JP2018092156A - 偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光学特性を有しながらも収縮力が抑制された偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向しているものである。偏光フィルムは、ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置等の表示装置等に広く用いられている。偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子層の片面又は両面に保護フィルムを貼合して構成したものが一般的である。画像表示装置のモバイル機器や薄型テレビ等への展開に伴い、偏光板の薄型化への要求が高まっている。
薄膜の偏光子層を有する偏光板を製造する方法としては、基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液をコーティングすることによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成した積層フィルムを延伸した後、ポリビニルアルコール系樹脂層に二色性色素を吸着させる染色処理を施して、基材フィルム上に偏光子層が形成された偏光性積層フィルムを製造する方法が公知である(例えば、特許文献1)。
上記の方法によれば、コーティングによってポリビニルアルコール系樹脂層を形成するため、ポリビニルアルコール系樹脂からなる単層(単体)フィルムの薄膜化に比べて、ポリビニルアルコール系樹脂層の薄膜化が容易であり、したがって偏光子層の薄膜化も容易となる。
特許文献1には、優れた光学特性を得るために、高倍率に延伸することが記載されている。
一方、上述のように基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液をコーティングする方法で製造されたものではないが、特許文献2には、ブルーリークの発生を抑えるためにホウ酸架橋度を高めた偏光子が記載されている。
特許5667016号公報 特許5985813号公報
偏光子層や偏光子の偏光度を向上するためには、上述のように、延伸倍率を高くする、ホウ酸架橋度を高めることの他、ネックイン率を上げること等が考えられる。しかしながら、これらの方法では、偏光子層や偏光子を加熱したときの収縮力が大きくなる傾向にあり、偏光子層や偏光子の破断が生じやすくなる。
本発明は、高い光学特性を有しながらも収縮力が小さい偏光フィルム及び偏光性積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す偏光フィルム、偏光板、並びに、偏光性積層フィルム及び偏光板の製造方法を提供する。
〔1〕 ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向している偏光フィルムであって、
ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、
視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、
波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満である、偏光フィルム。
〔2〕 80℃で4時間保持したときにおける吸収軸方向の幅2mm、厚み5μmあたりの収縮力が1.77N/5μm未満である、〔1〕に記載の偏光フィルム。
〔3〕 厚さが10μm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の偏光フィルム。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを有する偏光板。
〔5〕 基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程と、
前記積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程と、
前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して染色層を形成することにより染色積層フィルムを得る染色工程と、
ホウ酸を含む架橋液で前記染色積層フィルムの前記染色層を架橋して架橋層を形成することにより架橋積層フィルムを得る架橋工程と、
前記架橋積層フィルムの前記架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る脱ホウ素工程と、をこの順に有し、
前記脱ホウ素工程は、前記架橋層と脱ホウ素液とが接触する脱ホウ素液接触工程を有し、前記脱ホウ素液は、前記架橋液のホウ酸濃度よりも低いホウ酸濃度を有し、
前記脱ホウ素液接触工程では、前記架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさを、前記架橋工程において前記染色層積層フィルムに加えられる張力の大きさよりも小さくなるように制御する、偏光性積層フィルムの製造方法。
〔6〕 〔5〕に記載の製造方法により偏光性積層フィルムを製造する工程と、
前記偏光子層における前記基材フィルムとは反対側の面に保護フィルムを貼合する工程と、
前記基材フィルムを剥離除去する工程と、
をこの順で含む、偏光板の製造方法。
本発明によれば、高い光学特性を有しながらも収縮力が抑制された偏光フィルム及び偏光板を提供することができる。また、本発明によれば、光学特性に優れ、収縮力が小さい偏光子層を有する偏光性積層フィルムの製造方法及び偏光板の製造方法を提供することができる。
本発明に係る偏光性積層フィルムの製造方法及び偏光板の製造方法を示すフローチャートである。 樹脂層形成工程で得られる積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 延伸工程で得られる延伸フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 脱ホウ素工程で得られる偏光性積層フィルムの層構成の一例を示す概略断面図である。 第1保護フィルム貼合工程で得られる保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 剥離工程で得られる片面保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。 第2保護フィルム貼合工程で得られる両面保護フィルム付偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
<偏光フィルム>
偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向しているものであって、例えば、後述する偏光性積層フィルムの偏光子層として得ることができる。偏光フィルムは、ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満であることができる。偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂層が延伸された延伸フィルムであり、この延伸は好ましくは一軸延伸である。
偏光フィルム中のホウ素は、後述するポリビニルアルコール系樹脂層を架橋するために用いられる架橋液中のホウ酸に由来するものである。偏光フィルムのホウ素含有率が大きい、すなわちポリビニルアルコール系樹脂層の架橋度が高いと、偏光度等の光学特性を向上することができるが、偏光フィルムを加熱したときの収縮力が大きくなる傾向にある。一方、偏光フィルムのホウ素含有率が小さい、すなわち架橋度が低いと、偏光フィルムの加熱時の収縮力を小さくすることができるが、十分な耐水性及び優れた光学特性が得られにくくなる傾向にある。
偏光フィルムのホウ素含有率は、2.5重量%以上4.1重量%以下とすることができる。これにより、偏光フィルムの加熱時に生じる収縮力を抑制することができる。偏光フィルムのホウ素含有率は、好ましくは2.6重量%以上4.0重量%以下であり、より好ましくは2.7重量%以上3.5重量%以下である。偏光フィルムのホウ素含有率は、後述する実施例の記載にしたがって測定される。
偏光フィルムを80℃で4時間保持したときの偏光フィルムの吸収軸方向(延伸方向)の幅2mm、偏光フィルムの厚み5μmあたりの収縮力は、好ましくは1.77N/5μm未満であり、より好ましくは1.70N/5μm以下であり、さらに好ましくは1.60N/5μm以下であり、1.40N/5μm以下であってもよい。収縮力の下限値は、特に限定されないが、理想的には0N/5μmであり、通常0.1N/5μm以上であり、0.2N/5μm以上であってもよい。一方、偏光フィルムは膨張しないほうが好ましいため、−0.01N/5μm以上であることが好ましい。偏光フィルムの収縮力は、後述する実施例の記載にしたがって偏光フィルムの収縮力を測定して得られた値(実測収縮力)及び偏光フィルムの厚みを測定して得られた値を、下式にしたがって厚み5μmあたりに換算して算出される値である。
収縮力[N/5μm]=(偏光フィルムの実測収縮力[N])/(偏光フィルムの厚み(実測値)[μm])×5
