JP6431832B2 - 転写材料、ロール、タッチパネルの製造方法およびタッチパネル - Google Patents

転写材料、ロール、タッチパネルの製造方法およびタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、転写材料、ロール、タッチパネルの製造方法およびタッチパネルに関する。詳しくは、転写後の機能層のヘイズが低い転写材料、この転写材料がロール状に巻き取られたロール、ならびに、この転写材料またはこのロールを用いたタッチパネルの製造方法およびタッチパネルに関する。
携帯電話、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、液晶装置などの表面にタブレット型の入力装置が配置され、液晶装置の画像表示領域に表示された指示画像を参照しながら、この指示画像が表示されている箇所に指またはタッチペンなどを触れることで、指示画像に対応する情報の入力が行えるものがある。
タッチパネル用材料のように高い透明性が要求される材料において、ヘイズを低く抑えることが必要である。
特開平10−333328号公報 特開2009−220277号公報
本発明が解決しようとする課題は、転写後の機能層のヘイズが低い転写材料を得ることである。
本発明者は、支持体及び/又は保護フィルムの機能層が接する面の静摩擦係数を1.6以上にすることにより、上記課題を解決できることを見出すに至った。
支持体の静摩擦係数に注目した文献がいくつか知られている(例えば特許文献1および2参照)。
特許文献1には、(a)支持フィルム、(b)感光性樹脂層及び(c)保護フィルムの順に積層された感光性フィルムにおいて、(c)保護フィルムの(b)感光性樹脂層と接触しない面の滑り摩擦係数(tanθ)を0.6〜1.5、(c)保護フィルムの厚みを15〜40μmとした感光性フィルムが記載されている。特許文献1によれば、このような構成により、ロール状物の巻きずれ防止及びエッジフュージョンの発生防止を可能とする感光性フィルム及びこれを用いたロール状物を提供することができると記載されている。
特許文献2には、基材フィルム上に機能層と易滑層を順に備え、易滑層表面のステンレスに対する静摩擦係数μが0.4以下である積層フィルムが記載されている。特許文献2によれば、このような構成により、機能層の機能低下がなく、機能層の機能が十分に発揮された機能フィルムを得ることができると記載されている。
しかしながら、支持体及び/又は保護フィルムの静摩擦係数がタッチパネル用材料に要求される透明性(ヘイズ)を左右することを示唆する文献は知られておらず、当業者にとって予測できない性能であった。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は以下のとおりである。
[1] 支持体、支持体側機能層、保護フィルム側機能層および保護フィルムをこの順に有し、
支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上である転写材料。
[2] [1]に記載の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上3.6以下であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上2.0以下であることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaのうち少なくとも一方が6.8nm以下であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の転写材料は、支持体側機能層および保護フィルム側機能層のうち少なくとも一方がタッチパネル用保護層であることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の転写材料がロール状に巻き取られたロール。
[7] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の転写材料または[6]に記載のロールから、支持体側機能層および保護フィルム側機能層を転写して少なくともタッチパネル用保護層を形成する工程を含むタッチパネルの製造方法。
[8] [7]に記載のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネル。
本発明によれば、転写後の機能層のヘイズが低い転写材料を提供できる。
静電容量型入力装置の構成の一例を示す断面概略図である。 静電容量型入力装置の構成の他の一例を示す断面概略図である。 本発明における前面板の一例を示す説明図である。 本発明における透明電極パターンと、非パターン領域の関係の一例を示す説明図である。 開口部が形成された強化処理ガラスの一例を示す上面図である。 マスク層が形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンが形成された前面板の一例を示す上面図である。 第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素が形成された前面板の一例を示す上面図である。 図9(A)は正常な巻き姿のロールの一例の概略図であり、図9(B)は菊巻きの巻き姿のロールの一例の概略図である。 透明電極パターンの端部のテーパー形状の一例を示す説明図である。 透明積層体の構成の一例を示す断面概略図である。 本発明の転写材料の構成の一例を示す断面概略図である。 静電容量型入力装置の構成の他の一例を示す上面図であり、パターン露光され、支持体側機能層に覆われていない、引き回し配線の端末部(末端部分)を含む態様を示す。 支持体側機能層および保護フィルム側機能層を有する本発明の転写材料を、静電容量型入力装置の透明電極パターンの上にラミネートにより積層し、露光等によって硬化する前の状態の一例を示す概略図である。 支持体側機能層と保護フィルム側機能層が硬化された所望のパターンの一例を示す概略図である。
以下、本発明の転写材料、ロール、タッチパネルの製造方法およびタッチパネルについて説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[転写材料]
本発明の転写材料は、支持体、支持体側機能層、保護フィルム側機能層および保護フィルムをこの順に有し、
支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上である。
このような構成により、本発明の転写材料は、転写後の機能層のヘイズが低い。本発明が支持体や保護フィルムの算術平均表面粗さRaや十点平均粗さRzなどの表面粗さ指数を指標に、転写材料から剥離転写された膜表面の平滑度を高めることを検討したところ、それだけでは転写後の機能層のヘイズを十分に低くすることはできなかった。すなわち、転写後の機能層のヘイズを十分に低く抑えるためにはブレークスルー的な手段が必要であった。本発明者は、静摩擦係数を指標として支持体や保護フィルムを選択すれば、転写後の機能層のヘイズを十分に低くでき、高い透明性を得られることを見出した。RaやRzは表面の凹凸を示す指標であるが凹凸の谷と山の深さを反映している。静摩擦係数は表面の凹凸形状に加えて材質の硬さも反映した、相手方の部材との接触面積の大きさを反映している点においてRaやRzと違いがある。
本明細書中、支持体側機能層とは、転写材料に含まれる機能層のうち、最も支持体に近い機能層のことを言う。保護フィルム側機能層とは、転写材料に含まれる機能層のうち、最も保護フィルムに近い機能層のことを言う。
以下、本発明の転写材料の好ましい態様を説明する。
<転写材料の用途および構成>
本発明の転写材料は、転写フィルムであることが好ましい。本発明の転写材料は、任意の部材に転写されるが、好ましくはタッチパネルに転写されることが好ましい。本発明の転写材料は、静電容量型入力装置の透明絶縁層用または透明保護層用であることが特に好ましい。より詳しくは、本発明の転写材料は、透明電極パターンの上に、フォトリソ方式により、屈折率調整層およびオーバーコート層(透明保護層)の積層パターンを形成するための転写材料として好ましく用いることができる。
図12に、本発明の転写材料の好ましい構成の一例を示す。図12は、支持体26、支持体側機能層7、保護フィルム側機能層12(第二の透明樹脂層)および保護フィルム29(保護剥離層)がこの順で互いに隣接して積層された、本発明の転写材料30の概略図である。
本発明の転写材料は支持体側機能層7および保護フィルム側機能層12の少なくとも2層の機能層を有し、このことは機能分離をする上で好ましい。例えば、本発明の転写材料に含まれる機能層を支持体側から順に機能層1、機能層2と順に名づけた時、機能層1をタッチパネル用保護層として機能層2を屈折率調整層とすることで、高屈折率な透明電極パターンが被転写体である場合、これら電極パターンを見えづらくすることができる。また、機能層2を密着性調整層または高密着力層とすることで本発明の転写材料と被転写体の密着力を高めることができる。
タッチパネルに転写後、タッチパネル内部で支持体側機能層7および保護フィルム側機能層12のうち少なくとも一方がタッチパネル用保護層であることが好ましく、支持体側機能層7がタッチパネル用保護層であることがより好ましい。
保護フィルム側機能層12は、タッチパネルに転写後、タッチパネル内部で屈折率調整層などの機能を奏する第二の透明樹脂層であってもよく、タッチパネル内部で高密着力層などの機能を奏する第三の透明樹脂層(不図示)であってもよい。保護フィルム側機能層12は、タッチパネルに転写後、タッチパネル内部で屈折率調整層などの機能を奏する第二の透明樹脂層であることがより好ましい。
本発明の転写材料は3層以上の機能層を有していてもよい。例えば、本発明の転写材料に含まれる機能層を支持体側から順に機能層1、機能層2、機能層3・・・と順に名づけた時、機能層1の屈折率が最も小さいことが好ましい。これは上記の例にある機能層1が保護層で機能層2が屈折率調整層の態様に機能層3として新たな機能を付け加えるができる。機能層3は例えば高密着力層などであり、高密着力層であることが好ましい。
本発明の転写材料は、クロスカット密着力が良好であることが好ましい。クロスカット密着力を良好にするためには、保護フィルム側機能層と被転写体の間の表面エネルギーを最適化し接着仕事が大きくなるような材料設計をすることや、および/または保護フィルム側機能層や支持体側機能層の弾性率や粘性率を低くする材料設計をすることが好ましい。
<支持体、保護フィルム>
(静摩擦係数)
本発明の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上である。支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数がともに1.6以上であることが転写後の機能層のヘイズを十分に低くする観点から好ましい。
本発明の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上3.6以下であることがより好ましく、1.6以上2.0以下であることが特に好ましい。
支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数がともに1.6以上3.6以下であることが転写後の機能層のヘイズを十分に低くする観点からより好ましく、1.6以上2.0以下であることが特に好ましい。
(算術平均表面粗さRa)
本発明の転写材料は、支持体の支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaのうち少なくとも一方が6.8nm以下であることが好ましく、6.0nm以下であることがより好ましく、5.0nm以下であることが特に好ましい。
支持体の支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaがともに6.8nm以下であることが好ましく、6.0nm以下であることがより好ましく、5.0nm以下であることが特に好ましい。
支持体の支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaの下限値については特に制限はないが、例えばハンドリング適性の観点から1.0nm以上とすることができる。
本発明の転写材料に用いられる支持体または保護フィルムとしては特に制限はなく、ガラス、Siウェハ、紙、不織布、フィルムなどを挙げることができる。その中でも、支持体または保護フィルムとしてはフィルムであることが好ましく、樹脂フィルムであることがより好ましい。
支持体または保護フィルムとして用いられるフィルムとしては、可撓性を有し、加圧下または、加圧および加熱下で著しい変形、収縮もしくは伸びを生じない材料を用いることが好ましい。支持体および保護フィルムの材質は静摩擦係数が本発明で規定する範囲内(好ましくはRaについても好ましい範囲内)であれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、トリ酢酸セルロース(triacetylcellulose、TAC)、シクロオレフィンポリマー(cycloolefin polymer、COP)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、その他公知の材料を使用できるが、コスト、ハンドリング特性、寸法安定性その他の特性上PETを使用することが最も好ましい。
支持体または保護フィルムとしては市販のフィルムを用いてもよい。市販のフィルムとしては、例えば、少なくとも一方の表面の静摩擦係数が1.6以上である以下の(1)、(2)、(3)および(5)などを好ましく用いることができる。
(1)コスモシャイン A4100(50μm PET、東洋紡株式会社)
(2)KFX 38(38μm PET、テイジンデュポンフィルム株式会社)
(3)ルミラー 16QS62(16μm PET、東レ株式会社)
(5)HPE38(38μm PET、テイジンデュポンフィルム株式会社)
また、少なくとも一方の表面の静摩擦係数が1.6以上であるフィルムを支持体または保護フィルムとして用いる場合、もう一方の支持体または保護フィルムとして表面の静摩擦係数が1.6未満である以下の(4)、(6)、(7)を組み合わせて用いてもよい。
(4)ルミラー 16FB40(16μm PET、東レ株式会社)
(6)GF−8(38μm ポリエチレン、タマポリ株式会社)
(7)アルファンE−501L(12μm ポリプロピレン、王子エフテックス株式会社)
支持体または保護フィルムの厚みには、特に制限はなく、5〜200μmの範囲が一般的であり、取扱い易さ、汎用性などの点で、特に10〜150μmの範囲が好ましく、軽量化の観点から10〜20μmの範囲がより好ましい。
支持体または保護フィルムはフィラーを含んでいてもよい。支持体または保護フィルムは滑り性、ハンドリング特性を調整する観点からフィラーを含むことが好ましい。表面が荒れて材料の透明性が低下する問題を抑制するためフィラーは直径1μm以下のものを使用することが好ましい。
フィラーの大きさは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)により観察を行う。
また、支持体または保護フィルムには、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
<支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層>
支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層は、熱硬化性であっても、光硬化性であっても、熱硬化性かつ光硬化性であってもよい。その中でも、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層は少なくとも熱硬化性であることが、転写後に熱硬化して膜の信頼性を付与できる観点から好ましく、熱硬化性かつ光硬化性であることが、転写後に光硬化して製膜しやすく、かつ、製膜後に熱硬化して膜の信頼性を付与できる観点からより好ましい。
