨウ化物を添加する場合、その割合は、染色溶液において、0.01〜20重量%であることが好ましい。上に挙げたヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムが好ましく用いられる。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムの割合は重量比で、1:5〜1:100の範囲にあることが好ましく、1:6〜1:80の範囲にあることがより好ましく、1:7〜1:70の範囲にあることが特に好ましい。
染色溶液への延伸積層フィルムの浸漬時間は、特に限定されないが、通常は15秒〜15分間の範囲であることが好ましく、30秒〜3分間であることがより好ましい。また、染色溶液の温度は、10〜60℃の範囲にあることが好ましく、20〜40℃の範囲にあることがより好ましい。
なお、染色処理を延伸工程の前または延伸工程と同時に行うことも可能であるが、ポリビニルアルコール系樹脂に吸着させた二色性色素を良好に配向させることができるよう、未延伸の積層フィルムに工程(3)を施した後で染色処理を行うことが好ましい。この際、予め目標の倍率で延伸されたものを単に染色するのみでもよいし、予め低倍率で延伸されたものを染色中に再度延伸して、トータルで目的の倍率に達するようにしてもよい。また、さらにその後の架橋処理中にも延伸する場合は、染色処理が終わった段階でのトータル延伸倍率を、目的の最終倍率よりも低めに設定しておくことができる。この場合は、架橋処理後に目的の倍率に達するよう、適宜調整すればよい。
工程(4)において、染色に次いで架橋処理を行うことができる。架橋処理は、たとえば架橋剤を含む溶液(架橋溶液)中に延伸フィルムを浸漬する方法により、行なうことができる。架橋剤としては、従来公知の物質を使用することができる。たとえば、ホウ酸やホウ砂の如きホウ素化合物や、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどが挙げられる。
架橋剤も、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
架橋溶液として、架橋剤を溶媒に溶解した溶液が使用できる。溶媒としては、たとえば水が使用できるが、さらに、水と相溶性のある有機溶媒を含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、これに限定されるわけではないが、1〜20重量%の範囲にあることが好ましく、6〜15重量%の範囲にあることがより好ましい。
架橋溶液中には、ヨウ化物を添加してもよい。ヨウ化物の添加により、樹脂層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物としては、たとえば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。架橋溶液におけるヨウ化物の含有量は、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.5〜8重量%である。
架橋溶液への延伸積層フィルムの浸漬時間は、通常、15秒〜20分間であることが好ましく、30秒〜15分間であることがより好ましい。また、架橋溶液の温度は、10〜90℃の範囲にあることが好ましい。
なお、架橋処理は、架橋剤を染色溶液中に配合することにより、染色処理と同時に行なうこともできる。この場合は、予め目標の倍率で延伸されたフィルムを、架橋剤が配合された染色溶液に浸漬し、そこでは実質的に染色と架橋のみが行なわれるようにしてもよいし、架橋剤が配合された染色溶液中で同時に延伸してもよい。工程(3)においては予め低倍率で延伸された延伸積層フィルムを、架橋剤が配合された染色溶液中で再度延伸することにより、トータルで目的の倍率に達するようにしてもよい。もちろん、延伸処理、染色処理および架橋処理をこの順に行なうことも可能であり、この場合、染色処理および/または架橋処理の段階で追加の延伸処理を行なうこともできる。要は、架橋処理が終わった段階で、トータルの延伸倍率が目的の値となるように設定すればよい。
最後に洗浄工程および乾燥工程を行なうことが好ましい。洗浄工程においては、水洗浄処理を採用することができる。水洗浄処理は通常、イオン交換水や蒸留水の如き純水に、延伸フィルムを浸漬することによって行なわれる。水洗浄の温度は、通常3〜50℃、好ましくは4℃〜20℃の範囲である。水への浸漬時間は、通常2〜300秒間、好ましくは3〜240秒間である。
洗浄工程は、ヨウ化物溶液による洗浄処理と水洗浄処理とを組み合わせてもよく、またこれらの洗浄工程においては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールの如き液体アルコールが適宜に配合された水溶液を用いることもできる。
ヨウ化物溶液が含有するヨウ化物としては、ヨウ化カリウムが挙げられ、その濃度は、通常0.5〜10重量%である。
洗浄工程の後に、乾燥工程を施すことが好ましい。乾燥工程においては、任意の適切な方法(たとえば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥など)が採用できる。たとえば、加熱乾燥の場合の乾燥温度は、通常20〜95℃であり、乾燥時間は、通常1〜15分間程度である。以上の工程(4)により、樹脂層が偏光子としての機能を有することになる。本明細書においては、偏光子としての機能を有する樹脂層を偏光子層といい、基材フィルム上に偏光子層を備えた積層体を偏光性積層フィルムという。