上述のように、ポリビニルアルコール系樹脂層の架橋度を高めて偏光フィルムのホウ素含有率を大きくすると、偏光度等の光学特性を向上することができるが、偏光フィルムの収縮力が大きくなる。一方、ポリビニルアルコール系樹脂層の架橋度を低くして偏光フィルム中のホウ素含有率を小さくすると、優れた光学特性を得ることは難しい。
そのため、偏光フィルムでは、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比を0.022未満とする。これにより、偏光フィルムの収縮力を抑制できる程度にホウ素含有率を小さくしながら、視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、視感度補正単体透過率(Ty)が41.5%であるときに視感度補正偏光度(Py)が99.994超という優れた光学特性を実現することができる。視感度補正単体透過率(Ty)の下限値は、好ましくは41.0%以上であり、より好ましくは41.5%以上であり、上限値は50%以下であり、好ましくは47%以下である。視感度補正単体透過率(Ty)が41.5%であるときの視感度補正偏光度(Py)の下限値は、好ましくは99.995以上であり、より好ましくは99.996以上である。
偏光フィルムの波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比を規定することによって、偏光フィルムの光学特性を向上できる理由は次のように説明できる。ヨウ素で染色されたポリビニルアルコール系樹脂層では、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が吸着配向している。この吸着配向したヨウ素はI やI 等のポリヨウ素イオンの錯体を形成する。これらの錯体のうち、475nmに吸収帯を有するポリヨウ素イオンの錯体(I 錯体)は、他のポリヨウ素イオンの錯体に比較すると配向が乱れやすいため、偏光フィルムの偏光度を下げる原因となりやすい。
また、波長475nmに吸収帯を有するポリヨウ素イオンの錯体の中にも、相対的に配向性の高い錯体と相対的に配向性の低い錯体とが存在する。偏光フィルムの偏光度を向上させるためには、ポリビニルアルコール系樹脂層において、波長475nmに吸収帯を有するポリヨウ素イオンの錯体の中でも相対的に配向性の高い錯体の含有率を大きくすることが好ましい。
波長475nmに吸収帯を有するポリヨウ素イオンの錯体の中でも相対的に配向性の高い錯体の含有率は、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比で評価することができる。ここで、波長475nmにおける平行吸光度は、グラントムソンプリズムから出射される偏光の向きと試料(偏光フィルム)の透過軸とを平行にしたときの透過率を吸光度に換算した値である。また、475nmにおける直交吸光度は、グラントムソンプリズムから出射される偏光の向きと試料(偏光フィルム)の透過軸とを直交させたときの透過率を吸光度に換算したものである。
波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が小さいほど、平行吸光度が小さく直交吸光度が大きい。このことは、上記比が小さいほど、波長475nmに吸収帯を有するポリヨウ素イオンの錯体のうち、偏光フィルムの透過軸に直交する方向(偏光フィルムの吸収軸方向)に配向した相対的に配向性の高い錯体の含有率が大きくなることを意味する。したがって、上記比を小さくすることにより偏光フィルムの偏光度を向上することができる。
このように、偏光フィルムの波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比を0.022未満とすることにより、配向性の低い錯体の量を小さくして、偏光フィルムの偏光度を向上することができる。上記比の上限値は、より好ましくは0.0218未満であり、さらに好ましくは0.0217未満であり、下限値は、好ましくは0.010以上であり、より好ましくは0.015以上である。
偏光フィルムの厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは7μm以下である。偏光フィルムの厚みが10μm以下であることにより、後述する偏光板の薄型化を実現することができる。偏光フィルムの厚みの下限値は、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上である。このような偏光フィルムは、薄膜化を実現しながらも、光学特性を向上し、収縮力を抑制することができるものである。
偏光フィルムのポリビニルアルコール系樹脂層を構成するポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂層については後述するものを用いることができる。また、偏光フィルムは、例えば後述する偏光性積層フィルムの製造方法にしたがって製造することができる。
<偏光板>
偏光フィルムは、その少なくとも一方の面に保護フィルムを設けて偏光板とすることができる。偏光板は、偏光フィルムの片面に保護フィルムを設けた片面保護フィルム付偏光板とすることもでき、偏光フィルムの両面に保護フィルムを設けた両面保護フィルム付偏光板としてもよい。両面保護フィルム付偏光板の2つの保護フィルムは、同種の保護フィルムであってもよく、異種の保護フィルムであってもよい。
保護フィルムを構成する材料については後述するものを用いることができ、例えば後述する偏光板の製造方法にしたがって製造することができる。
(偏光板の用途)
片面保護フィルム付偏光板、両面保護フィルム付偏光板は、周辺部材を貼合して複合偏光板としたり、このような複合偏光板として使用したりすることができる。周辺部材としては、保護フィルム上に貼合される傷付き防止用のプロテクトフィルム;保護フィルム上(例えば、両面保護フィルム付偏光板の場合)又は偏光子層上(例えば、片面保護フィルム付偏光板の場合)に積層される、偏光板を表示セルや他の光学部材に貼合するための粘着剤層;粘着剤層の外面に積層されるセパレートフィルム;保護フィルム上(例えば、両面保護フィルム付偏光板の場合)又は偏光子層上(例えば、片面保護フィルム付偏光板の場合)に積層される、位相差フィルムのような光学補償フィルムや、その他の光学機能性フィルムが挙げられる。
周辺部材の一例である粘着剤層は、両面保護フィルム付偏光板にあってはいずれかの保護フィルムの外面に積層することができ、片面保護フィルム付偏光板にあっては、例えば剥離面に積層することができる。粘着剤層を形成する粘着剤は通常、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂等をベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有して光散乱性を示す粘着剤層とすることもできる。粘着剤層の厚みは通常、1〜40μmであり、好ましくは3〜25μmである。
また、周辺部材の他の一例である光学機能性フィルムとしては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム;表面反射防止機能付フィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;視野角補償フィルム等が挙げられる。
<偏光性積層フィルムの製造方法>
図1を参照して、偏光板の製造中間体である偏光性積層フィルムは、下記工程:
基材フィルムの少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層フィルムを得る樹脂層形成工程S10、
前記積層フィルムを延伸して延伸フィルムを得る延伸工程S20、
前記延伸フィルムの前記ポリビニルアルコール系樹脂層をヨウ素で染色して染色層を形成することにより染色積層フィルムを得る染色工程S30、
ホウ酸を含む架橋液で前記染色積層フィルムの前記染色層を架橋して架橋層を形成することにより架橋積層フィルムを得る架橋工程S40と、
前記架橋積層フィルムの前記架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層を形成することにより偏光性積層フィルムを得る脱ホウ素工程S50と、
をこの順に含む方法によって製造される。
なお、本発明における偏光性積層フィルムとは、基材フィルムと、その少なくとも一方の面上に積層される偏光子層とを備えるものであり、かつ、保護フィルムが貼合されていないものをいう。後述する第1保護フィルム貼合工程S60にて偏光子層に第1保護フィルムを貼合してなる偏光性積層フィルムを、以下では、偏光性積層フィルムと区別するために、「保護フィルム付偏光性積層フィルム」ともいう。
(1)樹脂層形成工程S10
図2を参照して本工程は、基材フィルム30の少なくとも一方の面にポリビニルアルコール系樹脂層6を形成して積層フィルム100を得る工程である。このポリビニルアルコール系樹脂層6は、延伸工程S20、染色工程S30、架橋工程S40、脱ホウ素工程S50を経て偏光子層5となる層である。ポリビニルアルコール系樹脂層6は、ポリビニルアルコール系樹脂を含有する塗工液を基材フィルム30の片面又は両面に塗工し、塗工層を乾燥させることにより形成することができる。このような塗工によりポリビニルアルコール系樹脂層6を形成する方法は、薄膜の偏光子層5を得やすい点で有利である。樹脂層形成工程S10は、典型的には、長尺の基材フィルム30の巻回し品であるフィルムロールから基材フィルム30を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