なお、本明細書中では説明の都合上、本発明の転写材料の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン上に転写し、これらの層を光硬化した後にこれらの層が光硬化性を失った場合において、これらの層が光硬化性を有するか否かによらずそれぞれ引き続き支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層と呼ぶ。さらに、これらの層を光硬化した後、熱硬化を行う場合もあるが、その場合もこれらの層が硬化性を有するか否かによらずそれぞれ引き続き支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層と呼ぶ。同様に、本発明の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン上に転写し、これらの層を熱硬化した後にこれらの層が熱硬化性を失った場合において、これらの層が熱硬化性を有するか否かによらずそれぞれ引き続き支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層と呼ぶ。
本発明の転写材料は、ネガ型材料であってもポジ型材料であってもよい。
本発明の転写材料がネガ型材料である場合、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層には、金属酸化物粒子、バインダー樹脂(好ましくはアルカリ可溶性樹脂)、光重合性化合物、重合開始剤を含むことが好ましい。さらに、添加剤などが用いられるがこれに限られない。
本発明の転写材料は、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層が、それぞれ独立にバインダー、重合性化合物および光重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明の転写材料は、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層が透明樹脂層であることが好ましい。
支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の屈折率を制御する方法としては特に制限はないが、所望の屈折率の透明樹脂層を単独で用いたり、金属粒子や金属酸化物粒子などの粒子を添加した透明樹脂層を用いたり、また金属塩と高分子の複合体を用いることができる。
さらに、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層には、添加剤を用いてもよい。前述の添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落0017、特開2009−237362号公報の段落0060〜0071に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落0018に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落0058〜0071に記載のその他の添加剤が挙げられる。
以上、本発明の転写材料がネガ型材料である場合を中心に説明したが、本発明の転写材料は、ポジ型材料であってもよい。本発明の転写材料がポジ型材料である場合、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層に、例えば特開2005−221726号公報に記載の材料などが用いられるが、これに限られない。
(支持体側機能層の構成)
本発明の転写材料は、前述の支持体側機能層の二重結合消費率が10%以下であることが、転写後の支持体側機能層にフォトリソグラフィ適性を付与できる観点から、好ましい。支持体側機能層に用いられる有機溶媒系樹脂組成物を塗布し、乾燥した後に、露光せずに保護フィルム側機能層またはその他の機能層に用いられる水系樹脂組成物を塗布することで、このような範囲に支持体側機能層の二重結合消費率を制御することができる。なお、特開2014−108541号公報の転写材料では、支持体側機能層の二重結合消費率が10%を超える。
本発明の転写材料は、前述の支持体側機能層の屈折率が、1.5〜1.53であることが好ましく、1.5〜1.52であることがより好ましく、1.51〜1.52であることが特に好ましい。
本発明の転写材料は、前述の支持体側機能層の層厚が、支持体側機能層を用いて静電容量型入力装置の透明保護層を形成するときに十分な表面保護能を発揮させる観点から、1μm以上であることが好ましく、1〜15μmであることがより好ましく、2〜12μmmであることが特に好ましく、3〜10μmmであることがより特に好ましい。
(保護フィルム側機能層、その他の機能層の構成)
本発明の転写材料は、前述の保護フィルム側に配置される保護フィルム側機能層を有する。
本発明の転写材料は、保護フィルム側機能層またはその他の機能層の屈折率が前述の支持体側機能層の屈折率よりも高いことがより好ましい。保護フィルム側機能層またはその他の機能層の屈折率が1.55以上1.80以下であることが好ましい。これは保護フィルム側機能層またはその他の機能層が屈折率調整層である場合に更に好ましい態様である。
一方、屈折率調整層の屈折率は、透明電極の屈折率によって調整する必要があり、値の上限値としては特に制限はないが、1.78以下であることがより好ましく、1.74以下であってもよい。
特に、透明電極の屈折率が、In及びZnの酸化物(IZO)の場合の様に2.0を超える場合においては、屈折率調整層の屈折率は、1.7以上1.80以下であることが好ましい。
透明電極パターン(好ましくはITO)と前述の屈折率調整層との屈折率差、ならびに、前述の屈折率調整層と前述の支持体側機能層との屈折率差を小さくすることにより、光反射が低減して透明電極パターンが見えにくくなり、透明電極パターン視認性を改善することができる。また、支持体側機能層を積層した後に支持体側機能層を硬化させることなく保護フィルム側機能層またはその他の機能層を積層しても、層分画が良好となって、上記のメカニズムで透明電極パターン視認性を改善することができるとともに、転写材料から屈折率調整層を透明電極パターン上に転写した後で、フォトリソグラフィによって所望のパターンに現像できる。
本発明の転写材料は、保護フィルム側機能層またはその他の機能層が屈折率調整材として高屈折率素材を含有する屈折率調整層であり、かつ、屈折率調整層の膜厚が50〜120nmであることが好ましい。これは保護フィルム側機能層またはその他の機能層が屈折率調整層である場合に更に好ましい態様である。屈折率調整層の膜厚は110nm以下であることがより好ましい。屈折率調整層の膜厚が20nm以上であることが好ましい。屈折率調整層の膜厚が55〜100nmであることが特に好ましく、60〜100nmであることがより特に好ましく、70〜100nmであることがさらにより特に好ましい。
一方、保護フィルム側機能層またはその他の機能層が高密着力層である場合、高密着力層の膜厚が1〜20μmであることが特に好ましく、1〜10μmであることがより特に好ましく、1〜5μmであることがさらにより特に好ましい。
<熱可塑性樹脂層>
本発明の転写材料は、支持体側機能層と保護フィルム側機能層との間に熱可塑性樹脂層を設けることもできる。
前述の熱可塑性樹脂層はアルカリ可溶性であることが好ましい。熱可塑性樹脂層は、下地表面の凹凸(既に形成されている画像などによる凹凸等も含む。)を吸収することができるようにクッション材としての役割を担うものであり、対象面の凹凸に応じて変形しうる性質を有していることが好ましい。
熱可塑性樹脂層は、特開平5−72724号公報に記載の有機高分子物質を成分として含む態様が好ましく、ヴィカー(Vicat)法〔具体的には、アメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法〕による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれる少なくとも1種を含む態様が特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニルまたはそのケン化物等とのエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステルまたはそのケン化物との共重合体、ポリ塩化ビニルや塩化ビニルと酢酸ビニルまたはそのケン化物等との塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルまたはそのケン化物等とのビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等との(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロン等のポリアミド樹脂などの有機高分子が挙げられる。
熱可塑性樹脂層の層厚は、3〜30μmが好ましい。熱可塑性樹脂層の層厚が3μm未満の場合には、ラミネート時の追随性が不十分で、下地表面の凹凸を完全に吸収できないことがある。また、層厚が30μmを超える場合には、支持体への熱可塑性樹脂層の形成時の乾燥(溶剤除去)に負荷がかかったり、熱可塑性樹脂層の現像に時間を要したりし、プロセス適性を悪化させることがある。前述の熱可塑性樹脂層の層厚としては、4〜25μmが更に好ましく、5〜20μmが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、熱可塑性の有機高分子を含む調製液を塗布等して形成することができ、塗布等の際に用いる調製液は溶媒を用いて調製できる。溶媒には、熱可塑性樹脂層を構成する高分子成分を溶解し得るものであれば特に制限なく、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。
<中間層>
本発明の転写材料は、前述の熱可塑性樹脂層と前述の支持体側機能層との間に中間層を設けることもできる。中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている。
<転写材料の製造方法>
本発明の転写材料の製造方法は、特に制限はない。
例えば、本発明の転写材料の製造方法は、支持体上に支持体側機能層を形成する工程と、前述の支持体側機能層の上に直接第二の透明樹脂層を形成する工程とを有し、前述の支持体側機能層を形成する工程が、有機溶媒系樹脂組成物を前述の支持体上に塗布する工程であり、前述の第二の透明樹脂層を形成する工程が、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む水系樹脂組成物を塗布する工程であることが好ましい。第二の透明樹脂層は、保護フィルム側機能層またはその他の機能層であることが好ましく、保護フィルム側機能層であることが好ましい。
このような構成とすることで、層分画が良好であり、かつ、高温高湿下で経時させた場合に水系樹脂組成物を用いて形成された透明樹脂層の吸湿による問題を抑制できる。有機溶媒系樹脂組成物によって得られた支持体側機能層の上に、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む水系樹脂組成物を塗布することで、支持体側機能層を硬化せずに第二の透明樹脂層を形成しても層混合が生じず、層分画が良好となる。さらに、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む水系樹脂組成物を用いた塗布膜を乾燥させるときに酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩から、水よりも沸点の低いアンモニアが乾燥工程で揮発しやすいため、酸基を生成(再生)して酸基を有するモノマーまたは酸基を有する樹脂として第二の透明樹脂層に存在させることができる。そのため、高温高湿下で経時させて吸湿させた場合に第二の透明樹脂層を構成する酸基を有するモノマーまたは酸基を有する樹脂はすでに水に溶解しなくなっているため、転写材料が吸湿したときの問題も抑制することができる。
<支持体上に支持体側機能層を形成する工程>
本発明の転写材料の製造方法は、支持体上に支持体側機能層を形成する工程を有することが好ましく、前述の支持体側機能層を形成する工程が、有機溶媒系樹脂組成物を前述の支持体上に塗布する工程であることが好ましい。
(有機溶媒系樹脂組成物)
有機溶媒系樹脂組成物とは、有機溶媒を含む樹脂組成物のことを言う。有機溶媒系樹脂組成物は、有機溶媒に溶解することが好ましい。
有機溶媒としては、一般的な有機溶媒が使用できる。有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタム等を挙げることができる。
本発明の転写材料の製造方法は、支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤とを含むことが好ましい。
−バインダーポリマー−
前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物に含まれるバインダーポリマーとしては任意のポリマー成分を特に制限なく用いることができるが、静電容量型入力装置の透明保護膜として用いる観点から、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましく、アルカリ可溶性樹脂がより好ましく、アルカリ可溶性樹脂の中でも、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが好ましく用いられる。本発明の転写材料の製造方法は、支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物に含まれるバインダーポリマーが、アクリル樹脂を含有することが好ましく、支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物に含まれるバインダーポリマーと後述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物に含まれる酸基を有する樹脂またはバインダーポリマーがいずれもアクリル樹脂を含有することが、支持体側機能層と第二の透明樹脂層を転写する前および後の層間密着性を高める観点からより好ましい。支持体側機能層の前述のバインダーポリマーの好ましい範囲を具体的に説明する。
バインダーポリマーの酸価が50〜150mgKOH/gであることが好ましく、70〜120mgKOH/gであることがより好ましく、80〜110mgKOH/gであることがさらに好ましい。
前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物に用いられ、有機溶媒に対して溶解性を有する樹脂としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、公知のものの中から適宜選択でき、アルカリ可溶性樹脂が好ましく、前述のアルカリ可溶性樹脂としては、特開2011−95716号公報の段落0025、特開2010−237589号公報の段落0033〜0052に記載のポリマーを用いることができる。
また支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物は、ポリマーラテックスを含んでいても良い。ここで言うポリマーラテックスとは、水不溶のポリマーの微粒子が水に分散したものである。ポリマーラテックスについては、例えば室井宗一著「高分子ラテックスの化学(高分子刊行会発行(昭和48年))」に記載されている。
使用できるポリマー粒子としてはアクリル系、酢酸ビニル系、ゴム系(例えばスチレン−ブタジエン系、クロロプレン系)、オレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリスチレン系などのポリマー、及びこれらの共重合体からなるポリマー粒子が好ましい。