[工程(5)]
工程(5)では、偏光子層の基材フィルム側の面とは反対側の面に透明保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る。保護フィルムの貼合には、粘着剤や接着剤を用いることができる。
[保護フィルム]
保護フィルムは、光学機能を有さない単なる保護フィルムであってもよいし、位相差フィルムや輝度向上フィルムの如き光学機能を併せ持つ保護フィルムであってもよい。保護フィルムを構成する材料は特に限定されないが、たとえば、環状ポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースの如き酢酸セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など、当分野において従来から広く用いられてきている材料を用いることができる。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、適宜の市販品、たとえば、TOPAS(Topas Advanced Polymers GmbH製)、アートン(登録商標)(JSR株式会社製)、ゼオノア(ZEONOR)(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、ゼオネックス(ZEONEX)(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)、アペル(登録商標)(三井化学株式会社製)などを好適に用いることができる。このような環状ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとする際には、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の方法が適宜用いられる。また、エスシーナ(登録商標)(積水化学工業株式会社製)、ゼオノアフィルム(登録商標)(日本ゼオン株式会社製)などの予め製膜され、場合によってはさらに位相差が付与された環状ポリオレフィン系樹脂フィルムの市販品を用いてもよい。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。延伸することで、環状ポリオレフィン系樹脂フィルムに任意の位相差値を付与することができる。延伸は、通常、フィルムロールを巻き出しながら連続的に行われ、加熱炉にて、ロールの進行方向、その進行方向と直交する方向、またはその両方へ延伸される。加熱炉の温度は通常、環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度近傍からガラス転移温度+100℃までの範囲である。延伸の倍率は、一つの方向につき通常1.1〜6倍、好ましくは1.1〜3.5倍である。
環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは、一般に表面活性が劣るため、偏光子層と接着させる表面には、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理の如き表面処理を行うのが好ましい。中でも、比較的容易に実施可能なプラズマ処理やコロナ処理が好適である。
酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、適宜の市販品、たとえば、フジタック(登録商標)TD80(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD80UF(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD80UZ(富士フイルム株式会社製)、フジタック(登録商標)TD40UZ(富士フイルム株式会社製)、KC8UX2M(コニカミノルタ株式会社製)、KC4UY(コニカミノルタ株式会社製)などを好適に用いることができる。
酢酸セルロース系樹脂フィルムの表面には、視野角特性を改良するために液晶層などを形成してもよい。また位相差を付与するため、延伸された酢酸セルロース系樹脂フィルムを用いることもできる。酢酸セルロース系樹脂フィルムは、偏光子層との接着性を高めるため、通常はケン化処理が施される。ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの如きアルカリの水溶液にフィルムを浸漬することによって行なわれる。
上述したような保護フィルムの表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層の如き光学層を形成することもできる。保護フィルム表面にこれらの光学層を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
保護フィルムの厚みは、薄型化の観点からできるだけ薄いものが好ましく、90μm以下、さらには50μm以下であることが好ましい。逆に薄すぎると、強度が低下して加工性が阻害される可能性があるので、5μm以上であることが好ましい。
[粘着剤層]
粘着剤は、通常、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂などをベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物の如き架橋剤を加えた組成物から形成される。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。