(基材フィルム)
基材フィルム30は熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;ポリエステル系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリスルホン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;及びこれらの混合物、共重合物等を含む。
基材フィルム30は、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる1つの樹脂層からなる単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。基材フィルム30は、後述する延伸工程S20にて積層フィルム100を延伸する際、ポリビニルアルコール系樹脂層6を延伸するのに好適な延伸温度で延伸できるような樹脂で構成されることが好ましい。
鎖状ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂のような鎖状オレフィンの単独重合体の他、2種以上の鎖状オレフィンからなる共重合体を挙げることができる。鎖状ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルム30は、安定的に高倍率に延伸しやすい点で好ましい。中でも基材フィルム30は、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンの単独重合体であるポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主体とする共重合体)、ポリエチレン系樹脂(エチレンの単独重合体であるポリエチレン樹脂や、エチレンを主体とする共重合体)等からなることがより好ましい。
基材フィルム30を構成する熱可塑性樹脂として好適に用いられる例の1つであるプロピレンを主体とする共重合体は、プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体である。
プロピレンに共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンとしては、炭素数4以上のα−オレフィンが好ましく用いられ、より好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンである。炭素数4〜10のα−オレフィンの具体例は、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンのような直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンのような分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサン等を含む。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
上記他のモノマーの含有量は、共重合体中、例えば0.1〜20重量%であり、好ましくは0.5〜10重量%である。共重合体中の他のモノマーの含有量は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行うことにより求めることができる。
上記の中でも、ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体又はプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体が好ましく用いられる。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックであることが好ましい。実質的にアイソタクチック又はシンジオタクチックの立体規則性を有するポリプロピレン系樹脂からなる基材フィルム30は、その取扱性が比較的良好であるとともに、高温環境下における機械的強度に優れている。
環状ポリオレフィン系樹脂は、環状オレフィンを重合単位として重合される樹脂の総称であり、例えば、特開平1−240517号公報、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報等に記載されている樹脂が挙げられる。環状ポリオレフィン系樹脂の具体例を挙げれば、環状オレフィンの開環(共)重合体、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンとエチレン、プロピレンのような鎖状オレフィンとの共重合体(代表的にはランダム共重合体)、及びこれらを不飽和カルボン酸やその誘導体で変性したグラフト重合体、並びにそれらの水素化物である。中でも、環状オレフィンとしてノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのようなノルボルネン系モノマーを用いたノルボルネン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有する樹脂であり、多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコールとの重縮合体からなるものが一般的である。多価カルボン酸又はその誘導体としては2価のジカルボン酸又はその誘導体を用いることができ、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。多価アルコールとしては2価のジオールを用いることができ、例えばエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の代表例として、テレフタル酸とエチレングリコールの重縮合体であるポリエチレンテレフタレートが挙げられる。ポリエチレンテレフタレートは結晶性の樹脂であるが、結晶化処理する前の状態のものの方が、延伸等の処理を施しやすい。必要であれば、延伸時、又は延伸後の熱処理等によって結晶化処理することができる。また、ポリエチレンテレタレートの骨格にさらに他種のモノマーを共重合することで、結晶性を下げた(もしくは、非晶性とした)共重合ポリエステルも好適に用いられる。このような樹脂の例として、例えば、シクロヘキサンジメタノールやイソフタル酸を共重合させたものが挙げられる。これらの樹脂も、延伸性に優れるので、好適に用いることができる。
ポリエチレンテレフタレート及びその共重合体以外のポリエステル系樹脂の具体例を挙げれば、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロへキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートである。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を主な構成モノマーとする樹脂である。(メタ)アクリル系樹脂の具体例は、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体;メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体;(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂等);メタクリル酸メチルと脂環族炭化水素基を有する化合物との共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体等)を含む。好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸メチルのようなポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルを主成分とする重合体が用いられ、より好ましくは、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂が用いられる。
セルロースエステル系樹脂は、セルロースと脂肪酸とのエステルである。セルロースエステル系樹脂の具体例は、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネートを含む。また、これらの共重合物や、水酸基の一部が他の置換基で修飾されたものも挙げられる。これらの中でも、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース)が特に好ましい。セルローストリアセテートは多くの製品が市販されており、入手容易性やコストの点でも有利である。