ポリマー粒子を構成するポリマー鎖相互間の結合力を強くすることが好ましい。ポリマー鎖相互間の結合力を強くする手段としては水素結合による相互作用を利用するものと共有結合を生成する方法が挙げられる。水素結合力を付与する手段としてはポリマー鎖に極性基を有するモノマーを共重合、もしくはグラフト重合して導入することが好ましい。極性基としてはカルボキシル基(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、部分エステル化マレイン酸等に含有される)、一級、二級及び三級アミノ基、アンモニウム塩基、スルホン酸基(スチレンスルホン酸)などが挙げられ、カルボキシル基、スルホン酸基が特に好ましい。
これらの極性基を有するモノマーの共重合比の好ましい範囲は、ポリマー100質量%に対し5〜35質量%であり、より好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは15〜20質量%の範囲内である。一方、共有結合を生成させる手段としては、水酸基、カルボキシル基、一級、二級アミノ基、アセトアセチル基、スルホン酸などに、エポキシ化合物、ブロックドイソシアネート、イソシアネ−ト、ビニルスルホン化合物、アルデヒド化合物、メチロール化合物、カルボン酸無水物などを反応させる方法が挙げられる。
これらの反応を利用したポリマーの中でもポリオール類とポリイソシアネ−ト化合物の反応で得られるポリウレタン誘導体が好ましく、鎖延長剤として多価アミンを併用するのがより好ましく、さらにポリマー鎖に上記極性基を導入してアイオノマー型にしたものが特に好ましい。
ポリマーの重量平均分子量は1万以上が好ましく、さらに好ましくは2万〜10万である。本発明に好適なポリマーとしてエチレンとメタクリル酸の共重合体であるエチレンアイオノマー、ポリウレタンアイオノマーが挙げられる。
本発明に用いることができるポリマーラテックスは、乳化重合によって得られるものでもよいし、乳化によって得られるものであってもよい。これらポリマーラテックスの調製方法については、例えば「エマルジョン・ラテックスハンドブック」(エマルジョン・ラテックスハンドブック編集委員会編集、(株)大成社発行(昭和50年))に記載されている。
本発明に用いることができるポリマーラテックスとしては、例えば、ポリエチレンアイオノマーの水性ディスパージョン(商品名:ケミパールS120 三井化学(株)製。固形分27%)(商品名:ケミパールS100 三井化学(株)製。固形分27%)(商品名:ケミパールS111 三井化学(株)製。固形分27%)(商品名:ケミパールS200 三井化学(株)製。固形分27%)、(商品名:ケミパールS300 三井化学(株)製。固形分35%)(商品名:ケミパールS650 三井化学(株)製。固形分27%)(商品名:ケミパールS75N 三井化学(株)製。固形分24%)や、ポリエーテル系ポリウレタンの水性ディスパージョン(商品名:ハイドランWLS−201 DIC(株)製。固形分35%、Tg−50℃)(商品名:ハイドランWLS−202 DIC(株)製。固形分35%、Tg−50℃)(商品名:ハイドランWLS−221 DIC(株)製。固形分35%、Tg−30℃)(商品名:ハイドランWLS−210 DIC(株)製。固形分35%、Tg−15℃)(商品名:ハイドランWLS−213 DIC(株)製。固形分35%、Tg−15℃)(商品名:ハイドランWLI−602 DIC(株)製。固形分39.5%、Tg−50℃)(商品名:ハイドランWLI−611 DIC(株)製。固形分39.5%、Tg−15℃)、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム(商品名:ジュリマーAT−210 日本純薬製)、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム(商品名:ジュリマーET−410 日本純薬製)、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム(商品名:ジュリマーAT−510 日本純薬製)、ポリアクリル酸(商品名:ジュリマーAC−10L 日本純薬製)をアンモニア中和し、乳化した物を挙げることができる。
−光重合性化合物−
水系樹脂組成物または有機溶媒系樹脂組成物に用いられる光重合性化合物としては、特許第4098550号の段落0023〜0024に記載の光重合性化合物を用いることができる。その中でも、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)付加物のテトラアクリレートを好ましく用いることができる。これらの重合性化合物は単独で用いてもよく、複数を含みあわせて用いてもよい。ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物を用いる場合、ペンタエリスリトールトリアクリレートの比率は質量比で0〜80%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましい。
有機溶媒系樹脂組成物に用いられる光重合性化合物としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリン、ビスフェノール等の多官能アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応した後で(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号等の各公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号等の各公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(商品名KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(NKエステル A−TMMT新中村化学工業(株)製)、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)付加物のテトラアクリレート(カヤラッドRP−1040 日本化薬(株)製)、NKエステル A−DCP(新中村化学工業(株)製)、アクリット8UX−015A(大成ファインケミカル株式会社製)を好ましく用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−光重合開始剤−
前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物が、前述の光重合性化合物および前述の光重合開始剤を含むことによって、支持体側機能層及び前述の第二の透明樹脂層のパターンを形成しやすくすることができる。
有機溶剤系樹脂組成物に用いられる光重合開始剤としては、特開2011−95716号公報に記載の段落0031〜0042に記載の光重合開始剤を用いることができる。例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](商品名:IRGACURE OXE−01、BASF製)の他、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(商品名:IRGACURE OXE−02、BASF製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(商品名:IRGACURE 379EG、BASF製)、IRGACURE 379(BASF製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 907、BASF製)、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 127、BASF製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(商品名:IRGACURE 369、BASF製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:IRGACURE 1173、BASF製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名:IRGACURE 184、BASF製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名:IRGACURE 651、BASF製)、オキシムエステル系の商品名:Lunar 6、DKSHジャパン株式会社製などを好ましく用いることができる。
前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物中、前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物の固形分に対して、前述の光重合開始剤は、1質量%以上含まれることが好ましく、2質量%以上含まれることがより好ましい。前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物中、前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物の固形分に対して、前述の光重合開始剤は、10質量%以下含まれることが好ましく、5質量%以下含まれることが透明積層体のパターニング性、基板密着性を改善する観点からより好ましい。
−金属酸化物粒子−
前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、粒子(好ましくは金属酸化物粒子)を含んでいても含んでいなくてもよい。上述の範囲に前述の支持体側機能層の屈折率を制御するために、使用するポリマーや重合性化合物の種類に応じて、任意の割合で金属酸化物粒子を含めることができる。前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物中、前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物の固形分に対して、前述の金属酸化物粒子は、0〜35質量%含まれることが好ましく、0〜10質量%含まれることがより好ましく、0〜1質量%含まれることが特に好ましい。
金属酸化物粒子は、透明性が高く、光透過性を有するため、高屈折率で、透明性に優れたポジ型感光性樹脂組成物が得られる。
前述の金属酸化物粒子は、支持体側機能層または第二の透明樹脂層からこの粒子を除いた材料からなる組成物の屈折率より屈折率が高いものであることが好ましい。具体的には、転写材料は第二の透明樹脂層として用いる保護フィルム側機能層またはその他の機能層が、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の粒子を含有することがより好ましく、屈折率が1.55以上の粒子を含有することが更に好ましく、屈折率が1.70以上の粒子を含有することが特に好ましく、1.90以上の粒子を含有することが最も好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
なお、前述の金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
光透過性で屈折率の高い金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましい。二酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これは支持体側機能層以外の機能層が屈折率調整層である場合に更に好ましい態様である。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
支持体側機能層および第二の透明樹脂層の透明性の観点から、前述の金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmが特に好ましい。ここで粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、前述の金属酸化物粒子は、1種単独で使用してよいし、2種以上を併用することもできる。
転写材料は、支持体側機能層および第二の透明樹脂層として用いる保護フィルム側機能層またはその他の機能層が、ZrO2粒子、Nb25粒子およびTiO2粒子のうち少なくとも一方を有することが、前述の支持体側機能層および前述の第二の透明樹脂層の屈折率の範囲に屈折率を制御する観点から好ましく、ZrO2粒子及びNb25粒子がより好ましい。
前述の第二の硬化性透明樹脂層は、金属酸化物粒子を含んでいても含んでいなくてもよいが、金属酸化物粒子を含むことが、上述の範囲に前述の第二の硬化性透明樹脂層の屈折率を制御する観点から好ましい。前述の第二の硬化性透明樹脂層には、使用するポリマーや重合性化合物の種類に応じて、任意の割合で金属酸化物粒子を含めることができるが、前述の第二の硬化性透明樹脂層中、前述の第二の硬化性透明樹脂層の固形分に対して、前述の金属酸化物粒子は、40〜95質量%含まれることが好ましく、50〜90質量%含まれることがより好ましく、55〜85質量%含まれることが特に好ましい。
<第二の透明樹脂層を形成する工程>
転写材料の製造方法は、支持体側機能層の上に直接第二の透明樹脂層を形成する工程を有し、前述の第二の透明樹脂層を形成する工程が、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む水系樹脂組成物を塗布する工程であることが好ましい。
(水系樹脂組成物)
水系樹脂組成物とは、水を含む樹脂組成物のことを言う。水系樹脂組成物は、水系溶媒に溶解することが好ましい。
水系溶媒としては、水もしくは炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水との混合溶媒が好ましい。本発明の転写材料の製造方法の好ましい態様では、第二の透明樹脂層の形成に用いる水系樹脂組成物の溶媒が、水および炭素原子数1〜3のアルコールを含むことが好ましく、水/炭素原子数1〜3のアルコール含有率が質量比で58/42〜100/0の水または混合溶媒を含むことがより好ましい。水/炭素原子数1〜3のアルコール含有率は、質量比で59/41〜100/0の範囲が特に好ましく、60/40〜97/3が透明積層体の着色を改善する観点からより特に好ましく、62/38〜95/5が透明積層体の基板密着性を改善する観点からさらにより特に好ましく、62/38〜85/15が最も好ましい。
水、水及びメタノールの混合溶剤、水及びエタノールの混合溶剤が好ましく、乾燥及び塗布性の観点から水及びメタノールの混合溶剤が好ましい。
特に、第二の透明樹脂層形成の際、水及びメタノールの混合溶剤を用いる場合は、水/メタノールの質量比(質量%比率)が58/42〜100/0であることが好ましく、59/41〜100/0の範囲がより好ましく、60/40〜97/3が特に好ましく、62/38〜95/5がより特に好ましく、62/38〜85/15がさらにより特に好ましい。この水/炭素原子数1〜3のアルコール含有率が質量比で58/42の範囲よりもメタノールが多くなると支持体側機能層が、溶解したり、白濁したりして好ましくない。
上記範囲に制御することにより、第二の透明樹脂層と層混合なく塗布と迅速な乾燥を実現できる。
水系樹脂組成物の25℃におけるpHが、7.0以上12.0以下であることが好ましく、7.0〜10.0であることがより好ましく、7.0〜8.5であることが特に好ましい。例えば、酸基に対して過剰量のアンモニアを用い、酸基を有するモノマーまたは酸基を有する樹脂を添加して、上記の好ましい範囲に水系樹脂組成物のpHを調整することができる。
また、本発明の転写材料の製造方法は、第二の透明樹脂層の形成に用られる水系樹脂組成物が、熱硬化性および光硬化性のうち少なくとも一方であることが好ましい。支持体側機能層および第二の透明樹脂層がこのような硬化性透明樹脂層である場合、本発明の転写材料の製造方法によれば支持体側機能層を積層した後に硬化させることなく第二の透明樹脂層を積層しても層分画が良好となって透明電極パターン視認性を改善することができるとともに、得られた転写材料(転写材料、好ましくは転写フィルム)から屈折率調整層(すなわち支持体側機能層、保護フィルム側機能層またはその他の機能層)を透明電極パターン上に転写した後で、フォトリソグラフィによって所望のパターンに現像できる。