粘着剤層は、1〜40μmの厚みを有することが好ましいが、加工性や耐久性等の特性を損なわない範囲で、薄く塗るのが好ましく、たとえば、3〜25μmの厚みを有することがより好ましい。3〜25μmの厚みとすれば、良好な加工性を有し、かつ偏光板の寸法変化を抑えるうえでも好適である。粘着剤層の厚みが1μmを下回ると、粘着性が低下し、一方、その厚みが40μmを超えると、粘着剤がはみ出すなどの不具合を生じやすくなる。
保護フィルムや偏光子層上に粘着剤層を形成する方法は特に限定されるものでなく、保護フィルム面または偏光子層面に、上記したベースポリマーをはじめとする各成分を含む溶液を塗布し、乾燥して粘着剤層を形成した後、その粘着剤層にセパレータや他種のフィルムを貼り合わせてもよいし、セパレータ上に粘着剤層を形成した後、保護フィルム面または偏光子層面に貼り付けて積層してもよい。また、粘着剤層を保護フィルムまたは偏光子層面に形成する際には、必要に応じて保護フィルムもしくは偏光子層面、または粘着剤層のうち、貼り合わされる片方もしくは両方の面に、密着処理、たとえばコロナ処理などを施してもよい。
[接着剤層]
接着剤として、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などからなる水系接着剤を用いることができる。中でもポリビニルアルコール系樹脂水溶液が好適に用いられる。接着剤として用いるポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにはそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。水系接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物などが、添加剤として添加されてもよい。このような水系の接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層は、通常1μmよりもはるかに薄く、通常の光学顕微鏡で断面を観察しても、その接着剤層は事実上観察されない。
水系接着剤を用いたフィルムの貼合方法は特に限定されるものでなく、フィルムの表面に接着剤を均一に塗布するか、または流し込み、塗布面にもう一方のフィルムを重ねてロールなどにより貼合し、乾燥する方法などが挙げられる。通常、接着剤は、その調製後、15〜40℃の温度下で塗布され、貼合温度は、通常15〜30℃の範囲である。
水系接着剤を使用する場合は、フィルムを貼合した後、水系接着剤中に含まれる水を除去するため、乾燥させる。乾燥炉の温度は、30〜90℃の範囲が好ましい。乾燥温度が30℃未満では、接着面が剥離しやすくなる傾向にある。一方、乾燥温度が90℃以上になると、熱によって偏光子などの光学性能が劣化するおそれがある。乾燥時間は、10〜1000秒程度とすることができる。
乾燥後はさらに、室温またはそれよりやや高い温度、たとえば、20〜45℃程度の温度で12〜600時間程度養生してもよい。養生のときの温度は、乾燥時に採用した温度よりも低く設定されるのが一般的である。
また非水系の接着剤として、光硬化性接着剤を用いることもできる。光硬化性接着剤としては、たとえば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などを挙げることができる。
光硬化性接着剤を用いてフィルムを貼合する場合は、従来公知の方法が採用でき、たとえば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、フィルムの接着面に接着剤を塗布し、2枚のフィルムを重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物である2枚のフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。
フィルムの表面に接着剤を塗布した後、ニップロールなどで挟んでフィルムを貼り合わせることにより、接着される。また、この積層体をロール等で加圧して均一に押し広げる方法も好適に使用することができる。この場合、ロールの材質は、金属やゴムなどであることができる。さらに、この積層体をロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法も好ましく採用される。この場合、これらロールは同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。ニップロール等を用いて貼り合わされた後の接着剤層は、乾燥または硬化前の厚さが、0.01μm以上5μm以下となるようにすることが好ましい。
フィルムの接着表面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理の如き表面処理を適宜施してもよい。
ケン化処理は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの如きアルカリの水溶液にフィルムを浸漬することによって行なわれる。
接着剤として光硬化性樹脂を用いた場合は、フィルムを積層後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