ポリカーボネート系樹脂は、カルボナート基を介してモノマー単位が結合された重合体からなるエンジニアリングプラスチックであり、高い耐衝撃性、耐熱性、難燃性、透明性を有する樹脂である。基材フィルム30を構成するポリカーボネート系樹脂は、光弾性係数を下げるためにポリマー骨格を修飾したような変性ポリカーボネートと呼ばれる樹脂や、波長依存性を改良した共重合ポリカーボネートであってもよい。
以上の中でも、延伸性や耐熱性等の観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
基材フィルム30には、上記の熱可塑性樹脂の他に、任意の適切な添加剤を含むことができる。添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、着色剤等が挙げられる。基材フィルム30中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは50〜99重量%、さらに好ましくは60〜98重量%、特に好ましくは70〜97重量%である。
基材フィルム30の厚みは通常、強度や取扱性等の点から1〜500μmであり、好ましくは1〜300μm、より好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは5〜150μmである。
(ポリビニルアルコール系樹脂層の形成)
基材フィルム30に塗工する塗工液は、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂の粉末を良溶媒(例えば水)に溶解させて得られるポリビニルアルコール系樹脂溶液である。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、80.0〜100.0モル%の範囲であることができるが、好ましくは90.0〜99.5モル%の範囲であり、より好ましくは94.0〜99.0モル%の範囲である。ケン化度が80.0モル%未満であると、偏光板の耐水性及び耐湿熱性が低下することがある。ケン化度が99.5モル%を超えるポリビニルアルコール系樹脂を使用した場合、二色性色素であるヨウ素の染色速度が遅くなり、生産性が低下するとともに十分な偏光性能を有する偏光板が得られないことがある。
ケン化度とは、ポリビニルアルコール系樹脂の原料であるポリ酢酸ビニル系樹脂に含まれる酢酸基(アセトキシ基:−OCOCH3)がケン化工程により水酸基に変化した割合をユニット比(モル%)で表したものであり、下記式:
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)÷(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、したがって結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
ポリビニルアルコール系樹脂は、一部が変性されている変性ポリビニルアルコールであってもよい。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂をエチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸;不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。変性の割合は30モル%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましい。30モル%を超える変性を行った場合には、二色性色素であるヨウ素が吸着しにくくなり、十分な偏光性能を有する偏光板が得られにくい傾向がある。
ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度もJIS K 6726−1994に準拠して求めることができる。平均重合度が100未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超では溶媒への溶解性が悪化し、後述する偏光性積層フィルムの製造方法において、ポリビニルアルコール系樹脂層の形成が困難になってしまう。
塗工液は必要に応じて、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ポリオール又はその縮合物等を用いることができ、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が例示される。添加剤の配合量は、ポリビニルアルコール系樹脂の20重量%以下とするのが好適である。
上記塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法;リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法;ダイコート法;カンマコート法;リップコート法;スピンコーティング法;スクリーンコーティング法;ファウンテンコーティング法;ディッピング法;スプレー法等の方法から適宜選択することができる。
塗工層(乾燥前のポリビニルアルコール系樹脂層)の乾燥温度及び乾燥時間は塗工液に含まれる溶媒の種類に応じて設定される。乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は80℃以上であることが好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂層6は、基材フィルム30の一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面に形成すると偏光性積層フィルムの製造時に発生し得るフィルムのカールを抑制できるとともに、1枚の偏光性積層フィルムから2枚の偏光板を得ることができるので、偏光板の生産効率の面でも有利である。
積層フィルム100におけるポリビニルアルコール系樹脂層6の厚みは、好ましくは3〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。この範囲内の厚みを有するポリビニルアルコール系樹脂層6であれば、後述する延伸工程S20及び染色工程S30を経て、二色性色素であるヨウ素の染色性が良好で偏光性能に優れ、かつ十分に薄い(例えば厚み10μm以下の)偏光子層5を得ることができる。
塗工液の塗工に先立ち、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着性を向上させるために、少なくともポリビニルアルコール系樹脂層6が形成される側の基材フィルム30の表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理等を施してもよい。また同様の理由で、基材フィルム30上にプライマー層等を介してポリビニルアルコール系樹脂層6を形成してもよい。
プライマー層は、プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30の表面に塗工した後、乾燥させることにより形成することができる。この塗工液は、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との両方にある程度強い密着力を発揮する成分を含み、通常は、このような密着力を付与する樹脂成分と溶媒とを含む。樹脂成分としては、好ましくは透明性、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑樹脂が用いられ、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。中でも、良好な密着力を与えるポリビニルアルコール系樹脂が好ましく用いられる。より好ましくは、ポリビニルアルコール樹脂である。溶媒としては通常、上記樹脂成分を溶解できる一般的な有機溶媒や水系溶媒が用いられるが、水を溶媒とする塗工液からプライマー層を形成することが好ましい。
プライマー層の強度を上げるために、プライマー層形成用塗工液に架橋剤を添加してもよい。架橋剤の具体例は、エポキシ系、イソシアネート系、ジアルデヒド系、金属系(例えば、金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、有機金属化合物)、高分子系の架橋剤を含む。プライマー層を形成する樹脂成分としてポリビニルアルコール系樹脂を使用する場合は、ポリアミドエポキシ樹脂、メチロール化メラミン樹脂、ジアルデヒド系架橋剤、金属キレート化合物系架橋剤等が好適に用いられる。
プライマー層の厚みは、好ましくは0.05〜1μm程度であり、より好ましくは0.1〜0.4μmである。0.05μmより薄くなると、基材フィルム30とポリビニルアルコール系樹脂層6との密着力向上の効果が小さくなることがある。
プライマー層形成用塗工液を基材フィルム30に塗工する方法は、ポリビニルアルコール系樹脂層形成用の塗工液と同様であることができる。プライマー層形成用塗工液からなる塗工層の乾燥温度は、例えば50〜200℃であり、好ましくは60〜150℃である。溶媒が水を含む場合、乾燥温度は好ましくは80℃以上である。
(2)延伸工程S20
図3を参照して本工程は、積層フィルム100を延伸して、延伸された基材フィルム30’及びポリビニルアルコール系樹脂層6’からなる延伸フィルム200を得る工程である。延伸は通常、一軸延伸である。延伸工程S20は、典型的には、長尺の積層フィルム100を搬送させながら、又は、長尺の積層フィルム100の巻回し品であるフィルムロールから積層フィルム100を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