本発明の転写材料の製造方法は、第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物が、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を有し、バインダーポリマーと、光または熱重合性化合物と、光または熱重合開始剤とを含むことが好ましい。酸基を有する樹脂のアンモニウム塩のみがバインダーポリマーであってもよく、酸基を有する樹脂のアンモニウム塩の他にさらに他のバインダーポリマーを併用してもよい。酸基を有するモノマーのアンモニウム塩が光または熱重合性化合物であってもよく、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩の他にさらに光または熱重合性化合物を併用してもよい。
−酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩−
水系樹脂組成物は、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩を含む。
酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩としては特に制限はない。
転写材料の製造方法は、第二の透明樹脂層の前述の酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩が、酸基を有するアクリルモノマーまたはアクリル樹脂のアンモニウム塩であることが好ましい。
転写材料の製造方法は、酸基を有するモノマーまたは酸基を有する樹脂をアンモニア水溶液に溶解させ、前述の酸基の少なくとも一部がアンモニウム塩化したモノマーまたは樹脂を含む水系樹脂組成物を調製する工程を含むことが好ましい。
本発明に用いることができるアンモニア水溶液の濃度としては特に制限はないが、アンモニア濃度が0.1〜25質量%のアンモニア水溶液が好ましく、0.5〜10質量%のアンモニア水溶液がより好ましく、1〜5質量%のアンモニア水溶液が特に好ましい。
−−酸基を有する樹脂−−
酸基を有するモノマーまたは酸基を有する樹脂としては、酸基を有する樹脂であることが好ましく、1価の酸基(カルボキシル基など)を有する樹脂であることがより好ましい。
第二の透明樹脂層の形成に用られる水系樹脂組成物に用い、水系溶媒(好ましくは水もしくは炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒)に対して溶解性を有する樹脂としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、公知のものの中から適宜選択できる。
水系樹脂組成物に用いられる酸基を有する樹脂は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(すなわち酸基:例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。このうち、更に好ましくは、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。酸基としては、カルボキシル基が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号、特開昭46−2121号公報や特公昭56−40824号公報の各公報に記載されているような、ポリ(メタ)アクリル酸、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、スチレン/マレイン酸等のマレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びにカルボキシアルキルセルロースおよびカルボキシアルキル澱粉等の側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。このポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。
(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、トリルアクリレート、ナフチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等を挙げることができる。
また、ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH2=CR12、CH2=C(R1)(COOR3)〔ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R2は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、R3は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独で或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH2=CR12、CH2=C(R1)(COOR3)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、CH2=CR12及び/又はCH2=C(R1)(COOR3)である。
この他に反応性官能基を有する(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等に、この反応性官能基と反応可能な置換基を有する線状高分子を反応させて、エチレン不飽和二重結合をこの線状高分子に導入した樹脂が挙げられる。反応性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等が例示でき、この反応性官能基と反応可能な置換基としては、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等をあげることができる。
これらの中でも、酸基を有する樹脂としては、酸基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。なお、本明細書中、アクリル樹脂には、メタクリル樹脂とアクリル樹脂の両方が含まれ、同様に(メタ)アクリルにはメタクリルとアクリルが含まれる。
−−酸基を有するモノマー−−
酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸やその誘導体などのアクリルモノマーや、以下のモノマーを好ましく用いることができる。
例えば、3〜4官能のラジカル重合性モノマー(ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート[PETA]骨格にカルボン酸基を導入したもの(酸価=80〜120mg−KOH/g))、5〜6官能のラジカル重合性モノマー(ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート[DPHA]骨格にカルボン酸基を導入したもの(酸価=25〜70mg−KOH/g))等が挙げられる。具体的な名称は記載していないが、必要に応じ、2官能のアルカリ可溶性ラジカル重合性モノマーを用いても良い。
その他、特開2004−239942号公報の[0025]〜[0030]に記載の酸基を有するモノマーも好ましく用いることができ、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸やその誘導体などのアクリルモノマーをより好ましく用いることができる。なお、本明細書中、アクリルモノマーは、メタクリルモノマーとアクリルモノマーの両方が含まれる。
−他のバインダーポリマー−
水系樹脂組成物に用いられる酸基を有さない他のバインダーポリマーとしては特に制限はなく、前述の支持体側機能層の形成に用いられる有機溶媒系樹脂組成物に用いられるバインダーポリマーを用いることができる。
−重合性化合物−
前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物が、前述の光重合性化合物または熱重合性化合物などの重合性化合物を含むことが、硬化させて膜の強度などを高める観点から好ましい。前述の酸基を有するモノマー以外の他の光重合性化合物を含むことがより好ましい。
水系樹脂組成物に用いられる重合性化合物としては、特許第4098550号の段落0023〜0024に記載の重合性化合物を用いることができる。その中でも、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)付加物のテトラアクリレートを好ましく用いることができる。さらに、水系樹脂組成物に用いられる酸基を有するモノマー以外の他の光重合性化合物としては、アルコール可溶性モノマーを挙げることができる。アルコール可溶性モノマーとしては特に制限はないが、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェートであるJPA−514(城北化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
これらの重合性化合物は単独で用いてもよく、複数を含みあわせて用いてもよい。ペンタエリスリトールテトラアクリレートとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物を用いる場合、ペンタエリスリトールトリアクリレートの比率は質量比で0〜80%であることが好ましく、10〜60%であることがより好ましい。
水系樹脂組成物に用いられる光重合性化合物として、具体的には、下記構造式1で表される水溶性の重合性化合物、ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(NKエステル A−TMMT新中村化学工業(株)製、不純物としてトリアクリレート約10%含有)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとトリアクリレートの混合物(NKエステル A−TMM3LM−N 新中村化学工業(株)製、トリアクリレート37%)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとトリアクリレートの混合物(NKエステル A−TMM−3L 新中村化学工業(株)製、トリアクリレート55%)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとトリアクリレートの混合物(NKエステル A−TMM3 新中村化学工業(株)製、トリアクリレート57%)、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド(EO)付加物のテトラアクリレート(カヤラッドRP−1040 日本化薬(株)製)、アロニックスTO−2349(東亜合成社製)などを挙げることができる。
水系樹脂組成物に用いられる光重合性化合物としては、これらの中でも、本発明の転写材料のレチキュレーションを改善する観点からは、下記構造式1で表される水溶性の重合性化合物、ペンタエリスリトールテトラアクリレート混合物(NKエステル A−TMMT新中村化学工業(株)製)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとトリアクリレートの混合物(NKエステル A−TMM3LM−N 新中村化学工業(株)製、トリアクリレート37%)、ペンタエリスリトールテトラアクリレートとトリアクリレートの混合物(NKエステル A−TMM−3L 新中村化学工業(株)製、トリアクリレート55%)を好ましく用いることができる。
Figure 0006431832
その他の水系樹脂組成物に用いられる光重合性化合物としては、メタノールなどの炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒にも溶解性を有することが、後述する金属酸化物粒子のアルコール分散液を水系樹脂組成物に併用する場合に好ましい。水もしくは炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒に対して溶解性を有する重合性化合物としては、水酸基を有するモノマー、分子内にエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド、及びリン酸基を有するモノマーが使用できる。炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒にも溶解性を有する重合性化合物としては、カヤラッドRP−1040(日本化薬(株)製)、アロニックスTO−2349(東亜合成社製)、重合性モノマー A−9300(新中村化学工業(社)製)、A−GLY−20E (新中村化学工業(社)製)などが好ましい。なお、重合性化合物が炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒にも溶解性を有するとは、アルコールと水の混合溶媒に0.1質量%以上溶解することを言う。
また、重合性化合物の含有量は、樹脂組成物の固形分の全重量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが特に好ましく、1〜3質量%であることが更により特に好ましい。
−光重合開始剤−
水系樹脂組成物に用いられ、水もしくは炭素原子数1乃至3の低級アルコールと水の混合溶媒に対して溶解性を有する光重合開始剤としてはIRGACURE 2959や、下記構造式2の開始剤が使用できる。
また、重合開始剤の含有量は、樹脂組成物の固形分の全質量に対し、0〜5質量%であることが好ましく、0〜1質量%であることがより好ましく、0〜0.5質量%であることが更に好ましい。
Figure 0006431832
−金属酸化物粒子−
前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、粒子(好ましくは金属酸化物粒子)を含んでいても含んでいなくてもよいが、金属酸化物粒子を含むことが、上述の範囲に前述の第二の透明樹脂層の屈折率を制御する観点から好ましい。前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物には、使用するポリマーや重合性化合物の種類に応じて、任意の割合で金属酸化物粒子を含めることができるが、前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物中、前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物の固形分に対して、前述の金属酸化物粒子は、40〜95質量%含まれることが好ましく、55〜95質量%含まれることがより好ましく、62〜90質量%含まれることが本発明の転写材料のヒビ割れを改善する観点から特に好ましく、62〜75質量%含まれることが本発明の転写材料のヒビ割れをより改善し、かつ、透明積層体の基板密着性を改善する観点からより特に好ましく、62〜70質量%含まれることがさらにより特に好ましい。
−金属酸化抑制剤−
前述の第二の透明樹脂層の形成に用いられる水系樹脂組成物は、金属酸化抑制剤を含むことが好ましい。第二の透明樹脂層が金属酸化抑制剤を含有することにより、第二の透明樹脂層を支持体(基板、透明電極、金属配線部等)上に積層する際に、第二の透明樹脂層と直接接する金属配線部を表面処理することが可能となる。上記表面処理による金属配線部の保護性は、第二の透明樹脂層(及び支持体側機能層)を除去した後にも有効であると考えられる。
本発明に用いられる金属酸化抑制剤としては、分子内に窒素原子を含む芳香環を有する化合物であることが好ましい。
また、本発明に用いられる金属酸化抑制剤としては、上記窒素原子を含む芳香環が、イミダゾール環、トリアゾ−ル環、テトラゾール環、チアジアゾール環、及び、それらと他の芳香環との縮合環よりなる群から選ばれた少なくとも一つの環であることが好ましく、上記窒素原子を含む芳香環が、イミダゾール環、又はイミダゾール環と他の芳香環との縮合環であることがより好ましい。