光硬化性接着剤への光照射強度は、光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cmとなるようにすることが好ましい。照射強度をこの範囲で適宜選択することにより、反応時間が長くなりすぎず、また光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱による接着剤の黄変や偏光板の劣化を生じる可能性を抑えることができる。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤に応じて決定されるものであって、やはり特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量をこの範囲で適宜選択することにより、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、また照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。硬化後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度となるが、好ましくは0.01μm以上であり、また好ましくは2μm以下である。
活性エネルギー線の照射によって、偏光子層と保護フィルム等との間にある光硬化性接着剤を硬化させる場合、偏光子層の偏光度、透過率および色相、ならびに保護フィルムの透明性など、偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行なうことが好ましい。
[工程(6)]
工程(6)では、保護フィルム、偏光子層、基材フィルムをこの順に有する多層フィルムから基材フィルムを剥離する。基材フィルムの剥離方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板において採用されている粘着剤層からの剥離フィルムの剥離工程と同様の方法で剥離できる。保護フィルムを貼合する工程(5)の後、そのまますぐ基材フィルムを剥離してもよいし、一度ロール状に巻き取った後、別に剥離工程を設けて、そこで基材フィルムを剥離してもよい。このようにして、保護フィルム、偏光子層を有する偏光板を製造することができる。
さらに偏光子層上に保護フィルムを貼合して、保護フィルム、偏光子層、保護フィルムをこの順に有する偏光板を得てもよい。新たに貼合する保護フィルムとしては、上述の保護フィルムと同様の保護フィルムを挙げることができる。保護フィルムの貼合は、上記と同様に粘着剤や接着剤を用いることができる。さらに保護フィルム上にその他の光学フィルムを貼合してもよい。その他の光学フィルムとしては、輝度向上フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム、視野角補償フィルムが挙げられる。その他の光学フィルムと保護フィルムとは、上記粘着剤及び上記接着剤により貼合することができる。
本発明の偏光板は、透明樹脂フィルムの外側(すなわち偏光フィルムと積層される側とは反対側の表面)に、当該偏光板を液晶セルに貼合するための粘着剤層を有することが好ましい。当該偏光板を液晶セルに貼合するための粘着剤層を形成する粘着剤としては、上記粘着剤を使用することができる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性などの観点から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。偏光板を液晶セルに貼合するまでの間、セパレータにより粘着剤層を保護しておくことが好ましい。
[工程(7)]
工程(7)は、長尺状の偏光板を所定の大きさに切断するチップカット工程である。上記工程により製造された偏光板は、液晶表示装置などの表示装置を構成する部材として好適である。ロール・トゥー・ロール方式により偏光板を製造した場合は、長尺状の偏光板を、所定の大きさの枚葉体となるよう裁断し、表示装置に組み込めばよい。
長尺状の偏光板を枚葉体に裁断する方法としては、鋭利な刃を有する切断工具で切断する方法、レーザー光を照射して切断する方法及び両者を組み合わせた方法が挙げられる。
鋭利な刃を有する切断工具としては、光学フィルム分野で通常使用されているカッターであればよく、例えば押し切り型カッター、ダイシング型カッターさらには固定丸刃や回転丸刃等が挙げられる。レーザー光としては、CO2レーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等が挙げられ、中でも、CO2レーザー又は半導体レーザーが好ましい。またレーザー光は連続光であってもパルス光であってもよい。前記レーザー照射において、出力および速度は制限されず、一回の照射で切断しても、複数の照射で切断してもよい。前記レーザー照射の出力は、通常10W〜800Wであり、1回の照射で切断する場合、100W〜350Wが好ましく、2回の照射で切断する場合には、例えば、50W〜200Wが好ましい。
鋭利な刃を有する切断工具で切断する方法とレーザー光を照射して切断する方法とを組み合わせた方法としては、偏光板を厚み方向の途中までレーザー光により切断し、残りを鋭利な刃を有する切断工具により切断する方法が挙げられる。このような実施形態としては、表層からレーザー光の吸収率が5%以下となる層の直前又は直後までをレーザー光により切断し、残りを鋭利な刃を有する切断工具で切断することが好ましい。
偏光板を切断する速度は、切断加工する偏光板の厚さにも依存するが、偏光板の厚さが70〜500μmの範囲であれば、1m/分以上、好ましくは5〜60m/分である。