積層フィルム100の延伸倍率は、所望する偏光特性に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、積層フィルム100の元長に対して5倍超17倍以下であり、より好ましくは5倍超8倍以下である。延伸倍率が5倍以下であると、ポリビニルアルコール系樹脂層6’が十分に配向しないため、偏光子層5の偏光度が十分に高くならないことがある。一方、延伸倍率が17倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じ易くなるとともに、延伸フィルム200の厚みが必要以上に薄くなり、後工程での加工性及び取扱性が低下することがある。延伸処理は、一段での延伸に限定されることはなく多段で行うこともできる。
延伸処理は、フィルム長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であることができるほか、フィルム幅方向に延伸する横延伸又は斜め延伸等であってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸等が挙げられ、横延伸方式としては、テンター法等が挙げられる。延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が、延伸温度を広い範囲から選択することができる点で好ましい。
延伸温度は、ポリビニルアルコール系樹脂層6及び基材フィルム30全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定され、好ましくは基材フィルム30の相転移温度(融点又はガラス転移温度)の−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルム30が複数の樹脂層からなる場合、上記相転移温度は該複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
延伸温度を相転移温度の−30℃より低くすると、5倍超の高倍率延伸が達成されにくいか、又は、基材フィルム30の流動性が低すぎて延伸処理が困難になる傾向にある。延伸温度が相転移温度の+30℃を超えると、基材フィルム30の流動性が大きすぎて延伸が困難になる傾向にある。5倍超の高延伸倍率をより達成しやすいことから、延伸温度は上記範囲内であって、さらに好ましくは120℃以上である。
延伸処理における積層フィルム100の加熱方法としては、ゾーン加熱法(例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法。);ロールを用いて延伸する場合において、ロール自体を加熱する方法;ヒーター加熱法(赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等を積層フィルム100の上下に設置し輻射熱で加熱する方法)等がある。ロール間延伸方式においては、延伸温度の均一性の観点からゾーン加熱法が好ましい。
延伸工程S20に先立ち、積層フィルム100を予熱する予熱処理工程を設けてもよい。予熱方法としては、延伸処理における加熱方法と同様の方法を用いることができる。予熱温度は、延伸温度の−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また延伸工程S20における延伸処理の後に、熱固定処理工程を設けてもよい。熱固定処理は、延伸フィルム200の端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化温度以上で熱処理を行う処理である。この熱固定処理によってポリビニルアルコール系樹脂層6’の結晶化が促進される。熱固定処理の温度は、延伸温度の−0℃〜−80℃の範囲であることが好ましく、延伸温度の−0℃〜−50℃の範囲であることがより好ましい。
(3)染色工程S30
本工程は、延伸フィルム200のポリビニルアルコール系樹脂層6’を二色性色素であるヨウ素で染色してこれを吸着配向させて染色層を形成し、基材フィルム30’及び染色層からなる染色積層フィルムを得る工程である。染色工程S30は、典型的には、長尺の延伸フィルム200を搬送させながら、又は、長尺の延伸フィルム200の巻回し品であるフィルムロールから延伸フィルム200を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
染色工程S30は、ヨウ素を含有する液(染色浴)に延伸フィルム200を浸漬することにより行うことができる。染色浴としては、ヨウ素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。染色溶液の溶媒としては、一般的には水が使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒がさらに添加されてもよい。染色浴におけるヨウ素の濃度は、溶媒100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.02〜7重量部であることがより好ましい。染色浴への浸漬時間は、所望の視感度補正単体透過率(Ty)が得られるように、染色浴中のヨウ素の濃度に応じて調整することが好ましい。
ヨウ素を含有する染色浴には、染色効率を向上できることから、ヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。染色浴におけるヨウ化物の濃度は、溶媒100重量部に対して好ましくは0.01〜20重量部である。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は重量比で、好ましくは1:5〜1:100であり、より好ましくは1:6〜1:80である。染色浴の温度は、好ましくは10〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。
なお、染色工程S30中に延伸フィルム200に対してさらに追加の延伸処理を施してもよい。この場合における実施態様としては、1)上記延伸工程S20において、目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程S30における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率となるように延伸処理を行う態様や、後述するように、染色処理の後に架橋処理を行う場合には、2)上記延伸工程S20において、目標より低い倍率で延伸処理を行った後、染色工程S30における染色処理中に、総延伸倍率が目標の倍率に達しない程度まで延伸処理を行い、次いで、最終的な総延伸倍率が目標の倍率となるように架橋処理中に延伸処理を行う態様等を挙げることができる。
(4)架橋工程S40
本工程は、染色積層フィルムの染色層を架橋して架橋層を形成し、基材フィルム30’及び架橋層からなる架橋積層フィルムを得る工程である。架橋工程は、少なくともホウ酸を含む架橋剤を含有する架橋液に染色積層フィルムを浸漬することにより行うことができる。架橋工程S40は、典型的には、長尺の染色積層フィルムを搬送させながら、又は、長尺の染色積層フィルムの巻回し品であるフィルムロールから染色積層フィルムを連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
架橋液は、架橋剤としてホウ酸のみを含有するものであってもよいが、ホウ酸に加えて、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等の他の架橋剤を含有してもよい。他の架橋剤は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。架橋液としては、ホウ酸を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋液におけるホウ酸の含有量は、溶媒100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは5〜15重量部であり、ホウ酸以外の他の架橋剤の含有量は、溶媒100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは1〜10重量部である。
架橋液はヨウ化物をさらに含むことができる。ヨウ化物の添加により、染色層の面内における偏光特性をより均一化させることができる。ヨウ化物の具体例は上記と同様である。架橋液におけるヨウ化物の含有量は、溶媒100重量部に対して好ましくは10重量部未満であり、より好ましくは8重量部以下であり、0重量部であってもよい(ヨウ化物を含んでいなくてもよい)。架橋液の温度の下限値は、好ましくは40℃以上であり、上限値は好ましくは82℃以下である。架橋液の温度が82℃を超えると、染色層のポリビニルアルコール系樹脂が部分的に溶け出して、染色後にムラを生じやすい。