上記他の芳香環としては、単素環でも複素環でもよいが、単素環であることが好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環であることがより好ましく、ベンゼン環であることが更に好ましい。
好ましい金属酸化抑制剤としては、イミダゾール、ベンズイミダゾール、テトラゾール、メルカプトチアジアゾール、及び、ベンゾトリアゾールが好ましく例示され、イミダゾール、ベンズイミダゾール及びベンゾトリアゾールがより好ましい。
また、金属酸化抑制剤の含有量は、第二の透明樹脂層の全質量に対し、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。
<アンモニアの揮発>
さらに本発明の転写材料の製造方法は、酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩から、アンモニアを揮発させることで、酸基を生成する工程を含むことが好ましい。前述の酸基を有するモノマーのアンモニウム塩または酸基を有する樹脂のアンモニウム塩から、アンモニアを揮発させることで、酸基を生成する工程が、塗布された前述の水系樹脂組成物を加熱する工程であることが好ましい。
塗布された前述の水系樹脂組成物を加熱する工程の詳細な条件の好ましい範囲について、以下に示す。
加熱・乾燥方法としては、加熱装置を備えた炉内を通過させる方法や、又、送風により実施することもできる。加熱・乾燥条件は、使用する有機溶剤等に応じて適宜設定すれば良く、40〜150℃の温度に加熱する方法等が挙げられる。これらの条件の中でも、50〜120℃の温度で加熱することが特に好ましく、60〜100℃の温度に加熱することが更に好ましい。加熱・乾燥後の組成物としては、含水率が5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下にすることがより好ましく、1質量%以下にすることが更に好ましい。
<その他の工程>
本発明の転写材料が保護フィルム側機能層と支持体側機能層に加えてその他の機能層を有する場合、転写材料の製造方法はその他の機能層を第二の透明樹脂層として形成し、第二の透明樹脂層上に前述の保護フィルム側機能層を第三の透明樹脂層として形成する工程を含んでいてもよい。第三の透明樹脂層を形成する工程の好ましい態様は、支持体側機能層を形成する工程の好ましいと同様であり、有機溶媒系樹脂組成物を用いることが好ましい。第三の透明樹脂層として保護フィルム側機能層を形成する場合、保護フィルム側機能層に用いられるバインダーポリマーとしては特に制限はないが、高密着力層を形成するためにポリエステル系ポリマーなどを用いることが好ましい。保護フィルム側機能層に用いられるバインダーポリマーとしては、例えば、バイロン500(東洋紡製)を用いることができる。第三の透明樹脂層として保護フィルム側機能層を形成する場合、保護フィルム側機能層にはさらに公知の界面活性剤を添加することが好ましく、例えばメガファックF560(DIC製)を添加することが好ましい。なお、支持体側機能層を形成する工程における有機溶媒系樹脂組成物も公知の界面活性剤を添加することが好ましく、例えばメガファックF560(DIC製)を添加することが好ましい。
前述の支持体上に前述の支持体側機能層を形成した後に、さらに熱可塑性樹脂層を形成する工程を含んでいてもよい。
前述の熱可塑性樹脂層を形成する工程の後に、前述の熱可塑性樹脂層と前述の支持体側機能層の間に中間層を形成する工程を含んでいてもよい。具体的に中間層を有する感光性材料を形成する場合には、支持体上に、熱可塑性の有機高分子と共に添加剤を溶解した溶解液(熱可塑性樹脂層用塗布液)を塗布し、乾燥させて熱可塑性樹脂層を設けた後、この熱可塑性樹脂層上に熱可塑性樹脂層を溶解しない溶剤に樹脂や添加剤を加えて調製した調製液(中間層用塗布液)を塗布し、乾燥させて中間層を積層し、この中間層上に更に、中間層を溶解しない溶剤を用いて調製した感光性樹脂層用塗布液を塗布し、乾燥させて感光性樹脂層を積層することによって、好適に作製することができる。
その他の透明樹脂層の製造方法は、特開2006−259138号公報の段落0094〜0098に記載の感光性転写材料の作製方法を採用することができる。
[ロール]
本発明のロールは、本発明の転写材料がロール状に巻き取られたロールである。
本発明のロールは、ロールの巻き姿が良好(正常)であることが好ましい。ロールの巻き姿は、巻き取ったロールを2週間、25℃、相対湿度50%の環境下に放置し、ロールの表面に生じた段差(ロール中心軸からロール表面までの距離の最大値と最小値の差)の大きさで表すことができ、段差が小さいことが好ましい。支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数を小さくすることで、段差を小さくすることができる。
本発明の転写材料をロール状に巻き取る場合、巻き芯に転写材料をテンション90〜150N/m、巻取り速度85〜115m/minで巻き取ることが好ましく、テンション96〜144N/m、巻取り速度90〜110m/minで巻き取ることがより好ましく、テンション102〜138N/m、巻取り速度95〜105m/minで巻き取ることが特に好ましい。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、本発明のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネルである。
タッチパネルには、抵抗膜型、静電容量型などがある。
静電容量型の入力装置は、単に一枚の基板に透光性導電膜を形成すればよいという利点がある。かかる静電容量型のタッチパネル(静電容量型入力装置)では、例えば、互いに交差する方向に電極パターンを延在させて、指などが接触した際、電極間の静電容量が変化することを検知して入力位置を検出するタイプのものがある。本発明のタッチパネルは、静電容量型入力装置であることが好ましい。
静電容量型入力装置は、後述の透明積層体を有することが好ましい。
<透明積層体>
透明積層体は、透明電極パターンと、この透明電極パターン側に好ましくは隣接して配置された保護フィルム側機能層と、この保護フィルム側機能層に隣接またはその他の機能層を介して配置された支持体側機能層とを有し、支持体側機能層に隣接する保護フィルム側機能層またはその他の機能層(転写材料の製造方法における第二の透明樹脂層)の屈折率が前述の支持体側機能層の屈折率よりも高く、前述の第二の透明樹脂層の屈折率が1.6以上であることが好ましい。
このような構成とすることにより、透明電極パターンが視認される問題を解決することができ、パターニング性が良好となる。
さらに透明積層体は、基板密着性が良好であることが好ましい。
(透明積層体の構成)
透明積層体は、前述の透明電極パターンの前述の支持体側機能層に隣接する保護フィルム側機能層またはその他の機能層(転写材料の製造方法における第二の透明樹脂層)が形成された側と反対側に、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜をさらに有することが、透明電極パターンの視認性をより改善する観点から、好ましい。なお、本明細書中、特に断りがなく「透明膜」と記載する場合は、上記の「屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜」を指す。
透明積層体は、前述の屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜の前述の透明電極パターンが形成された側と反対側に、透明基板をさらに有することが好ましい。
図11に透明積層体の構成の1例を示す。
図11では、透明基板1、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜11を有し、さらに透明電極パターン4、保護フィルム側機能層12および支持体側機能層7がこの順に積層された領域21を面内に有する。また、図11では、前述の透明積層体は、上記領域に加えて、透明基板1、および異なる屈折率を有する少なくとも2種の透明薄膜を含む多層膜である透明膜11がこの順に積層された領域(図11の構成では、保護フィルム側機能層12と支持体側機能層7がこの順に積層された領域22(すなわち、透明電極パターンが形成されていない非パターン領域22))を含むことが示されている。
換言すれば、前述の透明電極パターン付き基板は、透明基板1、異なる屈折率を有する少なくとも2種の透明薄膜を含む多層膜11、透明電極パターン4、保護フィルム側機能層12および支持体側機能層7がこの順に積層された領域21を面内方向に含む。
面内方向とは、透明積層体の透明基板と平行な面に対して略平行方向を意味する。したがって、透明電極パターン4、保護フィルム側機能層12および支持体側機能層7がこの順に積層された領域を面内に含むとは、透明電極パターン4、保護フィルム側機能層12および支持体側機能層7がこの順に積層された領域の、透明積層体の透明基板と平行な面への正射影が、透明積層体の透明基板と平行な面内に存在することを意味する。
ここで、透明積層体を後述する静電容量型入力装置に用いる場合、透明電極パターンは行方向と列方向の略直交する2つの方向にそれぞれ第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンとして設けられることがある(例えば、図3参照)。例えば図3の構成では、透明積層体における透明電極パターンは、第二の透明電極パターン4であっても、第一の透明電極パターン3のパッド部分3aであってもよい。言い換えると、以下の透明積層体の説明では、透明電極パターンの符号を「4」で代表して表すことがあるが、透明積層体における透明電極パターンは、本発明の静電容量型入力装置における第二の透明電極パターン4への使用に限定されず、例えば第一の透明電極パターン3のパッド部分3aとして使用してもよい。
透明積層体は、前述の透明電極パターンが形成されていない非パターン領域を含むことが好ましい。本明細書中、非パターン領域とは、透明電極パターン4が形成されていない領域を意味する。
図11には、透明積層体が非パターン領域22を含む態様が示されている。
透明積層体は、前述の透明電極パターンが形成されていない非パターン領域22の少なくとも一部に、前述の透明基板、前述の透明膜および前述の第二の透明樹脂層がこの順に積層された領域を面内に含むことが好ましい。
透明積層体は、前述の透明基板、前述の透明膜および前述の第二の透明樹脂層がこの順に積層された領域において、前述の透明膜および前述の第二の透明樹脂層が互いに隣接していることが好ましい。
但し、前述の非パターン領域22のその他の領域には、本発明の趣旨に反しない限りにおいてその他の部材を任意の位置に配置してもよく、例えば透明積層体を後述する静電容量型入力装置に用いる場合、図1Aにおけるマスク層2や、絶縁層5や導電性要素6などを積層することができる。
透明積層体は、前述の透明基板および透明膜が互いに隣接していることが好ましい。
図11には、前述の透明基板1の上に隣接して前述の透明膜11が積層している態様が示されている。
但し、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、前述の透明基板および前述の透明膜の間に、第三の透明膜が積層されていてもよい。例えば、前述の透明基板および前述の透明膜の間に、屈折率1.5〜1.52の第三の透明膜(図11には不図示)を含むことが好ましい。
透明積層体は前述の透明膜の厚みが55〜110nmであることが好ましく、60〜110nmであることがより好ましく、70〜90nmであることが特に好ましい。
ここで、前述の透明膜は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。前述の透明膜が2層以上の積層構造である場合、前述の透明膜の膜厚とは、全層の合計膜厚を意味する。
透明積層体は、前述の透明膜および前述の透明電極パターンが互いに隣接していることが好ましい。
図11には、前述の透明膜11の一部の領域上に隣接して前述の透明電極パターン4が積層している態様が示されている。
図11に示すように、前述の透明電極パターン4の端部は、その形状に特に制限はないがテーパー形状を有していてもよく、例えば、前述の透明基板側の面の方が、前述の透明基板と反対側の面よりも広いようなテーパー形状を有していてもよい。
ここで、前述の透明電極パターンの端部がテーパー形状であるときの透明電極パターンの端部の角度(以下、テーパー角とも言う)は、30°以下であることが好ましく、0.1〜15°であることがより好ましく、0.5〜5°であることが特に好ましい。
本明細書中におけるテーパー角の測定方法は、前述の透明電極パターンの端部の顕微鏡写真を撮影し、その顕微鏡写真のテーパー部分を三角形に近似し、テーパー角を直接測定して求めることができる。
図10に透明電極パターンの端部がテーパー形状である場合の一例を示す。図10におけるテーパー部分を近似した三角形は、底面が800nmであり、高さ(底面と略平行な上底部分における膜厚)が40nmであり、このときのテーパー角αは約3°である。テーパー部分を近似した三角形の底面は、10〜3000nmであることが好ましく、100〜1500nmであることがより好ましく、300〜1000nmであることが特に好ましい。
なお、テーパー部分を近似した三角形の高さの好ましい範囲は、透明電極パターンの膜厚の好ましい範囲と同様である。
透明積層体は、前述の透明電極パターンおよび前述の第二の透明樹脂層が互いに隣接している領域を含むことが好ましい。
図11には、前述の透明電極パターン、保護フィルム側機能層および支持体側機能層がこの順に積層された領域21において、前述の透明電極パターン、保護フィルム側機能層および支持体側機能層が互いに隣接している態様が示されている。
また、透明積層体は、前述の透明膜および保護フィルム側機能層によって、前述の透明電極パターンおよび前述の透明電極パターンが形成されていない非パターン領域22の両方が連続して直接または他の層を介して被覆されたことが好ましい。
ここで、「連続して」とは、前述の透明膜および保護フィルム側機能層がパターン膜ではなく、連続膜であることを意味する。すなわち、前述の透明膜および保護フィルム側機能層は、開口部を有していないことが、透明電極パターンを視認されにくくする観点から好ましい。
また、前述の透明膜および保護フィルム側機能層によって、前述の透明電極パターンおよび前述の非パターン領域22が、他の層を介して被覆されるよりも、直接被覆されることが好ましい。他の層を介して被覆される場合における「他の層」としては、後述する本発明の静電容量型入力装置に含まれる絶縁層5や、後述する本発明の静電容量型入力装置のように透明電極パターンが2層以上含まれる場合は2層目の透明電極パターンなどを挙げることができる。
図11には、保護フィルム側機能層12が積層している態様が示されている。保護フィルム側機能層12は、前述の透明膜11上の透明電極パターン4が積層していない領域と、透明電極パターン4が積層している領域との上にまたがって積層している。すなわち、保護フィルム側機能層12は、前述の透明膜11と隣接しており、さらに、保護フィルム側機能層12は、透明電極パターン4と隣接している。
また、透明電極パターン4の端部がテーパー形状である場合は、テーパー形状に沿って(テーパー角と同じ傾きで)保護フィルム側機能層12が積層していることが好ましい。
図11では、保護フィルム側機能層12の前述の透明電極パターンが形成された表面とは反対側の表面上に、支持体側機能層7が積層された態様が示されている。
(透明基板)
透明積層体は、前述の透明基板が屈折率1.5〜1.55のガラス基板であることが好ましい。前述の透明基板の屈折率は、1.5〜1.52であることが特に好ましい。
前述の透明基板は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、前述の透明基板としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報および特開2010−257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