このように長尺状の偏光板を枚葉体に裁断した後、偏光板枚葉体はその側周面を切削加工されることが好ましい。側周面を切削加工するための方法としては、例えば、特開2001-54845号公報に開示されるような、偏光板の外周端部を回転刃で切削する方法や、特開2003-220512号公報に開示されるような、フライカット法にて連続的に偏光板の外周端部を切削する方法などが、好ましく採用される。側周面をこのような方法で切削加工することにより、粘着剤成分が側周面を均一に覆うためであると推測されるが、有利には偏光子層が外部に剥き出しの状態となるのを避けることができる。
上記工程(7)を経て得られる偏光板の形状は特に制限されないが、好ましくは矩形である。偏光板の形状が矩形である場合、長辺の長さは例えば5cm以上であり、短辺の長さは例えば3cm以上である。上限は特に制限されないが長辺及び短辺の長さは通常5m以下である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[評価方法]
<幅方向の樹脂層厚みの最大振幅>
干渉膜厚計(F20 フィルメトリクス社製)により、積層フィルムの幅方向全幅を走査して、幅方向の膜厚のプロファイルを測定した。測定したサンプルの層構成は、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層である。測定間隔が2mm以下となるように、自動ステージでサンプルを動かしながら測定をした。 このようにして得られた幅方向の膜厚のプロファイルにおける、最も大きな山と最も大きな谷との差の大きさを最大振幅とした。
<膜厚分布の周期強度>
上記のようにして得られた幅方向の厚みプロファイルをマイクロソフトエクセル2010に組み込まれたフーリエ解析により、高速フーリエ変換した。このようにして得られる波数スペクトルのうち、周期が30〜70mmの領域における最大の振幅の値を膜厚分布の周期強度とした。具体的には、このとき計算に使用するデータ数(A)は、得られた幅方向の厚みプロファイルのデータ数(B)よりも小さく、かつBに最も近い2の乗数とした。振幅の値は、フーリエ変換の結果の絶対値をCとしたとき、2C/Aで表され、周期は、N番目のデータの幅位置をLnとしたとき、Ln/Nで表される。計算に使用したA個のデータに対して、それぞれ振幅と周期とを求め周期が30〜70mmの領域における最大の振幅を求めた。
[実施例1]
<積層フィルムの作製>
(1)基材フィルム
基材フィルムとして、厚み90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点:163℃)を用意した。この基材フィルムの80℃での引っ張り弾性率は205MPaであった。
(2)プライマー層形成用塗工液の調製
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業株式会社製「Z−200」、平均重合度1100、平均ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(住友化学株式会社製「スミレーズレジン(登録商標)650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部混合してプライマー層形成用塗工液を得た。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の調整
ポリビニルアルコール粉末(株式会社クラレ製「PVA124」、平均重合度2400、平均ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度8重量%のポリビニルアルコール水溶液であるポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を調製した。
(4)工程(1)、工程(2)
・片面積層品
基材フィルムを連続的に搬送しながら、その片面にコロナ処理を施し、次いでコロナ処理された面にマイクログラビアコーターにより、上記プライマー層用塗工液を連続的に塗工した。その後60℃で3分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。引き続き、フィルムを搬送しながら、プライマー層上にリップコーターにより上記ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を連続的に塗工した。
ガイドロールが8本ある乾燥炉において80℃で10分間、乾燥させることにより、プライマー層上に厚み9.5μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得た。この時乾燥炉内の露点は27℃であり、8本目のロールにかかる前に、塗工層に指で触れて確認したところ湿り気を感じなかったので、樹脂層は固化したものと判断することができた。
測定間隔0.85mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は0.6μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.06であった。
・両面積層品
さらに、基材フィルムにおける樹脂層を形成した面とは反対側の面に同様の処理を施して、基材の両面に厚み0.2μmのプライマー層、厚み9.5μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、両面積層品の積層フィルムを作成した。乾燥炉内の露点は28℃であった。
測定間隔0.90mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は0.2μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.03であった。
(5)工程(3)