架橋処理は、架橋剤を染色浴に配合することにより、染色処理と同時に行うこともできる。また、組成の異なる2種以上の架橋剤含有液を用いて、架橋剤含有液に浸漬する処理を2回以上行ってもよい。架橋処理を十分に行うことで、染色層中のホウ素含有率が大きくなり、ポリヨウ素イオンの錯体の配向性を向上することができる。架橋処理中に延伸処理を行ってもよい。架橋処理中に延伸処理を実施する具体的態様は上述のとおりである。
架橋工程S40において、染色積層フィルムに加えられる張力は、幅方向の単位長さ当たり、好ましくは1N/cm以上であり、より好ましくは2N/cm以上であり、さらに好ましくは5N/cm以上である。張力の上限値は特に限定されないが、好ましくは30N/cm以下であり、より好ましくは20N/cm以下である。架橋工程S40では、染色層をなすポリビニルアルコール系樹脂の配向が緩和しないように、染色積層フィルムの延伸方向に張力を付与し続けることが好ましい。
例えば、染色積層フィルムを2つのニップロール間で搬送しながら、架橋槽内の架橋液に浸漬して、連続的に架橋処理を行う場合には、搬入側のニップロールの回転速度と、搬出側のニップロールの回転速度とを調整することにより、染色積層フィルムに付与される張力を調整することができる。
(5)脱ホウ素工程S50
図4を参照して、本工程は、架橋積層フィルムの架橋層に含まれるホウ素含有率を低下させて偏光子層5を形成することにより、基材フィルム30’及び偏光子層5からなる偏光性積層フィルム300を得る工程である。脱ホウ素工程S50は、典型的には、長尺の架橋積層フィルムを搬送させながら、又は、長尺の架橋積層フィルムの巻回し品であるフィルムロールから架橋積層フィルムを連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
脱ホウ素工程S50は、架橋工程S40で用いた架橋液のホウ酸濃度よりも低いホウ酸濃度を有する脱ホウ素液と、架橋積層フィルムの架橋層とを接触させる脱ホウ素液接触工程を有することができる。脱ホウ素液接触工程は、脱ホウ素液に架橋積層フィルムを浸漬する、架橋積層フィルムの架橋層を脱ホウ素液のシャワーで洗浄する等により行うことができる。脱ホウ素液は、ホウ酸を溶媒に溶解した溶液又はホウ酸を含まない液を使用できる。溶媒及びホウ酸を含まない液としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。脱ホウ素液におけるホウ酸の含有量は、溶媒100重量部に対して、好ましくは10重量部未満であり、より好ましくは8重量部以下であり、0.1重量部以上であってもよい。
脱ホウ素液と架橋層とを接触させる処理を行うことにより、架橋層に含まれる過剰なホウ酸や、配向性の低いポリヨウ素イオンの錯体を除去することができる。これにより、偏光子層5に含まれるホウ素含有率が低下するので、偏光子層5(偏光フィルム)を加熱したときの収縮力を小さくすることができる。また、偏光性積層フィルム300の偏光子層5の偏光度及び透過率を向上することができる。
脱ホウ素液はヨウ化物を含んでいてもよい。ヨウ化物の具体例は上記と同様である。脱ホウ素液におけるヨウ化物の含有量は、溶媒の総重量に対して、好ましくは15重量部以下であり、より好ましくは8重量部以下であり、好ましくは5重量部以上である。脱ホウ素液に含まれるヨウ化物の含有量を調整することにより、得られる偏光性積層フィルムの色相を調整することができる。脱ホウ素液の温度は、好ましくは70℃以下であり、より好ましくは65℃以下である。また、架橋液の温度は、脱ホウ素液の温度よりも高いほうが好ましい。
組成の異なる2種以上の脱ホウ素液を用いることにより、脱ホウ素液接触工程を2回以上行ってもよい。脱ホウ素液接触工程を複数回行う場合、脱ホウ素液接触工程での処理方法は、同じであってもよく異なっていてもよい。
架橋工程及び脱ホウ酸工程において、ホウ酸を含む液で処理を行う工程が複数含まれる場合、前段の工程に比べて、ホウ酸を含む液のホウ酸濃度が低くかつフィルムに付与される張力が小さくなるように制御された後段のすべての工程が脱ホウ素工程となる。例えば、ホウ酸濃度は後段の工程に進むにつれて徐々に低下するようにしてもよく、ホウ酸濃度を一旦低下させた後は一定に保ってもよく、これらを組み合わせてもよい。また、フィルムに付与される張力は、後段の工程に進むにつれて徐々に小さくなるようにしてもよく、張力を一旦低下させた後は一定に保ってもよく、これらを組み合わせてもよい。後段の工程において前段の工程のホウ酸濃度と同じか高いホウ酸濃度の液を用いる場合、その後段の工程は架橋工程となる。
また、架橋工程がホウ酸を含む液で処理する工程を複数含む場合、この複数の工程のうちのいずれかの工程に比較して、ホウ酸濃度が低くかつフィルムに付与される張力が小さくなるように制御された架橋工程後のすべての工程が脱ホウ素工程となり、脱ホウ素工程は、好ましくは架橋工程の最後の工程よりもホウ酸濃度が低くかつフィルムに付与される張力が小さくなるように制御される。
脱ホウ素工程S50を実施した後に、偏光性積層フィルムの乾燥処理を行うことが好ましい。この乾燥処理を行う場合、乾燥処理の直前に行われる脱ホウ素液に浸漬する処理では、ホウ酸を含まない脱ホウ素液を用いて、偏光子層の表面に欠陥が生じることを防ぐことが好ましい。乾燥処理は、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合には、乾燥温度は通常20〜95℃とすることができ、乾燥時間は通常1〜15分間とすることができる。
脱ホウ素工程S50の脱ホウ素液接触工程において架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさは、架橋工程S40において染色積層フィルムに加えられる張力の大きさよりも小さくなるように制御することが好ましい。これにより、架橋層に含まれる過剰なホウ酸や配向性の低いポリヨウ素イオンの錯体の除去を効率的に行うことができるため、偏光子層を加熱したときの収縮力が抑制され、光学特性に優れた偏光性積層フィルムを効率よく製造することができる。脱ホウ素工程S50において架橋積層フィルムに加えられる張力は、幅方向の単位長さ当たり、好ましくは16N/cm未満であり、より好ましくは14N/cm以下である。張力の下限値は、0N/cm超であればよく、好ましくは1N/cmである。また、脱ホウ素工程S50においては、架橋積層フィルムを実質的に延伸しないことが好ましい。実質的に延伸をしないとは、延伸倍率が1.05倍以下であることを意味する。
上述の染色積層フィルムと同様に架橋積層フィルムを2つのニップロール間で搬送しながら脱ホウ素処理を行う場合には、搬入側のニップロールの回転速度と、搬出側のニップロールの回転速度とを調整することによって、架橋積層フィルムに付与される張力を調整することができる。
架橋積層フィルムの架橋層は、上述した方法で得ることにより薄膜化することができる。薄膜化した架橋層では、脱ホウ素工程S50において上述の張力で脱ホウ素処理を行う際に、架橋層に含まれる過剰なホウ酸や配向性の低いポリヨウ素イオンの錯体が除去されやすくなることが期待できる。そのため、上述の製造方法によって形成された偏光子層は、薄膜化を実現しながらも、光学特性を向上し、収縮力が大きくなることを抑制することができる。
<偏光板の製造方法>
図1を参照して、本発明に係る偏光板の製造方法は、下記工程:
上述の方法により製造された偏光性積層フィルムの偏光子層における基材フィルムとは反対側の面に第1保護フィルムを貼合する第1保護フィルム貼合工程S60、
基材フィルムを剥離除去する剥離工程S70、
をこの順で含む。
第1保護フィルム貼合工程S60及び剥離工程S70を経て、偏光子層5の一方の面に第1保護フィルム10が貼合された片面保護フィルム付偏光板1が得られる(図6)。また、図1に示すように、剥離工程S70の後に、片面保護フィルム付偏光板500における基材フィルム30’の剥離除去によって現れる面(以下、この面を「剥離面」ともいう。)に第2保護フィルム20を貼合する第2保護フィルム貼合工程S80を設けて、両面保護フィルム付偏光板2を得てもよい(図7)。
(6)第1保護フィルム貼合工程S60
図5を参照して本工程は、偏光性積層フィルム300における基材フィルム30’側の面とは反対側の面(すなわち偏光子層5上)に第1保護フィルム10を貼合して多層フィルム400を得る工程である。第1保護フィルム10は、上述した偏光板が有する保護フィルムに対応する。第1保護フィルム貼合工程S60は、典型的には、長尺の偏光性積層フィルム300を搬送させながら、又は、長尺の偏光性積層フィルム300の巻回し品であるフィルムロールから偏光性積層フィルム300を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子層5を有する場合は通常、両面の偏光子層5上にそれぞれ第1保護フィルム10が貼合される。この場合、これらの第1保護フィルム10は同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。
第1保護フィルム10は、第1接着剤層15を介して偏光子層5上に貼合することができる。第1接着剤層15を形成する接着剤は、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤(好ましくは紫外線硬化性接着剤)や、ポリビニルアルコール系樹脂のような接着剤成分を水に溶解又分散させた水系接着剤であることができる。