(透明電極パターン)
前述の透明電極パターンの屈折率は1.75〜2.1であることが好ましい。
前述の透明電極パターンの材料は特に制限されることはなく、公知の材料を用いることができる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、前述の第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、前述の導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落0014〜0016等を参考にすることができる。その中でも、前述の透明電極パターンは、ITO膜であることが好ましい。
透明積層体は、前述の透明電極パターンが屈折率1.75〜2.1のITO膜であることが好ましい。
(支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の構成)
透明積層体に含まれる支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の好ましい範囲は、本発明の転写材料における前述の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の好ましい範囲と同様である。
(透明膜)
透明積層体は、前述の透明膜の屈折率が1.6〜1.78であり、1.65〜1.74であることが好ましい。ここで、前述の透明膜は、単層構造であっても、2層以上の積層構造であってもよい。前述の透明膜が2層以上の積層構造である場合、前述の透明膜の屈折率とは、全層の屈折率を意味する。
このような屈折率の範囲を満たす限りにおいて、前述の透明膜の材料は特に制限されない。
前述の透明膜の材料の好ましい範囲と屈折率などの物性の好ましい範囲は、前述の転写材料の製造方法における第二の透明樹脂層(保護フィルム側機能層またはその他の機能層)のそれらの好ましい範囲と同様である。
透明積層体は、前述の透明膜と前述の保護フィルム側機能層が、同一材料によって構成されたことが光学的均質性の観点から好ましい。
透明積層体は、前述の透明膜が透明樹脂膜であることが好ましい。
透明樹脂膜に用いられる金属酸化物粒子や樹脂(バインダー)やその他の添加剤としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、本発明の転写材料における保護フィルム側機能層またはその他の機能層に用いられる樹脂やその他の添加剤を好ましく用いることができる。
透明積層体は、前述の透明膜が無機膜であってもよい。無機膜に用いられる材料としては、本発明の転写材料における保護フィルム側機能層またはその他の機能層に用いられる材料を好ましく用いることができる。
(第三の透明膜)
前述の第三の透明膜の屈折率は、1.5〜1.55であることが前述の透明基板の屈折率に近付けて、透明電極パターンの視認性を改善する観点から好ましく、1.5〜1.52であることがより好ましい。
<静電容量型入力装置>
静電容量型入力装置は、本発明の転写材料を用いて、透明電極パターンを含む基板上に転写材料の前述の保護フィルム側機能層および前述の支持体側機能層をこの順で積層することにより作製されてなること、あるいは、透明積層体を有することが好ましい。
静電容量型入力装置は、本発明の転写材料から保護フィルム側機能層と前述の保護フィルム側機能層に隣接して配置された支持体側機能層とを、静電容量型入力装置の透明電極パターンの上に転写して作製されてなることが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、本発明の転写材料から転写された支持体側機能層および保護フィルム側機能層を同時に硬化されてなることが好ましく、支持体側機能層および保護フィルム側機能層を同時にパターン硬化されてなることがより好ましい。なお、本発明の転写材料から転写された支持体側機能層および保護フィルム側機能層を同時に硬化する際、本発明の転写材料から保護フィルムを剥離しないことが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、本発明の転写材料から転写され、同時にパターン硬化されてなる支持体側機能層および保護フィルム側機能層の未硬化部分を現像し、取り除かれてなることがより好ましい。なお、本発明の転写材料から転写された支持体側機能層および保護フィルム側機能層を同時に硬化した後、現像する前に本発明の転写材料から保護フィルムを剥離することが好ましい。本発明の静電容量型入力装置は、引き回し配線の端末部で、ポリイミドフィルム上に形成されたフレキシブル配線と接続する必要があるため、支持体側機能層(および保護フィルム側機能層)に覆われていないことが好ましい。
その態様を図13に示した。図13は透明電極パターンの引き回し配線(別の導電性要素6)と引き回し配線の端末部31を含む、以下の構成の静電容量型入力装置を示した。
引き回し配線の端末部31上の支持体側機能層(および保護フィルム側機能層)が未硬化部(未露光部)となっているため、現像で除去され、引き回し配線の端末部31が露出している。
具体的な露光、現像の態様を図14および図15に示した。図14は、支持体側機能層および保護フィルム側機能層を有する本発明の転写材料30を、静電容量型入力装置の透明電極パターンの上にラミネートにより積層し、露光等によって硬化する前の状態を示す。フォトリソグラフィを利用する場合、すなわち露光により硬化する場合は、図15に示した形状の支持体側機能層と保護フィルム側機能層の硬化部(露光部)33を、マスクを用いてパターン露光および未露光部の現像をすることにより、得ることができる。具体的には、図15では、支持体側機能層と保護フィルム側機能層の未硬化部として引き回し配線の端末部に対応する開口部34と、静電容量型入力装置の枠部の輪郭の外側にはみ出していた支持体側機能層と保護フィルム側機能層を有する本発明の転写材料の端部とが取り除かれた、引き回し配線の端末部(取出配線部)を覆わないための支持体側機能層と保護フィルム側機能層の硬化部(所望のパターン)が得られる。
これにより、ポリイミドフィルム上に作製されたフレキシブル配線を、引き回し配線の端末部31に直接つなぐことができ、これにより、センサーの信号を電気回路に送ることが可能になる。
本発明の静電容量型入力装置は、透明電極パターンと、この透明電極パターンに隣接して配置された保護フィルム側機能層と、この保護フィルム側機能層に隣接して配置された支持体側機能層とを有し、前述の保護フィルム側機能層の屈折率が前述の支持体側機能層の屈折率よりも高く、前述の保護フィルム側機能層の屈折率が1.6以上である、透明積層体を有することが好ましい。
以下、本発明の静電容量型入力装置の好ましい態様の詳細を説明する。
本発明の静電容量型入力装置は、前面板(透明積層体における前述の透明基板に相当する)と、前述の前面板の非接触面側に少なくとも下記(3)〜(5)、(7)および(8)の要素を有し、透明積層体を有することが好ましい。
(3)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン;
(4)前述の第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、前述の第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の電極パターン;
(5)前述の第一の透明電極パターンと前述の第二の電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層;
(7) 前述の(3)〜(5)の要素の全てまたは一部を覆うように形成された保護フィルム側機能層;
(8) 前述の(7)の要素を覆うように隣接して形成された支持体側機能層。
ここで、前述の(7)保護フィルム側機能層が、透明積層体における前述の保護フィルム側機能層に相当する。また、前述の(8)支持体側機能層が、透明積層体における前述の支持体側機能層に相当する。なお、前述の支持体側機能層は、通常公知の静電容量型入力装置におけるいわゆる透明保護層であることが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、前述の(4)第二の電極パターンが透明電極パターンであっても、透明電極パターンでなくてもよいが、透明電極パターンであることが好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、さらに、(6)前述の第一の透明電極パターンおよび前述の第二の電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続される、前述の第一の透明電極パターンおよび前述の第二の電極パターンとは別の導電性要素を有していてもよい。
ここで、前述の(4)第二の電極パターンが透明電極パターンでなく、前述の(6)別の導電性要素を有さない場合は、前述の(3)第一の透明電極パターンが、透明積層体における透明電極パターンに相当する。
前述の(4)第二の電極パターンが透明電極パターンであり、前述の(6)別の導電性要素を有さない場合は、前述の(3)第一の透明電極パターンおよび前述の(4)第二の電極パターンのうち少なくとも一つが、透明積層体における透明電極パターンに相当する。
前述の(4)第二の電極パターンが透明電極パターンでなく、前述の(6)別の導電性要素を有する場合は、前述の(3)第一の透明電極パターンおよび前述の(6)別の導電性要素のうち少なくとも一つが、透明積層体における透明電極パターンに相当する。
前述の(4)第二の電極パターンが透明電極パターンであり、前述の(6)別の導電性要素を有する場合は、前述の(3)第一の透明電極パターン、前述の(4)第二の電極パターンおよび前述の(6)別の導電性要素のうち少なくとも一つが、透明積層体における透明電極パターンに相当する。
本発明の静電容量型入力装置は、さらに(2)透明膜を、前述の(3)第一の透明電極パターンと前述の前面板の間、前述の(4)第二の電極パターンと前述の前面板の間、または、前述の(6)別の導電性要素と前述の前面板の間に有することが好ましい。ここで、前述の(2)透明膜が、透明積層体における、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜に相当することが、透明電極パターンの視認性をより改善する観点から好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、さらに必要に応じて(1)マスク層および/または加飾層を有することが好ましい。前述のマスク層は、指またはタッチペンなどで触れる領域の周囲に黒色の額縁として、透明電極パターンの引き回し配線を接触側から視認できないようにしたり、加飾をしたりするためにも設けられる。前述の加飾層は、指またはタッチペンなどで触れる領域の周囲に額縁として加飾のために設けられ、例えば白色の加飾層を設けることが好ましい。
前述の(1)マスク層および/または加飾層は、前述の(2)透明膜と前述の前面板の間、前述の(3)第一の透明電極パターンと前述の前面板の間、前述の(4)第二の透明電極パターンと前述の前面板の間、または、前述の(6)別の導電性要素と前述の前面板の間に有することが好ましい。前述の(1)マスク層および/または加飾層は、前述の前面板に隣接して設けられることがより好ましい。
本発明の静電容量型入力装置は、このような様々な部材を含む場合であっても、透明電極パターンに隣接して配置された前述の保護フィルム側機能層と、前述の保護フィルム側機能層に隣接またはその他の機能層を介して配置された前述の支持体側機能層を含むことによって、透明電極パターンを目立たなくすることができ、透明電極パターンの視認性の問題を改善することができる。さらに、上述のとおり、前述の屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜と前述の保護フィルム側機能層を用いて、透明電極パターンを挟みこむ構成とすることによって、より透明電極パターンの視認性の問題を改善することができる。
<静電容量型入力装置の構成>
まず、本発明の静電容量型入力装置の好ましい構成について、装置を構成する各部材の製造方法とあわせて説明する。図1Aは、本発明の静電容量型入力装置の好ましい構成を示す断面図である。図1Aにおいて静電容量型入力装置10は、透明基板(前面板)1と、マスク層2と、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜11と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、保護フィルム側機能層12と、支持体側機能層7と、から構成されている態様が示されている。
また、後述する図3におけるX−Y断面を表した図1Bも同様に、本発明の静電容量型入力装置の好ましい構成を示す断面図である。図1Bにおいて静電容量型入力装置10は、透明基板(前面板)1と、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜11と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、保護フィルム側機能層12と、支持体側機能層7と、から構成されている態様が示されている。
透明基板(前面板)1は、透明積層体における透明電極パターンの材料として挙げた材料を用いることができる。また、図1Aにおいて、前面板1の各要素が設けられている側を非接触面側と称する。本発明の静電容量型入力装置10においては、前面板1の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
また、前面板1の非接触面上にはマスク層2が設けられている。マスク層2は、タッチパネル前面板の非接触面側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
本発明の静電容量型入力装置10には、図2に示すように、前面板1の一部の領域(図2においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層2が設けられている。更に、前面板1には、図2に示すように一部に開口部8を設けることができる。開口部8には、押圧式のメカニカルなスイッチを設置することができる。
前面板1の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されている。前述の第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、透明積層体における透明電極パターンの材料として挙げたものを用いることができ、ITO膜であることが好ましい。
また、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図1Aにおいては、第二の透明電極パターンが、前面板1の非接触面およびマスク層2の前面板1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。
このように、一定の厚みが必要なマスク層と前面板裏面とにまたがって感光性フィルムをラミネートする場合でも、後述する特定の層構成を有する感光性フィルムを用いることで真空ラミネータなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程でマスク部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