上記(4)で得られた積層フィルム連続的に搬送しながら、ニップロール間での延伸方法により縦方向(フィルム搬送方向)に、延伸温度140℃で2.5倍に延伸し、ついで160℃で2.3倍に延伸(総延伸倍率:5.8倍)して延伸積層フィルムを得た。延伸積層フィルムにおけるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みは、それぞれ5.2μm、5.3μmであった。
<偏光性積層フィルムの作製>
(6)工程(4)
上記延伸積層フィルムをヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色溶液に滞留時間が150秒間程度となるように浸漬してポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の染色処理を行い、次いで、10℃の純水で余分な染色溶液を洗い流した。引き続き、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む76℃の架橋溶液に滞留時間が600秒間となるように浸漬して架橋処理を行った。その後、10℃の純水で4秒間洗浄し、80℃で300秒間乾燥させることにより偏光性積層フィルムを得た。
<偏光板の作製>
(7)工程(5)、工程(6)
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製「KL−318」、平均重合度1800)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業株式会社製「スミレーズレジン(登録商標)650」)をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部混合し、接着剤溶液とした。
次に、偏光性積層フィルムに上記接着剤溶液を両面の偏光子層上に塗工した後、貼合面にケン化処理を施した保護フィルム〔トリアセチルセルロース(TAC)からなる透明保護フィルム(コニカミノルタオプト株式会社製「KC4UY」)、厚み40μm〕を偏光子層上に貼合し、一対の貼合ロール間に通すことにより圧着し、TAC/偏光子/プライマー層/基材フィルム/プライマー層/偏光子/TACからなる多層フィルムを得た。多層フィルムを基材フィルムとプライマー層との間で剥離し、TAC/偏光子/プライマー層/基材フィルム、プライマー層/偏光子/TACとした。次いで、基材フィルムを剥離除去しTAC/偏光子/プライマー層からなる偏光子層上に接着剤層を介して保護フィルムが積層された偏光板を得た。前記剥離工程で破断といった不具合は生じなかった。
<スジムラの確認>
それぞれの偏光板について吸収軸方向に150mm、吸収軸と直角の方向に対し全幅の大きさに切り出し105℃のオーブンに30分間投入したのち、バックライト上で他の偏光板とクロス二コルとして観察したところ両方の偏光板に特に目立つムラは確認されなかった。
[実施例2]
実施例1の片面積層品において、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の乾燥ゾーンのガイドロールの本数を3本とし、乾燥炉により90℃で5分間、乾燥させたこと以外は実施例1と同様にしてプライマー層上に厚み9.6μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した。乾燥炉内の露点は26℃であり、3本目のロールの直前で、塗工層に指で触れて確認したところ湿り気を感じなかったので、樹脂層は固化しているものと判断することができた。
測定間隔0.83mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は0.6μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.03であった。
片面積層状態であること以外は実施例1と同様にして偏光板を製造したが、特に不具合は生じず、目立ったスジムラも確認されなかった。
[実施例3]
実施例2の片面積層品において、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液の乾燥ゾーンのガイドロールの本数を1本とし、乾燥炉により90℃で5分間、乾燥させたこと以外は実施例2と同様にしてプライマー層上に厚み9.4μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した。燥炉内の露点は27℃であり、乾燥炉の出口前で、塗工層に指で触れて確認したところ湿り気を感じなかったので、樹脂層は固化しているものと判断することができた。
測定間隔0.86mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は0.7μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.06であった。
片面積層状態であること以外は実施例1と同様にして偏光板を製造したが、特に不具合は生じず、目立ったスジムラも確認されなかった。
[実施例4]
実施例3において、ポリビニルアルコール系樹脂層を含有する水溶液の乾燥ゾーンをフローティング方式とし、乾燥炉及び送風により80℃で20分間、乾燥させたこと以外は実施例3同様にして、プライマー層上に厚み9.9μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した。乾燥炉内の露点は45℃であった。