活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて第1保護フィルム10を貼合する場合、第1接着剤層15となる活性エネルギー線硬化性接着剤を介して第1保護フィルム10を偏光子層5上に積層した後、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線を照射して接着剤層を硬化させる。中でも紫外線が好適であり、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。水系接着剤を用いる場合は、水系接着剤を介して第1保護フィルム10を偏光子層5上に積層した後、加熱乾燥させればよい。
偏光子層5に第1保護フィルム10を貼合するにあたり、第1保護フィルム10及び/又は偏光子層5の貼合面には、偏光子層5との接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理のような表面処理(易接着処理)を行うことができ、中でも、プラズマ処理、コロナ処理又はケン化処理を行うことが好ましい。
(第1保護フィルム)
第1保護フィルムを構成する材料は、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂であることが好ましく、このような樹脂として、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば上記した基材フィルム30を構成する熱可塑性樹脂で説明したものが挙げられる。
第1保護フィルムは、位相差フィルム、輝度向上フィルムのような光学機能を併せ持つ保護フィルムであることもできる。例えば、上記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)したり、該フィルム上に液晶層等を形成したりすることにより、任意の位相差値が付与された位相差フィルムとすることができる。
第1保護フィルム10における偏光子層5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。表面処理層は、第1保護フィルム貼合工程S60の実施に先立って第1保護フィルム10上に予め形成しておいてもよいし、第1保護フィルム貼合工程S60実施後又は後述する剥離工程S70実施後に形成してもよい。また第1保護フィルム10は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤のような添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
第1保護フィルム10の厚みは、偏光板の薄型化の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは35μm以下、特に好ましくは30μm以下である。第1保護フィルム10の厚みは、強度及び取扱性の観点から、通常5μm以上である。
(7)剥離工程S70
図6を参照して本工程は、多層フィルム400から基材フィルム30’を剥離除去して偏光板(片面保護フィルム付偏光板1)を得る工程である。偏光性積層フィルム300が基材フィルム30’の両面に偏光子層5を有し、これら両方の偏光子層5に第1保護フィルム10を貼合した場合には、この剥離工程S70により、1枚の偏光性積層フィルム300から2枚の片面保護フィルム付偏光板1が得られる。剥離工程S70は、典型的には、長尺の多層フィルム400を搬送させながら、又は、長尺の多層フィルム400の巻回し品であるフィルムロールから多層フィルム400を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
基材フィルム30’を剥離除去する方法は特に限定されるものでなく、通常の粘着剤付偏光板で行われるセパレータ(剥離フィルム)の剥離工程S70と同様の方法で剥離できる。基材フィルム30’は、第1保護フィルム貼合工程S60の後、そのまますぐ剥離してもよいし、第1保護フィルム貼合工程S60の後、一度ロール状に巻き取り、その後の工程で巻き出しながら剥離してもよい。
上述のように、第1保護フィルム貼合工程S60で得られる多層フィルム400は、基材フィルム30’の両面それぞれに、偏光子層5及び第1保護フィルム10が積層されたフィルム、すなわち、第1保護フィルム10/偏光子層5/基材フィルム30’/偏光子層5/第1保護フィルム10(第1接着剤層15は割愛して記載)の層構成を有するフィルムであることができる。この場合、2段の剥離工程を経て1枚の多層フィルム400から2枚の片面保護フィルム付偏光板1を得る。1段目の剥離工程では、上記構成の多層フィルム400から「第1保護フィルム10/偏光子層5/基材フィルム30’」の層構成を有するフィルムを剥離して、片面保護フィルム付偏光板1を得る。2段目の剥離工程では、剥離された「第1保護フィルム10/偏光子層5/基材フィルム30’」の層構成を有するフィルムから基材フィルム30’を剥離して、さらに片面保護フィルム付偏光板1を得る。
(8)第2保護フィルム貼合工程S80
図7を参照して本工程は、片面保護フィルム付偏光板1における偏光子層5上に第2保護フィルム20を貼合して両面保護フィルム付偏光板2を得る、任意の工程である。第2保護フィルム貼合工程S80は、典型的には、長尺の片面保護フィルム付偏光板1を搬送させながら、又は、長尺の片面保護フィルム付偏光板1の巻回し品であるフィルムロールから片面保護フィルム付偏光板1を連続的に巻出し、これを搬送させながら連続的に行うことができる。フィルム搬送はガイドロール等を用いて行うことができる。
第2保護フィルム20は、第2接着剤層25を介して偏光子層5上に貼合することができる。第2保護フィルム20及び第2接着剤層25の構成や材質、並びに第2保護フィルム20の貼合方法については、それぞれ第1保護フィルム10及び第1接着剤層15、並びに第1保護フィルム10の貼合方法についての記載が引用される。第1保護フィルム10と第2保護フィルム20は、互いに同種の保護フィルムであってもよいし、異種の保護フィルムであってもよい。第1接着剤層15と第2接着剤層25は、互いに同種の接着剤から形成されてもよいし、異種の接着剤から形成されてもよい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)]
各偏光性積層フィルムについて、積分球付き分光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用いて波長380〜780nmの範囲における平行透過率と直交透過率を測定し、下記式:
単体透過率(%)=(平行透過率+直交透過率)/2
偏光度(%)={(平行透過率−直交透過率)/(平行透過率+直交透過率)}×100
に基づいて各波長における単体透過率及び偏光度を算出した。測定に当たっては、偏光性積層フィルムの偏光子層となる側から光が入射するようにし、偏光性積層フィルムの基材フィルム側をディテクター側とした。なお、基材フィルムは十分に透明であるため、偏光性積層フィルムで測定された光学特性と、偏光性積層フィルムの偏光子層(偏光フィルム)のみを測定したときの光学特性との間に差異はなく、偏光性積層フィルムで測定された光学特性の値は、偏光子層(偏光フィルム)のみについて光学特性を測定した場合の値といえるものである。
ここで、「平行透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光フィルム試料の透過軸とを平行にしたときの透過率である。また、「直交透過率」とは、グラントムソンプリズムから出る偏光の向きと偏光フィルム試料の透過軸とを直交にしたときの透過率である。
得られた単体透過率及び偏光度について、JIS Z 8701:1999「色の表示方法−XYZ表色系及びX101010表色系」の2度視野(C光源)により視感度補正を行い、視感度補正単体透過率(Ty)及び視感度補正偏光度(Py)を求めた。
[波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比]
上述のようにして測定した波長475nmにおける平行透過率及び直交透過率を、下記式:
吸光度=−log10(T/T
に基づいて、それぞれ平行吸光度及び直交吸光度に換算した。上記式中、Tは、偏光性積層フィルムに入射させるグラントムソンプリズムから出る波長475nmの偏光の光強度であり、Tは、波長475nmにおける平行透過率又は直交透過率である。
[ホウ素含有率の測定]
偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離除去して得られた偏光子層(偏光フィルム)0.2gを温度95℃の熱水100mLに60分間浸漬して完全に溶解させた後、マンニトール水溶液(12.5重量%)を30g加えて測定用サンプル溶液とした。この測定用サンプル溶液が中和点を迎えるまで、水酸化ナトリウム水溶液(1mol/L)を滴下し、その滴下量からポリビニルアルコール系樹脂フィルム中のホウ素含有率(重量%)を、下記式:
ホウ素含有率(重量%)=1.08×水酸化ナトリウム水溶液滴下量(mL)/偏光フィルムの重量(g)