図3を用いて第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4について説明する。図3は、本発明における第一の透明電極パターンおよび第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図3に示すように、第一の透明電極パターン3は、パッド部分3aが接続部分3bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン4は、第一の透明電極パターン3と絶縁層5によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図3における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン3を形成する場合、前述のパッド部分3aと接続部分3bとを一体として作製してもよいし、接続部分3bのみを作製して、パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分3aと第二の透明電極パターン4とを一体として作製(パターニング)する場合、図3に示すように接続部分3bの一部とパッド部分3aの一部とが連結され、且つ、絶縁層5によって第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
また、図3における第一の透明電極パターン3や第二の透明電極パターン4や後述する導電性要素6が形成されていない領域が、透明積層体における非パターン領域22に相当する。
図1Aにおいて、マスク層2の前面板1とは逆側の面側には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4とは別の要素である。
図1Aにおいては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
また、図1Aにおいては、各構成要素の全てを覆うように支持体側機能層7が設置されている。支持体側機能層7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層5と支持体側機能層7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5を構成する材料としては、透明積層体における支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の材料として挙げたものを好ましく用いることができる。
<静電容量型入力装置の製造方法>
本発明の静電容量型入力装置を製造する過程で形成される態様例として、図4〜8の態様を挙げることができる。図4は、開口部8が形成された強化処理ガラス11の一例を示す上面図である。図5は、マスク層2が形成された前面板の一例を示す上面図である。図6は、第一の透明電極パターン3が形成された前面板の一例を示す上面図である。図7は、第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4が形成された前面板の一例を示す上面図である。図8は、第一および第二の透明電極パターンとは別の導電性要素6が形成された前面板の一例を示す上面図である。これらは、以下の説明を具体化した例を示すものであり、本発明の範囲はこれらの図面により限定的に解釈されることはない。
静電容量型入力装置の製造方法において、前述の保護フィルム側機能層12および前述の支持体側機能層7を形成する場合、本発明の転写材料を用いて、各要素が任意に形成された前述の前面板1の表面に前述の保護フィルム側機能層および前述の支持体側機能層を転写することで形成することができる。
静電容量型入力装置の製造方法においては、マスク層2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6の少なくとも一要素が、支持体と光硬化性樹脂層とをこの順で有する前述の感光性フィルムを用いて形成されることが好ましい。
本発明の転写材料や前述の感光性フィルムを用いて前述の各要素を形成すると、開口部を有する基板(前面板)でも開口部分からレジスト成分のモレがなく、特に前面板の境界線直上まで遮光パターンを形成する必要のあるマスク層において、ガラス端からのレジスト成分のはみ出し(モレ)がないため前面板裏側を汚染することなく、簡略な工程で、薄層化および軽量化されたタッチパネルを製造することができる。
前述のマスク層、絶縁層、導電性光硬化性樹脂層を用いた場合の第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターンおよび導電性要素などの永久材を、前述の感光性フィルムを用いて形成する場合、感光性フィルムは、支持体にラミネートされた後、必要に応じてパターン様に露光され、ネガ型材料の場合は非露光部分、ポジ型材料の場合は露光部分を現像処理して除去することでパターンを得ることができる。現像は熱可塑性樹脂層と、光硬化性樹脂層を別々の液で現像除去してもよいし、同一の液で除去してもよい。必要に応じて、ブラシや高圧ジェットなどの公知の現像設備を組み合わせてもよい。現像の後、必要に応じて、ポスト露光、ポストベークを行ってもよい。
(感光性フィルム)
本発明の静電容量型入力装置を製造するときに好ましく用いられる、本発明の転写材料以外の前述の感光性フィルムについては、特開2014−178922号公報の[0222]〜[0255]に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
<画像表示装置>
静電容量型入力装置、およびこの静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、『タッチパネルの技術と開発』、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
[タッチパネルの製造方法]
本発明のタッチパネルの製造方法は、本発明の転写材料または本発明のロールから、支持体側機能層および保護フィルム側機能層を転写して少なくともタッチパネル用保護層を形成する工程を含む。
タッチパネルの製造方法は、透明電極パターン上に、本発明の転写材料の前述の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を積層する工程を含むことが好ましい。
このような構成により、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を一括して転写することができ、透明電極パターンが視認される問題がないタッチパネルを容易に、生産性良く製造することができる。
なお、タッチパネルの製造方法における前述の保護フィルム側機能層、その他の機能層は、前述の透明電極パターン上と、前述の非パターン領域では前述の透明膜上に直接、または、他の層を介して、製膜されることが好ましい。
(透明基板の表面処理)
また、後の転写工程におけるラミネートによる各層の密着性を高めるために、予め透明基板(前面板)の非接触面に表面処理を施すことができる。前述の表面処理としては、シラン化合物を用いた表面処理(シランカップリング処理)を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)0.3質量%水溶液(商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。加熱槽を用いてもよく、ラミネータの基板予備加熱でも反応を促進できる。
(透明電極パターンの製膜)
前述の透明電極パターンは、静電容量型入力装置の説明における、第一の透明電極パターン3、第二の透明電極パターン4および別の導電性要素6の形成方法などを用いて、透明基板上または前述の屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜上に製膜することができ、感光性フィルムを用いる方法が好ましい。
(支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の製膜)
支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を形成する方法は、本発明の転写材料から前述の保護フィルムを除去する保護フィルム除去工程と、前述の保護フィルムが除去された本発明の転写材料の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン上に転写する転写工程と、透明電極パターン上に転写された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を露光する露光工程と、露光された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を現像する現像工程と、を有する方法が挙げられる。
−転写工程−
前述の転写工程は、前述の保護フィルムが除去された本発明の転写材料の前述の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン上に転写する工程であることが好ましい。
この際、本発明の転写材料の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターンにラミネート後、支持体(仮支持体)を取り除く工程を含む方法が好ましい。
支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の透明電極パターンへの転写(貼り合わせ)は、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、ラミネータ、真空ラミネータ、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネータを使用することができる。
−露光工程、現像工程、およびその他の工程−
前述の露光工程、現像工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落0035〜0051に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
前述の露光工程は、透明電極パターン上に転写された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を露光する工程である。
具体的には、前述の透明電極パターン上に形成された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の上方に所定のマスクを配置し、その後このマスク、支持体を介してマスク上方から前述の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を露光する方法が挙げられる。
ここで、前述の露光の光源としては、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜200mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜100mJ/cm2程度である。
前述の現像工程は、露光された光硬化性樹脂層を現像する工程である。
本発明では、前述の現像工程は、パターン露光された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を現像液によってパターン現像する狭義の意味の現像工程である。
前述の現像は、現像液を用いて行うことができる。前述の現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は光硬化性樹脂層が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましく、例えば、pKa(power of Ka、Kaは酸解離定数)=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含む現像液が好ましい。一方、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層自体はパターンを形成しない場合の現像液は前述の非アルカリ現像型着色組成物層を溶解しない型の現像挙動をする現像液が好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含む現像液が好ましい。現像液には、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、前述の現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
前述の現像の方式としては、パドル現像、シャワー現像、シャワー&スピン現像、ディップ現像等のいずれでもよい。ここで、前述のシャワー現像について説明すると、露光後の支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、未硬化部分を除去することができる。尚、熱可塑性樹脂層や中間層を設けた場合には、現像の前に光硬化性樹脂層の溶解性が低いアルカリ性の液をシャワーなどにより吹き付け、熱可塑性樹脂層、中間層などを除去しておくことが好ましい。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、現像液のpH(power of hydrogen)は8〜13が好ましい。
タッチパネルの製造方法は、ポスト露光工程、ポストベーク工程等、その他の工程を有していてもよい。支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層が、熱硬化性である場合は、ポストベーク工程を行うことが好ましい。
尚、パターニング露光や全面露光は、支持体(仮支持体)を剥離してから行ってもよいし、支持体を剥離する前に露光し、その後、支持体を剥離してもよい。マスクを介した露光でも良いし、レーザー等を用いたデジタル露光でも良い。
(透明膜の製膜)
タッチパネルが、前述の透明電極パターンの保護フィルム側機能層が形成された側と反対側に、屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜をさらに有する場合、前述の透明膜は、前述の透明電極パターンの上に直接、または、前述の第三の透明膜などの他の層を介して、製膜されることが好ましい。
前述の透明膜の製膜方法としては特に制限はないが、転写またはスパッタによって製膜することが好ましい。
その中でも、タッチパネルは、前述の透明膜が、支持体上に形成された透明硬化性樹脂膜を、前述の透明基板上に転写して製膜されてなることが好ましく、転写後に硬化して製膜されてなることがより好ましい。転写および硬化の方法としては、感光性フィルムを用い、透明積層体の製造方法における支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を転写する方法と同様に転写、露光、現像およびその他の工程を行う方法を挙げることができる。その場合は、感光性フィルム中の光硬化性樹脂層に前述の金属酸化物粒子を分散させることで、上述の範囲に前述の透明膜の屈折率を調整することが好ましい。
一方、前述の透明膜が無機膜である場合は、スパッタによって形成されてなることが好ましい。すなわち、透明積層体は、前述の透明膜が、スパッタによって形成されてなることも好ましい。
スパッタの方法としては、特開2010−86684号公報、特開2010−152809号公報および特開2010−257492号公報に用いられている方法を好ましく用いることができる。
(第三の透明膜の製膜)
前述の第三の透明膜の製膜方法は、透明基板上に屈折率が1.6〜1.78であり膜厚が55〜110nmの透明膜を製膜する方法と同様である。
透明積層体の製造方法は、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を同時に硬化する工程を含むことが好ましく、同時にパターン硬化する工程を含むことがより好ましい。本発明の転写材料は、支持体側機能層を積層した後に、支持体側機能層を硬化させることなく、保護フィルム側機能層、その他の機能層を積層されることが好ましい。このようにして得られた本発明の転写材料から転写された支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層は、同時に硬化することができる。これにより、本発明の転写材料から支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を透明電極パターン上に転写した後で、フォトリソグラフィによって所望のパターンに現像できる。