測定間隔0.78mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は1.2μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.07であった。
実施例2と同様にして偏光板を製造したが、特に不具合は生じず、目立ったスジムラも確認されなかった。
[実施例5]
実施例4において、乾燥炉内の露点を20℃とした以外は実施例4と同様にしてプライマー層上に厚み9.1μmのポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した。
測定間隔0.78mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は0.9μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.07であった。
実施例4と同様にして偏光板を製造したが、特に不具合は生じず、目立ったスジムラも確認されなかった。
[比較例1]
ポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層の厚みを11.9μmとした以外は、実施例3と同様にしてプライマー層上にポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成した。
測定間隔0.83mmで幅方向の膜厚プロファイルを得た。幅方向の膜厚の最大振幅は2.45μmであった。また、このときの膜厚分布の周期強度は0.10であった。
実施例3と同様にして偏光板を製造したところ特に不具合は生じなかったが、スジムラを確認したところ強いスジが確認された。
[比較例2]
基材フィルムとして80℃における弾性率が100MPaのものを使用したところプライマー層形成時に収縮が非常に大きくシワが生じた。
Figure 0006296107
本発明の積層フィルムによれば、光学的なスジムラのない偏光板を提供することができるので有用である。
1、11〜18:ガイドロール
2:塗工層を有する基材フィルム
3:矢印
4:ノズル
5:矢印

Claims (6)

  1. 80℃における引張弾性率が180MPa以上である長尺状の基材フィルム上に、幅方向の厚みの平均値が10μm以下であるポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層が形成された積層フィルムであって、
    測定間隔が0.05mm以上2mm以下となるように干渉膜厚計により測定した前記樹脂層の幅方向の厚みの最大振幅が1.3μm以下であり、
    前記樹脂層の幅方向における膜厚分布を高速フーリエ変換したときに、周期が30mm以上70mm以下の領域における最大の振幅の値が0.09以下であり、
    前記基材フィルムは後に剥離されるフィルムである積層フィルム。
  2. 以下の工程(1−1)及び工程(2−1)を含む、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
    工程(1−1) 80℃における引張弾性率が180MPa以上である基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程
    工程(2−1) 塗工層を有する基材フィルムを乾燥ゾーンへ搬送し、乾燥ゾーンにおいては、少なくとも1本のガイドロールにより塗工層を有する基材フィルムを支持しながら、塗工層を乾燥させてポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程
  3. 以下の工程(1−2)及び工程(2−2)を含む、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
    工程(1−2) 80℃における引張弾性率が180MPa以上である基材フィルム上に、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成し、塗工層を有する基材フィルムを得る塗工工程
    工程(2−2) 塗工層を有する基材フィルムをフローティング方式で乾燥ゾーンへ搬送することにより、塗工層を乾燥させて、厚みが10μm以下のポリビニルアルコール系樹脂からなる樹脂層を形成し、積層フィルムを得る乾燥工程であって、
    前記乾燥ゾーンにおける雰囲気の露点が、50℃以下である乾燥工程
  4. 以下の工程(3)及び工程(4)を含む偏光性積層フィルムの製造方法。
    工程(3) 請求項1に記載の積層フィルムを一軸延伸し延伸積層フィルムを得る延伸工程
    工程(4) 延伸積層フィルムを染色し、偏光子層及び基材フィルムを有する偏光性積層フィルムを得る染色工程
  5. 以下の工程(3)〜工程(6)を含む偏光板の製造方法。
    工程(3) 請求項1に記載の積層フィルムを一軸延伸し延伸積層フィルムを得る延伸工程
    工程(4) 延伸積層フィルムを染色し、偏光子層及び基材フィルムを有する偏光性積層フィルムを得る染色工程
    工程(5) 偏光性積層フィルムにおける偏光子層上に透明保護フィルムを貼合して多層フィルムを得る貼合工程
    工程(6) 多層フィルムから基材フィルムを剥離して、偏光子及び透明保護フィルムを有する偏光板を得る剥離工程
  6. 以下の工程(7)を含む偏光板の枚葉体の製造方法。
    工程(7) 請求項5に記載の偏光板を矩形に裁断することにより、偏光板の枚葉体を得る裁断工程
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