から算出した。同様の手順で、脱ホウ素工程前の架橋積層フィルムから基材フィルムを剥離除去して得られた架橋層について、ホウ素含有率を算出して、脱ホウ素工程の前後でのホウ素含有率の変化について確認した。
[収縮力の測定]
偏光性積層フィルムから、吸収軸方向(延伸方向)を長辺とする幅2mm、長さ8mmの試料を切り出し、基材フィルムを剥離除去して偏光子層(偏光フィルム)の測定用試料を得、測定用試料の厚みを接触式膜厚計(商品名“DIGIMICRO MH−15M”株式会社ニコン製)測定した。この測定用試料を熱機械分析装置(Thermo-Mechanical Analyzer:TMA)「EXSTAR−6000」(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)にセットし、寸法を一定に保持したまま、80℃で240分間保持したときに発生する長辺方向(吸収軸方向、延伸方向)の収縮力(実測収縮力)を測定した。測定された実測収縮力を、実測された測定用試料の厚みで除した後、5μmを乗じて、幅2mm、厚み5μmあたりの収縮力[N/5μm]とした(下式)。
収縮力[N/5μm]=(偏光子層(偏光フィルム)の実測収縮力[N])/(偏光子層(偏光フィルム)の厚み(実測値)[μm])×5
〔実施例1〕
(プライマー層形成工程)
ポリビニルアルコール粉末(日本合成化学工業(株)製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業(株)製の「スミレーズレジン650」)をポリビニルアルコール粉末6重量部に対して5重量部の割合で混合して、プライマー層形成用塗工液を得た。
次に、厚み90μmの基材フィルム(未延伸ポリプロピレンフィルム、融点:163℃)を連続的に搬送させながら、その片面にコロナ処理を施した後、そのコロナ処理面にマイクログラビアコーターを用いて上記プライマー層形成用塗工液を連続的に塗工し、80℃で10分間乾燥させることにより、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
(積層フィルムの作製(樹脂層形成工程))
ポリビニルアルコール粉末((株)クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度7.5重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製し、これをポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液とした。
上記プライマー層形成工程で作製したプライマー層を有する基材フィルムを連続的に搬送させながら、そのプライマー層表面にダイコーターを用いて上記ポリビニルアルコール系樹脂層形成用塗工液を連続的に塗工した後、温度80〜90℃で乾燥させることにより、プライマー層上に膜厚9μmのポリビニルアルコール系樹脂層を形成して、基材フィルム/プライマー層/ポリビニルアルコール系樹脂層からなる積層フィルムを得た。
(延伸工程)
上記積層フィルムに対し、連続的に搬送させながら、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて、延伸時の最高温度150℃で5.3倍の自由端一軸延伸(空中延伸)を実施し、延伸フィルムを得た。延伸後のポリビニルアルコール系樹脂層の厚みは5μmであった。
(染色工程)
上記延伸フィルムを連続的に搬送させながら、ヨウ素とヨウ化カリウムとを含む30℃の染色浴(水100重量部あたりヨウ素を0.35重量部、ヨウ化カリウムを5.0重量部含む)に滞留時間が約90秒間となるように連続的に浸漬してポリビニルアルコール系樹脂層の染色処理を行って、染色積層フィルムを得た。
(架橋工程)
上記染色積層フィルムを連続的に搬送させながら、ホウ酸を含む78℃の架橋液(水100重量部あたりホウ酸を10.4重量部含む)に、張力16N/cmで滞留時間が120秒間となるように連続的に浸漬して架橋処理を行って、架橋積層フィルムを得た。
(脱ホウ素工程)
次いで、上記架橋積層フィルムを連続的に搬送させながら、ホウ酸とヨウ化カリウムとを含む65℃の脱ホウ素液(水100重量部あたりホウ酸を2重量部、ヨウ化カリウムを6.0重量部含む)に、張力1N/cmで滞留時間が60秒間となるように連続的に浸漬して脱ホウ素処理を行った。その後、張力1N/cmで7℃の水に5秒間浸漬してさらに脱ホウ素処理を行い、エアブロワーを用いて両面に付着した液体を取り除き、温度60℃で乾燥させて、基材フィルム上に厚みが5μmの偏光子層を有する偏光性積層フィルムを得た。
得られた偏光性積層フィルムから上記[評価用サンプルの作製]に記載のように評価サンプルを得、視感度補正単体透過率(Ty)、視感度補正偏光度(Py)、収縮力、評価用サンプルのホウ素含有率を算出し、脱ホウ素工程の前後でホウ素含有率の変化を調べた。その結果を表1に示す。表1中、ホウ素含有率の変化の欄の「減少」とは、脱ホウ素工程後のホウ素含有率が、脱ホウ素工程前のホウ素含有率よりも小さいことを示す。
〔実施例2〕
脱ホウ素工程において、張力を5N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部とした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例4〕
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を5N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
〔実施例5〕
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を10N/cmとした以外は実施例1と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
〔比較例1〕
脱ホウ素工程において、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
〔比較例2〕
脱ホウ素工程において、ホウ酸を3.5重量部、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
〔比較例3〕
脱ホウ素工程において、ホウ酸を5重量部、張力を16N/cmとした以外は実施例と同様にして偏光性積層フィルムを得、実施例1と同様に評価を行った。
Figure 2018092156
表1に示すように、実施例1〜5で得た偏光性積層フィルムの偏光層(偏光フィルム)は、ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満であった。また、実施例1〜5の偏光層(偏光フィルム)は、視感度補正単体透過率(Ty)が41.5であるときに視感度補正偏光度(Py)が99.994超であった。実施例1〜5の偏光層(偏光フィルム)の長辺方向(吸収軸方向、延伸方向)の収縮力は1.77N/5μm未満に抑制されていた。
比較例1〜3では、視感度補正単体透過率(Ty)が41.5であるときの視感度補正偏光度(Py)が低いものであった。これは、脱ホウ素工程において架橋積層フィルムに加えられる張力の大きさが、架橋工程において染色積層フィルムに加えられる張力の大きさと同じであったためと推測される。また、比較例1〜3では、波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が大きかった。実施例1〜5及び比較例1〜3では、脱ホウ素工程の前後でホウ素含有率が減少しており、脱ホウ素工程で架橋層に含まれる過剰なホウ酸が除去されていたことから、比較例1〜3では、脱ホウ素工程において、配向性の低いポリヨウ素イオンの錯体の除去が十分でなかったと推測された。
1 片面保護フィルム付偏光板、2 両面保護フィルム付偏光板、5 偏光子層、6 ポリビニルアルコール系樹脂層、6’ 延伸されたポリビニルアルコール系樹脂層、10 第1保護フィルム、15 第1接着剤層、20 第2保護フィルム、25 第2接着剤層、30 基材フィルム、30’ 延伸された基材フィルム、100 積層フィルム、200 延伸フィルム、300 偏光性積層フィルム、400 多層フィルム。

Claims (3)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向している偏光フィルムであって、
    ホウ素含有率が2.5重量%以上4.1重量%以下であり、
    視感度補正単体透過率(Ty)が40.5%超であり、
    波長475nmにおける平行吸光度/直交吸光度で表される比が0.022未満であり、
    80℃で4時間保持したときにおける吸収軸方向の幅2mm、厚み5μmあたりの収縮力が1.77N/5μm未満である、偏光フィルム。
  2. 厚さが10μm以下である、請求項1に記載の偏光フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の偏光フィルムの少なくとも一方の面に保護フィルムを有する偏光板。
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