透明積層体の製造方法は、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層を同時に硬化する工程の後に、支持体側機能層、保護フィルム側機能層、その他の機能層の未硬化部分(光硬化の場合は、未露光部分のみ、または、露光部分のみ)を現像して、取り除く工程を含むことがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。「重量部」および「重量%」は、「質量部」および「質量%」と同義である。実施例17は参考例である。
[支持体]
支持体、保護フィルムは下記の7種類を使用した。
(1)コスモシャイン A4100(50μm PET、東洋紡株式会社)
(2)KFX 38(38μm PET、テイジンデュポンフィルム株式会社)
(3)ルミラー 16QS62(16μm PET、東レ株式会社)
(4)ルミラー 16FB40(16μm PET、東レ株式会社)
(5)HPE38(38μm PET、テイジンデュポンフィルム株式会社)
(6)GF−8(38μm ポリエチレン、タマポリ株式会社)
(7)アルファンE−501L(12μm ポリプロピレン、王子エフテックス株式会社)
後述の各実施例および比較例では、支持体または保護フィルムの静摩擦係数を測定した面が、支持体に隣接する支持体側機能層、保護フィルムに隣接する保護フィルム側機能層に接するように積層し、各実施例および比較例の転写材料を作製した。
[実施例1〜8、10〜12、14〜17、比較例1〜3、6および7]
<機能層1の作製>
(機能層1形成用の塗布液の調製)
以下の各成分を混合して、機能層1形成用の塗布液を調製した。
−機能層1形成用の塗布液の処方−
Figure 0006431832
−(A)工程−
フィルム支持体は下塗り層のないPET面を使用し、機能層1形成用の塗布液の塗布を行った。
フィルム支持体に機能層1形成用の塗布液をダイコーターにより塗布を行い、70℃で60秒乾燥後、続けて100℃で60秒間乾燥し、乾燥後、塗布膜厚8μmの塗布膜である機能層1(支持体側機能層)を得た。
<機能層2の作製>
支持体、支持体側機能層である機能層1、保護フィルム側機能層である機能層2、保護フィルムの層構成からなる実施例1〜8、10〜12、14〜17、比較例1〜3、6および7の転写材料については上記(A)工程に続けて、下記のようにして機能層2を設けた。
機能層2は密着性調整層、屈折率調整層などの機能をもつ機能層である。
(機能層2形成用の塗布液の処方)
Figure 0006431832
ナノユースOZ−S30Mは、固形分濃度30.5重量%のメタノールへの酸化ジルコニウム分散液である。
Figure 0006431832
上記のアクリル系ポリマーは下記の方法で調製した。
純水に25%アンモニア水を添加しpHを8.7に調整した後、アクリル系ポリマーを添加し、溶解させた。
機能層2形成用の塗布液を上記の方法で作製した機能層1の上に、機能層1と同じ方法で塗布、乾燥を行い、厚み85nmの機能層2を得た。
<保護フィルムの積層>
上記(A)工程および上記<機能層2の作製>に続けて、得られた機能層2の上に下記表5に記載の保護フィルムを重ね合わせ、支持体、機能層1、機能層2および保護フィルムをロール状に巻き取る方法により、下記表5に記載の各実施例および比較例の転写材料を作製した。
[実施例9および13]
<機能層3の作製>
支持体、支持体側機能層である機能層1、機能層2、保護フィルム側機能層である機能層3、保護フィルムの層構成からなる実施例9および13の転写材料については上記(A)工程および上記<機能層2の作製>に続けて、下記のようにして機能層3を設けた。
機能層3は高密着力層などの機能をもつ機能層である。
(機能層3形成用の塗布液の処方(高密着力層))
Figure 0006431832
機能層3形成用の塗布液を上記の方法で作製した機能層2の上にダイコーターにより塗布を行い、70℃で60秒乾燥後、続けて100℃で60秒間乾燥し、乾燥後塗布膜厚2μmの塗布膜である機能層3を得た。なお、表4中のMEKはメチルエチルケトンである。
<保護フィルムの積層>
上記<機能層3の作製>に続けて、得られた機能層3の上に下記表5に記載の保護フィルムを重ね合わせ、支持体、機能層1、機能層2、機能層3および保護フィルムをロール状に巻き取る方法により、下記表5に記載の実施例9および13の転写材料を作製した。
[評価]
各実施例および比較例の転写材料の評価は下記のように行った。
<静摩擦係数の測定方法>
支持体または保護フィルムの静摩擦係数は下記の静摩擦係数の測定方法(傾斜法)により測定した。
(1) 作製した転写フィルムより保護フィルムを剥離した。以下の作業は全て黄灯下で行った。
(2) 上記工程(1)の保護フィルム、および保護フィルムを剥がした転写フィルムを炭酸ソーダ2%水溶液、32℃で60秒間洗浄した後、超純水で32℃で60秒間リンスして保護フィルム、支持体の単体を取り出し、以下の方法で静摩擦係数を測定した。
(3) 測定を行う支持体、保護フィルムは24時間以上25℃、相対湿度50%の温湿度環境下で調湿を行った。
また、静摩擦係数の測定も25℃、相対湿度50%の温湿度環境下で行った。
(4) 40cm×40cm×3mmの平滑なステンレス板(上昇板)の上に、測定面を上にして支持体または保護フィルムを固定した。測定面は、支持体の支持体側機能層に接する面、または、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面である。
(5) 底面3.5cm×7cm、重さ206gの滑り板に、測定面を下にして支持体または保護フィルムを固定した。
(6) 上記工程(2)の上昇板を水平かつ平坦な実験台の上に水平に設置する。支持体または保護フィルムの測定面が上になるように置いた。
(7) 上記工程(4)で設置した上昇板上の支持体または保護フィルム上に、(3)の滑り板を支持体または保護フィルムの測定面同士が接するように置いた。
(8) 上昇板の一つの辺を実験台に接したまま、上昇板を傾けていき、滑り板が滑り始めた角度θを測定した。ここでθは実験台と上昇板のなす角度である。
(9) 上記工程(6)で求めたθとクーロンの摩擦法則から以下の式にしたがって静摩擦係数(μS)を求めた。
μS×mg×cosθ=mg×sinθ
※m:滑り板の質量、g:重力加速度、μS=tanθ
市販の静摩擦係数測定器では静摩擦係数の測定上限が低すぎるため、実験系は自作した。
本明細書で注目する支持体、保護フィルムの静摩擦係数は機能層と接する面の静摩擦係数である。支持体、保護フィルムの機能層とは接しない側の静摩擦係数は特に限定は無いないが、ハンドリング性の観点からは低い方が好ましい。
得られた結果を下記表5に記載した。
<算術平均表面荒さRaの測定>
上記の静摩擦係数の測定方法に記載の(1)および(2)のプロセスで作製した保護フィルムまたは支持体の単体を使い、JIS B0601−1994に記載の方法により、支持体の支持体側機能層に接する面、または、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面荒さRaを測定した。
得られた結果を下記表5に記載した。
<機能層2の屈折率測定>
シリコンウエハ上に各実施例および比較例の転写材料の作製とは別に、各実施例および比較例で用いた機能層2形成用の塗布液を90nmにて塗布を行い、機能層2の屈折率測定のサンプルを調製した。
得られた機能層2の屈折率測定のサンプルについて、Woollam社製分光エリプソメトリM−2000Uにより屈折率の測定を行った。塗布はスピンコーター(MS−A150、ミカサ社製)にて、スピン回転数(round per minute;rpm)を調整しながら行った。
得られた結果を下記表5に記載した。
<ヘイズ>
各実施例および比較例の転写材料の保護フィルムを剥離し、むき出しになった保護フィルム側機能層がガラス板と接するように厚み0.7mmのガラス板に重ね合わせ、圧力0.6MPa、ロール温度100℃、速度4.0m/minで熱転写した。熱転写した後、室温までガラス基板を冷却し、支持体を剥離し、ガラス基板上に機能層を形成した。使用したガラス板は0.7mm厚、コーニング製ガラス板イーグルXGであり、使用する前にシランカップリング剤KBM−603(信越化学工業株式会社製)の純水33倍希釈液(20℃)に30秒浸漬後、純水にて2分間水洗後、110℃5分間加熱処理後に使用した。
ガラス基板上に形成した機能層は紫外線(i線)を80mJ照射し、145℃25分間のポストベーク処理を行った。
このようにして作製したガラス基板上の機能層サンプルについて、ヘイズメータNDH 4000(日本電色工業株式会社製)によりヘイズを測定した。
ヘイズの数値は、ディスプレイ上にタッチパネルを重ね、タッチパネル越しにディスプレイに表示された画像を観察する時、ヘイズの数値が小さいほど画像がクリアに見えるため良好であるとされる。又、ヘイズの数値は小さいほど好ましい。上記の理由より、少なくともヘイズの数値は0.5%未満であることが実用上必要であり、0.4%以下であることが好ましく、0.3%以下であることがより好ましい。
得られた結果を下記表5に記載した。
<ロールの巻き姿>
各実施例および比較例の転写材料を乾燥した後、ロール状に巻き取ることによって、各実施例および比較例のロールが完成する。
ロールの巻き姿は、巻き取ったロールを2週間、25℃、相対湿度50%の環境下に放置し、ロールの表面に生じた段差(ロール中心軸からロール表面までの距離の最大値と最小値の差)をもとに下記の基準によりランク付けした。
A : 段差0.5mm未満又は目視により段差が判別できないほど小さい。
B : 段差0.5以上2mm未満
C : 段差2mm以上
ロールは直径3inch(1inchは25.4mm)のABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene Resin)製巻き芯に、テンション120N/m、巻取り速度100m/minで500mの長さを巻き取った。
得られた結果を下記表5に記載した。
<クロスカット密着力>
各実施例および比較例の転写材料のクロスカット密着力を、以下の基準で評価した。
5点: カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。。
4点: カットの交差点における塗膜の小さなはがれ。クロスカット部分で影響を受けるのは、明確に5%を上回ることはない。
3点: 塗膜がカットの縁に沿って、及び/又は交差点において剥がれている。クロスカット部分で影響を受けるのは明確に5%を超えるが15%を上回ることはない。
転写材料のクロスカット密着力は、3点であることが好ましく、4点であることがより好ましく、5点であることが特に好ましい。
得られた結果を下記表5に記載した。なお、転写材料のクロスカット密着力は、機能層と基材の間の密着力が高いほど良好な結果となる。
<総合評価>
各実施例および比較例の転写材料の総合評価を、下記の基準によりランク付けした。
AAA: 実用上の問題が無く、特に優れた品質を有する。
AA : 実用上の問題は無く、優れた品質を有する。
A : 実用上、許容できる範囲である。
B : 実用可能となるが、品質上の要改善点が大きい。
C : 実用可能とならない。
D : 実用可能に遠い。
得られた結果を下記表5に記載した。
Figure 0006431832
上記表5より、本発明の転写材料は、転写後の機能層のヘイズが低いことがわかった。
一方、比較例1〜3、6および7より、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数がともに本発明で規定する下限値を下回る場合は、転写後の機能層のヘイズが高いことがわかった。
なお、支持体の支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、保護フィルムの保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数が高すぎるとロールの巻き姿が少しずつ劣化していくことがわかった。巻き姿の劣化は図9(B)のように側面が菊巻きといわれる形態になっていき、上述の段差が顕在化する。
1 透明基板(前面板)
2 マスク層
3 透明電極パターン(第一の透明電極パターン)
3a パッド部分
3b 接続部分
4 透明電極パターン(第二の透明電極パターン)
5 絶縁層
6 別の導電性要素
7 支持体側機能層(オーバーコート層または透明保護層の機能を有することが好ましい)
8 開口部
10 静電容量型入力装置
11 透明膜
12 保護フィルム側機能層、または、第二の透明樹脂層(屈折率調整層または透明絶縁層の機能を有してもよい)
13 透明積層体
21 透明電極パターンと保護フィルム側機能層と支持体側機能層がこの順に積層された領域
22 非パターン領域
α テーパー角
26 支持体
29 保護フィルム
30 転写材料
31 引き回し配線の端末部
33 支持体側機能層と保護フィルム側機能層の硬化部
34 引き回し配線の末端部に対応する開口部(支持体側機能層と保護フィルム側機能層の未硬化部)
C 第一の方向
D 第二の方向

Claims (9)

  1. 支持体、支持体側機能層、保護フィルム側機能層および保護フィルムをこの順に有し、
    前記支持体側機能層がバインダー樹脂を含み、
    前記保護フィルム側機能層がバインダー樹脂を含み、
    前記支持体の前記支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、前記保護フィルムの前記保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数がともに1.6以上である転写材料
    ただし、物理気相析出法により形成された無機酸化物からなる層を有する場合を除く
  2. 前記支持体の前記支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、前記保護フィルムの前記保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上3.6以下である請求項1に記載の転写材料。
  3. 前記支持体の前記支持体側機能層に接する面の静摩擦係数、および、前記保護フィルムの前記保護フィルム側機能層に接する面の静摩擦係数のうち少なくとも一方が1.6以上2.0以下である請求項1または2に記載の転写材料。
  4. 前記支持体の前記支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、前記保護フィルムの前記保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaのうち少なくとも一方が6.8nm以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写材料。
  5. 前記支持体の前記支持体側機能層に接する面の算術平均表面粗さRa、および、前記保護フィルムの前記保護フィルム側機能層に接する面の算術平均表面粗さRaがともに4.9nm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写材料。
  6. 前記支持体側機能層および前記保護フィルム側機能層のうち少なくとも一方がタッチパネル用保護層である請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料がロール状に巻き取られたロール。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写材料または請求項に記載のロールから、前記支持体側機能層および前記保護フィルム側機能層を転写して少なくともタッチパネル用保護層を形成する工程を含むタッチパネルの製造方法。
  9. 請求項に記載のタッチパネルの製造方法によって製造されたタッチパネル。
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